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【人外/忍者】嘘をつきたい彼女

  人は誰しも嘘をつく

  嘘をついて周りを欺く

  ふと考える

  私はヒトではない、と

  忍びとしての暗殺任務

  情報を集めて城に侵入した後

  対象を消す

  ただそれだけ

  言葉にすると短く聞こえる

  やることは山積み

  情報収入の段階でばれてしまうこともあると聞く

  上手く城に潜入できても暗殺に失敗して拷問されることもあるらしい

  だから誰も暗殺任務をやりたくない

  それが私達、忍者にとって普通

  人を騙すことに慣れ、暗殺もなにも考えずに絡繰魂(からくり)のようにこなす私はおかしいのだろう

  暗殺任務を平然とこなして帰還する私は他の忍者達からどう見えてるのだろう?

  人でなし……

  いや、人を越えた化物かナニカだろう

  そんな下らないことを考えることができるくらい、今回の暗殺は順調だった

  情報は聞けばすぐに手に入った

  城の潜入も見張りが少ない

  後は隣の部屋にいる対象を消すだけ……

  いつも通りに首に刃を滑らし、絶命させる

  名も知らないし、顔も知らないが、忍者に暗殺をされるくらいには悪党なのだろう

  (立ち上がる音)

  動いた……!

  すぐに駆け出し、首を斬った

  ……そのはずだった

  確かに首を捉えたはず!?

  私が見誤るはずがない……!

  消すべき対象は、私を見て笑っていた

  ……馬鹿にするなっ!?

  (刃を首元に斬りつける)

  ……はぁ?

  なんで?

  なんで血が出ない?

  ……いや、そもそも斬った感触がない!?

  なんだ?

  なんなんだよ!?

  ………

  くそがぁーっ!?

  (何回も刃を斬りつける)

  (息を乱しながら)

  はぁはぁ……!

  なんだってんだよ……!

  オマエ……!

  ぬ、ぬらりひょん?

  ……妖怪、だと?

  そんなものいるわけないだろう!?

  ……くそ

  確かにオマエの言ってることは筋が通る

  この状況は人の世じゃ説明できない

  (刀を落とす)

  所詮、私は偽者ってとこか……!

  オマエみたいなやつを化物って呼ぶんだろうな……!

  (乾いた笑い)

  ……ははっ

  もう嫌だ……

  任務が成功したって……!

  どうせ、また皆から怖れられるだけ……

  また帰ってきたって言われて……

  死にたくないだけなのに……!

  一生懸命やってるだけなの……

  (吐き捨てるように)

  …煮るなり焼くなり、好きにしてくれ

  一応、女だから使い道はあるんじゃない?

  貧相なカラダでも良ければな……

  (少し間を空ける)

  ……

  なんて、な……!

  (素早く刃を拾い、斬りつけようとする)

  (聞き手が刃を手で止める)

  なっ!?

  手で受け止めた、だと!?

  あっ!?

  (刀を投げ捨てる)

  くっ!?

  私の刀が!?

  ぐっ!?

  ……あぐっ!?

  (聞き手に羽交い締めにされる)

  くっ!?

  ……おい、離せっ!!!

  聞いてるのか、おいっ!?

  んあっ!?

  (うなじに触れる)

  急に首に触るな///!?

  な、ナニをっ!?

  (ゆっくりうなじをなぞる)

  んひっ!?

  ま、また首に///!?

  好きにしてくれって言っただろう、だと!?

  くっ!?

  (耳を優しくなぞる)

  確かに言った、言ったけどぉ///!?

  ……やだ///!?

  耳なぞるの、やだぁ!?

  や、嫌ぁ♡!?

  くっ!?

  あ、お願い♡……!

  や、やめて♡!?

  お、おかしくなっちゃう♡!?

  や、やだ♡!?

  こないで///!?

  (少し間を空ける)

  結局のところ

  私の暗殺任務は失敗した

  ただ失敗したからと言って里には帰ることはできない

  それは忍者としての誇りを捨てるのと同じだ

  だから、今度こそは……!

  (お茶を置く音)

  ……ねぇ?

  弱点とかあったりしない?

  ぬらりひょんの

  ……は?

  耳と首?

  ……へ///!?

  そ、それって、私の////!?

  くっ!?

  またふざけやがって!?

  いつか絶対に殺してやるからなっ!

  私の暗殺任務は未だに続いている

  人は誰しも嘘をつく

  勿論、私も嘘をつく

  周囲を……

  自分も……

  欺く……

  この妖怪に対する私の気持ちが何なのか……

  それに気づくのはまだ少し先のお話し

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