AdAd
  
狼鬼、英傑の地に降り立つ‐その身貪るは白き虎‐

  ここは何処だ。

  少なくとも自分が見知っている森や山の中ではない。

  そもそもここが人智の及ぶ空間なのかも分からない。

  上に落ちている。前に下がっている。ぐるりと体が回って、閉じて。

  宙に押し付けられているのか、地面に浮いているのか。

  「ぅ"っ…グルルぅっ…!」

  耳をぴんと立てると牙を剥き出し。

  狼の頭。灰色の毛並みが揃う引き締まったヒトの肉体。額から生える二本の角。

  -狼鬼、ウルガレオンは喉を鳴らし、見えない何かに威嚇をした。

  筆舌し難い感覚に苛まれているとこの空間に来る直前の記憶が徐々に蘇っていく。

  千年の眠りから目覚め。少年と出会った。

  自分が目覚めるなど、本来であればあり得ない。これは世に何かが起きる前兆のはず。

  そう考えた彼は有事に備え、月明かりのみが照らす山の中で鍛錬を積み重ねていた。

  すると中空に突如、呪いの陣が現れた。

  その陣自体に見覚えは無いが-どういうものか直ぐに理解できる。

  陰陽術。そして矛先は自分である。

  周囲に自分以外の生物の気配は無く、術者は恐らく遠隔操作を行なっている。

  陣、五芒星はウルガレオンに向けて眩い光を放つと、急速に広がり、ウルガレオンの体を飲み込んだ。

  そこで一度意識が途切れ…

  「ゥ"ゥ"ゥ"ッ…!ォ"ォ"ッ!!」

  空間の中でウルガレオンは咆哮すると無意味だと分かっていながら拳を振るった。

  当然何かに当たる訳も無い。空気を裂き、鋭い音が虚しく響く。

  音は奪われていない。自分の咆哮も、鼓動も、聞こえる。

  -微かに聞こえる、自分以外の何者かの声。

  『英傑…』

  「何奴ッ…!何が目的だッ!」

  そのか細く、今にも消えてしまいそうな声を耳に捉え、ウルガレオンは全身の毛並みを逆立て、長く伸びた髪を振り払いながら吼えた。

  『紀愁-主の力が必要だ-歴史に名を残さぬ英傑-三千世界へ-君主を-助け-』

  「応えよッ!貴様は何者だッ!我をッ…!?」

  空間が光り輝く。その光は徐々に強さを増し、ウルガレオンの瞳を焼かんばかりの眩さ。

  瞼を貫くその光にウルガレオンは両腕で目を覆い隠し、全身を硬直させた。

  光が質量を持ち、ウルガレオンを包み込む。

  宙に落ちていた体が抱き込まれ-光が一方へ、動く。

  ウルガレオンの毛並みが体にペタリと張り付くと-ウルガレオンは再び意識を失った。

  怒号。剣戟。悲鳴。

  土の臭い。生温い風が皮膚を通り抜け。血の臭い。

  「う…ぅぅ…」

  ウルガレオンはそれらに不快さを-そしてそれ以上の高揚を-感じながら目を開けた。

  今度はしっかりと地面が存在している。

  見上げる曇天。ぽつ、ぽつ、と僅かに降る雨。

  いやに暖かい地面。それは時折激しく振動する。

  地鳴りが響いているが、地震ではない。ウルガレオンには覚えがある。

  これは、戦。馬が、兵士が駆け抜ける際に起きる振動。

  意識を取り戻し、目眩が治ると同時にウルガレオンはたんっ、と地面を蹴り、素早く立ち上がると身を翻し…

  直後、自分が数コンマ秒前まで居た場所に降り注ぐ弓矢と…

  「ぎゃぁ"ぁ"ぁ"ぅ"ぅ"ぁ"ぁ"っ!!!」

  矢の滝に射抜かれ、断末魔を上げながら倒れる兵士の姿を目にした。

  迸る鮮血。飛び散る臓腑。切り裂かれる肉にとろりと地面に滴る骨髄。

  どくん、と。心臓が高鳴る。

  困惑も恐怖も。高揚の前に消え去っていく。

  今すぐに目の前の死骸となった兵士に-肉にかぶりつきたいと。本能が叫んだ。

  だがウルガレオンは自らの顔を叩き…

  視線を上げる。

  「鬼だッ!鬼がここにッ!」

  「射貫けッ!ここは我らで押しとどめるッ!」

  その視界に入るのは兵士達。そして一人の-臭いを嗅ぎ、耳を澄ますだけで手練れと判断のつく-武将。

  弓を構えると矢尻をウルガレオンへと向けた。

  戦う気は無い。だが、殺意を向けられれば応えねば死ぬのは自分。

  何が起きているのかも分からないまま、死ぬ訳には行かない。

  「シモン殿ッ…!我はッ!-ォォォォォンッ!!」

  ウルガレオンは両足で地面を踏み抜くと天高く咆哮する。

  忌むべき力。狼鬼の力を今こそ発揮する時。

  たんっ、と地面を蹴るとウルガレオンは降り注ぐ弓矢全てを避け…次の矢を構えかけていた兵士に掌底をぶち当てた。

  めきり、と骨の音を確かめ、兵士が吹き飛んでいくのを視界の端に捉え。

  体を翻し、次々と兵士たちを吹き飛ばしていく。

  銀色の弾丸。

  そして美しく、艶やかな演舞のように。

  鬼気迫る、という言葉。美しいという感情。

  恐ろしい鬼を前にしながら、兵士達はウルガレオンのその姿に一瞬見惚れてしまう。

  「お前たちッ、何をボケっとしているッ!射貫けッ!たかが鬼一匹…」

  兵士の壁をすり抜け、吹き飛ばし。ウルガレオンは武将―恐らくこの舞台の頭―へと肉薄した。

  鋭い眼光で睨みつけて。己の中で暴れまわり燃え上がる鬼としての本能を必死に抑えながら。

  「これ以上手加減は出来ぬッ!…退けッ!さもなくば、我が貴様らを喰い殺すッ!」

  もちろんウルガレオンー紀愁―にそのつもりはない。

  だが、彼の中に宿った鬼の血は。

  武将の頭はウルガレオンの言葉と瞳に顔を少し青くすると。

  「…退くぞ!無傷の兵士は傷付いた兵士の保護に回れ!」

  馬を嘶かせ。踵を返していく。その指令に兵士達も続き。

  ウルガレオンの吹き飛ばした兵士達―手加減はした、生きてはいるだろう―を回収しながら退いていく。

  その背中を見送り…ウルガレオンはふぅ、と息を吐いた。

  一体、何がどうなっているのか。あの空間は、あの声は。

  曇天の下。遠くで聞こえる戦の声。

  血の臭い。膿の臭い。生温い風。

  行く当てもないウルガレオンは角に触れると…はっ、とした表情を浮かべる。

  先程弓矢に射貫かれ絶命した兵士。そこから立ち昇る光に気が付いたのだ。

  ‐消えていく。

  死骸が、肉の塊が。光り輝き、そして消えていく。

  その命の輝きは宙に舞うと、一つの球の形を取って。

  天へと昇っていった。

  何がどうなっている?

  「何が目的だ…我をこの地に喚んだのは…一体…」

  木の上に昇り、改めて周囲を見渡し、ウルガレオンはこの戦場の異常さを感じていた。

  目視するには少々遠いが…巨大な城、そびえる城壁。その向こうは見えているはずなのに、何もない。有限の奥行。

  それが対面した戦場。目を凝らし、戦場を進む兵士達を観察すると…

  身に付けている鎧や武具が明らかまばらだ。

  ウルガレオンの見覚えのある具足を身に付ける兵士達もいれば、僅かに残されていた史料で見た事のある鎧を身に付ける者たち。

  かと思えば鉄で作られ、火薬の臭いをちらつかせる筒状の道具を手にした兵士達。

  ‐時代がかき混ぜられて歪に象られている。

  さて。

  「どうしたものか…」

  自分をこの場所へ飛ばしたものの正体は分からないが‐目的を推察する。

  三千世界。君主を助ける。

  この場所で自分の主たる存在を見つけ、戦え、という事か?

  しかし、英傑、とは?

  多少の推察から得られる結論とも言えない霞の様な答え。そしてそれ以上に次々と浮かび上がる疑問。

  考えていると‐ウルガレオンの立つ木の下から、みしりと嫌な音が聞こえる。

  「…くッ!?」

  ぐらり、と木が揺れた。

  いや、持ち上げられている。ウルガレオンの数倍はあろうかという背丈の木が、あっさりと。

  ウルガレオンは横を向く木から素早く跳躍すると地面へ両手両足で着地する。

  立っていた木は完全に横になるとウルガレオンへと明確な意志を持って襲い掛かった。

  「ぐぅっ…何者だッ!」

  振り払われる木をすんでのところで避け、ウルガレオンは木の根元-木を振るっている何者かへと飛びかかる。

  木の根元。それを持っているのは

  白い毛並み。虎の頭。ヒトの雄の肉体。

  隆起した腕。盛り上がった胸。鋭い眼光。

  頭上に生える一本の、勇ましく悍ましい角。

  「鬼ッ…!?」

  「ふむ、嗅ぎ慣れぬ臭いがすると思うたが…見知らぬ顔だ。」

  虎の鬼はウルガレオンを一瞥すると不思議そうに呟く。

  飛びかかった勢いを使い、ウルガレオンは虎の鬼へと拳を振り上げた。

  ウルガレオンのその様子に、虎の鬼は木の幹から手を離すと同じように拳を上げると振り下ろす。

  骨と肉が激しく衝突し、周囲の木々を震わせる轟音が鳴り響いて。

  ウルガレオンは後方へと飛び退き、虎の鬼はごぎゃん、と首を鳴らし鋭い瞳でウルガレオンを射抜く。

  「何者だ、と問いたいのはこちらだ。我が主も知らぬと宣う始末。」

  「鬼に名乗る名など無い。」

  「何をほざく。貴様も…あぁ、いや、違うな。」

  鋭い瞳で睨み返し、全身の毛並みを逆立てるウルガレオンに対し鼻をすん、と動かし虎の鬼-虎熊童子は合点がいったと言わんばかりに頷いた。

  「貴様、人間か。いや?力を欲した愚かな人間が我ら鬼の眷属に魂を売り渡し力を得…溺れ、己を失った、と言ったところか。」

  そしてにぃ、と頰を釣り上げる。愉しそうに。とても、愉しそうに。

  虎熊童子の言葉にウルガレオンはちりちりと毛並みが燃え上がりそうな熱を全身に感じながら牙を剥き出し唸る。

  「黙れ…!」

  「図星か。あぁ、本当に愚かだ。人間風情が我らが鬼の力を使いこなす事など出来る訳があるまい。少しも考える事が出来ぬとは…そこまで行くと哀れだな。」

  事情も知らぬ-知ったとして恐らく同じ反応を示すだろうが-虎熊童子の言葉に、ウルガレオンは怒りのあまり体を震わせ。

  「黙れッ!貴様らがッ!貴様らのせいでッ…!!」

  姿を消す。

  消えたように見える程の速度でウルガレオンは虎熊童子の背後へと回り込んで。

  無防備な背中に拳を叩きつける。

  肉で出来た鎧を穿つと、虎熊童子はがふっ、と少し口から血を吐き出し。ぐるりと首を向けた。

  「成程、力はそこそこにあるようだな。…ぬぅんっ!」

  攻撃の気配を感じたウルガレオンは虎熊童子の腰へ足を伸ばし、中空で転回する。

  直後、虎熊童子は両腕を肩まで持ち上げ、地面と水平にすると体を回転させた。

  「ぐッ!?」

  チっ、とウルガレオンの毛並みに虎熊童子の拳が僅かに触れる。

  空気を切り裂き、空間を薙ぐその腕は、ウルガレオンの想像を超える膂力。

  「グォ"ォ"ォ"ォ"ッ!!!」

  続けて虎熊童子は咆哮する。

  ただ咆哮しただけだというのに、ウルガレオンの体が後方へと吹き飛ばされていった。

  そして木へと叩きつけられる。痛みこそあまり無いものの次への行動が一歩遅れてしまう。

  「ガァ"ァ"ッ!」

  その隙を逃すまいと虎熊童子はお返しとばかりにウルガレオンへと飛びかかった。

  [newpage]

  避けきれない。そう判断したウルガレオンは両手を体の前で交差させると全身に力を込めた。

  周囲の木々が衝撃に薙ぎ倒される。ウルガレオンを中心にクレーターができる。

  ウルガレオンは牙を喰い縛り、全身に走る衝撃と痛みに耐えた。

  「ククッ、成程。我の拳を受け止めるとは。半端者としては悪くない。」

  「ぜはっ、ぜふっ…げほっ、げほっ…!」

  「気に入った。我についてこい。愚かな人間の完全に血を捨て、我らが眷属として人間共を、この三千世界を蹂躙しようでは無いか。」

  「ふざけるなッ!確かに我は力を求めたッ!愚かだ、本当に愚かだッ!だがッ、完全に魂を売り渡した訳では無いッ!我は、我はッ!人間だッ!抗い続けてやるッ、貴様らにッ、鬼にッ!」

  虎熊童子の提案に激昂し、ウルガレオンは誇りを忘れぬよう絶叫する。

  「…ふむ。本当に、愚かだ。」

  虎熊童子は侮蔑の色と-別の色を混ぜた光を瞳に灯す。

  それはウルガレオンがあまり見たことのない色。

  -雄の情欲。

  虎熊童子はウルガレオンの頭を掴むとギチギチと音を立てながら体を軽々と持ち上げる。

  「そういう手合いは-自分が無力だと分からせるのが手っ取り早い。」

  「ぐっ、がぁ"っ、がぁ"ぁ"っ…!」

  頭が砕けそうになる。みしりみしりと頭蓋骨の悲鳴。

  ウルガレオンは目を見開くと抑えきれぬ声を上げた。

  「いい悲鳴だ。」

  うっとりとした声色。虎熊童子は瞳を細めるとウルガレオンを地面へと叩きつける。

  ぐしゃぁっ、と鈍い音。

  抵抗する事もできず、ウルガレオンは虎熊童子の前に這いつくばらされてしまった。

  「無様だな。我の誘いを断らずにいればそんな目に合わずとも良かったものを。」

  「黙…れェッ…!」

  「…ククッ、興が乗ってきた。この感覚は久方ぶりだな。」

  虎熊童子は屈むとウルガレオンの頭を片手で再び掴み、もう片方を自らの袴へと伸ばす。

  紐を緩め、ずらし…外気に晒し出されるのは強烈な雄の臭いが染み付いた褌。

  びぐんっ、びぐんっ、と盛り上がった部分が嬉しそうに脈動するのがウルガレオンの目に映る。

  「まさ…かッ…やめっ…ガァ"ァ"ァ"ッ!!」

  もがくウルガレオンの頭をさらに強く握り。

  虎熊童子は褌をずらした。

  ぼろんっ♥

  飛び出した逸物は、もはや異形。

  大蛇のように絡みついた血管。肉で出来たかえしが無数に連なる竿は前腕よりも太く、長く…第三の足と称しても差し支えないだろう。

  褌の下からはみ出る睾丸は小振りなリンゴ程のサイズであり、目に見えて徐々に膨らんでいく。

  「たっぷりと可愛がってやろう。鬼の、雄の悦びを知り、戻れなくなるまで…な。」

  べちん、とウルガレオンのマズルを叩く肉の凶器。

  何に使うかなど、想像するに容易い。目を見開いたウルガレオンの頭上に生える二本の角をがっしりと掴むと虎熊童子は荒々しく。

  「ウラァッ!」

  ずぶぐごぉっ♥

  「んごッ!?ぉ”ぉ”っ…!?」

  強烈な酸味と雄の臭いがウルガレオンの脳天を突き抜けた。

  清潔に保っているとは言えない逸物に絡みつく恥垢。溢れ出す先走り。

  酸味の後に塩辛くえぐい液体が喉奥へと注ぎ込まれていく。

  ウルガレオンはただただその悍ましさと虎熊童子の狂喜、そして喉奥を肉の塊で塞がれる苦痛に涙を流した。

  「良い面だ。…そんな目をされたら、滾ってしまうではないか…!」

  ウルガレオンの鋭い角をギリギリと握りしめ。掌から血を垂らしながら虎熊童子は頬を吊り上げると腰を動かし始める。

  「んごっ、ごっ、ごぉ”っ!?おぶっ、ごぽぉ”っ!?」

  虎熊童子の腹は見た目以上に筋肉がみっちりと詰まっており、ウルガレオンの黒く濡れた鼻を圧し潰すとそのままマズルに叩きつけられて。

  虎熊童子の動きに合わせ、ぼっこりと何度も何度もウルガレオンの喉に逸物の形が膨らみ上がる。

  呼吸もままならず、喉を塞がれ。えづく事も許されず、ウルガレオンは鼻と結合部である口の端から唾液と先走りと鼻水を溢れさせた。

  「ごぼっ、おぶっ、げぽっ、げぶぐぅ”っ…!?おごッ…げぅ”っ…!げぽっ、げぷぇ”っ…!?」

  視界が揺らぐ。視線が定まらず、ただただ苦痛がウルガレオンの脳を蝕んでいく。

  虎熊童子は心地よさそうに唸り声を上げながら腰を振り。ウルガレオンの喉奥で逸物を扱いた。

  ねっとりと絡みつく粘膜。時折触れる鋭い牙の危うさ。拒絶の意志を示すよう喉奥が痙攣するように締まり。腰の動きを少し変えれば長く太い舌が血管部分を撫でて。

  「んっ、ぉ”っ、ぅ”っ…良い…ォ”ォ”ッ…ぅ”っ、ぅ”っ…!」

  うっとりと呟き。虎熊童子は逸物を更に膨らませる。

  先走りが量を増し、びたんびたんと睾丸がウルガレオンの顎を叩いた。

  涙が止まらない。苦しい。とにかく、苦しい。そして、悍ましい。

  視線を上げると欲望に耽る鬼。

  ‐何故、自分はこんなにも…

  視界が狭まる。明滅を繰り返し、音が遠くに聞こえる。

  意識を飛ばすその直前。

  「こんなものだろう。」

  虎熊童子はウルガレオンの角を解放し、腰を引いた。

  限界まで膨らみ上がった逸物。ありとあらゆる粘液を纏ったそれはてらてらと妖艶にてかり…ウルガレオンの鼻を叩いた。

  しかしそれに対する不快感よりも。

  「んごっ…おぶっ、げぼっ、ぉ”ぇ”っ…げぽっ、げぽぉっ…おげぉ”っ…!」

  ウルガレオンは咳き込み、注ぎ込まれた先走りと恥垢が溶けた液体を吐き出した。

  ぜぇぜぇと肩で呼吸をする。悪臭が嫌でも脳に伝わり、吐き気が何倍にも増していくようだ。

  虎熊童子は苦痛に満ちたウルガレオンを見下ろし…軽く自らの逸物を扱く。

  「さて、ここからが本番だ。…貴様の肉体、我が蹂躙してくれよう。」

  「がはっ…!」

  逸物から手を離し、虎熊童子はウルガレオンの顎を蹴り上げた。

  衝撃に体が宙を舞い。ウルガレオンは仰向けに地面へと叩きつけられる。

  地面に飛び散った液体が不気味にウルガレオンを受け止め。

  グワングワンと脳が揺れ‐ウルガレオンは、迫りくる虎熊童子を見る事しか出来なかった。

  鋭い爪を立て、虎熊童子はウルガレオンの袴を褌ごと破り捨てる。

  むわぁ♥

  硬く締まった雄穴が外気に晒し出されるとやはり濃縮された雄と汗の蒸れた臭いが虎熊童子とウルガレオンの空間を満たして。

  ウルガレオンの萎えた逸物―十二分以上のサイズだが―に虎熊童子は自らの逸物を擦り付ける。

  それは己が上だと示す様に‐

  「さて。それでは始めるとしよう。ククッ、愚かな人間よ。貴様の様な存在が我が魔羅を受け入れられる事、光栄に思え。」

  「やぇ”っ…ろッ…我はッ…」

  ぐちゅぐちゅと卑猥な音が聞こえ。雄穴に悍ましい肉の塊が宛がわれた。

  狙う先を、穿つ先を見極めるように数度腰を動かし。そして。

  「ウラァァッ!!」

  ずんっ♥

  「―――――ッ!!!!」

  ウルガレオンは絶叫した。

  想像を絶する痛み。無理矢理割り拡げられた雄穴がぎちぎちと悲鳴をあげ、うっすらと鮮血が滲み出す。

  肉の杭を体内に捩じ込まれ。その杭は熱を伴う脈動を繰り返す。

  腸内を圧迫されれば呼吸が著しく困難になり。

  「やはり…きついな。だが、いい。貴様のその表情も、仕草も…ククッ、動くぞ。」

  半分ほど肉竿を突き入れた虎熊童子はぶるりと背筋を震わせながら舌舐めずりをして。

  ウルガレオンの引き締まった胸板に豊満な胸を押し付けた。

  上半身に体重を乗せ。ウルガレオンの両手首を掴み、地面に押さえつけると腰をゆっくり引く。

  「ガッ…ハッ…!ぐっ…ぅ"っ…!」

  肉が捲れ上がり、腸壁が引き摺り出される。

  腸液と鮮血を塗した虎熊童子の逸物がテラテラと艶かしく照らされる。

  ずごっ、ずんっ♥

  「ガァ"ァ"ァ"ッ!!!」

  再び突き入れられる逸物。ウルガレオンの腹に虎熊童子の逸物の形がうっすらと浮かび上がった。

  最初の挿入よりも深く。早く。熱い。

  「…どうした?まだ挿入したばかりだぞ?もう果ててしまうのか?」

  「何をッ…ガッ…!」

  「心地良く締め付ける肉壁。心地よさそうな遠吠え。我と貴様の腹で擦れる魔羅。全てが我を受け入れ悦んでいるではないか。」

  そんなはずはない。

  無理矢理なされる情事で快楽を見出せるなど、あり得ない。

  現にウルガレオンの脳内は苦痛と恥辱で満ち満ちており、快楽などさほども感じていない。

  …想像を絶する痛みと恥辱に混乱した脳が、逸物を屹立させ、雄穴に突き入れられた異物を排泄しようと試みているのは確かだったが。

  「とんだ売女だ。そんなに我の魔羅が、我の子種が欲しかったか?いいだろう、たっぷりと蹂躙し、注ぎ込んでやる。…ウラァッ!」

  首を僅かに振り拒絶しようとするウルガレオンの首筋に牙を立て。

  自らのものであると示すかのようにマーキングすると虎熊童子は本格的に腰を振り始める。

  どづんっ、がごっ、ぼぢゅんっ、どごっ、ずぼぉ"っ♥

  「ぐっ、がッ、ぁ"っ、ゥ"ゥ"ッ…!!」

  「ククッ、どうした、心地よいだろうッ!我が魔羅は!貴様の肉壺は我を受け入れ悦び、汁を垂らしているぞッ!」

  逸物の抽送が始まれば、結合部で粘液と肉が擦れ、泡立ち。卑猥な香りを解き放つ。

  骨が歪み、肉が軋む。押し付けられる虎熊童子の肉体は筋肉がみっちりと詰まり、地面と挟まれ押し潰される。

  肉で出来たかえしが腸内をズタズタに傷つけ、腸液が大量に分泌され…

  虎熊童子の動きがより激しさを増して。

  「ぅ"ぁ"っ、ぁ"ぁ"っ、ガァ"ァ"ッ…!!」

  ウルガレオンはただただ絶叫する。

  喉の奥から血の味がする。虎熊童子の注いだ先走りと入り混ざり、不快感をどこまでも高めて。

  虎熊童子は全身を小刻みに震わせながら心地よさそうに目を細め。

  閉じる事を諦め始めた雄穴をさらに拡げ、心地良く絡まり締め付ける腸壁の味に酔いしれる。

  くるみのように硬い肉の塊を見つけ、そこを突くと。

  ごりゅぅっ♥

  「ガァ"ァ"ッ!!」

  ウルガレオンは背筋を仰け反らせ、全身をびぐんっ、と跳ねさせた。

  必死に抗おうとするその表情が。仕草が。

  それにも関わらず刺激に敏感な反応を見せるウルガレオンの美しい肉体が。

  「あぁ、良い…!止まらぬッ…!我の悦びッ、貴様にもッ!」

  「やめっ…ガァ"ァ"ァ"ッ!!」

  ぶしゅぅっ、と。

  声を上げたウルガレオンの肩に牙を突き立て、食い込ませ。

  迸る鮮血を顔に浴び、ザラザラとした突起のついた舌でウルガレオンの血を舐め上げて。

  「拒絶する事など許さぬッ…!我らが鬼の力に手を染めた愚かな人間よッ!その罪、その業ッ!」

  壮絶な光をその瞳に宿し。

  虎熊童子は一層膨らみ上がった逸物をぶるんっ、とウルガレオンの体内で跳ねさせて。

  種を解き放つその瞬間に向け。スパートをかける。

  「ぐぅォ"ォ"ォ"ッ!!」

  捲れ上がった腸壁が、肉の花を咲かせ。

  持ち上がった腹。萎えていながら多量の先走りを迸らせる、ウルガレオンの逸物を押し潰し。

  虎熊童子はウルガレオンが決して逃れられぬよう、握る手に力を込め。

  胸を擦り合わせる。

  どぐんどぐんと互いの鼓動が入り混ざり、ウルガレオンの思考を奪い去って。

  「ガァ"ァ"ァ"ッ、ァ"ァ"ッ、ァ"ッ…ァ"ァ"ッ…」

  「射精るッ…受け止めろッ…!!」

  -シモン殿…

  「ウラァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ッ!!!」

  どっぶっ…

  ごぼぉっ♥ごぶぶびゅるぅっ♥ぶぐぶびゅるぅっ♥びゅぶぶびゅるぅっ♥

  「ガッ…ガァ”ァ”ァ”ッ!!!」

  溶岩が腹の中でのたうち回る。腸壁の襞に絡みつき、蠢き、奥へ奥へと突き進もうという意思が見える。

  好き勝手に泳ぎ回る子種。

  その勢いも量も生半可なものではない。一瞬でウルガレオンの下腹部がぼっこりと浮かび上がり、入りきらなかった分の精液が結合部から溢れ出している。

  虎熊童子は舌をはみ出させ、唾液を垂らしながら酩酊の表情で腰をゆるゆると動かした。

  ずちゅずちゅと淫猥な音。地面に落ちた精液が水溜りを作り上げ、ウルガレオンの太腿を濡らす。

  虎熊童子の体の下でウルガレオンは悶絶し、びぐんっ、びぐんっ、と全身を跳ねさせた。

  熱い溶岩が体内を駆け上る。下腹部が、腹部が熱い。

  虎熊童子はにぃ、と笑みを浮かべると未だ血が滴るマズルをウルガレオンのマズルへと近づけた。

  生臭い。鉄と雄の臭い。生暖かい吐息を浴びせ。

  「んぶっ、ぐぶぅ”っ…!」

  虎熊童子はウルガレオンの唇を奪い去る。

  ウルガレオンの耳に届くよう、わざと大きな音を立てながら舌を絡ませ、上顎をなぞって。

  塗り込んでいく。血の味を、雄の味を。己を屈服させた鬼と雄の臭いを。

  どれだけの間、そうして繋がっていたのだろう。

  射精を終え…虎熊童子は未だに萎え切っていない逸物を抜き取った。

  「ッ…ァ”ッ…ぁ”ぁ”っ…」

  にゅぽぉ、と間の抜けた音。びくんっ、とウルガレオンは体を跳ねさせるとどこか虚ろな目つきで空を見上げる。

  ぽっかりと空いた雄穴は閉まる事を忘れ。赤黒い薔薇が咲き乱れ、その奥には脈打つ白い子種。

  「ふむ。少々やり過ぎてしまったか。…おい、貴様。名を我に教えろ。」

  「ッ…ッ……」

  虎熊童子の言葉にウルガレオンは反応する事が出来ない。

  びぐんっ、びぐんっ、と腹を天に向け、痙攣をするだけ。

  言葉が届いていない訳ではないだろうが…虎熊童子はふん、と鼻を鳴らした。

  「やはり鬼の力を得た、ただの人間か。我の眷属にしてくれようかと思ったが…その価値もない。我が主も貴様ごとき眷属に降ろしても悦ぶはずもない、か。」

  届くのは侮蔑の言葉。

  「まぁ、刹那の快楽にはなった。ではな。もう会う事も無いだろう。」

  褌と袴を履きなおすと虎熊童子はウルガレオンに背を向け、歩き出す。

  ウルガレオンは。

  「グッ…ゥ”ゥ”ッ…ォ”ォ”ッ…ァ”ァ”ァ”ァ”ッ…!!」

  みっともないと分かっていながら。虎熊童子の仕打ちに声を上げ、泣いた。

  ‐我はこんなにも、弱く、惨めだ。

  だが、だからこそ。生きねばなるまい。

  強くなりたい。強くあらねばならない。

  泣いた。さんざん泣いた。

  どれだけ時間が経ったか。涙が枯れて。そしてウルガレオンは立ち上がる。

  頬を濡らした毛並みを手の甲でグシグシと拭い。

  痛みも恥辱も、決して消える事は無い。

  ならば必ず、この世界に飛ばされた意味を知り、為すべきことを為し…あの鬼を討つ。

  あの少年の元へ戻るためにー

AdAd