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不覚をとった。
正体がばれないようにつけているド派手なマスクの下で狼はギリッ、と歯噛みをした。
逃げ遅れた市民を助けるために武器をしまい盾になる。
それで市民を逃がしたまでは良かったが相手の兵器であるトリモチのようなもので捕らえられてしまったのだ。
そして睡眠薬のような物を嗅がされ…意識を失い、今に至る。
手術台のようなものに寝かされ、手と足には枷をつけられ身動ぎすることしか出来ず、脱出は困難。
そして身に付けていたはずの衣服は全て脱がされマスク以外は全裸の状態だ。
「お目覚めですか?ヒーローさん。」
「てめぇ…!」
監視カメラか何かで覗かれていたのだろうか、部屋のドアが開き狐の男が入ってきた。
ギロリ、とそれを睨み付けると狐は肩を竦めた。
「そんな目で睨み付けないでくださいよ。恐いじゃないですか。私、戦いは苦手なんですよ。」
つかつかと狼に歩み寄る狐は自分で言う通り筋肉質な狼と違いずいぶん細身で小柄だ。
「俺をどうするつもりだ。殺すのか?」
狼は自分の立場を分かっていながら威圧的に狐に聞いた。
この身を正義のために捧げると決めた彼にとって、死ぬことは恐怖ではない。
狐は苦笑いをする。
「そんな勿体無いことしませんよ。こんな肉体持ってる方は中々いらっしゃいませんからね。」
言いながら狐は苦笑いをいやらしい笑みに変え狼の豊満な胸を指先でなぞった。
そしてその指をゆっくりといやらしく腹筋へとずらし、そして股間へ。
体毛に隠れている肉棒を外に露出させると狐は舌なめずりをした。
その表情に、狼はぞくりとした何かを感じる。
狼の肉棒は萎えていて尚狐の手に余るほど立派なものだ。
ただその先端は綺麗なピンク色をしており性交の経験が無いことが分かる。
「貴方には私の配下になってもらおうと思いまして。強大な力を持つ部下がいれば私達の計画もスムーズに進みますし。」
「はっ、それをされるぐらいなら俺は舌噛みきって死ぬな。」
「いえ、貴方はもうそんなこと、出来ないんですよ。」
狐はそう言うときらり、と妖しく光る宝石を取り出した。
それが何か、問おうとした時、狐は宝石を掲げる。
ぱぁ、と紅く暗い光が宝石から放たれ部屋全体を包み込んだ。
それだけだ。狼の体に何かが起こったとか、そんなこともない。
今の光は何だったのだろう。
状況を把握できない狼に対し狐はにぃ、と笑みを浮かべたまま狼の枷を外し始めた。
「さぁ、今の貴方なら私を殺して脱出することが出来ますよ?」
狐は狼に顔を近づける。それも互いの息がかかるほどに。
しかしこれは願ってもいないチャンスだ。
頑丈な枷がなければ…
腕を動かそうとする狼。しかし。
「…?!?!」
体がまるで言うことを聞かないのだ。
腕を動かし、狐をどけろ。
そう脳が命令をしてもまるで体が動かない。
言葉を出そうにも何も喉から出てこない。
狐は笑みを浮かべたまま狼から離れる。
「逃げないんですか?…ふふっ、逃げられないんですよね?」
狐は宝石を宙に放り投げキャッチした。
「今、貴方には催眠術をかけさせてもらいました。自分の脳からの命令は受け付けるな、私の言葉に従え、とね。…起き上がれ。」
むくり、と狼は起き上がった。
それに彼は困惑する。
狐の言っている通りだ、脳と体がまるで別の生き物のように動いている。
「台の縁に座れ。」
狐の命令に従順に従う狼の体。
止めろ、と脳が言ってもその動きが止まることはない。
縁に座った狼に狐は説明を続ける。
「そして命令を出すことが出来ない脳でも…体の感覚を受けとることは出来るんですよ。…自慰をしろ。」
(そんなこと、したくない、出来ない、止めろ!!)
脳内で叫ぶ狼だが…こくりと頷き狼は自分の萎えている肉棒に右手を添えた。
そして立派なその肉棒を狐の前で扱き始める。
はっ、はっ、と舌をはみ出させ狼は全身を震わせた。
萎えていた肉棒はすぐに硬さを増していき天を突くほどに立ち上がっていく。
先走りが溢れ始め肉棒を扱く音にぐちゃぐちゃと水音が混ざり始めた。
(嫌だ…ッ!止めろ、止めてくれ!)
体が感じている快楽をひたすらに受け止めながら狼は必死に心で抵抗する。しかし。
「…ッ!」
限界を迎えた狼は天を仰ぎ絶頂に達した。
びゅるびゅるびゅると黄色がかった精液が多量に噴き出し狼の腹部を、股間を、右手を汚す。
自慰を最後にしたのがいつかも思い出せず、久し振りに与えられた快楽に狼の体は痙攣する。
脳も間違いなく快楽をぶつけられているのだが…それ以上の屈辱。
今自由に体が動かせるのなら狼は間違いなく舌を噛みきっているところだろう。
しかしそれは叶わなくて。
狐は手をパチパチと叩き笑った。
「いやぁ、自慰は気持ち良かったですか?そんなに精液を出してしまって。ヒーローが悪の幹部の前で自慰。もしこんな姿を見られてしまったら市民の皆様はどう思われるでしょうねぇ?」
楽しそうに狼を罵りながら狐は服の内側から鏡を取り出した。
そこに写っているのは、目の奥に赤い光を宿し全身をビクビク痙攣させ舌をはみ出し精液にまみれた狼のヒーロー。
(くっ…いっそ殺せ…!!こんな、こんな姿にされるぐらいなら…!!)
狼の必死な叫びは届かない。届くわけがない。
「ですがこの精液を処分するのも面倒ですね。…かき集めて飲め。」
(?!そんなの…止めろ!頼む、俺の体!言うことを聞いてくれ!)
狼の体は両手を使い腹部と肉棒に付着していた精液をかき集めた。
どろどろとした、半分個体の液体が狼の手のひらに集まる。
酷い臭い。こんなものを口に運ぶなんて…
狼の体は口を大きく開け精液を流し込んだ。
全て流し込むと口を閉じてくちゃくちゃと何度か咀嚼する。
今すぐにでも吐き出したくなるような形容しがたい味が口の中に広がって。
しかし吐き出すことは叶わず、狼の体はごくん、と精液を飲み込み、まだ手のひらについている精液を舌でペロペロと舐めとった。
(気持ち悪い…クソッ…こんな、こんな奴に!)
「良くできました。…さて、今日はこれぐらいにしておきましょう。…横になれ。」
満足そうに頷き狐は狼にまた命令を下す。
従順に従う狼の体は台の上で横になった。
手と足に枷をつけられ、口にはギャグボールをつけられる。
これで狼は自害することも出来なくなった。
狐が宝石をかざすと紅く明るい光が部屋を包んだ。
狼の目から赤い光が消える。
きっ、と狼は狐を睨み付けた。
「てめぇ…!ぜってぇ、ぶっ飛ばしてやる!」
狼の一言に狐はにやりと笑う。
「おぉおぉ、怖い怖い。…でもその強がりは、いつまで続きますかね。」
小馬鹿にしたような口調で言葉を残し狐は部屋を後にした。
残された狼。無人の部屋は酷く静かで自分の吐息と心臓の鼓動しか聞こえてこない。
脱出を、しなければ。
もがく狼は腕に力を込めて枷を破ろうとする。
がしゃがしゃと音がするだけで枷は壊れる気配を見せない。
それでも狼は暴れる。
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