アニマル・モノトーン

  とある部屋のベッドで1人の少年が寝ていた。

  「ん...あぁっ」とその少年は起き上がり、ぐぐっと背伸びをした。

  「もう朝か...」

  彼の名前はビエルイ。16歳の男の子。

  しかし、今日は朝から何か違和感を感じていた。

  周りを見ても特に変化はない。とすると、その違和感は自分自身にあるのだが...

  「!!??」

  ふと は自分の耳を触ってみると、もふもふとした毛の感触がした。何故だ、何故耳がこんなに...

  そして、スマホの写真アプリで自分の姿を見てみると...

  「な、何だこれ!!」

  何と彼の耳は三角の形で尖っており、白い毛に包まれていたのだ。

  「う、嘘だろ...」

  と思わずベッドに座ったは、お尻にも違和感を感じていた。そして恐る恐る振り返って下を見ると...

  そこには真っ白の太いしっぽが生えていたのだ。

  「お、おいこれって...」

  「きゃぁぁあ!!!」

  どこからか幼く可愛い女の子の声が聞こえた。

  隣の部屋からだ。その声を聞いて、ビエルイは誰の声か分かった。

  「その声...ピピルか!?」

  隣の部屋では、同じく起きた1人の女の子がいた。

  彼女の名前はピピル。8歳の女の子だ。

  実は彼女も異変が起きていた。彼女の耳は、形が変わって丸まったものになり、白い毛に包まれていたのだ。

  「どうなってるの...?」

  そして2人は突然体が暑くなり、咄嗟に着ていた服やズボンを脱ぎ始めた。そして全て脱ぎ終えると...

  何と2人とも、首から下が耳と同じ白くもふもふとした毛に包まれていたのだ。

  驚いた2人にさらに変化が起きた。

  ビエルイはだんだんと四つん這いの体勢になり、膝をついていた。普通ならこの時点で恥ずかしがることだが、今のビエルイにそんな気持ちはなかった。

  「ぐううぅっ...」彼の声は次第に低くなり、唸るような声となった。

  さらに、彼は癖の爪噛みをしてしまうが、爪を噛むごとにその爪は鋭くとがっていき、やがて黒く染まっていった。手のひらにぷにぷにとした肉球がつき、指がぶくぶくと大きくなるにつれてくっつき始め、彼の手足の指は3本の丸いものとなった。

  また、足の骨格がバキバキと変わり、足がピクピクと立つと膝が曲がってまるで獣のような足に変化した。

  時を同じくして、ピピルにも変化が起きた。

  彼女の手足がグググッと短くなり、膝がなくなると、腕や太ももがぶくぶくと太って木の幹ほどの太さとなった。

  「くうううっ...グァッ...」次第に彼女の声が低くなり、唸るような声となった。

  彼女の小柄で華奢な体型は、ぶくぶくと太りだしてぽっちゃりな体型となった。

  また、彼女の手足は指がぶくぶくと太くなってくっつき始め、爪が黒くなって尖っていくと、手のひらに薄暗いピンクのぷにぷにとした肉球がついて、3本の丸い指になっていった。

  「グゥルルルル....」

  「グァァァァ...」

  もはや彼らの声は人間ではなくなり、唸るような獣の声と化していた。

  ビエルイの顔の変化が起きた。

  先ほどの尖った耳がグググッと上に上がると同時に、彼の髪の毛は前髪と横以外がはらはらと抜け落ちていった。

  さらに顔にぶわっと体と同じ白くもふもふとした毛が広がると、鼻がぷにぷにとした黒いものへと変わっていき、そのままグググッと前に突き出てマズルを作った。

  そして顔の骨格が丸型から平らなものへとバキバキと変わり、口の中に鋭い牙が生え変わると、彼の目つきは優しげなものから目尻が上がり、瞳孔が鋭くなって目の色は黒くなっていった。

  ピピルにも顔の変化が起きた。

  彼女の顔にぶわっと白い毛が広がると、鼻がぷにぷにとした黒いものへと変わっていき、前に突き出てマズルを作った。そして口のなかで歯が鋭い牙へと生え変わり、髪の毛が前髪と横以外がはらはらと抜け落ちて耳がグググッと上に上がると、変化は終わった。

  「ワォォォォォン!!!!」

  「グァォォォァ!!!」

  ビエルイは狼へ、ピピルは小柄なシロクマへと変身した。

  2匹はそのまま部屋を出て、互いの姿を見た。

  すると、ビエルイが舌でピピルのぽっちゃりお腹をペロペロと舐め始めた。

  「グァゥ...」

  突然の行為にびっくりしつつ、ピピルは少し嬉しそうだった。

  そのお返しとばかりに、ピピルは狼のビエルイを抱き抱えて持ち上げると、そのままギューッとハグをした。

  これまたビエルイもびっくりしたが、特に嫌がりもせず、そのまま抱きつかれていた。

  2人はその後、長い間ハグをし続けたという__