想いの距離

  夏の始まりである五月

  

  湿ってはいないが、強い日差しが地を照らし、午後の4時と部活が始まり教室には誰も居なくなる教室に僕は居る。

  僕は、熊原 良彦(くまばら よしひこ)。

  背は小さいが立派な高校生二年生。しかも、成績面ではそれなりに優等生である。

  そんな優等生だが・・・

  「劉也離してよ・・・・・・ここじゃぁ」

  「何を今更渋ってんだよ」

  僕の後ろに立つ白虎は、虎賀里 劉也(こがざと りゅうや)。

  教室には僕らの他は誰も居ないので、今のこの状況を見れば誰しもいちゃついてる様に見えるだろう。しかし、いちゃつくのは人が居ようと居なかろうと場所をわきまえるべきだ。そう言っても劉也は手を離してくれない。

  「どうでもいいけど、勉強しようよ。抱きしめるなんていつでも出来るじゃん」

  僕達は来年に大学受験という重要な行事がある。そのために教室に残って勉強をしてるわけなんだが、どうにも劉也が勉強に集中してくれない。事あるごとに僕の胸を触ったり、キスしようとしてくる。そして、今抱きかかえられた状態で捕縛されている。不覚にも一瞬の隙を突かれていまの状態に至る。

  「なぁこうやって抱きしめるのは久々だろ?それにキスだって暫くしてない」

  「あのね・・・だからって放課後の教室でやる事でもないじゃん!!」

  「俺、お前が恋しいんだよ。もういいだろ?」

  ここまで話を進めておいていきなりなんだが、僕と劉也は恋人同士ではない。

  好きだが、それは友人間でのお話。恋愛感情は抱いてない。

  劉也はこの間の告白で吹っ切れたのか、僕との二人っきりになると過剰なスキンシップをしようとするし、話し方も随分と変わった。話し方が変わるのはいいけど、僕に対する素行が悪くなるのは良くない。

  人が居なくなれば胸を触る。それだけじゃ満足せず、抱きしめたり、尻を触ってきたり、ズボンの中にまで手を入れようとする。挙句、僕の家に来ると必ず僕の下着を持って帰ろうとするのだ。相手が僕だからいいものの、れっきとしたセクハラである!でも劉也はなんのその、僕が咎めると寂しいから仕方が無い。と、よくわからない理由を押しつけて正当化を訴える。

  「固い事言わずにさ・・・固いのはこっちだけにしておけよ」

  「うわっ!?」

  劉也はとうとう我慢出来なくなったのか僕のズボンの中に手を入れて、直に扱いてきた。僕は突然の快感に声をあげ、自分のモノがグングンと大きくなるのを感じる。

  「ホラ気持ちいんだろ?もっと声出せよ」

  「あっいや・・・ダメだよ!誰か来ちゃう」

  「早くイけば問題無い」

  「でも・・・」

  そう口では反抗してても僕の股間はよりキツくなって劉也を欲している。それには劉也も気付いているようだ。

  「口ではそうは言っても、チンコ固くしてるじゃねぇか。素直に言ったほうがいいぞ?」

  「くっ・・・こんな風にしたのは誰さ!」

  「俺かもしれないけど、素質はあったんだよな♪

  ・・・・・・さぁ言ってごらん?『なに』を『どんな風に』してもらいたいんだ?」

  「・・・ください」

  「大きな声で」

  「僕のチンポを扱いて、イかせてください」

  自分の理性の枷が外れた音がした。それを聞いた劉也はすごく嬉しそうだ。

  悔しいが、扱かれることによる快感が心地よく、その度に劉也のモノが欲しくなってどんどん快感に落ちていく。

  「あっ・・・あ!り、りゅうやも・・・気持ち良く」

  「なんだ欲しいのか?全く・・・とんでもない淫乱だな」

  罵られてもそれだけで快感で、体が震えるほど感じる。

  「淫乱でもいいから、欲しい!!」

  「しょうがねぇな~」

  そう言うと僕を開放する。僕はボーッとした頭で劉也のズボンとパンツを下ろす。

  いきり立って、先走りが零れてる大きな棒が僕の前に現れる。僕は躊躇なくしゃぶりつく。

  「良い子だ。気持ちいいぞ・・・」

  頭を撫でられてすごく嬉しい。

  もっと褒めて欲しくて舌と頭の動きを更に激しくする。

  尿道から先走りが絶えず流れ、温かくて太い劉也のモノが僕に快感をもたらす。それは僕だけじゃなくて、劉也の息も荒くなっている。

  「あぁ・・・あっイク!イクぞ!!飲んでくれよ」

  劉也が弓なりに体を逸らすと口の中に生臭い液体で満たされる。待っていた物が来て、僕は飲み干す。喉に絡みつくけど、それも快感に感じる。

  「んく・・・りゅうや・・・」

  「気持ち良かったぜ。さぁ次はお前の番だな」

  劉也は僕の体をラクラクと持ち上げて椅子に座らせるとズボンとパンツを脱がす。

  「もうヌルヌルじゃんか。しゃぶりながら扱いてたのか?」

  「うん・・・」

  「淫乱だな~

  それじゃぁこのエロい汁を舐めてあげるか」

  劉也のザラザラの舌が僕のモノをゆっくりと這う。

  裏筋、雁、金玉に亀頭とどこを舐められても気持ち良くて息が荒くなる。

  静かな教室に良彦の艶やかな喘ぎ声と粘着質な音が混じって二人の世界を作り上げていく。その音もだんだんと早くなって良彦に限界が訪れる。

  「うわぁ!あぁっ劉也!!で、そう・・・イキそう!!

  イクッ!うんぁああ!!」

  ビュルビュル

  体がビクビクと震えて、体の奥から快感が突き抜ける。

  「はぅ~・・・りゅうやぁ」

  「可愛いぜ、良彦♪」

  劉也がキスをしてくる。優しいキスに僕も舌を絡めてお互いの唾液を啜り合う。

  「うふぅ・・・あ、劉也」

  「可愛いぜ・・・大好きだ良彦」

  「僕はまだ好きじゃないけどね!」

  「えぇ~」

  僕はパンツとズボンを穿きながら答える。

  「もうセックスの仲なんだから付き合おうぜ~」

  「ば、バカ!はしたない事言わないの!!」

  劉也は学校の教室っていうことを忘れてるんじゃないだろうか。未だに下半身裸のままだ。

  さすがに目のやりどころに困るからズボンを穿かせて教室を後にする。

  

  「また明日な!!・・・なぁ明日も勉強すんのか?」

  「もちろん!一年の三学期みたいに赤点とって補習受ける羽目になってもいいの?一学期に赤点とったら夏休みは絶対に会わないからね!!」

  「えーーーー!!」

  劉也の反応に何の反応も見せずに別れる。

  まぁ彼にとって厳しい道かもしれないけど、大学いこうかとか言ってる奴が今の成績では難しい。僕の恋人になりたいなら最低限は出来て欲しいし、僕だけ大学に入っても嬉しくない。

  しかし今の僕にはそれ以外にも問題がある・・・

  「ただいま・・・」

  家に着くと、自分の部屋に入って制服を脱ぐと部屋着に着替えるとベッドに仰向けになる。

  僕が抱えてるもう一つの問題・・・

  それは劉也との関係だ。

  今はこのままでもなんとかなるかもしれない。でも、それは劉也の気持ちを踏みにじっているんじゃないんだろうか?

  今の劉也との関係はセフレとなんら変りもないものだ。劉也を使って精の捌け口にしてるだけなんじゃないだろうか・・・いや、実際そうだ。嫌だ嫌だと言いながらも僕は劉也との性行為を楽しんでるし、欲している。

  「くっ///」

  さっきの事を思い出すと股間がきつくなる。こんなことで勃つ自分が卑しい・・・

  僕はズボンを脱いで下半身裸になると、自分のモノを扱く。

  「はぁ・・・ぐ、ぁ・・・劉也・・・」

  脳裏にチラチラと浮かぶ劉也に対して

  申し訳ない気持ち

  背徳感から来る快感

  が自分の中で渦になる。

  「んあ!?うあああああ!」

  早めの絶頂が訪れると少量の精液が僕の手に出される。でも、それが僕の汚い部分が集まった物の様な気がした。近くのティッシュを取るとそれを拭き取る。

  今日、劉也に僕の精液を飲ませたと思うと汚したようで罪悪感が込み上げてくる。

  劉也の気持ちに対して誠実じゃない自分が、劉也の気持ちにどう反応すればいいのか全く分からない。

  知識があっても、何の意味もない。今の僕は不誠実で、劉也を汚しているに過ぎない・・・

  自分のしてる事にものすごい罪悪感を感じ、良彦は人知れず涙を零す。

  

  

  結局あの日は考え事ばかりで慣れない夜更しをしてしまい、頭痛を伴う吐き気と微熱に襲われ、学校を休む羽目になってしまった。情けないとは思いつつも、自分への罰と考えると容易に受け入れられた。

  午後になって、調子が良くなって昼ご飯を済ませると携帯にメールが来ていた。劉也からだ

  『体調悪いみたいだけど大丈夫か?

  帰りにそっちに寄ろうと思うけど平気か?』

  こんな僕にもいつもと変わりなく接してくれる劉也が好きだ。

  取り敢えず、体調が戻った事を伝えるともう一眠りついた。

  

  

  ピンポーン・・・

  少し耳障りな音が僕の耳に入る。

  体を起して携帯を見ると4時を回っていて、何十件もの不在着信が残っていた。その主は劉也からだった。

  ピンポーン

  またチャイムが鳴り、窓から外を見ると劉也が門の所で立っていた。急いで階下に降りて鍵とドアを開ける。

  「よぉ!」

  「劉也・・・」

  「なんて汚い顔してんだ。寝ぐせ付きまくりだぞ」

  「今日はほとんど寝てたから・・・」

  「そうか・・・」

  いつも以上に話しが弾まない。どうしてだろう・・・

  劉也と話すことはこんなにも辛いことだったっけ?

  いつもの雰囲気に戸惑う良彦だが、劉也も同じ様な居心地の悪さを感じていた。いつもの良彦ではないと、どこか悩んでるんじゃないかと直感で感じていた。

  「ごめんね、劉也・・・まだ体調悪いみたい」

  わざわざ来てくれたのに、こんなつまらない嘘で追い返すのか?

  そんな疑問が頭をよぎる。そんな扱いは酷いだろう。

  「ごめん・・・なんかまだ寝ぼけてるみたい。暑かったでしょう、中で少し休む?」

  「え!?あぁ・・・じゃぁ上がらせてもらおう」

  劉也を部屋に向かうよう言うと自分は冷蔵庫から適当に冷たい飲み物を持っていく。

  部屋では劉也はいつものように大人しく座っていた。

  「お見舞いがてら、学校で渡されたプリントを持ってきた」

  「そうなんだ。わざわざありがとうね」

  「それは構わないけど、ホントに大丈夫か?まだ大丈夫のようには見えないんだが・・・」

  「うん・・・朝よりかは大分・・・・・・」

  嘘ついてないとはいえ、具合が悪くなった原因と劉也に対する罪悪感とを考えるとなんだか嘘をついてる様な感覚に襲われる。

  僕はその気持ちがバレない様に劉也が持ってきたプリントを一枚一枚丁寧に見ていく。すると中に学校指定のものでない分厚い封筒が入っていた。

  「これは?先生から渡されたものじゃないみたいだけど・・・」

  「それがさ。よくわかんねぇンだけど、良彦に渡して欲しいって言う奴が渡してきたんだよ。一年生だっけかな・・・体がデカイ奴で猪獣人だったような気がするけど、知り合い・・・なわけないよな?」

  なぜか5重ぐらいに包まれていた封筒を切って中身を見ると小さな紙片が入っていた。

  『明日午後の5時ごろ教員用昇降口前で会ってくれませんか?』

  それだけしか書いてなかった。なぜか文字は歪でガクガクと震えていた。なにこれ・・・

  「なんて書いてあるんだ?」

  「会って欲しいって感じの手紙。なんのこっちゃ」

  しかも、今時こんな手紙、流行らない。こんなことをする人がいるなんて・・・ドラマの見過ぎじゃないか?

  「・・・」

  「でも、まぁ・・・今日はわざわざ持ってきてくれてありがとう!今日は勉強見てあげられないけど明後日なら出来るからね」

  「明後日?明日じゃなくて?」

  「うん。この手紙の主と会ってみるからさ」

  僕がそう言うと劉也はどこか落ち着かない。なんだろう?

  疑問には思った良彦だが、そこまで考える必要もないだろうと考える。二人は少し談笑した後別れるのであった。

  

  

  放課後

  良彦はあの手紙の主の指示通り、教員用昇降口前で待っていた。

  未だに誰も来ない。ここは生徒が来るような場所でもないので僕がここに立ってるのはちょっと不自然で嫌だ。時折やってくる業者や部活動で走り込む生徒、先生達の視線が痛い・・・

  もう暫くすると生徒用昇降口から猪獣人が走ってくる。

  ボテボテと不格好に、重そうなリュックを背負いながら走ってくる。

  「ご、ごめんなさい・・・遅刻してしまって」

  そうはいうが、別に遅刻はしてない。約束の時間まで5分ある。僕が先に着いてたけど、これくらい許容範囲内だろう。

  「えと・・・キミが封筒くれた・・・・・・」

  「はい!えと、猪野 隆之(いの たかゆき)です。一年です!その、今回は・・・///」

  猪野くんは僕の顔と地面に忙しなく視線を動かす。緊張してるのか顔が赤い。

  「あのさ、取り敢えず落ち着きなよ。急いでるわけじゃないんだからさ」

  「あ、はい・・・」

  取り敢えず落ち着かせるために一緒に並んで歩きだす。どこかに座っても良いけど、校舎に戻るのはさすがに面倒なので歩く。適当に駅前の方に向かう。

  「それで、落ち着いた?」

  「はい!」

  まだ緊張してる様で僕が声をかけるとビクッと反応する。仕方が無いから僕から本題に移る。

  「んで、僕を呼びだしたのはどうして?」

  そんなことを聞いておいてなんだが、内容がどんなものなのか想像がつく。でも、それは今の僕にとってはあまり嬉しいことじゃない。今は劉也との関係を考えるだけで精一杯だ。

  「あ、あの・・・・・・入学式の時に見て、それで、その・・・付き合って下さい///」

  「・・・」

  やっぱり告白だった。

  僕の方を見ては困ったように鼻の頭を右手の人差し指で掻く仕草はそうなんじゃないかという考えに行きつくものだった。

  「でも、僕は知り合ったのは今日だよ?それでも付き合いたいの?そんな気が僕にないとしても?遊びだったらどうするの?」

  「え、あの・・・」

  つい聞きたい事をぶつけてしまった。猪野くんは戸惑っている様でオロオロと僕の質問に答えようとしてる。

  「いや、ゴメン・・・つまりさ、僕がキミのこと好きじゃないのに『OK』だしたらどうするのかなって」

  僕が聞くと猪野くんは真剣な顔になって暫く考えると僕の方を見る。

  「気休めでも嘘でもOKしてくれたら、それでも嬉しいです。好きで告白してるし、そんな人じゃないって思ってるから・・・言いふらされたら嫌だけど」

  「そっかぁ・・・そうだよね!ごめんね、そんなこと聞いて」

  劉也も同じなんだろうか。

  猪野くんの告白に劉也のことを引きだすのはよくないことだろうけど、どうしても劉也のことを考えてしまう。

  「あのさ・・・僕にもう少し時間くれないかな。今、ボク頭がこんがらがってて・・・」

  見え透いた嘘だけど、猪野くんは黙って頷いてくれた。

  「じゃぁメールアドレス交換しません?今後のやり取りの為に」

  あまり頭が働いてない状態で猪野くんの提案に頷いてメールアドレスを交換すると疲れた体を引き摺って家に帰る。

  年下である猪野くんも持論を持ってるのに、何で自分はこうも優柔不断なんだろうか・・・

  自分のバカさ加減に怒りを通り越して呆れてくる。猪野くんの問題もまた先延ばしにしてしまった。でも、僕はどうすればいいのだろうか。

  二人の事をどう思ってるんだろうか。どう答えれば二人を傷付けないだろうか。

  ・・・わからない。

  無闇に断って今の関係が壊れることを恐れている良彦は、より一層悩み、更に頭を抱えるのであった。

  

  

  時というのは残酷で、あれこれ考えていると一カ月が過ぎ、テストが終わって夏休みに入ってしまった。結局、何も変わらず休みを迎えてしまったのだ。

  赤点は取らなかったものの、テスト中も普段の生活も何をしていてもうわの空だった。猪野くんとも数回のメールのやり取り程度しかしてない。

  「聞いてるか?」

  「え、あ・・・ん?ゴメン、もう一回」

  また話しが耳に入らなくなってた・・・

  「またかよ!ちゃんと人の話聞けよな。休みに入ってちょっとボケたか?」

  最近こうやって聞き返すことが多い。耳が悪くなったわけじゃなくて、ただ集中出来ないのだ。

  「うん・・・ゴメン。んで、なに?」

  「明日から3日間、家に俺一人なんだ。だからさ、泊まりに来ないか?」

  「うーん、どうしようかなぁ・・・まぁ泊まるだけだったらなんてことないか。親に許可とっておくよ」

  「やったぜ!」

  許可と言っても家は近いし、家同士の付き合いがそれなりにあるからそんなに心配いらないけど、二・三日となるとどうなるんだろう。初めてだし、ちょっと長期になると心配だ。

  しかし、良彦の予想とは違い、なんの抵抗もなく外泊が許可され、二人っきりのお泊りが始まる。

  僕が劉也の家に着くと、丁度御両親が出掛けるところだった。頭を下げて挨拶。

  少しのやり取りをすると劉也の家に入る。

  

  

  色々遊んで既に深夜の1時。

  深夜で普段は寝てる時間でも、二人で遊んでいたら起きれるものだ。

  「どうする?もう1時だけど・・・」

  「じゃぁもう寝るか。明日遅く起きても問題は無いけど・・・

  それに・・・・・・」

  劉也はそう言うと僕を押し倒す。

  「誰も居ないんだからもうちょっと楽しもうぜ」

  「いや、もう寝ようよ・・・そうゆう気分じゃないし」

  僕が退かそうとすると訝しげに見る劉也。

  「なんか最近元気ないと思ったけど、なんかあったのか?」

  こうゆうときの劉也は妙に鋭い。

  「・・・劉也には関係無いよ」

  「関係無くないだろ?お前が悲しんでる顔みて何が楽しいってんだよ」

  「でも・・・それは、んっ!」

  劉也は何も言わせないとばかりに僕にキスする。いつも無理矢理されて好きじゃなかったけど、今回のは落ち着く・・・

  劉也の舌が僕の口に入ってきて中を犯す。それを受け入れつつも僕も劉也の舌に自分の舌を絡ませる。

  お互い息が上がりながらも手を握り締め合いながら、一時の安心感を味わう。二人とも息は上がるものの興奮ではない。お互いを受け入れるための儀式に似たものだった。

  キスを止めると劉也は抱きしめながらも僕の頭を撫でてくれる。

  「なんでそんなに優しいのさ・・・」

  喉が熱くなって、目尻から涙が流れるのを感じる。それを見られたくなくて劉也の胸に顔を押しつける。

  「何があったのか話してくれるか?」

  「うん・・・」

  劉也の他に猪野くんに告白された事。二人を傷付けないのように断るにはどうすればいいのか。僕が曖昧な関係を築いてしまった事。それは二人に対して返事を返す以前に、僕はそれを受け入れるべきでも拒否する権限もないんじゃないか・・・

  僕は最近思ってた事を全て話す。

  途中で耐えられなくなって泣きながら話した。

  

  分かって欲しかったのか・・・

  慰めて欲しかったのか・・・

  自分でもよくわからない。

  それでも僕は言葉を紡ぎ続けた。その間、劉也は僕の背中を優しく擦ってくれた。その優しさが心地よくて嬉しかった・・・

  

  一通り話し終えると劉也の顔を見る。

  「そうか・・・悩んでるの気付けてなくてごめんな」

  怒ってるのかと思ったのだが、怒ってなかった。

  「ごめんなさい・・・」

  「別に良いから。今日はもう寝ろ」

  そう言われ、安心したからか僕はいつしか眠ってしまっていた。

  

  

  僕が目を覚ますと既に昼の10時を回っていて、窓からは暑い日差しが差し込んでいた。

  いつもなら最低でも8時には起きてるのに・・・どうやら昨夜は泣き疲れて寝てしまったようだ。

  ふと横を見ると劉也が居ない。しかし、部屋のドアの外から劉也の話し声が聞こえる。

  僕は起き上がって普段着に着替え始める。着替えてると劉也がやってきた。

  「よぅ、結構寝てたな」

  「結構寝坊しちゃったね。それと・・・ごめん。昨日泣き疲れて寝ちゃったみたいでさ」

  「別にかまわねぇよ。寝顔も堪能したからな!」

  「バカ・・・」

  そうは言うものの、嬉しかった。

  気分が晴れやかで、頭がスッキリする。これも泣くために胸を貸してくれた劉也のおかげだ。

  「さて、ちょっと早いけど街に出て歩いてみるか?昼飯も買ってこないといけないし、昨日ゲームばっかりだったから歩くのもいいだろう?」

  「うん。じゃぁ着替えるからちょっと待ってて」

  「何言ってんだ。目の前で着替えてくれていいんだぜ?」

  「はいはい」

  適当にあしらって僕は劉也を部屋の外に追い出して早く着替える。

  暑いからTシャツに七分丈とラフな格好にして、劉也と共に外へ出掛ける。

  外は暑い日差しが地面を温めていた。それでも、空っ風が吹いていて今日は比較的過ごしやすい。どこからか蝉が鳴く声が聞こえてくる。そんな中を二人は駅前に向かって歩いていく。

  二人でこうして駅前まで歩いて遊びに行くのは結構久しぶりだ。

  僕達は駅前を目的もなくふらついて、昼の12時になると近くの安い店で昼食を済ます。

  「さぁご飯も食べたし帰ろうか」

  「いや、実は待ち合わせがあるからちょっと駅の方行こうぜ」

  「え、待ち合わせ?キミの知り合いでしょう?僕が行っていいの?」

  「大丈夫だって、お前も知ってる奴だから」

  僕も知ってる人?一体誰だろう・・・

  疑問に思いながらも劉也が待ってる人というのに会うために駅へ向かう。

  今日は休日と言う事もあって、かなり人がいる。そんな雑踏の中、劉也は誰かを探すようにキョロキョロ辺りを見渡す。

  「おっ居た!オイッ!!」

  劉也が僕以外にも砕けた言葉を使ってるのを聞いて驚いたが、その相手にも驚いた。

  その先に居たのは猪野くんだった。

  「時間よりちょっと早いのによく来たな」

  「待たせるわけにはいきませんから」

  二人が仲良さそうに話してる。

  僕は二人が知り合いじゃないと聞いてたから今のこの状況に付いていけず疑問を口にする。

  「ちょ、ちょっと!どうゆうこと?二人共知り合いなの?しかもどうしてこんな・・・」

  「あぁその事については家帰ったら話す。取り敢えず帰ろう」

  「「はぁ!?」」

  僕と猪野くんの声が重なる。なんで、ここまで連れてきたんだ?・・・猪野くんを拾う為だけ?

  いまいち劉也の行動が分からず、僕は再び劉也の家に向かう。

  

  「・・・」

  「・・・」

  劉也が飲み物持ってくると言って部屋を出て行った。部屋に居るのは僕と猪野くんだけ。劉也は何をするつもりなんだろうか。

  そんなことを思ってると劉也がペットボトル三本持って部屋に入ってきた。

  「なんだ、二人してそんな辛気臭くなって」

  「辛気臭くしてんのは劉也だよ。どうして猪野くんを呼んだの?猪野くんだってわかってないみたいじゃんか」

  「あれ?猪野、お前から話すんじゃなかったのか?」

  劉也が不思議そうに猪野くんに言う。猪野くんはただ俯いてる。暫くすると決心したように僕をみる。

  「その、今日来たのは・・・答えを聞くためで・・・それで、来たんです。

  でも、虎賀里先輩に聞いたんです。熊原先輩が僕にどう答えれば迷ってるって、虎賀里先輩とも付き合ってるって・・・

  だから今日は・・・」

  だから、いつもより寡黙でどこか僕と劉也を遠目に見てたのか。

  「そうなんだ・・・

  でもね、勘違いしてるよ?僕は劉也とは付き合ってない。でもね、どうしようか今は保留してるんだ」

  僕は昨日劉也に話した事を簡単に話した。今回は泣くことは無かった。

  自分の不誠実さを笑ってくれれば、気が晴れるような気がしたからだ。

  僕が一人で話し終えると、猪野くんの顔が一層暗くなっていた。

  「ごめんなさい!そんなに気を使わせてしまって・・・

  別に僕なんかの為にそこまで考えてくれなくてもいいのに」

  僕は首を振って猪野くんの言葉を否定する。

  「僕を好きになってくれたのに、無下に扱う事なんて出来ない。キミが僕の事を嫌いになるのは構わない。それはキミの勝手だから。

  でもね・・・キミの誠実な気持ちに対して、僕が心無い返事を返すのは良くない事だと思う。そんなことは良くないし、僕自身そんなことをしたくない。

  キミも劉也も大切にしたいんだ」

  そう言うと猪野くんが僕を抱きしめる。劉也が怒るんじゃないかと不安になったけど、劉也を見ると柔らかく笑ってこっちを見てた。やっぱりそこはわかってる様だ。

  「なんだか、先輩にそう言ってもらえて嬉しいです。なんだか、二人の邪魔しちゃいそうですね・・・」

  明るい声で言う猪野くんだが、目は暗い。

  ・・・やっぱり今のままで終わらせたくない!

  「実はね・・・二人に言いたいこと、あるんだ」

  一旦、言葉を切って劉也と猪野くんを見る。

  「僕ね・・・今どっちと付き合う?って、聞かれたら答えられない。だって、二人とも好きだから。だからね・・・逆を言ってみようと思うんだ」

  疑問符を浮かべる二人に軽く頭を下げる。そして言う。

  「劉也、猪野くん・・・

  僕と付き合って下さい!」

  「「え!?」」

  二人が面喰らったようで、僕を凝視する。

  「お、お前頭おかしくなったのか?」

  「先輩無理しなくて良いんですよ?」

  二人が若干慌てながら僕の肩に手を乗せる。

  「別に変じゃないよ。無理もしてない。

  さっきも言ったように二人とも好きだよ?だから二人に付き合って下さいって言ったんだよ。君達だけ告白じゃフェアじゃない。それに、どっちかが泣きを見るってのもね・・・」

  僕がここまで言うと劉也が笑いだした。

  「ハッピーエンド好きな良彦らしいよ。二人と付き合うなんて難しいぜ?猪野なんて後輩だから尚更だな」

  今さっき考え付いた答えだ。これが二人を傷つけずに、僕も納得して、楽しく過ごせる選択だと思った。中途半端だろう。でも、今の僕には中途半端な答えが正解なんだと思う。

  「うん。でも二人のどっちをとるかなんて決められないんだ」

  「分かってるよ。お前がそうしたいなら、俺はお前に付いていくよ。猪野はどうする?」

  猪野くんは嬉しそうに首を縦に振る。

  「嬉しいです。先輩達ヨロシクお願いします!」

  「先輩っての止めろよ。この三人の時ぐらいは劉也と良彦って呼んでくれ」

  「まぁそれが無理でも『さん』付け程度にしよう?」

  新しい三角関係を作ったわけだが、僕には後戻りが出来なくなった瞬間でもあった。でも、苦しくない。三人だったらやっていける気がする。

  「ホントにいいんだな?」

  「しつこいな。後戻りなんてするつもりなんて毛頭ないよ。二人こそ、仲良くやっていけるんだろうね?」

  僕が聞くと劉也が笑う。

  「もちろんだ。おまえがそうしたいって言ったんだからな」

  そう言うと僕を持ち上げてベッドに押し倒す。え、この流れは・・・

  「さぁ景気づけに一発ヤルか」

  「あのね!」

  「ゲイが三人一つの部屋に来たらやることは一つしかない!猪野もやりたいだろ?」

  「いや!あの、その///」

  僕を無視して猪野くんに聞く。猪野くんは恥かしそうに顔を赤らめて股間を押さえてる。

  「ははぁ~ん・・・うおりゃ!」

  「ちょっ///」

  劉也は猪野くんに飛びかかって手を退ける。

  そこには立派にズボンにテントを作っていた。猪野くんは恥かしさが頂点に達したのか耳まで赤くなってしまっている。

  「劉也、猪野くん可哀想だよ」

  「体デカイくせに気はちっちゃいんだな」

  「・・・」

  「体格で決めないの!猪野くん大丈夫?」

  声をかけると小さく頷く。僕は緊張をほぐす為に猪野くんを押し倒すと軽くキスしてみる。

  「落ち着いた?」

  「は、はい///」

  「落ち着いたか?なら始めるぞ」

  そういう劉也は、すでに全裸で仁王立ちしていた。デリカシーが無さ過ぎる。

  そんな事を思っても仕方がないので、僕も自分の服を脱いでパンツだけになる。

  ・・・いきなり全裸になるのはやっぱり気が引ける。

  僕が脱ぎ終わるのを見て、猪野くんもゆっくりと服を脱ぎ始める。

  猪野くんの体は、丸いお腹で太ってる様だが、ガタイがいいからあんまり気にならない。腕も足も太くて、劉也と変わらず逞しい。なんか、僕だけがだらしなく太ってる体で恥かしい。

  「猪野はこうゆうの初めてか?」

  「はい」

  「なら、最初に俺たちでヤルから途中で混ざれそうだったら混ざれ。無理そうだったら俺のを見て覚えろ」

  猪野くんに捲し立てるように言うと僕にキスをする。

  いつものセックスの前のお決まりである。

  ただのキスから段々と激しくなってお互いの舌を絡め合い、唾液を啜りながらベッドに倒れ込む。それでもまだキスは止めない。

  劉也は僕のトランクスを脱がし、僕は劉也の大きな肉棒を握って上下に扱く。ある程度扱いたらキスを止めてフェラに移る。

  「ん、いいぞ・・・気持ちいい」

  ちょっと息を荒く吐く劉也の声に気分を良くしてしゃぶるスピードを早く、荒くする。

  自分の唾液に混じって先走りが湧いて出てくる。僕はそれを楽しみながらもしゃぶる。暫くそうしていると顔を離すように言われて、四つん這いになるよう言われる。

  「良彦、猪野のチンポでも舐めてやれよ。その間に解してやるからさ」

  そう言われ、劉也がローションを取ってる間に僕は猪野くんをベッドに寝かせて猪野くんの肉棒に舌を這わす。

  「あぁ!・・・あぁ~・・・あ!気持ちいい!!」

  初々しい声が猪野くんの口から洩れる。劉也ほど長さは無いが、太さのある剥けきったモノは初めてということもあって、かなり興奮する。

  僕は味を堪能するようにゆっくり舐めて、猪野くんを苛む。

  それをしていると、お尻に冷たいものを感じて、次に圧迫感が襲う。劉也が指を入れてきたんだ。しかも、指一本じゃなくて最初っから指二本で!少し痛いが、それも次第にしゃぶる快感で薄れていく。

  「ぐむぅ・・・あぁ!」

  不意に指が抜けて快感が襲って、つい声を出してしまう。劉也がのしかかってくる。

  「俺のチンポを感じろよ」

  そう言うと劉也のモノが自分の中に入るのを感じる。僕はそれを誤魔化すために、猪野くんのチンポに勢いよくしゃぶりつく。

  「あぁ!く、熊原さん///・・・あぁ!気持ちいい!もうそろそろで・・・」

  絶え絶えの声で小さく僕に言う猪野くん。僕はイかせる為にもっと早くしゃぶる。それと同時に劉也のピストン運動が激しくなる。

  「んぁ!あぁ、い、イク・・・イク!ぐあぁああ!?」

  僕の頭を掴んだまま、僕の口の中に射精してそれでも尚、腰を振り続ける猪野くん。劉也と違った味を飲み込んで、猪野くんとキスをする。

  「くっ・・・良彦、持ち上げるぞ!」

  劉也は僕を軽々と持ち上げると、劉也の腹の上に乗せられる。勿論チンポは入ったまま。劉也は僕を突きあげる。

  「あん!あ、劉也・・・いい!気持ちいい!!」

  「あぁ早くイっちまえよ!」

  勢い良く突かれて息絶え絶えになりながらも、自分のを扱いてると後ろから手を止められる。

  そして、何か温かいものに包まれて、亀頭を刺激する。

  下を見ると猪野くんが僕のを舐めていた。

  ぎこちないが、すごく気持ちいい・・・

  三人の呼吸が荒くなり、行為が最高潮に達すると僕が先に限界が来た。

  「あぁあああん!」

  「ぐ、ぐあぁあああ!」

  猪野くんの口の中に射精する。猪野くんは飲んだ上に僕のを綺麗に舐めまわす。それを眺めてると劉也にも限界が来ていた。

  お尻に熱いものが流されたのが感覚でわかる。

  荒い息を吐きつつも僕は劉也の上に倒れ込んでキスをする。

  「よし、交代だな」

  そんな感じでどんどんエスカレートしていく・・・

  僕達は陽が沈むまで思う存分に楽しんで、思う存分眠るのだった。

  

  

  ~♪~♪

  劉也と猪野くんとでゲームして遊んでると午後の6時を知らせる音が壁時計から鳴る。

  お泊りの三日間楽しかった。またこうゆうお泊り会したいなぁ・・・

  「それじゃぁここらで僕と猪野くんは帰るよ」

  このまま楽しみたいところだが、劉也の家族が帰る前に撤収しておきたい。

  「そうか、俺の暇潰しに付き合ってもらってありがとうな」

  「僕の方こそ、途中参加で楽しませてもらってありがとうございます」

  猪野くんが僕の代わりに礼を述べてくれたので僕は小さく頷いて礼を述べる。

  片づける準備をしながらも持ってきたものを確認する。

  Tシャツに替えのズボン、靴下・・・・・・

  なんか足りない様な・・・・・・・下着だ。パンツが無い!!

  「虎賀里さん、僕の「さぁもうそろそろ帰んな。親が帰ってきちまうし、夜遅くなるぞ~」

  猪野くんの言葉を大きな声で遮る劉也はどことなく焦ってる。怪しい・・・

  「劉也、僕の下着がいくつか無いんだけど」

  「あぁそうか?家にでも置いてあるんじゃないか?心配するなよ。それに忘れ物があったら届けるしさ」

  ほぅ・・・この期に及んでもシラを切るつもりか。

  「猪野くん、劉也をちょっとの間捕まえておいて」

  「あっちょっと!猪野、離せ!!」

  「ダメです!僕の下着どこやったんですか」

  僕は劉也の表情を見ながらいろんな所を探る。

  あらかた探したが見つからない。適当に勉強机の方に向かうと劉也の表情が焦る。

  「あのさ、ホントにもうそろそろ親帰ってくるからさぁ」

  「そんなことより僕らの下着の方が大切!」

  そう言って引き出しを開けると、下着が入っていた。呆れてなにも言えない。

  「あっ!僕のパンツ!!」

  そう言って猪野くんが引きだしに入ってたパンツをひったくる。

  「虎賀里さんはこうゆう趣味があるんですか?」

  「あぁ・・・うん、どうなんだろう」

  「そうゆう趣味じゃない!ただ、二人をいつでも感じたいからだなぁ」

  「はぁ・・・猪野くん帰ろうか」

  僕は猪野くんを促して玄関に向かう。

  「最後まで聞けよ!」

  「分かってるって。じゃあね!次見つけたら、猪野くんとしかしないから」

  「そんな!」

  劉也の言葉も聞かず玄関を出てドアを閉める。ムワッと熱気と湿気が僕を包む。その中を僕と猪野くんは歩き始める。

  「あの、怒ってるんですか?」

  なぜか猪野くんが恐々と聞いてくる。

  「いいや、怒ってないよ。こんなのは日常茶飯事さ」

  「虎賀里さんって学校じゃすごく物静かなのに、普段ってあんな感じなんですか?」

  あぁそうか。猪野くんは僕らの日常のやり取りなんて知らないんだった。

  「劉也だけじゃなくて僕もなんだけど、学校じゃちょっとハメ外せないんだよね・・・だから、学校とは違う雰囲気だけど、劉也はいつもあんな感じ。

  驚いた?」

  「驚いたけど・・・そうゆう先輩も、す、す、ステキです///」

  猪野くんは恥かしそうに言う。

  「猪野くんは恥かしがり屋だなぁ~」

  巨体で恥かしがり屋っていうギャップに笑いながらも、家に向けて先をちょっと早く歩く。

  僕の後を一生懸命に歩く猪野くん。その姿は今の僕には愛らしく見える。

  「熊原さん、ちょ、ちょっと歩くの早くないですか?」

  「小さなことは気にしなーい♪置いてっちゃうよ~」

  「あぁ待って!!」

  良彦はそう言うといたずらに笑う。

  成り行きで、しかもその場凌ぎの様な提案をした良彦だが、劉也と隆之に対する気持ちは本当のものだ。

  良彦は、この三人ならやっていけると、笑う自分を自覚すると根拠なく思うのだった。

  

  

  完