その3にゃん:皆猫少女にゃんだにゃん?

  翌朝、にゃあにゃあ学園へ登校すると何だか大変な事になっていました。

  たまちゃんの担任の先生が皆にこんな事を言ったのです。

  ねこちゃんにいじめられた、とみやちゃんから相談があったと。

  「先生、ねこちゃんがそんな事をするとは思えないです」

  「違うもん! みや、本当にねこちゃんにいじめられたもん! 凄い剣幕でたまちゃんには近付くなー! って怒鳴られたもん!」

  「私、そんな事しないもんー……」

  ねこちゃんを庇うたまちゃん、自分の主張をするみやちゃん、いじめを否定するねこちゃん。

  主張が食い違う為先生は困ってしまい、クラス内で無記名アンケートを取る事にしました。

  何か変わった事があれば書いてもらって情報提供を募りたい、との事です。

  真っ白な用紙とにらめっこしながら、たまちゃんは色々と考えていました。

  (もし2人が本当に猫少女なら、ねこちゃんがみやちゃんをいじめる動機は十分にあるよね。襲撃の件もあるし……)

  しかしいくら無記名でも、猫少女の事なんて書ける訳がありません。

  (それにねこちゃんはどうもそうっぽいけど……みやちゃんは本当に猫少女なのかな? 敵対している筈なのに、転入生の方はやけにあたしに懐いてるし……)

  猫少女のみやちゃんなら、真っ先に自分を標的にしないのはおかしい、とも思いました。

  (分かっている事は、どっちのみやちゃんもねこちゃんを毛嫌いしている事だけは事実……でもそれ以外は分からないや)

  結局たまちゃんは何も書けず、アンケートは記入無しになってしまいました。

  その後の授業待ちの時間、たまちゃんはねこちゃんと話していました。

  「ごめん、あたし何も書けなかった……」

  「いいよいいよー、たまちゃんが私を庇ってくれただけでも嬉しかったもんー」

  「当然だよ。ねこちゃんは絶対にそんな事をする子じゃない。あたしが保証するから」

  「うん、ありがとうねー……」

  「みや、本当にいじめられたんだからね!?」

  すると、みやちゃんが話に割って入りました。

  「みやちゃん、また何か問題が起こると困るから、今はねこちゃんと少し距離を置いてくれると……」

  「みや、悪くないもん! ねこちゃんが悪なんだもん!」

  「悪って……私、悪じゃないもんー……」

  ここまで言うみやちゃんを見てしまい、クラス中の子達も困惑していました。

  ただ、クラスの子達もねこちゃんの肩を持つ子が多そうな感じで、みやちゃんは面白くなさそうな顔をしていました。

  [newpage]

  午前最後の授業は体育です。

  「ブルマって恥ずかしいな……」

  「あははー、パンツみたいだよねー」

  「ねこちゃんは恥ずかしくないの?」

  「慣れちゃったかなー。もう長い間穿いてるものー」

  「まさかあたしが穿く事になるなんてね……」

  慣れたと言っている辺り、ねこちゃんはさすが本物の女の子と言ったところでしょうか。

  たまちゃんは恥ずかしそうにしながら、ねこちゃんと校庭へ向かいます。

  準備体操を終えるとすぐに走り幅跳びの授業が始まり、たまちゃんは……上手く飛べませんでした。

  (こうも猫少女の時と融通が違うとはね……)

  猫少女の時は一気に身体能力が飛躍するので、たまちゃんはギャップを感じていました。

  「たーまちゃん♪」

  「わわっ!」

  「どうしたのー? そんなに驚いてー」

  そんな時、ねこちゃんがたまちゃんに話し掛けてきます。

  「む、胸……」

  「胸がどうしたのー?」

  「な、何でもにゃい……」

  体育着姿で大きさが物凄く強調されている、ねこちゃんの立派な胸。

  たまちゃんは直視できず、ついつい自分の胸をさわさわとしながら……。

  「……劣等感」

  「んー?」

  「あれ、そういえばみやちゃんが居ないね。どうしたんだろう? もしかしていじめの件を気にして、授業に出てないのかな……」

  たまちゃんがそう言うと、ねこちゃんは何だかそわそわとしだして……。

  「あ、違うからね? ねこちゃんが悪い、って言ってるんじゃないよ?」

  「ありがとー、たまちゃーん……」

  『ドォーン!』

  「わわっ、何事!?」

  「オレンジの子は何処かな!? みやと遊ぼうよ☆ 早く遊んでくれないと学園がめちゃくちゃになるよ!?」

  体育の授業中なのに学園へ現れた猫少女のみやちゃん。

  みやちゃんはオレンジの子、つまりねこちゃんを捜しているようです。

  そして人間の方のみやちゃんは……何処を捜してもこの場に居合わせていません。

  「やっぱりみやちゃんって……あたし、行かなきゃ」

  体育の授業どころではなくなり、生徒達は一斉に避難します。

  そのどさくさに紛れて、たまちゃんとねこちゃんは校舎内へと行きました。

  「たまちゃーん……」

  「ねこちゃんどうしたの? 危ないからクラスの皆と一緒に居た方がいいよ」

  「わ、私も行く……」

  「行くって何処に? あたし、トイレなんだけど」

  「わ、私もー……一緒におトイレにー」

  「ねえ、ねこちゃん? ねこちゃんってやっぱり猫少女なの?」

  「ふぇっ!?」

  たまちゃんはストレートに聞きました。

  「みやちゃん、恐らく転入生のみやちゃんと同一人物かもしれない。だからねこちゃんをやる気満々なのかも……今出て行ったら、きっと酷い目に遭うと思う」

  「わ、私はー……えっとー、猫少女って何かなー?」

  「大丈夫だよ、ねこちゃん。猫少女同士だったら正体をバラしても、平気だからさ」

  「ち、違うのー。私は猫少女なんて知らなくてー……」

  とても「嘘を付くような子」には見えないねこちゃん。

  しかしねこちゃんは自身が猫少女ではない、と否定の姿勢を崩しません。

  「うん、分かった。ならば……行こっか」

  「たまちゃん、私教室に忘れ物しちゃったからー……おトイレの前に教室へ行って来るねー……」

  ねこちゃんはそう言って。たまちゃんの元を離れました。

  (ねこちゃん、やっぱり変身する所を見られたくないのかな……何でだろう)

  ねこちゃんも居なくなった所で、たまちゃんは猫少女に変身します。

  「魔法猫少女始動! だにゃん!」

  変身を終えたたまちゃんは、急いで校庭へ向かいました。

  「今日もバッチリ平和を守るにゃん! たまちゃん参上だにゃん!」

  「あ、たまちゃーん……」

  「やっぱり現れたね☆ ねこちゃんをおびき寄せればたまちゃんも来ると思ったよ! ねこちゃんにたまちゃんは渡さないんだから☆」

  校庭へ行くと先にねこちゃんが来ていて、必死にバリアでみやちゃんの攻撃を凌いでいました。

  「おびき寄せるって、昨日ねこちゃんを襲撃したのもそれが目的だったにゃん?」

  「何の事かなー!? みや、分かんない☆」

  敵対しているみやちゃん、彼女がまともに答えてくれる筈なんてありませんでした。

  「それよりねこちゃん、バリア邪魔なんだけど! 退かしてよ☆」

  「言われて退かす人なんて居ないでしょー。あ、人じゃなくて猫少女だけどさー」

  ねこちゃんはツラそうにバリアを張り続けています。

  ずっと張っていると魔力の消費が激しいのでしょう。

  「あたし、加勢するにゃん! えいにゃ! えいにゃ!」

  しかし、効果はいまひとつのようだ……。

  「ねえねこちゃん、にゃにか攻撃技はにゃいのかにゃん? あたし、へっぽこ過ぎて無理だにゃあ……」

  「私は守りたい想いで生まれた猫少女だからー……完全に守り特化でねー……」

  「つまり攻撃手段はにゃい、と?」

  「そうだねー……どうしよっかー」

  「こうにゃれば……塵も積もればにゃんとやらだにゃん! えいにゃん! えいにゃん!」

  たまちゃんは気持ち少し魔力を強め、みやちゃんに沢山当てる事で少しずつダメージを与えようとしました。

  「痛くも痒くもないよ!?」

  しかし0ダメージはいくら当てても0のままなのです……。

  「バリア、いつまで持つかな!?」

  『ドォーン!』

  「わっ! もうー危ないなー!?」

  強力な魔法がみやちゃん目掛けて飛んできました。

  遠くからみおちゃんが強力なチャージ攻撃を放ったのです。

  「みお! これでにゃんとかにゃる……」

  「遅くなってごめんね。2人共、大丈夫だった?」

  「うんー、何とかねー……大事なたまちゃんを守る為だもんー」

  バリアを張り続けていたねこちゃんはかなり魔力を消耗しているようで、今にも息が上がりそうな様子でした。

  「えー、何でみおちゃんが来るのー!? 授業中を狙えば出て来ないと思ったのにー!」

  「ごめんね。みお、お呼びでなかったかな?」

  「もういいもん! 今日は帰る!」

  「あらま、自ら引くだにゃんて珍しいにゃん……」

  みやちゃんは自ら去って行きました。

  「私のバリア、役立ったかなー?」

  「うん、おかげで攻撃を凌ぐ事ができたにゃん」

  「良かったー。じゃあ私、戻るねー」

  ねこちゃんも戻って行きます。

  「あ、行っちゃった。正体を隠す理由、聞こうと思ったんだけどね」

  「まあ今は授業中だし、後でいいんじゃにゃいかにゃん?」

  「それもそうだね。しかしみやちゃん、授業中まで出て来るとなるともう油断してられないね。その為に学園へ転入してきたのかな?」

  「あ、みお。その事にゃんだけどさ」

  「うん?」

  「本当に転入生のみやちゃん、猫少女にゃのかにゃって。人間の方のみやちゃん、妙にあたしににゃついてるんだにゃん」

  「敵対してるし、懐いてると言うのは少し不可解だね。みおはまだ人間の方に会ってないし、名前が同じだからと言う推測だけどね」

  「そっか、今度人間態で会わせられる機会でも作れれば……あ、そうにゃん!」

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  そしてその日のお昼休み、ランチタイムの時間になりました。

  「で、何でみやちゃんも一緒に居るのー……」

  「それはこっちのセリフだよ! ねこちゃん、邪魔☆」

  「はいはい、喧嘩しないで……あたし、懐かれてるみたいだからさ。あたしが誘ったんだよ」

  「何でまたー……」

  「多分誘わなくてもみやちゃん、いつかしら勝手にやって来るとも思ったから」

  「うん、そのつもりだった☆」

  「ほらね……」

  たまちゃんはランチタイムにみやちゃんも誘っていました。

  この場であればみおちゃんも一緒なので、人間の方のみやちゃんとみおちゃんを引き合わせようとしたのです。

  「一応あたし、学級委員だからさ。2人がずっと険悪なままでクラスに居づらくても困るし、少しは仲良くしてもらわないとだし……」

  「みやはたまちゃんだけ居ればいいもん! たまちゃんは渡さないんだから☆」

  「たまちゃんはみやちゃんのものじゃないでしょー、私のものだもんー」

  「ここねちゃん、どさくさに紛れて何か言ってるね。でもたまちゃんはみおのものだから」

  「あたしは誰のものでもありません……それにみおまで」

  何だかランチタイムも大波乱になりそうです。

  「あのねみやちゃん、紹介するね。あたしの姉のみおちゃんだよ」

  「6年生のみおだよ、宜しくね」

  「うん、こっちでも宜しく☆ みおちゃん☆」

  みやちゃんはたまちゃんと初めて挨拶を交わした時のように、「こっちでも」と言いました。

  「こっちでも、ねー……やっぱりそうなのかな」

  「ところでみやちゃん、体育の時間何処へ行ってたの?」

  「ダルいから授業サボってた☆」

  みやちゃんはたまちゃんのお弁当箱から卵焼きを取って、もぐもぐしながら言いました。

  「あ! あたしの卵焼き!」

  「いいじゃんー、減るもんでもないし!」

  「減ってます……」

  「ねえみやちゃん、卵焼き美味しい? みおが作った自慢のかつおダシ入りの卵焼き」

  「すっごく美味しい! みや、これ好き☆」

  みおちゃんの卵焼きはみやちゃんにも大絶賛のようです。

  「ねえねえ! 今度みやにも沢山作ってきてー!」

  「みやちゃんー、図々しいでしょー……私だって作ってもらってないんだからさー」

  「いいよここねちゃん。美味しいって言われて悪い気はしないから。みお、皆の分も作るよ」

  「ほんとに!? やったあ☆」

  「その代わり、みやちゃんに1つ聞きたい事があるんだけどいいかな」

  「なーに!?」

  「みやちゃんってさ、ぶっちゃけ猫少女なの?」

  みおちゃんはいきなり確信的な事を問いただしました。

  「そうだよ、って言ったら卵焼き作ってくれない!?」

  「どうしようかな。みやちゃん、悪い猫少女だし」

  「じゃあ違うって答える!」

  「そっか、やっぱり猫少女のみやちゃんなのかな」

  「みや、ちゃんと違うって言ったからね!? だから卵焼き作ってよね!?」

  言い方はともかくとして、みやちゃんは実質的に猫少女と認めたようなものです。

  それを聞いてねこちゃんは、少し考えたようで……。

  「あ、あのねみおちゃん、実は私もねー……」

  「ここねちゃん、どうしたの?」

  「あのね、えっとね……わ、私も卵焼き、作ってもらえるかなーなんてねー……」

  「うん、最初からそのつもりだよ。てっきりねこちゃんも猫少女、って認めてくれるのかと思ったよ」

  「わ、私は……知らないよー」

  ねこちゃんは鯖の味噌煮を突きながら言いました。

  「うん、じゃあ話せる時になったら言ってくれればいいよ」

  「違うんだってばー……」

  結局ねこちゃんが正体を隠す理由は謎のままです。

  「そうだたまちゃん! はいこれ! 卵焼き減っちゃった分上げる!」

  「え、いらないよ!?」

  みやちゃんは歯型が付いた、食べ掛けのかつお節おにぎりを差し出しました。

  「かつお節、嫌いだった!?」

  「うっ……だ、大好きだけど。でも食べ掛けはいらない……」

  「そっかそっか☆ 卵焼きもーらい!」

  「あ、また取った!」

  みやちゃんが猫少女でほぼ確定と分かったので、一応一緒のランチに誘った甲斐はあったようです。

  『じーっ』

  「あれ、何だか視線を感じる?」

  「どうしたの? みお」

  「……ううん、多分気のせいだと思う」

  その後たまちゃん達は皆でお昼を食べ終えました。

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  午後の小休憩時間、たまちゃんはねこちゃんが先生に呼び出されているのを見掛けました。

  「ねこちゃん、どうしたのかな? もしかしていじめの件で動きがあったのかな?」

  たまちゃんは気になってしまい、こっそり後を着けます。

  「たまちゃん、ねこちゃんを追ってるの?」

  「うん、みお。って、学年違うからみおは3階だよね? 何で2階に居るの?」

  「3階のトイレが清掃中で使えなくてね、それで2階まで来たって言ったら信じる?」

  「もしかして、また何かの勘が働いたの?」

  「そういう事にしとこうかな」

  たまちゃん達は2人でねこちゃんの後を追います。

  するとねこちゃんは空き教室へ入って行き、先生と何か話を始めたようです。

  「良く聞こえないね」

  「なら声を拾いやすいように、猫少女に変身だね」

  「え、そんな事の為だけに?」

  「だってこれじゃあ後を着けた意味がないじゃない」

  「でも猫少女になるの恥ずかしいし……」

  「魔法猫少女! 始動!」

  「って、もう変身してるし! 分かりましたよ……魔法猫少女! 始動だにゃん!」

  たまちゃん達は変身して、ドアに耳を当てました。

  「お兄ちゃん、聞こえる?」

  「うん、良く聞こえるにゃ」

  「ねこちゃん、みやちゃんにいじめられたの?」

  「うん、今朝そんにゃ話があってね。昨日襲撃もされてたし、敵だとみにゃされたからかもにゃん……」

  「みやちゃん、人間の時も嫌がらせしてるんだね」

  「ねこちゃん、はっきり先生に言ってるね」

  「うん、私は絶対にいじめてませんって言ってるにゃ」

  「あ、話し終わったみたい。先生来るみたいだよ。離れよう」

  たまちゃん達が離れるとドアが開き、先生が教室から出て行きました。

  「さて、元に戻ろうか」

  「うん、そうするにゃ」

  「あれー、たまちゃんとみおちゃんー?」

  「にゃにゃっ!?」

  元に戻ろうとしたら、ちょうどねこちゃんが教室から出て来ました。

  「2人共どうしたのー? 校舎内で猫少女になってー」

  「えっとね、何でもないよ。みやちゃんも居ないから安心して。でもまるでみお達が変身している、って分かっているかのような言い方だね?」

  「ふぇっ!? き、気のせいだよー!? は、初めましてだったよねー……」

  一応猫少女のたまちゃん達と人間時のねこちゃん同士で会った事はないので、そういう意味での初めましてなのでしょう。

  「ここねちゃん、誤魔化さなくてもいいのに」

  「だ、だから私はー……」

  「何で隠そうとするの?」

  ねこちゃんは何だか、スカートのポケットを気にしているようです。

  自然とそこへ行ってしまう手を、まるで抑えているかのような感じで……。

  「ふえぇー……や、止めて。これ以上、私を追い詰めないでー……」

  ねこちゃんは何だか涙目になりかけながら、走り去って行ってしまいました。

  「お兄ちゃん、今の反応どう思う?」

  「どうって言われても……分からにゃい」

  「何であんなに断固拒否、って感じなのかな。何か相当な訳でもあるのかな?」

  「どうにゃんだろう……ねこちゃん、にゃきそうにゃ感じもしたにゃ」

  「訳は分からないけど、これ以上追及するのは止めた方がいいのかも」

  ねこちゃんが涙目になりかける程、正体バレを拒む理由。

  真意は分からないながらにも、みおちゃんはこれ以上追及してはいけないと思ったようです。

  「人には誰だって言いたくにゃい事とか、秘密の1つや2つきっとあるにゃ」

  「まあ秘密と言っても、ここねちゃんが猫少女なのはもう間違いないと思うけどさ」

  「問題は言えにゃい理由、の部分だにゃ……」

  そうです、誰にだって秘密の1つや2つはあるのでしょう。

  「もう追及するのは止めようか」

  みおちゃんはねこちゃんの追及を取り止める事にしました。

  「ところでたまちゃん、何か視線を感じない?」

  「視線かにゃ? あたしはにゃにも感じにゃいにゃ……」

  「そっか、たまちゃんは魔力も勘も低いものね」

  「みおが優秀過ぎるだけにゃんだと思うにゃ……」

  みおちゃんはお兄ちゃんの事を「たまちゃん」と呼んでます。

  と言う事はみおちゃんの言う通り、本当に誰かがたまちゃん達の近くに居るのでしょうか?

  たまちゃん達は人気が無い事を確認している筈ですし、ねこちゃんの連れられた空き教室も人通りが全く無い場所です。

  「気のせいなのかな。でもみお、勘だけはいいみたいだから……用心しないとね。いつ誰に狙われているか分からないもの」

  「うん、そうにゃね……ねこちゃん襲撃の件もあった事にゃし」

  「あ、そろそろ次の授業始まっちゃうんじゃないかな。戻らないとね」

  「うん、早く変身を解いて戻るにゃ」

  たまちゃん達は変身を解くと、それぞれの教室へ戻って行きました。

  『じーっ……』

  そしてみおちゃんの感じていた視線の正体とは……。

  「……今の所、あの子は大丈夫みたいだね。秘密の1つや2つか……それは君達だって、例外じゃないと思うんだよね」

  みおちゃんの勘が当たっていた、と言う事は……この時のみおちゃんは、知る由もありませんでした。

  「それにしても、あの時の出来事がこんな形で治まるとはね。でも僕もまだまだ油断はできない、いつ再び奴が現れる事か……」

  壁からじーっと見ていた子は、何やら意味深な事を言い残して……一旦その場を去りました。