心臓の音がどくん、どくんと暴れる。
どうしても、眠れない。
身体の芯がずっと熱くて、痒くて、堪らない。
その原因は、言うまでもなく。
――すぐ、近く。
襖1枚隔てた隣に"あの"アルファがいるから。
僕が今、横になっているこの空間。
それはひとつの大部屋で。
隣の空間とは襖だけで仕切られている。
ちらり、と目配せすれば。
薄い襖のその向こう側。
そこには。
"熊谷建設"の皆さんが寝ているんだ。
その中には。
広間で一緒に夕食を取ったあの。
デカすぎる、熊谷さん。
彼もきっとずしっと眠っているはずで。
――広間で、少し香った彼の体臭。
それが時折ふっとこちらへ流れてくるのが分かって。
すんすん、と嗅げば。
汗と石鹸と、熱を帯びた雄のニオイ。
それだけで僕の体は反応してしまう―――
『ん…く……っ♡』
体の奥が、熱い。
痒くて、堪らない――
このままではどうにかなりそう。
そう身悶えていた、そんなときだった。
「………起きとるな?邪魔すんぞ」
『は……ぇ……―――♡』
――襖が。
しゅっと、ごくわずかに開いて。
その隙間から。
低い、雄熊の声がボソっと流れ込んでくる。
僕の胸の奥にずんっと重く響くそれは。
――熊谷さんの。
さっき、夕食のときに相席した、ほんの少しだけ会話した相手の。
雄の声で。
『ぇ、ぁ…ぇ、っと、はい……っ♡』
反射的に、体が起き上がる。
頭が考えるよりも先に―――
心が反射的に"歓迎"してしまうと。
そんな僕の了承を得て、すぐ。
デカい中年の雄熊がのっそりと。
抜き足、差し足で。
音も立てずにその巨体を忍び込ませて。
僕の、空間。
こちら側の、豆電球だけが灯る。
薄暗い、空間。
そんな情緒ある床の間へと侵入してくれば。
目が、合う。
「……いや、なんや。寝れんかっただけや……悪いな。」
熊谷さんは気まずそうに、目をそらして。
それから、ゆっくりと――
後ろ手に襖をぴしゃん、と閉めると。
――僕と向かい合う。
『ぁ…は……♡』
そうすれば、見えてしまう―――
熊谷さんの、はだけた浴衣。
その隙間からは大きく盛り上がった胸板が見え。
筋肉の硬さと、中年特有の脂肪の柔らかさ。
それらが融合したような。
"弾力"と"重さ"を感じさせる雄っぱいと。
その大きな膨らみには。
これまた大ぶりな乳首がぷっくりと立って。
やや湾曲した大きすぎるその腹部も。
鍛えられてなお厚みのある皮下脂肪が乗っているようで―――
毛深く、逞しく、それでいて妙にスケベなシルエット。
そして視線を落とすと。
脚の間には。
白い布地が、今にも弾けそうなほど突き出していて。
布越しに浮かび上がる、輪郭。
それだけでわかる―――僕への、期待。
『……くぁ♡』
すべてが、凄すぎる♡
なのに熊谷さん自身は。
一切、何も口にせず。
ただただ襖を閉めては。
そのまま。
僕の布団の上に。
ドすん、と音を立てることなく―――
でも確かな重量感をもって胡坐をかいて。
僕たちは――気まずさの中、対面する。
「………」
『……………』
豆電球の弱い光の下。
その巨体はまるで部屋の空気ごと占拠するかのようで。
思わず僕も正座して。
互いの膝と膝が触れそうな距離が。
近すぎる。
でも僕はもう逃げない。逃げられない。
なぜなら――頭がぼうっとし始めているから。
でもそれは眠気からくるものじゃなくて。
きっと、熊谷さんの体からにじみ出るフェロモンのせい。
だからこそ僕のナカがじわっと疼いて。
ふと足を動かせば――
雄膣の内壁がくちゅ、と音を立てる。
そんな気がして。
もう身動きが取れないんだ。
熊谷さんの方も、黙ったまま。
視線は逸らしたままなのに。
チラ見えする浴衣の下が雄弁すぎた。
はらり、とはだけた浴衣のすき間から。
広がった腿のあいだで股間を覆う、白い布。
その中心は"ボコっ"と突き上がっていて。
あまりにも不自然に盛り上がったソレ。
すぐにでもはちきれそうなほどパンパンに詰まったその中身が―――
時折ピクンと軽く跳ねた気がして。
――僕は、思わず目を逸らした。
『……♡(だめだ、これ、見てたら……っ♡)』
だけど目の端で捉えてしまう。
あのサイズ、あの膨らみ。
その中にある熱と脈動を想像するだけで――
雄膣の奥がぎゅっと痺れてくる。
そんな時。
「……お前さん……―――」
熊谷さんの低い声。
それが僕の耳に落ちてきて―――思わず。
心臓がびくっと跳ね。
「……オメガか。」
―――――
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