アルシュベルドが自慰に目覚める話

  レ・ダウと戦った後、アルシュベルトは跡形に戻らず砂原で夜を越そうとしていた。

  アルシュベルドは眠れずにいた。

  レ・ダウとの戦いの興奮が冷めなかった。

  レ・ダウの鋭い眼光、雄大な翼、美しい青い尻尾が脳裏に焼き付いている。

  アルシュベルドは不思議に思った。

  ウズ・トゥナと戦った後はぐっすり眠れた。

  一体何故?

  不意にアルシュベルドに未知の感覚が訪れる。

  身体のどこでもないところが地面に触れた。

  翼でも脚でも鎖でも無い。

  真実を確かめるため、首を曲げ身体の下を除く。

  そこでは股間から見たこともない突起が伸びていた。

  その突起は自分の体液のように青く、先端から透明な液が溢れ出していた。

  アルシュベルドはこれが何か考え、答えにたどり着く。

  他のモンスター達が当然に行っており、自分には無縁だと思っていた行為に必要な物。

  生殖器だ。

  自分には無いと思っていた物、それがあった。

  なら次に考えることは、これが使えるかだ。

  アルシュベルドは仰向けになり月明かりに照らされた。

  こんな無防備な格好、普通なら出来ない。

  禁足地の王者たる、敵などいないアルシュベルドでもなければ許されない。

  アルシュベルドは鎖で恐る恐る生殖器を触る。

  想像していなかった痛みに声を漏らす。

  他のモンスターはこんな苦痛に耐えているのかとアルシュベルドは驚く。

  痛みに反応したのか生殖器の先端から粘液性のある透明な液体がさらに溢れてくる。

  聡明なアルシュベルドは全てを理解した。

  鎖を使って粘液を生殖器に塗り広げる。

  粘液のおかげで痛みはわずかだけしか残らなかった。

  そして残った痛みは「気持ちいい」のだと気づいた。

  粘液を広げ終わったとき、アルシュベルドの息は上がっていた。

  アルシュベルドはもう興奮を抑えられない。

  その鎖で自身の生殖器を握った。

  体中を快楽の稲妻が走る。

  アルシュベルドは快楽をただ楽しむ。

  少しして落ち着いたら鎖に力を入れる。

  また快楽を楽しむ。

  鎖で生殖器を握る、擦る。

  何度も繰り返し快楽を楽しむ。

  生殖器に刺激を与える間隔はどんどん短くなっていく。

  アルシュベルドは快楽のトリコだ。

  しかしアルシュベルドは満足しない。

  この先があると本能が訴えかけてくる。

  でもいくら刺激を与えても到達出来ない。

  気持ちいいのに満たされない。

  何が足りないのか、ヒントはないかと記憶を辿る。

  その中のレ・ダウとの戦い、レ・ダウにに自分と同じ生殖器が無かったことを思い出す。

  生殖器があるはずの場所にはたしか切れ目があった。

  きっとあの中に入ってるのだろう。

  そう考えた時、アルシュベルドの身体を今まで受けたこともない快楽の雷が貫いた。

  我慢出来ずに咆哮を上げる。それは情けなく王者のものではなかった。

  アルシュベルドの身体から力が抜け、鎖が生殖器から離れる。

  アルシュベルドは快楽に溺れていたかったがどうしても確認したいことがある。

  自身の生殖器を見つめる。

  そこからは何も出ていなかった。

  アルシュベルドは自身の身体から快楽の余韻が抜けるまで、生殖器が身体の中に埋もれるのを観察した。

  咆哮を上げてしまっため、敵がよってくる前にアルシュベルドは砂原を離れ跡形に戻ることにした。

  空を飛ぶアルシュベルドにはある確信があった。

  このまま食事を続ければ生殖能力を取り戻すだろう。

  アルシュベルドは期待していた。

  生殖能力が戻ればさぞ気持ちいいだろう。

  あのレ・ダウを組み伏せば、どれだけ気分がいいだろう。