漏れの冬休み 柔一ver

  12月23日

  漏れは、あの夏と同じように。水郷村へと帰ってきた。

  あのときと違うのは、季節が寒い冬であること。そして、漏れと柔一さんが恋人になったということだ。

  日にバスが3つしか来ないバス停から降りる漏れ。

  そして、漏れより大きな熊獣人が現れ、言った。

  「元気そうだな。博行。」

  その言葉に、漏れは。

  「久しぶり!柔一さん!」

  明るく答えた。

  2人並んで歩いていると、夏別れたことを思い出し、漏れは柔一さんに言った。

  「あの時はジャージありがとうございました!」

  そして、ジャージを返す漏れ。柔一さんは。

  「気にするな。」

  そう言って、ジャージを受け取る柔一さん。

  「洗剤のいい香りがするな。」

  「そりゃそうですよ。きちんと洗っているんだから!」

  「…少しもったいないな。博行の匂いがしないのは。」

  「えっ!?」

  「な…何でもない!」

  柔一さんに荷物を持ってもらう漏れ。申し訳ないと言ったが。

  「博行の恋人としてこれくらいはさせてくれ。」

  そう柔一さんは答えた。

  荷物を家まで運ぶ柔一さん。

  「また明日。黒井の家で。」

  「また明日ね!柔一さん!」

  そう言って今日は別れた。

  前と同じように祖父と祖母の家に泊る漏れ。

  そんな漏れに対し、

  「よく来たな、博行。」

  「こんなに早く会えてうれしいわぁ。」

  2人は歓迎の声を上げてくれた。

  「今日は雷門に行くのか?」

  「ううん。今日は家でご飯を食べるつもり。」

  今回は、漏れの歓迎会はない。ただし、深君の家でクリスマスにクリスマスパーティを行う。

  クリスマス。柔一さんと2人で過ごしたいという思いはあった。でもそれ以上に、またみんな。それぞれ予定があって忙しいだろうに漏れのために集まってくれる。嬉しい気持ちのほうが上だった。

  夜、祖母の作ったご飯を食べ、寝支度をしようとすると、電話が鳴った。

  「もしもし?」

  「博行か?」

  電話の相手は柔一さんからだった。

  「柔一さん?どうしたのこんな夜に。」

  「物足りなかったから。」

  「えっ?」

  「昼会っただけでは物足りなかった。もっと博行の声を聞きたい。そう思うのは当然だろ。」

  「嬉しい!」

  たまらず声が出た。

  数十分。漏れと柔一さんは電話で話し合った。

  お互いの近況。柔一さんが消防士試験に合格したこと。話す話題は尽きなかった。

  電話が終わって眠りにつく時。

  柔一さんの声を聞けた。

  幸せな気持ちのまま、眠りに落ちることができた。

  12月24日

  深君の家でのクリスマスパーティ。

  前日に準備を行うと深君から告げられていた。

  「漏れも準備に行った方がいいよね?」

  その言葉に、深君は、

  「準備といっても大したことはないよ。博行は帰ってきたばっかで疲れているだろうし。それに、久しぶりに帰ってきたんだ。博行の祖父と祖母に話をしてやりなよ。」

  そう気遣ってくれた。

  深君の家にたどり着くとすでに先客がいた。

  「オッス!博行!」

  「博行、久しぶりだな。」

  「博行さん!ひさしぶりですぅ!」

  辰兄と洸哉と峻君が玄関から現れた。

  「久しぶり、みんな、元気だった?」

  「おう!俺は元気だぜ。」

  「まあ、俺はぼちぼちかな。」

  「元気ですよ。博行さん!」

  そう答えてくれた。

  中に入ると、他にも人がいた。

  虎彦と深君だ。

  「やあ、博行。よく来たね。遅刻せずに来るなんて偉いじゃないか。」

  「博行!久しぶりだな!元気そうでよかったぜ!」

  漏れに向かって挨拶してくれた。

  「今日のために俺と深でケーキを焼いたんだぜ!!」

  「まあ、分量に間違いはなかったし、おいしくできていると思うよ。」

  今日のメインとも言えるケーキに対し、2人はそう告げた。

  ワイワイと話していると。不意にチャイムが鳴った。漏れが対応する。そして、3人が玄関前に現れた。

  柔一さんと京慈先輩と宗太郎君だった。

  「遅くなったか?」

  柔一さんは聞いたが、そんなことはないよ。と返事をした。

  「博行、久しぶりだな。」

  「博行先輩久しぶりっす。」

  京慈と宗太郎君が続けて言う。京慈先輩は漏れと柔一さんの関係性を知っている一人だ。

  そして、漏れも、京慈先輩と宗太郎君の関係性を知っていた。

  「相変わらず、夫婦みたいでラブラブだね!」

  茶化すように、そういうと。

  「おいおい、博行…」

  「夫婦っすか!?」

  夏の時の同じような返事をした。

  孝之助以外のみんなが集まって1時間がたった。

  しびれを切らした虎彦が、

  「孝之助のことは仕方ねぇ。とりあえず。乾杯しようや。博行、あいさつを頼む。」

  「みんな、今日は集まってくれてありがとう。これからも仲良くできますように。それでは!カンパ…」

  「ちょっとまったあああ!!!」

  そう言って狸獣人が現れる。孝之助だった。

  「みんな。僕を無視するなんてひどいじゃないか。あっ。ジュースだ。それじゃ!乾杯!」

  そう言いながら、一人先にジュースを飲む孝之助。

  「おいおい、遅れたのにそれはねぇんじゃねえのか?」

  虎彦が言うと。

  「まぁまぁ孝之助だし…それじゃ改めて!乾杯!」

  「乾杯!」

  今度はみんな一斉にグラスに口をつけた。

  そして、パーティの中。中心となったのは漏れだった。

  都会での生活はどうか。今度俺のバンドを東京でやるんだぜ。おい、おい、博行、こっちに来て一緒に飲もうぜぇ!たくさんの質問をされ、現在の近況を応えあった。

  どれも、漏れに対し好意的な話題になった。

  辰兄が峻君を持ち上げてグルングルンしたり。10個あるたこ焼きのうち激辛たこ焼きを選んだ洸哉がブッフォ!と叫び、その様子を面白そうに孝之助が写真に収めていたり。

  京慈先輩の口をつけたグラスを間違えて、深君が口をつけてしまった時、虎彦が間接キスだな!とはやし立て。ごめんと深君が小さく謝り。その様子を実はうらやましそうに宗太郎君が見ていたりとにぎやかだった。

  そして、ケーキを食べるとき、深君が切り分け。虎彦がケーキを持ってきた。

  綺麗に10等分されたケーキ。おいしそうだった。

  ケーキを食べ。虎彦が、

  「どうだ!?」と質問してきたので、

  とてもおいしいよ。そう答えた。柔一さんも。

  「おいしいな。これは隠し味に蜂蜜を使っているのか。」

  「そうだぜ。よくわかったな。柔一先輩!」

  虎彦が答える。

  「だがこれにはまだまだ改良の余地がある。」

  そう言って、マイボトルに入った蜂蜜をケーキに掛ける柔一さん。

  「あああああああ!!」

  虎彦が大声を上げた。せっかくのケーキに蜂蜜をかけたことに対する驚きの声だった。

  そして柔一さんはなんと、漏れのケーキにまで蜂蜜をかけたのだ!

  「博行もこの方がおいしいだろ。」

  そう問われ、蜂蜜がかかったケーキを口にする漏れ。

  「そうかもね。」

  本当は甘すぎた。蜂蜜がかかっていない方がおいしかった。だが、柔一さんの前では言えなかった。

  楽しい時間も終わりを告げる。みんなでまたねと言い合って解散した。

  明日はどんな日になるのだろう。そう、楽しみにしながら眠りについた。

  12月25日

  柔一さんに会えないかと連絡すると。

  「すまん。今日は部活の後輩を見ないといけないんだ。」

  面倒見のいい柔一さんらしい。漏れは了承した。そのことに若干の寂しさを覚えると。不意に電話が鳴った。

  「もしもし?」

  「もしもし?博行か?」

  相手は虎彦からだった。

  「今日は一人で過ごすのか?」

  そう虎彦から尋ねられたので。

  「柔一さんが部活でいないからそのつもりだけど。」

  漏れが返事をすると。

  「じゃあ、一緒に風鳴町に遊びに行こうぜ。」

  誘ってくれた。断る理由のなかった漏れは、虎彦と一緒に街に繰り出した。

  ゲームセンター。カラオケ。楽しかった。昼食は、カフェでとった。

  オムライスとナポリタン。

  虎彦に向かって

  「このオムライスおいしいよ。」

  そう言って、ケチャップライスののったスプーンを虎彦へと向ける漏れ。

  一瞬ためらいながらも。そのスプーンを口に運んだ虎彦。

  「そうだな。おいしいな。」

  告げた後。

  「それにこのナポリタンもうめぇ。悔しいが、洋食の腕はまだまだだからな。」

  「虎彦ならすぐに上手になるよ。そしたら漏れに食べさせてね。」

  「期待してろよ。いつかこれよりもうまいものを食わせてやるからな!」

  午後からは、様々な店へといった。

  ケーキ屋。アクセサリー屋。アクセサリーは買わなかったが見るだけで楽しかった。そして服屋。

  「服の試着をしてくるぜ。」

  そう言って、店の奥へと消えていく虎彦。

  その間に一人店内を物色する漏れ。

  そして、その間に漏れは服を2着選んだ。一着は漏れの恋人の柔一さん用に。そしてもう1着は今日漏れを誘ってくれた虎彦用に。

  試着室から出た虎彦。

  「似合ってるか?」

  「似合ってるよ!」

  すぐに言った。漏れから似合ってると言われたことが嬉しかったからだろうか。

  虎彦はその服を買うことを決めた。

  服屋から出る2人。水郷村へと帰る途中。虎彦に向けて漏れは言った。

  「はい。今日のお礼!」

  包みを虎彦に差し出した。

  漏れがプレゼントしたのはエプロンだった。

  「それ着てもって料理の腕を上げてね!」

  そう告げると。

  「ありがとう博行!大切にする!」

  嬉しそうに答えた。漏れの家の前に到着する漏れと虎彦。

  「今日は楽しかった。ほんとは一人で過ごさなければならなかったところを誘ってくれてありがとう!!!」

  そう告げると、虎彦は少しばつの悪そうな声で答えた。

  「俺も楽しかった。博行とデートしている気分になれたから。」

  「えっ…」

  「一人きりだと博行が言った時。俺は喜んでしまった。好きな博行と二人きりになれるチャンスだと。そう。俺はまだ博行への恋心をあきらめきれていねぇんだ…」

  「虎彦…ごめん…」

  「謝るな。わかってる。柔一先輩と博行は恋人なのは。それに俺は、隠していたんだ。本当は柔一先輩と一緒にいられる方法があることを」

  「えっ?」

  「俺の高校は、同じ高校の人間がいれば、入ることが可能だ。俺と一緒なら、柔一先輩のいる部室へと足を運ぶことができる。だが、俺はしなかった。博行と2人きりになりたかった。下らねぇ嫉妬心から柔一先輩に会わせなくなかった…」

  最低だな…俺。そう呟く虎彦。それに対し、漏れは。

  「ありがとう。」

  「なんで感謝するんだよ!俺は、博行と柔一先輩が一緒になる時間を邪魔したんだぞ!」

  泣きながら告げる虎彦。

  「今日漏れは虎彦と一緒に過ごせて楽しかった。そのことに嘘偽りなんかない。それに、正直に話してくれた。」

  「博行…」

  「虎彦にとって酷かもしれないけど漏れの大切な親友でいてください!」

  「博行…ありがとう。今はまだ、好きな気持ちを消化しきれていないけど。いつか自慢の親友だと胸を張って言えるようになる。」

  そう言って。

  「またね。虎彦。」

  「またな。博行。」

  そう言って、2人別れた。

  その夜。漏れは柔一さんに電話をかけた。

  「もしもし、柔一さん?」

  「博行か。どうした?」

  「明日会える?」

  「すまん。明日も部活なんだ。」

  「だったら、漏れも見に行っていいかな。柔一さんが部活している姿見てみたい!」

  「博行。退屈させるかもしれないぞ?」

  「そんなことないよ。それに柔一さんともっと会いたいから!ダメ…かな?」

  「そんなことない。ぜひ来てほしい。明日迎えに行く。」

  じゃあ明日。そう言って漏れは電話を切った。

  漏れの見たことのない柔一さんの一面。そのことを見られることに期待しつつ、漏れは眠りについた。

  12月26日

  漏れは柔一さんと2人。風鳴高校へと足を運んだ。

  虎彦の言ったとおり、同じ高校の柔一さんが一緒だったからすんなり通してくれた。

  柔道場。部の後輩たちがすでに集まっていた。

  「おはようございます。三日月先輩。」

  「おはよう。」

  柔一さんの隣にいる漏れに気づき、

  「先輩。その人は?」

  その中の一人が柔一さんに向かって質問すると。

  「俺の幼馴染の博行だ。今日はよろしく頼む。」

  紹介は短いものだった。

  柔道部の部員たちは礼儀正しく。漏れがいても嫌そうな顔をしていなかった。

  それどころか。漏れに対しても声をかけてくれていた。

  柔道をする柔一さんはかっこよかった。真剣に相手に向き合う姿。後輩に厳しいながらも丁寧に接する姿。はじめてみた一面だった。そして、同じ部の後輩にも慕われていることが分かった。丁寧な口調ながらも柔一さんを尊敬するような口調。漏れの恋人はこんなに立派なのだと。まるで自分が誇らしいように感じた。そして、柔道をしている柔一さんの姿にかっこよさだけでなく。少しエロスを感じてしまった。流れる汗。少しはだけた衣服。チラ見せする肌。そんな姿他の人に見せないでほしい。漏れだけに見せてほしい。少し子供じみた嫉妬心を覚えた。

  休憩時間、柔一さんが誰かから呼ばれたようだ。

  「席を外す。」

  そう言って、その場を離れる柔一さん。

  言葉無沙汰になった漏れは、あたりを見回し。ある姿がないことに気づいた。

  「そういえば巖さんは今日はいないの?」

  「古酉先輩ですか。先輩なら、家の仕事があると言ってしばらく来ていないですよ。」

  「そうですか。」

  少しだけ残念がる漏れ。きっと忙しいのだろう。

  「待たせたな。」

  10分後、柔一さんは柔道場へと戻っていった。

  午後は、午前と違って、筋トレが中心だった。

  腕立て伏せ。スクワット。一見地味に見えるこの行為が、今の柔一さんを作っているのだろう。決して、柔一さんはさぼることはなかった。

  部活動が終わり、掃除を終え。帰る柔一さんと漏れ。

  「今日は柔一さんの違う一面を知れてよかった!かっこよかった!柔一さん!」

  「そうか。恋人にかっこいい姿を見せられて何よりだ。」

  漏れの家につき別れる前に柔一さんは。

  「明日俺の家で会いたい。よかったら時間を作ってくれないか。」

  「いいですよ!夜まで二人きりですね!」

  「いいや…明日は家に誰もいないんだ。俺以外…」

  「えっ?」

  「明日。2人きりで夜を過ごしたい。お前の時間を俺にくれ。」

  真剣なまなざしで漏れに向ける柔一さん。

  「はい…喜んで…」

  それだけ言って今日は別れた。

  12月27日

  今日。柔一さんの家に泊る予定の漏れ。

  祖父と祖母には、勉強に困っている漏れを柔一さんが泊りがけで見てくれると伝えた。

  なら、これをお土産に持っていきなさい。と渡されたのは蜂蜜のパック。きっと柔一さんが喜ぶだろう。柔一さんの家の前に到着する漏れ。ピンポンとインターホンを鳴らすと。

  「よく来てくれたな!博行!」

  柔一さんが出迎えてくれた。

  祖父と祖母から、柔一さんへと渡された蜂蜜のボトル。一瞬目が血走ったのを漏れは見逃さなかった。

  「祖父と祖母にはなんて言ったんだ。許可を取るのは難しかったんじゃないのか?」

  「柔一さんが漏れに泊りがけで勉強を教えてくれるといったんだ。カモフラージュのために参考書を持ってきたんだから!」

  本当は勉強するつもりのなかった漏れ。だが、

  「だが、まったく書かれていないことを知られると疑問に思うんじゃないか。少しだけ勉強を見てやる。」

  律儀にも、柔一さんは午前中、付き切りで勉強を教えてくれた。勉強が苦手な漏れだったが、柔一さんの教え方はうまく、要点を絞っていた。いつもよりも問題が解けた気がした。

  勉強はここまでにしよう。そういって、昼食にしようとする漏れと柔一さん。

  勉強を教えてくれたお礼として、漏れが昼食を作ると告げた。

  柔一さんは悪いと告げたが、漏れが、

  「柔一さんのためにしたいんです。」

  そう告げると了承してくれた。

  漏れの作った料理は、虎彦のものと比べて、あまりおいしくないだろう。だがそれでも、

  「おいしいぞ。博行。まるで新婚みたいだな。」

  そう言われ、嬉しさと照れくささの両方がこみあげてくるのが分かった。

  昼食後、2人部屋に戻り、トイレへと行くと言って部屋を出た柔一さん。改めて部屋を見ると、脱ぎ捨てられた柔道着が目についた。

  変態的な行為だとわかっている。それでも漏れは自分の衝動にあらがえず、その柔道着を手に取り、においをかいでしまっていた。雄くさく、強いにおい。柔一さんのにおい。そのことを感じた漏れは、何かがこみあげてくるのを感じた。その様子を見ていたのだろう。柔一さんがつぶやいた。

  「博行…何を…」

  何も言えずあたふたする漏れ。その様子に対し、柔一さんは、

  「柔道着に興味があるのか。よかったら着てみないか。」

  そう提案した。

  体育の授業でも、柔道着を着たことのなかった漏れ。着方が分からないというと柔一さんは手取り着方を教えてくれた。初めてそでを通す漏れ。柔道着はぶかぶかだった。

  「なんだか彼シャツみたいだね。」柔一さんのにおいに包まれながら言った。

  何を思ったのか。柔一さんも柔道着に着替えた。

  「よかったら乱取りの格好をしてみないか。」そう言われ、柔一さんに従った。

  柔一さんの体が、漏れに覆いかぶさり、こう告げる。

  「なんだか新鮮だな。こうしていると。後輩にモノを教えているみたいだ。」

  「そうですね!先輩!」

  ふざけてそう答えた。

  先輩…柔一さんがつぶやくと。漏れに提案をしてきた。

  「よければ一日入部体験をしてみないか。」

  「入部体験?」

  「そう。入部体験。興味あるだろ?」

  「興味があります。入部させてください。よろしくお願いします!」

  そういうと、

  「では、今日は俺のことは先輩と呼べ。俺も博行のことは後輩と呼ぶから。」

  「はい先輩!」

  その返事をして、数分。2人何も言えずにいると。

  「知っているか?俺の柔道部には特別なルールがあると。」

  柔一さんが耳元でささやいた。

  「ルールですか?」

  「そうルール。三日月柔一先輩が着ている柔道着を着た後輩は俺に絶対服従のルールを」

  「えっ!?」

  「そして今、お前は柔道部員。そして、俺の着た柔道着を着ている後輩。」

  「…」

  「今から俺がする行為!告げる内容には絶対服従!分かったか!」

  そう言って、一人の雄の熊は漏れに唇を無理やり重ねた。

  R-18

  無理やり後輩に対し唇を重ねた俺、

  「柔一さん…」

  つぶやく後輩。それに対し、

  「先輩だろ!」

  そう強く言うと、先輩…と後輩がつぶやいた。

  「後輩なのに、先輩に対し、敬意が足りないぞ。自分からキスをすることもできないのか!」

  強く叱りつけると後輩は慌てたように唇を重ねた。

  「たったそれだけか?」

  その言葉に対し、重ねる回数を重ねる後輩。だが足りなかった。

  「先輩の手を煩わせるとはな!」

  そういって、後輩の口に舌を入れた。熊が蜂蜜の瓶を舐めるがごとく。しつこく。

  俺が満足するまでキスをして。唇を離した後。後輩がへたりこんだ。腰が砕けたようだ。だが、キスだけで満足させるつもりはない。

  「先輩の目の前だぞ!もっと悦ばせようとしないか!」

  そう言い。後輩に向けて告げる。どうしたらいいかわからず動けないでいる後輩。

  「出来の悪い後輩だな。特別に命令してやる。服を脱げ!!」

  そういうと、あわてたように服を脱ごうとする後輩。だが、

  「ただ脱ぐだけじゃ興ざめだ。もっといやらしく、魅せつけるように服を脱げ!」

  その言葉に、後輩は、俺に見せつけるようにいやらしくくねりながら。生まれたままの姿になった。その姿に興奮が増す俺。無言で。後輩の首筋に牙を立てた。

  「イタッ…」

  「痛いだと!?情けないことを言うな!これからもっとつけるんだぞ!」

  そう言って、後輩の肩、腋、腹へと噛み痕をつけていった。まっさらなものを穢す支配欲に酔う俺。だが足りない。

  「次の命令だ!後輩!自分の指で自分の乳首をいじれ!」

  絶対的な支配者である先輩の俺に逆らうことはできなかったのだろう。ゆっくりと後輩は自分の乳首をいじる。つたない動きだった。そんなもので満足できるものか。

  「もっと大胆にいじれ!」

  後輩の指の動きが大きなものへとなった。こんな場面でも感じているのだろう。

  んっ…とかあっ…とかいう声が漏れていた。少しずつ絶頂へ近づいているようだった。

  後輩のペニスが大きくなっていき、汁が垂れていた。だが、乳首だけでイクのは恥ずかしいのだろう。途中で動きをやめてしまった。乳首だけでイク無様な姿を見たい。自分の中の獣欲が告げる。そして、俺は後輩に対し言った。

  「まだ不十分だな。だが、その姿だけは認めてやる。特別に後輩の願いをかなえてやる。口に出せ!!」

  「イカせて…」

  「声が小さい!!」

  「イカせてください!」

  溜まらず、俺は、後輩の胸を強くつねり、舐め、噛み、つまんだ。

  こり!こり!ガブッ!きゅっ!

  「ああああああっ!!!!!!先輩!!イクぅぅぅぅぅうう!!!!」

  そう言って、後輩は乳首だけで達した。無様だ。たまらない。…やはり俺の雌だ。

  「はぁはぁはぁはぁ…」

  肩で息をしている後輩。それに対し、俺は。

  「後輩だけ一人気持ちよくなって申し訳ないと思わないのか!!!!先輩を気持ちよくさせようという気はないのか!!!」

  叱責すると慌てて俺の下履きへと手をかけようとする後輩。だが、

  「誰が手を使っていいといった。口だけを使え!!!」

  そう命令すると。後輩は、口だけで俺のペニスを取り出そうとした。だが、うまく取り出せない。試行錯誤しながら、取り出そうとする後輩。必死さに感動しながらも、俺は低い声でうなった。

  「まるでなってない。ダメな後輩だな。もういい。口を大きく開けろ!命令だ!」

  そう言って、後輩に口を開けさせる俺。その口めがけて、俺は最大限勃起したペニスをぶち込んだ。

  おごっ!おごっ!おごっ!

  やはり俺のペニスは長く、太く、大きいのだろう。苦しそうにする後輩。

  だが、その様子にもかかわらず、大きく腰を振った。

  ずちゅずちゅずちゅずちゅ!!!!

  何とか俺を気持ちよくさせようと苦しいながらも舌を絡める後輩。ムチばっかりでは駄目だ。たまにはアメを与えてやらないとな。

  「ふっ!悪くない。口の動きは合格だ!後輩!」

  俺から褒められたのが嬉しかったのだろう。後輩は、目を細めながら口の動きを早くした。

  ずちゅずちゅ!!!クボッグボッ!!!!

  「悦べ!後輩!今貴重な先輩からのザーメンをごちそうしてやる!いくぞぉおおお!!うぉぉぉぉおおおお!!!」

  そう言って、後輩の口の中へとザーメンを吐き出す俺。量が多かったのだろう。すべては飲み込めず、口から漏れ出る。卑猥だった。だが。

  「誰がこぼしていいといった!全部飲め!!」

  そう言って、後輩は自分の指にザーメンを絡めながら。すべて飲み込んでいった。

  すべて飲み込んだのを確認した後。後輩に向けて言った。

  「次は何をすればいいかわかっているよな!?」

  そういうと、手で隠しながら尻穴をさらけ出そうとする後輩。全部見せろ!

  「隠そうとするな!後輩!!!いやらしく腰を振りながらケツ孔を見せろ!!」

  そういうと、後輩は手を隠し、ケツ孔を俺に向けた。扇情的だ。

  「見せるだけか?」

  「舐めて、指を入れて…」

  「聞こえないぞ!後輩!!もっと大きな声で!!!いやらしく!卑猥に!!!言え!!!」

  「先輩!漏れの汚いケツ孔をベロベロと舐めまわしてください!漏れのケツ孔に指を突っ込んでグチュグチュしてください!!先輩のその大きなペニスで漏れのケツ孔を突いてください!」

  「よく言えたな!!後輩!!」

  そう言って、俺は自分の舌を後輩のケツ孔へと近づけ、舐めまわした。気持ちいいだけでなく、少しくすぐったいのだろう。少しだけ、後輩が余裕を見せた。…気に入らない!

  そう思い、俺は、指をいきなり2本一気に突っ込んだ。

  「ああっ!!!!」

  甲高い声が上がる。俺の指は常人より太い。それが、いきなり2本も入れば苦しいだろう。だが、俺は攻めの手を緩める気はない。激しく指を上下させる。

  ああっ!!ああっ!!

  次第に、喘ぎ声へと変わる。その声を聞き、指を3本に増やした。そして、十分ほぐれたことを感じると。

  「いくぞ!!!!後輩!!!」

  「来て!!!先輩!!!」

  そう言って、後輩を貫いた。

  「ああっ!!!!」

  甲高い声が後輩から上がる。自分も快楽から持っていかれそうだった。

  だが、自分は雄!目の前の雌に情けない姿を見せることはできない!絶対に気持ちよくして見せる!!腰の動きをはじめから初めから速く、大きくした。

  ずちゅずちゅずちゅずちゅ!!!!!

  「後輩!!!!ケツ孔を締めろ!!!」

  そういうと、締まりが強くなった。同時に俺の快楽も強くなった。

  ぱんぱんぱんぱん!!!!突いていく!絶頂が近いのだろう。俺は後輩に向けて最後の命令をした。

  「後輩!!!イク時はきちんと言え!!!!」

  そう命令すると。

  「ああっ!!先輩!!!!いくぅうううう!!!!」

  そう言って、触れていないペニスからザーメンを吐き出す後輩。

  うねる肉壁。その感触に、俺は我慢することをやめた!!

  「最高だぞ後輩!!!!俺もイク!!絶対的な雄としての先輩様のザーメンをごちそうしてやる!!!うぉぉおおおおおお!!!」

  そう言って、俺は、後輩の中にザーメンを注ぎ込んだ。びゅるびゅるびゅるびゅる!!!!!すべて吐き出した後。俺はペニスを引き抜いた。ザーメンが漏れだす。たまらない。大きすぎる快楽と俺から最高との言葉が出た嬉しさからか。

  「愛してる…」

  そう呟いて。後輩は意識を手放した。だがまだ足りない。

  「俺も愛してる!絶対に逃がさない…」

  そう言って首筋を噛んでもう一つ俺の痕を刻み込んだ後。俺の獣欲は再び意識のない後輩の体へと向かっていった。

  気絶から覚め、ぼんやりとしながら目を覚ます漏れ。

  その様子を見た柔一さんは。おろおろしながら言った。

  「大丈夫か?博行。激しくしてすまなかったな…」

  多少罪悪感はあったのだろう。言葉が少しずつ小さくなっていった。

  だが、漏れは責めるつもりなど全くなかった。気持ちいいのは確かだったから。

  「柔…先輩。」

  あえて。先輩という漏れ。

  「今日一日漏れは先輩の後輩です。だから先輩にお願いがあります。漏れを抱きしめてくれませんか?先輩の腕の中で一緒に眠らせてくれませんか?」

  漏れの意図を悟ったのだろう。柔一さんは。

  「先輩として、その願いはかなえてやらないとな。」

  笑ってそう答えた。そして。自分が安心できる腕の中。2人目を閉じた。

  12月28日

  漏れと柔一さんの行為。やはり激しかったのだろう。

  漏れは、今朝うまく立てずにいた。

  それを見た柔一さんは一日中漏れの介護をしてくれた。

  朝。柔一さんが作ってくれた朝食を2人で食べる。

  内容はトースト。目玉焼き。ソーセージにヨーグルト。そして、紅茶。

  作ることに慣れているのだろう。トーストはカリッとしており、目玉焼きやソーセージも焦げることなく、いい焼き具合だった。朝食をたべる際。柔一さんはトーストに思いっきり蜂蜜をかけていた。予想できた。紅茶に蜂蜜を入れる。そこまでは予想できた。だが、柔一さんは目玉焼きにも蜂蜜をかけていたのだ!さすがにそこまでは予想していなかった。

  その様子を見ながら少し、びっくりしていく中。

  「博行もかけるか?」

  そう言って蜂蜜の瓶を漏れに差し出してきた。

  さすがに、目玉焼きにまでかけるつもりはなかった。瓶を受け取ると漏れはトーストにのみ蜂蜜をかけた。昼まで、漏れと柔一さんはイチャイチャした。2人抱きしめあったり。時折キスをしたり。漏れが柔一さんの乳首に触れるとこら!といって。手を止めさせ。代わりに漏れの乳首を執拗にいじったりと。いやらしくも穏やかな時間が流れた。

  昼も柔一さんが作ってくれた。朝と違い、雑炊を作ってくれた。

  鍋の中の雑炊をスプーンに掬い。柔一さんがふぅふぅと息をかけながら冷ました後。漏れの口に向けた。

  「恥ずかしいよ。」そういう漏れ。だが、柔一さんはその手を降ろさなかった。意を決し。そのスプーンを口に含む漏れ。うまいか?と目を漏れに向ける柔一さん。たまらず。うまいよ。と答えた。お返しに今度は漏れがスプーンに雑炊を掬い。ふぅふぅと息をかけた後。柔一さんに差し出す。恥ずかしそうにしながらも。口にくわえる柔一さん。

  「漏れの気持ちがわかったでしょ。」

  そういって、柔一さんをからかう漏れ。

  「ああ。よくわかった。」

  柔一さんが降参した。

  「だが、新婚みたいでいいじゃないか。」

  そう開き直られた。そして、漏れと柔一さんは鍋の中身がなくなるまでお互いにあーん。と言って食べさせあった。

  昼からは、2人でお菓子を作った。意外だった。柔一さんもお菓子を作るのだろう。

  それに対し。

  「甘いものが好きだからな。」

  そう告げた柔一さん。それに対し、漏れは少しいじわるそうに答えた。

  「柔一さんらしいや。でも?甘いものを食べすぎると。おなかがぷにぷにになってしまうんじゃないかな?以前、減量に困っていると言ったでしょ?」

  おなかをつつきながら言う漏れ。

  「こら。勝手に触るんじゃない。きちんと考えて食べている。それに…」

  柔一さんはにやりと笑うと。

  「昨日は十分すぎるほどの運動をさせてもらったからな。」

  言葉の意味を理解し。漏れは赤面した。

  柔一さんはこれでもかと生地の中に蜂蜜を入れた。

  焼きあがったお菓子を食べる。正直甘すぎた。だが、それは、漏れと柔一さんの関係を表すようでもあった。漏れは、甘すぎるお菓子が好きになっていった。

  柔一さんの家から帰る途中。

  「もう歩けるか。」

  「うん大丈夫。ありがとう柔一さん。」

  「わかった。またな。」

  そう言って玄関に戻ろうとする柔一さん。

  「ちょっと待って、忘れ物をしちゃった。」

  振り返る柔一さん。その唇に漏れはキスをして。

  「またね。柔一さん。」

  そう告げた。

  12月29日

  漏れは一人、風鳴町を歩いていた。

  柔一さんと一緒ではない。確かに高校前までは一緒だった。

  だが。

  「済まない。今日は今年最後の部活で、部内でのみの大事なミーティングがあるんだ。終わったら声をかける。しばらく暇になるから校内をぶらついてみたらどうか?」

  そういわれ、漏れは。

  「それなら。その間漏れは風鳴町をぶらついているよ。」

  そう言って、風鳴町に足を運んだ漏れ。小一時間ほど歩いていると。熊獣人が目の前を歩いていた。

  「あれ?柔一さん?」

  そう質問すると熊獣人は振り返る。柔一さんの顔だった。少し黙り込んだあと。

  「ああ。博行。どうしたんだ?」

  柔一さんの声をした熊獣人はそう告げる。

  「どうしたんですか?確か今ミーティングの最中だったと思ったんですが。」

  「部で、買う必要があるものができたから出てきた。」

  少し黙り込んだ後。

  「よかったら一緒に買い物をしてくれないか。」

  告げる柔一さん。断る理由は漏れになかった。ともにスポーツ用店へと向かう。

  柔一さんの顔、柔一さんの声。漏れに向かって話しかける熊獣人。だが、漏れは何となく違和感を感じていた。

  「本当に?柔一さん?」

  「おかしなやつだな。博行。俺が柔一以外の誰に見えるんだ?」

  「たしかに、柔一さん。でも、なんか違う!」

  そう確信をもって告げると。

  「なんだ。まさかばれるなんて思っていなかったぜ。」

  そう言って、ポケットに入れていたバンダナをまく熊獣人。

  「もしかして、堅二さん?」

  そう質問すると。

  「正解だぜ。博行ちゃん。」

  柔一さんの双子の堅二さんはそう告げた。

  隠す必要がなくなったのだろう。砕けた口調で堅二さんは漏れに向かって告げた。

  「一緒に飯を食おうぜぇ。」

  人を誘いなれているのだろう。肩を組みながら堅二さんは告げる。断る理由はなかったので漏れも了承した。

  誘われた場所はおしゃれな喫茶店だった。常連なのだろう。また来てくれましたね。と店員さんが堅二さんに向けて言った。

  「このパスタおすすめだぜ。」

  そういって、漏れに話題を振ってきた。堅二さんからは話題を振ってくれた。話し上手なのだろう。気づけば、漏れも楽しく堅二さんとおしゃべりをしていた。

  昼を食べ終わるころ。柔一さんから連絡が来た。

  これで、堅二さんとお別れ。またね。と漏れが告げたが、堅二さんはなぜかついてきた。

  柔一さんの前に立つ漏れと堅二さん。

  「博行待たせ…」

  「おう、おっさん。相変わらず物調面だな。」

  「堅二か?どうしてここに?」

  「なぜって、さっきまで、俺は博行ちゃんとデートをしていたんだぜぇ。」

  「デ、デート!?」

  「ち、違います。堅二さんも冗談はやめてください!」

  「一緒に二人で飯食って。デート以外のなんだっていうんだよ。」

  挑発するように言う堅二さん。

  「堅二…!」

  「ぷっ!あはは!やっぱりおっさんをからかうのは面白れぇな。」

  堅二さんはそう言って、柔一さんをからかった。

  今度こそ、堅二さんと別れ、柔一さんと二人きりになるのだろう。

  だが、堅二さんは漏れたちの後をついてきた。嫌がらせのつもりだろうか?

  「堅二…ついてくるな!」

  「やだね。こんなおっさん新鮮だし。それに、おっさんだけだと、博行ちゃんと会話が続かねぇんじゃねぇのか?」

  「くっ…」

  うなる柔一さん。図星を突かれたのだろう。

  「そんな俺から提案だ。今から若者らしい遊びをしようぜぇ!」

  そういって、三人入ってきた場所はカラオケボックスだった。

  「まずはお手本を見せてやるぜぇ!」

  そういって、堅二さんが選んだ歌は今はやりの歌だった。とても上手で、歌いなれていることが分かった。次に歌ったのは漏れだった。アニソンの歌。

  「ノリノリでいいじゃねぇか!博行ちゃん!」うまく合いの手を入れる堅二さん。

  若干悔しかったのだろう。ノリノリになれなかった自分に。そして歌がうまいと漏れが堅二さんに言ったことに若干嫉妬したのだろう。

  「俺だってうまく歌える。聞いていろ。」

  そう言って、柔一さんが選んだのは演歌だった。

  「演歌かよ。相変わらずおっさんくせえなぁ!」

  はやし立てる堅二さん。おっさんくさいというのは漏れも少し同意してしまった。

  だが、柔一さんの歌はこぶしが聞いており、歌はうまく。そんな柔一さんをかっこいいと思ってしまった。

  「かっこよかったよ!柔一さん!」

  そう褒める漏れ。

  「それはよかった。」

  柔一さんは上機嫌になった。

  そして、2時間ほど歌い、ようやく解散する3人。

  別れるとき、

  「またね!柔一さん!堅二さん!」

  「またな。博行。」

  「またな。博行ちゃん。」

  そう言って別れた。漏れを見送ってくれた。柔一さんと堅二さん。

  「帰るぞ。堅二。」

  「へいへい。おっさん。」

  「…三日月先輩ではなく柔一さん。ねぇ。…」

  そうあくどく堅二さんはつぶやいた。そのつぶやきはだれにも聞かれていなかった。

  12月30日

  漏れは軽い風邪をひいてしまった。

  熱は出ていない。少しだけのどが痛かった。

  柔一さんに告げると。

  「大丈夫か!?博行!お見舞いに行こうか!?」

  「大丈夫だよ柔一さん。それに声が枯れているのも少しカラオケで歌いすぎてしまったからかも。」

  そういって、お見舞いを断った。柔一さんに風邪がうつっても申し訳なかったから。祖父と祖母には、風邪であることをごまかした。熱も出ていない。祖父と祖母は、気付くことなく。

  「それじゃ。留守を頼む。」

  そう言って買い物へと去っていった。

  一人部屋に戻る漏れ。少しだけ寂しくなった。

  少し経った後。玄関が開いた。忘れ物でもしたのだろうか。

  「忘れ物でもした?」

  そう尋ねると。柔一さんが目の前に立っていた。

  「お見舞いはいいといったのに。」

  「そんな言葉など知らん。恋人が病気なんだ。見舞いに行くのは当然だろ。」

  「うつったらどうするのさ。」

  「博行からもらえるのなら構わない。」

  そういって、柔一さんは漏れに軽くキスをした。

  熱が出たのだろうか。顔が少し赤くなった。

  「博行の祖父と祖母はいないのか?」

  「うん。今買い物中。」

  「そうか。ならばそれまでの間だけそばにいよう。」

  さすがに、漏れの体を案じ、長居するつもりはなかったのだろう。

  柔一さんは告げると、手を握ってくれた。さすがにおしゃべりはしなかった。

  しばらく二人無言でいると。ちょっとまっていろ。

  そう言って柔一さんは部屋を出た。数分後、温かい飲み物を持ってきた。

  「風邪にはこれが一番だ。」

  そういって、飲み物を差し出す柔一さん。一口飲む。甘い。

  「やっぱり、蜂蜜が入っているんですか。」

  「そうだ。蜂蜜は喉にやさしい。それに、栄養もある。疲れた体には一番だ。」

  そういう柔一さん。再び飲む漏れ。その温かさと甘さが体に響いた。

  「今日は帰る。体を大事にな。」

  「今日はありがとう柔一さん。体には気を付けてね。」

  去っていく柔一さん。

  一人になった。若干寂しかった。だが、体をいたわるべく、寂しさを紛らわすため。漏れは早くから眠りについた。

  夜になっても熱は出なかった。柔一さんとのラブラブパワーが風邪に勝ったのだろう。

  12月31日

  風邪はすっかり治っていた。柔一さんは風邪をひいていなかった。

  「もしもし柔一さん?体は大丈夫?風邪ひいてない?」

  「博行か。俺はこの通り元気だ。体が丈夫なのが取り柄だからな。それより博行こそ風邪は大丈夫か。」

  「うん。すっかり元気だよ!」

  それはよかった。と告げる柔一さん。

  だが、若干まだ漏れを心配していたのだろう。長電話をすることはなかった。

  「名残惜しいが、風邪がぶりかえっては元も子もない。それじゃあな。」

  「じゃあね。柔一さん。」

  柔一さんの漏れともっと話したいという欲望よりも、漏れの体を案じてくれたその気持ちが嬉しかった。

  夜。祖父と祖母とともに紅白を見ていた。

  最近のはやりの歌から、懐かしい歌。歌というものは不思議なもので、聞いていくうちに、時間がたっていくのを感じた。

  だが、漏れは今日夜更かしすることなく。早めに就寝することを決めた。

  柔一さんが心配してくれたんだ。漏れは体を大切にしよう。

  元気な漏れを柔一さんに見てほしい。その想いから眠りについた。

  1月1日

  漏れは一人、初詣へと出かけた。

  普段であれば、ほとんど人がいないであろう神社。しかし、今日に限ってはこんなにも人がいたのかと思うほど参拝客であふれかえっていた。

  その中に一人の熊の獣人の姿を見た。柔一さんだった。

  「柔一さん。あけましておめでとう!これからもよろしく。」

  「博行。こちらこそよろしく。」

  新年のあいさつを2人で交わした。

  「元気そうな姿を見れてよかった。」

  柔一さんが言った。体をいたわってよかったと感じた。

  2人、話しながら並び、お賽銭をすべく列に並んだ。

  ようやく、賽銭箱の前に並ぶと、一礼し、手を合わせた。

  柔一さんも終わったのだろう。2人で並んで列から離れるとき、柔一さんが聞いた。

  「博行は何を願ったんだ?」

  「漏れ?漏れは、柔一さんとこれからも仲良く過ごしていけますように!だよ!柔一さんは?」

  「俺か?俺は柔道がもっとうまくなりますように。だな。」

  「漏れとの関係を願っていると思ったのに…少しだけ残念だな。」

  「何を言っている。それは神にかなえてもらうものではない。俺自身でかなえてみせる。博行を絶対に幸せにしてみせる!そう誓ったから。」

  力強く言われ。漏れは照れてしまった。

  2人帰る途中。柔一さんは漏れに告げて告げた。

  「明日、俺の家に泊りに来ないか?実は両親が親戚の家に出かけていないんだ。」

  漏れは別に構わなかった。実は、祖父と祖母から、伝言があった。

  「申し訳ないけど、親戚の集まりに明日出かけないといけないの。明後日には帰ってくるから。」

  漏れが家にいないことを知る人はだれもいない。だが、純粋な疑問が浮かんだため、柔一さんに質問した。

  「あれ、両親ってことは堅二さんは?いるんじゃないの?」

  「堅二か?あいつは知らん。いつものことだ。どうせ出かけていて帰ってこないだろう。だから2人きりだ。」

  そう告げられ。拒否する理由などなかった漏れ。だから。

  「もちろん。泊りに行くね柔一さん!」

  そう告げた。明日は、きっと楽しい日になるんだろう。それに泊りということは、ムフフ…

  漏れは、期待を抱きながら、明日を待った。

  1月2日

  漏れは柔一さんの家に来ていた。柔一さんが出迎えてくれた。

  「よく来たな博行。待っていた。」

  そう告げられ。柔一さんの部屋へと入る漏れと柔一さん。堅二さんはいない。出掛けているのだろう。柔一さんしかいなかった。

  午前中は、ただおしゃべりをした。2人。今日はまだ時間がある。夜も。焦ることはない。期待しながら過ごした。昼食は、柔一さんが作ってくれた。柔一さんの好みらしい甘い味付け。これからの時間が甘いものになると思わせる味だった。そして、昼食を食べ、少しだけおしゃべりをする漏れと柔一さん。そして、会話が不意に途切れる。無言になる漏れと柔一さん。見つめあいそして。

  「んっ…」

  2人どちらからともなく唇が重なる。

  数秒後唇が離れる。これから2人行為が始まるんだ。期待する漏れ。

  もう一度唇を重ねようとすると。不意に、家の扉が開く音が聞こえた。誰だろうか。

  中断して数秒。柔一さんの部屋のドアが開かれた。

  「博行ちゃんじゃねぇか。久しぶりだな。」

  「け…堅二さん!?」

  「堅二か!?今日は帰ってこないんじゃなかったのか!?」

  「いやあ、今日会おうと思った子に予定が入ってしまってキャンセルになったから帰ってきたんだよ。」

  続いて、

  「それに、おっさんと博行ちゃんのこれからの恋人ラブラブエッチを邪魔してやろうと思ったからな。今俺はフリーなのにおっさんに恋人がいるのがむかつくしな。」

  「な!?」

  言葉を理解するまで数秒。

  「ええええええ!?な…何で知って!?」

  大声を出す漏れ。

  「気付くにきまってるじゃねぇか。博行ちゃんはおっさんのことを三日月先輩ではなく柔一さんと呼んでいた。それに、博行の話題となった時のあのおっさんのニヤケ面。何もないと考える方がおかしいぜ。」

  そう告げる堅二さん。隠す必要などなくなったのだろう。柔一さんは。

  「なら、部屋を出て言ってくれないか。今から博行と2人過ごすんだ。」

  「そうはいくかってんだ。邪魔してやるって決めたんだよ。」

  そう告げる堅二さん。柔一さんと堅二さんがにらみ合うこと数分。堅二さんはあくどい顔をしながら、漏れと柔一さんに向けて告げた。

  「なら、俺から提案だ。今から3人で楽しく過ごそうぜ!」

  「どういう意味だ!?」

  柔一さんがうなると。

  「おっさんにもわかりやすく言ってやるよ。今から3Pをしようと言ってるんだ。」

  「な…!?」

  「3P!?」

  「そう。3P!博行ちゃんも興味があるだろ?」

  そう漏れに告げる堅二さん。その答えに、漏れは…

  →ごめんなさい!漏れの恋人は柔一さんだけだから!

  →3P…興味はあるけど…

  1月2日 Aルート

  R-18

  「ごめんなさい!漏れの恋人は柔一さんだけだから!」

  力強く堅二さんに向けてそう言った。その言葉に拗ねてしまったのだろう。

  ちぇっ…と言いながら堅二さんは立ち上がった。だが、

  「隙ありぃ!」

  そういって、漏れのほっぺへとキスをお見舞いしたのだ。

  「な!?」

  「け…堅二!!!」

  「今日のところは柔らかい博行ちゃんのほっぺを頂けたから退散してやる。隙を見せるんじゃねぇぜ。じゃあな!おっさん!博行ちゃん!」

  そう言って立ち去った。

  呆然とする漏れ。

  我に返った柔一さんが

  「堅二め…!」

  そううなると漏れの方を向き、その口を漏れの唇ではなく、堅二さんにキスされたほっぺへと近づけていった。自分以外が触れたことが気に入らなかったのだろう。においを上書きするがごとく、しつこく舐めまわしてきた。

  そしてようやく満足したのだろう。今度は漏れの唇へとキスを落とした。

  「ん…じゅる」

  「ん…は、は」

  漏れの唾液を余すことなく啜られた。熊が蜂蜜の瓶を舐めるがごとく。そして、俺の味を覚えろとでもいうように隅々まで舌を差しいれてきた。漏れは俺のものだと教え込むように。

  そうして、2人一つになる感覚に漏れは酔いしれた。

  「脱がすぞ…」「脱いでください…」

  そう同時に言って、2人生まれたままの姿になった。

  生まれたままの柔一さんは。漏れの雄だと見せつけるような体つきをしていた。太い腕と足。そして、ペニス。柔一さんの口は無言で漏れの乳首へと向いた。片方の乳首を舐めながら、もう片方の乳首は手でいじり、こねる。

  「ああああっ!!!」

  快感から声が出た。そして、漏れのペニスが大きくなった。ひとしきり乳首をいじられた後、

  次の柔一さんの標的は漏れのペニスだった。漏れのペニスを手では触らず。口だけで愛撫した。じゅぽっ!じゅぽっ!卑猥な音が漏れる。

  前のエッチでは舐められることのなかった漏れのペニス。ほとんど舐められる経験のなかった漏れのペニス。その行為に、すぐに絶頂が近づくのを感じた。

  「離して!柔一さん!もう出ちゃう!」

  しかし、その漏れの言葉を無視して、柔一さんは口で愛撫を続けた。

  それどころか口の動きを早くした。じゅぽ!じゅぽ!じゅぽ!じゅぽ!そして、ついに

  「あああああっ!!柔一さん!いくぅうううう!!!」

  そう言って、柔一さんの口にザーメンを放った。

  快感に震える漏れ。だが、そんな姿にもかかわらず、柔一さんはさらなる追撃をしてきた。

  漏れのペニスをしつこく舐め続けていた。じゅぽ!じゅぽ!じゅぽ!じゅぽ!口を上下させ、カリ首をぐるりと回し、尿道を舌で突っつく。その動きに、

  「あああああああああっ!!!!」

  漏れは、ペニスから潮を噴出した。はぁはぁと肩で息をする漏れ。次へと進もうとしたのだろう。尻孔へと顔を近づける柔一さん。その様子にたまらず、

  「待って、柔一さん!漏れは柔一さんの恋人なんだよ!漏れだって柔一さんを気持ちよくしてあげたい!」

  そういって、顔の動きをやめさせた。

  そうして、柔一さんへと向き直る漏れ。そして、漏れの手は、柔一さんの大きく張った大胸筋へと向かった。胸筋をもむ。硬く、ハリがあった。内に潜む雄を感じた。そして、漏れは、顔を乳首へと向け、舐めた。

  「くっ…!」

  柔一さんから低い声が漏れる。

  もう一つの乳首を指で触る。

  「くうっ!」

  再びうなり声が上がる。気持ちいいんだ。柔一さんのペニスへが大きくなっていった。

  乳首から顔を離し、ペニスをまじまじと見る。やはり大きく、太かった。

  そのペニスに向かって、漏れは舌を這わせた。

  「ぐっ!!」

  舌を這わせていると、元から大きかったものがさらに大きくなり、汁があふれていくのを感じた。気持ちよくさせられているんだ。そう思うと、今度は口に含んだ。じゅるじゅるじゅる!先走りが多くなる。漏れからの奉仕に射精欲を感じたのだろう。漏れに対し、

  「もうだめだ。口を離せ。博行…」

  柔一さんは言った。しかしその声を無視し、舐める速度を早くする。

  じゅぽ!じゅぽ!じゅぽ!じゅぽ!そして、ついに

  「くっ!!!博行!いくぞぉぉぉぉぉおおお!!!」

  そう言って、漏れの口にザーメンを放った。

  快感に震える柔一さん。漏れは口の中に出されたザーメンを指に取り、漏れの尻穴に絡めながら言った。

  「柔一さん。漏れの尻孔で快感を感じてください!」

  言葉を聞き、顔を近づけ、尻穴へ舌を入れ、舐めまわす柔一さん。舐めまわすのは熊の本能なのだろうか。気持ちいいようなくすぐったいような快感。

  その感覚を数分味わった後、柔一さんの指が漏れの尻穴に突き入れられる。異物感があったが、上下させられているうち、確かな快感を得た。

  「あっ!あっ!あっ!あっ!」

  だんだんと喘ぎ声が上がる漏れ。快感を感じていることを悟った柔一さんは指を2本、3本と増やしていった。尻穴に指を入れられて数分。そして、

  「入れるぞ!!」

  そう言って柔一さんのペニスが漏れの中へと入れられた。

  はじめから、腰の動きが激しかった。ずちゅずちゅずちゅ!荒々しい動き。その動きに漏れは強い快感を感じてしまった。そして、その動きに漏れは、

  「あああああっ!!!!いくぅぅぅぅううう!!!」

  あっけなく達した。だが、柔一さんはまだイッてない。尻孔を締めると。

  「くっ!!!!締まる!!!!イクぞ!博行!いくぞぉぉぉおおお!!!うぉおおおおお!!!」

  そう言って柔一さんは漏れの中にザーメンを吐き出した。

  快楽から気を失っていく瞬間。

  「逃がさないで…」

  漏れはそう呟いた。

  「当り前だ。逃がさない博行。愛している。熊の執着を舐めるな…!!!!」

  そう聞こえた。

  1月2日 Bルート

  R-18

  「3P…興味はあるけど…」

  そう呟いてしまった。

  「なっ…博行!!」

  「ほう、博行ちゃんも興味があるんじゃねぇか。」

  「それにおっさんも、まんざらじゃねぇようだな!」

  「こ…これは!」

  そういって、柔一さんの方を向く。柔一さんのペニスが若干反応していた。

  「先手は譲ってやるよ。」

  そう言って、漏れから離れた堅二さん。そして、

  ふたたびキスをする漏れと柔一さん。唇が離れる。

  「なんだ。その程度かよ。だらしねぇなおっさん。」

  そう言って、今度は堅二さんがいきなりキスをしてきた。舌を入れる激しいキス。キスしなれているのだろう。漏れは快感を感じていた。キスを終え、唇を離した時。

  「雄ならこれくらいはしてやらねぇとな!」

  この言葉と行動に嫉妬をしたのだろう。柔一さんは

  「俺でもそれくらいできる!」

  激しいキスをお見舞いしてきた。お互いの舌を絡め、熊が蜂蜜の瓶を舐めるがごとく。舐めまわす。数分のキスを終えた後。不意にまいていたバンダナを外した堅二さんは言った。柔一さんと同じ顔だった。

  「3人でしかできないことをするぞ!」

  普段の柔一さんと同じ口調で堅二さんは告げた。

  3人でのキス。3人舌を絡め。つながる。同じ顔の熊獣人2人と同時にキスをしている。

  非現実的な光景。だが、同じ2つの味。非現実と現実が混濁する光景にめまいにも似た感覚を覚えた。そして、つうっ…と3つの口から銀糸が垂れる。その後、

  「脱がすぞ…」

  2人の声が重なり漏れの衣服を脱がしていった。やはり双子なのだろう。片方は上、片方は下と脱がされ、生まれたままの姿にされた。そして、2人の雄の熊獣人は服を脱いだ。同じ顔、同じ体つき。その2つの顔が漏れの首筋へと向かう。

  首筋を両方。同時に噛まれ、キスマークが2つ付いた。

  そして、2つの口は漏れの体へと痕をつけていく。

  腋、鎖骨。腹。次にその2つの顔が漏れの乳首へと向かった。

  「ああっ!!!」

  思わず甲高い声が上がる。漏れ自身自分で乳首をいじったことがある。舐められたこともある。だが、同時に2つの乳首を舐められる経験はなかった。舐め、噛まれる。口だけの動き。本来なら決してされないであろう2つの動き。2つの口は違う反応をさせながら動いていた。くちゅくちゅ!!ペロッカプッ!!!気持ちよかった。

  「イキそう…思わずつぶやいた。」だが、2人の熊は示し合わせたかのように口を離さず、漏れを攻め続けた。そして、

  「ああっ!!!いくぅぅううう!!!」

  触られていないにもかかわらず、漏れのペニスからザーメンを噴出した。

  2つの口が乳首から離れる。そして、示し合わせたかのごとく。2つのその口は漏れのペニスへと向けられた。

  「ああああっ!!!!!ああっ!!!!!」

  強すぎる快楽だった。二枚の舌が漏れのペニスを舐める。ペニスの先端全体が包まれる。その後、口は上下へと別れた。一つはカリ首と先端を咥え、裏筋を舐めるように。もう一つは玉を舐めまわすように。口の動きが激しくなる。たまらない。イキそうになる。

  「イキそう…」

  そう呟くと、今度はあっさりと2つの口が離れた。戸惑う漏れ。それに対し、

  「俺のペニスも気持ちよくしてもらわないと不公平だろう。」

  そう2つの声が重なり、2人漏れの前に立ち上がった。

  エッチの中で、他人の2つのペニスを見る機会などなかった漏れ。

  漏れは、片方のペニスに口をつけ、舐めまわした。もう片方は手でしごいた。

  しばらくペニスを舐めまわしていると。手でしごいていたペニスの方に漏れの顔を向けさせられた。漏れは、咥えるペニスと、しごくペニスを反対にした。

  2つのペニスを同時に味わう経験。普通はないだろう。だが、この状況が、漏れの興奮を高めていた。それは、2人も同じだった。興奮しているのか。汁の中に白いものが垂れてきた。

  イキそうなのだろう。漏れはそのことを感じると、2つの腰を引き寄せ、2つのペニスを同時に舐めまわした。

  「くっ!!!」

  低いうなり声が、2つの口から漏れる。そして、

  「イクぞぉおおおお!!!!!うぉぉぉぉ!!!!!」

  そう言って漏れの口めがけて、2つのペニスが、同時にザーメンを噴出した。

  同じザーメンの味。だが、いつもと違って、単純に量が2倍。飲み切れない。2つのペニスから噴出したザーメンは、漏れの顔を卑猥にコーティングした。

  そして。3人同時にキスをした。ザーメンキスだ。

  3人で数分口での交わりを楽しんだ後。口を離した。銀糸だけでなく、その中に白いものが混じり、切れた。

  そして、2人の熊獣人はそれぞれ違う行動を漏れに対し行った。一人は、漏れの尻孔を熊のごとくしつこく舐め、指を入れて上下させる。もう一人は、主に漏れの乳首などの上半身を舐め、快感を与える。数分その行為が行われ、そして、

  「入れるぞ!!!!」

  一つのペニスが漏れのケツ孔へと入れられた。

  そして、もう一つのペニスは漏れの顔へと向けられた。漏れはそのペニスを咥えた。

  腰が上下され、顔を固定され、腰が振られる。コンビネーションもよく、オナホのように扱われる漏れの体。2つの腰の動きが激しくなる。そして、

  「いくぞぉおおおおお!!うぉおおおお!!!!」

  口と尻穴。漏れの2つの孔の中に2人のザーメンが放出される。

  そして、口と尻穴からペニスが抜かれる。どちらの孔からもザーメンが漏れる。

  役割交代なのだろうか。尻穴に入っていたペニスは口に、口に入っていたペニスは尻孔へと入れられた。再びオナホのように扱われる漏れ。

  快感を与えられ、与える。その快感に、漏れは絶頂へと導かれた。

  「んんんんんっ!!!!!!」

  声を上げることも許されず、漏れはペニスからザーメンを噴出した。

  射精したことで漏れの口と尻穴が締まり、うねる。その刺激から。

  「いくぞぉおおおおお!!うぉおおおお!!!!」

  口と尻穴。再び漏れの2つの孔の中に2人のザーメンが放出される。

  大きすぎる快楽の中。漏れは、意識を失いそうになった。その時、不意に声が頭上から聞こえた。

  「なあ博行。お前にとっての本物の柔一はどっちだ?」

  そう問われ、

  「漏れの本物の柔一さんは、こっち…」

  そう呟いて、意識を手放した。

  「正解だ。博行。俺がお前にとって本物の柔一だ。だれにもお前を渡したりはしない。俺と同じ分身。俺の片割れであったとしてもだ…!」

  そう、獰猛な熊がつぶやいた。

  1月3日

  セックスが終わり、気絶から目を覚ます漏れ。激しいセックスは長く続いていたのだろう。

  目を覚ますと。もう日付が変わっていった。

  「おはよう。博行。」

  頭上から声が聞こえる。柔一さんの声だ。

  「おはよう。柔一さん。」

  そう答えた。

  すでに用意していてくれていたのだろう。朝食が漏れの前に並べられる。

  朝食を食べていると、堅二さんから漏れあてに伝言があると柔一さんが告げた。

  「熊と腰に気をつけろだとさ。あいつめ…」

  柔一さんがうなった。だが、否定はできなかったのだろう。複雑そうに漏れに伝えた。

  「さすがに今日はしないさ。」

  そう告げられ。漏れが帰るまでの間。騎士が、姫に使えるがごとくの丁寧さで、漏れに接してくれた。漏れも嬉しかった。それに、腰が痛く、うまく立てなかったのは事実だったから。

  漏れの家へと送ってくれる時も、漏れの腰をいたわるかのように接してくれた。

  別れ際に柔一さんは。

  「明日。デートをしたい。楽しみに待っててくれ。」

  「うん楽しみにしてる。」

  そう漏れに告げ、別れた。

  1月4日

  今日、デートしてくれとの柔一さんの願いに応え、漏れと柔一さんは風鳴町へと足を運んだ。

  明日は、漏れが帰る日。柔一さんと別れてしまう日。寂しかった。でも、今日1日を素晴らしいものにしたい。柔一さんにも楽しんでもらいたい。その想いから寂しい気持ちを隠し、笑顔で接した。午前中はいろいろ見て回った。靴屋。ケーキ屋。アクセサリー屋。

  靴屋では、柔一さんの靴のサイズを聞いてさすが柔一さんだと再び驚いた。

  ケーキ屋では新作の蜂蜜入りのケーキと書かれた看板に、目を輝かせた柔一さん。

  「買いますか?」

  漏れが尋ねたが、少し考えこんだ後。

  「いや、今はいい。今買っても荷物が多くなるだけだ。それに博行との時間を大切にしたい。」

  柔一さんが蜂蜜の誘惑に打ち勝った。初めての出来事だった。

  そして、アクセサリー屋。かっこいいペンダントがあった。漏れはそれを食い入るように見ているだけだった。アクセサリー屋で漏れは何も買わなかった。

  「少しだけ外で待っていてくれないか。」

  柔一さんにそう言われ、10分ほど店の外で待った。

  「遅くなって済まない。」

  そういって、柔一さんは現れた。

  昼食は、和食だった。おすすめの場所がある。そう柔一さんに言われ、入ったのは、古風な定食屋だった。柔一さんらしい。そう思った。それに、その定食屋の味は、柔一さんがおすすめするだけあって。おいしかった。

  午後は、カラオケ。今度は、2人きりだった。

  柔一さんは相変わらず演歌だった。漏れもアニソンが中心だった。

  だが、最後の曲は、みんな知っているであろう歌で、柔一さんももちろん知っていた。

  その歌を漏れと柔一さんは2人で歌った。若干、2人の間で音程がずれたが、些細なことだった。カラオケ店から出て、町の通りを歩いていると、かわいらしい猫獣人の女の子が

  「三日月先輩!お話があります!」

  そう呼び止めた。

  「済まない。俺は今忙しいんだ。また今度にしてくれないか。」

  その言葉にもかかわらず、女の子は、

  「お願いします!三日月先輩。私の告白を断った理由を教えてください!教えてくれるまで帰りません!」

  そう真剣な声で柔一さんに告げた。

  その様子を見て、漏れは何も言えなかった。その女の子の真剣な様子だけでない。かわいらしい女の子。柔一さんとお似合い。…男の漏れと違って、隣に立っても絵になる姿だった。

  いろいろな思いが渦巻く中。黙って立ち去ろうとする漏れ。

  その様子に気づいた柔一さんが漏れの腕をつかみ、その女の子に向けて言った。

  「いいだろう。真剣に俺に告白してくれたんだ。その姿に免じ、その理由を嘘偽りなく教えてやる。」

  そう言って、柔一さんは漏れの体を柔一さんの方へ向け、白昼の往来にもかかわらず、漏れにキスをした。

  「えっ…」

  思わず言葉が漏れる女の子。

  「これが俺の答えだ。隣にいる博行は俺の恋人だ!俺にはもうすでに恋人がいる。だからお前の告白を断った。」

  その女の子の目を見て言う柔一さん。

  柔一さんに恋人がいることを理解したのだろう。

  「ありがとうございます。三日月先輩。嘘偽りなく理由を教えてくれて。」

  そう言い、その女の子は泣きながら去っていった。

  今日のデートが終わり、別れる間際、漏れは柔一さんに向けて質問した。

  「柔一さん。本当に柔一さんは漏れを恋人にしてよかったんですか。」

  「何?」

  「だって…さっきのように、あんなかわいい女の子が柔一さんを慕ってくれて、それに柔一さんはかっこいいし、男の漏れなんかと違ってふさわしい人がいるだ…」

  その言葉を遮るよう。柔一さんは漏れに強く唇を重ねてきた。

  「なんかだなんていうな!博行は俺の大切な恋人だ!俺が選んだんだ!」

  「柔一さん…」

  「だから、俺は、博行を絶対に幸せにしてみせる。だから、博行も俺の側にいて、俺を幸せにしてくれ!」

  力強い。プロポーズにも似た言葉。その姿勢。その言葉に。

  「漏れは柔一さんの側にいる。幸せにされるだけじゃない。柔一さんを幸せにして見せる!」

  そういって、今度は漏れから柔一さんに唇を重ねた。

  家の前にたどり着くと、柔一さんが言った。

  「博行にプレゼントがある。」

  そういって、取り出したのは、漏れが今日見ていたあのペンダントだった。

  「気付いて…」

  「当たり前だろ。恋人なんだ。見ていれば分かる!」

  そういって、買ったペンダントを首にかけてくれる柔一さん。

  「俺のものだという証拠だな。明日必ず見送りに来る。またな。博行。」

  柔一さんと別れた。

  漏れは、俺のものだと言ってくれた柔一さんの言葉が頭から離れなかった。嬉しい。漏れも、柔一さんは漏れのものだと周りにアプローチしたい。どうしたらいいだろうか。そう考えていると。冬。再会したときに聞こえた。博行のにおいがしないという言葉を思い出した。

  漏れのにおいがついたものを着てもらえば、漏れのものだと気付いてもらえるかもしれない。子供じみた。独占欲。それを実行するべく。漏れは、この冬買った柔一さんに渡すための服にそでを通した。

  1月5日

  今日は漏れが、都会へと帰る日。でも、思っていたほど寂しくはなかった。

  また柔一さんに会えるとわかっていたから。

  「じいちゃん、ばあちゃん。またね。」

  「またな。博行。」

  そう言って、玄関を出ると柔一さんが目の前に立っていた。

  少しでも博行と一緒にいたいから。玄関を閉め、二人きりになった時、柔一さんは言った。

  バス停までの時間。2人で話していると時間はあっという間にたってしまった。

  バス停についた。周りには誰もいない。

  漏れはあの冬の日に買った服を取り出し、柔一さんに差し出した。

  「柔一さん。プレゼントです。受け取ってくれるかな?」

  プレゼントを見た柔一さんは

  「もちろんだ。ぜひ着てみたい。」

  そういって、漏れが買った服を羽織った。

  「似合っているか?」

  柔一さんに尋ねられ、

  「もちろん!」

  勢いよく答えた。

  「博行のにおいがする…」

  柔一さんがつぶやいたので、

  「実は、その服は一度漏れが着た服なんだ!柔一さんに漏れのにおいをつけたかったから。柔一さんは漏れのものだと示したかったから!」

  そう勢いよく言うと。

  「幸せだ!ありがとう!博行!」

  そう言って漏れにキスをしてくれた。

  そして、ほかの幼馴染も見送りにやってきた。

  あの夏と同じようにバスに乗る漏れ。

  あのときと違うのは、今度は漏れが柔一さんに服を渡したということだ。

  「またね。みんな!」

  バスに乗り、漏れがみんなに向かって手を振る。

  「またな!博行!待っている!」

  漏れの買った服を着た柔一さんが、手を振りながら、見送った。