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悪魔のグミ

  (……今日も疲れたな……)

  [[rb:久 > く]][[rb:堂 > どう]][[rb:光 > みつ]][[rb:博 > ひろ]]は疲れ果てていた。彼が毎週行っている仕事だけではない、生き続ける事にだ。金を稼ぎ、食料を買い、家賃を払う。生活に必要な終わらない無限ループのような日々に。

  だからこそ、光博は癒しを求めていた。

  癒しといっても、それはごくささやかなものである。

  「なんか甘いもん買ってくか」

  光博は最寄りのスーパーに足を運ぶ。彼の日課は甘いものを買って食べるという小さなものであるが、それが本人の人生のモチベーションとなっていた。

  そんな彼は駄菓子売り場に置かれていた『新商品』を目にする。

  「『デビル・グミ』か……」

  それはディフォルメされた小さな悪魔(イメージキャラクターなのだろうか?)がパッケージに印刷された袋グミであった。透明な箇所からは色とりどりの小さなグミがちらりと見える。

  「買ってみるか」

  光博はそれを買うと家に戻り、早速それを開けてみる。中には何種類かの色のグミが数個入っていた。

  「どれどれ……」

  光博はグミをひとつ口に運んでゆっくりと咀嚼する。人工的な果物の甘みが広がるチープな味だったが、光博にはそれが懐かしくも思えた。

  「なかなかいけるな」

  と、光博はグミをいくつも口に運んでは噛んで飲み込んでいく。

  その後も黙々とグミを食べ続けていた光博だったが、そんな彼に奇妙な変化が訪れ始める。

  「…………」

  全身が、その肌ごと赤や青、黄色といったカラフルな色へと染まっていったのだ。

  その後も、彼の奇妙な変化は続いていく……

  パサリ。バサッ……

  そんは音と共に光博の頭髪が抜けていく。全身の毛も、縮毛や陰毛すらも一本たりとて残さず抜けていった。

  ゆっくりと成熟していた体は縮み、それに伴い手足も短く縮み上がっていく。

  カラフルになった肌は透明度を増していき、周りが透けて見えるようになってしまう。

  そして……光博の頭にちっちゃなツノが生え、先っぽがハート状になった小さな尻尾、そしてコウモリのような翼も背中に生える。

  口は大きくなり横に裂けると、4本の小さくて可愛らしい牙が生えた。

  お腹はぽっこりと膨らんで弾力のあるものに、下半身はグニグニと柔らかく変形しヤギのようなものになってしまう。

  そして、顔は普遍的な人間のものから、大きな目に大きな口をしたアニメの中のマスコットキャラクターのようなコミカルなものになってしまった。

  服は体が縮んだ事に伴い脱げ落ち、そして跡形もなく消え去った。

  「ん?」

  一瞬にして、光博は透き通った虹色の体をした小さな悪魔になってしまった。

  光博はようやくその変化に気づき、己が身体を確かめてみる。そして変わり果てたその姿に当然ながらとても驚くのだった。

  「なんだよこれええええ!?」

  驚愕のあまり出した声も甲高く愛らしいものに変わっていた。

  背丈は60cm程しかなく、手足もとても短い。

  それ以上に、やけに目を引くのは、股座にぶら下がるその逸物と陰嚢であった。

  「なんでこんなにおっきくなってんだ!?」

  そこには体の数倍以上に大きくなった彼のイチモツがぶら下がっていた。それらも柔らかなグミの棒と玉となって空中にプルプルと美味しそうに揺れている。大きなボール状のキンタマの中は体同様透けていて、中には白く濁った液体がなみなみに満たされていた。

  「こんなにでかいんじゃ、おもうようにうごけな……」

  慌てて巨大化したイチモツを小さな手で握ると、その弾力から手はイチモツに沈んでしまう。そしてその行動が間違いであったなど、光博は気づきはしなかった。

  「おうっ!?」

  そのひとつかみだけで、光博の体に絶頂に至った時のような快感が迸る。それだけで射精してしまいそうだった。

  「やっ……やべぇ……なんだこれぇ……?」

  その快感に肩で息をしながら悶え善がる光博。

  触ってはいけない、そう思いつつイチモツに手が動いてしまう……

  「ひあっ!」

  そしてそのひと触りで、とうとう光博はしてはいけない絶頂をしてしまった。

  「いくっ!」

  ビューーーー……と精液の放水が大きなグミちんぽから吐き出された。透明だったが故に、その巨大なキンタマから尿道を通って体外へと吐き出されていく様子が鮮明に見て取れた。

  「あぁっ! すげぇ! おれのからだ……きもちいいっ!」

  ふと肉厚になったヤギの太腿をイチモツに挟んでみると、柔らかなグミの肉体がイチモツを刺激し、光博に極上の快感を与えた。そして光博は先程出したばかりなのにまた射精してしまう。

  「あんっ♡」

  ビュルルルーーーー……

  先程と同じくらいの量の精液が再び吐き出される。

  「もっと、もっとぉ!」

  それから光博は快楽を求めて一心不乱に己の手や腹や脚を使ってイチモツを刺激していった。

  ぼるんと膨れた風船のようなゴム腹や、小さくて柔らかな己の手は、未だにぎんぎんにいきり勃つグミちんぽを大層悦ばせる。

  「あうあっ♡ぎいいっ♡」

  ビュー、ビューと何度も射精するうち、キンタマの中にあった人間の精子はどんどん外に吐き捨てられていき、空っぽになっていく。あれだけ溜まっていたヒトとしての精は、あっという間にカラになってしまった。

  「ぎ……ぎぎ……」

  舌を垂らして射精の快感に善がる光博。しかし、キンタマが空っぽになったはずの彼はまだ射精したりないようだった。

  (ぎぎぎ……もっとしたい……もっとせいしほしい……)

  その切実なる願いを叶えるため、光博の悪魔の身体は、等価交換の“悪魔の契約”を彼に持ちかけた。

  (するする! もうそんなものいらないから、もっとしゃせいさせてくれ!!)

  光博はその“契約”に二つ返事で応じる。身体は“契約”通り、空っぽになったキンタマに再び潤沢な“精液”を補充した。

  「いくいくいくいくぅぅぅ!!」

  その瞬間、光博は待ち侘びたかのようにいきなり射精を始めた。その精液の“材料”が自分の魂だという事も忘れて。

  「あひゃっ! きもちいいぃぃ!! このからだっ、さいこおおおおぉ♡」

  光博は悪魔に自分の魂(心や記憶など、彼を彼たらしめるもの全てを指す)を差し出したのだ。悪魔は彼の魂を材料にしてありったけの精液をキンタマに補充した。しかしその魂で作った精液も光博の一時の快楽のために無惨に使い捨てられていく。

  (あひっ! いくいくっ!

  ……あれ? おれはいったいだれだっけ?

  どうしてこんなことしてるんだっけ?)

  魂が抜けた影響か、いつしか自分が何者なのかもわからなくなってしまった光博。それでも己の快感に従い精液を吐き出していく。そうすればキモチイイという事だけは知っていたから……

  「んあ? おいらどうしてちんちんなんてしこってたんだ?」

  我に帰った光博は全てを忘れて立ち尽くしていた。もう自分の事は何も覚えてはいなかった。

  「まあいいか!」

  そして全てを忘れ純粋無垢なグミの悪魔となった光博は、背中の翼を使って夜の空へと飛び去っていくのだった……。

  END

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