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悪魔の侵食

  「宅配便でーす。ハンコお願いしまーす」

  「よっしゃ、やっと来たか」

  

  朝、チャイムが鳴ってドアを開けると配達員が俺を待っていた。俺はすぐさまハンコを用意して商品を受け取った。

  俺は[[rb:小 > こ]][[rb:熊 > くま]][[rb:淳 > あつ]][[rb:史 > し]]。

  大学卒業のあと一人暮らしをしているフリーターだ。

  何でフリーターなのかはどうでもいいだろ、いろいろあったんだよ、俺にも。

  そんなことより、今日俺の家にネットで注文してたアレが届いたんだ。

  

  「悪魔変身セット……こういう名前って結構そそられるんだよなー」

  

  俺がいつものように買いたいものを探していると、何やら聞いたことのないサイトに辿り着いた。

  興味本位で一度クリックしてみたんだけど、どうやら詐欺サイトでもなさそうなので買ってみることにした。

  俺は軽い気持ちで大学のアニメサークルに入って、その時先輩に色々教えてもらって今や俺も立派なオタクというヤツだ……で、俺がハマったのがコスプレだった。

  最初はスゲー恥ずかしかったんだけど、やる内にハマっちゃってて、今ではコスプレ衣装を通販で取り寄せることもよくあることになっていた。

  中でも俺はヒーロースーツや鎧みたいな衣装、怪獣の着ぐるみなんかが大好きで、そういうのをよく選んで買っていた。

  で、今回購入したのが『悪魔変身セット』という商品だった。

  変身とか明らかに胡散クサな単語が逆にそそられるー、って感じで買っちゃったんだよな。

  サンプルをみる限り羽根と尻尾がついた全身タイツみたいだったけど、まあそれはそれでいいんじゃないかとも思ったし。タイツ系は締め付けが気持ちいいのもあるしな。

  

  「どれどれ……ってなんだこりゃ」

  

  ……あちゃー。

  こりゃ騙されたかな?

  

  「サンプルと明らかに違うなぁ、これ。っていうか全体的にショボい?」

  

  サンプルの画像では悪魔の羽根や尻尾がついていて、手足の指先部分は爪のように尖らせてある小悪魔のような全身タイツだったんだけど、これは羽根と尻尾がついてない。

  指は普通のタイツと同じ丸い指先のものだし、足も同様に靴下やストッキングと変わらない丸いやつだった。

  どう見てもクオリティが数段落ちていて、これじゃコスプレのクオリティも同じ風に下がるだけだ……

  

  「……あー、まあいいや。

  一度着てみよう。返品不可って書いてあったのを買ったし、捨てるのも勿体無いしな……」

  

  残念な気持ちになりながら、俺はそれを着込んだ。

  漫画の中のバイキンみたいな角が頭についてるが……どう見てもトーシロのコスプレみたいでどうもパッとしないな……

  まあ、格安だったしこれも仕方ないのかな。知らないサイトで返品不可のやつってよく考えたら完全に詐欺目的だよな。よく考えりゃよかった……

  

  「あー……脱いで捨てるか……ん?」

  

  俺は何やら違和感を感じ、その原因を体を弄りながら考えた。

  

  「うわ、勃ってんのかよ」

  

  股間を見ると、俺のチンコが見事に黒い全身タイツを押し上げ勃起していた。

  締め付けの強いタイツを着るとたまに気持ちよくて勃っちまうことがあんだよな。身体で感じたいから下着を着ないでコスプレすることもよくあるし。

  ま、しかたない。これ脱いで一回抜くか。

  ん、ん……チンコ気持ちいい……

  って、あれ?

  

  「ん……あ、あっ、な、俺なんでオナニーしてんだろ……

  気持ちいい……手が勝手に……と、止まらねえ!!」

  

  ……き、気持ちいい!

  チンコを手で摩る度に生地と擦れ合って……あ、ダメだ! やめられねえ! で、出る!

  ザーメン出ちまう!

  タイツ着て抜くなんて親父に見られたら殴られてんだろうな……い、いや、そんな事考えてる暇じゃ……

  

  「……あ! い、い、んぅ……っ」

  

  遅かった。

  変身タイツを押し上げたチンコがザーメンを出し、黒色の生地をみるみる濡らしていった……

  

  「あ、うあ……あ……」

  

  俺は射精の快感で頭がグラッとなって、そのまま気を失ってしまっていた……

  [newpage]

  「ん……」

  

  強烈な頭の重みを感じたまま目を覚ます。

  時計を見ると、ちょうどお昼時、といった時間になっていた。荷物を確認したのは10時頃だから、だいたい2時間ぐらい気を失ってたのか……

  こんな長い間イったぐらい気を失うなんておかしい。ひょっとしてそんだけ疲れが溜まってたのか……?

  だったら、暇ができた時に一回ゆっくりと休むか。温泉にでも行ったりして。

  さて、そろそろこのタイツを脱ぐか。まあ着心地が気持ち良かったからたまにプレイかオナニーにでも使うか。捨てるのももったいないし。

  

  「んっ……

  …………あれ?」

  

  脱げなかった。

  と、いうよりは、タイツが身体から“離れなかった”のだ。

  いくらタイツを引っ張っても、グイグイ引き伸ばしても、普通なら布が千切れるような大きな力を出しても、タイツは伸びはしても身体に張り付くようにくっついて離れなかった。

  なんだこれ。

  俺は少し怖くなって、身体を大きく暴れさせ必死にタイツを脱ごうとした。

  そんな時だった。

  俺の身体に快感が襲ったのは。

  

  「うっ、ああ……」

  

  身体の芯から電撃が走るような、そんな快感がした。

  その快感は、みるみる股間に集まり、タイツを再び押し上げた。

  ふと、足に目をやると、そこにはありえないような光景が映っていた――

  

  「あうっ」

  

  足が、足が変わっているのだ。

  何が変わっているのかというと、文字通り、俺の足が人間のものでない、別の何かに。

  足の指は長く尖り鉤爪のようになって、床を支えていた。それはまるで、漫画の中の悪魔のような。

  それをちらっと見た瞬間、俺の精神は快感で限界を迎え、そのまま絶頂に達した。そして――

  

  「……う……っ」

  

  俺はまた気を失った。

  

  

  

  

  ――――――。

  

  

  

  

  「うぅ……な、なんで……」

  

  俺は再び目を覚ました。

  足に目をやると、やはりそこには悪魔のように変形した俺の足があった。

  それよりも、俺の足が変な感じだ。

  そうだ、何で……

  

  何で俺はガニ股になってるんだ?

  

  それにこれ――

  俺のチンコがさっきよりクッキリと見えているのだ。

  今までは従来のタイツのように、大きな膨らみにはなってもチンコの形をそっくりそのまま再現するようなものではなかった。

  じゃあなんで今になってこんなクッキリと俺のチンコのラインを象っているんだ?

  キンタマまではっきりと確認できるほどピッチリ張り付いているなんて、まるで俺が今全裸でいるみたいじゃないか。俺の身体が元からこんなだったみたいじゃないか。

  駄目だ、それよりもこのガニ股を戻さなきゃ、こんなんじゃ、こんな情けない格好じゃ外も歩けやしない!

  

  「う…………ああっ!」

  

  ダメだった。

  ガニ股を戻そうと股を閉じると、太腿がキンタマに当たってしまう。ありえないほど気持ちよくて強制的に股が開いちまう!

  なんだこれ、何でこんなにキンタマが、チンコが気持ちいいんだ……!

  嫌、嫌だこんなの、誰か――

  

  「あっ……」

  

  助けを求めようと動こうとした瞬間、また足の裏が地面に擦れた。

  その時、俺の身体は快感のみで構成できるほどの快感で震え、同時に俺のチンコから精液を出していた。

  どうやら足の裏が性感帯になっているようで、少し触れるだけでもとてつもない快感を俺の身体に与えるようなのだ。

  そしてそのままなすすべもなく、俺の意識は再び途切れていた――

  [newpage]

  ……頭が痛い。

  これで3度目の気絶だ。

  どうやらイク度に俺は気を失い、その度に身体を変質させるらしい。

  まさか、これが変身タイツの効果だとでもいうのか?

  でも、そう思わないと、この異常な事態の説明はつかなかった。

  イかないよう気をつけながら膝歩きで鏡に向かうと、今度は俺の臀部に悪魔の尻尾が生えていた。

  まるで小さい悪魔がつけているような三角形に尖った尻尾だ。

  その、俺の尻から生えてきたように見える異物を俺が気にならないわけがなく、俺はまだ人間のままの手で尻尾をギュッと握った。

  それがいけなかった。

  俺はその瞬間、足の裏を床に置いた時よりの二倍も三倍も大きい快感に襲われた。

  動けなくなるほど気持ちよかった快感が物足りなくなるほどの大きな快感が人間の俺に耐えられる訳もなく、気持ちいいと思った瞬間脳に電気を受けたような痺れが生じ、そのまま視界がぼやけて暗転した。

  尻尾も、俺の性感帯となっていたのだ。そして、それはこの生えている尻尾が俺の身体の一部になってしまったということでもあった。

  次に目を覚ました時には、尻尾に触れた時は人間のものだった俺の手が悪魔のものにすり替えられていた。

  手の先は尖り爪と一体化し、全てが黒に覆われた悪魔の手が俺の腕先にはあった。

  

  「ああ……俺の手が……」

  

  またひとつ俺の身体が俺のものじゃなくなってしまった。

  そんな恐怖に浸る暇もなく、俺の手がさらに俺を貶めていく。

  

  「う、あっ……や、やめ、ろ……

  これ以上、変わり、たくない……」

  

  俺の手が勝手にチンコを扱いていたのだ。

  身体が勝手に動く。俺の身体の支配権すら別の何かに奪われている。その気味悪さに俺は恐怖した。

  が、その恐怖の感情も、すぐに快感という感情に押しつぶされ、俺という快感は、かき消され、て、いく――

  あ、だ、ダメだ! イク!

  

  「うあああああっ!」

  

  白いザーメンが黒のチンコから放たれ俺の顔を汚す。

  俺は視界を真っ白な俺の体液で汚しながら気絶した。

  

  

  ――――

  

  

  「そ、そんな……」

  

  次に目が覚めた時、もう俺の変化はほぼ完了していて、人間の身体はタイツに支配されていた。

  背中には蝙蝠のような翼が生えていた。

  俺はさらに悪魔としての姿を完成させてしまっていたのだ。

  股間にあるチンコは、カリや鈴口の形まで再現しており、もう誰も俺がタイツを着ていたとは思えないほどに馴染んでいた。

  もう、俺が俺である要素は、俺の170センチほどある身長と、俺の顔だけだった。

  これ以上、悪魔の侵食を進めたくない。そう思い俺は床に座し、じっと静かに脱げるのを待つことにした。しかし、俺のタイツは、それを許してはくれなかった。

  

  「い、嫌だ、やめろ……やめてくれ!」

  

  手が、尻尾が、足が、俺の身体は、俺の意思に関係なく勝手に動き出し、俺をイカせようと盛んに俺の性感帯を責めはじめたのだ。

  足は大きく足踏みをはじめ、手は亀頭を擦り出し、尿道に指を差し込み上下させ、尻尾は俺の足の裏を執拗に摩っていた。

  

  「あ、あ゛あ! あっあっあっあっ! あっあんあんあぁん!!」

  

  全身タイツの必死の責めに耐えられるはずもなく、俺は何度も何度もたて続けに射精した。

  俺はキンタマの中の全部のモノを搾り取られる感覚を、脳で、全身で味わっていた。

  快感で気を失ったり快感で目を覚ましてまた気絶してを繰り返し、それを何度も何度も画面のフラッシュのように追体験していた。

  

  「こ、こんなの嫌だ……

  あっ! あっ! あぁっ! ん……うぅっ!! あああああ……!」

  

  袋の中の俺の玉がグリグリと暴れ、俺の中の何かを搾り取っていく。何かってなんだ、精子じゃないか。チンポが震えて、差し込んだ指の隙間から濁った精液がボタボタとこぼれ落ちたのを覚えている。

  

  そして、責めが終わる頃には――

  

  「お……」

  

  

  「俺が悪魔に……」

  

  

  人間だった俺の顔も悪魔のものに入れ替えられてしまっていた。

  目が獣のように釣り上がり、白目は赤く染まって、俺の瞳はどこか知らない所に消え、確認できなくなっていた。

  普通はあるはずの鼻もない。俺の顔面には、のっぺりとした皮膚だけがあった。

  口は大きく裂けており、鋭い牙を覗かせている。

  しかし顔の皮膚だけは未だに人間のままで残っており、それは逆に情けなさすら感じさせる。

  これじゃあ本当に、俺は悪魔――いやこれじゃあ小悪魔じゃないか。

  今の俺は完全に、漫画の中に出てくるような、痩せ細った身体で空を飛び回りフォークを手に携えているような、そんな威厳もへったくれもない全身タイツの悪魔だ。

  悪魔になるのなら、もっと威厳のある格好いいやつになりたかった――いや、何を言っているんだ俺は……俺がなりたいのは悪魔じゃあない。人間だ。

  

  「こ、こんな身体嫌だ! 人間に戻してくれ!」

  

  頭を押さえ、顔を覆い必死に悶える。でも、俺の中の甘い疼きは常に俺の身体を刺激して、さらに俺からザーメンを搾り取ろうとしていた。

  [newpage]

  「ハアッ……ダメだ、耐え切れ……はうっ……!」

  

  気持ちよさに身をよじらせていると、猛烈な吐き気に襲われた。同時に、俺のチンコはそれに反応してビンビンに反り返っていた。

  何で俺はこんな目にあってまだ勃起してるんだ……俺はマゾじゃない。何でこんな気持ち悪いのに、気持ちいいんだ。

  脳と身体を巡る矛盾に困惑していた俺だったが、そんな困惑も長くは続かなかった。

  いまにも胃の中の内容物が口から吐き出されようとしていた。

  もうガマンできない。

  俺は小走りで洗面台に向かう。一歩足を床に踏みしめるたび、俺のチンコから真っ白な俺のザーメンが噴き出した。

  

  「うう゛! う゛お゛おおお゛ぉぉ……!」

  

  俺は盛大に嘔吐した。

  夜食べたもの全て。それどころか、胃液まで吐き出していた。

  まるで、俺の中の不要なものを残さず対外へ排出しているかのようだった。

  しかも奇怪なのが、俺が胃の中から内容物を吐き出すたび、脳から甘い電流が走り、たて続けに射精し、洗面台を、床を汚していたことだった。

  俺は洗面所で上からも下からも異物を排出している。この無様な絵面は、もう俺の中の人の尊厳すら破壊してしまっていた。

  しばらくして嘔吐は治まった。でも、まだ、ザーメンは出続けている。

  膝をガクガクと揺らし、灰色の俺のザーメンを出し続けている。

  この快感は30分ほど続いた。もう快感で気絶することはなかった。

  

  

  ◆

  

  

  「はぁ……はぁ……」

  

  たっぷりザーメンを出し、射精の余韻に浸っていると、ぷん。といい香りが漂ってきた。

  香ばしくて俺の腹の中をくすぐるような芳醇な香りだ。

  ふと下を覗くとそこには白い液体があった。

  

  間違いない。

  

  これは俺が好きな人間の精液だ。

  俺は、ついごくりと生唾を呑んでしまう。

  ――舐めたい。

  今すぐ床にへばりついた精液を舐めとってしまいたい。

  しかし、そんなはしたない真似ができるか? と俺は理性でなんとかこの衝動を耐えようとする。

  でも、美味そうだ。

  俺の灰色の精液も美味いけれど、穢れのない白の精液は本当にご馳走なのだ。それが俺の部屋の床に、おびただしいほどの量がこぼれているのだ。

  それをいただいて何が悪い!

  

  「ハッ、ハァッ! ハアッ!」

  

  やっぱり我慢なんて俺にはできなかった。

  俺は床に這い這いになり、人間の精液を舐める。

  ああ、この口いっぱいに広がる苦味! 俺の精子なんかじゃこの味は出せないな!

  

  「ジュル……ふめぇ、へへ、へーひうへぇ!」

  

  俺の自慢の長い舌で精子を絡め取る。俺の指で精子をとって舐める。俺の尻尾で精子を拭い、やはり舐める。

  この部屋の精液がなくなるまで、俺は至福の時間を楽しんでいた。

  [newpage]

  ごちそうがなくなった部屋に興味なんてないので、オレはさっそく今晩のディナーを探すため、夜空へ飛び立った。

  さっきので腹が膨れたが、やっぱりまだ何かが足りねえ。

  だからオレは、人間を襲うことにした。やっぱり人間の精液は、新鮮なまま吸い尽くすのが一番だと思ったからだ!

  これから楽しくなりそうだ。

  

  

  ◆

  

  

  空を悠々と飛びながら獲物を探していると、それはすぐに見つかった。

  今が旬といった感じの高校生ぐらいの男が自転車に乗って帰るところを発見したのだ。

  部活返りらしくユニフォームのまま帰宅している。丁度いい。

  年頃のスポーツマンの精液なら、絶対美味いに決まってるからなぁ!

  

  「ん……」

  

  自転車から男を引っぺがし、空へと誘った。誰もいないオレと奴だけのダイニングへ行くために。

  

  「うわぁっ! な、なんだ!?」

  「おとなしくしてろ! お前はオレのディナーなんだからな!」

  「あ、悪魔!? お前、悪魔なのか!?」

  

  失礼な奴だな。

  オレは人間だ。

  翼と尻尾と牙が生えてるだけの、普通の人間だ。

  

  「バカ言うな、オレは人間だ」

  「じゃあなんで……うぐっ!」

  

  男がピーピー煩いので首を絞めて落とす。死人の精液は美味くないから殺してはいないけど。

  さあて、早速いただくとするか。

  

  

  ◆

  

  

  「ヒヒ、いただきます」

  

  ここなら誰もいねえ。いつもバイトで通ってたから分かる。

  オレは男のズボンとトランクスをずり下ろし、チンコを露出させる。

  男のチンコはピンク色の綺麗な亀頭だ。チンカスもいい具合にたっぷりこびりついている。これで男が全然使ってないことが伺えた。スポーツ一筋だったんだろうなぁ。

  

  「へへ、美味そうだなぁ……これならっ……

  こうした方が、いいふぉふあっ!!」

  

  男のチンコにかぶりついた。こういうモンは隅々までしゃぶり尽くすのが一番美味い!

  オードブルのチンカスを綺麗に最後まで舐めとる。ついでに亀頭も愛撫する。

  すると男はうっと力なく声をあげて精液を放出した。いいぞ。

  つんと濃厚な香りが鼻腔を刺激する。そのおかげか食欲がさらに湧いてくる!

  オレはアイスキャンディーを舐めるように根元をしっかりと握りながらチンコを舐め続けた。

  

  「んあっ! あ……」

  「やめろ! やめろぉ! 俺の、チンコ……ひああああぁ! ああん!」

  

  しばらくすると男が快感で目を覚ました。しかしすぐさま快感に善がりいい声をあげる。男のくせに女みたいな声出しやがって。ゾクゾクくんじゃねえか。

  

  男が延々と嬌声をあげる中、オレは構わず出てくる精液を一滴残さず吸い付くしていた。

  それが人間であるオレのアイデンティティだからな。

  ……あれ? 人間ってなんだっけ?

  …………ああ。そこの男のことだ。

  

  だって、オレは淫魔なんだから。

  

  どうしてオレは自分のことを人間だと、勘違いしてたのか? 分からない。思い出せない。まあ、いいか。だって、必要ないから。そんなもの。

  

  「あ……ア……」

  

  男は精を吸い取られ段々と干からびて行く。もう声をあげることもままならないようだ。まあオレの糧になるんだ。光栄に思えよ。

  腹がいっぱいになって、足りなかったオレの中が満たされていくと、再びオレの淫魔の脳に快感の信号が受信され、オレの灰色の精液を出すよう俺のチンコに命令した。

  いいぜ……出せよ。

  だって、射精するの、気持ちいいからな!!

  

  「アァン!」

  

  チンコから灰色の精子が噴水のように飛び出し、オレの顔を汚した。

  まるでオレの中の不必要なモノが全部出ていくようで、その噴水は俺を祝福するシャワーのようだった。

  オレの精子がたちまち綺麗な黒に染まっていく。

  そうだよ、これがオレ達淫魔の精子だ。

  何でオレだけ灰色だったんだ?

  もうどうでもいいか。淫魔は細かいことや昔のことは気にしないタチなんだぜ。この目の前の”ディナー“のこともな。

  

  あぁ。視界が段々と低くなっていく。目の前の物が大きくなっていく。

  俺の長い腕が、長い脚が短くなっていく。

  余分な高さのあった身長が縮んでいく。

  オレの身体に感じていた違和感はこれだったのか。道理で人間が小さいと思ったぜ。

  あれじゃあまるで、人間のコスプレをしてるみたいだったからな。

  悪魔族の平均身長。1メートルほどにまでオレの肉体が調整されるとそこで止まった。そうそうこれこれ。このカラダだ! やっとしっくりきた。

  おいら、小熊淳史はやっと本来の姿に戻ることができた。人間の精液を一定まで吸い取ったからだろう。

  トイレの鏡でおいらの姿を確認する。腰に手を当てポーズを取りながら、淫魔であるおいらの姿に酔う。

  やっぱり惚れ惚れするな、このカラダ。キキッ。

  でもまだ何かが違う。顔が人間色なんだ。これじゃあまだ人間もどきの悪魔だ。

  そっと顔に手をやると、人間色の皮膚の端に何やら引っかかるモノがあった。

  おいらはそれをひといきに引っ張る。

  すると見たことか。

  おいらの皮膚がベリベリと剥がれていくではないか。

  今までおいらの顔面に張り付いていた人間の皮膚を剥がすと、いつも通りのおいらの顔が出てきた。

  これで、おいらはやっと、いつものおいらの姿に戻れたのだった。

  

  「ヤレヤレ、手間かけさせやがって。キキキ……」

  

  おいらは元に戻れた祝いとばかりに天高く勃ち上がったチンコを撫でてやる。

  そして、真っ黒な精液を夜空に打ち上げた。

  

  「キャハハ! おいらは……まあ何でもいいか! おいらは淫魔以外の何者でもねぇんだし!

  今日も人間の精液、貰うとするか!」

  

  おいらは、いつものように、新鮮な精液を求めて夜空へ飛び立っていった。

  [newpage]

  「うちの商品、大売れのようですね」

  

  「ああ。我が社が開発した『悪魔変身セット』。

  これを着ればたちまち淫魔に早変わり。今までの自分は全部忘れて我が社の悪魔の尖兵になるというわけだ」

  

  「さて、食事を終えた悪魔590号がやって来たぞ。我が社の一員として手厚く歓迎したまえ」

  

  「はっ」

  

  「さて。まだまだ忙しくなるぞ。変身タイツの生産を急がせろ!」

  

  いくつかの男が、モニターを覗きながら話していた。

  どうやらそれらは淳史にタイツを送った人間のようである。

  その男達の後ろの、無機質なケージの中では、たくさんの悪魔――いや、淫魔達がお互いペニスやアナルを弄くりながら遊んでいた。

  その中に、また一人悪魔が入れられた。

  その悪魔は快感に歪んだニヤケ面をしており、とても幸福そうであった。

  そのまま彼のコピーのような他の悪魔に混ざると、同じく乱交に興じ始め、いつの間にやら悪魔達に紛れて消えていった。

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