祖父のタクロウが夏休みのさなか亡くなり、祖父の住んでいた町に来た孫の女子大生カナタは、駅で銀髪の女性、ミラに声を掛けられた。
祖父を知っているという彼女に思い出話を聞かされているうちに、あれよあれよという間に宿泊しているホテルに招かれたカナタだったが、そこでミラは自分がシリウス星人であること、祖父も実は同じシリウス星人だということを明かし、カナタに勝手にシリウス狼の尻尾を生やして、自分に協力してほしいと頼み込んできた。
彼らシリウス星人は魂のみの存在であり、星々を渡り異星の生物に憑りついて一生を終え、その記録を持ち帰る好奇心そのものの生物だという。祖父も受精卵からシリウス星人が憑りついた存在だったが、タクロウとしての生を終えても帰還しない。だから探す手がかりとして、ミラは日記に書かれた謎の記述”二つ目の重力”とは何かを探りたいという。
露天ぶろ付きの部屋にこもりながら、ミラとともに30000日以上もある祖父の人生のログを分析するカナタ。だんだん尻尾から獣化していく体を気にしながらも、本好きであり大学での資料探しに慣れていたカナタは、祖父の記述とその前後に起こった祖母の死などから、重力とは未練であり、祖母の未練が祖父を引き留めていると推定する。
祖父の魂が引き留められていると思われた、ミラを連れ立って赴いた夕暮れの墓場で、ミラはタクロウの気配を察し、このためにシリウス狼と化したカナタとともに次元を超える。
無数の光が乱舞する世界で、シリウス狼となったカナタは祖父の魂を嗅ぎ分け、ついにミラと祖父は邂逅する。
しかしシリウスへの帰還を呼びかけるミラに、祖父は自分は既に地球の第2重力にとらわれていて脱出できないことを告げる。
第2重力とは未練だけでなく、魂同士が引き寄せあい、輪廻転生を繰り替えす地球の死後の世界のこと。
祖父はこの世界に妻との引力によって引き込まれていた。何千年かかっても妻を探し、その暁には二人そろって重力圏を脱しシリウスへと帰るという祖父。ミラは引きとどめようとしたが、やがて何かに吹っ切れたようにそれを認める。
ミラとカナタが見送る中、祖父は光の渦へと飛んでいった。
現実世界へと帰ってきた二人だったが、ミラはそこでタクロウが好きだったと言って慟哭する。
タクロウに長い間片思いをしていたミラと、それを察するカナタ。
もふもふ狼の姿でミラに抱きつかれながら、カナタはおそらく祖父が輪廻せずにとどまっていたのは、ミラの片思いによる未練もあったのだろうと推察する。
しばらく泣いていたミラは、狼姿のままのカナタを引っ張り、やけ酒と、リゲル温泉への傷心旅行へと誘う。了承するカナタ。
遠くを見て来いと最後に祖父に言われていたカナタは、夏休みのリゲル旅行に思いをはせながら、なおも泣きながら発せられたミラのアバウトな発言に、友人のノリでツッコミを入れるのだった。