4月1日。幼馴染の彼は必ず私にプロポーズしてくる。

  嘘だと分かっていても、胸が高鳴ってしまう。

  あ~あ、嘘じゃなくて、本当だったらいいのに…

  そんな本音を私は隠す。彼に気のないふりをする。エープリルフール。私のとっておきの嘘。

  子供の頃はそれでも良かった。結婚なんて遠い未来の話で、いつかできたらいいな…くらいの気持ちでいられた。

  でも、思春期を迎える頃にはそうもいかなくなってくる。私以外にも、彼の魅力に気付く女が増えてきた。

  そして、ついに恐れていた事が起きた…

  今年の4月1日。彼は私にプロポーズしてくれなかった。

  悲しくなった。毎年聞いていたあの言葉は、もう私のものではなくなったんだ…その日、私は悲しみに暮れた。

  4月2日。彼が私の家にやってきた。

  「俺さ…今年は今日言うって決めていたんだ。もうこの気持ちを嘘にしたくない。

  …俺と、結婚してくれ」

  彼の本音と私の本音が共鳴し、私達の新しい関係が始まる音がした。