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【リク作品】大蛇になった俺の相方

  「くそ、一体どこいっちまったんだ……!?」

  一人の男が大剣を振るい、ダンジョンを進んでいく。

  様々なモンスターが襲いかかるものの、彼の剣技の前にはひとたまりもない。

  それにも関わらず、この男には余裕という物がまるで感じられなかった。

  「ドジ踏んじまったぜ、エリーゼだけ転移の罠にかかっちまうなんてな」

  一人分にしては明らかに多い荷物を抱えている理由がそれであった。

  この男——ダストンは、パートナーであるエリーゼといつもダンジョン探索をしている。

  二人ともなかなかの手だれ、そうそうドジを踏む事はないのだが……

  人間である限り、やらかす時はやらかすものだ。

  何気なく踏み出した一歩が原因で、エリーゼはどこかに転送されてしまったのである。

  ダストン一人、エリーゼ一人でもなんとかはなるがずっとそのままというわけにもいかない。

  「俺もダメもとで転移の罠乗ってみりゃよかったか? いやいや、荷物無くすのもやばいからなぁ」

  飛びかかってきたミノタウロスをバッサリと撃破しつつも、徐々に溜まっていく不安が顔に滲み始めている。

  せめてどこにいるかだけでも分かれば楽ではあるが、罠である以上それも許されない。

  「くそ、ここもハズレか。じゃあ残りはあと一本」

  分かれ道を戻り、何度も通った広場に戻る。

  虱潰しに片っ端から調べているのだが、エリーゼは影も形も無い状態。

  最後が当たりとは運が無い、とダストンは軽くため息を漏らした。

  と、その時である。

  彼の吐息とは全く別に……空気の抜けるような音が聞こえてきたではないか。

  「……!」

  それまで聞こえなかった音に、ダストンが警戒する。

  少しずつ、しかし確実に近づいてくる奇妙な音。

  奇しくもそれは、ダストンが今から入ろうとした通路からするのであった。

  ゆっくりと気配を消すように動き、相手の出方を伺う。

  「シャアァアアアアアア!!!」

  現れたのは……全長3mはあろうかという大蛇!

  大きな口を開け、立派な牙を見せつけている。

  ダストンは素早く剣を抜き、蛇に一撃を見舞おうとした……のだが。

  「ん!?」

  柄を握った手が、そのまま硬直する。

  彼の視線の先にあるのは大蛇の頭部。そしてその頭部にあるのは……なんと頭髪であった。

  しかもそれは、エリーゼと同じ髪型をしていたのである!

  想定外の事態に、どうしたものか一瞬戸惑うダストン。

  その隙を大蛇は逃さなかった。

  大きな尾が振り回され、ダストンの肉体を跳ね飛ばす。

  その衝撃で大剣は壁に刺さってしまい、彼は丸腰になり。

  「くそっ、エリーゼじゃないのか!?」

  思わず呼びかけている間にも、大蛇は舌をちらつかせのしかかってくる。

  そのまま舐めるかのように、舌を顔に近づけてきて……

  万事休すかと思われたその時。

  細長い牙は彼の首筋ではなく、ズボンを狙い振り下ろされたのだ。

  「な、な!?」

  想定外の攻撃に気が動転しているうちに、ダストンは下半身をむき出しにされてしまったではないか!

  大蛇は股間の逸物を見つけると、嬉しそうに音を立て始める。

  ダストンの手足に体を巻き付けつつ、舌でナニを刺激して。

  「わ、あっ、おっ!?」

  生命の危機を感じているのと、想定外のご奉仕の刺激によりダストンのムスコはたちまち勃起を始めてしまう。

  むくむくと膨らみ、長くなり、固くなるそれを見て大蛇は全身を揺らしている。

  まるでこれが欲しかった、と言わんばかりに大きな口でしゃぶりつき始め。

  「な、なんだ、なん、あっ、ん、んっ……」

  見知らぬ大蛇に性的なことをされている、という初体験にダストンはどうすることもできない。

  いつ食いちぎられるかも知れぬ恐怖、人ならざる物の口内の刺激。

  ゾクゾクするのは快感か、恐ろしさか。

  混乱しているダストンには目もくれず、大蛇は行為をエスカレートさせていく。

  ビンビンになったそれを解放したのも束の間、今度は自身の下半身を擦り寄せ始める。

  「ん、お、おい、何する気だ、わ、わ!?」

  何かの中に入る感覚。

  大蛇の体でどうなっているかは見えないものの、想像はできる。

  そう、大蛇の膣に己の男根が収められてしまったのである。

  大蛇はどんどん高い音を出し、口を開けて涎をこぼし天を仰ぐ。

  その動きに、壁の締め付けにダストンの肉体も明確な快感を覚えていく。

  「お、おい、こら、やめろ、こ、これ以上、お、俺、くそ、よりによって、蛇が初めてとか、あっ、おっ、おっ、おっ……♡」

  なす術なく、射精してしまう。

  何かの中に、どくどくと注ぐ感覚。

  それに合わせて、大蛇も全身を揺らし……

  一段と大きく体を揺らしたその瞬間、大蛇の体がこわばった。

  「ん、あれ、私、何、この、なんだか、気持ち、いい……♡」

  「しゃ、喋った!?」

  ダストンのツッコミに、大蛇が頭を向ける。

  「あ、あれ、ダストンじゃない!? え、ちょっと、これ、どういう事!?」

  「ど、どういう事って、ん、え、エリーゼか!?」

  「な、何、これ、手とか、足とか、ないっていうか、なんか、あったかいもの、私の中に、あっ、あっ、あっ♡」

  大蛇が暴れ、ダストンの上から転がり落ちる。

  秘部からは白い精液が漏れる中、ウネウネとその場でのたうちまわり。

  「お、落ち着けって!?」

  ダストンは慌ててズボンをはき直しつつ、大蛇の姿のエリーゼに声をかけるのであった。

  「えーっと、転移の罠で知らない所に行っちゃって」

  「それは俺も知ってる」

  「ダストンを探していたら、お宝を見つけて」

  「ふむ」

  「触ろうとした所までは覚えているんだけど……」

  「じゃあ、俺とアレコレしたのは覚えてないのか?」

  「わ、私、やっちゃったっぽいよね、なんとなく、体、変だし」

  「多分……その宝に蛇の悪霊でもいたんだろうな。呪いのせいかも知れない」

  「の、呪い!? どうしよう、私、戻れるかな!?」

  心配そうな声でダストンに顔を近づける……が、今の彼女の顔は蛇そのもの。

  急接近に、思わずダストンも後退りしてしまう。

  「とりあえず、教会に行くしかないんじゃないか?」

  「そ、そうね。時間制限とかあったら危ないし」

  「よし、俺が前方の安全を確保するからゆっくりついてきてくれ」

  「わ、わかった!」

  ダストンは剣を構え、出口に向かって進み始める。

  ところが、である。

  「だ、ダストン〜」

  「ん、どうした?」

  情けない声が聞こえ、振り返ると……

  「へ、蛇って、どうやって前に行くの〜!?」

  「えぇ!? さっきできてたじゃねぇか!?」

  「だ、だからぁ、その時の記憶、ないんだってばぁ、えっと、こう、こうかな、あ、あれ、あれれれ!?」

  「お、おい、なんか、結び目できてるぞ!?」

  「ほ、解けないよぉ〜!?」

  遭遇した時の強者感は何処へやら。

  心が人間の物に戻ったせいか、大蛇の体はまるでうまく使えないようだ。

  「ど、どうすりゃいいんだよ、これ……」

  想定外の事ばかり起きる中、半ば引きずるようにして教会に辿り着く。

  「ふむ……これはなかなか」

  神父が感心したような声を出しながら、エリーゼを調べていく。

  口の中を覗き込まれ、蛇腹を撫でられ、鱗を採取され。

  その間に何人もの人達の視線に晒され、エリーゼは顔を赤くしてしまう。

  「どうですかね、治りそうですか?」

  ダストンがおずおずと尋ねる、のだが。

  「うーむ、根の深い呪いですからな。蛇の怨念の集合体と言いますかな、かなりの力を持っておりますのじゃ」

  「怨念? じゃあ、エリーゼはどうして?」

  「ふむ。事情を全部聞かねばわからんのですが、エリーゼさんの生きる力といいますか……生きている存在の強い感情の発露が、怨念の邪気を取り除いた可能性はありますな」

  二人は同時に、体を重ねていた事実を思い出す。

  もじもじしている二人に、神父が説明を続ける。

  「ただ、邪気だけ無くなったせいで取り除くきっかけが無くなっていましてな。戻す方法を探るには、だいぶ時間がいりそうですじゃ」

  その言葉に、エリーゼの顔はあっという間に青ざめてしまい。

  「あぁ〜んどうしよう、私このままずっとヘビかも知れない……」

  場所は変わり、ダストンの自宅。

  なんとかとぐろを巻いてポーズを安定させながら、エリーゼが弱音を吐く。

  流石に突然大蛇になり、しかも一生固定の可能性があるのだからこうなっても仕方ないのだが。

  そんな様子を、ダストンは離れて見ていたのだが……

  ポリポリと頭を掻きつつ、そっと彼女に近づき。

  「こんなタイミングで言うのもあれなんだけどさ」

  彼女の顎に手を添え、声をかけ。

  「な、なあに?」

  「一緒に住まないか?」

  「え、なになに、どうしたの?」

  「いや、別に。一緒に住まないかって聞いただけだろ」

  「それ、あれ? 私が蛇で、困ってるから?」

  「そ、そう言うのじゃなくてさ。前から提案しようと思っていたんだけど、機会がなくてな」

  「そう? そうかぁ……じゃあ、別に私が不憫だからだとかそう言うのじゃなくて?」

  「そう言うのじゃなくて。俺は単に、エリーゼと一緒にいたいから」

  「あ、そ、そ、そうなんだ、へ、へぇ……」

  単に冒険の相方だと捉えていた男性にアプローチされ、エリーゼはちょっと戸惑ってしまい。

  「ま、まあ、オッケーしちゃうけど、私、蛇よ? いいの?」

  「そこは俺にとって大きな問題じゃないし」

  「蛇のくせに、蛇の動き出来ないけどいいの?」

  「俺は困らないぞ。エリーゼは困るだろうから、練習はしたほうがいいだろうけど」

  「それもそうねぇ。ようし、ダストンがいてくれた方が落ち着くし……今日からお願いするわ!」

  「じゃあ……エリーゼの荷物は明日くらいに取りにいくとするか」

  「そうね。寝て起きたら戻ってるかも知れないし。うん、そうかも知れないし……」

  どこか諦めは悪いエリーゼ。

  どさくさに紛れるような形で、二人は一つ屋根の下で暮らすことに。

  「ええっと……これ、どうやって食べよっか」

  早速直面するのが、食事の問題。

  いかんせん手と言うものが無くなっているせいで、直接口で咥える必要があるのだが……

  頭を動かそうとすると、当然バランスが崩れ。

  実際には体全体で支えるはずなのだが、エリーゼはまだそんなことできるはずもなく。

  「おっと、大丈夫か!?」

  床に頭を打ちつける直前で、なんとか受け止めてもらう有様。

  「う、ううん、難しいわね……」

  テーブルに顎を乗せ、舌をちらつかせ。

  「まあ、今日なったばかりなんだから仕方ないだろ。ほら、口開けろ」

  「はーい、あーん」

  グパァ、と大口が開く。

  「そういえば、蛇って顎が外れるとか聞くけど……どうなんだ?」

  卵を口に入れてやる。

  口が閉まり、咀嚼の後飲みこまれ。

  「んん〜……なんだかね、限界まで開いた後、もう一段階いけるって感じ。もしかすると更に開くかも知れないけど」

  「蛇の顎が外れた時の処置とか知らねーぞ、無茶するなよな」

  「うふふ、分かってる分かってる! ねぇねぇ、次のちょうだーい!」

  状況が状況だけに、思いっきり甘えるエリーゼ。

  尾の先端を軽く揺らしつつ、ダストンに食べ物を放り込んでもらえる事に安堵感と喜びを感じて。

  「ね、ねぇ、洗わないと、ダメ?」

  「体が泥だらけだろ? 軽くシャワーくらいしとけって」

  浴室の中、湯の張られていない浴槽にエリーゼが入っている。

  ダストンがその裸体目掛け、弱めにお湯を当てていき。

  「あっ、わっ」

  「ん、大丈夫か?」

  「あ、うん、大丈夫大丈夫。な、なんだろ。思ったより気持ちいい、って言うかさ」

  「もしかすると、蛇だからかもなぁ。ほら、変温動物だろ?」

  「あー、あったまると調子良くなるのかも?」

  全身の温度が上がり、少し元気が出てきて。

  「じゃ、ついでにブラシで擦るぞ」

  「えっ、ま、まって、そこまでするの!?」

  「そりゃあ、泥が隙間についたままは嫌だろ? 優しくしてやるって」

  「や、やだぁ、なんか、恥ずかしいっていうか、その……」

  「そーんな事言ったって、なんか尻尾揺れてるぞ?」

  「えっ!? あ、こ、これは、その、べ、別に、ダストンに洗ってもらえるのが嬉しいとかじゃなくって……!」

  「全部自分で言っちゃってんじゃねぇか」

  呆れつつも笑い、ダストンは剣の代わりにブラシを振るい。

  「あ、そこ、そこ、結構好きかも」

  「へぇ……一直線の肉体でも、結構感覚の違いあるんだな」

  「ねぇ、ねぇ」

  「どうした?」

  「あったかいと調子良くなるって言ったけどさ」

  「言ってたよな」

  「……な、なんで一緒に寝てるわけ!?」

  「俺と一緒にいた方があったかいだろ?」

  「そ、そそそ、そうだけどぉ!?」

  夜。

  一つ同じベッドの中に、大蛇と人間が並んでいる。

  当然、エリーゼは抗議する、のだが……

  「調子良くなるならいいだろ? それに、違う所で寝て朝起きたら絡まっていても嫌だしな」

  「それは……まあ、そうね、うん」

  「だったら、一緒に寝たらいいだろ?」

  そう言いながら、ダストンはエリーゼの腹に手を伸ばす。

  「わっ、きゃ」

  「それに、俺も……無理やりやられっぱなしじゃつまらねぇからな!」

  「えっ、ちょっとちょっと、だってあの時、私意識なかったんだってぇ!」

  「エリーゼがどうだろうと、俺が無理やりエリーゼにヤラしいことされたのは事実だっての!」

  指が割れ目を触り、エリーゼの心をくすぐる。

  「あっ、ちょっと、もう、もぉ!」

  舌を出して文句を言うものの、尾の先は激しく左右に揺れる。

  「ほらほら、なんだかんだで……嬉しそうにしてるじゃねぇか」

  「そ、それは、そうなん、だけどぉ……」

  軽くダストンに巻き付きながら、エリーゼが文句を漏らす。

  「おっと」

  「わ、私、人間じゃなくて、蛇なのよ?」

  「でも、エリーゼだろ?」

  「う、うん、まあ、ね?」

  「だったら問題ないって」

  「ほ、本当に?」

  「そりゃあ、最初襲われた時は死ぬかと思ったけどよ。結局、あの時はほぼ蛇の怨念だったんならエリーゼは関係ないんだしな」

  「う、うん、あっ……で、でもぉ」

  「でも、エリーゼの体がおれの初めて奪ったのは事実だからな! 責任、取ってもらわねぇと」

  茶化したようにダストンが言い、エリーゼが困ったように頭を振る。

  「そ、それはぁ、でも、あっ、あっ、もう、喋ってる、のにぃ、んっ♡」

  指が性感帯を刺激し、蛇の体がほてり始める。

  「エリーゼは俺の事、嫌いか?」

  「そ、そんなこと、ないわよ、いつだって頼りになるし、その、あっ、あっ、ゃんっ♡」

  キスをするかのように頬に蛇顔を擦り付け、エリーゼが囁く。

  「なら、よかった。エリーゼが戻ろうが戻るまいが、俺はエリーゼと一緒にいたいからな」

  「も、もう、もっと、こう、いいムードの時に、言って、あんっ、あぁ〜んっ!?」

  「じゃあ、蛇の姿の間……俺がどう思っているか分からなくてずっとモヤモヤしていたいのか?」

  「ず、ずるいんだ、そ、そういう、言い方、しちゃうのぉ、あんっ、あぁんっ♡」

  ダストンの手が蛇の体をほぐしていき、エリーゼは顔を赤らめながら肉体を委ねていく。

  「好き、大好き、ダストン……」

  「俺も大好きだぜ、エリーゼ」

  蛇と人間。姿は違えど、心は二人とも人間で。

  そっと二人は、口づけを交わすのであった。

  「あっ、おかえり。どうだった?」

  「うーん、文献は見つかったって段階だそうだ」

  「そっかー。じゃあまだまだ、私は蛇のままね」

  尾の先端で器用に包丁を使いつつ、エリーゼが出迎える。

  床の上を滑るように動くその様は、まさしく蛇で。

  「辛いか?」

  「どうだろ? 慣れるとこの体、結構便利なんだもん。たまーに鳥につっつかれるけど」

  「そうか? まあ、一緒に探索する時も結構助かっているからなぁ」

  「あ、そんなこと言っちゃって! 人間に戻ったら不便になったとか言ったら、許さないわよ!」

  「ははは、ごめんごめん! お詫びに風呂で体、洗ってやるから!」

  「ふーんだ! 自分でブラシ咥えて、ゴシゴシできますよーだ!」

  「そのくせ、洗って欲しいってブラシ持ってくるくせに」

  「だ、だってぇ、あなたに洗ってもらうの、気持ちいいしぃ……」

  うっかり本音を漏らし、顔を赤らめるエリーゼ。

  「あぁ、かわいいなぁエリーゼ。お前と結婚して、正解だったよ」

  「ずるいんだからぁ、そんなこと言われたら、もう、落ち着かないじゃないよぉ、もう!」

  「じゃあ、今晩……久々に、一緒に寝るか?」

  「あ、えっと、う、うん、でも、また、卵産んじゃったら、ドキドキしちゃうからぁ……」

  「大丈夫だって、もうそろそろ慣れてきたろ?」

  蛇のままのエリーゼと、ダストンが幸せそうに会話をしている。

  おそらく彼女が人間に戻ることはないのだろうが……この二人の愛の前には、些細な問題なのであった。

  おしまい

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