「ブヒヒッ、この牧場の秘密を見ちまったからには、帰すわけにはいかねぇなぁ?」
目の前で、農夫の男が人間から異形の姿に変わっていく。
どうしてこんなことになってしまったのか。僕はただ、今流行してる位置情報ゲームの穴場スポットを見つけるために人の少なそうな田舎の山道に来て、そこで遭った突然の嵐を凌ぐために屋根を借りられないかと、少し遠くに見えた牧場に近付いただけなのに。
まさかその牧場で、動物とも人間ともつかない奇怪な生物が飼われているのを目撃してしまうなんて……
そしてそれを飼っている農夫の側も人間じゃなかったなんて……
見る間に変容していくその姿は、顔の中央に大きく広がった鼻孔や桃色がかった体色など、豚を思わせる。
僕を口封じしようというのだろうか。すぐさま逃げるべきなのだろうけど、現実離れした事態を思考が処理できなくて、驚愕と恐怖で身体がすくんで動けない。
そんな間抜けにも無防備に棒立ちしている僕に向かって、ファンタジーに出てくる獣人のようなその豚の怪生物はそのでっぷりした見た目と裏腹な俊敏さで飛び掛かり……口封じをしてきた。
ブヂュゥウウウウウッ
「むぐ、んぐぅぅーーッ!?」
文字通りに「口を封じ」てきた……その大きく突き出た豚の口吻で僕の口を塞ぐことで。
理解不能なショック、混乱、不快感……もあったのだが、その一瞬後に、電流? 熱? ……なんとも形容しがたい、謎の……エネルギー? が大量に流れ込んでくる感覚が僕を翻弄した。
不可思議な目に見えない力。それが押し付けられた豚鼻から吐息とともに僕の鼻に、分厚く長い舌が唾液とともに僕の口内に、喉に、注ぎ込まれていく。
その感覚が……何故かとても……
……気持ちいい。
エネルギーは肺や胃だけでなく、背筋、脊椎にも浸透しているようで、快楽の神経信号を直接流し込まれてでもいるかのよう。性的な快感にも近いそれは下半身にも届き、こんな異常な状況なのに意に反して勃起すらしてしまう。
「……ブハァ! っと、ふぅ……ブヒヒ、なかなか可愛いツラ構えになってきたじゃねぇか」
解放され、蕩けたような放心状態から数秒して我に帰る。今更のようにオス豚のような生き物に強引にキスされた嫌悪感が湧き上がってきて、ぺっぺっと唾を吐いて口を手で拭おうと……して顔に触れた時に違和感に気付く。
顔の中央部あたりにやたら大きいデキモノか何かがある? いや腫れとかだったらこのサイズで痛みが無いのもおかしい。
よく見ると、視界の下側を占めるほどに存在感の大きい桃色の何かがそこにあって、かぶせたとか貼り付けたとかではなく自分の肉体の一部としての感覚があって、そしてその形状は……目前のバケモノ農夫の鼻によく似た……
「結構速いなー資質があるのか? コイツは拾い物だったかもしれねぇ……立派な豚鼻がもう出来てくるなんて、な」
「ブヒャァアア!?」
悲鳴を上げようとして……その動物の鳴き声のような音を発してしまい、咄嗟に手で押さえて黙ろうとする。
そんな音を出してしまったことが恐ろしいし恥ずかしいし認めたくない……というのもあったが、同時に、先ほどの接吻でも感じた何かおぞましい……
「気持ち良いだろ? ブヒヒッ、我慢しないで鳴いちまえよ。ほらほら」
……そう、おぞましい快感があった。
[newpage]
非常に気持ち良かったが、だからこそ流されてはいけない危険さを予感させる快楽。実際、あの快感によって僕の鼻は歪められてしまったのだし。
「ブフン、なかなか良い勘してるじゃねぇか。そう。お前はその気持ち良さに負けて射精するたびに、どんどん豚になっていくのさ」
鼻が鳴らないように、そして何か見られるのが恥ずかしくて隠すように手で豚鼻を押さえている僕に、豚農夫はバカバカしくも恐ろしい宣告をする。
「この牧場は俺たち妖怪の、化け豚のテリトリーよ。狐や狸だけでなく豚だって化けたり妖術使ったり人間社会に潜んだりするくらいできる……といっても不器用な奴らも多いからなぁ。人間に化けるために人間性を補わなきゃならん未熟な連中も居る……ここはそういう連中のために人間から人間性を搾り取るための場所なんだよ」
再びその太めな外見に似合わぬ速度でいつの間にか僕の背後に回り込んで豚農夫が囁く。あるいはこれもスピードではなく妖術とやらによるものなのか。
「西洋の、さきゅばすとかいう妖怪だか何だかの連中も参考にした術がここら辺一帯にはかかってる。ここで射精した人間は一緒に人間性も垂れ流しちまって、その力は牧場に蓄えられて化け豚たちに使われるって寸法さ。食い殺されたりすり潰されてジュースみたいに搾られたりするよりよっぽど慈悲深ぇだろ? まぁ種豚とか性奴隷豚とかにして再利用できて効率良いからってのもあるけどな! ブハハ!」
恐ろしくも倒錯的な事実が豚農夫から語られる。僕が目撃してしまった人間と豚の中間のような生物は、人間に化けようとしている化け豚候補だったのか、それとも人間性を搾られ豚に変じつつある人間だったのか……?
「いいじゃねぇか。気持ち良く豚になれるんだから。ほら我慢なんてするなよ。鳴いちまおうぜ? 鳴くのはとても気持ち良いんだぞ? わかってるだろ? ほら、お手本聴かせてやるよ。ブヒィ♪」
ぞくっ
「ブヒッ♪」
ぞくぞくっ
「ンゴッ♪」
びくんっ
……背後から耳元に浴びせられる鳴き声。それが何故か心地良くてたまらない。豚農夫の吐息がかかる自分の耳がびらびらと大きく広がっていくような感覚がある。ひょっとして射精だけでなく、快楽に揺らぐだけでも少し変化の効果があるのだろうか? なおさら快感に流されてはいけない……と思うのに、自分も一緒に鳴きたいという謎の衝動が湧き上がる。
走って逃げたり距離をとったりしたいところだったが、膨れ上がった衝動はちょっとした弾みで破裂しそうな風船のようで、心身を揺らしたくなくて……
そんな、鳴き声を漏らすまいと必死に精神集中する僕の背後から、豚農夫は手を伸ばし……雨に濡れて貼りついた僕の衣服の胸の部分、乳首を、キュッと摘まみ上げた。
「ンギブヒィィィッ!?」
今までに感じたことの無い快感で全身が跳ねる。あ、と鳴いてしまったことを認識して制止しようとする暇も無く、溜まり溜まった衝動は堰を切ったように溢れ出る。
「ブ、ブヒィッ! ンブヒッ! フゴォ! ンゴッ! ブヒブヒ! ブヒュィィイ!」
「ブハハ! いい響きじゃねぇか! もっと聴かせてくれよ!」
鳴くのが気持ちいい。
気持ちいいと声が出てしまう。
声を出して鳴くのが気持ちいい。
気持ちいいとますます大きな鳴き声がでてしまう……
という悪循環。
鳴くだけのことが何故こんなにも性的な快感を発生させるのか、自分でもわからない。何もわからなくなる。ただただ気持ちいい。乳首コリコリされるのも気持ちいい。
そして、
「ブッ……ブヒ……ンブヒィィーーッ!!」
ついに、駄目だとわかっているのに、絶対に避けたかったのに……とうとう、射精してしまった。
直接は触れてさえいない、鳴き声と乳首責めだけによる射精。その屈辱と、恐怖や絶望で頭の中ぐちゃぐちゃになりながら、それすら上回る快楽に高らかに鳴きながら、着衣の股間にびゅくっびゅくっと濡れた染みが広がっていく。
[newpage]
「ブヒヒーッ! とうとうイっちまったな! ほぉら、本番の始まりだぜ!」
死の宣告にも等しい恐ろしい言葉を投げかけられながらも、マトモに動くことさえできず感覚に翻弄される。
身体が本当に変化していく。変容していく。それを実感し絶望しているのに……肉体が変化していくその感覚すら心地良い。
ぶくぶくと、全身の肉が膨張する。急速に太っていく。鳴き声として吐き出した二酸化炭素の代わりにカロリーが直接入ってきて身体を廻っているみたい。気持ちいい。
鼻を押さえていた手はもう豚鼻を離れ、所在無さげに顔の近くで震えるばかり。分厚くなりつつある舌からこぼれる唾液や豚鼻の先から滴り落ちる鼻水を受けて濡れていたその手指は、いつしか膨れ上がり、固まり、硬質な豚の蹄へと変じていく。輪郭がとろけて粘土みたいに形が変わっていくのは、目に見えない手でとんでもなくえっちなマッサージをされているかのような快感がある。気持ちいい。
皮膚が桃色に染まり、全身に獣の体毛が生えていく。自分の肌を自分の毛が撫でて、無数の柔らかなブラシや筆で身体中を愛撫されているかのようで、こそばゆくも、気持ちいい。
肥満化して張り詰めた衣服の胴体部分にいくつか虫刺されのように突起ができる。豚農夫がニヤニヤ笑いながらそれを摘まむとまた鳴き声を上げてしまった。人間の一対ではなく動物の複乳までもできてしまったというのか。嫌なのに気持ちいい。
靴が破れ、露わになった足先は手と同様に蹄と化している。硬質化して人間の爪先だった頃より触覚が鈍くなったようだが、それで良かった。これで感覚が鋭敏だったら歩くだけでずっとイキっぱなしになって狂い死んでしまっていた……と思うくらい、気持ちいい。
何もかもが気持ち良くて頭がおかしくなりそうな中で、肥満化した肉体を衣服が締め付けて窒息したり骨が折れたりしそうな苦痛を感じ始めていたが、豚農夫が指をパチンと鳴らすと、手品のように服がはじけ飛んでバラバラになる。
圧迫感から解放された安堵とようやく射精が一段落したのとで脱力し、僕は倒れ込む。地面にぶつかる痛みがあるかもと思ったが、ファサっという音とともに柔らかいものに受け止められる。動物用の寝床として用意された藁の山か? 先ほどまでは無かったと思うけど……何かの術で藁を出したのか、それとも僕たちの方が藁のある畜舎へ移動したのか……いやそんなことはもうどうでもいい……
[newpage]
「ブヒヒッ、射精一回でずいぶんともう豚になっちまったな! やっぱり資質があったんじゃねぇか? エロ豚になる資質がよ!」
屈辱的な言葉を投げかけてくる豚農夫を涙目でにらみつけるしかできない僕。とてつもない感覚にシェイクされたばかりの身体には力が入らなくて、うつ伏せで寝ころんだまま身動きが取れない。
そんな僕の近くに豚農夫はしゃがみ込んで、僕の尻……いや股間に手を伸ばしてきた。
「そうそう、この牧場には『人間から人間性を搾り取って化け豚に与える』以外にもう一つ機能があってな……」
「ブ……ギヒッ!?」
またあの得体の知れないエネルギーが流し込まれ始める。豚農夫の触れた場所……僕の睾丸に。
「『化ける邪魔になる獣性を化け豚たちから適度に抜いて人間に押し付ける』効果もあるわけだ。まぁこの獣性ってのは主に、繁殖力旺盛すぎる豚の発情……性欲のことなんだがな?
ほら、どうだ? 若く未熟な化け豚候補どもの持て余したサカリ具合……冷静な精神集中が全然できなくなっちまうような性欲を数匹分まとめてブチ込まれた気分はよ?」
「ブギ……ィッ!」
うつ伏せで視界外だし、そうでなく立っても腹肉で見えないだろうけれど、睾丸の一つ一つが桃みたいに膨らんでる感触がある。しかも大きさだけじゃなくて、機能も……脈動して大量の精液と性ホルモンを作り出しているのが感覚として伝わってくるような気さえする。
射精したばかりのペニスももう勃起し始めている。気分がムラムラして仕方ない。発散したい。放出したい。気持ち良くなりたい。性交を……
「そうだなぁ。セックスしたいよなぁ。で……それは人間相手にか? それとも、豚と、か?」
「ブグッ!?」
そんなの決まってる……と言いたいのに、「豚と」と言われた途端に頭の中を淫猥な豚のイメージが無数に駆け巡り始める……「淫猥な」? 僕は豚を淫猥と思っているというのか? 違う、駄目だ。何かがおかしい。冷静にならなきゃ……と思うのに、思えば思うほど身も心もムラムラする感じが止まらない。
「まぁ豚相手にするにしても、化け豚でもなく血統書付きでもないオマエごときが自分のチンポ使ってメス豚と交尾するなんて許されねぇけどな? オマエみたいに人間だった豚が許されるのは、家畜用ダミーの擬牝台相手か、動物用搾精機か……あるいは……」
豚農夫が急に着衣を脱ぎだして……何をするつもり……
「あるいは、尻や口を使ってオスの化け豚の性欲処理をすることだけだ。ブヒヒッ、そう、俺みたいなオスの化け豚の」
ぼろん、と豚農夫がその男根をさらけ出した途端、僕の豚鼻が意思に関わらず勝手に動いてフゴフゴフゴッと激しく蠢き、よだれがドバッと溢れた。
「ブ……ヒ……?」
理解できない。
豚農夫が言っている内容や行動が理解できないのではなく、
豚農夫のペニスに対してとてつもなく欲情してしまっている自分自身が理解できなかった。
[newpage]
先ほどまで、鳴き声が聴覚に凄まじい快楽を与えていたが、今度は嗅覚を通じて言語を絶する快感を生じさせられている。
天国に香りがあるとしたらそれはこういう香りなのだろうか……? などと愚にもつかない考えが脳裏をよぎるくらい。
匂いの発生源に密着して存分に嗅ぎたいという欲求とともに、直に嗅いだら狂ってしまうかも知れないという畏怖の感情すら芽生えるほど。
待て、おかしい、どうかしている。
だってオス豚だぞ? 豚のペニスだぞ? 僕は男色家ですらなく、いやそれ以前に相手は人間ですらない。
そんなお美し醜いオス豚さまの芳しい臭そうな下品な高貴なるペニスなんて嗅ぎたい嗅ぎたい舐めしゃぶりたい一滴残さず飲みたい食欲と性欲両方満たしたいお腹の中ザーメンでいっぱいにして欲し……
「ブヒィ!? ブヒッ……!」
嫌だ! 嫌だ、おかしくなる! 逃げたい、逃げたい……のに、ペニスから、豚農夫から目が離せない、鼻先を逸らせない……
半端に人間に化けつつ正体を現したその豚獣人の肉体は人間とかけ離れた不均衡さで不自然で、チンポだって人間より何か捻じ曲がったようなフォルムで、立派で、素晴らし……
「ブハハァ、もう心まで豚になってるような感じじゃねぇか。コレが欲しいんだろ? コレに犯されたいんだろ?」
言いつつ近付いてくる豚農夫に対し、僕の身体は四つん這いの姿勢をとる……四つん這いの姿勢をとって動かなくなる。なんで、どうして? 逃げたり飛び掛かって反撃したりしたいはずなのに……!
「ブヒヒ! もう肉体が犯されたがってんだなぁ。身体が犯される準備をしてんだなぁ。まだ一回しか射精してないってのに。そう、まだ人間性が全部抜けきったわけじゃねぇぞ? まだ人間に戻れるかも知れねぇぞ? 親切で物好きな化け豚が戻してくれるかも……いや射精したの一回だけなら一年も経てば自然回復するか? まぁでも、何度も何度も射精しちゃったら、なぁ?」
下腹がやたらキュンキュン疼いて動けずにいる僕の後ろに豚農夫が回り、僕のデカく肥大した豚尻に手を添えて、腰を押し付け始める。
オス豚に犯されそうになっているという事態に僕は絶望しつつあるが、同時に豚農夫が言った言葉にわずかな希望も抱く。
そうだ、これ以上射精しなければいいんだ。そうすれば人間に戻れる目がある。
そうとも、僕は男色家じゃないし、経験の無い尻をやられたところで射精するどころか感じすらしないだろう。豚農夫は乱暴そうだし、相手を感じさせるテクニックがあるとも思えない。むしろここは痛みに耐える覚悟をするくらいでちょうどいいのではないか……
「よっ、と」
ズン
前戯もなく、何か大きいものが自分の中に入ってくる重い感覚があった。
「オ゛、ブゴッ」
ぶびゅっ、どぴゅるるっ、どぴゅっ
それだけで自分が射精してしまった、ということに気付くのに、体感で数秒かかった。
とんでもない絶望や認めたくないほどの大事故が唐突に起こった時に思考が空白になるように、自分の頭の中ですべてが停止していた。
「……? ブヒッ!? ギュイッ、ブ、ピギュィィイイイッ!?」
認識してしまった次の瞬間、何もかもを破壊するような快感の渦が訪れる。
死ぬ。イキ死ぬ。狂う。壊れる。
射精してしまったことを悔やむ? 変化がさらに進み人間に戻れなくなることを恐怖する? そんな余裕すらない。
人間性を奪われるまでもなく、こんなことをされたら頭がおかしくなる。何も考えられない。
精液と一緒に何か大切なものが……僕を僕にしていた大事なものが溢れて漏れ出て流れ出していくような感覚、確かにあるけど、だから何。
イってる、イってるから、やめて、気持ちいいけど、気持ちよすぎるから、気持ちよくてやだから、気持ちよくしないで、やめて、やめないで。
そんな言葉としてまとまらない、強いて言えば「助けて」の声も、豚の鳴き声としてしか発声されない。
「鳴き声も気持ちいい肉体にされてるんだし、鳴くとさらに気持ちよくなってますますイキ狂っちゃうから、せめて声を抑えよう」という思考もできずに鳴き叫ぶ。
「ブヒヒッ! おっここも変わって来たな……よし、仕上げだ!」
と、何かを掴まれて、その感覚も尋常ならざる快楽で……
プツン
とその後の記憶が無い。
掴まれたその箇所の名前を何と言うのかとか、もはや言葉という概念すらその時の僕は一時的に忘れていて、
尻尾だった。
と気付いたのは、しばらく後になってからである。
[newpage]
「ブヒヒッ! もうすっかり豚だな!」
あれから数日だか、数か月だか……もう時間の感覚もハッキリしない。
豚農夫の嘲笑どおり、もう僕の姿から人間としての面影はほぼ失われている。かろうじてヨタヨタと二足歩行できる骨格が残っている程度だが、豚に寄り過ぎていて、ここまで来ると獣人というよりそういうモンスターか何かのようだった。
化け慣れていて手足を使って作業している豚農夫の方がよほど人間らしい。
「もし仮に『助けてください! 悪い豚のバケモノに襲われて、豚のような姿にされてしまったんです!』と人間に言ったとして、俺とオマエ、どっちが『豚にされた人間』でどっちが『豚のバケモノ』と思われるだろうなぁ? ブヒーッヒッヒィ!」
涙目で豚農夫をにらみつける……それだけしかできない。もうあんな次元の違う快楽とともに調教された僕の心身は、豚農夫に能動的に逆らう能力をもはや完全に喪失している。
屈辱や嫌悪を感じながら、しかし身体は犬が芸でする「チンチンのポーズ」のような姿勢のまま動けない。文字通りチンチン(すっかり豚の細長く捻じ曲がったモノになってしまった)をさらけ出しながら。
そもそもこうやって嫌悪の情を持ったりマトモな思考できてたりするのも、豚農夫の戯れで一時的に人間だった頃の記憶を強められてるだけに過ぎなくて……そしてその人間モードのスイッチも、そろそろオフにされてしまう時間が迫っていた。
「その嫌がったり恥ずかしがったりする顔がたまんねぇなぁブヘヘ!」
豚農夫が顔を近付けてくる。やめろ、嫌だ、またあんなことを、もう、嫌、お願い、心まで、豚になんて、なりたくな……!
ブヂュゥウウウウウッ!
互いの豚鼻も重ね合わせて吐息を吹き込みながらの熱烈なキスをスイッチとして、理性的な思考が一気に薄れていく。
頭の中が、豚の鳴き声ばかりで埋め尽くされて、人間の……言葉も……わからなく……
[newpage]
「ンゴッ! むゴォ! れろ、むぢゅっ、ぺろぺろ……ブフゥー」
「ブハハ! 切り替えた途端にこれだ。今日もまた美味そうにしゃぶりつきやがる。すっかり大喜びで豚チンポしゃぶるエロ豚になりやがって! ほんと資質があったぜ! 口も尻も具合いいしなぁ。人間性が枯れ果てるまで搾り尽くした後も、俺の個人的ペットとして可愛がってやるとするかね。ブヒヒィーッ!」
おわり