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[chapter:拒絶された任務]
季節は秋。
待機所に向かうバルジはタブレットを持って肩を落としていた。
「はぁ……全く。ローレンスの奴、厄介な任務を押しつけよって…」
それは、30分前の司令長室でのこと。
「突然ですまないが、君たちシリウス小隊に潜入任務を依頼したい」
出されたコーヒーを啜っていると、藤堂からの言葉に気の抜けたように答えた。
「本当に突然ですね…まずは内容を聞かせていただけますか?」
「今回の任務は、明日に運行される特別列車861号に潜入し、行方不明者の捜索を行って欲しい」
「特別列車861号…あの毎年ハロウィンイベントで運行している列車ですか?」
「あぁ、かれこれ5年目を迎えるのだが毎年行方不明が4名ずつ発生している」
予想外に被害が出ていることにバルジは苦言をする。
「そこまで把握をしておいて、何故今まで放置していたのですか?」
「この特別列車861号の運行にはある深窓の令嬢が関与している」
「深窓の令嬢?つまり多大なお金が動いていると」
「その通りだ。管理局としては大事にすることができなかった」
「随分と命を軽んじたことですね。毎年4人という事は、5年で20人。放置していていい数ではないです」
「お前の言うことも分かる。私も同意見だ」
「はぁ…それで、その行方不明者はどこに居ると思われているのですか?」
「恐らく、魔女の館だ」
「魔女の館?」
「この特別列車861号は車内でイベントが行われたのち、選ばれた数人だけ令嬢所有の惑星メーデイアにある魔女の館に招待される」
「その選ばれし者達が行方不明になったと?」
「あぁ。ただ全員ではないがな」
藤堂の最後の台詞に疑問を感じ、頭を傾げた。
「ならば…その戻された者から事情を確認しては?」
「それができれば苦労しない」
「どういう意味です?」
「館から帰った者達は全員が館での記憶を消している。その上、生存者の所在も記録をしておらんから、連絡もできん」
「え?!本当ですか?」
「あぁ」
「そんな危険なイベントでよく毎年参加者がいますね」
「もともとハロウィンイベントの参加者共だ。スリルを味わえると好評らしい」
「笑えない遊びですね」
「全くだ」
二人で変な納得をして、バルジは話を整理した。
「要するに、我々はその特別列車861号に乗車し、イベントで選ばれし者達となり館内を調査しろと」
「その通りだ。理解が早くて助かるぞ」
「ですが、そういう探偵じみたことは宇宙警察にでも依頼した方がいいのではありませんか?」
「管理局上層部の決定だ。あくまで内密に調査をして欲しいとな」
「内密に…か」
(恐らく相当貢がれているな。相変わらず勝手な連中だ)
「しかし、指令にしては珍しい判断ですね。てっきりケフェウスあたりに依頼をすると思いました」
「本当はケフェウスに依頼をしていたのだが、断られてしまってな。それで君に相談をしたのだ」
意外な返答にバルジはコーヒーを啜るのをやめて再度聞き直した。
「ちょっと待ってください。あのローレンスが任務を断ったのですか?」
「ん?あぁ。何度か頭を下げたがキッパリと拒否されたよ」
藤堂の話を聞いて、バルジの内心では一気に雲行きが悪くなった。
その心の影が判明する前に疑惑の目を向けた。
「司令……何か他に隠していることありませんか?」
「何故…そう思う?」
「あの任務完璧主義のローレンスが断るということは何かしら理由があるはずです」
何か隠し事があると確信して追及すると、藤堂は観念したように笑みを溢す。
「はぁ……全く。二人とも察しがいいことだな。その洞察力には頭が上がらんよ」
「褒められても何も出ません。早く教えてください」
「はぁ…実はな…」
先程の話を思い出していると、あっという間にシリウス待機所前に到着をする。
(さて…あいつらはなんと反論してくるか…)
苦悩を抱えたまま意を決して扉を開くと、机の中央に大きなオレンジ色の置物が見えた。
「ん?これは……」
思わずその置物を直視して茫然としていると、有紀が笑顔で出迎えた。
「あ!バルジ隊長、お帰りなさい」
「あ?あぁ……」
「隊長?どうされたのですか?」
未だに茫然としている姿を見た有紀が不思議そうにしていると、指を指して確認をした。
「有紀、その机の上にある置物は……」
「え?あ~これですか。さっきルイが持ってきたんですよ」
「もうじきハロウィンなので、少しでも雰囲気を出そうかなと思いまして」
「こうでもしねぇと職業病で季節感覚がなくなりますしね」
陽気に話す有紀、ルイ、デイビットだったが、バルジの心情はその真逆だった。
「雰囲気を作ることは悪いことだとは思わんが…ルイ、お前はそれが何か知っているのか?」
「え?なにって……カボチャのお化けですけど」
「隊長、それ以外になにがあるんっすか?」
「何か……問題があるのですか?」
意味を知らなさそうな顔でぼやいているルイ、デイビット、有紀を見て、あまりの間抜けぶりに頭を抱えた。
「はぁ……お前ら無知にも程があるぞ」
「え?無知って…」
「なんか…すげぇ馬鹿にされているような…」
「隊長、どういう意味ですか?」
「それは『ジャック・オー・ランタン』と言ってな。悪党がさまよう幽霊になったものだぞ」
「「「え?!」」
「そうなんですか?」
「嘘?!ただのカボチャのお化けじゃないの?!」
「で、でもなんで『ジャック・オー・ランタン』って言うんです?」
「諸説ではあるが、昔、大酒飲みの乱暴者で嘘つきのジャックという悪人がいたそうだ。ある日、悪魔に魂を取られそうになったが、騙して「魂は取らない」と約束させた。その約束で亡くなった後も地獄にも行くことはないが、生きている時の罪で、天国に行くこともできん。行く当てのない魂をカボチャのランタンに入れ、この世をさまよい続けているという伝説だ」
「「「へぇ~~~」」」
説明を聞いて茫然とした一同から間抜けな声が漏れると、デイビットがぼやいた。
「隊長……よくそんな雑学を知ってますね」
「以前、ローレンスにイベントへの無関心を馬鹿にされたからな。暇なときに知識として読んでいただけだ」
「はぁ…そうっすか」
(ローレンス隊長に馬鹿にされて相当悔しかったんだな…)
(隊長って意外と負けず嫌いよね…)
(てか、そんな細かい雑学まで知っている奴の方が少ないって)
シリウス一同が内心でぼやいていると、少々呆れ顔でルイが確認した。
「要するに……極悪を連想する物を待機所に飾るなということですか?」
「まぁ…そこまでは言わんが、飾るからにはある程度理解をしておけ」
「「「は~い」」」
「ところで隊長。そのタブレットは任務ですか?」
有紀が不思議そうにタブレットに指を指すと、任務の事を思い出した。
「あぁ…思わず忘れていた。藤堂司令からの依頼だ。一同ミーティングルームに集合してくれ」
「「「了解」」」
その後、気持ちを切り替えてシリウス一同はミーティングルームへ向かった。
ミーティングルームに移動をすると、バルジが今回のミッションデータを説明した。
「では、これより今回の任務について説明をする。藤堂司令からの重要任務の為よく聞いてくれ」
バルジの覇気を纏った一言で一同が真剣な姿勢で構えた。
「今回の任務は、5年前から運行をしている特別列車861号を利用して失踪した行方不明者20名の捜索並びに調査だ。乗車日は明日10月31日。我々は乗客に紛れてディスティニー駅16:00発特別列車861号に乗車。イベント内のミッションにクリアをし、終点である惑星メーデイアの通称『魔女の館』へ侵入。行方不明者の捜索を行う。何か質問は?」
大まかに説明をするとルイが手を上げて質問した。
「あの!質問よろしいですか?」
「なんだ、ルイ」
「どうしてその『魔女の館』を直接捜査しないのですか?」
「管理局上層部からなるべく内密にと通達が来ている。その為、我々がSDFと知られる訳にもいかん」
管理局上層部の話を聞いたデイビットは嫌みったらしく苦言をする。
「内密にって…どんだけ弱みを握られてるんっすか!」
「さぁな。上層部の考える事は我々では理解はできん」
「そりゃそうっすけど。でももし本当に魔女の館内で行方不明者がいた場合はどうするんですか?」
「行方不明者の安全を確保したのち、令嬢は誘拐容疑で逮捕となる」
「けど、そんな大人数を誘拐しているとすると、すげぇ凶悪犯ですよ」
「その通りだ。だから今回は武器の所持も許可されている」
「けっ!なんともまぁ勝手な連中ですね」
「はは、確かにな。他に質問は?」
怒濤の追及に苦笑をしていると今度は有紀が質問を投げかけた。
「あの…説明内の『イベント内のミッションにクリア』って、どういう意味ですか?」
「あぁ……そのことか。正直そこが大きな問題点だ」
「と、言いますと?」
「この魔女の館に入るには、列車内でのイベントのミッションに挑戦をして令嬢に選ばれし者達だけが館に招待をされるそうだ」
「え?!そんなの…令嬢に選ばれなかったらどうするんです?」
「その場合は我々の任務はそこまでだ。魔女の館への潜入捜査は断念して、しばらく傍観したのちに行方不明者が出た時点で、ケフェウス小隊が館への強硬手段に出るそうだ」
「強硬手段って…そんなことをしたら、人質が殺されちゃうかもしれないじゃないですか?!」
「あぁ、管理局にとって最悪のシナリオだ。それだけに我々の責任は重い」
「そんな…」
「マジかよ」
「嘘…」
予想以上の責任の重さに、シリウス一同が肩を落とすと、気に掛けるように微笑んで補足をいれた。
「そう気を落とすな。そもそもこんな事態になっているのは上層部の責任だ。失敗してもすべてが我々の責任にはならん。我々はいつも通りに最善を尽くして任務を遂行したらいい」
「バルジ隊長…」
「そうね、多分なんとかなるわよ」
「だな。ところでそのミッションっていうのはどんな内容なんです?」
少し安堵したデイビットが軽い気持ちで尋ねると淡泊に答えた。
「知らん」
「「「はぁ?!」」」
意外なセルフに驚いて目を白黒させていると、困ったように説明をした。
「どうも、そのミッションは毎年令嬢の気まぐれで変わるらしい」
「え?!そうなんですか?」
「令嬢の気まぐれって…適当すぎでしょ!」
「つうか、それじゃなおのこと無理じゃないですか?!」
「恐らく…その心配はいらん」
一同が無理と判断する中でのバルジの発言に有紀が思わず確認をする。
「心配いらないって、なにか根拠でもあるのですか?」
「俺の推測では、ミッションそのものに意味があまりないと言うことだ」
「「「ん???」」」
バルジの推測に一同が同時に首を傾げると、自身の仮説について解説を始めた。
「館に招待するかを最終的に判断するのは、館の主である令嬢だ。ミッションの内容を参考にはしているだろうが、毎年飛び抜けで選定されている傾向もある」
話を聞いて一同がお互いに顔を合わせると、ルイが確認した。
「それってつまり…令嬢の好みってことですか?」
「そうだ。そしてその好みにはある共通点がある」
「それはなんですか?」
「それがこれだ」
バルジは説明後、モニターにリストを表示した。
【選定者職業リスト】
・5年前…学者、医者、操縦士、科学者、執事
・4年前…教授、プロガンマン、執事、女優、歌姫
・3年前…執事、学者、操縦士、スポーツマン、指揮官
・2年前…軍人、執事、教授、女優、科学者
・1年前…操縦士、学者、執事、保安官、官僚
リストを一通りみて、デイビットとルイが感想を述べた。
「これまた……蒼々たるメンバーですね」
「本当…やっぱりそれだけミッションが難しいのかしら」
二人がぼやいている中、リストを見た有紀があることに気が付いた。
「………あれ?」
「どうしたの、有紀くん?」
「なんか…行方不明者と人数が合わないような…」
「え?」
有紀の発言でルイが数えて見ると確かに数が合わない。
「本当ね。毎年4人の行方不明者に対して、一人ずつ多いわ」
「隊長、これはどういうことですか?」
「あぁ…これか。毎年の選定者全員が行方不明者になっている訳ではないということだ」
「つまり……無事に帰れた人もいるってことですか?」
「そうだ」
二人の会話を聞いていたデイビットがある提案をした。
「だったら、その逃げ奴に事情を聞けばいいじゃないっすか?」
「俺もそう思ったのが、どうやら館から逃げられた乗客は館での記憶を消しているらしい」
「え?!それってかなりヤバくないっすか?」
「そうだな。どんな方法かは分からんが、我々も潜入したら用心しなければならん」
「用心って……そんな適当すぎでしょ」
「それは上層部に言ってくれ」
あまりに無責任な発言に文句を言っていると、有紀が話を戻した。
「それで…さっきの話ですけど、このリストの何処に共通点があるのですか?」
「あぁ…その話だったな。共通点は彼らが才ある者達と言うことだ」
「つまり、天才や実力者を選んでいると?」
「そういうことだ」
「でも、それだと益々望み薄じゃないですか?」
「何を言っている?お前らの実力を考えれば、俺が令嬢なら必ずピックアップするぞ」
「そりゃ~SDFとしての自信はありますけど、今回は内密ですよ?」
「別にSDFという必要はない。デイビットは操縦士。ルイは女優。有紀はプロガンマンで登録をすれば済むことだろ?」
「「「あ~なるほど」」」
「ちなみに隊長は?」
「俺か?俺は保安官だ」
「そのまんまじゃねぇですか?!」
「デイビットに言われる筋合いはない」
「「「確かに」」」
一同が変な納得をしていると、バルジが再度忠告した。
「だが、そうは言っても可能性がゼロではない。投げかけられたミッションには真剣に取り組んでくれ」
「「「了解」」」
一同が任務について理解をすると、ルイがずっと気になっていた疑問を投げかけた。
「ところで、さっきケフェウス小隊の話がありましたけど、なんで今回の作戦に介入しないのですか?」
「そういえばそうだな。少しでも人数増やした方が選定者の確率も上がるのによ」
「何か…参加出来ない理由でもあるのですか?」
一同の疑問の声にバルジは呆れながら答えた。
「あぁ…そのことか。実は今回の件、元はケフェウス小隊に依頼したものだ。だがそれをローレンスが蹴った」
「「「蹴った?!」」」
「なんでまた…」
「あの完璧主義のローレンス隊長が任務を蹴るって事は…」
「まだ何かあるんですか?」
デイビット・ルイ・有紀が疑惑の目を向けると、観念したように正直に返答した。
「ローレンスが断った理由は、この特別列車861号にある」
「と言いますと?」
「この特別列車861号は別名ハロウィン列車と言われていて、乗客はハロウィン仮装をするのがルールだ」
「「「ハロウィン仮装?!」」」
「つまり…あのオオカミ男とかミイラ男みたいな格好をしないといけないって事ですか?」
「そういうことだ」
「そんな…子供じゃありませんし…」
「なるほどな。そりゃ断るわけだ」
「よく了承しましたね?」
「俺も断りたかったが、人質の事を考慮すると他の小隊では実力不足の可能性もある。仕方がないだろ」
「いや…実力不足って。俺たちもそこまでですし…」
「どうせいつもみたいに藤堂指令に押し込まれたのでしょ」
「隊長ってこういう押しに弱ぇからな…」
有紀・ルイ・デイビットが呆れていると、改めて告げる。
「と、ともかく事の重大は変わらん。必ず行方不明者を見つけ出す。いいな」
「「「了解」」」
「それで、隊長。俺たちはどんな服装をすりゃいいんですか?」
「それについては、明日プロに依頼してある」
「「「プロ???」」」
「まぁ…そこそこで期待をしておけ」
バルジの言葉に若干不信感を感じたが、一同はそれ以上何も言えなかった。
[newpage][chapter:仮装実施]
翌日。
特別列車861号乗車の前に、シリウス小隊はミーティングルームで最終確認をしていた。
「それでは、以上でミッションの再確認は終了だ。総員、これより仮装を行う」
「はぁ…やっぱりやるんですね」
「ちょっと恥ずかしいな…」
「そんで、一体どんなプロを呼んだんですか?」
「焦らなくても時機に来る」
バルジがぶっきらぼうに返答すると、ドアのノック音がした。
コンコン
「どうぞ」
扉が開くとそこには衣装道具を持ったスピカ小隊がいた。
「お待たせ。準備できたわよ」
「忙しいところすまんな、ジュリア」
バルジの依頼先を知ったシリウス一同は怒りの声を上げた。
「ちょ、ちょっとバルジ隊長!なんでスピカ小隊なんですか?」
「そうです!」
「俺たちを実験台にでもする気ですか?!」
「お前達何をそんなに驚いている。仮装と言えば、化粧などもあるだろ?それに情報分析のスペシャリストのスピカならこれ以上にないくらい適任ではないか?」
(((いや、俺たち(私たち)が言いたいのはそこじゃないです!!)))
げっそり肩を落とすシリウス一同。
「安心して、ちゃんと似合うように調べてきたから」
「こう見えて結構メイクとか得意よ」
「私たちを信じてちょうだい」
マギー・シェリー・愛が嬉しそうに構えている。
「だそうだ。時間もない。すぐにやるぞ」
「「「了解…」」」
こうして、気乗りがしないまま仮装が始まった。
数分後…
「うわ~有紀さん似合いますね!」
「はぁ…それはどうも」
愛の頑張りにより、有紀はオオカミ男に仮装した。
「でも、なんで俺はオオカミ男なんですか?」
「だって、その癖っ毛を考えたらそれしか思い浮かばなかったのだもの」
「そうですか…」
少し残念そうな表情の有紀を横に今度はデイビットの仮装が完了した。
「はい!デイビットも完成っと」
「ちょっと待てよ!なんで俺は海賊なんだよ!!」
「だって、顔が色黒だしそれっぽいじゃない」
「色黒って…そりゃ差別だろ!」
「いいえ。適材適所って言ってちょうだい」
マギーの手引きで海賊に仮装したデイビットは何処か不満な表情をしていた。
そんな中、シェリーに仮装をしてもらっているルイは自分の姿に見とれていた。
「へぇ~なんかいい感じ」
「でしょ!やっぱりルイちゃんは魔女っこがお似合いね」
ルイは黒のミニスカートの魔女に仮装をしていた。
その様子をみて、デイビットと有紀が静かに話を始めた。
『なぁ学。アレどう思う?』
『どうって…可愛いと思うけど』
『そうじゃなくて、なんの意図もなく魔女にするか?』
『どういう意味だよ?』
『ありゃ絶対に悪魔的な意味を込めてのことだと俺は思うぜ』
『そう言われるとそうかも…』
二人が呆然と眺めていると、仮装を終えたバルジが声を掛けた。
「お前達、仮装は完了したか?」
デイビットと有紀が振り向くと、タキシードに黒のマント姿に加え、青色の瞳をカラーコンタクトで赤に変えたバルジが立っていた。
「隊長はなんの仮装ですか?」
「見た感じあんまり変わっていないような気がしますけど?」
「何って、どう見てもドラキュラだろ」
「「ドラキュラ?!」」
二人の気の抜けた声に答えるように歯を見せると、鋭い歯が付いていた。
「ほらな」
「本当だ…てか、ずるいですよ!ほぼ普段と変わらないじゃないですか?!」
「さてはジュリア隊長に何か貢いだりしたんですか?!」
「何を下らないことを言っている。時間がない、このままで行くぞ」
さらっと流すバルジに有紀とデイビットが納得をしないまま、シリウス一同は特別列車861号に乗車をした。
【次回予告】VOICE 有紀
特別列車861号 別名ハロウィン列車に乗車した俺たち。
車内でついにイベントが開催された
「隊長…俺…クリア出来る自信がありません…」
次回 『ハロウィン失踪事件 列車編』
俺たちは次の駅で誰かに試される。
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