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「ねえにこちゃん、私の正体知ってるんでしょ?」
「正体? 何の事だい?」
ねこちゃんはにこちゃんにこんな事を言いました。
(猫少女の事か、アグレッシブ発作の事か、ここちゃんの事か、それとも彼女がねここちゃんの生まれ変わりである事か……どれだろう?)
にこちゃん自身もねこちゃんがどの事を言っているのか、判別が付かないようです。
「私が猫少女ここねだと言う事。知ってるんだよね?」
「その事かい? 勿論、知ってるよ」
「猫少女同士なら正体をバラしても大丈夫……もしそれが本当なら、私はにこちゃんに正体を打ち明けようと思う」
「打ち明ける? 僕に今言ったじゃないか」
「違う、惚けないで。人間の……私のお姉ちゃんのにこちゃんに」
ねこちゃんは自分のお姉ちゃんに猫少女の事を打ち明ける、と言います。
「君は僕が自分のお姉さん、だと思っているのかい?」
「うん、妹舐めないでよ? 他の皆は誤魔化せたとしても……私の目は誤魔化せない」
「僕は生まれにしての猫少女だよ。一体いつ誰が猫少女は皆人間が変身している、と決めたんだい?」
「そんな事は知らない。私はただ、お姉ちゃんが猫少女のにこちゃんだと確信している。それだけの事だから」
「もし間違っていたらどうする? ここねちゃん、一生猫少女のまま戻れなくなるよ?」
「分かってる。猫少女以外に正体がバレたら、二度と元の姿に戻れなくなる……でも大丈夫。私、絶対にあなたがお姉ちゃんだと確信しているから」
「どうしてそこまでして僕を疑うんだい?」
そんなやり取りをしていると、学園の方から……。
『キーンコーンカーンコーン』
「予鈴が鳴っちゃったね。にこちゃん、どうする? 早くしないとにこちゃんも学園に遅刻しちゃうよ?」
にこちゃんはねこちゃんの目から強い意思を感じて……やれやれ、と言いたそうな仕草を見せます。
「僕はどうなっても知らないよ? 魔法猫少女、解除」
ねこちゃんの強い意思を受けて、にこちゃんは変身解除の呪文を唱えました。
「やっぱりにこちゃん、私のお姉ちゃん……」
「あれぇ、ねこちゃんこんな所でどうしたのぉ? 早くしないと学園、遅れちゃうよぉ?」
「……ねえ、ふざけてるの? にこちゃん」
「んん? ふざけてるってぇ、何の事ぉ? 僕も良く分からないんだけどぉ、何かさっき予鈴聞こえたよねぇ。学園、急ごうよぉ」
「……う、うん? とりあえず行こうかー、にこちゃん」
変身を解いた途端、急に様子が一変したにこちゃん。
一変と言うより、ねこちゃんも良く知っているいつものにこちゃんになった、と言う感じです。
「とりあえずこの場は学園へ急がないと。でも何だろう、にこちゃん……ふざけている感じもしない?」
「んー、何の事なのぉ? 僕、良く分からないよぉ」
「にこちゃん、今日お昼を食べたら屋上へ来られるかな? 私、ちょっとお話したい事があるんだー」
「うん、いいよぉ。お話って何だろぉ?」
「にこちゃん、体弱いから無理はしないでね? 来られたらでいいからねー。一応私、待ってるからー」
「はーい」
ねこちゃんは改めてお昼休みににこちゃんと会う、と約束をしました。
[newpage]
そしてお昼休み、ランチタイムを早く終えたねこちゃんは屋上でにこちゃんと落ち合います。
「ねこちゃんー、お話ってぇ?」
「にこちゃん、体弱いのに屋上へ呼び出してごめんね。大事なお話なんだ」
「大事なお話ぃ? 何だろぉ?」
ねこちゃんは早速、本題を切り出しました。
「にこちゃん、魔法猫少女だよね?」
「魔法猫少女ぉ? 何それぇ?」
「これだよ。魔法猫少女ー、始動だよー」
ねこちゃんは呪文を唱え、人間のにこちゃんの前で変身して見せました。
「……確かに私、猫少女のにこちゃんが変身を解くのを見た。でも本当ににこちゃん、惚けてる感じがしないし……本当に、本当に分からないの?」
「ねこちゃん、何……これぇ!? 一体何がどうなってるのぉ!?」
「もしかして……にこちゃんも、私と同じなの? 私と姉妹だし……」
ねこちゃんは何かに気付いたようで……。
「にこ……二個目の人格なの?」
「魔法猫少女ぉ、始動ー」
「にこちゃん……?」
「ここねちゃん、ご名答だよ」
「やっぱりそう……なの?」
にこちゃんはねこちゃんが気付いたと悟ったようで、変身をすると自ら説明を始めました。
「僕は生まれにしての魔法猫少女、こっちが本体さ。人間のにこちゃんは人間界に溶け込む仮の姿……二個目の人格さ」
「二個目の人格……となると、人間のにこちゃんは猫少女の方の事を知らないの?」
「うん、僕の意思で人間側と完全に人格を切り離している。でも僕側は人間態の時の記憶も持っている」
「何でそんな事を……?」
「僕は猫少女のステッキを失ってしまった。だから普段は魔力を温存しておきたい。それで人間態の時は男として人格を切り離す事で、魔力を温存してるんだ」
「そういう事だったのね……あなたは、本当に女の子なの?」
「疑うなら直接見てみるかい?」
「……いい。何だか反応的に本当なのかなって思ったから。でもじゃあ何で、人間時は男の娘なの?」
「僕が元々女の子だから、恐らくその要素が入り込んでしまって男の娘、と言う形で現れたのだと思う」
それに対してねこちゃんは……。
「もしかしてそれ、私のせいでもある?」
「かもね。可愛い可愛いって、人間の僕をまるで着せ替え人形みたいにして、女の子の服ばかり着せたものね、男の娘に仕立て上げた要因ではあるかも」
「……何かごめんね」
ねこちゃんは一応謝っておきました。
「別にいいさ、元々本体の僕は女の子なんだし。人間時も女の子気分で居れる方が都合も良いから」
「にこちゃんが別人格となると……屋上からたまちゃんを飛び降りさせたのは、私の知っているお姉ちゃんのにこちゃんではないのね?」
「そうさ。だけど僕もたまちゃんを飛び降りさせてはいないよ」
「私は……にこちゃんがやったとしか考えられない。だからずっと疑ってた。お姉ちゃんがまさか猫殺しなんじゃないかって……じゃあ誰? 誰がやったの?」
「少なくとも僕はやってないさ。でも安心して。僕はここねちゃんの敵ではない。これだけははっきり言っておくよ」
「何で急にそんな事を? 敵も味方も関係無いみたいな事を言っておいて……」
「それはその、あまり疑いばかり掛けられても良いとは思えないからさ。君もしっかり聞いたよね? 僕は敵ではないよ」
にこちゃんは屋上入り口の方へ目を向けました。
「みおちゃん!? ずっと居たの!?」
「うん、ここねちゃんの様子が少しおかしかったから心配で……結構最初の方から。勝手に着いて来ちゃった、ごめん……」
「僕の正体の事も、聞いてたよね? みおちゃんに聞かれている、と分かってるつもりで言ったけど」
「うん、にこちゃんが猫少女のにこちゃんだったなんてね。人間が変身しているとは限らない、ってそういう事だったんだ。人間のにこちゃんは何も知らない、と」
「そうだね。みおちゃんも、目に見えない真実が段々見えてきたんじゃないかな」
「ねえ、にこちゃんのいつも言っている目に見えない真実、って?」
「うん、私もそれが何の事なのやら……敵ではないなら、教えてくれてもいいんじゃないの? 本当にたまちゃんを飛び降りさせてないならば、尚更……」
にこちゃんは少し考えましたが……。
「君達は本当の事を言ったところで、素直に信じるかい?」
「え、みおは……内容にもよる、かな」
「私は……分からない」
「そっか、ならば自身で知る方がいいと思うよ。僕が言ってもきっと信じない、分かってる……うん、分かってるんだよ」
にこちゃんはそっぽを向いて、少し悲しげな表情をして言います。
「にこちゃん……何か知ってるの?」
「僕が知ってるのは真実のみさ。ただそれだけだよ」
「にこちゃんは何を知ってるの? 私、気になるんだけど……」
「もしもだよ。君達は身近に守りたい人が居たとして危険に晒されてたら、どうする?」
「みおは絶対に守りたい」
「私も。たまちゃんを絶対に守りたい、って思うもの」
「仮にその守りたい子が、どんな事情を抱えていたとしても?」
そう問い質されて、2人は少し間を置きましたが……。
「……うん、みおだったら絶対に守る。これだけは言い切れる」
「私は……うん、きっとそうすると思う」
「その子に殺されていたとしても? それでもここねちゃんはそうするかい?」
「え、何で私に振るの……? もしかしてそれ、私のもう1つの……ううん、何でもない」
みおちゃんはその点について普及はしなかったので、ここねちゃんの人格部分のやり取りは聞いていなかったようです。
「そういえばにこちゃん、みお、1つ聞きたい事があった。次に会ったら絶対に聞こう、と思ったの」
「うん、何だい?」
「できれば、ここねちゃんには席を外して欲しい……かも」
「え、私が聞いちゃいけない事なの? 私、大丈夫だよ」
「もしかしてみおちゃんは……目に見えない真実に気付き始めているのかな?」
にこちゃんは何かを察したようです。
「僕からもここねちゃんは席を外す事を勧めるよ。君自身を守る為にも……」
「何で? 私は聞いちゃダメなの?」
「……うん、まあいずれは分かる事だもの。聞きたいなら勝手にすればいいさ」
にこちゃんは少し諦め気味に言い、みおちゃんの質問を待ちます。
「みやちゃんが言ってたんだけど……たまちゃんは、悪の猫少女って」
「たまちゃんが!? 悪の猫少女!?」
それを聞いてここねちゃんは、物凄く驚きます。
「みおちゃん、何かの間違いじゃないの!?」
「いや、みおは……みやちゃんの言う事、信じられる気がするんだ。にこちゃんなら何か知ってるんじゃないかなって」
「……さあ、どうだろう」
にこちゃんは誤魔化しの曖昧な返答をします。
(今言ってしまっても……彼女の心を乱すだけかもしれない。ここで真実を言ってしまったって、どうせ……)
「何で誤魔化すの? にこちゃん、本当の事を知ってるんでしょ? ならば教えて。みお、きちんと聞くから」
「……ここねちゃんはどうする? 僕の言う事、聞いておく?」
「わ、私は……たまちゃんが悪の猫少女だなんて……そんなの、信じられない」
「じゃあもう1人のここねちゃん、いや……ねここちゃん、出ておいでよ。今なら出て来られるんじゃないかな?」
にこちゃんがそう言うと、ここねちゃんは一瞬脱力した様子になり……。
「……私、出て来れた。表に出て来られた」
「ここねちゃん……?」
「みおちゃん、その子はねここちゃんだよ」
「ねここ……ちゃん?」
みおちゃんは訳が分からなさそうです。
「久し振りだね、ねここちゃん。もしかして僕の事、ずっと恨んでたかい?」
「ううん、恨んではいないよー。だって悪いのは……奴だもの」
「そっか、ならば僕も安心したし少しは救われたよ」
「でも何で私、急に表に出て来られたんだろうー?」
「恐らく、ここねちゃんがたまちゃんの話を聞く事を拒否したから、だと思う。だからねここちゃんに人格を交代できたのだろうね」
「ここねちゃんも……二重人格だったの!?」
驚きを隠せないみおちゃんは、ついつい疑問をぶつけてしまいます。
「驚かせちゃってごめんねー。私、ねここって言うんだー。ここねちゃんはね……私の、生まれ変わりなの」
「ここねちゃんの……生まれ変わり? え、本当に!?」
「みおちゃんが驚くのも無理ないね。うん、彼女は生まれ変わりなんだよ」
驚くみおちゃんに対して、にこちゃんは説明を続けます。
「ねここちゃんはね、猫少女界側の子だったんだよ。でも奴に惨殺されて……それで、ここねちゃんとして生まれ変わったみたいなんだ」
「猫少女界? まさか……猫少女だけの世界が存在するの!?」
「そこに食いつくのはまあ、みおちゃんらしいけどさ……」
「うん、猫少女しか居ない世界。私、当時はみやちゃんやにこちゃん達に凄くお世話になったんだよー」
「みやちゃんやにこちゃん達に? え、じゃあみやちゃんも……猫少女界の子なの?」
「うん、みやちゃんは猫少女界における神的存在、伝説の魔法猫少女だよ。彼女は嘗て、猫少女界の平和を守っていたんだ」
「つまりみやちゃんは……やっぱり! 正義の魔法猫少女……となると、みやちゃんの言っていた事は」
「うん、正しいよ。彼女の言う事は信じていい。僕が保証する」
みおちゃんはどうやら、目に見えない真実に……辿り着いてしまったようです。
「となるとたまちゃんは……やっぱり、悪の猫少女なの?」
「たまちゃん……奴は、ねここちゃんを惨殺したんだ。でも僕は、何もできなくて……守れなかったんだ。彼女を……ずっと責任を感じていたんだ」
「にこちゃん、そうだったんだー……でも大丈夫だよー。私はここに居る。生まれ変わりとしてだけど、ちゃんとここに居るものー」
「ここねちゃん、じゃなくてねここちゃん……? が、たまちゃんに惨殺されたって……本当なの?」
「うん、たまちゃん……奴は、目的の為なら手段を択ばない。猫少女界に存在する機密機関でも特別指名手配されてた、極悪非道の魔法猫少女なのさ……」
「嘘、お兄ちゃんが……そんな」
「たまちゃんは一応、君のお兄さんなんだよね。みおちゃんはそれでも、彼女を守るかい?」
「みおは……お兄ちゃん、お兄ちゃん……大丈夫、落ち着くんだ、みお、大丈夫だから……」
「みおちゃん、少しは強くなったみたいだね。前は心が脆い子だとばかり思ってたけど。うん、良く耐えたよ」
みおちゃんは冷静に話を受け止めて、自分を落ち着かせながらしっかりと物事を判断しました。
「にこちゃん、でもそれおかしくないかな?」
「おかしい? 何がだい?」
「みおのお兄ちゃん、間違いなく人間だもの。でもたまちゃんは猫少女界に居た子? 何だかそれ、矛盾しているような」
「そうだよね、そう思うよね……ごめん、みおちゃん。本当にごめん……」
「何でにこちゃんが謝るの?」
にこちゃんは笑顔の能力を使い、たまちゃんをお兄ちゃんの魂と融合させてしまいました。
結果的ににこちゃんがこの状況を作り出してしまい、みおちゃんを笑顔にする為に……たまちゃんがお兄ちゃんに成り代わってしまったのです。
「話すとややこしくなるけど……ともかく、ごめん」
「もしかしてにこちゃん、人間の時にみおとお友達になった事とも……何か関係があるの?」
「たまちゃんからみおちゃんを守る為、僕はいつでもみおちゃんの傍に居なくちゃならなかったんだ。あと、ここねちゃんの傍にも」
にこちゃんがみおちゃんのお友達でもあり、ここねちゃんのお姉ちゃんにもなっていたのは……そういう訳だったようです。
「僕は傍に居るよ。大丈夫、僕は敵ではないから」
「うん、それについては分かった。みお、もうにこちゃんを疑う事はしない。みやちゃん側みたいだもの。でも……みお、たまちゃんを手放したくもない」
「みおちゃんならばそう言うんじゃないかな、と思ったよ。出来ればみおちゃんはこっち側に着けたかったけど……叶わないのかな」
「みおはたまちゃんを……お兄ちゃんを愛してる。ねここちゃんを惨殺したって言われても……信じられないもの」
「でもみおちゃん、私、本当にたまちゃんにー……」
「いいよ、ねここちゃん。そっか、みおちゃんは奴が完全覚醒してもそう言えるのかな」
「完全覚醒……?」
「奴の本当の姿さ」
みおちゃんはそう聞いて、少し冷や汗を流しましたが……。
「みおはもう迷わない。何があっても、みおはたまちゃんを守りたい。だって、お兄ちゃんへの愛は決して偽りじゃないから」
「うん、そっか……分かったよ。別に僕はみおちゃんに危害は加えない、これだけは約束する。でも、奴には……」
「にこちゃんは……たまちゃんをどうしたいの? やっぱり、倒そうとしているの……?」
「殺しはしないさ。ただ、常に警戒はしてるよ。僕は機密機関のメンバーとして、その勤めを果たすのみさ。万が一みおちゃんが危険な目に遭いそうなら、僕はみおちゃんを守る。それだけの事だよ」
「分かった、にこちゃんの目的が分かって……少し安心したよ。ねここちゃんがたまちゃんに惨殺された、と言うのは少し信じ難いけど……でも、みおはずっとたまちゃんと居続けたい」
「あの時、この屋上で……僕が余計な事をしなければ良かったのかな。ごめん……」
「この屋上で……? そういえば前も何だか、屋上に来た時に凄い違和感が……みお、やっぱりここで何かあったんだ。にこちゃん、きっと知っているんだよね?」
「うん、知ってるけど。僕は何も話す気はないよ。みおちゃんの意思をしっかり聞いたから」
「うん、分かった。みおが自分で真実に辿り着け、って事だね」
みおちゃんはにこちゃんの意図をすぐに呑み込んだようです。
「ねここちゃんはどうするの? 生まれ変わりがここねちゃん、なんだよね? それってつまり、自分を殺してしまったたまちゃんを……ここねちゃんが愛してる、と言う事なの?」
「うん、恐らく前世の私との因果関係なのかもしれないねー……このまま行ってしまったら、またここねちゃんがどうなるか……私、繰り返しちゃうのかもしれない……」
「僕もこれ以上犠牲を出したくないし、もう惨劇を繰り返したくなんてない……だから、奴を追って人間界にまでやって来たんだ」
「みお、たまちゃんをどうにかできないのかな……何かお兄ちゃんを止める方法は無いの?」
「一応、ある事はあるよ。奴が覚醒するのは、正義の心を完全に失った時。だからそれさえどうにかなれば……でも、そうなると今度はみやちゃんが……」
「何か複雑な事情でもあるんだね?」
「うん、まあ……だからややこしい事になっているんだ」
にこちゃんは難しい顔で考えながらも……。
「ともかく、みおちゃんの意思は分かったよ。しかし奴には気を付けて。いつ完全覚醒するか分からないから……」
「うん、頭に留めておくよ」
「ここねちゃんはどうすれば救えるものか……このままではまた繰り返してしまう。二度もたまちゃんに……」
「ここねちゃんは任せて。みおが守る。何かあっても大丈夫なように」
「そっか、今のみおちゃんならば任せられるかな。じゃあここねちゃんをお願いしてもいいかな」
「うん、任せて。たまちゃん……お兄ちゃんの事も、どうにか出来る手立てがあるなら、みおは何だってする」
「みおちゃんは強いんだねー。私も、前世の時にみおちゃんと出会えていれば……何かが変わっていたのかな……」
「さて、僕はそろそろ去るよ。奴の気配を感じたから……ねここちゃんも戻った方がいいよ」
「あ、にこちゃん……」
にこちゃんは屋上から飛び降り……。
「にこちゃん!? 飛び降りるの!?」
「僕は大丈夫さ、身体強化の能力をみやちゃんから与えて貰ったから」
にこちゃんはそう言って、屋上から一気に下へ行ってしまいました。
「みお、居たにゃ! 何処に行ったのかにゃと思って捜してたんだにゃ! ねこちゃんも一緒にゃったんにゃね」
「あ、たまちゃんー。ごめんねー、ちょっと用事があってねー……あれ、にこちゃんはー?」
(ここねちゃん、ねここちゃんだった時の記憶を覚えていない? にこちゃんみたいに人格が分離されているの?)
にこちゃんの目的、奴の事、ここねちゃんの秘密を知ってしまったみおちゃん。
それでもみおちゃんは……。
「お兄ちゃん、みおは絶対何があっても裏切らないからね。絶対、お兄ちゃんにはみおが着いてるから」
「え、一体にゃんの事だにゃ?」
「あ、みおちゃんずるーい。私だってたまちゃんを愛してるもんー。たまちゃんが悪な訳……ないよねー?」
「にゃにゃあ!? 急に抱き着いてきてどうしたんだにゃあー!?」
たまちゃんが「奴」として覚醒した時……果たして何が起こるのでしょうか?
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