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その14にゃん:正義と悪☆

  たまちゃんから「大事な何か」を吸い出したみやちゃん。

  それからと言うものの、2人の様子はまるで一転したかのようでした。

  「みやの大事な探し物、たまちゃんの中にまだ少し残ってる……早く取り戻さないと!」

  みやちゃんはたまちゃんの中にある「何か」を取り出したい、と考えているようです。

  しかしなかなか上手く行かず、色々思い出した事で力づくと言うのも気乗りせず、悩んでいました。

  「でも、どうしてたまちゃんの中に……何でなの? みや、その部分は思い出せない……」

  みやちゃんはきっと自分が何かをした、と言う事は分かっていました。

  でもあの時、一体何をしたのかまでは覚えていません。

  にゃあにゃあ学園に立てられていた守り神の像。

  その像に宿っていた、猫少女を見守る神……みやちゃん。

  彼女は全ての猫少女を守るべき存在なのです、だからこそ自分の事を自覚した今……力づく、と言う手段は取りたくないのです。

  奴に像を壊されてしまい、像の中で眠っていたみやちゃんは外へ放り出されました。

  その後何かしらあったようで、みやちゃんは自分の事を忘れたまま……人間態として、学園へ転入して来たのです。

  「みや、人間態で転入した理由って……両親の都合……良心の、都合?」

  みやちゃんは色々な事を思い出してきましたが、まだ断片的に思い出せない部分もあるようです。

  『ドカーン!』

  「わっ!? 危ないねー!?」

  「みやちゃん、勝負だにゃん!」

  「たまちゃん、ちょっと待って! きちんと校庭へ行ってからにしようよ!?」

  「問答無用だにゃん! 正義の魔法猫少女はあたしが倒すんだにゃん!」

  放課後の廊下、猫少女のたまちゃんはいきなりみやちゃんに奇襲を仕掛けます。

  「えいにゃん! えいにゃん! くたばれにゃん!」

  『ドォーン! ドカァーン!』

  「たまちゃん、ここじゃダメだって! 校舎内なんだから!」

  みやちゃんはバリアで防ぎつつ、たまちゃんに呼び掛けます。

  しかしたまちゃんはまるで聞く耳を持ちません。

  「たまちゃん! もう、何してるの!?」

  「みお、やっと来たかにゃん。正義の魔法猫少女をコテンパンにやっつけるんだにゃん!」

  「でもここ校舎内だよ!? やるにしても外へ出ないと」

  「あたしの知った事じゃにゃいにゃん! 正義は倒すのみにゃんだにゃ!」

  「本当にどうしちゃったの、たまちゃん……乱暴的だし、攻撃力もみおより上がってる感じするし……」

  みおちゃんでも制御が出来ない状態のたまちゃん。

  どうやらたまちゃんに何かしら異変が起きている、と言う事は間違いないようです。

  「たまちゃーん、加勢に来たよー」

  「ねこちゃん! バリアで援護を頼むんだにゃ!」

  「うん、任せてー」

  ねこちゃんはお得意の最強バリアを展開します。

  愛するたまちゃんを守る為、彼女の護衛は絶対に手を抜きません。

  「ここねちゃん! たまちゃんに手を貸さないで!」

  「みおちゃん、何でー? だって私、たまちゃんを守る為にここに居るんだものー」

  「そうだけど……ああもう! みやちゃん、後でみおがどうにかするから2人を吹っ飛ばしちゃって!」

  「えー、みや、あんまり乗り気じゃないんだけどな!?」

  「いいから! 早く! 被害が大きくなる前に!」

  最近はどうもたまちゃんが攻撃的で、こんな事ばかりなようです。

  見兼ねたみおちゃんは、何か考えがあるのでしょうか?

  「うーん、みおちゃんが何をしたいのか何となく分かるかな……分かった☆」

  みやちゃんはバリアで守りつつ魔法をチャージすると、たまちゃんとねこちゃんを確実に仕留める大きな一撃を放ちます。

  『ドォーン!』

  「にゃあっ!?」

  「わーっ!」

  みやちゃんの放った強力な魔法が、2人を直撃します。

  「これで良かったのかな……」

  みおちゃんは少し心配そうな様子です。

  「大丈夫、気絶する程度に調整したからね!?」

  衝撃波が治まると、たまちゃんとねこちゃんは倒れて気絶していました。

  ねこちゃんの最強バリアをも力を抜いた魔法で破ってしまうみやちゃん、彼女は本当に強い魔法が使えるみたいです。

  「で、みおちゃん、みやに聞きたいんだよね!?」

  「うん……最近、たまちゃんの様子があまりにも変で……それにみやちゃん、神を自称してたよね?」

  「うん、そうだよ? みや、猫少女達を見守る神だもん。証拠見せよっか!?」

  「いや、いいよ。何でかな、今のみやちゃんの言う事は信じられる……気がする。猫の言葉が分かる事も、たまちゃんを飛び降りから救った事も……神なら辻褄が合うもの」

  「そっかそっか、信じてくれるんだね☆」

  「みやちゃん、時々不思議に思う事もあるし。それも神だからなのかな?」

  2人が気絶している合間に、みおちゃんは話を進めます。

  「それでみやちゃん、たまちゃんに何が起こっているか分かる? みやちゃんなら知っているんじゃないかなって……」

  「えっとね、単刀直入に言っていい!?」

  「うん、その方がみおも助かるよ」

  「たまちゃん、悪の猫少女だよ」

  「え……お兄ちゃん、が!?」

  みおちゃんは動揺してしまったようで、ついついお兄ちゃんと口にしてしまいます。

  「そうだよね、たまちゃん、みおちゃんのお兄ちゃんなんだよね☆」

  「みやちゃんも知ってたの!?」

  「知ってたと言うより、思い出したって感じ?」

  「まあここねちゃんにも知られてるし、そこは誤魔化す必要無いかな……それで、お兄ちゃんが悪の猫少女ってどういう事!?」

  「たまちゃんの中の正義の力が弱くなってるの!」

  みやちゃんからそう聞いて、みおちゃんには心当たりがありました。

  「お兄ちゃんがおかしくなったのって、みやちゃんに倒されたあの日からだ……もしかして、みやちゃんがやったの!?」

  「うん、結果的に言えば……そうなっちゃうかな!?」

  「それってつまり、みやちゃんがお兄ちゃんの正義の力を奪った? そういえばお兄ちゃん、みやちゃんに正義の猫少女って言ってた……」

  「うん、そうだけど?」

  「何で、どうして!? みやちゃん、神なんでしょ!? 猫少女を守る神なんだよね!? じゃあどうして、お兄ちゃんの正義の力を……」

  「うーん、みや、わかんない☆」

  「本当に……? 嘘、付いてるよね? 何か言えない理由でもあるの?」

  みおちゃんは冷静に落ち着いて、みやちゃんの嘘を見破りました。

  「みや、面倒だから帰る☆」

  「あ、逃げるの!?」

  みやちゃんはみおちゃんを置いて行ってしまいました。

  「……言える訳ないよね、みおちゃんを守る為にも。少なくとも今は、まだその時じゃない……」

  どうやらみやちゃんは、やはり何かを知っているようです。

  「みやちゃん、待ってたよ」

  「にこちゃん。みおちゃん達の居ない所へ行こっか!?」

  「うん、そうだね」

  にこちゃんと合流したみやちゃんは、場所を屋上へ移します。

  [newpage]

  「この屋上も久し振りだな……」

  「にこちゃん、屋上で何かあったの!?」

  「みやちゃんはそこまで思い出してないのかい? あ、そうか。屋上の件、ちょうど像が壊されるのと同時くらいだったかな」

  「ここで何かあったんだね!?」

  「うん、そうさ。あれはみやちゃんが像を壊されて、外へ解き放たれた時とほぼ同時の出来事……」

  にこちゃんは色々と、みやちゃんに説明しました。

  「なるほどね、そういう事だったんだ☆」

  「うん、そうなんだ。それで間もなく奴が校舎方面へ逃走して、その後みやちゃんが……覚えているかい?」

  「みや、全然覚えてない☆」

  「どうもその辺りの記憶が抜け落ちてるんだね、もしかしたらみやちゃんにとって、1番重要かもしれない部分……だから、なのかな」

  「そうなのかな!?」

  「でも今思えばそんな強くない僕の力でもあの子を救えたのは、みやちゃんが開放されたから……だから僕でも、あの子を救える程の力を発揮できたのかな」

  「その時のみや、100%の状態だったの!?」

  「うん、そうだね。その後間もなく力を失ったけど」

  「みや、一体何をしたの!? どうして、大事な物を無くしちゃったの?」

  みやちゃんはにこちゃんなら知っている、と思ったようで問い掛けます。

  「その部分が欠けているなら、そこは自分自身で思い出した方がいいんじゃないのかな。きっと奴が現れる時、全部思い出すと思う」

  「うーん、そっか☆ それならいいや! どうすれば奴が現れるかも、分かってるし☆」

  「でもみちゃん、慎重にね。いつ奴を呼び起こすか……タイミングを良く見る必要があるよ」

  「分かってる、だってみやは……全ての猫少女を守るべき存在だから。誰も悲しませない……いや、誰1人不幸にしちゃダメなんだ」

  「それでこそ僕の知っているみやちゃんだ。まだ完全じゃないけど、君からその言葉が聞けて良かったよ」

  「だってみや、神だもん☆ 当然でしょ!? ばりぼり」

  「……煮干しチップスをばりぼりしながらドヤられてもね。ばりぼり」

  「あー! みやの煮干しチップス取ったー!」

  「ちょっとくらいくれたっていいでしょ……」

  煮干しチップスは猫少女達の間で根強い人気のようです。

  「それで、これからどうするんだい? いずれみおちゃんは目に見えない真実を知る事になる。話さなくていいの?」

  「だって今話しちゃったら、みおちゃんがどうなるか……ね!?」

  「ここねちゃんもどうにかしないとさ」

  「うん、分かってる。でもここねちゃんには……着いてるんでしょ? みやのお姉ちゃん!」

  「ここちゃんが着いてはいるけど……彼女の第一目的はここねちゃんの発作を抑える事、そして第二目的は……」

  「うん、そっか。お姉ちゃんに任せっぱじゃダメだよね。みやが力を完全に取り戻せれば……」

  「でもそれは奴が現れる時だろうし……」

  にこちゃんもどうすればいいものか、結構迷っているようです。

  「みおちゃんが目に見えない真実に気付いてくれれば良いんだけど……」

  「難しいんじゃないかなー!? 彼女、ああ見えて心はすっごく脆いんだよ!?」

  「知ってる。だって僕、昔のドジッ娘みおちゃんに会っているから」

  「そうなんだ!?」

  「みやちゃんも会っている筈だよ? あ、でもそうか……力を放出した直後だっけ。覚えていないかな」

  「まあいずれ思い出せるんでしょ!? なら別に今は分からなくてもいいや☆」

  「さて、僕は戻るよ。奴が……気掛かりだから」

  にこちゃんは奴を探りに……校舎の方へ戻って行きました。

  「最近ここねちゃんと会う度に感じてたけど、やっぱりここねちゃんにはみやのお姉ちゃん、ここちゃんが……」

  お星さまのみやちゃんに対して、まるでお月さまのようなみやちゃんのお姉ちゃん。

  今はねこちゃんの中で、彼女のサポートをしている……ここちゃん。

  「早くお姉ちゃんも開放してあげなくちゃ。その為にも奴を何とかして……ここねちゃんも救ってあげないとだよね!?」

  みやちゃんは思い立ったようで、早速行動に出ます。

  [newpage]

  「あ、みやちゃん! さっきはよくもたまちゃんを酷い目に遭わせたねー!?」

  廊下で出会ったねこちゃん。

  彼女は何だか今にもアグレッシブ化しそうな様子で……。

  「私の事はどうでもいいけど、たまちゃんを酷い目に遭わせる事だけは……むぐっ!?」

  「はい、チョココロネ☆」

  「……ちょこここねうまうまー」

  みやちゃんはねこちゃんの口にチョココロネを押し込み、彼女を落ち着かせようとします。

  「ねえねえここねちゃん、ちょっとお話があるんだ。みやのお話、聞いてくれないかな!?」

  「えー? んー、まあちょこここね貰ったしー、聞くくらいならばー……」

  みやちゃんはねこちゃんとお話がしたかったようです。

  「じゃあ中庭の奥にでも行こっか☆ ついでにこれも上げる!」

  「うん、分かったよー。ばりぼり」

  みやちゃんはねこちゃんを餌付けして、彼女を誘い出しました。

  「で、みやちゃん。お話って何?」

  「お願い、これはここねちゃんにしか出来ない事なの! ここねちゃんの愛の力を……たまちゃんに分けてあげて欲しいんだ!」

  「え、私の愛の力をたまちゃんに分ける? どういう事?」

  「たまちゃん、最近少し様子がおかしいよね!? かなり乱暴な性質になっているけど、気付いた!?」

  「言われてみれば……最近のたまちゃん、異常に攻撃的だし戦闘力も上がっているし、まるで人が変わったみたい……」

  「たまちゃん、愛に飢えているんだよ! だからお願い、ここねちゃんの愛の力を与えてあげて!」

  「愛に飢えている……そっか、たまちゃん、愛に飢えていたんだね。だからあんなに荒くなっちゃって……でも信用していいの?」

  と、ねこちゃんは少し疑問に思ったようですが……。

  「……うん、分かった。私、みやちゃんを信用する」

  (ここちゃん……ありがと☆)

  みやちゃんはここちゃんの働き掛けがあったんだ、と感じ取りました。

  みやちゃんはこういう言い方をすればねこちゃんなら動いてくれるだろう、と。

  彼女の性質を理解した上で、ねこちゃんに働き掛けました。

  ねこちゃんのたまちゃん愛は彼女の中で無限に生成されるので、愛を与えた所で尽きてしまう事はありません。

  「私が優しいたまちゃんを取り戻して見せる。これは私にしかできない事なんだ……」

  「うん、お願い。ここねちゃんに掛かっているんだから☆」

  [newpage]

  次の日の朝、みやちゃんは町内の見回りをしていました。

  「ほら、美味しいご飯とミルクだよー。元気に頑張ってね!」

  みやちゃんはご町内の野良猫達にエサとミルクを与えて、皆の健康状態に問題は無いか見回りをしているのです。

  「あ、君はみおちゃんところの! うん、何々? うんうん、みおちゃんなら元気にやってるよ! だから心配しないで?」

  以前みおちゃんの事を「ママ」と呼んだらしい猫。

  あれからある程度大きくなって、今やもう子猫と言う程の大きさではなくなっていました。

  「お母さん、残念だったね……でも大丈夫だからね、みやが着いてるから。みおちゃんも居るし、それに素敵な仲間だって周りに沢山居るものね!?」

  みやちゃんは一通りみおちゃんの猫と話をしました。

  「強く生きるんだよ! また学園が終わったら、様子を見に来るからね!?」

  一通り見回りを済ませたみやちゃんは変身を解き、急いで学園を目指します。

  「今日も猫ちゃん達の見回りしてたら遅くなっちゃった! でも、みおちゃんの子も元気そうで良かった!」

  みやちゃんはいつも、早朝から野良猫達のお世話をしているのです。

  猫少女を守る者として、当然普通の猫だって守るべき存在です。

  まだ色々思い出せていない頃も本能的に守る対象と分かっていたようで、みやちゃんは外に開放されて以来毎日欠かさず見回りをしています。

  みやちゃんがギリギリで登校してくる理由は、こういう事だったのです。

  「あ、感じる……ここねちゃん、たまちゃんに愛の力を送っている」

  みやちゃんはたまちゃんとここねちゃんの動きを感知しました。

  以前ねこちゃんがみおちゃんを落ち着かせた時のように、ハートを押し当てて愛を流し込んでいるようです。

  「終わったみたい。これで大丈夫だといいんだけど……あ、2人が変身を解いて教室へ戻ってる! みやも急がないと!」

  みやちゃんは全速力で学園を目指し、クラスへ駆け込みました。

  「みや、間に合ったよね!?」

  「みやちゃん、おはよ」

  「うん、セーフだよー」

  「間に合ったー……!」

  みやちゃんが毎朝ギリギリでやってくるのも、みやちゃんにとっては「大切なものを守る」と言う、止むを得ない事情があっての事でした。

  (たまちゃんの様子は……落ち着いているみたい? あとは休み時間などに勝負を仕掛けてくるかどうか……だね!?)

  「ねえ、みやちゃーん? 毎日ギリギリは良くないよー。ちゃんと余裕持って来ないとー」

  「そうだよ」

  「たまちゃんがそれを言うかなー!?」

  みやちゃんはとりあえず一安心して、授業の準備をします。

  [newpage]

  お昼の時間になり、猫少女同士でのランチタイムです。

  最近はたまちゃんが荒れてて、ランチタイムも戦いばかりでしたが……。

  「あれ、お兄ちゃんが大人しくなってる……と言うより、元に戻った?」

  「えー、にゃんの事かにゃん?」

  「うん、たまちゃんは平気みたいだね!?」

  「みやちゃん、もしかして何かやった?」

  「さあ、どうだろう!?」

  みやちゃんはとぼけて知らんぷりしました。

  「あ、そうだここねちゃん! はいこれ! チョココロネ上げる!」

  「え、いいのー? ありがとー……うまうまー」

  「いいな、みおも欲しいな」

  「ごめん、1個しかないの☆」

  「何でここねちゃんにだけ?」

  たまちゃんを沈めてくれたねこちゃん。

  みやちゃんはお礼のつもりで、ねこちゃんにチョココロネを上げました。

  「代わりに煮干しチップスならあげる☆」

  「みやちゃん、好きだねそれ。うん、確かに美味しいけど。ばりぼり」

  「あたしにもよこせにゃん!」

  「あー! もうたまちゃんは強引だなー!」

  たまちゃんはガバッと袋ごと奪い、煮干しチップスを一気に口の中へ流し込んでしまいます。

  「ばりぼりばりぼり……おさかにゃ天国だにゃんー」

  (やっぱり、まだちょっと荒い部分は残ってるね……でも、これでも落ち着いた方かな!?)

  「もう、お兄ちゃんってば……! みやちゃんごめんね、後でお金払うから」

  「いいよいいよ別に!」

  みやちゃんは意図せず、たまちゃんの正義の力を吸い取ってしまいました。

  しかしこれがみやちゃんの探し物だった以上、みやちゃんとしてはたまちゃんに返す訳には行きません。

  何かしらあったようで、みやちゃんの良い部分……すなわち、正義の心がたまちゃんに流れてしまっていたのです。

  偶然たまちゃんから正義の心を吸い取り、何かしら探し物をしていたみやちゃんはこれを探していた、と気付きます。

  (今までたまちゃんに惹かれていたのは……みやの正義の心、みやの半身とも言える力が共鳴していたからだったんだ)

  たまちゃんの中に流れていた力が、みやちゃんの元々持っていた正義の心だったので共鳴を起こしていたのです。

  (みやの正義の心が猫精霊としてたまちゃんの中へ入り込んで……そっか、だからたまちゃんは正義で……みやは悪い子に……)

  何故みやちゃんは今まで無自覚に暴れ回ってしまったのか、ようやく理解しました。

  「みやちゃん、どうしたの? 珍しく難しそうな顔して。ほら、卵焼きだよ。お詫びに沢山上げるから」

  「みや、食べる! 卵焼きうまうま☆」

  「ちょこここねうまー」

  「あたしにも卵焼きよこせにゃん!」

  「お兄ちゃんったら、割って入らなくてもあげるってば」

  たまちゃんはみやちゃんに上げたくないようで、先に卵焼きを取ろうとします。

  (にこちゃんの言う通り……みおちゃんとここねちゃんも、どうにか早く救ってあげた方がいいのかも。猫少女達を守る者として……)

  みやちゃんは猫少女を守る存在なんだ、と言う事を改めて自覚しつつ……一昔前の事を思い返していました。

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