[chapter:はじめに]
ついったーに呟いたりした戯言を短編へと昇華した物です。
幅広い属性を含むため、地雷避けとして章タイトルに含まれる属性を表記しています。
また、一人称視点の作品と三人称視点の作品が混合しています。
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[chapter:少年→竜人、肥満化、年齢進行、現実改変、精神変化]
『筋骨隆々の竜人になれます、今すぐお電話を!』――かあ。これホントかなあ。こういう怪しい広告には騙されちゃダメよってママにはきつく言われてるけど、竜人になれるっていうのにはとても興味がある。だって、竜人ってみんなカッコいいし、力が強いし、魔法が使えるらしいし。憧れるんだよなあ。
それに、カッコいい竜人になれたらクラスの人気者になれるかも。うーん、試すだけならいいよね。電話しちゃおっと。
◇◇◇
あ、ボク宛の荷物が郵便箱に入ってるや。これが注文した竜人化の秘薬ってやつかな。まさかお代は要りません、なんて言われるとは思ってなかったけど――まあいいや、とりあえず部屋にコッソリ運んで試しに飲んでみよう!
えっと、なになに……『使用上の注意』――うげえ、難しいことがたくさん書かれてて読むのがめんどくさい。丸薬タイプなんだしどうせ1日1粒とかでしょ。読まずに飲んじゃえ。
――何も起きないなあ。騙されたのかな。まあ、お金は払ってないから別にいいけ、ど。あ、あれ。身体が、身体が熱い。それに何だか身体中が誰かに引っ張られてるみたいに痛い。
顔が、鼻が伸びて見える位置まで伸びてきて、口をパクパクさせたら大きく開くようになってて。肌にゴツゴツした赤い鱗が生えて。爪が鋭くなって指が1本減っちゃった。お尻から何かにゅるんって出て来たと思ったら、自分の思った通りに動く――尻尾が生えた。
ほ、本当に竜人だ。すごい、すごいよ! これでボクも人気者に――そうだ、鏡を見よう。えっと、鏡は――あった。わ、カッコいい……真っ赤で綺麗な鱗があちこちに生えててとても硬そう。口の中には鋭い牙が生えてるし、爪もとても鋭くて強そうだ。目も顔つきも子供らしさが抜けて大人みたいなクールさ、っていうのかな。そんな感じに見える。広告で言われてた割には筋肉が全然無いのが気になるけど……まあいいや。早速近所の友達に自慢しに行こっと。
げえっぷ、あれ、なんか大きなゲップが出ちゃうなあ。げっぷ、うう、なんか、身体が重いよお。なんで、玄関に行くだけなのに、ふう、こんなに疲れちゃうの、ふう、あ、姿見――。
……? なんで、さっきまで映ってたカッコいい竜人が映らなくなってるんだろう。今映ってるのは太っててだらしないおじさんみたいな竜人だ。お肉がプルプル揺れてて、ところどころに皺が出来てて、何だか顔がくたびれてる。そりゃあまあ、長年引きこもって飯ばっか食ってりゃそうもなるわな。運動なんてしてねえし、俺も今年で148歳。人間換算じゃ40後半くらいで――って、違う。ボクはまだ10歳で、そんなおじさんじゃない……よな?
分かんなくなってきちまった。一旦部屋に戻って落ち着こう。どっこいしょっと――ふう、ちょっと動くだけで疲れちゃう。まあ、こんな年齢にもなっちゃあ痩せる気力も湧かないってもんよな。えっと、俺の部屋は――この物置小屋だ。居候させて貰ってるだけでも本当にありがたいよな。あれ、ボクはこの家の子供で、いや、親戚の親戚の家だろ。頭が痛え、どうなってんだ?
物置小屋にしちゃ広いな。そりゃあまあこの体格が収まる場所じゃないとな、って俺は誰と会話してるんだ。さっきからガキみたいなのが頭の中でうるせえな。そっちこそ――いや、それよりも薬を探さないと。あー、あれか。なになに、『使用上の注意。この薬は竜人が魔力を込めて制作しております。人間が服用する場合魔力過多により、変身後の姿に悪影響を及ぼす恐れがあります。特に、子供が服用する場合は魔力の過剰摂取に身体が耐えられず、適応するために身体が肥大化したり、肉体と精神が急激に成長する恐れがあります』――か。おまけに、『この薬は魔法の力で周りの環境も変化します』とまで書かれてるな。
なるほど。ボクがこんなに太っちゃったのは1粒じゃ多すぎたからなのかな。んじゃあ、俺は本来はガキで、薬のせいでこんなだらしねえ生活を過ごしたおっさん竜人になっちまってるってことか。うわあ、どうしよう。戻る方法も書いてねえし、こりゃ怪しい業者に騙されたんじゃねえか。自分の事ながら情けなくなってくるぜ。
うるさい、こんな身体になって痩せる努力もしなかったヤツに言われたくない!
何を、やるかぁ!?
◇◇◇
【痩せる決意(少年)が勝った場合 健全END】
ふん、おじさんのボクは引っ込んでなよ。ボクは絶対痩せてみせるから。
まずは、部屋に置かれてるスナック菓子を全部潰して捨てる。次に、漫画もゲーム機も封印。そしたら、残されてたなけなしのお金で近所のジムに入会!
周りにいるムキムキのお兄さんたちがボクを見てクスクスと笑ってるけど、笑ってられるのも今のうち。同じくらいムキムキになって見返してやるからな!
それにしても、はあ、魔力に耐え切るためとはいえ、ふう、ここまで太る必要あるのかなあ。おじさんになって体力が無くなってるのもあって、すぐ、疲れ、はひい、ひい――で、でも、ボクは、カッコいい竜人に、なるんだっ、はあ、はあっ。
そうして――ジムに通い始めて7日目。少しずつ身体を動かすのに慣れてきて、運動が徐々に楽しくなってきた。
ジムに通い始めて30日目。遂に体重が200㎏から190㎏へ。記念すべき第一歩だ。
ジムに通い始めて90日目。ボクの頑張りを見て感化されたのか、トレーナーさんや他の会員の人たちもボクを笑うことは無くなったし、むしろ協力してくれるようになった。
ジムに通い始めて180日目。ちょっと皮が余ったりしちゃったけど、少しぽっこり膨らんだ程度のお腹にまで戻せた。お祝いだとか言って、ジムの費用を出して貰えたのは嬉しかったな。
ジムに通い始めて1年。筋肉が少量ながらも付き始めて、感動してつい泣いちゃった。オレももういい歳なのにな。
ジムに通い始めて3年。今日は記念すべき日だ――なんと、ようやく目標だった理想の体型になれたのだ。筋肉の鎧を纏い、どんな重量でも軽々と持ち上げてみせる圧倒的な力。人間の子供だった頃に夢見た姿そのままだ。
……おじさんとしての生活が板に付きすぎちゃって、最早子供の頃の記憶はほとんどないけど。微かに覚えてた人間時代の夢を達成できたのは良かった。そう思う。さあて、オレみたいな太ったやつでもここまで来れるんだぞって教える為に――今日もトレーナー業を頑張るとしようか。
◇◇◇
【痩せない決意(おじさん)が勝った場合 ゲイ化END】
はあ、こんな疲れる身体で痩せられるわけないだろう。ガキは現実が見れないもんだからな……さて、ポテチでも食いながら漫画でも読むかな。いや、疲れてるし昼寝するのもありだな。ああ、ぐうたら生活最高だぜ。
っと……そういや最近抜いてなかったな。へへ、ここがこんなにギンギンになってら。ちょうどいい、頭ん中にいるガキに、大人の気持ち良さってやつを教え込んでやるか。それにこれも運動の一種ってね。ほれ、ちんちんをこの床と太ったお腹で挟み込んで擦り合わせるとすっげえ気持ち良くて――うっ、もう出ちまったよ。これじゃ運動にもなりゃしねえな。ガハハッ!
あー……まだムラムラが収まらねえよ。オカズでも探すか。えっと、『筋骨隆々、竜人』っと。ゲヘヘ、たまんねえなあおい。この引き締まった肉体、きっとちんちんもデカいんだろうな――うっ、また出るっ!
へっ、まさか憧れがこじれにこじれてこういうのでしか抜けなくなっちまうなんて昔は思いもしなかったな。ちっ、嫌な事思い出しちまった。今日は酒飲んで寝るか。それならつまみも欲しいところだよな。冷蔵庫から拝借させてもらうとするか。
げえーっぷ。食った食った。また沢山食っちまったぜ。こりゃあ狸といい勝負できるかもな。ポンポンポンッと、な。ガハハ、いい音なるねえ、げっぷ、おえ、食ったばかりにお腹を叩くもんじゃねえな。さあて、今日もいい夢見るとしますかね。
「――で、こんな状態になるまで放置していたというわけですか」
うるせえな、聞いてくれよお医者さんよお。酒は百薬の長って言うだろ。だから肝臓の数値も酒飲みゃ改善していって――。ああ、はいはい。ワカリマシタヨー。なんだよ、ちょいと調子悪いから医者に来てやったってのに、痩せろだの酒やめろだの……そんなことできるわけねえのにな。見ろよ、このお腹。相撲取りにも負けねえ自身があるぜ。こんな貫禄はそんじょそこらのやつには出せねえ、お値打ち物ってもんだ。へへ、折角外に出たんだ。ソッチの気があるムキムキの竜人はいないもんかね……ゲヘ、ゲヘヘ……げえっぷ。
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[chapter:男性→恋人女性の守護獣人(熊)、現実改変、上位存在化、♂×♀]
あるアパートの一室にて裸で愛し合う男女のカップルがいた。彼らは大学に入って間もなく意気投合し、付き合って3年目となる今日――遂に行為に及んだという状況だった。
「はあ、はあっ、んっ……」
「僕たち、肉体の相性もバッチリだったね」
「そうね、すごく良かったわ……出会えて本当に良かった」
彼らは事後、再度愛を確かめ合うキスをする。だが、舌を絡め合う内に女性は味が変わっていくことに気がついた。
「うん……? どうしたの、急に口を放して」
「いえ、何だか変な味がして――えっ!?」
女性は舌を抜き、男性の顔を覗き込み――そこで彼の異変に気がついた。顔が変わっていたのだ。鼻は黒くて大きく、ぶにぶにとしている物になっていたし、口を開けば歯の本数が減って鋭い牙となった者がチラリと顔を覗かせる。そして、全体的に白くてふさふさとした毛――獣毛が生えていたのだ。そう、まるで動物園や動物紹介番組で見た熊のような顔に、彼の顔が置き換わっていた。
「キャアアッ!」
彼の顔が人間の物では無くなってしまったことに驚き後退ろうとするが、小さなアパート故にすぐ壁にぶつかってしまう。更に玄関とは反対の方に移動してしまったせいで、逃げる為に必要な距離が伸びてしまっていたが――彼女にそんなことを考える余裕などなかった。
そんな怯える彼女を見て、彼は何故怯えているのか理解できていないようだった。首を傾げ、変わり果てた頭をポリポリと掻いている。そして、彼女を宥めようと『四足で歩いて』近づくと、『太くて逞しい熊の手』で抱擁した。
「我をそのような目で見てどうしたというのだ。我は、か弱き其方を守るためにここにいるのだ、人間よ」
彼のそんな発言に、彼女は目を丸くする。言葉遣いが変わっているのもそうだが、何やら恋人同士とは、人間同士だったとは思えないような言い方だった。悪意があるわけでは無いのだろうが、見下されているような。そんな違和感を彼女は感じていた。
「いやっ、放してっ」
抱擁を払いのけようと足掻くも、彼の『大木と見紛うほどの体幹』はビクともしない。圧倒的な力の差。圧倒的な体格の差。いつの間にか、大して身長差も無かった彼らの間には倍以上の体格差が付いていた。
「はて。我は産まれた頃から其方と共に在ったではないか。何を怯える必要があるのだ……?」
すっかり熊と人の合いの子へと変わり果てた彼の言葉を聞いて、彼女は得体の知れない頭痛に苛まれる。
(彼と、産まれた頃から……? 彼は、大学で出会って、それで)
彼女は彼との記憶を必死に辿る。入学式でお互い一目惚れ、同じサークルに入り、周りから茶化されるほどにラブラブなカップルとして学内でも有名になって――彼女はそこで、彼の顔が思い出せないことに気がついた。どれだけ思い出そうとしても、浮かび上がるのは先ほど見た熊の顔。振り払っても振り払っても、人であった頃の表情が全く出てこない。
(違う、こんな化け物と付き合ってなんか)
記憶が塗り替えられていく。彼との記憶が薄れ、彼が居なかった世界を過ごしたかのような物へと改竄されていく。彼女はそのことに耐えられず、涙を流した。
「落ち着くのだ、人間よ。我がその苦しみを取り払ってやろう」
困惑する彼女の身体が宙に持ち上がったかと思うと、性行為を終えたばかりでまだ濡れたままの女性器へと挿入が果たされる。唐突な性行為の開始に、彼女の脳が理解を拒む。
「なんっ、でっ……えぇ、抜い、てぇっ」
「何故だ。我に宿された神力を性行為を介して送り込む。昔からやってきたことではないか」
彼女は性行為を止めるよう言葉を絞り出すが、彼はそれを意に介さず行為を続ける。先ほど経験した人間同士の性行為とは全く違う、獣による交尾。激しく、荒々しくもどこか優しさを感じられる――そんな行為が続けられていくと、彼女は次第に苦しみが和らいでいくのを感じた。
「あ、ああ、だめぇ♡ 失くしちゃ、忘れちゃダメなの、にぃ♡」
苦しみが和らぐ、それはつまりこの状況を受け入れ始めてしまっているということ。熊の彼と共に生きたという記憶が、こうして祝福を受けるのが当たり前であるという記憶が定着し始めているということ。それが正しいのか間違っているのか、彼女は最早分からなくなっていた。
「そろそろ出すぞ。我が神力で正常に戻るがいい」
その言葉と共に彼女の胎内へと神力が送り込まれていく。温かく優しい力が彼女の胎内から全身に駆け巡り――全てを手放すように、彼女は意識を手放した。
◇◇◇
「目を覚ましたか。人間よ」
彼女が目を覚ますと、熊獣人がその暖かな毛皮で温めてくれている姿が横にあった。そんな彼を横目に見ながら、彼女は朝食の準備を始める。
「はあ、子供の頃から私を守ってくれているのは有難いんだけど、過保護すぎじゃないかしら。それに私にはちゃんと名前があるの、人間って呼ばないでくれる?」
熊獣人は彼女にピッタリと付き従い、油の跳ねや危険な熱源に触れないよう細心の注意を払っている。その様子が鬱陶しく感じたのだろう、彼女はそう愚痴を零す。その様子は、長年付き添ってきた夫婦かのようだ。
「我の仕事は其方を守ること。傷どころかシミ1つ与えるわけにはいかぬ。それに我とて神の端くれ、威厳を以て接しなければ他の者に示しが付かぬ」
守護獣であり神であると主張する熊獣人はそう胸を張りながら主張する。
「全く、こんなのが憑いてるから彼氏が出来ないんだわ」
「なに、彼氏とな。どこの馬の骨とも分からぬ者と付き合うなどと――」
「そういうところよ、んもう!」
[[rb:獣神へと変化させられた > ・・・・・・・・・・]]男性。彼と彼女は気づけない。世界が変質してしまったことを。選ばれた者たち以外の人間が全て獣と化してしまったことを――誰も、気づけなかった。
[newpage]
[chapter:少年→ヤギ悪魔化、無知シチュ、筋肉成長、♂×♂]
蝋燭の灯りだけが部屋を照らし、それ以外の光が一切差し込まない密室。中央には紅い血で彩られた紋様が描かれ、怪しげな物品――コウモリの羽、カエルの目玉、ヘビの抜け殻、ヤギの角――が紋様の中心に所狭しと置かれている。
「よしっ、これで準備が出来たぞ」
そんな密室を作り出したのはまだ年端も行かぬ少年であった。まだ小学生といったところだろうか。未成熟で小さな身体、声変わりを迎えていない甲高い声。そんな彼は黒い本を片手に何かを詠唱し始めた。
「くもつをかてにけんげんせよ。えーっと、そのちからを、われにさずけたまえ」
本に記された呪文を片言ながら読み上げる。意味もよく分かっていないのだろう。終始首を傾げたまま事前に振っておいた読み仮名を辿るだけだ。
「これで本当に悪魔が願いを叶えてくれるのかなあ」
そう、この怪しげな密室も、読み上げた呪文も、全ては悪魔召喚の儀式だったのだ。ふとしたきっかけで悪魔召喚に関する魔導書を入手してしまった彼は好奇心に駆られるままに行動し、今こうして禁忌を犯してしまった。
描かれた紋様――魔法陣が紅く光り、赤黒いモヤが密室に立ち込める。重苦しい空気と冷たい風が部屋を支配し、現れてはいけない存在の到来を予感させている。だが、好奇心で目が曇った少年にはそんなことなど分からない。本当に悪魔は居たんだ、などと思うばかりだ。
だが、一向に悪魔は現れない。呪文を間違えたかな、そう思った彼はページを捲ろうとするが上手く捲れない。それどころか本が手から滑り落ちて床へと落ちてしまう。慌てて拾い上げようとして屈んだ彼は、手に異様な物が付いていることに気がついた。
「なにこれ? 硬い――あれ、指はどこ?」
彼の手があったはずの場所には二股に分かれた形状の蹄が存在していた。硬く、崖を登るのに適した形状。道具を操るのには向かない獣の手。
「なんで、どうしてえっ」
結論から言えば、儀式自体は成功していた。だが、彼の行った儀式は悪魔召喚などではなく彼自身を悪魔へと変える物だった。彼が原因が分からず泣き叫ぶ間にも、刻一刻と悪魔へと近づいていた。
蹄の生じた手から腕にかけて黒い獣毛が侵食していく。腕にびっしりと生えれば更に隣接した部位へ侵食を開始し、胴体へ、足へ、顔へ。全ての部位に獣毛が伝播する。
「うぐぐ、げぇ」
顔がメキメキと音を立て、鼻と口が前へとせり出していく。歯が抜け落ち、草を食むのに適した歯が新たに生え揃っていく。目が金色の輝きを宿し、瞳孔が横へと割れる。頭にささやかな角が生え、耳の位置と形状が変化する。
「うご、おぉおっ」
その小さな身長はそのままに、身体全体が膨れ上がるように肥大化する。腕も足も胴体も、異常なまでに筋肉が発達していく。生半可な刃は肉を裂く前に折れ、傷つける事さえ出来ないだろう。それほどまでに肉厚で、強靭だ。
「あが、ぎ、ぃ」
背中からはコウモリのような羽が生える。元が小学生だからだろうか、飛ぶための能力を有することが出来ないほど小さな物ではあったが、異形の証明には十分だろう。
「終わった、の?」
苦痛が和らぎ、変化の終わりを感じた少年はよろめきながらも自分の身体を確認する。膨れ上がった筋肉で服は無惨にも引き裂かれ、黒く染まった獣毛が否が応でも目に入る。更に手足共に蹄と化しており、バランスを取るのが難しいようだ。
「これじゃあ、ボクが悪魔みたいな――ああっ♡」
自分の身体が化け物と化したことを把握した瞬間、彼の身体は快楽で大きく身体を震えさせた。まだ一度も性を経験したことの無い彼にとって、その快楽は耐え難い物であった。
「ああ、なに、これ、ぇっ!? ちんちんが、ちんちんが熱いよぉ!」
内側から燃え上がり脳を震わせた快楽は彼の性器をそびえ立たせる。小さく未熟な性器が、快楽と共に硬くなり、大きくなり、成長していく。皮が剥けて鮮やかなピンク色がその姿を現したかと思うと、その形状は人の物からヤギの物へと変わる。
「なにこれぇ、どうしたらいいのぉ……?」
彼の性器は更に大きく、更に太くなっていく。最早ヤギの性器すらも超越し、彼の胸元に届くほどの長さと、胴体の半分ほどの太さを持った異形の性器へと変わり果てていく。身に余る異形の性器を前に、グツグツと煮えたぎる性欲を前に、思春期前の彼はどうしたらいいのかサッパリ分からなかった。
あまりにもグロテスクなソレに触る勇気は彼には無かったし、かといってこの姿で助けを求めに行くのは不可能。彼が頭を悩ませていると、魔法陣が再度妖しく光り――何者かが姿を現した。
「はて、これはこれは――なるほど。こちらの世界に来るのが遅いので見に来ましたが、そういうことですか」
現在の少年より二回りは大きい、同種の悪魔。凶暴な筋肉まみれの肉体と、それに釣り合うほどの巨砲を股間にぶら下げた異形。魔法陣より姿を現した悪魔は、少年の姿を見て頷き納得した様子を見せる。
「あ、あ、ああ」
「ふふ、子供の器では耐えられない快楽でしょう。今楽にしてあげます」
未知なる恐怖と快楽に苛まれる少年に対し、悪魔は紳士的な言葉遣いで接しながら近づき――少年の脈打つ性器を硬い蹄で擦り上げた。
「あが、ああっ♡ あ、ぎいいぃい♡」
「精通おめでとうございます。ふむ、濃厚な味わい――量も申し分ないですね」
少し触られただけで少年の性器は決壊し、留め具を外してしまったかのように絶え間なく精液が流れ出ていく。濃厚で雄臭さ溢れる精液は部屋中を白く染め上げ、このまま放置していれば埋め尽くしてしまうほどの勢いだ。
「人間の住居は狭くて困りますね。さあ、参りましょうか。私たち淫魔の世界へ。終わり無き甘美なる世界へ――」
悪魔は少年の身体を持ち上げると魔法陣の上へと運ぶ。絶え間ない快楽に脳が焼き切れたのか、少年は抵抗することも無くされるがままだ。そして、三度部屋に紅い光が走ったかと思えば、彼らの姿は影も形も無くなっていた。
密室に残された物は精液と悪魔召喚の痕跡だけ。それもやがて、空室へと塗り替えられるだろう。悪魔になるということは現世との繋がりを断つということ。少年は既に、存在しない人間なのだ。
◇◇◇
「少年の悪魔ということで少し不安ではありましたが――なるほど、かなり具合が良いですね」
「お゙お゙っ゙♡ ボク、それ好きっ♡ 好きっ♡ 好きっ♡」
悪魔たちの世界、その一角。淫魔の集うその場所では常に淫魔同士が性に溺れており、嬌声と淫らな音が耐えることは無い場所だ。そこに現れた新参者の淫魔。彼は悪魔の中でも珍しい純粋な少年の悪魔だった。その珍しさ故に連日多くの淫魔が彼に詰めかけ、たっぷりと精液を注いでいく。それを口でも穴でも受け止めながら、新参者は更なる快楽を求め溺れていく。
「ボク、ボク……もっと気持ち良くなりたぁい♡」
何者よりも純粋で、何者よりも欲に忠実。そこに人間であった証を見いだせる者は、いない。