CheMoleCule World-of-Chemistry 2話 ブリムストーン山の破落戸ども

  2話 ブリムストーン山の破落戸ども

  Zn村を発ったボクらは、PANちゃんの背中に乗りながら...火山地帯に辿り着いた。

  PANちゃん「ここがブリムストーン山だね。熱気を感じる、相変わらず元気な山だねっ。」

  Znくん「この辺で降ろしてね。この先は火山の噴煙がすごいから飛ぶのは危ないよ。大陸がある橋までは歩いて向かおう。」

  ボクらは火山を取り囲むように舗装された道を進んでいった。

  辺り一面、赤と黒の岩山。 山を見上げると、雪が積もっている。そしてほのかに異臭を感じる....

  ...ここはZn島の温和な雰囲気とは一変して、ただらなぬ雰囲気だ。

  PANちゃん「...で、この辺りには温泉も湧いてるんだよね?」

  Znくん「うん、この島から移り住んできた白亜鉛ウサギが言うには、ほどよい温かさで、とてもリラックスできるって言ってたよ。」

  PANちゃん「それなら、もっと有名になっても良くない?ここ、バイタル繁華街から近いのに..」

  Znくん「それがねぇ....あの子たちが暴れてるからなぁ....」

  ボクらが話に花を咲かせている最中、「それ」は突然襲い掛かってきた――――――!

  Znくん「...!! 危ないっ、伏せてっ!!」

  PANちゃん「!!!」

  ジュッ....

  液体がこちら目掛けて飛んできた。

  液体は地面に生えていた雑草に当たり....みるみる内に黒い炭へと変えてしまった....!

  Znくん「誰だ!!!」

  ???「おいおい、オレはただ脅かしてやっただけだぞ。下手に動いた方が当たっちまうぞ?」

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  目の前には水鉄砲を両手に持った黄色い熊が立っていた。

  そして両端には...煙のようなものがこちらに襲い掛かってきた!

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  Znくん「ぐはぁっ...なんだこの卵が腐ったような匂いはっ!?」

  黒い煙?「へへっ、どうだオレ様の屁はっ!安心しな、死なねえように手加減はしたさ....その苦しむ顔をずっと眺めていたいからな!」

  PANちゃん「げほげほっ、喉が痛いっ、目にしみるっ....」

  赤い煙?「ふんっ、山を汚す余所者は去れっ」

  PANちゃん「だからって.....いきなり乱暴はやめてーーー!!!」

  黄色い熊?「ふんっ、出合頭に襲っちゃいけないなんて、常識やルールなんてものはなぁ、後からやってきて好き勝手やった挙句、無責任に消えちまった人類が勝手に作ったモンだろ。俺たちが従っているのはなぁ、この銃で消し炭になるようなCheMoleCuleは弱いからくたばるのは当然、という単純な化学法則のみだ。簡単だろ? ヒャッハー、水をよこせぇっ.....!!!」

  ...人類....? その言葉に思うところがあったが、悪臭は自分にも来ている。今はそれどころではない。

  ...火山、悪臭....ということはこの煙の正体は.....

  ...やはりだ、顔を上に向ければ悪臭はマシにはなった。硫黄でできた悪臭成分は空気より重いからか。

  ....しかし、あの銃....おそらく硫酸だろう......亜鉛では勝てそうにない、どうすれば.....

  サルファーくん「こらーーーーーーー!!!君たち何やってるんだーーーー!!!」

  奥から別の黄色い熊がやってきた。この子は銃の代わりに、頭に王冠?をつけているようだ。

  三匹「やべっ、バレ…あっあっ.....違うんだ、これはこの子が道に迷っていたから......」

  PANちゃん「違いまーす。かくかくしかじかをされました。」

  サルファーくん「かくかくしかじか...…君たち、なんてことを.....!!! いいかげんにしなさーーーーい!!!」

  (ブバーン!!!)

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  爆音と噴煙と共に、三匹が吹き飛ばされた。文字通り、怒りが爆発したってこと...?

  サルファーくん「まったく....何度注意しても懲りないんだから..... 君たちにケガはなさそうで良かったよ。」

  Znくん「げほっ、なんとか大丈夫だよ....鼻は無事じゃないけど.....」

  サルファーくん「君は大丈夫?」

  ...ボクならなんとか無事だ。この熊さんは優しそうだ。異臭も感じない。

  その後、ボクらはサルファーくんと一緒に道を通り抜けていった。

  サルファーくんはこの山のリーダー的存在で、あの三匹ーーーブリムストーン山の破落戸(ならずもの)と呼ばれているがーーーの対処に頭を焼いているようだった。

  Zn君「本能にかこつけては誰構わず襲ってしまっているようだね。そのせいで島外のCheMoleCuleは温泉に行きにくいみたいだし...」

  PANちゃん「同じ硫黄系CheMoleCuleなのに、ここまで気性が荒くなるなんて....」

  Znくん「やれやれ....どうしたものか....」

  しばらく進むと、池?の中に吹き飛ばされた三匹を見つけた。

  Znくん「おや...三人とも温泉に落ちたみたいだね」

  ....おや、さっきより随分おとなしくなったようだ。

  硫化水素くん「....このお湯、気持ちよくて、なんかどーでもよくなっちまうぜ。」

  硫酸くん「温泉に入ってると、ここから動きたくなくなるよなぁ」

  二酸化硫黄さん「うむ....」

  PANちゃん「キャラ変わってない!?」

  サルファーくん「ふう、乱暴者でも温泉好きなのは変わってないようで安心したよ。」

  PANちゃん「ボクも温泉に入りたいけど...気持ちよさそうな三匹の邪魔をするのも気が引けるから、先を急ぐよ。」

  ...さらに進むと、目の前に平原が現れた。

  次はどんなCheMoleCuleがいるのかな。

  次回、「もふもフッ素・パニック!」

  [newpage]

  登場CheMoleCule紹介

  PANちゃん

  モフモフな羊。CheMoleCule世界のアイドル。

  悪臭はモフモフにつくので嫌い。温泉は大好き。

  Znくん

  亜鉛ウサギ族の青年の一人。唐突な硫化水素に嗅覚を破壊されられた。

  たぶん今後も不遇枠になりそう。

  サルファーくん

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  ブリムストーン山の熊さん。頭についてる王冠のようなものは体の一部である。

  硫黄系CheMoleCuleのまとめ役であるが癖‥というかクセェ(異臭)の強い仲間達に手を焼いている。

  幸い硫黄系CheMoleCuleはみんな温泉好きなので、温泉にぶちこんだら大体解決する(サルファーくん談)

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  硫酸くん(真ん中)

  ブリムストーン山のヒャッハー。

  二丁の水鉄砲(酸入り)を携えており、気に食わないモノは何だろうと溶かしてしまう。

  喉が渇いたら目についたCheMoleCuleを消し炭にしてまで水を強奪する残虐性も有する。

  彼の下着も炭化して黒くなっている。

  硫化水素くん(左)

  ブリムストーン山のオッケルイペ。

  山に来たCheMoleCuleを穴に引きずり込んで、屁で苦しめることを生きがい(?)としている。

  黒い温泉卵が好物。

  二酸化硫黄さん(右)

  ブリムストーン山の頑固親父。

  三匹の中では一番おとなしいが、居るだけで(化学的に)気分が悪くなるので迷惑な奴。

  ドライフルーツとワインが好物。

  シロりるさん

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  PANちゃんに似た謎の存在。相変わらず化学知識だけは思い出せる。