007-030
ディセルトは自らの奥から湧き上がる未体験の感覚に戸惑っていた、先に与えられた痛みなどは気を張って耐える事が出来たが、このむず痒い疼きは痛みよりもタチが悪い。
ディセルト 「あの・・・奥が疼くんです、でも自分ではどうしょうもなくて・・・」
ダイン 「私より遥かに年月を重ねた存在なのに初々しくて可愛いですね、もっともこの見た目では歳上には思えませんが・・・」
レ・ミュウ 「人間みたいに大きく成らないから、耳長は長生き出来ると思う」
ダイン 「確かに耳長も岩喰いも小柄ですね、大きいと心臓に負担が掛かりそうですが・・・遊魔の臓器は人より強化されてますからね、特に毛細血管は詰まらない様に血液に老廃物処理細胞が含まれているんですよ」
ディーティル 「相変わらず解らない事言いますね、ダイン様が納得してるならそれで良いですけど・・・」
ダイン 「耳に痛い指摘ですが、遊魔の身分に上下は無くても私の愛情には差が有りますよ、より意思が通じる相手の方が愛情が深まるので私を理解出来る様に努力して下さい」
混沌大陸で気楽に過ごしている様に思えるダインにも実は不満がある、それはこの大陸で生み出した遊魔達が未だダインが望む程にダインを理解出来ていない事だ、この事は生まれた世界の違いというのが一番大きな要因で、レ・ミュウ達混沌大陸産遊魔には補えない部分が大きいのだが、ダインの自己の能力の過大評価が生み出した失敗でもある。
レ・ミュウ 「ミュウ達にはこれから主を知る時間が幾らでもあるから、急ぐ必要も無いと思う、ミュウは魔龍で頑張ればそれが主の為になる」
ダイン 「自身の能力を見極めて高める事はとても重要ですね、彼を知り己を知れば百戦危うからずという兵法家の言葉がありますから、ですが今一番知りたい相手の能力は全く未知なんですよね、かといって誰かを犠牲にする偵察も出来ませんから、信念に従うのみです」
ここでいうダインの信念とは高度知性体同士は折り合いをつけられるというモノだが、珍しくダインも弱気になっている、ダインの思想は自身を上位としてまともな意見ならばちゃんと意見を聞いて上げるという事で、自分より優れて上位に立つ相手に対して本当に通じるという確証を抱いていない、そもそもダインの意見が相手にとってまともな意見とは限らないからだ。
ディセルト 「北部の守護者の事ですよね・・・ルトは守護者の住処に招かれましたが、何かを護っていると感じました、もしダイン様が守護者にとってもの脅威だと認識されていたなら、北部の地を踏む事は無かったと思います」
ディセルトは己を蝕む疼きに耐えてダインの不安を打ち消そうとしている、まだ完全にダインを敬う思考には染まりきっていないが、ダインの不安を解消してあげる事が、自身の利益に繋がる事を理解しているのだ。
ダイン 「地の王の例から見ると理解出来る言葉です、どうせこれ以上は考えても無駄ですからね、なら、ディセルトを可愛がって真実を確かめる方が有用ですね」
疑り深いダインはディセルトの言葉を完全に信じたわけではない、だが、ダインには言葉の真偽を確かめられる魔進化という方法を有しており、それを実行する為にはディセルトが今望んでいる事を与えてやる必要がある。
労るようにゆっくりと肉槍の抽送が始まる、理性を保っていたディセルトではあったが直ぐに甘いうめきが漏れて陰裂に紅い蜜が滲み始める、破瓜の出血が肉槍に絡んで抜かれる度に蜜と交じり合っているのだ。
ディセルト 「うぅん、もっと奥まで行けます・・・ダイン様はお優しいですね、ルトはもっと奥まで満たされたいです」
初めて男を受け入れたディセルトではあったが、遊魔ダインの積み上げたセックスチートの前に呆気なく陥落していた、ダインは自身の体内に様々な効果を持つ物質を生成出来るので人の身でそれに対抗するなど不可能だ。
ダイン 「男を知らなかった処女を私の牝に堕とすのは私の芸術の出発点ですからね、この状況も芸術なんですよ」
ディーティル 「ルトがこんな顔するなんて驚きです、いつも口うるさい姉の様でしたから・・・」
ディセルト 「そんなぁ、酷いぃ・・・」
ダイン 「酷くはありませんよ、遊魔がディーティルの壁を取り放った証拠です、人の関係など遊魔には不要ですから、ディセルトも魔進化を終えれば十分に理解してくれるでしょう」
ディーティル 「そうですよ一人だけ耳長のままじゃやり辛いです、基本を共有してない相手ってこんなにも難しいんですね」
ディセルト 「それは、ダイン様がルトを後回しにしたから・・・」
ダイン 「毒の可能性が有れば対抗策を練りますよね、何せ遊魔は私一人では有りませんから」
ディーティル 「ダイン様はとても頑張ってくれたと思います、この短期間にディセルトにある守護者を克服したんですから」
ダイン 「元々の能力が凄かっただけですよ、人に対してはほぼ思い通りの事が出来ますから、もっとも私の発想と相まって開けた道ではありますが・・・」
ディセルト 「なら、ルトにもダイン様のお力をお与え下さい、他の二人にも引けを取らない筈です」
ディーティル 「なんだか可愛い事言ってますね、本当はティルになんか負けないと思ってるでしょうけど」
レ・ミュウ 「二百歳も離れてればそう思うのは普通です、ですが遊魔って人の年齢なんかあんまり意味有りませんから・・・メファティなんて十数年しか生きてないのにミュウより凄い事が出来ちゃいますからね」
ミュウの視線がディセルトの胸に向いている事から、その凄いというのは母乳に関する事だと推測される、だが、この場合年齢の違いよりも種族の違いが大きい、人間は耳長に比べて多産なので、その分子育てに適した身体をしているのだ。
ダイン 「同じ遊魔など居ませんので、気にするだけ無駄ですよ、己を知って長所を延ばす事が自分の価値を高める近道です」
レ・ミュウ 「ミュウの長所はここでは披露出来ないじゃ無いですか?」
ダイン 「そうでも有りませんよ、ミュウの魔龍体は認識出来ないだけで今も存在してますから、ですがそれを理解するには私の世界の知識が有った方が楽ですね」
ディセルト 「もう、皆んな邪魔ばっかりです、今愛されているのはルトなんですよ、二人は十分に愛された証を得てるじゃ無いですか」
ディセルトは遂に怒りを露わにする、その様子にディーティルは少なからずの衝撃を受けている様で、申し訳無さそうな顔をしている。
ダイン 「悪いのは私です、抱いてるディセルトに集中出来ないのが悪いんです」
レ・ミュウ 「いや、ミュウとディーティルが悪いよ、居なければ主も構う事ないから、ミュウ達は裏でディーティエ手伝ってくるよ」
レ・ミュウはディーティルの手を引いてダインの元から離れて行く、もっとも移動先はほんの数メートル先なのでダイン達への干渉は十分に可能だ。
ディセルト 「これでルトに集中して貰えます、ダイン様って性交見られるのが好きなんですか?」
ダイン 「遊魔は女が堕ちる時が好きなんですよ、だから皆んな私と処女との性交が見てみたいんです、そして何故か邪魔をして来るんですよ」
ディセルト 「愛する人が他の女と交わっているのが辛いんじゃ無いですか、ルトの想像ですけど」
ダイン 「可能性は有りますけど、単純に私と話したいだけだと思います、遊魔は最終的には自分を優先しますからね」
ディセルト 「ダイン様が言うほど仲良くないのかも知れませんね、今こうしているルトもダイン様を独占している事で優越感を覚えてますから」
ダイン 「意外と悪女ですね、これは激しく責め立てて罰を与えましょう」
ディセルト 「もう罰どころかご褒美ですけど・・・ひゃん」
ダインは言葉では罰と言ったが、既に罰で無くなっている事を理解している、ダイン慣れしたディセルトの身体は多少乱暴に扱っても、それに快楽を見出してしまう様に変えられてしまっているのだ。
奥まで突き上げるダインの腰使いにディセルトは両脚でダインの腰を捉える事で、動きの大きさよりも、より深くを望んでいる事を伝える。
ダインにもディセルトの意思は伝わった様で、両翼でディセルトのそれぞれの肩を掴んで逃げ場を減らすと、奥への突き上げをより深くして行く。
ディセルト 「奥で満たされて心も満たされてます、ティとティルが堕ちちゃうのも当然ですよね、北部に取り残されてこんなに幸せ感じれるなんて・・・」
ダイン 「そう悪い暮らしには思えませんけど」
ディセルト 「目的の無い日々でしたから、人間達も崇めるだけで交わろうとはしてくれませんでしたし・・・」
ダイン 「変わらぬ姿を持つ耳長を恐れていたのかも知れませんね、それに地の王と壮絶な戦いを繰り広げたんですよね」
ディセルト 「確かに凄さは見せたと思いますけど、避けなくてもいいじゃないですか、ダイン様がグッと踏み込んでここに来てくれたのはとても嬉しかったんですよ」
ダイン 「神聖視されている耳長を利用しようと思って来たんですけど、現に思惑通りに進んでます」
ディセルト 「そう素直に言ってくれるのはルトには高評価です、昔の行動の結果とはいえ一方的に与えられるのは、居心地悪いですから・・・今のディーラルの人間には何も与えてないんですよ」
ダイン 「特権を疑問に思うディセルトは私にとってとても好ましいですね、自分自身の置かれた状況に疑問を持つのは進歩に繋がりますから、私も皆の期待に応える為に馬鹿をやってますからね」
ディセルト 「馬鹿をやってたら愛想尽かされるんじゃ無いですか?」
ダイン 「ディセルトを抱いている事も私の馬鹿ですよ、大体馬鹿じゃ無いとハーレムなんて作りませんよ」
ディセルトにとってダインの言葉は予想外の物だった、ダインは自らの欲望に忠実に遊魔を増やしているのだと理解していたが、この言葉が真実ならば遊魔の拡大は遊魔全体の意思に従ってダインが動いているとも捉えられる。
だが、今となってはディセルトにはどうでもいい事だった、既にディセルトはダインと共に歩む事を決意しており叛く気など毛頭無い、ましてダインの行いが遊魔の総意の現れなら遊魔と成る事を望むディセルトには否定など出来る訳が無い。
ディセルト 「心も身体ももどかしいです、身も心も遊魔に成ればこのもどかしさから解放されるのでしょうか?」
ダイン 「身体は今よりマシにはなるでしょうが心は解りませんね、結局遊魔へと魔進化しても自分の疑問は自分で解決しないと駄目ですから、ですが先人の意見は大いに参考にして下さい、他人の結論は十分に参考となりますから」
ディセルト 「ダイン様が導いてはくれないんですか?」
ダイン 「私は他人を束縛するのが嫌いなんですよ、出来るだけ自由に過ごして欲しい、でも愛で縛ってるんですよ」
ディセルト 「凄く自信あり気の言葉ですけど事実ですよね、あのディーティルを短期間で手懐けてますから・・・」
ダイン 「遊魔に成るという事は私の愛を受け入れて私に愛を注ぐという事ですからね、でもそれはとても充実していると思いますよ、なにせ遊魔は心で繋がってますからね」
ディセルト 「ルトの頭に響く北部の守護者の声の様な物でしょうか?」
ダイン 「多分違うと思います、北部の守護者の声はディセルトの頭に埋め込まれた通信魔導具から発せられてますが、遊魔の心は遊魔細胞が伝えているモノです、まぁ体験して貰うしか解りませんね、あと北部の守護者のインプラントには通信能力以外無い事が判明していますので余り気にしないで下さい」
ディセルト 「頭の中の異物は無害だと言われても気になりますよ」
ダイン 「まぁ当然かも知れませんね、ですがディセルトにはそのインプラントを逆に利用出来る可能性も有ります、私が体験していないので確実に出来るという保証は有りませんが、相互通信能力を持つ様ですから」
ディセルト 「つまり、北部の守護者の情報を得られればお役に立てるという事ですね」
ダイン 「あくまで可能性ですから無理はしないで下さいね、私は遊魔を失った事が有りませんし、その状況でどうなるかも予想出来ませんから」
ディセルト 「なら、先ずは遊魔へと魔進化させて貰わないと」
ダイン 「そうでしたね、単調な事をしているとつい考えてしまいます、そして会話は新しい発想を与えてくれますから・・・」
ダインはディセルトの指摘に反省する事などない、交わっている時に行われる会話はある意味で遊魔への最終試験でもあり、全く興味を持たなければ魔進化を見送る事も視野に入れられているのだ、だが、今の所、ダインと交わって魔進化を見送られた者など存在せず、ダインが最終試験と思っているだけでそもそも会話の成立しない者など抱かれる事がないのだ。
おまけ
ディーラル民衆 寒冷地帯に位置するディーラルの民衆の暮らしは、冬を越す為の準備と冬場の手工業で成り立っている。
農産物は日持ちのする穀物の栽培が主で、麦、芋などが主な農作物だ、その他の穀物として森で取れるどんぐりに似た植物が有り、乾燥させた物を挽いて粉にした物を調理するのが一般的だ。
食料生産が生活の比重が高いディーラルでは、生産職以外の職業の割合が低く、当然軍事に従事する者の数も少ない、その為、争いも小競り合い程度で終わる事が多く、各勢力の領地が変化する事は殆どない。
王都ディグランだけは食料生産能力が極端に低く、交易で成り立っており、王都住人の多くは何かに秀でた者が各地域から集まって、習得した知識を各土地へ伝達する役目を担った者が多い。
ディグランはディーラル文化の中心で有り、王国の全都市の中で特別な位置に有る。