レブナン島編 第六話 冷えた母乳

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  その変容は正に急激であった、限界点まで膨らんだ腹が縮むのに呼応して五箇所の水膨れは急激に成長して行く。

  注がれた堕液が分散移動している様で、トルポが岩喰いを超えた遊魔へと魔進化しているのは疑い無い。

  トルポ 「変な感じだよ、袋の中がブルブルして感覚が生まれてる、お尻の先が思う様に動いてるよ」

  ダイン 「それが尻尾の感覚です、元々持っていない尻尾が生えて来るのは新鮮な感覚でしょう」

  ラフォリア 「尻尾は生まれ変わった証ですよね、翼は腕が増えた感覚ですけど、尻尾何でも出来ちゃいますから」

  トルポ 「そうなの、まだピクピクするだけだからわかんないよ」

  ダイン 「尻尾の成長と使い方の理解はリンクしてますからね、存在しない機能の知識が有っても戸惑ってしまいますよね?」

  ラフォリア 「そう言えばそうですね、成長が進む程いろんな事が解りました、今じゃこういう事も出来ます」

  ラフォリアは尻尾を口元に近付けると、皮を剥いて尾ニプルを露出させると口に含んで吸い上げる、自身の母乳を啜っているのだ。

  ダイン 「牝型遊魔の特権ですね、私の尾チンポなど堕液しか出ませんから、あと、私にもお願いします、たくさん堕しましたので喉が渇いてますから」

  ダインの言葉にラフォリアは啜るのを止めて応える。

  ラフォリア 「なら、薄味に調整しますね、渇いた喉に濃いめは辛いでしょうから」

  ダイン 「心遣い感謝します」

  ラフォリア 「なら、溜まった濃いのは吸い出さないと」

  ラフォリアは再び尾ニプルを口に含むと啜り出す、ダインに好まれる最上の味を提供するのも遊魔の勤めなのだ。

  トルポ 「遊魔って凄い世界だよね、母乳を味をリクエスト出来るなんて」

  ダイン 「基本、私の好みの味なんですが、状況によって求める物も変わりますから、まぁ冷たいモノは無理ですけどね」

  ラフォリア 「でも、無理じゃ無いと思います、冷却魔導式を尻尾内部に展開すれば冷えた母乳の提供も可能になると思います、試してみてもいいですよね」

  ダイン 「遊魔の創造を私が拒む事など有りません、ぜひ、試してみて下さい」

  ラフォリア 「ダイン様への提供が遅れるかもしれませんが」

  ダイン 「それぐらいは我慢しますよ、それにしても尻尾内部での魔導式の展開ですか、良いアイデアだと思います、魔龍の戦力強化に使えそうですね」

  ラフォリア 「ラフォリアの発想がダイン様の中で拡がってますよ、この連鎖が遊魔の強みなんですね」

  ダイン 「そう、一人の発想を共有して加えれる者が加えて行く事でより優れたモノへと昇華して行きます、これが遊魔の強みですね」

  トルポ 「抑圧されない自由な創造かぁ、僕は本当に素晴らしい世界へ招かれたんだね、こんなところで怯える心配はもう無いんだよね」

  ダイン 「勿論ですよ、遊魔の身体能力は人間種の比じゃ有りません、その上再誕するトルポには翼も有りますから、対処出来ない危機には飛んで逃げる事も出来ます、実は私達は飛行してこの島に侵入したんですよ」

  トルポ 「へぇ〜空を飛べるのかぁ〜、太陽の下で飛ぶ空ってちょっと怖いや」

  ダイン 「岩喰い女性の習わしが身に染み込んでいるんですね、トルポが初めて陽の下を飛ぶ時は私もご一緒しましょう」

  トルポ 「それはとても楽しみだよ、ダイン様と一緒に飛ぶ自由な空かぁ、想像するだけで翼がビクビクしてるよ」

  トルポの言葉は実情にも現れている、背中の水膨れは羽ばたく様に震え、中から生え出した突起が皮膜を掻いている、そしてその動きに皮膜に傷が生じて液体が漏れ出て来る。

  ダイン 「準備はいい様ですね、思いっきり翼を拡げてみて下さい」

  ダインの指示通りにトルポが翼を拡げると、傷から翼が飛び出て液体を部屋中に撒き散らす、そして翼に呼応する様に残り三ヶ所も急成長して、水膨れを突き破って巨大化して行く。

  トルポ 「ああ、僕の身体が開放されて行くよ、気持ち良く背伸びしてるみたいだよ」

  ダイン 「遊魔の身体は思ったよりも馴染んでいるでしょう、翼の指も問題無いですよね」

  ダインの言葉にトルポは鋭い鉤爪の付いた指をグニャグニャと動かしてみると、驚いた声を上げる。

  トルポ 「全然違和感が無いよ、まるで昔から僕の指だったみたい、この人差し指から下を羽ばたく感じで空を飛ぶんだよね」

  ダイン 「実際は魔術による浮遊の比重が高いんですがね、でも、気流の操作で制御もしてますけど」

  トルポ 「不思議と解っちゃうよね、この自然さが遊魔の能力かぁ」

  ラフォリア 「そう新しい仲間が産まれた感動の瞬間です、ダイン様が遊魔を増やしてしまう理由がよく理解出来ますよ」

  ダイン 「自分で言うのも何ですが、再誕には何とも言えない感動が有りますからね」

  トルポ 「僕も最高の気分だよ、ラフォ姉さんもありがとうね」

  ラフォリア 「こちらこそ、この島にもダイン様の威光を拡めて行きましょう」

  トルポ 「もちろんだよ、僕も丁度良い状態の岩喰いの情報をたくさん持ってるから、それに遊魔の力なら、未熟な娘でも強制発情させれるよね」

  ダイン 「強制発情ですか、実に心躍る言葉ですね」

  トルポ 「でしょ、ダイン様の好みは考えなくても解っちゃうから」

  その時ラフォリアは尾ニプルを啜って嬉しそうな顔をする、実験していた冷たい母乳が上手く行って、ダインに捧げる事が出来るのだ。

  ラフォリア 「ダイン様への祝盃の準備が整いました、トルポの再誕を祝って上げて下さい」

  ラフォリアは、尻尾をダインに向けて延ばすと、ダインは数センチ先を残したところで掴んで、口元に寄せる。

  ダイン 「なるほど、少し冷んやりしてますね、遠慮無く頂きますよ」

  ダインはラフォリアの尾ニプルに唇を付けると、一気に吸い出して行く、その行為にラフォリアは歓喜の声を上げ全身を震わせている。

  ダインの喉がごくごくと音を立てて母乳を啜り、トルポはそれを羨ましそうに見ている。

  ダイン 「トルポも欲しいですか、冷えたラフォリア乳はなかなかの美味ですから、味わってみると良いでしょう」

  トルポ 「それってダイン様用じゃないの、ちょっと気が引けちゃうよ」

  ラフォリア 「遊魔の幸せが遊魔の幸せですから、遠慮なんてしないで下さい、口が嫌ならお尻から入れちゃう事も出来るんですよ」

  トルポ 「もう、遊魔って変な事も平気でするよね、それに冷たい物は口から飲まないと、お尻に入れられちゃうと下痢になっちゃうよ」

  ダイン 「私もお尻に入れた尾ニプルを含むのには抵抗有りますね」

  ラフォリア 「そこはちゃんと別に用意します、使った尻尾は切って再生しますし」

  ダイン 「まぁ当然ですね、トルポはこのままでもいいですよね」

  ダインは口から離した尾ニプルをそのままトルポに渡す、その方が当然遊魔には嬉しい事だろうが、一応気配りで確認したのだ。

  トルポ 「このままかぷっていってもいいよね、ちょっと大きいかな」

  ラフォリア 「大丈夫ですよ、感覚は敏感ですけど痛みは鈍いですから」

  ラフォリアの了承を得たトルポは尾ニプルにしゃぶり付くと、吸い出しているが余り上手く吸い出さない様だ、ダインは見かねてラフォリアの尾ニプル根元を手に取ると乳搾りの要領で母乳を送り出して上げる。

  ダイン 「岩喰いは吸う事が苦手の様ですね、触れ合う事で解る事も多いですね」

  ラフォリア 「はぁん、ダイン様の搾り方って絶妙です、手慣れてますよね」

  ダイン 「母乳スィーツは遊魔の誇れる文化ですからね、状況に応じて個々の母乳をブレンドしますから、私は乳搾りが上手いんですよ」

  トルポ 「ダイン様が料理とかするの?」

  ラフォリア 「今日の食事は食材の調達からダイン様がやってくれました、あんなに美味しい魚を食べたのは初めてです」

  ダイン 「私は焼いただけですけどね、日本の調味料が凄いんですよ、醤油を使うと焼き魚は数段味が上がります」

  トルポ 「僕も早くダイン様の手料理が食べてみたいな」

  ダイン 「そうですね、ここはこのままにして坑道の隠れ家に戻りましょうか、ラフォリアと私の間にトルポを配すれば仲の良い親子だと思われて不自然では無いでしょう」

  ラフォリア 「とても素晴らしいお考えです、岩喰いの知識を取り入れた方が、坑道の隠れ家もより良くなると思います」

  ダイン 「なら、移動の準備を始めましょうか、岩喰いの服は独特ですので、私の外衣を使った方が良いでしょう」

  ラフォリア 「いや、それだと明らかに怪しいですよ、ラフォリアの服を詰めて着て貰いましょう、今のトルポは岩喰いらしさが減ってますから容易には気付かれない筈です、外衣はラフォリアの方が身体の大きさ的に怪しまれない筈です」

  ダイン 「確かにラフォリアの指摘は正しいですね、外衣を羽織って顔を隠した子供は怪しいですからね、髪の毛の変色は解りますよね」

  トルポ 「うん、確かにそういう知識もあるよ、遊魔って凄いよね」

  遊魔の知識を習得したトルポは早速髪の毛の変色を試し始めた、茶色い髪の根元から色が金へと変色して行く。

  トルポ 「この色は岩喰いには無いから大丈夫だよ、けど、坑道に入るのはちょっと怖いよ」

  ダイン 「大丈夫ですよ、遊魔の姿で無くても身体能力は数倍になったいる筈ですから、追いかけていた岩喰い男達など既に恐るるに足りませんよ」

  トルポ 「強くはなったと思うけど、実感無いよ」

  ラフォリア 「なら、魔術を使ってみれば良いと思いますよ、岩喰いには使えませんよね」

  ダイン 「そうなんですか?」

  トルポ 「うん、でも遊魔知識にはちゃんと魔術もあるよね、どれがいいかな?」

  ダイン 「火球でいいでしょう、火は魔術の基本ですから、坑道での灯りとしても使えますし」

  ラフォリア 「そうですね、失敗しても岩喰いには火に対する耐性も有りますか初めての魔術にはちょうどいいと思います」

  トルポ 「ならやってみるよ、あ、腕に魔力が集まってこれを変換させるわけか、ちょっとまだ多いかな」

  遊魔の知識は魔術の行使が不可能とされていた岩喰いにもそれを与える事を可能とした、そしてトルポは岩喰いで初めて魔術を行使した栄光を賜るのだ。

  魔力を調整したトルポが再び念じると緑の火球が掌に発生する、何故、緑の火球なのかはダインもラフォリアにも解らないが、トルポが火球を発生させたという事実は疑いようが無い。

  ラフォリア 「さすが遊魔ですね、才能が有ってもこれだけで一ヶ月は掛かりますよ、その上トルポは岩喰いなんですよ」

  ダイン 「緑の火球とか初めて見ますけどね、ですがトルポの魔術に間違い有りません」

  トルポ 「なんか思ったよりも簡単だよね、でも僕が魔術を使う日が来るなんて考えてもいなかったよ」

  ダイン 「岩喰い初かどうかは解りませんが、岩喰い遊魔初なのは間違い有りません、岩喰いの身体構造上、魔術行使は全く不可能とも思えませんし、中央大陸の岩喰いでも魔術は使えないのですか?」

  トルポ 「三百年昔に断絶しちゃってるからね、その間に向こうは使える様になってるかも?」

  ダイン 「ザキトス戦役の頃ですか、三百年断絶しているならば最早別の文化になってますよね」

  ラフォリア 「レブナン島の岩喰いは人間とかなり交流してますからね、黎明期のマギガント開発で力も貸して貰ってますし」

  ダイン 「それでゾッフォは頑丈に作られているのでしょうか、クフィカールに比べてかなり構造が強化されてますから」

  トルポ 「まぁ岩喰いの作る物は頑丈さが売りだからね、優雅さよりも実用美なんだよ」

  ダイン 「なるほど、それでゾッフォが私に刺さる訳ですか」

  ダインはトルポの言葉に妙に納得している、実際にユーマで運用されているマギガントはゾッフォ系列の割合が非常に高いのだ、そう浮遊母艦すらもゾッフォを発展させた物であるのだ。

  その後、変装を行ったダイン達は堂々と街中に繰り出して行く、リレッタは念の為に後方で護衛しているが、遊魔の擬似親子は疑われる事無く街の散策を十分に楽しんだ。

  おまけ

  ゾッフォ開発 クガトの初のマギガントであるゾゥティ開発は、岩喰いによって作られたマギガメイルのコピーから始まっている。

  マギガメイルとは掘削用魔導具マギマイナーを戦闘用に改良した物であるマギメイルを対クフィカール用に巨大化させた物である。

  マギメイル、マギガメイル共に人型である事と鎧を纏っている事が岩喰いの琴線に触れてしまい、拘りを持った逸品ものとして作られ整備性が極端に低い機体として作られている。

  その事は人類による巨人魔導具の製造に暗い影を落とす事となった、具体的には岩喰いの拘りの籠ったマギガメイルの完全なコピーはほぼ不可能で、誕生したゾゥティは見た目だけがよく似た劣悪品として誕生した、だが、対人戦においてのゾゥティの戦力は絶大で、多くの機体が製造されていった。

  そして、多くのゾゥティが産まれた中、明確な当たり機体という物が登場し、それらの機体の長所を集めて完成したのがゾッフォとなるのだ。

  ゾッフォはその開発段階から量産を意図されており、全ての部品にちゃんとした図面が存在している、これは規格を考えずに作り、ちょっとした破損で修理不能に陥る可能性もあるゾゥティに比べて画期的な事で、ゾッフォの登場で初めて人類圏の戦闘に耐え得る巨人魔導具が完成したと言えるだろう。