ルゥ編 第十八話 堕ちた三勇者

  X01-018

  ルーフィンの目覚めは何時もより心地良いものだった、上体を包む暖かい浮遊感は正に未知の体験でずっと楽しんでいたい気分だ、だが、お股の辺りが妙にスースーして、その感覚が安寧の妨げとなっている。

  ルーフィン思考 『一体どういう事でしょう、確かダイン君に尻尾を使われて・・・』

  ルーフィンは恥ずかしさで赤面してしまうが、まだ瞼は閉じたままだ、心地良い空間の微睡みは現実を忘れさせるぐらいに魅力的なのだ、そして、上体が液体に包まれている感覚もあり、眼を開くのはまだ怖い。

  だが、記憶に残る現状を思い出すと起きない訳には行かない、瞼をしっかりと拡げたルーフィンの視界には、楽しげにこちらを見守る全裸のダインとその牝達が映っていた、遊魔という種族が自身の裸体に絶対的な自信を持つ種族で有る事は理解しているが、見知ったリエルやアーキアが全裸で戯れている様子は今でも不思議な感じがする、そしてルーフィンが作り変えたリレッタも少し違った存在へと変化しており、ここがダインに都合の良い空間で有る事は明らかだ。

  ルーフィン思考 『少し気を許し過ぎた様です、まさかこんなにあっさりと捕まっちゃうなんて、でも、余り何かされた感じは・・・』

  そう思って、目線で追える身体に目を向けてみるが違和感が余りにも大きい、鼻と口元を覆う物体は液体内で空気を送り込んでくれている様だが、その先に見える身体は明らかに以前より白い、試しに腕を動かして眼前で指を動かして見るが、見慣れた手とは違う手がイメージ通りに動いて変な感覚になる。

  ルーフィン思考 『これがダイン君の望むルゥの身体ですか、白い指がとても繊細に思えますね、悪くは無いと思いますが、綺麗過ぎる感じです、ルゥの顔が負けちゃいますよ』

  そう思っていいる矢先に更なる変化がもたらされている事に気付いてしまう、指の先に見えたピンクの部分は明らかに乳首の位置で、ザキトスに作り変えられたルーフィンの乳首の色とはまるで違う、確かめる為に指で摘んで見やすくしてみるが、指に摘まれた乳首の感覚はそのままなので、どうやらダイン好みの身体にされてしまっている様だ。

  ルーフィンは自身の変化に困惑していると、ダインが微笑み掛けている、すると液体の中に次々と泡が浮かんで上部が空気に満たされて行く、それはここから出してくれるという事だろう。

  頭がすっぽりと空気に包まれたところで、呼吸器を覆っていたマスクが取り払われて、ようやくルーフィンは会話が出来る様になった様だ、だが、正直まだ状況に困惑しており紡ぎ出す言葉が出て来ない。

  ダイン 「尻尾カプセルは中々の居心地でしたでしょう、私自身は体感した事は有りませんが、全裸の男など見ても面白く無いですからね」

  アーキア 「ダイン様はそうだろうけど、アキは違うよ、やっぱ自分に無いモノは気になるじゃん」

  リエル 「ダイン様は見ているだけでも満たされますから」

  ダイン 「まぁ異性の身体とはそういうモノなのかも知れませんね、ですが私はうるさいですよ」

  アーキア 「今のルーフィン見れば分かるよ、嫌なら作り変えちゃうのがダイン様だし」

  ルーフィン 「これがダイン君の好みって事ですか、確かに黒ずんだ乳首はルゥも嫌でしたけど、これは可愛すぎですよ」

  ダイン 「似合っていると思いますけど、その姿でいれるのは私の前だけですから安心して下さい、ルゥはルゥとして乳魔の王をやって、私を気休めに使って下さい」

  ルーフィン 「気休めなんて無理ですよ、ダイン君と一緒にいる方が緊張しますし」

  リエル 「なんだかんだでルーフィンも女の子なんですね、もっと素直になった方が楽ですよ、堕液使って無い娘は自分で愛情を表現しないと、ダイン様が一歩引いちゃうんですよ、でも、攻めると可愛がって貰えます」

  ダイン 「懐く者ほど愛おしいですから、その点ルゥはお得ですよ、あと三人はもう友名で呼び合ってもいいと思いますが」

  アーキア 「それは感じていたけど、言い出せないよね、ルーフィンとは一生解り合えないと思ってたし」

  ルーフィン 「はい、でもダイン君が勧めてくれたのでやってみます、アキとリィはルゥの事どう思ってます?」

  リエル 「いきなり飛ばして来ますね、今は嫌いじゃ有りませんよ、特にその姿だと別人みたいですし」

  アーキア 「そうだよね、ルゥ、髪までピンクだし、どんだけエロ生物にされてるんだよ」

  ルーフィン 「そんな・・・あっピンクです」

  ルーフィンは後ろ髪を手で掴んで前に回すと、その色がピンクに変わっている事に衝撃を受けている。

  リエル 「髪だけじゃ有りませんよ、ルゥの肌が白くされているのはピンクが映える為ですよね、下半身がとってもエッチです」

  ルーフィン 「え、ルゥの身体そんな事になってるんですか、ダイン君変態過ぎます」

  ダインはリモコンを操作して、画面のスイッチをオンにすると、固定されたままのカメラの映像が映し出されるとダインよって変えられてしまったルーフィンの全身が映し出される。

  ダイン 「どうです、我ながら良く出来たと思います、ルーフィンの様な娘は外から変わった方が良いと思いまして」

  リレッタ 「とってもお似合いですわ、ルゥ様はもっと飾った方が良いと以前から思ってましたわ」

  ルーフィン 「飾るじゃ無いですよ、ルゥの顔には似合ってませんよ」

  ダイン 「ルゥは美しい顔立ちをしてますよ、真面目な性格が禍いして表情が死んでいただけです、今の恥ずかしがる表情はとっても可愛らしいです」

  ルーフィン 「嘘ですよね」

  アーキア 「ダイン様は正直だからね、それに女としての魅力が無ければ絶対に手を加えないから、ルゥを欲しいとダイン様が思ったから変えられちゃったわけ」

  リエル 「そこは信じて間違い無いです、リィもルゥの尻尾が気になるぐらいですし」

  ルーフィン 「そこまで考えちゃうんですか」

  ダイン 「遊魔の尻尾はコミュニュケーションの道具ですからね、交尾し合ってる遊魔同士が仲が悪いなんて思えないでしょう」

  ルーフィン 「つまりルゥにも見習えという事ですか」

  ダイン 「無理強いはしませんが、友名で呼び合うとはそういうモノじゃないんですか?」

  アーキア 「全然違うって、ダイン様は同性の友達と肉体関係は持たないでしょ」

  ダイン 「友人でも男に触れられるのは嫌ですね、というか異性でも選り好みしてますよ」

  リエル 「根本的に人間が嫌いなんですよ、多分、遊魔に出来る者だけと接しられるんですよ、本能的に男の穢れを感じているんじゃ無いでしょうか」

  ダイン 「それは日本に居た時から解りましたね、なんというか色が違うんですよ、ニアは文字通りの化け物の姿をしていましたが、抱く事に抵抗は無かったですね」

  アーキア 「ニアって可愛いじゃん、全然問題無いよ」

  ダイン 「可愛く作り変えたんです、ニアの元の姿も記録しておけば良かったですね、もしかするとニアの携帯に残して有るかも、あ、偽装工作で処分したんでしたね、ですがナナならデータを移しているかも、怪人とか好きですから」

  リエル 「ダイン様の世界は本当に凄いですよ、今の姿を個人で記録出来るなんて」

  ダイン 「失ってからその凄さに気付くモノですね、当たり前が無くなる状況はなるべく経験などしたく無いですね」

  ルーフィン 「解りますよ、でもこの世界も中々楽しいじゃ無いですか」

  ダイン 「それはそうなんですが、何か物足りないと感じる事が多いんです、未練も沢山残ってますしね、まぁそれを忘れさせる為に色々試してますが」

  アーキア 「その結果がこれかぁ、まぁダイン様の好みの姿にされるのはご褒美だけど」

  アーキアはルーフィンの姿を値踏みする様に眺めて感想を口にする。

  リエル 「やっぱり興味有りますよね、リィとアキって余り変えられていませんから」

  ルーフィン 「悪意の有る物言いですね、容姿でルゥが負けてるのは解ってますけど」

  ダイン 「いや、そんな事で争うのは無意味ですよ、一番の好みなんて時によって変わるモノでしょう、優柔不断だと言われようがそうなんだから仕方ないんです」

  アーキア 「人間が言うと最低な言葉だよね、でもさ遊魔なら誰もが一番っていう事で嬉しいんだよ」

  ルーフィン 「思考を作り変えるって本当に凄いです、そしてもうルゥも変わっちゃってますよね、嫌とかいう感情は無くて単純にダイン君が大好きになってるんですよ、そしてこの恥ずかしい身体が誇らしいです、ダイン君の前だけで変われる姿ですから」

  リレッタ 「やっぱりこうなっちゃいましたか、でも意外と充実してますよね、ルゥ様の事は大切でしたけど、やはり男性で有るダイン様は感じ方が全然違うんですよ」

  ダイン 「生き物としての本能を刺激しているんでしょうか、アキが大好きなリィはどう考えているんですか」

  リエル 「そもそも好きって同じ方向じゃ無いと思います、さっきダイン様が一番は時によって変わると言ってましたが、どの感情が強いかの現れなのかも、リィはダイン様とアキが他の遊魔に比べて突出してると思いますけど、どちらが上とは言えませんね」

  アーキア 「そんな事言っちゃっていいの、アキはダイン様だけ別格だと思ってるけど」

  ダイン 「構いませんよ、リィの執着は面白く感じてますから、アキに見せつけながらリィを抱く時は堪らない顔をしますからね」

  ルーフィン 「やっぱりダイン君って歪んでますよね」

  ダイン 「性癖は進化しますからね、そして進化した性癖に沿って新しい遊魔が産み出されて行くんですよ」

  リレッタ 「個々にちゃんとした個性を与えているところは凄いと思いますわ、愛情が注がれてるって実感しますもの」

  ルーフィン 「ザキトスやルゥの欠点ってそういう事だったのかも、眷属の数は増やしてるけど、余り変わりが無いんだよ、ルゥ自身が変えられて気付いたんだけど、特別に成るのってこんなにも絆が深くなるんだ」

  ダイン 「確かに私は個々の個性を活かした遊魔を産み出す事に趣きを置いていますね、ですが、私の中では遊魔を増やし過ぎたとも思っていますよ」

  アーキア 「いや、良い娘がいればまた増やすよね、でもさ、愛は止まらないモノだから」

  リエル 「増えた娘は無条件に好きの対象ですから、ルゥだって今は愛おしく感じているんですよ」

  アーキア 「ほんと怖いよね、あれだけ嫌いだったのに違和感なくルゥって呼べちゃってるよ」

  ダイン 「良い事じゃ無いですか、同じ世界から来た者同士ですから仲良くした方がいいでしょう」

  ルーフィン 「記憶が消えたわけじゃ無いから変に感じるんですよ、見るのも嫌だと感じていたんですよ」

  アーキア 「今がいいならそれでいいよね、なんて言うか心が広くなったんだよ」

  リエル 「確かにその認識が正しいのかも、あと遊魔って張り合う必要もありませんから、ダイン様に関しては別ですけど」

  アーキア 「まぁベタベタしてるだけじゃ愛され無いから、距離空けてた方が構ってくれたりするしね」

  ダイン 「私も気分で動いてますから、ですが一番効果的なのは仕事を手伝う事ですよ」

  リエル 「リィやアキでは逆に迷惑な様な気がします、基本的に身体を使う事ばっかりでしたから」

  ダイン 「剣闘士でもやってみますか、マギガントの通信技術を応用すれ迫力の有る戦いを闘技場に映し出せると思うんですよ、それならばマギガント戦と違って整備の手間も有りませんしね」

  ルーフィン 「そういう娯楽はルゥ達の世界に有りましたけど、結構生々しいですよ、手脚が飛んだりしてましたから」

  ダイン 「リアルとはそういうモノなんですかそれはちょっと嫌ですね、素手の格闘技とかはどうでしょう」

  リエル 「ピラパンですね、リィとアキは大好きでした、小さい頃は選手になるのが夢だったんですけど、異形なのがバレちゃいますから」

  ピラパンとは三人の来た世界で盛んな格闘技の事だ、意外と女性に人気の格闘技でプロ選手なども存在している。

  アーキア 「でも今なら問題無いよね、それに遊魔の身体なら凄い技とかも出来るよね、二人でやろうよ遊魔ピラパン」

  ルーフィン 「面白そうですけど、一度ダイン君に見て貰って判断して貰うべきですね、ルゥは遠慮しますけど」

  リレッタ 「リッタは興味有りますけど、他にも好きそうな娘はいますよね」

  ダイン 「取り敢えず練習してみればいいですよ、ですがあまり無茶はしないで下さいね」

  アーキア 「怪我しても直ぐに治るじゃん」

  ダイン 「遊魔はそうですが、普通の人が出来なければ広まりませんからね、安定して収入が得られる様に頑張って見て下さい」

  ルーフィン 「別にお金には困って無いですよね、遊魔はむしろ稼いでいる様ですが」

  ダイン 「組織への解りやすい貢献は上納金ですからね、別に稼いでくれなくてもいいんですけど、言っておいた方がやる気が出ますよね」

  リエル 「そういうところが怖いんですよね、解りやすく金額を設定して欲しいです」

  ダイン 「いや、どうせ初めは初期投資で赤字ですから、ですがそこから幾ら稼げるかが力の見せどころですよ、上手く行かなければ他を頼ってもいいですから、それに失敗しても経験は残りますからね」

  ルーフィンはダインの与える自由さに感銘を受けていた、そしてこの自由さこそがテガスを発展させている原動力でも有り、何よりそれを一番活用しているのがダインでも有る。

  つまりダインは遊魔達をより自分に近い存在へと導こうとしている様なのだ、遊魔はダインの理想像として産み出されているのは確かだが、ダインが真に求める遊魔にはまだ到達していない様にも思える。

  それを導き出したルーフィンは自分こそが最高の遊魔に成れるのでは無いのかと思い初めていた。

  おまけ

  ルーフィン(ダイン仕様) 乳魔の女帝とも言えるルーフィンですらダインは己の美学で染めてしまう、それがダイン仕様という姿で、当のルーフィンですらダインの前ですらその姿に成れる事は無い。

  これはあくまで見た目の話で、ダインが付与した侵蝕尻尾に組み込まれた擬似脳などは見た目を変えずに使用出来る。

  擬似脳とリンクしたルーフィンの思考は遊魔に近しいモノへと変化しており、今後はほぼダインの意思に従って動く様に思考侵蝕されてしまっている。

  その上で今のルーフィンの最優先事項は自らが産み出した制御が難しい乳魔達の掌握で、その方法はダインがルーフィンに行った擬似脳を組み込む事で達成される。

  つまり、乳魔という種族全体をダインの支配下に置く事でもあり、その行いが乳魔達に発覚すれば反発されるのは間違い無く、ルーフィンの腕の見せ所と言えるだろう。