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【46】異世界の友だちと素敵な朝食を♪

  昨夜の内にネットスーパーで食材を注文しておいて大正解!

  と、自画自賛しながら玄関で届いた荷物を受け取る。

  朝の早い時間に頼んでスマヌ!マジ助かってます!

  宅配サービスに関わる方々に感謝を捧げながら、早速箱を開けてみた。

  中には卵にベーコンにバター。ウインナーに鮭の切り身といった生鮮食品と、トマト人参玉ねぎ、キュウリに半玉のキャベツ等の野菜たち。

  後はこれに出前で頼んでいるパンが届いたら、ご飯の材料は万事揃うという訳だ。

  箱の中身を一旦冷蔵庫に仕舞っていくと、冷蔵庫の中が随分と賑やかになったのを実感。

  青年に食事を振る舞うようになって、今までの自分の食生活の適当さが浮き彫りになった。

  目を逸らし続けていた部分を突き付けられ、ちょっと反省。

  独り暮らしになって10年。

  最初のうちこそ料理していたものの、独りだと諸々に気を遣わなくなり怠けてしまっていた。

  友人のアキが家に上がるようになってからは少しマシになったが、自分だけの為に料理を作る気に等なれる筈もなく・・

  「お腹が満ちればそれで良し」の元々の気質が発揮され、どんどんいい加減になっていったのだ。

  うむ。

  今までは若さにかまけて適当こいても大事にはならなかったが、三十路になった現在、健康にはもっと気を配るべきだろう。

  ・・・いや、解ってはいるんスけどね。

  最近体重もヤバいし・・運動する気がないんだから、せめて食生活は改善しないとイカンと・・

  あぁ。栄養ゼリーとかだけで生きていけたら楽なのにな・・

  ま。それは置いといて。

  「食事を楽しめる環境って、やっぱ大事なんだなぁ~」

  ここ最近はご飯が美味しくて嬉しい。

  青年と食卓を共にする楽しさに感謝しながら、頼子は朝食の準備に取り掛かった。

  〇・〇・〇・〇・〇・〇・〇・〇・〇・〇

  7時になるまで後数分というところで準備が整った。

  頼子はいそいそと、向こう側のベルに繋がる紐を引く。

  ツンツンとリズム良く動かすと、あちら側でりりんりりんと高く可愛らしい音が鳴った。

  暫くしてドアを開く音が聞こえ、青年が姿を現す。

  今日も白を基調とした詰襟のパリッとした王子様スタイルだ。

  大変眼福ですありがとうございます。

  でも毎日そんな格好で息が詰まる事はないのだろうか?

  まぁ、服装の好みは個人の自由だからして、どうこう言うつもりはないけども。

  実際似合ってるし。

  「おはようアド君!」

  「あぁ、おはようアヤ。昨夜はよく眠れたか?」

  椅子に座りながらそう問われ、頼子は正直に答えた。

  「いや~それがちょいちょい目が覚めちゃってさ。少し怠い感じ~」

  「そうなのか?・・なら今日は勉強は止めにするか?」

  「え?いや、全然大丈夫だから気ぃ遣わないで!勉強の為の資料も用意したし、ちゃんとやろうよ!それに、今は誰かとお話ししてたほうが気が楽になる・・ような?・・」

  両の指先同士を触れさせ、目を合わせずそんな風につい言い訳めいた事を言う。

  この時、青年は頼子に「一緒に居たい」と言われたも同然で一瞬浮足立ったが、それでは駄目だと気を引き締め直し言葉を選んで答えた。

  「・・そうか、分かった・・だが無理はするなよ?」

  「うん!勿論だよ!」

  心配そうに言われて、心がほわっとした。

  うぅ。人の優しさが身に染みるぜ・・

  「じゃ、まずはご飯にしますか!」

  「そうだな。あぁ、良ければこの果実水も一緒にどうだろうか?」

  用意した食事を運ぼうと立ち上がった所で、青年に分厚いガラスでつくられたピッチャーを持ち上げ示された。

  はい、実は気になってました!

  薄っすら透けた中身が青色というトンデモナイ色してますけど、果実水なんすね!

  「あんがと!グラス持ってくるね!」と軽く了承して、食事を乗せたトレイを運ぶ。

  「はいどうぞ!」

  「おぉ!なんとも色彩豊かだな!」

  「でしょ?こっちの宿泊施設とかで朝に出される食事を意識してみました~♪」

  今日の朝食はザ・モーニングセット!

  バターたっぷりのスクランブルエッグに、刻みキャベツとカットしたトマトとキュウリ。

  ドレッシングはお気に入りのゴマドレ!

  ちょっと焦げ目の付いた厚めのベーコンとウインナー。

  バター醤油でソテーした鮭と缶詰コーン!

  汁物は昨日作った豚汁でございます。

  そんで、主食にはお取り寄せしたクロワッサンとロールパン!

  いや~。朝からこんなしっかり食べるのは何時ぶりかな?

  「とても美味そうだ!それに、素晴らしく良い香りだな!」

  「ね!早速食べよう食べよう!」

  自分の分も運んで、2人して「いただきます」と手を合わせて箸を持つ。

  先ずはお野菜~と、トマトをパクリ。

  続いてキャベツにキュウリと来て、豚汁を啜ったらウインナーを齧る。

  う~ん、じゅわっと溢れる油が美味い!

  『これこれ!』と舌の喜ぶままにお肉を堪能したら、今度はロールパンを手に取った。

  トースターで軽く温めたパンは焼き立てみたいにふっくら!

  あちち!となりながらちぎって口に放り込むと、優しいバターの香りがふんわり鼻を抜けて幸せを運んでくる。

  そこに今度は食べやすくカットしたベーコンを一切れ。

  うむ!ベーコンの油とバター。二つのオイルのマリアージュは、はっきり言って最高です!

  オイリー欲が満たされたら、今度は飲み物・・

  グラスに満たされた、透き通った青い異世界ドリンクに手を伸ばす。

  失礼ながら、まずは匂いを確認・・

  すんすんと嗅いでみると、ほんのり柑橘系の香りがした。

  おそるおそる一口含んで、舌で転がして飲み込む。

  ・・うっま!

  何これうっまー!

  え?最高級の新鮮オレンジ?や。わからんけど何か、柑橘系のヤツを完熟させて絞った感じがする!

  苦みなんか一切なくて、甘いのに適度に冷やされてるのもあって後味スッキリ!

  ん?そいや果実水って言ってたよね?

  水で割ってコレっすか?!

  マジか、異世界の果実パネェ!

  「アド君!アド君!これすっごく美味しいね!見た目を裏切る美味しさにビックリだよ!」

  驚きのままに果実水の感想を伝えると、無言で食事に集中していたらしい青年は顔を上げて目を瞬かせ、笑って言った。

  「気に入ったか?迷宮産の珍しい果実が手に入ったのでな。私の魔法で果汁だけを集めて冷水で割ってみた」

  そこで青年もグラスに手を伸ばし、一口飲んで「うん、美味いな」と頷く。

  「迷宮産?しかも魔法で?だからこんなに美味しいの?」

  「そうだな、以前飲んだ物よりも美味い気がするのは魔法を使ったからかもしれんな」

  「しかしこれの見た目は良くないのか?普通にある色だろう?」と首を傾げる青年に、頼子は少し慌てて説明するのだった。

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