神狐と人間の話【第1話】

  season1 第1話『始まり』

  空を雲が覆い、曇りとなって、地上を暗く、照らす。

  ポタッポタッと、雨水が振り注ぎ、雨によって出来た水溜りが、あちこちと地上に出来る。

  そんな地上の片隅。

  小さな村があった。

  赤く、火が燃え盛る村。

  村人の声が轟(とどろ)き、血溜まりがいくつも倒れた人間の傍に出来る。

  泣き叫び、怒号、苦しみ、全てが混じり合い、炎となって、消し去る。

  そんな中に1人。

  黒いローブを着た少年がいた。

  顔には、誰かの返り血であろう、赤い血が付いております、少年はただただ、燃え盛る村を見つめる。

  そんな淡い水色の瞳の中には、一直線に燃え盛る炎が映り込む。

  そんな彼に1人の村人が瀕死な状態で叫ぶ。

  村人『お前なんか、、お前なんか、来なければあああ!

  このッ!忌まわしき存在がああああ!』

  そう言い放つと、力尽きる。

  少年は、何事もなく、そんな光景を見つめる。

  そのまま、炎が雨によって消えるまで、彼は、その光景を目に焼き付けていた。

  炎の火が消え失せ、彼は、顔を上げる。

  雨が顔へと振り注ぎ、水滴が、涙を流すように、身体へと流れる。

  少年は、上を向いたまま、誰もいない。

  力尽き、倒れた村人達の前で呟く。

  少年『、、、誰も信じない、、。

  僕は、ただ、、。

  この世界の、、住人として認めてほしいだけなのに。

  こんな世界なんて、、、嫌いだ。』

  そして、村を出ようとした。

  その時、、。

  ???『う、うぅぅ、、。』

  誰かの呻(うめ)き声が響く。少年は、驚き周りを見る。

  すると、1人瀕死の状態で生きている子がいた。

  少年よりちょっと大人びており、青年系の子。

  少年は、そのまま力尽きると思い、何もせずに去ろうとした。

  しかし、ローブを捕まれ、言葉を紡がれた。

  青年『ま、待って、。

  おいて、かないで、くれよ。』

  そう、呟いたのだ。

  少年は、目を見開いて驚き、一瞬戸惑ったが、すぐに切り替えて、冷たい目を浴びせながら、冷たく言い放つ。

  少年『知らないよ。

  そのまま、他の愚かな人間と共に力尽きて。

  僕は、、人間が嫌いだ、、。』

  それを聞いたら、すぐに離すだろうと思った少年。

  しかし、彼は一度も緩まず、ずっと握ったまま。

  少年は、苛立ちを覚え、すぐに振り払おうとするが、頑なに離さない。

  少年は、焦り、戸惑う。

  そんな少年に青年は、思いがけない言葉を放った。

  青年『お前、、優しいな。

  瞳が、綺麗だ。』

  少年は、その言葉を聞いて、目を見開く。

  言葉もそうだが、それだけではない。

  血が止まる事なく、流れているにも関わらず、彼は、、。

  そう、彼は一度少年に対して、怒りや軽蔑ではなく、ただただ、、。

  笑顔で笑っていたのだった。

  少年は、何故かその青年に惹かれて、手を差し出した。

  それを返すように青年もまた、手を出し、そして、2人は手を握り合うのであった。

  これは、そんな2人が、過酷で苦しい道を進む話。

  これは、まだ序章に過ぎない。