全然認めてくれない師匠の弟子を辞めたら…

  ガラカラガラ(戸の開く音)

  ただいま帰ったぞ、弟子よ、

  出しておいた課題は済ませたか?

  どれ、見せてみろ、

  …ふむ、まぁまぁな出来だな、及第点といった

  ところだろう。

  じゃ、次はこの課題をしておいてくれ。

  妾はまたしばらくここを空けるからな。

  ?どうした?物言いたげな顔をしおって…

  良かったところ?…別に特に良かったところは無いだから及第点だ。

  「及第点以上になったことがない」?

  はて?そうだったか?記憶にないな。

  それに実際そうだったとしてもお主の実力不足じゃ妾のせいではない。

  いいか?お主はまだ基礎中の基礎も出来ていない

  状態じゃ、だから高望みせずゆっくり学べば

  いいんじゃよ。

  わかったならさっさと課題に取り掛かれ、

  妾は1週間は空ける予定なのでその間に課題を

  終わらせておくように。

  じゃ、行ってくる。

  【2週間後】

  ガラカラガラ

  すまぬすまぬ予定が本来より長引いてしまった故、帰りが遅くなってしまった。

  課題は終わらせておるか?

  ふむ、まぁまぁだな。

  「また」と言っても妾からしたらまるで成長

  してないみたいに見えるからな、

  妾の予定が長引いた1週間の間なにをしておった

  のだ?

  修行?、お主課題の出来がこの程度で修行等と

  はっちゃけておったのか?

  別に酷い事は何も、妾はただ事実を言っておる

  のだ。

  これからは妾もしばらく予定もないし、ダメダメな弟子の面倒を見てやらんとな。

  ?なんだ?声が小さくてよう聞こえん。

  もっとはっきり言ってくれ。

  何?弟子を辞めるだと?

  な、何故じゃ!?お主変な物でも食べたのか?

  でなきゃ説明出来んお主がいきなり弟子を辞める等と…

  それに仮に、仮にだぞ…お主が妾の弟子を辞めたとする、その後はどうするのじゃ…

  ほ、他の所に弟子入する!?

  ダ、ダメじゃ!ダメじゃ!

  お主が妾以外に師事するなどそんなふざけたこと

  断じて認めん!

  いいか?これは命令じゃ!お主は妾から離れては

  ならん!

  わかったらさっさと先程の言葉を撤回するのじゃ!

  な!どこに行く!命令、命令じゃぞ!

  この妾が命令しておるのだぞ!

  待て!行くな!行くんじゃない!

  止まれ!わ、妾が悪かった!悪い所があるので

  あれば直す!要望も出来るだけ聞き受けよう!

  それに、お主の欲しい物を何でもくれてやろう!

  ど、どうだ?とても魅力的な条件だろ?だから…

  妾を、妾を見捨てないでくれ…。

  【一ヶ月後】

  ガラカラガラ

  おぉ!帰ったか!実に久しいな!

  なんだ?そんなあり得ない物でも見るような目で…

  まぁ良い。それよりもお主の師匠等とほざく女狐を

  始末しておいたぞ。

  おかしな話だろう?お主の師匠は妾だけなのに。

  ?なにを言っておるのだ?

  お主の師匠は妾だろう?冗談でもそんな事言わないでおくれ。

  妾はお主の師匠で、お主は妾の愛弟子。

  出会った頃からずっとそうだったではないか。

  お主と離れていてとても寂しかったぞ…

  だが安心しろ、妾はわかっておる。構ってほし

  かったのだろう?

  だからあんな事言ってしまったのだろう?

  後に引けなくなったのだろう?わかっておる。

  しかし妾が寂しい思いをしたのも事実。

  お主には少しだけ罰を受けて貰わんとな?

  先程丁度邪魔者も居なくなったからな、

  今、この場は妾とお主の二人きりだ、

  今夜は二人で長く長〜く愛し合おう。

  ふふっ、心配せんでも妾も初めてだ。

  二人で色濃い初体験をしようではないか。