旦那様は寡黙で口下手なダンディズムFAー真夏の熱情 バカンスにて黒獅子サンドを召し上がれ編ー

  …これは、とある男の数ある未来のうちの一つの物語である…。

  季節は夏。最近汗ばむことが多くなってきた。…俺は仲間宏明。もうすぐ29歳の虎獣人の男。半年以上前まで俺は一人寂しくシコシコとオナニーをするだけの寂しい独り身だった。だがそんな俺にもようやく、彼氏ができた!そう、かっこいい彼氏が!だ。その男の人はとってもダンディズムで大人の色気あふれる黒色の獅子獣人!

  「待たせたな、宏明。」

  「俺も、今来たところだから、大丈夫っす。正宗さん!」

  そう、俺の彼氏は黒い鬣に、所々白い柔らかな毛並みが混じっている。狼と獅子の両方の血統を持っているこの世で一番かっこいい俺の旦那様なのだ!

  旦那様は寡黙で口下手なダンディズムFAー真夏の熱情 バカンスにて黒獅子サンドを召し上がれ編ー

  真田正宗。42歳の黒色の獅子獣人で俺の旦那様!ダンディズムな風貌と瞳の奥がいつも優しい!まさにパーフェクトな旦那様!そして、俺のアナル処女をささげた男だ!…その時はゴムを付けていて、それ以降セックスするときもゴムを欠かさない!…俺としてはいつでも中だし、種付けOKだ!…そのことを口には出していないが…いや、ザーメンは俺の口に出されたことがある…って、何を言ってるんだろう、俺は。正宗さんと会えた喜びで内心、はっちゃけているのだろう!…仕方ないだろう!俺の旦那様はこんなにもダンディズムなんだから!

  「それにしてもよかったっすか?今日、予定があるって言ってたんじゃ。」

  「ああ。それなら大丈夫だ。…夜は一緒にはいられないが、それまでの時間は確保している。…それに…。」

  「それに…?」

  「…俺も、待ちきれなかったから…。」

  ズキュゥウウウン!!

  正宗さんのイケボのバリトンボイス!!俺の乙女心にクリティカルダメージを与える!!俺は雄なのに、くそぉ…!でも、仕方ない!

  「今日は宏明のおすすめの映画と言っていたな。」

  「…そうっす!アクションものの映画なんすけどね!迫力あるって評判なんっす!だから、正宗さんと一緒に、見たかったから…。」

  「…俺もだ。宏明と一緒にいることがこんなにも満たされるだなんて思ってもみなかったさ。」

  ズキュゥウウウン!!

  さらなる正宗さんのイケボのバリトンボイス!!俺のハートはノックアウト寸前です!大佐!俺のアナルがきゅんとうずくが、今日お前の出番はない。…でも、いつでも受け入れられるよう、正宗さんと会う前は必ず洗浄を行う!綺麗なアナルの出番は次回ということで…。

  「それにしても、どんな内容なんだ?事前に予習をしていなかったから。知らなくてな。」

  「何でも、あのタイガが主役の映画っす!タイガっていうのは白虎で青い目のイケトラで1000万人のファンがいて、かっこいいんす!あ、でも、最近結婚してクリスという名前で主演を務めるようになったって聞いたっす。」

  「…よかった。」

  「何がっすか?」

  「…その男が既婚者だったからだ。」

  「…へ?」

  「宏明のかっこいいという言葉は、その、俺にだけ向けてほしいからな…。」

  「…もしかして、俺がタイガに言ったかっこいいって言葉に嫉妬したんすか?」

  「…そのようだ。…こんなにも心が狭かったとは俺自身、思ってもみなかったさ。」

  ドグン!!な、なんて表情!ちょっと悲しさと怒りの表情も混じった正宗さんも…イイ!!

  「お、俺にとっては!」

  「…?」

  「俺にとっては、正宗さんが一番かっこいいっすから!」

  「そうか、それならばいい。…宏明。」

  ドグン!!

  正宗さんのテレ顔!なんて俺のハートにクリティカルダメージを与えるんだ!ああ、俺、こんなに幸せでいいのかな?明日、小指を箪笥の角に打ち付けるような真似にならないよな…?

  「宏明?」

  「…」

  「…宏明?」

  ハッ!ヘブンモードだった俺の心が正宗さんのイケボで現実に戻される。…いけないいけない。今日はデート。そう、正宗さんとのデートなんすから!

  パン!

  俺は両ほほを叩いて気合を入れなおし、デートという名の戦場に赴きます!大佐!

  「ちょっと時間には早いっすけど、ポップコーンとか買ったらそれなりに時間はかかりますし、そろそろ行きましょう!正宗さん!」

  「ああ、そうだな。…チケットは…。」

  「予約済みっす!」

  「頼もしい言葉だ。さすが、俺の恋人だな!」

  ズキュゥウウウン!!

  なんて嬉しい言葉を!まだデートは始まったばかりなのに俺の心は高鳴っておかしくなりそうです!大佐!

  「宏明?」

  「な、何でもないっす!じゃあ、行きま…にゃ、にゃにを…!?」

  「…恋人なんだ。手をつなぎたくなったから。…いけなかっただろうか?」

  「そんなことないです!」

  俺もラグビーをしていて鍛えられていると自負しているが目の前の黒獅子も雄だと感じさせるかっこいい手。そうして映画館まで俺と正宗さんは手をつなぎながら歩いた。…見たか!非モテども!そして去年までの俺よ!俺は今こんなにも幸せなんだぞ!つい、恋人つなぎの手で握ると、正宗さんも恋人つなぎの手で握り返す!

  ぷしゅううううう…

  俺の顔は沸騰して赤くなってしまった!まるで体育教師の赤虎先生そのものだろう!俺の脳内は恋人つなぎ…恋人つなぎ…その一点しかなかった!

  …余談だが、俺の脳内が沸騰していたため、正宗さんに指摘されるまでポップコーンを買うことを忘れていた。…ああ、しょっぱなから恥ずかしい真似を…俺…。

  そして2人並んで映画を見ようと席に座る。一番前ではなく真ん中の、でも一番よく見えると自負している席。もちろん、隣同士だ!

  「正宗さん、映画見ている間、手、つないでもいいっすか?」

  正宗さんは顎に手を当てた後、こう答えた。

  「…駄目だ…。」

  「えっ…。」

  ガガーン!!

  まさか、まさか正宗さんに提案を断られるなんて!!

  「ど、どうしてっすか…?」

  「手なんかつないだら、意識してしまうだろう…?」

  「…へ?」

  「せっかく俺の恋人の宏明が勧めてくれた映画なんだ。この後、映画について語り合いたい。だから、手なんかつないだら宏明に集中してしまうから、せっかくの映画が台無しになってしまうだろう?…手は後でいくらでもつないでやるから…な。」

  ずっきゅううううんん!!

  ま、まさか、まさか正宗さんがそこまで考えていたなんて!大変感服いたしました!

  「そ、そうっすね。せっかくの映画なんですから。今だけは映画に集中します。後で一緒に語り合いましょうね!」

  「ああ。そうだな。…宏明。」

  「は、はい。」

  「スマホ、マナーモードにしているか…?」

  「え…あ…ああああっ!」

  何たること!映画館でのマナーを忘れているなんて!正宗さんに言われるまで気づかなかったとは!俺は正宗さんの言葉通りスマホをマナーモードに切り替えた。

  …そして、映画が始まる。いつものマナーを知らせるためのお知らせ、他の映画の予告。そして映画が始まる。

  …俺はその映画につい見入ってしまっていた。ダイナミックなアクションにかっこいいタイガ…1000万人のファンがつくのもわかる気がする。…俺も、ついファンクラブに入りたくなる気持ちになってしまった。そして映画の最中。俺たちは確かに手をつながなかった。だが、今回買ったポップコーンは一つ。それを正宗さんと共有しながら食べている。だからこそ!

  「…!」

  ふいに正宗さんの手と俺の手が触れ合う瞬間が、生じてしまう!そのせいもあってその時だけは映画に集中できなかったのは、正宗さんには秘密だ!

  そして映画が終わる。俺としては満足したといえる、時間だった!

  「正宗さん!あの映画、よかったですね!」

  「ああ!宏明のおすすめの映画だけあって、とても面白かった。つい、見入ってしまったよ。」

  「そうっすよね!」

  「宏明、よかったらあそこの喫茶店で映画の感想を語り合わないか?俺もまだ時間は大丈夫だ。」

  「もちろんです!」

  そういいながら俺と正宗さんは近くの喫茶店へと入る。…結構おしゃれで綺麗。清潔感のあるいいお店だといえた。

  「いらっしゃいませ!2名様でよろしいでしょうか?」

  「ああ、2名で。今空いているかな?」

  女性が俺たちに声をかける。…正直言ってきれいな女性だ。イケボの正宗さんに声をかけられるなんて!と、つい、嫉妬してしまう…。

  「はい、空いております!…失礼ですが、お二人は恋人同士なのでしょうか?」

  「な!なぜ…!」

  「あ、ああ。そうだが…。」

  つい、言い当てられて困惑してしまう俺と正宗さん。

  「やはりそうなんですね!お二人のまとう空気が甘いものだと感じましたから…あ、失礼しました。私の名前はカオリです。以後、お見知りおきを!」

  …俺たちを恋人だと見抜くとは!このカオリという女性、侮れないぞ!!

  「では、お席にご案内しますね。」

  そういって連れられたのは窓際の席。周りからは見えず、それでもって日当たりのいいベストな席だ。エアコンも効いており、快適な空間だった。

  「おすすめを聞いても構わないかな?」

  「はい!今はデザートにちょうどいい時間帯なので、ホットケーキとか、ワッフルとか、おすすめですよ!」

  「そうか、…では俺はホットケーキにしよう。宏明は、何にする?」

  「じゃあ、俺はワッフルで…あっ、ドリンクはアイスティーで。」

  「俺はアイスコーヒーで。」

  「かしこまりました!今なら特別にラブストローをお付けしますが、いかがいたしましょう?」

  「ら、ラブストロー!?」

  「さ、さすがにそれは…なあ、宏明。」

  「うふふふふ…冗談ですよ。では、もうしばらくお待ちください。」

  そういいながら女性が俺たちのもとから去っていく。…まったく、心臓に悪いじゃないか。

  「ラブストローだなんて…ねぇ、正宗さん。」

  「あ、ああ。そうだな。この場ではな…でも…。」

  「…?」

  「…俺の部屋で、今度試してみよう。ラブストローを、な。」

  !!!!!!正宗さんからの嬉しい提案!俺のラブ度はストローでは吸いつくせないほどあふれています!大佐!!

  そして俺たちの話題は先ほどの映画に向けられる。

  「それにしてもさっきの映画、迫力あってすごかったっすね!」

  「ああ。救出劇や最後まであきらめない展開も、みごとだった。」

  「CGも迫力あったっすもんね!」

  「効果音も、迫力があったな。」

  そんなこんな、映画の内容をワイワイと語る俺と正宗さん。だが、俺のふとした会話でその表情を曇らせてしまった!

  「それにしても、タイガってやっぱかっこいいっすよね!1000万人のファンがつく理由もわかる気がする…ってどうしたんすか!?正宗さん!」

  いままで和気あいあいモードだった空気が少しだけ凍り付いてしまったであります!

  「すまない…いや…」

  「正宗さん…?」

  「…宏明だから言うが、少し嫉妬してしまった。」

  「…え?」

  「…その、タイガという男に、だ。宏明からかっこいいって言われると思うと、なんだかな…俺自身、子供じみた独占欲みたいなものが出て…恥ずかしいな…。」

  ずっきゅううううんん!!

  伏目がちに言う正宗さん!その表情が、俺にとっては!

  「お、俺の一番は正宗さんですから!俺が世界で一番かっこいいと思っているのは正宗さんだから!…信じてくれ。」

  「…ああ。宏明の言葉だ。信じるさ。」

  俺の言葉に笑顔を見せる正宗さん!…俺と正宗さんの絆がタイガを打ち破ったあかしだ!…だが、タイガはかっこいい。正宗さんに隠れてファンクラブに入ろうかと思ったのはここだけの秘密だ!…それにタイガは既婚者で、伴侶をこの上ないくらい愛しているという話だから、間違いは起こらないからな!

  「お待たせしました。ホットケーキとワッフルです。それと、ドリンクをどうぞ!」

  そういいながらカオリというお姉さんが料理を持ってくる!…素朴な見た目ながらも、うまそうだ!正宗さんが頼んだコーヒーもいい香りだ!これはあたりの店なのでは!?俺はつい持っていたスマホで料理の写真を撮ろうとする。題材は、旦那様とデート!だ!

  「よろしければ私がお写真をお撮りいたしましょうか?」

  カオリという名の女性。…以降、カオリと呼ばせてもらおう。カオリは俺に提案してきた。断る理由のなかった俺はスマホをカオリに渡した。

  「ありがとうございます。被写体はいかがいたしましょう。料理のみ。それとも、2ショットを含めた写真にいたしましょうか。」

  「どちらもお願いします。」

  「かしこまりました!」

  そういってカオリは写真を撮っていく。慣れているのだろう。スマホを返してもらい、撮られた写真を見ると、どれも鮮明に映っていた。

  「ありがとうございます。」

  「いいえ。…もしよろしければ、私のカメラでお二人の写真を撮らせていただいても構わないでしょうか。」

  「…どうしてでしょうか。」

  正宗さんが口を開く。

  「私の隠れた趣味なんですの。私の店で出されるデザートやドリンクを見て笑顔を見せるその瞬間を写真に撮るのが。…もちろん、悪用しないと約束いたします。」

  「それならば、俺は構わない。いいよな。宏明。」

  「俺もいいですよ。正宗さん。」

  「では、2人一緒に撮らせていただきますね!…もう少し顔を近づけていただけますか?そのほうがデザートが際立って見えますわ!」

  …!2人。顔を近づけて…!俺のセンサーが反応する!カオリは…腐女子だ!!ならば、今撮っている写真が悪用されることはないだろう!何らかの資料になっている可能性はあるが…。だが、この店はサービスもいい!腐女子なら正宗さん単体にちょっかい出すこともない!…正宗さんと俺で絡められる可能性はあるが。だが、今の俺はデートで気分がいいからな!腐女子のカオリに、サービスだ!あえて俺はほほが引っ付くくらい正宗さんに近づいた。…正宗さんは気づかなかったが、カオリはご満悦の表情を、していた…。

  そして2人、デザートへと口を運ぶ。

  「このワッフル、サクサクでおいしいです。」

  「…ホットケーキも、うまいな。…思わぬところでいい店を見つけたな。…これは、取材対象にしても、いいくらいだ。」

  「…正宗さんが認めるなら、絶対ヒットしそうっすね。この店。」

  「…そうだな。今度、正式に取材を依頼しても、いいかもな。…宏明。ワッフル、一切れもらえないか?」

  「えっ!?」

  「だめ…か?」

  「も、もちろんいいっすよ!」

  正宗さんに言われたら断れないじゃないか!俺は正宗さんにあーん。をする形でワッフルを食べさせた。

  「ワッフルもいいな。お返しだ、宏明。」

  そういって、今度はホットケーキをあーん。で俺の口元に寄せる正宗さん。…やめてください!正宗さん!その行為で俺のライフは今ゼロだ!…いや、やめないでくれ!正宗さん。俺は差し出されたホットケーキを口に含んだ。

  「…うまいっすね。柔らかくて。」

  思わず賛辞の言葉を述べていた。…それほどまでにおいしかったから。この時ばかりは、素直にデザートの味に舌鼓を打っていた。…だからこそ気づけなかった。俺たちのことをクワッ!として見ていた。…その視線に…。

  手元のドリンクを飲んでいる最中、正宗さんが一つの話題を俺に振ってきた。

  「そういえばだな、俺の弟に宏明のことを話した。」

  「弟…ですか。」

  「ああ、双子のな。」

  「なんて話したんすか?」

  「俺の恋人だと、話したさ。」

  「そ、それって!」

  「ああ。もちろんだ。隠すつもりなんてない。自慢の恋人だからな。」

  「…光栄です。」

  「今写真は持ってないが、俺と似た顔の双子の弟さ。一応、宏明の写真は見せて紹介はしておいた。いずれ、弟にも正式に紹介したい。いいだろうか。」

  「もちろんっす!」

  そして、残ったデザートを食べ終え、ドリンクを飲み終わり、店を出ようとする。残念ながら、この後正宗さんは用事があるため、デートも今日は終わり。会計をしようとすると正宗さんは俺の分の伝票をもって支払いをしようとしていた。

  「正宗さん!自分の食べたものくらい…!」

  「…今日はデートなんだ。俺にかっこいい姿、見させてくれ。」

  ずっきゅううううんん!!

  何度俺のハートを打ち抜けば気が済むんだ、俺の旦那様は!

  「はい…。」

  乙女か!ってくらいの返事しかできなかった。

  「そういえば、ただいま、私の店ではキャンペーンをやっておりますの!」

  そうカオリが俺たちに告げる。

  「キャンペーン?」

  正宗さんがそうカオリに聞き返す。

  「ええ!キスをしたカップルはただいま2割引きになるキャンペーンを行っておりますの!」

  「キ、キスゥ!?」

  俺はたまらず聞き返してしまう。

  「ええ!もちろん、性別に区別はつけませんわ!同性同士でも、OKですわ!」

  …むしろそれが望みなんですのよ!…

  腐女子の心の中の声が俺に届いた気がする。…さすがに、それは…はずかしい。…思わず正宗さんを見る。…正宗さんがきりっとした目で、告げる…。

  「…わかった。宏明。いいな。」

  「え…正宗さ…んんんんんんん!!!!」

  その瞬間、俺の唇が正宗さんの唇でふさがれていた!突然のことで俺のハートは爆発寸前!温かな唇の感触に…俺はぁ…!!

  「…これでいいだろうか。」

  「ええ!もちろんですわ!!またのご利用、お待ちしておりますわ!ちなみにランチもやっておりますので、よろしければぜひ!」

  「ああ。また利用させてもらおう。…行こうか、宏明。」

  「…」

  「…宏明?」

  「ひゃ、ひゃい!」

  俺は幸せの絶頂にいたため、生返事になってしまった。

  店を出て、俺と正宗さんがそれぞれ帰ろうとする。

  「宏明。今日は楽しかったな。…どうした。顔を赤くして。」

  「…正宗さんは平気なんすか…その、俺とキスなんかして。」

  「…平気ではなかった。恥ずかしさはあったさ。…でも…。」

  「…?」

  「…俺の恋人は、俺にとってそれだけ魅力的だってことさ。」

  「正宗さん!」

  「…またな、宏明。今度2人、お互いの都合がつく時間が出来たら、またデートをしよう。」

  「は、はい!」

  こうして今日のデートは終わった。俺の中ではまたもや乙女か!ってくらい俺の心臓が高鳴っていたのは、今日正宗さんに何度したかわからない、秘密だ。

  そして今日!珍しく正宗さんと俺の予定が空いたので、デートをすることが決まった!この前のデートとは違い、お泊りの予定だ!もちろん、あーん❤な夜になるだろう!俺はこの日のために歯医者に行って歯をきれいにしている!お口くちゅくちゅモンダミン的なあれも用意している。俺のアナルもキレイキレイしていつでも受け入れる準備はばっちりだ!もちろん、オナ禁している!今の時間帯は昼。これから正宗さんとランチの予定だ!待ち合わせ場所についた俺。正宗さんは…いた!あの後ろ姿は、間違いない!

  「お待たせしましたっす!正宗さん!」

  俺は元気よく声をかける。正宗さんが振り返る!このかっこいい顔はやっぱり俺の旦那様だ!俺はうきうきとしていた。だが、次の一言で俺は凍り付いてしまった。

  「…おまえは、誰だ?」

  「え…?」

  …今までに聞いたことのない冷たい声。イケボのバリトンだからこそ効果が強かった…。

  「や、やだなぁ!そんな冗談…宏明っすよ。宏明!」

  「…」

  「…え?」

  「あ、ああそうだったな。すまない、ヒロ。」

  …ヒロ?確かに正宗さんは俺のことをヒロと呼ぶこともあるが…ここでようやく俺は違和感を感じ始めてきたぞ!

  「正宗さん…あの、眼鏡…」

  「ああ、これか。おしゃれのつもりだ。…似合ってないか?ヒロ。」

  「似合ってるっす!」

  …似合っている、似合っているのだが!!俺の旦那様…のはずなのに…なんで違和感を感じるんだ…俺?それに、甘いコロンに混じるにおい。…これは…煙草?

  「正宗さん、本当に、正宗さんっすか?」

  「…ヒロもおかしなことを言うな。俺が別人に見えるのか…?」

  「い、いえ…いや、はい。…なんだか、その…」

  俺がまごまごしているそんな時!別の場所から俺の旦那様のイケボのバリトンボイスが聞こえてきたのだ!

  「宏明、待たせてすまない…。」

  「え…ええ!?正宗さんが…二人!?」

  俺の目がおかしくなったのだろうか!?それとも正宗さんを好きすぎるあまり、幻覚が!?俺の脳内は混乱状態です!大佐!

  「ああ…どうしたんだ。宏明。」

  このイケボは間違いなく俺の旦那様の声そのものだ!

  「じゃ、じゃあ、あなたは…?」

  俺は目の前の正宗さん?に質問していた。

  「ばれちまったか…」

  目の前の正宗さん?いや、黒獅子は俺に向けて正体を明かした!

  「初めましてだ。宏明さん。俺の名は、忠伸。そこにいる正宗…兄貴の双子の弟だ。」

  …双子の…弟!?確かに正宗さんから弟の存在は知らされていたが、こんなにも似ているなんて!

  「忠伸さん…っすか?」

  「ああ、俺は忠伸だ。よろしくな、ヒロ。…ああ、仲間さんって呼んだほうがいいか?」

  「い、いえ。ヒロで構わないっす。」

  「わかった。じゃあ、俺はヒロと呼ばせてもらうことにする。」

  「忠伸はどうしてここに?」

  「偶然歩いていたらヒロに声をかけられたからな。名前を聞いてピンときた。兄貴の恋人だと。だからつい冗談で…怒るなって、兄貴!」

  「怒ってはないが、だますのはよくないぞ、忠伸。」

  「そうだな。…それよりも、お二人はこれからデートか?」

  「ああ、そうだ。忠伸。」

  「めったに休まない兄貴にしては珍しいと思っていたんだ。…それにしても兄貴がうらやましいな。こんなにかわいい奴が恋人だなんて。」

  「か、かわいい!?俺がっすか!?」

  「ああ、俺のタイプにドストライクだ。…兄貴の恋人でなかったら、ナンパしていたかもな!」

  茶目っ気たっぷりに言う忠伸さん。…うっ!大人の色気が俺のハートにずっきゅううん!!ときてしまった!いけません!大佐!俺には正宗さんがいるのに…!

  「た、忠伸さん…」

  「俺は、そんなに魅力がないのか?」

  「魅力的です!」

  はっ!つい、言ってしまったであります!ああっ!正宗さんの眉間にしわが!!俺、俺、どうすれば!!

  ぐぅっ…

  その時、俺のおなかがぐぅっ…となった。…空気よめよ。俺のおなか。いや、空気を読んだのか?

  「ヒロ。昼メシ、まだ食べてないのか?もしかして、兄貴も?」

  「ああ、宏明と一緒にメシを食おうと思っていたからな。な、宏明。」

  「はい!そうです!」

  「…だったら俺も昼メシに同席しても構わないか?兄貴。ヒロ。」

  「ええっ!?忠伸さんも…?」

  「ああ。せっかく兄貴の恋人に出会えたんだ。よかったら俺にも紹介してほしい。さすがにこの後のデートについていくような無粋な真似はしないさ。いいだろ?」

  「…そうだな。俺も、忠伸には宏明のことを正式に紹介したいと思っていたしな。…これもいい機会だ。…いいか、宏明。」

  「俺も構わないです。正宗さんの家族のこと、俺も知りたいですし。」

  「決まりだな!…メシを食う場所は決めているのか?」

  「候補は、あるんすけど…。」

  「だったら、前のデートで行ったあの店にしないか?ランチもやっていると言っていたしな。」

  「あの店ですか…?」

  腐女子のお姉さんが経営している店か。…確かにそこの料理はうまかったし、ランチもきっとうまいだろう。俺に反対する理由はない。

  「俺は賛成っす。」

  「決まりだな。忠伸も、そこでいいか?」

  「兄貴がお勧めする店はうまいに決まっているからな。俺も、そこでいい。」

  そして俺たちは以前利用した喫茶店へと足を運ぶ。店内に入るとカオリが俺たちに声をかけた。

  「いらっしゃいませ!…あっ!またご利用していただけるんですね!嬉しいですわ!」

  「ああ。今空いているかな?」

  「はい!空いておりますわ!…あら?今日は…2人ではないのですわね…。あなたによく似たこちらのダンディな殿方は?」

  「忠伸といいます。正宗…兄貴の双子の弟です。」

  「そうなのですね!では改めて自己紹介を。私はこの店の店長のカオリと申します。では、3名ということでよろしいですか?」

  「ああ。3名で。」

  「かしこまりましたわ!では、お席にご案内いたします!」

  そしてカオリに案内され、大きめのテーブル席へと3人座る。目の前には顔のよく似たダンディな黒獅子の双子!くぅっ!俺の目に…ダンディオーラが降り注ぐ!

  「ランチのお勧めを聞いても構わないかな?」

  「はい!そうですわね…夏野菜のカレー、夏野菜を使ったハヤシライス、トマトをふんだんに使ったオムライスが今日のお勧めですわね!」

  「ありがとう、カオリさん。…では、俺はハヤシライスにしよう。忠伸は?」

  「じゃあ、俺はカレーで。」

  「俺はオムライスにするっす。」

  「かしこまりました!では、今しばらくお待ちください!」

  そういいながらカオリが俺たちの前から離れる。…話題は俺のこと、そして忠伸さんのことが中心だった。

  「ヒロ。結構鍛え上げられた体をしているが、何かスポーツでもしていたのか?」

  「ええ。昔はラグビーをやっていたっす。」

  「ラグビーか。結構きついイメージがあるが、どうなんだ?」

  「そうっすね。タックルとか痛いこともあるっすけど、チームが一丸となる瞬間!あれはいつでもいいもんっす!」

  「そうなんだな!ちなみにヒロの好きな食べ物は何なんだ?」

  「俺は…甘いものが好きっすね。」

  「兄貴とおんなじだな。…俺も甘いものは好きだが。」

  「気が合うっすね!俺たち!」

  「そうだな。…それにしても、ヒロがいい人だってことがよく伝わる。…兄貴も素敵な恋人、見つけたんだな…。」

  どこか、哀愁を漂わせたような表情。だが、すぐにニコニコとした顔に戻る。…さっきのは、気のせいだったのだろうか…。

  「忠伸さん…忠伸さんは恋人、いないんすか?」

  「ああ。残念ながら、独り身だ。」

  「そうなんすね…かっこいいから、モテそうなのに…」

  「真田財閥での仕事が忙しいからな…出会いという意味では、意外とないんだ。」

  「そうなんすね。」

  「だが、気になるやつは…いるんだがな。」

  「…誰だ?俺も知っているやつか?」

  「…兄貴には秘密だ…。」

  「そうか。でも、その恋、かなうといいな。」

  「俺自身、かなうとは思ってはいない。…俺はその人の幸せそうな姿を見るだけで、いいんだ。」

  「…もったいないっすよ!」

  「…ヒロ?」

  「忠伸さん、かっこいいんすから!もっと自信をもって、どんどんアプローチして大丈夫です!俺が保証します!」

  「…兄である俺も、保証する。」

  「…ありがとう、兄貴。…ヒロ。話は変わるが、聞いてもいいか?ヒロ。」

  「なんっすか?」

  「兄貴との夜のほうは、どうなんだ?」

  「ふぇええええ!?」

  まさかここにきて爆弾質問!?どう、答えればいいんだ!?

  「え…ええっと…」

  「兄貴からは、その、ヒロが兄貴の童貞をささげた男だと聞いていたからな。ヒロは…ウケか?」

  にやにやとしながら聞いてくる忠伸さん!やめてください!セクハラっすよ!忠伸さん!確かに俺のアナル処女は正宗さんに捧げられたっすけど!

  「こら、忠伸!」

  「すまない。つい、ヒロがかわいいから、からかいたくなっちまったんだ。…許して、くれよな。」

  …うっ!正宗さんと同じ顔でそんな顔されたら…俺はぁ!

  「許すっす…。」

  そして、しばらく談笑しているとカオリが料理を運んできた。

  「お待たせしました。料理をどうぞ!」

  そして俺たちの前に並べられる料理!どれもうまそうだ!!

  「よろしければ、お写真をお撮りしましょうか?」

  「お願いします!」

  そういいながら俺はスマホを渡し、写真を撮ってもらう。…やはりプロだ。料理が鮮明に映っている。

  「もしよろしければ…」

  「かまわない。」

  「ありがとうございます!」

  カオリの趣味を知っている正宗さんが許可を出し、俺たちの写真を撮られる。忠伸さんがニヤッと笑ったのが見えたその瞬間!俺と正宗さんは忠伸さんに引き寄せられ、3人のほほが密着するくらい近づいた!!その瞬間をカオリは激写する!!カオリの腐女子センサーに引っかかったのだろう。写真を撮り終わったカオリはまたもやご満悦の表情をしていた!その表情!俺じゃなきゃ見逃していたね…。

  「それではごゆっくり!ちなみになんですが、今出されている料理は弟の優太が作ったものですわ!…では…」

  そういいながら、カオリが俺たちの前から離れていく。前に来た時にわかっていたが、やはりここの店の料理はおいしそうだ。俺は目の前のオムライスを一口食べる。…トマトの甘みと酸味が絶妙だ!これは、リピート確定だ!俺の満足度、急上昇!正宗さんも忠伸さんも自分の料理をおいしそうに食べている。…2人はなんて幸せそうな笑顔を浮かべているんだ!その顔を見れただけでも俺はドキがムネムネ!!おなかいっぱい!ごちそうさまです!俺は腐ではないがカオリの気持ちがわかる気がするであります!大佐!いい男同士仲良く食べるそのしぐさ…即死級の美しい、光景であります!

  「兄貴。ハヤシライス、一口もらってもいいか?」

  「いいぞ、忠伸。」

  …!なん…だと!?ごく自然に、正宗さんが忠伸さんに対し、あーん。をしていた!!!

  「うまいな。お返しだ。兄貴。」

  そして今度は忠伸さんが正宗さんにあーんを。ごく自然に。ダンディな男同士、似合っているといえば、似合う!それは、わかる!だが!

  「正宗さん…忠伸さん…」

  「どうした?宏明。」

  「いや、俺がおかしいんすかね?」

  「…?」

  「あ、いいえ。あーん。を普通にしていたから。」

  「…ああ。俺と忠伸は小さいころからしていた行為だから違和感がなかったな。…変か?宏明。」

  「そんなことないっす!仲のいい兄弟ということでうらやましいっす!」

  「ならよかった。」

  「だな、兄貴。」

  …今の行動は兄弟の仲がいい証拠。ほほえましさを感じるのと同時にちょっとしたジェラシー。正宗さんと忠伸さんに…あれ?ここでどうして忠伸さんが出てくるんだ?俺。

  「ヒロ。オムライス、一口くれねぇか?」

  「…あ、いいっすよ。スプーンを…」

  「こんなことで店員を呼ぶのもめんどくさいだろ。そのスプーンでいいから。」

  …ええっ!?これは忠伸さんにあーん。をする展開ですか!?正宗さん以外の男に!?思わず正宗さんを見るが、正宗さんは気にしていない様子!…まさか、まさか!あーん。をすることが日常になっている2人には俺があーんをすることくらいどうでもいいのか!?ちょっとは気にしてほしいが、わざとらしく断るのも、どうだかなと思い、俺は忠伸さんにあーん。をしてあげた。

  「オムライスもいいな。お返しだ、ヒロ。」

  そして差し出されるスプーン!まさか俺が旦那様以外の男とあーん。をするなんて!でもまぁ、将来の義理の義弟…いや、義兄か。になる存在!そう、忠伸さんは家族!家族ならあーん。も、OKだ。俺は深く考えず、謎理論を展開し、忠伸さんからあーん。をされた。なお、正宗さんともあーん。をしたのは言うまでもないだろう!!

  そして食事を終え、お会計をしようと伝票を手にしようとしたら、忠伸さんが俺たちの伝票を持って席を立った。

  「忠伸さん!自分の食べたものくらい!」

  「ここは俺におごらせてくれ。2人のデートに無理言って割って入ったわびだ。…それにヒロのことを知れた礼でもあるんだ。俺の顔を立てると思って。」

  「わかった。ありがとう、忠伸。」

  「ごちそうさまでした。忠伸さん。」

  そして俺たちは店のレジ近くに立つ。レジを担当しているのはカオリ。その隣にいる小柄な人間の男性は…?

  「ごちそうさまだ。」

  「ありがとうございます。皆さんに紹介させていただきますわ。隣にいるのは弟の優太。調理担当ですわ。」

  「初めまして。僕の名前は優太といいます。今日はご来店いただきありがとうございます!」

  「そうか。料理、おいしかったよ。なぁ、兄貴。ヒロ。」

  「ああ、おいしかった。」

  「うまかったっす!」

  「それは、とてもうれしいです!」

  「では、お会計を…」

  「…カオリ!ほら!」

  「…わかっているわ!」

  …2人の間に流れるこの空気は!もしや!

  「ただいま、私の店ではキャンペーンをやっておりますの!キスをしたカップルはただいま2割引きになるキャンペーン!今日は特別にお連れ様の分も割り引かせていただきますわ!!」

  「…キスをすれば、忠伸の負担が減る。それならば…。いいな。宏明。」

  「…はい。」

  …ちゅっ…

  今度は心の準備ができている分、正宗さんからキスをされたという現実を受け止められているであります!…ちょっと、ほんのちょっとだけ余裕のあった俺は片目で忠伸さんを見る。…忠伸さんはにやにやとしていた。…もう片方の目で2人の店員を見る。…2人の店員はクワッ!とした目で俺と正宗さんを見ている!…間違いない!カオリが腐女子なのは確実だが、優太という男性は、腐男子だ!!この光景は、おいしい料理のお礼として、腐の同志たちに、進呈しようではないか…。

  「では、お会計から割り引かせていただきますわね!」

  「ありがとう。」

  忠伸さんがお礼を言い、店を出ようとする。そんな中、正宗さんはカオリに声をかけていた。

  「すまない。ちょっといいだろうか。」

  「なんでしょうか。」

  「私はとある雑誌の編集をしている者でな。よかったらこの店を雑誌で紹介したい。かまわないだろうか。」

  「もちろん、かまいませんわ!」

  「ありがとう。これは、俺の名刺です。」

  そして、綺麗なフォームで名刺をカオリに渡す。ビジネス姿の正宗さんも…イイ!さすが俺の旦那様!ダンディです!

  「頂戴いたしますわ。…代わりと言っては何ですが、こちら、店のチラシですわ。」

  「ありがとう、カオリさん。取材の内容に関しては後日、電話にて連絡させてもらいます。」

  「こちらこそ、お電話、お待ちしておりますわ!」

  「用事は済んだ。では行こうか。宏明。」

  「はいっす。」

  そして俺たち3人は喫茶店を後にしたのだった。

  …男同士のキス…美しい光景だったね、カオリ。…

  …う腐腐腐腐…ええ、美しかったわね。優太にも、素敵な彼氏、できるといいわね。…

  …カオリ!腐男子の僕はホモを見るのが好きなだけでホモではない!からね!…

  「これから兄貴とヒロはデートの続きをするんだろ?」

  「ああ。とりあえず、美術館に向かうつもりだ。…いいよな。宏明。」

  「もちろんっす!」

  「…そうか。デート、楽しいものになるといいな。…またな、兄貴。ヒロ。」

  そう言いながら俺たちの前から去る忠伸さん。…ここからは俺と正宗さん。2人きりのデートの始まりだ!

  まずは約束通り美術館!正直言って俺に絵心はない!中学の頃の美術の成績は、お情けの「2」だ!自慢ではないが、な!

  「正宗さんって絵に詳しいんですか?」

  「正直言ってそこまでではない、かな。ただ雑誌を編集する者として、最低限の知識は有しているつもりさ。」

  さらりと言う正宗さん!この言いぶりは絵についても詳しいと判断するっすよ、俺は!

  美術館でまず目にしたのは大きなキャンバスに描かれたカラフルな油絵。普段、風景画を見ていない俺でもきれいな出来栄えだとわかるその絵。正宗さんも心なしかうきうきとしているようだ!

  「きれいな絵っすね!正宗さん。」

  「ああ、きれいな絵だな。…それにただ綺麗なだけでなく、全体としての調和も取れている。」

  「なんか楽しそうっすね。正宗さん。」

  「そうか?…宏明ときているから、そう感じるのかもな。」

  さりげなく俺にウインクをする正宗さん!

  ずっきゅううううん!!

  俺のハートにダイレクトアタック!つい、俺もテンション急上昇!

  「今度はあっちの風景画をみないっすか?正宗さん!」

  「もちろんいいさ!…だがな、宏明…。」

  「…なんすか…?」

  「綺麗な絵を見てはしゃぎたい気持ちはわかる。だが。美術館ではお静かに、だな!」

  「…え…あ…ごめんっす。」

  正宗さんに指摘された俺は顔を赤くして小さくうなだれてしまった。…子供みたいで、恥ずかしいな。俺。

  そして様々な人が描いたカラフルな風景画を見て回る俺と正宗さん。俺もきれいな絵を見るにつれどんどん元気を取り戻していった。次は、カラフルな風景画から墨で描いた風景画。色がない分、心なしか奥深さを感じる。そして魚や鳥、人間の絵なども見た。2人してどの絵がよかったかを言い合いながら回っていく。もちろん、小声でだ!美術館ではお静かに!もちろん、約束は守ってるっすからね、正宗さん。正宗さんにふさわしい恋人のふるまいの第一歩!公共の場ではマナーを守る!だ。

  「そういえばだな。この先のコーナーでとある高校の美術教師が描いた絵が数点展示されているそうだ。何でも黒獅子の男性が描いた絵らしくてな。…同じ黒獅子で、親近感を覚えたんだ。だから宏明。一緒に行かないか?」

  「もちろんっす!」

  そして俺と正宗さんはコーナーに足を運ぶ。数点、絵が並べられていた。絵心のない俺でもうまいとわかる絵だ。風景画に人物画。…その中でも俺が鮮明に記憶に残ったのは一つの絵だった。

  …俺の大切な人たち…

  その絵にはたくさんの人物が描かれていた。…水牛獣人。人間の女性。狼獣人の男。…そして、どことなく俺に似ているような虎獣人の男。…なぜだろう。その中でも虎獣人。そして、狼獣人になぜだか胸を締め付けられるような感覚を覚える。…この感覚は、なんだ。…ときめきではない。…失ったものへの愛情?恋慕…?…この感情は俺の少ない語彙力では言い表せられなかった。

  「宏明…?」

  「…」

  「宏明。」

  「え…な、なんっすか?正宗さん。」

  「その人物画、気に入ったのか?」

  「え、ええ。そうっす。なぜだか目をひかれるような気がして…」

  「そうか…確かに、いい絵だからな。」

  「正宗さんは、この絵の中では誰が一番だと思うっすか?」

  「…そうだな。お前に似た虎獣人の男。…いや、狼獣人の男も、いいかもな。」

  …正宗さんは狼獣人の男とも言った。だが不思議なことに俺の中で嫉妬心はまったく湧き上がってこなかった。

  「宏明は、どうなんだ?」

  「俺は…狼獣人の男になぜだか目をひかれたっす。」

  「そうか。」

  「…この絵を描いた…」

  「宏明?」

  「…この絵を描いたという黒獅子。俺、いつか会ってみたいっす。出来たらどんな気持ちでこの絵を描いたのか聞いてみたい。おかしいっすかね?俺。」

  「…そうだな。俺も、宏明と同じ気持ちだ。どんな思いで描いたのか、なぜだか気になってしまう。俺と同じ黒獅子だということを、差し引いても…な。」

  そして、俺と正宗さんは黒獅子が描いた絵のコーナーを出て、最後に別の人が描いた絵へと目を向ける。…この絵は!

  …アダムとアダム モブおじさん作…

  俺のセンサーが反応する!仮にさっきの喫茶店の店員さんが見たら間違いなく興奮すると!

  「なかなか、攻めた絵だな。男同士だが、ここまで堂々としていると、立派に思える。…一通り絵を見たが、この美術館も、雑誌の取材対象にしてもいいな。」

  「そうっすね。この絵を見たら、カオリが喜びそうっすね。」

  「…なぜ、さっきの店員の名前が出てくるんだ?」

  「え…あ、男同士…腐…いや、何でもないっす。」

  …正宗さんはおそらくカオリと優太は腐だとは思っていない。…2人の名誉のためにも、このことは黙っておいてやろう。

  「…そうか。」

  …余談だが、カオリと優太はすでにその絵をリサーチ済みだったことを、ここに、記しておこう…。

  そして俺たちは美術館を後にする。次に向かったのは、水族館だ。何でも正宗さんが優待券を持っているとのことだったので正宗さんがチケットを俺に手渡してくれた。水族館では、綺麗な熱帯魚やふわふわと浮かぶクラゲを2人、穏やかに見ていた。

  「水族館なんて、久しぶりに来たっす。」

  「そうなんだな。…俺は一度取材でここに来たことはあるが、やはり、綺麗な場所だな。俺のお勧めは魚ではないが、サンゴだ。橙色。宏明の色のサンゴが俺のお気に入りだ。」

  どきゅぅううううん!!

  こんな時でもなんて嬉しいことを言ってくれるんだ旦那様は!俺のハート、正宗さんにドキドキしっぱなし!このドキドキに俺が慣れることは、永遠に来ないだろう。

  「正宗さん。最近、仕事で取材すること多いんすか?」

  「そうだな。最近は歩いて取材に行くことが多いな。最近暑いから、汗ばんでくるよ。」

  …!汗に透ける正宗さんのワイシャツ姿!想像するだけでギンギンしこしこレベルです!これは!でも、正宗さんには体調第一でいてほしい!だから…

  「正宗さん…。」

  「なんだ?宏明。」

  「…熱中症、注意っすよ…んんんんんんん!!!!」

  …!?今俺、正宗さんにキスされている!?なぜ!?嬉しい、嬉しいが!ああ!正宗さんのいい匂い!俺、こんなに幸せでいいのだろうか?この前、箪笥の角に小指をぶつけた俺。即死級のどきどきを感じながらも、なぜ、旦那様はこんな公共の場で…俺に!?

  「ま、ままま、正宗さん?」

  「…どうしたんだ、宏明。」

  キョトンとした目で俺を見る正宗さん。そのしぐさもかわいい!の一言だが…だが!

  「ど、どうして、キスを…!?」

  「なぜって…宏明が、キスをしたいといったからだろう?…真田家の男児として、応えてやりたいと思ったからさ。」

  「お、俺が!?」

  「ああ。ねぇ、ちゅーしよ。ちゅー。って。宏明が誘ってきたんじゃないか。」

  「い、いえ。そういう意味じゃなくて…。」

  「…?」

  「暑いから、その…熱中症には注意してくださいっていう意味だったんす…。」

  「そ、そうだったのか!すまない!宏明!」

  あたふたとしている正宗さん。俺自身、平静を装うのはインポッシブルなミッションだったが、一言だけ告げた。

  「正宗さん…水族館ではお静かにっすよ…。」

  俺が絞り出した一言に正宗さんはバツの悪そうな顔をしていた。

  そんなハプニングがありながらも俺たちは熱帯魚のコーナーを出て、売店近くに用意された椅子に座る。

  「少し歩き疲れたな。飲み物を買ってくる。宏明、何にする?」

  「オレンジジュースで。」

  「わかった。ここで待っていてくれ、宏明。」

  そう言って、飲み物を買いに行った正宗さん。10分後、正宗さんはオレンジジュースを俺に手渡した。

  「ありがとうございます。あっ、お金。」

  「…俺が出すさ。宏明の恋人として、当然だ。…そういえば、もうすぐイルカのショーが始まるみたいだ。見に行かないか?宏明。」

  「もちろんです。」

  そう言って、正宗さんが俺の手を引いて、ショーが行われる場所へと向かう。ああ!なんて力強い男の手!この手に俺は抱かれたんだよな俺。…思わず、セックスの最中の正宗さんの手の感触を思い出し、俺の息子がコンニチワ!しそうになるが、お前の出番はこの後だからな!我が息子よ。

  …そしてイルカのショーが行われる場所へとついた。ラッキーなことに一番近くで見られる場所で見ることができた。ショーが行われる最中イルカが跳ねる。俺は思わず拍手する。子供みたいなしぐさにあきれていないだろうか。横目で正宗さんを見たが、正宗さんも同じように拍手をしていた。そして、イルカが輪をくぐる。その時、水が跳ねる。水が正宗さんの顔にかかる。…!文字通りの水の滴るいい男!正宗さんが持っていたハンカチで顔を拭く。ガサツな俺と違い、おしゃれなハンカチを持っている正宗さん!さすがです!ダンディすぎます、正宗さん!

  ショーが終わり、2人で水族館を出ようとする。…その時だった!

  「そこの黒獅子のお兄さん、かっこいいですね!おひとりですか!?」

  女性の声がする。…まさか、正宗さんをナンパするつもりか!?俺の旦那様はかっこいい、ファンがつくのもわかる!だが!?

  「いや、一人ではない。」

  「こっちの虎のお兄さんもかっこいいですね!」

  …!?まさか俺に向けられているのか!?その言葉は!女性からの賛辞の言葉をかけられることの少ない俺にはちょっとだけ刺激が…俺には正宗さんという素敵な旦那様がいるのに!

  「よかったら私と一緒に回りませんか?」

  「…」

  やはり声をかけられた。…ついでに俺に対しても。…正宗さんが口を開く。

  「せっかくのお誘いはありがたいが、今日はゆっくりしたい気分なんだ。行こう。宏明。」

  そう言って、女性に向かってウィンクをした後、俺の手を引いて歩き出す正宗さん。…ううう。ウィンクされた女性にジェラシーを感じるぞ、俺!…いくら何でもサービスしすぎでは!?正宗さん!そのせいだろうか。女の人がキャー!イケメーン!などと騒いでいた。

  「無粋な真似をする女性もいるものだな…せっかくの宏明とのデートなのに。ああいう女は、無理に断るよりも、こうしたほうがいいのさ、宏明。」

  今度は俺だけに向けてウィンクする正宗さん。ありがとうございます!旦那様!女性の誘いを断ってくれて、感激です!そのお考え、感服いたしました!このお礼は、この後のセックスで、俺のアナルにて返させていただきます!

  その後、俺たちは夕食をお気に入りの店で食べる。獅子獣人のマスターが経営するオーブンで焼き上げたチーズと、丸ごとチキンステーキが入ったオニオンスープがとても旨い店だ。

  夕食を食べ終え、店を出た後、正宗さんが、告げる。

  「宏明。この後、いいだろうか。」

  「…正宗さん。」

  正宗さんがやさしく俺を抱きしめる。俺が感じたのは柔らかく温かな毛並み。ぬくもり。そして甘いコロンのカオリ。…正宗さんの望みを俺は本能で理解する。そして、正宗さんが、口を開く。

  「…お前が、欲しいんだ。」

  たった一言。だが、切なげなその眼差しを、真っ直ぐに俺へと向けながら、正宗さんは俺に告げる。俺はそのまなざしを受け、そして…。

  「もちろんだ。俺も、正宗さんが、欲しい。」

  俺は正宗さんの視線を正面から受け止める。…正宗さんの顔が近づく。…彼の眼差しに答えるように、そっと、俺も口元を近づける。…そして…

  …ちゅっ…

  俺はこの人と柔らかな温もりで溢れた口づけを、交わした。

  俺は、正宗さんにあのホテルへと連れて行かれた。俺と正宗さんが一つになった。あの思い出のホテルに。

  「…緊張するか?宏明。」

  俺の隣で、正宗さんが優しく俺に微笑んだ。

  「ああ。でも、相手が正宗さんだから。それに、初めてじゃ、ないしよ。」

  「そうだな。あの夜は最高だったな。」

  正宗さんがあの夜を思い出したようで照れたように微笑む。そして、正宗さんはギュッと俺の身体を強く抱きしめた。いつもの甘い、コロンの匂い。そして彼の雄々しいフェロモンのような香りがした。目を上げると、切なげに目を細める俺の愛しの黒獅子がそこにいた。茶色いその瞳を、切なげに濡らしながら。でも、熱情をもって。俺はそっと、瞼を閉じた。その瞬間。柔らかな温もりが、俺の唇を満たしていった。

  ちゅっ…ちゅっ…ちゅっ…

  触れるだけのキスを数回繰り返す。物足りなく感じた俺は目の前の黒獅子へと舌先を伸ばす。そして俺の舌がやさしく絡められる。

  くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ…

  …正宗さんの甘い蜜の味が、口の中を満たしていった。ねっとりとした優しいキスに、俺の心が解きほぐされていく。そして舌先が離れる。でも…

  「もっとしたいです、正宗さん…。」

  「宏明!」

  ぐじゅん、ぐじゅん、ぐちゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐちゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐちゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん!!!!

  「んんんんんんんっ!!!」

  先ほどまでの優しいキスとは違う。正宗さんらしからぬ激しく、野生じみた舌遣いに俺は酔いしれていた。

  ぐじゅん、ぐじゅん、ぐちゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐちゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐちゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん!!!!

  ちゅぽぉ…

  俺と正宗さんの口が銀糸でつながり、切れた。正宗さんの目が俺をのぞき込む。…正宗さんの望みが分かった俺は自ら服を脱ぎ、生まれたままの姿になった。正宗さんの舌は俺の首筋を舐め上げる。そして指は俺の乳首を甘くつねる。

  ギュムッ…!!

  「ああああああああっ!!」

  俺の乳首への愛撫に、俺は悶えた。こんなにも乳首が感じるなんて、1年前の俺では、想像できなかっただろう。やがて正宗さんの舌は俺の震える先端に向けられ…

  ベロン…

  「あああああああっ!!」

  分厚くざらざらした舌先で舐められたと思ったら、今度はその大きな口で俺の逸物を口に含む。

  ぬちゅん、ぬちゅん、ぬちゅん、ぬちゅん、ぬちゅん、ぬちゅん、ぬちゅん、ぬちゅん、ぬちゅん、ぬちゅん、ぬちゅん、ぬちゅん!!!

  …フェラは初めてではない。だが、正宗さんが俺のものをなめている。そのことが俺の興奮をそそる。

  ぬちゅん、ぬちゅん、ぬちゅん、ぬちゅん、ぬちゅん、ぬちゅん、ぬちゅん、ぬちゅん、ぬちゅん、ぬちゅん、ぬちゅん、ぬちゅん!!!

  「ま、正宗さん、もう…!」

  俺はとっさに手で止めて制止しようとする。だが、正宗さんはより一層俺への逸物を激しく舐め回してきた!

  ぬちゅん、ぬちゅん、ぬちゅん、ぬちゅん、ぬちゅん、ぬちゅん、ぬちゅん、ぐちゅん、ぐちゅん、ぐちゅん、ぐちゅん、ぐちゅん!!!!

  「まさ…むね…さん!!…いくぅううう!!!!」

  どびゅるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるる!!!!

  俺の逸物から正宗さんの口に放たれるザーメン。正宗さんは嫌がるそぶりを見せず、俺のザーメンを飲み下す。

  ごくん…

  「はぁ…はぁ…」

  「…ごちそうさま、宏明。おいしかった。今度は俺の番だ。…いいな。」

  「…うす。でもその前に、正宗さんも脱いでほしいっす。」

  「ああ。そうだな。」

  そして俺の前で正宗さんは生まれたままの姿になる。鍛え上げられた雄としての体。そしてその下腹部には大きく、太い幹のようにそびえ立つ逸物。少し余った皮が、固く張ったカリに少しだけかかっていた。…仮性包茎というやつだ。それを少しずつ剥いていけば、柔らかな包皮からエラが張った大きな亀頭がその姿を現す。ぱっくりと割れた鈴口からは透明な蜜が溢れ、俺からの刺激を待ちきれないとばかりにぴくぴくと痙攣させていた。大きな鶏の卵のような双球が、正宗さんが絶倫だということを物語っている。

  「宏明…。」

  切なそうに俺を見る正宗さん。俺は彼の顔を見上げながら、ゆっくりと逸物を舐め上げる。

  ペロン、ペロン、ペロン、ペロン、ペロン、ペロン、ペロン、ペロン、ペロン、ペロン、ペロン、ペロン、ペロン、ペロン、ペロン…!

  「ぐぅ…っ…!」

  男らしい正宗さんの声。先端から塩辛い味がする。…正宗さんが気持ちよくなってくれているあかしだ。俺は正宗さんの逸物を口に含み、舐めまわした。

  くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん…!

  彼の逸物が、ビクビクと俺の中で震える。

  「くっ!出そうだ!宏明、口を…!」

  正宗さんは俺を気遣って口を止めようとする。だが、俺も正宗さんに気持ちよくなってほしい。俺は口の動きを激しくした。

  ぐちゅん、ぐちゅん、ぐちゅん、ぐちゅん、ぐちゅん、ぐちゅん、ぐちゅん、ぐちゅん、くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ、ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ!!!!!

  「イ、イグ!!がぁああああ!!!」

  ドクンと、それは弾けた。口に感じる雄臭い味。マグマのように熱いザーメンを俺は飲み下す。…正宗さんが俺で気持ちよくなってくれたことへのあかしでもあるからだ。俺はちゅっ…とお掃除フェラをした後、正宗さんを見る。

  ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん!!!!

  正宗さんと激しく舌を絡める。ザーメンキスになったが俺も彼も気にしなかった。むしろ…俺たちは無我夢中で舌を絡めた。

  ちゅぽっ…

  俺と正宗さんの口が白く透明な線でつながり、切れた。そして俺は口に残っていたものを指に絡め、正宗さんに見せつけるように俺の秘部を正宗さんにさらし、アナニーに興じる。

  ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん、ごりゅ、ごりゅ、ごりゅ、ごりゅ…!

  俺のそんな様子を正宗さんは、はぁ…はぁ…と息を荒げながら血走った目で見ていた。十分俺の中がほぐれたのを感じた俺は正宗さんに…。

  「俺を、めちゃくちゃにしてくれ。」

  そう懇願した。彼ももう我慢ができなかったのだろう。正宗さん自身の逸物にゴムを付けたあと、逸物を片手で支えながら、ゆっくりと、その腰を沈めていった。

  じゅちゅん!!!

  「っ…あ…ぐぅっ!!」

  熱い火傷しそうな熱が、俺を貫いた。

  「ぐっ!気持ち、いい。宏明。」

  「…俺もっす。正宗さん。」

  …俺たちの間に言葉はいらなかった。そのまま、正宗さんは必死になってその表情を快感にゆがめながら腰を振った。

  がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん…!

  「ああああああああああああああっ!!!」

  「気持ち、いいか!宏明!」

  「もちろんだ!正宗さん!」

  がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん…!!!!!!!

  「…っ…あ…ああっ!!!」

  「す、すまない。宏明、俺は、もう…!」

  「出してくれ!正宗さん!俺に、俺に!!」

  がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がつがつがつがつがつ!!!!!!!

  「い、イクぞ、宏明、がぁああああああ!!!!」

  「俺も、イッちまう!…イク!イクイクイク!!がぁああああああ!!!」

  どりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅ!!!!!!!!

  ひとしきり逸物をびくびくと震わせた後、正宗さんが逸物を引き抜く。その先端からは、大きな黄色みがかった水風船のような塊が、重く垂れ下がっていた。だが、目を向ければ、未だに固さを失わない彼の大きな逸物。

  「…すまない。宏明。俺はまだ物足りない。…いいか?」

  「もちろん、いいっすよ。」

  「ありがとう、宏明。ゴムを…あっ!!」

  「…どうしたんすか?正宗さん。」

  「…すまない。ゴムを、買い忘れていたようだ。」

  申し訳なさそうにする、正宗さん。正宗さんは優しいから、自分の欲求を抑えてここで止めることを選択するだろう。そんな思い、正宗さんにしてほしくない。それに俺自身、まだ正宗さんとしたい。…だから…。

  「…いいっすよ。」

  「…宏明?」

  「…生で、いいっすよ。」

  「…いいのか?」

  「…俺、病気とかないですし。正宗さんなら、正宗さんだからこそ、いいんす。…だから。俺に、中だしして、種付けしてほしい…っす。」

  「宏明。ありがとう。真田家の男子として、責任は、取る。…愛している。宏明。」

  そして再び彼のものが入れられる。ゴム越しでない熱く、固い逸物。俺の中に逸物を入れると正宗さんは激しく腰を振り出した!

  ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん!!!!

  「…あっ…あっ…ぐぅう…」

  「くっ!生がこんなに気持ちいいものだとは!気持ち、いいか?宏明。」

  「あたり…まえっす…あっ!正宗さん!!」

  ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん!!!!

  「くっ!そろそろ…出そうだ!」

  「そのまま、俺に種付けしてください!!正宗さん!!」

  ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごちゅん、ごつごつごつごつごつごつごつごつごつごつ!!!!

  「責任はとる!!愛してる!!宏明!!がぁああああああ!!!」

  どぷん、どぷん、どぷん、どぷん、どぷん、どぷん、どぷん、どぷん、どぷん、どぷん、どぷん、どぷん、どぷん、どぷん、どぷん、どぷん、どぷん、どぷん、どぷん、どぷん、どぷん、どぷん、どぷん、どぷん、どぷん、どぷん、どぷん、どぷん、どぷん、どぷん、どぷん、どぷん!!!!!

  熱い本流が俺の中を満たす。生まれて初めての中だし。…相手が正宗さんだからこそ、嬉しさが俺を駆け巡る。正宗さんが逸物を引き抜くと、その逸物は正宗さんの精液と俺の愛液で濡れそぼっていた。

  「…はぁ…はぁ…。」

  「…気持ちよかったっすか?正宗さん。」

  「…最高だった。さっきも言ったが、責任はとる。…愛している。宏明。」

  「…俺も、愛しています。正宗さん。」

  そして俺たちは触れるだけのキスをして、温かなまどろみに落ちていった。

  …この時の俺は知らなかった。俺を…いや、俺と正宗さんを邪な目で見ていた男が、いたことに…

  そして今、この俺がいる場所!青い海!綺麗な砂浜!そう、海!しかも真田財閥所有の別荘があるプライベートビーチだ!一般ピーポーである俺にふさわしくないだと!?…確かにそうかもな。俺自身、こんなきれいな場所に訪れる日が来るだなんて思ってもみなかった!俺がここにこれたのは、とある一本の電話がきっかけだった。

  それは先日のことだ。…電話が鳴る。相手は…俺の旦那様!3コール以内に電話に出る俺!社会人のマナーとして、正宗さんの恋人として当然の行動だ!

  「もしもし…」

  「もしもしっす。正宗さん。」

  「宏明。今いいだろうか。」

  「もちろんっす!」

  「今度の休みなんだが、予定はあるか?」

  「休み…いえ、とくには…」

  「だったら、真田財閥の所有するプライベートビーチに行かないか?」

  「へ…?」

  プライベート…ビーチですと!?かっこいいだけでなくそんなものまで所有しているとは!なんてパーフェクトなんだ俺の旦那様は!

  「実はな。俺たち兄弟の恒例行事みたいなもんなんだが、夏に休みを取って兄弟でビーチの別荘に行くことが恒例なんだ。だから…」

  「いいんすか!?でも…」

  「なんだ?」

  「せっかくの兄弟水入らずの時間なのに、俺が入ってもいいんすか?」

  「かまわない。むしろ、忠伸が提案したんだ。宏明も誘おうと。…せっかくだからより親密になりたいとのことだ。だから俺は構わない。」

  「そういうことなら、喜んで参加させてもらいますね!」

  「ああ。ありがとう宏明。…この夏は、今まで以上に楽しいものになりそうだ。ではな。」

  回想終了。というわけでビーチにやってきた俺なのであった。ここまでは正宗さんが運転する車でやってきた。助手席には忠伸さん。待ちゆく人々がつい2人を目で追っている。わかるっす、その気持ち。ダンディオーラ×2の威力は宇宙の法則を捻じ曲げ、ファンというファンを作り上げるっすからね。一方俺は車に乗っている間。ひと眠りさせてもらっていた。…正宗さん、運転うますぎるっす!つい、眠ってしまったであります!せっかくの正宗さんと、忠伸さんとのおしゃべりの機会だったのに!2人から香るコロンも、俺の熟睡を誘っていた。俺にとって安心する香りだったから。

  そして海!綺麗な砂浜!俺たち3人は荷物を別荘において水着に着替える。先にやってきた俺の水着姿は橙色の体に合わせた赤い水着!俺の熱情を表現した色にしました。横にはワンポイントとしてかわいい虎のアップリケ!…あざといだと!お黙りなさい、リア充ども!…あうぅ…俺もリア充の仲間入りしたんだった。

  「待たせたな、宏明。」

  そしてやってきた俺の旦那様!厚い胸板。綺麗に割れたシックスパックに力強さを表す腕と脚。…それに、立派な黒い鬣が一層目の前にいる男を雄だと感じさせた。それに合わせるような黒くおしゃれなズボンタイプの水着!!つい、雄のエロスを感じてしまう、俺!我慢するんだ!俺!もうすぐ忠伸さんが来るんだぞ!俺の息子、沈まれ!

  「どうした、宏明?顔が赤いようだが…?太陽の暑さにやられたのか?」

  「…!い、いいえ、大丈夫です!」

  顔が赤いのを暑さにやられたと勘違いしたのだろう。こんな時でも優しい旦那様!感服です!だが、本当の真打は他にいたのだ。続いて忠伸さんが俺たちに声をかける。

  「待たせたな。兄貴。ヒロ。」

  …!?なん…だと!?まさかの黒ビキニ!?正宗さんと同じく厚い胸板。綺麗に割れたシックスパックに力強さを表す腕と脚。そして、そのもっこり!?なんてけしからん!そのもっこり具合。正宗さんに負けず劣らずのブツが備え付けられているとお見受けしました!いけません、大佐!俺には刺激が強すぎるっす!沈まれ、俺の息子!まだエクスカリバー!!するには早いんだ。

  「どうした、ヒロ。顔を赤くして…ほほぅ…。」

  にやりとあくどい顔をする忠伸さん。なんと忠伸さんは俺に見せつけるようにいやらしく腰をくねらせる!!旦那様とは違う、他の男だとわかっているのに!…わかっているのにぃ…!

  …ばたんきゅう…

  俺は目の前の光景に、やられてしまっていた。

  俺が脳内で暴走を続けている間。正宗さんと忠伸さんはビーチパラソルを準備してくれていた。

  「どうした、宏明。…やはり夏の暑さにやられたか?」

  「い、いえ!大丈夫っす!」

  いけない、いけない。正宗さんを心配させるなんて。

  「そうか。なぁ、宏明。よかったらビーチバレーをしないか。」

  「バレー!高校の時以来っすね。もちろんやりたいっす!」

  「じゃあ俺が審判をするから、最初に兄貴とヒロでするといい。」

  忠伸さんからの申し出もあり、ビーチバレーに興じる俺と正宗さん。スポーツには自信のある俺!だが、正宗さんは俺よりもうまい!悔しいが、一人のスポーツ選手として、正宗さんの貢献をたたえようではないか。

  「じゃあ、次は正宗さんと忠伸さんの番っす。今度は俺が審判をするっす。」

  「じゃあ、そうさせてもらおうか。…行くぞ、兄貴!」

  「兄として忠伸には負けられないな!」

  そして2人ビーチバレーにいそしむ。…躍動する筋肉!滴る汗!感じる雄のエロス!そしてつい目にしてしまうもっこり!!!俺にとって破壊級の光景!!

  「ちっ!決められるとはな。してやられたぜ、兄貴。」

  「兄として、負けられないからな。」

  …違いますよ、正宗さん。やられたのは忠伸さんではありません。この俺のほうが、目の前の光景にやられてしまっていたであります…。

  そして今度は3人で海で泳ぐ。一応、俺自身は多少泳ぎに自信はある。正宗さんも泳ぎはうまいようで綺麗なフォームで泳いだ後、俺のほうに近づいてくる。…ウホッ!!文字通り水の滴るいい男!!こんな時でも、完璧であります!旦那様!

  「久しぶりに泳いだからな。多少フォームが崩れてしまっていたかな。」

  「そんなことないです。とても、綺麗でしたよ。」

  「ありがとう、宏明。…そういえば、忠伸は、どこに?」

  「俺ならここだぜ、兄貴。」

  そういって忠伸さんが一つの板を持って現れる。…あれは、サーフィンボード!?忠伸さんってサーフィンできるのか?まさか、正宗さんも!?

  「せっかくだからよ、サーフィンしようと思って持ってきたんだ。」

  「忠伸らしいな。」

  「正宗さんはサーフィンできるんすか?」

  「俺は…恥ずかしながらそこまでうまくはないんだ。何とか板の上に立つのがやっとさ。宏明は?」

  「…実は俺、やったことないっす。」

  「だったら俺が教えてやろうか?」

  「いいんすか?忠伸さん。」

  「ああ!せっかくのビーチなんだ。できるなら、体験しておきたいだろう?…ちょっとヒロを連れていくぜ、兄貴。」

  「わかった。俺はパラソルの下で少し休ませてもらおう。」

  そして俺は忠伸さんとともに少しだけ沖のほうへと泳ぐ。

  「さすがにいきなり波に乗るのは難しいから。まずはボードの上に乗る練習をしてみようか。」

  「わかったっす。」

  そして俺は忠伸さんの指導の下ボードの上に乗る練習をした。初めは何回かすっころんで水に着水していたが、数回のトライでボードの上に乗ることができた。

  「やった!のれたっす!…わっ!」

  ボードの上に乗れたことで油断してたのだろう。俺は派手に転んでしまった。

  「だいじょうぶか?ヒロ。」

  「大丈夫です。それよりも俺。」

  「ああ、初心者とは思えないほどの上達ぶりだな。」

  忠伸さんがニカッと笑う。

  …どきん!

  …え?どうして今、俺の心臓が、高鳴ったんだ…?

  「…ヒロ…。」

  「…え?」

  …え?俺、今、忠伸さん抱き寄せられている!?…とまれ、とまれよ俺の心臓の高鳴り!相手は正宗さんじゃないと、わかっているのに!

  「…高い波が、来ていたから。危ないと思ってな。…どうした、ヒロ。顔を赤くして。…暑さにやられたか?」

  「…そうかも、知れないっす。」

  俺の胸の高鳴りが止まらない。この思いはなんなんだ?真夏の熱情が引き起こす勘違い…?それとも、忠伸さんのことを俺は意識していて…?何が正しい感情なのか、この時の俺には正常な判断ができなかった。

  …そんなドキドキを感じながらも、時間というものは意外にも早くたつものだ。綺麗な夕焼け。目の前には海の前でたたずむ正宗さんと、忠伸さん…。はぅっ!!ダンディオーラが!それほどまでにこの光景と2人が、似合っていたのだ。

  「そろそろいい時間だ。バーベキューにしないか?宏明。」

  「…そうっすね。俺もお腹減ってきたし、食べたいっす。」

  「決まりだな。準備を手伝ってくれ、忠伸。」

  「わかったぜ。兄貴。」

  「じゃあ、俺も。」

  「…宏明はゆっくり休んでくれ。何度も顔を赤くしている。夏の暑さにやられてはいけないからな。」

  「…ありがとうっす。じゃ、お言葉に甘えます。」

  …俺は夏の暑さではなく、正宗さん。あなたにやられているんすよ…。

  そしてバーベキューの準備が整い、目の前で焼かれる肉や、野菜、海鮮類。

  「宏明。まずはホタテとエビ、野菜などを用意しているが。…何が食べたい?」

  「そうだな…じゃあ、ホタテで!」

  「わかった。」

  そう言いながらまずはホタテを焼いて一緒に食べる。

  「うまい!」

  「そう言ってもらえて、よかった。次は肉だ。…おい忠伸、そんな一気に!」

  ゆっくりと食べる正宗さんとは対照的に豪快に肉にかぶりつく忠伸さん。

  …どきん…

  そのワイルドな豪快さに、またもや俺の胸が高鳴ってしまう。駄目だ…俺。俺には正宗さんという旦那様がいるのに…。いけない。気持ちを切り替えねば。

  「今度は俺が肉、焼いてあげるっす!忠伸さん。」

  …!つい、正宗さんではなく忠伸さんに声をかけてしまったぞ、俺!まぁ、目の前のいい食いっぷりについ、つられてしまったというのもある。思わず正宗さんを見るが正宗さんは気にしていないようで今度は野菜類をゆっくりと食べていた。そして、野菜や肉、海鮮類をあらかた食べ終えた俺たち。

  「バーベキューの締めと言ったら、これだよな!」

  そういって忠伸さんが取り出す白き物体!…あれは!

  「マシュマロっすか!」

  「ああ。デザートに焼きマシュマロ、最高だろ?ヒロ。」

  「もちろんっす!正宗さんも、そうっすよね。」

  「ああ。絶妙な触感がたまらないよな。宏明。」

  そういいながら俺たちは串にさしてマシュマロを焼いて食べようとする。だが!

  「俺が焼いてやるよ。兄貴。ヒロ。」

  「そうか。なら頼もうか忠伸。」

  そういって忠伸さんは焼いたマシュマロをあーん。にて正宗さんに食べさせる。前も見たがこれは兄弟仲がいい証拠でもあるのだ!

  「今度は、ヒロにだ。」

  そういって俺は差し出されたマシュマロを口に含む。…あーん。という形になってしまった。この甘さは一体。…マシュマロのもの…?それとも、忠伸さんだから…?またもや俺の脳内は混乱してしまっていた。

  そして、バーベキューも終え、別荘に戻ろうとする。

  「兄貴とヒロで、ベッド、使ってもいいぜ。俺は別の部屋で布団、敷くからよ。」

  「…いいんすか?本来なら俺が部外者だから…。」

  「かまわねぇって。」

  「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらおう。行こう、宏明。」

  「はいっす。」

  そして、目の前にあるのはキングサイズのベッドがどーん!本来寝るはずの体格のいい獅子2人が寝ても十分おつりがくるサイズだ。

  「こんなに大きなベッド、初めて見たっす…って、正宗さん!?」

  「宏明…。」

  …!後ろから正宗さんに抱かれて俺のハートがマックスハート!つい、動揺してしまう。

  「な、なんすか…?」

  「宏明を抱きたい。」

  「…え?ここでっすか。」

  「ああ、ここでだ。…いいか。」

  切なげに目を濡らす正宗さん。その表情に俺は。

  「はい…。」

  その一言だけを、伝えた。

  正宗さんからのセックスのお誘い。緊張と興奮が入り混じりながらも、俺はアナル洗浄を念入りに行った。そして俺は正宗さんが待つベッドへと向かう。…正宗さんの準備はばっちりなようで、全裸でベッドに腰かけていた。…その様子もかっこよく、一枚の絵画のようにも思えた。…正宗さんが手招きをする。俺はそれにつられベッドへと向かう。…正宗さんと俺の視線が重なり、顔が近づく。…その時だった。

  「入るぜ、兄貴。」

  なんと忠伸さんが部屋に入ってきたのだ!しかも、全裸で!!

  「た、たた、忠伸さん!?それに、その姿は!?」

  「ああ。思ったよりも暑くてな。思わず全裸になっちまった。まぁ、俺たち以外いないからいいだろ?ヒロ。」

  「え、え、それは…」

  「もしかして、これからお楽しみの最中だったか?ヒロ、兄貴。」

  にやにやとしなら告げる忠伸さん。

  「そ、それは…忠伸さん!」

  「悪い悪い!だが、お前らも悪いんだぜ。俺にそんな扇情的な姿を見せるから。…二人のセックスに混じろうだなんて野暮な真似はしねぇさ。だがな、この光景をオカズにシコる位、許してくれるだろう?」

  ちょい悪親父的なことを言う忠伸さん。…忠伸さんのオナニー!?確かに忠伸さんはダンディだから…でも、見られながらなんか!?…俺が返事に困っていると、正宗さんはなんと信じられないことを言ったのだ!

  「見て、シコるだけでいいのか?」

  「…え?」

  俺と忠伸さんは間の抜けた返事をしてしまった。正宗さんは真顔でさらに衝撃的なことを俺に。そして、忠伸さんに告げる。

  「忠伸の気持ちは知っている。…宏明に、惚れているのだろう。そして、俺にも。」

  「な、なんで、それを…」

  「忠伸の兄貴なんだ。それくらいわかるさ。」

  「だが、俺は…!」

  「忠伸…」

  正宗さんがさらに信じられない行動に出た!なんと俺の目の前で忠伸さんと熱いキスを交わしたのだ!

  「あ、兄貴…」

  「このくらいのスキンシップ、小さいころからしてきただろう?2人肌を重ねあった仲でもあるんだ。…ああ、もちろん挿入はしていない。バニラでだぞ、宏明。」

  「そ、そうなんすか!?」

  「ああ。そして宏明の気持ちにも、気づいている。」

  「え?」

  「忠伸のことも、意識しているのだろう?」

  「…どうして、それを。」

  「恋人のことだからな。」

  「ごめんなさいっす。」

  「なぜ、謝るんだ?」

  「正宗さんっていう恋人がいながらも、忠伸さんのことを意識している俺がいるから。」

  「俺に許しを請う必要はない。宏明。…いや、忠伸だから許せるんだろうな。俺は。…忠伸。俺は宏明をめぐっての修羅場とか、骨肉の争いをするつもりはない。俺たちのことで苦悩しているなら、忠伸。…3人で、セックスしよう。」

  「…いいのか?兄貴。」

  「ああ。宏明も、いいよな。」

  「はいっす。…実は、俺。正宗さんだけでなく、忠伸さんのことも意識している…っすから。」

  「決まりだな。誰か一人を選べないなら俺たち3人で愛し合えばいい。そうすれば、解決だ。」

  笑顔で告げる正宗さん。俺と忠伸さんもつられて笑顔になる。もう俺たちに迷いはない。そして、3人で愛し合う時間が、始まった。

  ちゅっ…ちゅっ…

  俺と正宗さん、2人触れるだけの柔らかいキスを繰り返す。

  「俺ともしてくれ、ヒロ。」

  ちゅっ…ちゅっ…

  そして忠伸さんと俺がキスをする。まさか正宗さん以外の男とキスをするだなんて思ってもみなかった。でも…

  「きもちいいっす…。」

  俺がつぶやいた後、今度は正宗さんと忠伸さんがキスをした。

  「3人でしかできないことをするぞ。宏明、忠伸。」

  くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん…!

  そして3人でのキス。3人舌を絡め。つながる。同じ顔の黒獅子獣人2人と同時にキスをしている、非現実的な光景。だが、同じ2つの味。非現実と現実が混濁する光景にめまいにも似た感覚を覚えた。

  つうっ…

  3つの口から銀糸がつながり、切れる。

  「んっ!」

  俺の首筋を両方同時に噛まれ、キスマークが2つ付いた。そして、2つの口は俺の体へと向けられる。腋、鎖骨。腹。そして、その2つの顔が俺の乳首へと向かった。

  「ああっ!!!」

  思わず甲高い声が上がる。俺自身乳首に刺激を受けるのは初めてではない。正宗さんに舐められたこともある。だが、同時に2つの乳首を舐められる経験はなかった。舐め、噛まれる。口だけの動き。本来なら決してされないであろう2つの動き。2つの口は違う反応をさせながら動いていた。

  ペロン、ペロン、ペロン、カプカプッ、きゅっ、きゅっ、きゅっ!

  ペロン、カプン、カプン、チュ、ガプンガプン!

  「イキそう…っす。」

  思わずつぶやいた。

  「なら、極上の快楽を宏明にプレゼントだ。…いいな、忠伸。」

  「ああ、いいぜ。兄貴。」

  そして、2人の黒獅子は示し合わせたかのように俺の逸物に顔を寄せ、両端から舐めまわす。

  ぬちゅり、ぬちゅり、ぬちゅり、ぬちゅり…

  俺の逸物越しにキスをする2人の黒獅子。非現実的な光景に加え逸物への快感。そして俺は…

  「い、イク!!!イグゥウウウウ!!!」

  びゅるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるる!!!!!!

  俺の逸物からザーメンを噴出し、目の前の黒獅子2人を白く染め上げた。はぁ…はぁ…と快楽から肩で息をしている俺に対し、2人の黒獅子は俺にキスをお見舞いする。

  ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん!!!!

  舌を入れる激しいキス。ザーメンキスになったが、俺たちは気にせず舌を絡める。

  つぅっ…

  俺達3人の口が白く透明な線でつながり、切れた。

  「今度は俺達の逸物を気持ちよくしてくれ。」

  そう同じ2つの声が重なり、2人俺の前に立ち上がった。今までの人生の中で、他人の2つの逸物を同時に見る機会などなかった。俺は、まず正宗さんの逸物に口をつけ、舐めまわした。忠伸さんのほうは手でしごいた。しばらく正宗さんの逸物を舐めまわしていると忠伸さんが手で懇願する。俺は、咥える逸物と、しごく逸物を反対にした。2つの逸物を同時に味わう経験。普通はないだろう。だが、この状況が俺の興奮を高めていた。それは、2人も同じだった。興奮しているのか。汁の中に白いものが垂れてきた。

  くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん…!

  びくびくと2つの逸物が震える。イキそうなのだろう。俺はそのことを感じると、二人の腰を引き寄せ、2つの逸物を同時に舐めまわした。

  ペロン、ペロン、ペロン、ペロン、ペロン、ペロン、ペロン、ペロン、ペロン、ペロン、ペロン、ペロン、ペロン、ペロン、ペロン!!!!

  「くっ!!!」

  低いうなり声が、2つの口から漏れる。そして、

  「イク!!がぁあああ!!!!!」

  そう言って俺の口をめがけて、2つの逸物が、同時にザーメンを噴出した。2つの逸物から放出されるザーメンの味は、正宗さんと同じザーメンの味だった。だが、いつもと違って、単純に量が2倍。飲み切れない。2つの逸物から噴出したザーメンは、俺の顔を卑猥にコーティングした。

  ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん、ぐじゅん!!!!

  再び舌を入れる激しいキス。ザーメンキスになったが、俺たちは気にせず舌を絡める。

  つぅっ…

  3人で数分口での交わりを楽しんだ後、口を離した。銀糸だけでなく、その中に白いものが混じり、切れた。

  「宏明…いいな。」

  俺はゆっくりとうなずく。

  じゅちゅぅううううんんん!!

  正宗さんの熱い火傷しそうな熱が、俺を貫いた。

  がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん…!

  「あ…っつ…くっ…!!」

  正宗さんの激しい腰の動きに意識が飛びそうになる。だが、そんな俺の前に忠伸さんは立って…。

  「ヒロ、いいな。」

  それだけ告げる。俺は了承の言葉の代わりに目の前の逸物…忠伸さんの逸物を口に含み、舐めまわした。

  ぐちゅん、ぐちゅん、ぐちゅん、ぐちゅん、ぐちゅん、ぐちゅん、ぐちゅん、ぐちゅん…

  がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん…!

  「くぅ…っ…!」

  「っ…ぁ…ぁっ…!」

  ぐちゅん、ぐちゅん、ぐちゅん、ぐちゅん、ぐちゅん、ぐちゅん、ぐちゅん、ぐちゅん…

  がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん…!!!!

  「も、もう…」

  「ああ…俺も…!」

  ぐちゅん、ぐちゅん、ぐちゅん、ぐちゅん、ぐちゅん、ぐちゅん、ぐちゅん、ぐちゅん…

  がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん、がちゅん…!!!!

  「イ、イク!イクイクイク!!がぁああああああっ!!!!」

  どりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅ!!!!!!

  俺の口と尻穴に熱い本流がたたきつけられた。そして、口と尻穴から逸物が抜かれる。どちらの孔からもザーメンが漏れる。

  「今度は俺の番だ。いいな、ヒロ。」

  「来てくれ!忠伸さん!」

  「ああ、ヒロ。…愛している。」

  じゅちゅぅううううんんん!!

  今度は忠伸さんの熱い火傷しそうな熱が、俺を貫いた。

  「くっ!人肌がこんなにもいいものだとは!実はこれが…ヒロが、俺の童貞を卒業した男なんだ。」

  「…いいんすか?忠伸さん。俺に捧げて。」

  「ああ、ヒロだから俺は捧げたんだ。…愛している。」

  「…俺も、愛してるっす。忠伸さん。」

  「…ありがとう、ヒロ。…動くぞ!」

  ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん…!

  正宗さんとは違う逸物。だがその圧迫感から正宗さんに負けず劣らずの巨根であると、自らの体で証明している。切なげな眼で俺の顔に逸物を寄せてくる正宗さん。俺は正宗さんにこたえるべく、自ら目の前の逸物に奉仕をした。

  くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん…

  ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん…!

  「くっ…ぁ…ぅう…!!」

  「ぐ…が…ぁあ…!!」

  くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん…

  ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん…!

  「がぁ…俺、もう…兄貴!」

  「ぐ…お、俺もだ、忠伸!」

  くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん、くちゅん…

  ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん、ごりゅん…!!!

  「ぐっ、イグ!イクイクイク!!がぁあああああああああああっ!!!!」

  どりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅ!!!!!!

  再び俺の口と尻穴にたたきつけられる熱い本流。…俺の口と尻の穴で愛し合う兄弟が一つとなった、瞬間だった。

  そしてセックスも終わり、体を清め、ベッドで俺たち3人横たわる。俺を挟んで右には正宗さん。左には忠伸さん。…まさに両手に花だった。

  「気持ちよかったな。ヒロ、兄貴。」

  「ああ、気持ちよかった。忠伸、宏明。」

  「俺も…っす。正宗さん、忠伸さん。」

  「さて宏明。宏明の両隣には2つの上等な抱き枕があるがどちらを選ぶ?」

  「俺か?兄貴か?」

  「俺は…。」

  悩ましい選択だ。だがどちらも捨てがたい。俺は2人の黒獅子を抱き寄せ、腕枕をする第3の選択肢を選んだ。

  「宏明も、大胆だな。」

  そして俺と正宗さんは優しいキスをする。

  「俺もだ、ヒロ。」

  今度は俺と忠伸さんがキスをする。そして正宗さんと忠伸さんがキスをした後、3人で舌を絡めた優しいキスをする。甘い、時間だった。だんだんと、眠気が俺を襲う。俺はそのまどろみに逆らわず、両腕に幸せな重みを感じながら、穏やかな眠りについていった。

  「愛してる。」

  最後に俺への愛の言葉を、聞きながら…。

  …これは、とある男の物語。愛しい黒獅子兄弟の愛を手に入れた幸せな男の物語である…