ヤリマン虎とヤリチン虎

  「もー、口先ばっかりね。ハァ~」

  虎獣人の女は、がっかりしたと溜め息をついた。

  彼女はエイプリル。黒のタイトなミニドレスを着ている。

  肩紐は華奢で胸元は深く開き、100超えバストの張りに弾力が目に飛び込んでくる。キュッと引き締まったウエストは58、そこから一気に緩やかな曲線を描いて99のヒップへと続いている。背中の面積が殆どなく虎縞を大胆に露出されていた。今夜は歩くたびに細いヒールのサンダルがコツコツと高音を響かせ、そのルックスで男を引き寄せ挑戦的な視線で射抜いてきた。

  「本当に数時間も女をイキっぱなしにさせてたの? この程度じゃ、数分だってイキっぱなしは無理よ」

  薄暗い路地でも虎縞は艶めいて見えた。

  少々ながら汗ばみ、体温が上昇している影響か、逆立った様子。

  「経験が浅いんだったらそういいなさいよ、トバしすぎちゃったじゃない。欲求不満になるのは私なんだからね」

  エイプリルの視線を受けた者――失望させた二人の犬獣人――が思わず息をのむ。

  腕組をして、そこにいるだけで、彼女はダイナミックなプロポーションを誇示してやまなかった。見下される二人は足腰が立たなくなっていて、膝は笑いっぱなし。丸見えになっている下半身には精液や愛液がこびりついているものの、肝心の竿はすっかりとしょげきっていた。例えるならば、加熱をしすぎた葉物。芯など丸きり通っていなかった。

  「たった数分しか堪えられなくて、たったの二、三回で勃たなくなるのに何十分でも我慢できて連発できるなんて言うからよ。はぁ期待してたのに……」

  彼女は裏路地にある古びたレンガ壁の前で、不機嫌に唸る。

  ふたりの男は熱い夜を物語るように呼吸を整えようとしていたが、エイプリルからすれば微熱に過ぎなかった。

  「抜かずの五発ができるなんて言ってたから、本当に期待してたのにね。まったく」

  薄暗い街灯の光に照らされ、ピタリと貼り付いた布地が豊かな胸と腰のラインをあらわにしている。燃え尽きたように座りこんだり横たわったりしていた。ふたりは納得尽くで楽しんだとはいえ、かなり激しく体を使ったのがわかる。片方に至っては、くたびれて眠りに落ちかけている。

  「ねえ、へばってるのは冗談なんでしょう?」

  エイプリルは物足りないと爪先立ち。尻を突き出した。

  「私を期待させてくれる冗談だって信じてあげる」

  色気を込め、耳を愛撫するように甘えた口ぶりをするものの、彼らはちっとも、こちらを見ない。どころか、後ろめたそうに目をそらしていた。

  

  「まだイケるでしょ? ほら、遠慮しなくていいのよ」

  パンツを膝までおろした、三桁すれすれのヒップラインが暴露される。

  ふたりは生唾を呑むものの、股間がピンっと反応するに留まるのだ。

  びっしょりの白い毛。奥には赤色の粘膜が毛細血管をよりあわす。

  張り艶のよい丸みは健康的な虎縞が見え、尻尾がピンと立った。

  魅惑の腰使いで左右に振られるが、勃起しきらないのである。

  エイプリルは落胆を通り越し、呆れたふうに息をしていた。

  「ハァ~。しょうがないわねぇ…………絶倫トリオとか言ってたくせに、がっかりだわ。それじゃあ最後の一人。あんたも摘み食いして、さっさと帰ることにするわ」

  そう言いながら、突っ立ったままの男を手招きする。

  筋肉質な男らしい犬だが、見掛け倒しでないことを祈るばかり。

  「ほら、おいでワンちゃん…………虎穴に入らずんば虎子を得ずってね」

  彼女はヒールを鳴らし、右手をレンガ壁について前傾姿勢を取り、丸いヒップを男の方へと押し出した。上体を色っぽくひねり振り向けば、左手でドレスを少しだけたくし上げる。

  虎縞と黒い布地が擦れあえば、ぷんっ、と発情状態の雌肉が香った。

  発情の誘惑に呼応するように、男は薄手のコンドームを取り出して準備を整える。最初にエイプリルが投げ渡したものだ。いわゆるヤリマンの自覚はあれど、母親になるつもりは全くなかった。少なくとも、性に大らかな最中は安全安心が一番なのだ。

  「もしかして、仲間がふたりダウンしたから怖気づいたの? 見掛け倒しのワンちゃんだこと」

  軽く腰を揺らし、男をじれったく挑発するような仕草をしながら甘い声で囁く。

  「ねえ、じっとしてるだけ? 女を待たせるなんて、ひどいじゃない」

  やっと薄いゴム越しに、挿入が果たされようとしていた。

  エイプリルは目を細める。先端が、右に左に安定していない。

  男の動きが少し遠慮がちなのが気に入らない。労る余裕もないくせに。

  「いちいち、すべてが」

  

  彼女は待ちきれないとばかりに腰を後ろへとぐっと押し戻す。その衝撃に男が軽くバランスを崩しかけると、彼女はすかさず身をひねり、逆に男を壁際に押し返した。

  「ひおっ!?」

  素っ頓狂な悲鳴など、エイプリルには聞こえていない。

  

  「童貞くさいワンちゃんね」

  

  尻を突き出していた姿勢から一気に向きを変え、胸元がはだけそうになるのもおかまいなしで男のシャツの胸ぐらを掴む。唸り声をあげて、自分よりも身長のある犬の首を握りしめ、脅すように言った。

  「あなたが私に合わせるの。理解できた?」

  そのまま彼女の胸が男の胸板にぐっと押しつけられ、豊満なバストが上下に揺れる。

  汗ばんだ毛と生地が触れ合い、甘いフェロモンが路地裏の空気に満ちる。先に相手をして倒れている二人の男たちは、彼女の派手な喘ぎ声とヒールの音を何となく耳にしながらも、疲れきって微動だにしなくなった。

  「ほら、はやく! あんたらが声をかけてきたんでしょう! がっかりさせないで!」

  彼女は男の肩に片腕を回しながら自分の脚を少し開き、隙間に腰を滑り込ませるように位置を調整すると、すでに装着済みのゴムを確かめるように腰のあたりを触れる。体が触れ合うたび、彼女の尻や太腿が柔らかく弾み、胸元が大きく揺れた。谷間を誇示するように形を変えている。壁に背を預けた男の息遣いが荒くなるのを感じ取ると、体を派手に上下に動かし、激しく揺さぶった。刺激を増すために腰をぐっと前後に押しつける。

  「んっ! チンポはいい感じね! 大きいじゃない!」

  結合部は生卵を叩くみたいに、にっちゃり、にっちゅり、と粘り強い喘ぎをあげた。

  既にふたり分の肉棒を頬張っていても飽き足らず、変わらず涎を垂らしているのだ。

  同時に男の鼻息はあらくなり、彼女は感じた雄のスメルを肺いっぱいに溜める。こんな汚らしい裏路地だが、男と感じあえたら興が乗るというもの。

  「さっきのふたりよりも、ずっと元気そうで、楽しめちゃうかしら?」

  ぺろり、と自らの口周りをひと舐めしてみせた。

  唇を噛んで笑う彼女の瞳には、欲望を満たすのみに集中している。

  虎の目は妖しい光が宿し、先ほどまでの男たちとはまた違う手応えを確かめた。

  膣を締めあげる。亀頭の感触を、粘膜で味わう。飴を舌で転がすかのように愛撫。

  「カリ高なのね…………でも、残念だわ、ちっとも経験してないから、子供みたいに敏感で、ちっともやりごたえがないわ」

  挑発をすれば乗り気になるのではないか。それも淡い期待に過ぎなかった。

  ぷるぷると、生まれたての小動物みたいに肉棒を震わせ、膣内で怯えていた。

  「ねえ、男らしいところを見せてよ。あなたも雄の端くれならね」

  エイプリルはさらに勢いをつけて腰を振る。そのたびに尻が弾み、豊かな胸もそれに習うのだった。男は小さくうめくように息を吐く。彼女はそんな声を耳にすると、ささやきかけた。

  「もっと、もっとよ」

  

  耳元で囁きながら、片手を男の頬にあてがい、もう片方の手で男の腰をしっかりと抱き寄せる。壁に押しつけられる形となった男は、逃げ場もないままエイプリルの動きに合わせて興奮を高めざるを得ない。強制的に向かい合い、搾られるがために腰をふらされ肉棒を使われている。特に膣は襞を強調するみたいに蠢き、カリの高い部分を丁寧にさすりあげた。

  「んぃっひうぅう!!」

  意図せず、悶絶させてしまった。くすぐられた犬みたいな反応をされた。

  膣をうねらせ具合を確かめてみるが、また、素っ頓狂に膝を笑わせていた。

  「あら? この程度だったのね。がっかりしたわ、サイズはいいくせに、とんだ子供チンポじゃない」

  挑発をすれば、負けじと歯を食いしばり、ピストンをしはじめる。

  最奥に届いては下がっていき、粘膜がさすられ、愛液が垂れはした。

  どれだけ必死に腰を前後させようとも、この虎にとっては軽いおやつ代わりでしかなかった。期待のとおりにいかないのであれば、もう用はなかった。

  「遠慮はいらないわ。どうせ、持たないでしょう? 私なりに楽しませてもらうから、どうしたって構わないのよ」

  覗き込むように男の顔を見つめる。

  ドレスの肩紐が下がっても気にせず、豊満な胸元をさらけ出すように揺らし続ける。

  呼吸が乱れ、ふと身体に力が入ったとき、彼女のバストが男の腕に少し強くあたった。

  肉の弾む感触が伝わって男をさらに刺激した。劣情のあまり、腰を強く押し出される。

  彼女自身もその瞬間を楽しんでいるかのように、小悪魔的な笑みを浮かべて腰の動きを速める。

  「ほら、私をちょっとでも満足させて。男らしくしてみせなさい。そう、そうよ」

  酒臭さと汗ばむ熱気が入り混じる路地裏で、エイプリルは完全に自分の快楽に没頭していく。出会ったばかりでも長年のつきあいであろうとも同じだ。股間に勃起するものが備わっていれば、だれとでも寝て構わない。心からそうおもっていた。

  「ワンちゃん! お手よ! 俺はたくましい雄だぞって、チンポを子宮にまで響かせてみなさい!」

  ずり落ちたワンピースからこぼれる胸が激しく揺れるたび、彼女の声も高まり、頬は上気してどこか艶めいた色香を放つ。男は腕の中で翻弄されながらも、その濃密な摩擦と淫靡な光景にさらなる興奮を覚え、壁に手をついた。やがて彼女は亀頭を奥へ引き寄せると低く甘い呻き声を漏らす。

  「いいじゃない! すこしは満足させて! あと数分くらいは、我慢できるでしょ!」

  壁際で揺れる二人の姿がどんどん激しくなり、ゴム越しの確実な感触を確かめながら、やがて一気に緊張が最高潮へと達する。

  「ちょっと! もうだめなの? 駄目よ、我慢して」

  最後に、男の体が一瞬固まったあと、彼女は男の肩に頭を預けて大きく息を吐きだす。

  「はいはい…………好きにしていいわよ」

  微かな余韻が肌を震わせながら、ようやく動きを止めると、彼女は笑みを含んだ目で男の顔を見上げる。

  「ちょっとだけ期待したのに、また肩透かしだったわ。どうする? そっちの二人みたいにしこたま搾ってあげましょうか?」

  ぶるっと男は震えあがり、腰を恐る恐ると引いてしまう。

  コンドームを外すのもせず、倒れた男二人を引きずるように消えていく。

  倒れた二人の男のそばに転がる使用済みのゴムをちらりと見やる。量も期待外れだ。

  エイプリルは息を整える必要もなく、ワンピースを引き上げ、姿勢を正す。胸の谷間を手で隠すでもなく、むしろ強調するようにして、頭をかき上げる。

  「夜はまだ長いっていうのに、飽きさせないでよ」

  夜風がほんの少し虎縞から肌を冷やし、つまらなそうな呼吸だけが路地裏に響く。

  「はぁ、何が絶倫トリオよ」

  エイプリルは形だけのため息をついた。三人がかりで挑んできてもこの程度か、と愕然としたようにかぶりを振り、一人ずつと言わずに同時にさせればよかったと悔いた。

  探すのにも苦労した。噂の男たちとヤれる時間を想像してきたというのに。

  なんてことない。これだったら指で、自慰でもしていたほうがよかった。

  ルームメイトに「ヤってヤりまくるわ」と笑ったのだが、アホらしい。

  「都合のいい話を鵜呑みにした私も悪かったけど…………呑みすぎたかしら。あいつが最高の雄なのは知ってるけど、常に最高を味わいたいってわけじゃないのよ。いろいろな楽しみがあってこその人生なのに、まったくつまらないわ」

  黒のタイトドレスについた埃を手で払う。胸元からはまだ汗ばむ毛並み、乳脂肪が覗いているが、呼吸は全く乱れてはいない。

  「なんだか期待はずれ。もっと盛り上がると思ったのに。帰りましょ」

  呟き終えればヒールを鳴らし、路地を出ていくのだった。

  時間をあまり置かず、エイプリルはその男の部屋へ向かう。

  高層マンションの一室。タッチパネルを弄り、扉を開けると筋トレ器具が部屋の一画にずらりと置かれ、まさに男の趣味が一目でわかる光景が広がっている。奥の方から重いバーベルを下ろす金属音が聞こえ、やがて長身の男性がタンクトップ姿で汗を拭いながら姿を見せた。

  彼は背丈が大柄で、広い肩幅と分厚い胸筋がタンクトップを押し上げている。二の腕から覗く血管はまるでロープのように浮き上がり、長く鍛え上げてきたことを窺わせた。胸板が上下するたびにタンクトップの生地が引っ張られ、そこからちらりと覗く腹筋は岩のように割れている。視線を下にやると、ショーツを押し上げるほどの膨らみがあり、内もも周りの大きく発達した筋肉と相まって余計に迫力を増して見えた。

  「どうしたエイプリル。今日は呑んでヤリまくるって言ってなかったっけ?」

  彼はさらりとタオルを首にかけ、気軽さに彼女を出迎える。しかし、トレーニング後の高ぶりゆえなのか、目の先にエイプリルの黒いドレスに吸い寄せられ、胸とヒップを交互に見る。その様子を見た彼女は満足げに唇をゆがませた。

  「予定を変更して、当たり障りないものにしようと思ってね」

  三人がかりでもつまらなかった先ほどの男たちとは違い、目の前の男ならば十分に期待が持てるのは保証済み。むくっと、股間部が期待を膨らませたのを、エイプリルは確かに感じ取った。

  「へぇ、俺は大歓迎だけど…………何があったのか、興味はあるな」

  「リアム、聞いてちょうだい。とんだ笑い話なの」

  エイプリルは、やれやれと肩をすくめ演技っぽい苦笑を浮かべた。

  

  「噂の絶倫トリオが、ただの童貞臭いお友達トリオで火すらつかなかったのよ。それよりバーベルのサイズ更新されてない? なんだか重そうじゃない」

  

  エイプリルが部屋の隅に積み上げられたプレートに目をやると、彼は胸を張って笑う。

  「ああ、最近は調子がいいんだ。自己ベストを更新できて、もうちょっとでそれを維持できそうなくらいだ。今夜の君と違って俺は燃えに燃えているってわけだ」

  

  にっと、リアムは口をつりあげてみせた。

  巨体の虎がみせるわざとらしい笑みは、獲物を骨ごと噛み砕かんばかりの気迫。その気になれば、両手にしたバーベルを振り回すのも簡単だろう。

  「でも、ベッドの上の火遊びは…………いつだって最高潮になれるな。次はどんな女を喘がせようか、いまから待ち切れないくらいだ」

  言葉にはいやらしさよりもむしろスポーツの延長線上にあるような『爽やかさ』すら感じられる。とはいえ、その爽やかさの裏には確実な経験が積み重なっているのを、エイプリルは知っていた。真横に立つだけで感じる体格の迫力、熱気。そして自信を裏打ちしてくれる態度。

  「へぇ。じゃあ、さっそく私のマンコに火をつけてくれるのは、どうかしら?」

  エイプリルはさっそくドレスの肩紐を片方ずらして見せながら、鼻先で甘い笑みを作る。

  「もちろん! こう見えて夜のトレーニング後は格別だし、お互い燃料は十分にくべられている。今夜は森林火災級になるよ」

  彼はそう言うなり、そっとエイプリルの腰に手を回して引き寄せる。

  バーベルを使い熱を蓄積した二の腕。ぷんっと漂うのは、煮詰めたような雄の汗臭。

  エイプリルは触れる前から理解していた。この体温が、自分をどれだけ楽しませるか。

  大きな手のひらがドレス越しに触れただけで、彼女はその筋肉の硬さ、トレーニングでのほぐれ具合を同時に感じ取った。先ほど路地裏で抱かれた男たちとは別次元。

  「本当に? どんなふうにしてくれるの?」

  エイプリルは前歯をまさぐるような舌なめずり。

  

  「いつも以上に、荒々しく」

  歩み寄ったのはリアムのほうだった。

  湯気がふわりとあがって、雌虎の鼻腔をくすぐる。

  

  「野性味を感じさせるくらいにしてあげたいね」

  

  同じ虎縞ながら平たく浮きあがった胸襟と、やわらかな乳脂肪の虎縞が追突する。

  ゴツゴツした身体が不器用に押し付けられるのではなく、下半身を満足させるためだけに磨き上げた身体が、彼女を包むよう巧みに動いている。その腕の中で胸を小さく上下させ、舌なめずりするように唇を開いてこう囁いた。

  「じゃあ、早速どれだけ熱量があるのか、試させてもらおうかしら」

  リアムは不敵に笑ってタオルを投げ捨てると、そのまま彼女を抱え上げるようにして寝室へ向かっていく。

  「んぅ、汗臭くてたまんない…………もっと濡れちゃいそう」

  エイプリルは彼の首に腕を回す。腕と胸筋が驚くほど安定感をもって彼女を支え、しかも長時間だろうが余裕で持ちこたえられそうな予感がする。ワクワクした気持ちと期待が入り混じった表情で、すぐにスイッチが入っていく自分の体を感じていた。首筋を舐めあげれば、雄臭。濃ゆい雄臭に膣がうねってしまう。

  「あぁ、いいわぁ~。そういえばリアムとするの、何日ぶり?」

  「俺がトレーニング中だったから…………たぶん一週間ぶりかな? エイプリルはヤリまくってたけど、俺は禁欲中だったから、チンポはオナ禁状態で溜まってるよ」

  「それは、期待しちゃえそうね」

  筋肉の力強さと爽やかな自信に満ちた大柄の男、ペンキで塗ったような派手な虎縞。

  一緒にいるだけで熱気に湿気が毛先を撫でてくる。臭いと熱に、前戯されているよう。

  「いやね。ヤリまくってたけど、うち二日は期待外れだったのよ?」

  「週に五日も満足してたら、普通は足りているんじゃないのか」

  エイプリルは、わざとらしく耳を噛んでみた。汗のたまり。塩水みたいな味わい。

  ベッドルームに入る頃には、そこここで交わる視線やかすかな吐息がもうすでに性的な熱を帯びている。二人の身体はまだ繋がっていないはずなのに、何度も重ねた事後のように呼吸があわせていた。

  リアムが、ベッドにエイプリルを下ろす。脚を軽く手でさすり、ふくらはぎを揉む。

  その大きな手は筋張っているが、意外なほど丁寧に彼女のドレスの裾をめくりあげていく。そこには慣れや雑さで荒っぽくされるのではない、巧みなリズムが感じられる。

  「いつも腰ばっかりふりたがるくせに、どういう風の吹き回し? リアムのやり方と言えば舌とチンポ以外、お粗末だったじゃない」

  「いいだろう…………ルームメイトで、ヤリ友だからって、すこしはテクニックを使ってみたいなと、思うことだって、な」

  エイプリルもそれに合わせるように背を少し浮かせ、さらけ出す気満々の表情で肩紐を完全に下ろす。

  「あら、紳士的なあなたも嫌いじゃないわ、今日は別にいいから、チンポを一気にやってほしいわ」

  彼女がドレスを脱ぎ捨てつつ半ば呆れたように言うと、リアムは不満そうに片眉を上げた。

  「せっかくその気になっていたのに、なえるな」

  「嘘つき。もう、そんなに膨らませてるくせして」

  瞬間。

  エイプリルは彼の股間へと視線を移す。

  筋肉の塊のような身体に比例するかのごとく、下着の上からでもはっきりとわかるサイズ感だ。先ほどの三人とは比べ物にならない。加えて、その下には睾丸の輪郭がゆったりとぶら下がり、野性味に満ちたボリューム感が見てとれる。エイプリルはふっと喉の奥で笑いを漏らし、軽く舌先で唇を舐めた。興味が湧かないはずがない。ここまで期待を煽ってくれるなら、どれだけ欲張ってもいいだろうという気にさせてくれる。

  「じゃあ、してちょうだい」

  「はいはいわかったよ、行くぞ、ヤリマンのメス猫」

  

  男は大きな手で彼女の顎を持ち上げ、まるで獲物を狙う猛獣のように笑う。

  これから訪れるであろう激しい時間を想像し、エイプリルも素直に昂ぶりを隠さない。先ほどの溜息や落胆は、もはや記憶の片隅へと消え去っていた。

  つまらなく落胆する時間は終わり。

  これからはセックスだけあればいい。

  ぎしっ

  腰と背がベッドに沈み、男の逞しい体が重なる。筋肉がどのように動き、どんな激しさで襲ってくるのか。エイプリルは深く息を吸い込んだ。

  「すぅ、はぁぁ、いいわ」

  未だつけたままのヒールを、脚だけで脱ぎ捨てる。しかし、上手くいかず片方だけ。

  ミニドレスの背面がずり上がり、「早く脱がせて」と言わんばかり。ヒップの半分近くまで縞模様が露わになっていた。そこを、大柄な手が、何度もさすりあげ性欲を加熱してくれる。

  「ちょっと乱暴でも、私は平気よ。あなた今日は紳士になりたがってたみたいだけど、欲しいのはケダモノなの。わかるでしょう?」

  挑発するようにエイプリルが笑い、ベッドから降りる。尻を振って魅せたいだけであった。リアムは応じるように彼女をぐっと抱えあげ、荒々しくベッドへ放り投げる。

  「そう、そうよ」

  ドサリとシーツに沈み込む衝撃に彼女は小さく声をあげたが、痛そうというよりはむしろ喜びが混じったような色だった。すぐに身体を起こそうとするエイプリルの腰を、リアムは片手で押し戻す。

  

  「言ったな? じゃあ遠慮はいらないんだろ」

  「もちろん。やれるもんならやってみせて」

  エイプリルの細い足首を掴んで残ったヒールを脱がせようとするリアムに対して、彼女はわざと抵抗するかのように両足をバタつかせる。だが相手は彼女よりもはるかに体格が大きく、筋肉の塊のような腕で両足をあっさり制してしまう。それでも彼女は「もっと激しくしてみせて」というように、かすかに微笑んだまま腰をくねらせて挑発を続けた。

  「ん? ブラもパンツも、なしだった?」

  「みての、とおりでしょう」

  

  ドレスを引き上げると、下着をつけていないどころか、すでに体温の高さを主張するようにしっとりと潤んでいるのがうかがえる。股間に至っては水でも垂らしたよう。

  「粗末なソーセージを三本パクっとね。まったく食べたりなかったから、かえって食欲が増しているのよ、タンパク質豊富なやつがほしいわ」

  

  リアムは低く喉を鳴らしてドレスの肩紐を容赦なく引きずり下ろす。エイプリルの胸が跳ねるように露わになると、彼女は片腕で軽く胸を支えながらも挑発的に笑う。

  「ゴムなんかなくたって平気だから、でしょ?」

  大型のディルドみたいな勃起が雄々しい熱気を帯び、欲張りな膣にそっと触れる。今日は乱暴にしたくはなかったリアムであるが、彼女のさんざんな態度に火をつけられてしまっていた。手のひらで転がされている気分ではあるが、自分に嘘はつきたくなかった。

  

  「そう言ってたのは君だ。責任は取れよ」

  リアムは彼女の太腿をぐっと抱え込み、体格のいい男ならではの力任せな動きで一気に腰を沈めていく。虎でありながら馬並みのものを、亀頭から、血管を張り巡らせた陰茎の半ばまで、秒をかけずに突き立てられた。蠢く陰唇、毛並みに溢れ出た愛液が絡む。互いの間に、ニチャリ、と絡みあう。

  「きゃあっぁんっ犯されちゃうぅぅ!」

  

  彼女はわざと甲高い声を上げて、そのまま彼の首筋に腕を絡ませる。

  黄色と黒色が荒々しく擦れあい、遠慮のない貫き方にベッドがギシギシと軋む。

  腰の動き。引いては前に突き立てるシンプルなものだが、発泡スチロールくらいなら簡単に破壊できる威力があった。

  「いいっ! 今日のチンポはいつになく冴え渡ってるじゃない、満点よ!」

  

  エイプリルは逃げるどころか彼の背中に爪を立てて、もっと奥へ、もっと強くと喘ぎ声混じりにせがんだ。彼の筋肉は分厚く、雌虎の爪すらまともに通らなかった。

  最奥の具合を確かめるみたいに腰を左右にされ、エイプリルは唸った。

  「あっぁん!! 焦れったいってばぁっ!」

  エイプリルが背筋を反らしながら大きく胸を突き出すと、豊満なバストがリアムの胸板に押しつけられ、潰れるように広がる。その感触がさらに興奮を煽るのか、リアムは獲物を食い荒らす猛獣のような目つきでスピードを上げる。エイプリルはシーツをしっかり掴んで、乱暴なリズムに全身を預けていく。彼女の髪が乱れて顔を覆い隠すように垂れ下がるたび、首を振ってそれを振りほどき、またすぐ彼を見上げる。

  「……もっと、もっと強くしてよ!」

  「あとで泣き言を言うなよ」

  荒い息を吐きながら、リアムは両腕を彼女の脇の下に通し、さらに深く食い込むように腰を打ちつける。にっちゃり、と愛液が糸を引きブチブチと千切れ、それを繰り返す。

  脂肪に筋肉を叩きつける。太鼓を何度も叩くみたいに、手加減なく膣をぶち壊す勢い。

  互いの虎縞同士が叩かれ合う音は遠慮のない湿った衝撃音へと変わり、二人の声が混ざり合って部屋を満たす。やがてエイプリルはバネのように下半身を使い、上半身をベッドに沈めたまま、逆にリアムを締め上げるような動きを始めた。

  「グゥゥウ!!」

  リアムは思わず低く唸り、さらに全体重を乗せる。

  普段なら自制していても、今は彼女がそれを求めているとわかっている。

  大きく動く筋肉がまるで見せつけるかのように隆起し、汗が光を反射するたびにぬらりとした艶を放つ。ふたりの虎縞は雨に濡れたみたいにテカっていた。

  エイプリルはその猛獣めいたに雄々しさを好み己の鼻を舐める。

  「足りないわぁ! そんなんじゃ、ぜんぜん!」

  鷲掴みにされた腰を自ら前に突き出し、足を大きく開いて受け止め続ける。

  「あぁっ! グゥウンッ! ねぇ、その筋肉は伊達じゃないんでしょ? もっと暴れて……私、受け止めるから」

  自信満々に喘ぐ彼女の声が鼓膜を震わせ、リアムは馬力を上げていく。

  ベッドフレームが壁に打ち付けられ、金属音を立てるほど荒々しい動き。

  呼吸すらままならないほど激しく身体を揺さぶられても、エイプリルは歯を食いしばるように声を漏らしながら、さらに奥へ踏み込んでくる感触を待ち焦がれる。いったん始めたらとことん満足するまでやめる気配を見せない二人の体液が混じり合い、生温い空気が部屋を覆いつくす。

  「どこまで耐えられるかな、エイプリル」

  「さぁね。私も簡単に折れないわよ……!」

  絡み合う指先や腕の力はどこまでも強く、甘い唾液の糸を引く唇が何度も噛み合いそうなほど近づく。大きく開いた彼女の太腿は筋肉の塊を受け止め、リアムは負荷をまったく感じさせないかのように更なる勢いで腰を振る。汗だくになった虎毛皮が艶を増し、その色合いを強めた。どちらの声なのか区別もつかないほど高まった喘ぎの二重奏。荒々しさの中にも奇妙な一体感が生まれ、鼓動までシンクロしていそうだ。

  彼女の尻を鷲掴みにしてさらに深く入り込むと、エイプリルはすぐさま限界に近い性刺激を受けてしまう。逃がすまいと腰を捻る。深いところで二人が重なり、激しくぶつかり合った刹那、意識が空間に弾けるように広がって、受けてエイプリルが喉を詰まらせる。それでも絶頂に達した余韻を味わって、しがみつく肩や背中に爪を立てたまま小刻みに身体を動かした。

  「いいわねぇ……」

  「そうだな」

  リアムは彼女のウエストをぐっと抱き寄せたまま上体を反らす。

  力の入った筋肉が膨張しきった末に、さらにぐっと収縮していくのがわかる。

  二人は長い瞬きの合間に同時に頂点へと駆け上がっていく。だが、射精はない。

  部屋の空気が一瞬止まったかのような静寂のあと、荒い呼吸と心臓の鼓動だけが耳に残った。

  「あはっ! うーん、最低でもこれくらい、イっちゃわないとね」

  それから数秒。

  リアムはエイプリルの身体を下ろす代わりに胸の上で抱きとめるようにして、何度か小刻みに呼吸をついた。彼女はその大きな腕の中で満足げに息を整えながら、まだ余熱の残る脚をさりげなく絡ませる。トレーニング、三人分の性行為、それぞれの毛や肌は汗でべったりなのに、嫌がる素振りを見せないどころか、むしろ心地よさそうに微笑みを交わすのだった。

  「ヤリマンは嫌い?」

  「ヤリチンしか興味ないくせに、よく言う!」

  

  彼女を抱き起こすようにしてベッドの端まで引きずったリアムは、そのまま自分の体格を見せつけるように上半身を引き締まらせ、大胸筋や腹筋を隆起させた。獲物をいたぶる猛獣のように肩を上下させながら息を吸い込むと、エイプリルはその姿に満足したかのように口元をゆがめて笑う。先ほど路地裏で相手をしていた男たちは三人がかりでも物足りなかった、という話を思い出すだけでも呆れるばかりだという顔つきだ。

  「それで、あの連中はどうだったんだ?」

  「うーん、イマイチってとこ。すぐにへたばっちゃってさ。あれじゃ私の相手にならないのよ。あれ程度だったら、さらに七人はいなくっちゃ無理だわ」

  エイプリルはそう言って軽く肩をすくめながら、リアムの身体に手を伸ばし、その分厚い胸板をつつっと指二本でなぞる。汗ばむ毛先を爪で押し分けると、熱とともに男の息遣いが伝わってきた。胸元と、先ほどまでの行為で火照っている太腿の間からは、すでに粘り気のある湿り気が伝わっている。彼女の膣はうっすらと赤みを帯び、先の行為を思わせる潤いに満たされていたが、まだ満足しきっていないのが一目でわかる。

  リアムは自分の下半身を覆うタンクトップ生地のボクサーを、片手で勢いよく下ろす。腹筋の陰影に沿うように降ろされた布地の奥からは、体格に見合った肉棒があらわになった。もともと厚みと長さを併せ持つサイズだが、すでに血が上ってさらに張り詰めた状態だ。その根元のあたりには、大柄な男らしい睾丸が重たそうに収まっている。彼女は意地悪そうに視線を落とし、舌の先で唇を湿らせながらその大きさを確かめるように眺めた。

  「なるほど。これは期待できそうじゃない、トレーニングで血の巡りも良好」

  彼女はそう言うが早いか、自分から腰を前にずらし、彼を誘導するように両膝を大きく開いて見せる。潤った膣口はすでに欲を満たす準備を整えているかのように脈打ち、淡い照明の下で唾液にも似た照りを放っていた。

  「トレーニング後のあんたっていいわ。チンポも漲って、筋肉が雄臭くって、湯気立ってるんだもの。極上の、ムスクってやつがあれば、これなんでしょうね」

  「おい、たまには俺個人を褒めてくれてもいいんじゃないか?」

  「褒めてるじゃない?」

  「たくっ、チンポの付属品みたいな扱いでな!」

  

  リアムは表情を引き締めてエイプリルの尻の下に腕を滑り込ませ、ぐっと引き寄せる。大腿部のたくましい筋肉に挟まれるような形で彼女を抱え上げると、肉棒の先端が膣口にあたった。あまりにも素直に受け入れようとする女体。先程に男としているのも構わずリアムは腰に力を込めて前に押し出す。濡れた壁がきゅっと締まるように吸い込み、固く張った男の中心を飲み込むと、彼女は待ちかねていたと言わんばかりに笑みをこぼす。

  「うん! やっぱり、トレーニングの後はひときわに大きいわね。さっきの連中とは比べ物にならない! 普段のあんたより素敵よ!」

  「だから、俺はチンポの付属品じゃないって、イラつくなぁ」

  いいながらも、彼は笑っていた。

  膣内に感じる圧迫感と熱が一気に高まり、エイプリルはリアムの肩を両手でしっかり掴む。汗ばんだ毛が触れれば、氷に水を垂らしたみたいにぬるっとした感触を共有。それでも彼はさらに奥へと進んでいく。太く張り詰めた肉棒が膣の内壁を押し広げるように入り込むと、彼女の口元から自然に吐息がこぼれた。リアムは腰を小刻みに前後させるようにしていけば、ストイックな肉体を感じ取れる上に、睾丸がわずかに揺れるのだ。そして彼女の下腹部に小さな打撃が伝わってくる。これもまた、刺激を期待させてくれる。

  「鍛えた力を見せてよリアム。私の身体が全部受け止めるから」

  彼女の声を合図にするかのように、リアムは持ち上げたままの体勢で一気に動きを加速させる。膣内で上下左右に刺激を与えるような荒々しいリズムが生まれ、エイプリルは背中をそらして恍惚とした表情になった。体力に自信のある大男ならではの持久力とパワーが、ぎゅっと締めつけてくる彼女の身体に遠慮のなくぶつかり、豊富な筋肉に任せた勢いを見せつけた。

  雌雄の肉を叩きあう。湿った水音が室内に唸る。

  エイプリルはあえてその音を楽しむように声をあわせた。

  汗が背中を伝ってベッドのシーツにしみこみ、太腿や尻もてかてかと濡れていく。

  彼女は腰をくねらせ、内部をきゅっと動かしてさらにリアムの肉棒を締め上げる。

  すると彼の表情がわずかに苦悶に近い陶酔へ変わり、猛獣の威嚇とも似た雰囲気。さらに奥へと踏み込み、溜まった睾丸がエイプリルにぶつかった。

  「いいわっ!」

  言葉に応えるように、リアムは一瞬グッと身体を弓なりにしならせた。

  彼女をシーツに押しつける。今度は上から覆いかぶさるように密着した。

  そのまま腰を連続して振り下ろしていく。胸が潰れ、汗ばんだ肌が重なり合って呼吸すら苦しくなるほど密着した状態で、エイプリルは浅い呼吸で浸った笑みを深めてしまう。

  「うふ、ほんと最高! マンコのためにトレーニングしてるだけあって、美味しいわ!」

  絶倫トリオとやらとしているとき以上に、膣は加熱され汁を漏らす。

  収縮するたびにぬめり気が増して肉棒の動きを手伝うようにも見えた。

  リアムは彼女の太腿の裏に手を回し、大きく開かせると、長身ゆえの角度を活かして思いきり奥へ到達する。出し入れのたびに揺れる睾丸が彼女の尻や太腿にぶつかり、ずしんとした感触がリズミカルに伝わってくる。毛をこすりあわせる密着により、体温が逃げ場を失い、二人の身体はさらに汗ばみ、甘い粘り気に富んだ息が部屋を満たす。

  「悪いけど、まだ物足りないくらいだ」

  軽く息を切らせながらも、リアムは不敵な笑みを浮かべたまま勢いを落とさない。

  エイプリルはその応え腰を自らも突き上げてペースをあわせ肉棒を貪った。彼女の胸が震え、豊満な輪郭が上下に弾む。大柄な彼に押しつぶされそうになりながらも、その圧を喜んで受け入れている。そんなものは感触でわかっていた。

  「私がバテるか、あなたがギブアップするか、どっちが先かしらね」

  そんな遊び心を口にしながらも、二人とも引く気配は微塵もない。

  リアムは筋肉を最大限に使っていき、深い締めつけと雄々しいまでの動きを繰り返しては肉欲に耽るのだ。膣奥で『ビシャリ』と汁をまきちらせ、肉棒と膣が火照りを分かち合い、下腹部へ伝わる睾丸の衝撃が何度もエイプリルを声に出して仰け反らせる。

  「乱暴にして、ひゃあっ!!」

  彼女がそれを言い終わらないうちに、リアムはわずかに体勢を変え、さらに腰の回転を激しくする。

  肉が、ぐりゅん、っと瞬間的にねじられる。

  あんっ、と雌虎が尻をすくませ、唾液を溢れさせた。

  角度が変わった刺激に、エイプリルの声が跳ね上がった。

  背中を反るほどの快感が駆け抜ける。二人の汗が途切れることなく流れ、熱をもてあます身体がシーツに貼りつくほどだ。それでもしがみつくように相手の肩や背中に指を食い込ませ、ついばむようなキスと浅い噛みつきを繰り返しながら、興奮はさらに膨れ上がった。牙がぶつかりあうコツっとした振動が、脳や耳を突き抜けていき、いっそうの心地よさを加える。

  じゅぶ! じゅぶぶうぶ! じゅぶっ じゅるぅう!!

  舌を絡めあいながら、互いの口から水分と空気を奪いあった。

  こうしている間にも腰は止まらず、ベッドは悲鳴をあげていた。

  大きく揺さぶられるたびに、部屋中に重い衝突音と喘ぎが混じる。

  エイプリルに激突するリアムは筋肉を締めながら脂肪を躾けるように打つ。

  例えるならば豊満なヒップを拳で殴打し続けるみたいな、鈍いものであった。

  ふと視線が交わった瞬間には、もう言葉すらいらないほど肉体を求め合っている。

  愛など介在していない。ほんの欠片ほども。あるとすれば性欲。そして獣欲だけだった。

  膣の奥が震え、肉棒が限界を超えた充血で張り詰め、睾丸が最高潮に至るまであとわずかという緊迫感が漂う。

  ぐっちゅ! ぐっちゅぐちゅぐちゅ! ぐっちゅ!

  全力で、小刻みに連続させ、全力で、リアムなりに間隔をつけてのピストン運動。

  淫乱な雌虎は肉棒が引きあげられるカリ首の感触から、血管のかすかな膨らみにすらも反応し襞を引き締まらせる。愛液を吐き出しながら、耳を塞ぎたくなる汚らしい音をあげまくった。

  グルゥウウ! グッ! グウゥウゥル!

  激しい呼吸に唸り声がした。両者の発情が顕著に現れ野生へと返す。

  最後の一撃とばかりにリアムが体重をかけて突き込むと、エイプリルはかすかに悲鳴のような声を漏らしながら彼の背中へしがみついた。その爪痕が筋肉の上で白く浮き出し、同時に力いっぱい腰を捻って締めつける。二人とも汗まみれで、シーツはすでに乱れきって皺だらけ。しかし、その瞬間までまったく緩めることなく激情の波を送りつけた。

  「おっ! おぉぉ、チンポ、すごい!」

  「さ、叫びすぎだっ、ふぅ」

  

  喉の奥にこもったうめき声とともにリアムが大きく一息をつくと、エイプリルも目を閉じたまま小さく揺れ動く。

  膣の襞に愛撫された巨根が、その動作に合わせ、握り拳半ほどもある睾丸に封じ込められた粘液が圧迫を受ける押し出された。袋の外側を覆う皮の部分が一瞬ぷくりと膨らみ、やがて我慢できないほど血管を膨張させた後に、筒先から粘液がぬるりと顔を出した。

  「ああんっ! これが欲しかったのよ!!」

  愛液でしとどに濡れた膣内に、どろ、どろっ、と噴出されていく。

  出しながら、リアムは腰を振り乱した。膣と肉棒で繋がる粘液は糸を引きながら、ねっとりとした質感を粘膜に主張し性感帯をくすぐってやまない。

  びゅうううう!!! びゅっ! びゅううう!!

  「グゥ、まだ、出てくるッ!」

  

  睾丸の底部から快楽という高圧を受け、雌を孕ませるものが尿道を噴き出す。

  さらに強く、竿全体が筋肉によって握られるたびに細い弧を描いて膣に飛び散っていく。飛沫が襞にぶつかれば、べったりと貼りつくように伸び、粘液がいとも容易く垂れ広がってしまう。粘液は壁にペンキを塗るみたいに、エイプリルに染み渡っていた。

  呼吸がリンクしていた。同じ量の空気を、肺腑に溜めては吐き出す。

  しばらくは身体を離さず、汗ばんだ胸と胸がくっついたままお互いを確かめ合うように息を整えた。強引に抑え込んだような体勢から、ゆっくりとほどける虎縞の奥にある肌と肌の間には、まだ熱い空気が渦巻いている。

  「ふぅ。やっぱり、あなたって最高ね」

  荒い呼吸の合間から漏れたエイプリルの言葉に、リアムは誇らしげに肩で笑う。

  潤んだ膣の締めつけを最後まで堪能した余韻を残しつつも、まだ尽きない熱を感じているのか、彼女はもう片方の手で軽く睾丸に触れた。

  「さすがだわ、まだまだ余裕がありそうじゃない」

  「ヤリまくりたいからってだけで、ルームシェアしている仲だ。君がわからないはずがないだろう…………あ、いてて、ちょっと強く持ちすぎだ、ここは鍛えられないんだからやめてくれ」

  「あ、ごめんなさい興奮しすぎたわ。で、いけるの? や、れ、ちゃう、の?」

  そう囁く彼女に、「もちろん、そのつもりだ」と応えるように、リアムは再び身体を動かしはじめる。先ほどの荒々しさを落とすどころか、むしろさらにパワーを増した動きに、エイプリルは期待に目を輝かせながら笑うのだった。

  「あ、でもトイレ休憩を先にしたいわ。さっきの衝撃かしら? 凄く出したい」

  「ん……俺もしたいかな。じゃんけんっ!」

  「ぽんっ!」

  唐突に始まったじゃんけん。

  彼女はパーを出し、彼はグーを出していた。

  「それじゃあ、お先にね、ダーリン」

  「やめろダーリンなんてつゆほどにも思ってないくせに」

  「あなたに言ってないわよ? チンポに言っただけだもの」

  エイプリルが涼しげに言い放った。リアムはべーっと舌を出した。

  「精液とかは拭っておいてくれよ」

  「はいはい、ちなみにどっちもするからね」

  彼女はオーバーリアクションな溜め息を耳に、くすくすと便座に腰掛ける。

  いつも大きく息をつくように中身を意識していけば、腹の奥底に停滞感があった。

  おそらく、絶倫トリオと出会ったあたりからだろうか。セックスを優先し便意を無視。

  ふぅ、っといきむと尻尾があがってしまう。内壁を不要物がこすりあげるのも快感だ。

  排泄感に加え、たくさんの男たちとアナルを愉しんできた。ここも一つの性感帯の内。

  「んぅ……」

  ルームメイトとのまぐわいが、肛門の神経を高ぶらせてしまっていた。

  少々ながら力み、内部にあるものを押し出している。深く呼吸をして、満たされた空気をゆっくりと吐き出すときのような解放感。ときに溜め込むようにじっと耐え、ときに勢いよく外へと送り出す。

  みちみちっと形状を変えながら、水分を含む一本のものが落ちる。

  腹を撫でていると、ショワワアァッ、とアルコール臭い尿が飛び出す。

  柑橘類の酒を煽ったせいか、今日はそういった臭気がどうも強かった。

  排便中の腸内は活発的であり、踏ん張るたび、ゴブッ、ゴボッ、とガスに震える振動音。

  エイプリルの胸奥をかき立てるように響き、トイレに異臭を立ち込めさせてしまっていた。

  「んっ、意外と手古摺らせてくれるわね……」

  

  踏ん張るほどに内壁は柔軟にうねり、ガスや泥の固まりと似たものが粘膜を通り抜けるたびに心地よさそうに波打っている。あふれそうになる圧力が抜けていくときの快感は、その身をびりびりと震わせるほど。大きな息を止めていた身体が、一気に力を緩める瞬間のようだ。

  「あぁ、もうちょっと」

  ブリュリュ! ズズズルル!

  排泄物が勢いよく奥から外へに流れるみたいに落ちていった。肛門から出かかる。

  エイプリルは見ずとも、拡張具合からわかった。例えるなら中くらいのチンポほど。

  彼女の体内をくぐり抜けるあいだ、ぐつぐつと血が煮えるみたいな振動が連続した。

  その感触は決して綺麗なものではないはずなのに、彼女にとっては何かを達成する喜びを与えてくれる。ガスが内側を駆け抜けると、ブブッ、とした。一瞬だけ臭いが便器に広がって、空気と便の微かな汁気が水面にあたった。そんな瞬間に、彼女はまた小さく、しかし確かな解放感を得るのだ。

  「ああ、全部外へ出せるのって、なんて気持ちいいのかしら! 我慢しなくていいんだものね!」

  両手を口に添え、わざとらしく待ちぼうけているリアムに聞かせる。唸り声が聞こえてきたのが何とも愉快であった。

  「ちょっと臭いから、面食らいそうね」

  

  そうつぶやくように、さらに柔らかな音を立てながら、汚物の塊を外へ押しやる。

  内壁を撫でるように過ぎていくとき、ぬるり、とした圧が指で前戯を受けているかのような快さを伴ってやまない。

  ぼちゃんっ

  ずるっと抜けていった一本は、感じ的には快便だった。

  しかし、どうにも臭う。腹の中は性生活みたいに乱れていた。

  ちょっと気をつけないといけないわね、と思いウォシュレット。

  温水を肛門で受け止め、ぞわりとしながら、丁寧に尻を拭った。

  尻周りの毛についた雫はドライヤー機能だ。さっと乾燥させる。

  エイプリルは「はい、どうぞ」と待っていたリアムに告げた。

  彼はわざとらしく鼻をつまみ、イライラしながら便器に尻をつけた。

  サイズ感の違うリアムであるが、その体重で便器にダメージはない。

  「まったく待たされたもんだ」

  遠目にも分かるほど頑丈でゴツゴツとした鋼の筋肉をまとっているかのような外見だった。表面に走る鋲のような突起は力強さを象徴し、毛並みの内側に潜む硬質に思えるものは鍛え抜かれ、たくましく盛り上がっている。いざ、肛門への圧力が高まってくると、その頑強な全体が、グググッ、低く唸りをあげた。そして見た目のとおり、豪快な排便がスタートする。

  ブッ! ブブブブブ!

  鈍いガス音とともに、内部に溜まっていた泥の塊が息をつく間もなく放り出される。

  彼は一気に押し出す。もう我慢する理由などない。汚物を外に放りだしてやればいい。

  じれったそうに鼻へ筋を寄せ、踵をあげての前傾姿勢。ブブッ、と更にガスを噴かす。

  その時の衝撃音は、ドスン! と地響きを思わせ、腸内から抜けていく熱い空気は彼の筋肉の隙間をこじ開けられたかのような圧を伴っていた。

  「ウッ」

  

  うめき声をあげているように、喉の奥からは重苦しい呻きが断続的に漏れ出す。

  ちょっとの我慢だったつもりが、彼女は思った以上に出てこず、堰き止めていた。

  こちらも最近はトレーニングに忙しくて、食事はそれ用のものばかりを食べたものだ。

  しかし、腹具合から察するに調整を間違えていた。おそらく食物繊維が不足している。

  

  ブシュッ! ブリュリュッ!

  最初は固形物がころっと落下し、ぼちゃんっ、と水を飛ばす。

  その後は固形と液体が混じり合った泥が、豪快な勢いで連続的に排出される。

  その一塊一塊が彼の内壁を擦り抜けるとき、ゴリゴリと岩肌を削るような摩擦音が壁に跳ね返る。

  「……水分が不足してたか、ちょっと便秘だったんだな」

  身体づくりが基本の身でありながら、初歩的なミスをするとは情けない。

  逞しい肉体の奥をえぐるように通過する汚物のかたまりは、押し出されるたびに外へ解放され、便器内に弾けると、ビシャッ! ドパッ! 水や表面に叩きつけられる。

  自らの筋肉を誇示するためにしていた行為を誤った、その重荷を一気に吐き出す。

  不純なるものが出ていくのは爽快であった。内部に圧力がみなぎればみなぎるほど、解放の瞬間は凄まじい快感をもたらすかのように、柔らかな部分が、ゴゴゴ、と重く鳴りあがる。

  ブブブッ! ブリュッ! ブリュリュリュ!

  連続的に流れ出ることで、彼の内部にこびりついていた負荷は次第に軽くなる。

  すると「ウググ」とした声がやや和らぎ、ホッと力が抜けていて筋肉が休まった。

  「リアム、続きしましょうよ」

  

  トイレ休憩を済ませれば、ふたりのやることは一つだけ。

  エイプリルはベッドのある部屋で、硬い壁を背にしてリアムと向かい合う。

  もちろんリアムは準備万端。勃起を軽く一握り、彼女のもとに歩み寄った。

  エイプリルは間髪入れずに彼の首に腕を回して唇を奪う。荒い呼吸が混ざりあう。

  わずかに立ちこめる汗の匂いがふたりの興奮をさらにかき立てていた。汗臭く精液臭くて、それでいて愛液の生っぽさに満たされた。

  胸元からは張りのある肌がむき出しになっている。乳首はツンと欲深そう。

  相手の大きな手がまるで獲物を捕らえるように、彼女の腰を鷲掴みにして壁際へ強引に押しつけた。

  「いいわ、遠慮なく来て」

  壁に当たった背中から微かな衝撃が走るが、それを楽しむように彼女は腰を前へ突き出して応える。リアムは先ほどベッドで見せた熱を全く衰えさせていない。むしろ、肉体を誇るみたいに筋肉を盛り上がらせ、彼女の両脚をがっしりつかんで持ち上げた。脚を抱えられたまま、宙で足を振りながら、首筋を甘く噛むようにして喘ぎ声。

  「あぁぁっ、やっぱり、あなたみたいな巨体が最高!」

  そう吠えるやいなや、リアムの腰が前に出て、体格通りの太い肉棒がエイプリルの膣口を押し広げていく。

  にちゅぅぅ!

  淫肉が勃起をしゃぶった。涎を撒き散らしながら、奥へとすすりあげてしまう。

  先ほどから潤っていた粘膜が、まさに今、にちっ、にちっ、と湿った音を立てながら受け入れ始めるのがはっきりとわかる。彼女は壁に両手をつき、さらに奥へと誘導するように腰を捻りながら息を吐いた。足をひらき、股ぐらを開放する。体を支える意味なんてものはない、すべて、彼の肉棒と両手がやってくれるから。

  「んあぁ! すごい! すごい深いわっ!」

  リアムは容赦なく押し込む。腰を、肉体を、前進させる。

  にっちゅうう! と膣が声をあげて、乳房が胸筋に押し広げられてしまう。

  壁と自分の身体に挟まれたエイプリルは、ひととき苦しそうな顔を見せた。

  「スイッチ入っちゃったぁ? 無口にあなたも、大好きよぉ! チンポが、最高!」

  

  エイプリルもまた、快感のスイッチが切り替わったように笑み。陶酔していた。

  リアムの股間は膨張した肉棒だけでなく、睾丸も大柄な体躯に見合って重たげに揺れ、打ちつけるたびに太腿や下腹部を肉々しく叩いている。その振動が彼女の腰や尻を直に刺激し、彼女の声をさらに弾ませた。胸をいっそう弾ませた。

  「あぁぁっ! んぅう!! 強引ね。でも! 嫌いじゃないわ! チンポ、が、マンコにがつがつくるぅ!!」

  リアムは両腕にまだ余裕があるらしく、エイプリルを支えながらも壁と自分の体を器用に使って彼女の腰を思い切り振らせる。無理矢理に動かされる、オナホールのような扱いにも彼女は満足げ。喉をゴロゴロと鳴らし、心地よさをアピールすれば、リアムは唸り前屈み。肉棒に角度がつき、斜め上に何度も何度も往復し、粘液を掻き出す。

  「ひゃあんっ! もう! 食べちゃ、いやよぉ!」

  

  冗談めかしの喘ぎ。エイプリルは舌なめずり。

  彼女は足を高く開き、膣の奥でぐっと締めつけるように内壁を動かして応戦した。

  密着した腹と胸が火照って汗ばんでおり、毛皮が擦れる音と粘膜の水気の混ざった音が部屋に反響する。口を寄せれば、舌を絡め合うキス。その合間にも喘ぎ声に混じって荒い呼吸の音が増していく。唾液が掻き鳴らされ卑猥なリズムを生み出す。

  「やだ! 汗、すごくない? 口のなか、あんたの味しかしなくなっちゃう、アンッ!」

  口を塞ぐみたいな、勢いある腰使い。

  激突した亀頭が、子宮口にこすりつけられる。

  エイプリルが天井を仰ぐように頭をそらし、壁に押される背中を少しでも楽にしようとする。けれどもリアムはその隙を与えまいと、腰をさらに打ちつけるように前後へ動かす。肉棒の根元に押しつぶされるように睾丸が打たれるたび、にぶい振動が伝わり、彼女の太腿や下腹部にも『ズン』と響いた。

  「うあっ! アァァッ ンゥゥ! 深……いっ! そこぉ!! 駄目なとこ、あたって、るぅう!!」

  彼の腕が太腿を抱えたままなのをいいことに、エイプリルは自分でも腰をぐっと前後に振り、自由に角度を調整する。上下左右に微妙に身体をずらしながら、粘膜が滑り合う感触を確かめては深く息を漏らす。腰がぶつかり合うごとに湿った水気が飛び散るように音を立て、膣口がその熱を存分に感じ取りながら収縮を繰り返した。

  「こんなに激しいの、久しぶりかも! あぁぁっ!」

  限界すれすれの体勢を楽しむように、彼女は壁に片手をつきつつ、もう片方の手を彼の肩に回して爪を立てる。リアムも低くうめき声を上げながら、負けず嫌い同士の勝負のようにさらに腰の動きを激しくしていく。これ以上音を上げたら他のフロアまで響くのでは、と思えるほど壁を叩くが、二人には関係ない。騒音の苦情など、一回や二回ではない。

  「リアムぅ! いいわよ……あなたの腕、チンポも、太くなったんじゃないっ」

  

  興奮のあまり口元から甘い声をこぼし続け、膣をくっと締めながら熱を吐き出す。

  雌雄が息遣いでまじわり、顔の毛並み、鼻先を湿らせる。ガラスに息をふきかけたかのように感覚が曇っていくみたいだった。

  「ん! あっぁ! そこッ! 好!き! やばい!ほんとにヤバい!」

  エイプリルに煽られるよう、リアムは片手を壁に突いて力をこめた。

  角度を変えて突き上げる。睾丸が下からエイプリルの尻に打ちつけられ、そのたびにぐしゅっと生々しい音。睾丸もまた汗ばみ、しずくをたっぷりに滴らせる。

  粘膜と肉棒が擦れ合う感触を逃さぬよう、エイプリルはあえて腰をすり合わせた。

  内壁を上下から締めつける。彼女の汗が鎖骨や胸の谷間を伝い、リアムの胸筋や腕にも落ちてゆく。塩っぽい汗と甘い唾液が一体になり、濡れた黄色と黒色がぬるぬるに絡みあった。

  「はぁ! はぁ! ちょっと! あんた、今日は本当にすごいわ! あぁぁ」

  「俺も! 興奮する! こんなふうに腰を返されると、ぐっ、うぅう!」

  一瞬。背筋を伸ばしたリアムの広い胸板にエイプリルの胸が押しつけられた。

  汗のしたたりが、あたり一面にふきとぶ。顔にかかれば、ほんのりとした塩味。

  毛が素肌が直に吸い付いている。お互いの体温が限界を超えるかのように上昇した。

  相手の吐息に合わせるように二人の身体が震える。さらに深く繋がるために、エイプリルは両足をぎゅっと回してリアムの腰に絡めた。動きを妨げるどころか、彼が繰り出す猛攻を受け止めつつ、粘膜同士が密着している音を確かめるかのように下半身を揺らす。

  「このまま! イキそうッ、リアム! 突き抜けて! 私を!」

  「お前こそ、そのまましがみついてろ!!」

  リアムが体勢を少し低くし、壁に当たらないように気をつけつつも、さらに速度とパワーを上げる。彼女の頭が壁に打ちつけられそうなほどの勢いだが、エイプリルはむしろ嬉しそうに笑い、肩をがっしり抱きとめる。膣内が収縮するたびに灼けつくような快感が走り、粘液がより多くあふれ出して二人の結合部を満たした。

  交わされる視線はもはや言葉を超え、性の欲求を分かつ野生動物的に求め続ける。

  ぶつかり合う腰と腰、打ちつけられる睾丸、弾み圧迫される乳房。

  壁に響く低い振動――全身の感覚が重なった。二人の喉から歯を食いしばるような声が漏れ出す。

  「イキそう! イク! イクイクイクイク! イックゥゥ!!」

  最後の一気というように、お互いの腰が沈む角度を変え、深いところをえぐった。

  粘膜が押し広げられ、激しく擦れ合い、肉棒の根元までしっかり飲み込むと、エイプリルは息を止めてピタリと身体を硬直。その直後、大きく肺から空気を吐き出すようにうねりながら声を張り上げ、リアムの背中に爪を立てて限界に達する。

  どびゅ! どびゅうう! びゅ!! びゅうう!!

  

  彼も同時に奥深くで鼓動が高鳴り、緊張の糸が一気に弾けるように身体を震わせた。

  熱が堰を切ったように彼女の内部へ注ぎ込まれる感覚があり、二人は壁に支えられたまましばらく動きを止める。互いの汗や吐息が入り混じった空気が重くのしかかり、そこには荒い呼吸と心臓の音だけが反響している。

  「壁にめり込みそうだったわ――死んじゃいそうっ」

  「求めただろ? 俺は遠慮なく、やっただけだ! はぁ!」

  リアムの腕はまだエイプリルを離そうとしなかった。

  ふたりはぐったりしながらも名残惜しそうに唇を重ねる。

  熱く火照った肌が冷めるには時間が必要だ。ぬるくなっていく家庭も楽しみたいというかのように彼女は満足げに笑う。親しみの込められた、しかし友人に向けるものと変わらないもの。次第に、彼の笑みもそれに親しいものになっていた。

  「気持ちいいわね」

  「ああ、そのためのルームシェアだしな」

  

  そのまま彼の首に腕を回し、あらためて強く抱きついた。

  「ねぇ……まだ夜は長いよ。これで終わりってわけじゃないんでしょ?」

  「ヤリマンだな…………」

  「ええ、受け止められるのは、きっとあなたくらいなの。今のところはだけど」

  ふたりは互いの汗まみれの身体を苦にもせずに抱きあう。

  もしも毛皮が取り外して捻じれば、バシャバシャと汗が落ちるだろう。

  ゆっくりと壁を離れる。先ほどの荒々しさはウォーミングアップとばかりに、もう一度ベッドへ移動する準備を始める。

  「転ばないでね」

  「うあっ、マン汁とザーメンだらけ」

  「あんたと私の合作よ、刮目しなさい」

  「きたねえよ! 起きたら一緒に掃除だな」

  「はいはい」

  粘膜に残る水気がどれほど熱くて、あと何度この夜を重ねあうのか。

  それを考えるだけで、また新たな欲望が鎌首をもたげ、彼と彼女の呼吸が浅くなるのを感じる。

  満足の先にあるものを目指していた。

  二人は壁際で熱を帯びたまま視線を重ね合った。荒い呼吸に混じる汗の香りが、さらに奥へ誘うように鼻腔をくすぐる。エイプリルの胸は上下にゆっくりと揺れ、リアムのたくましい腕に支えられながら、互いの体温を一層感じ取れるほど近い距離で向き合っている。

  「ほら、しっかりして? ぼーっとしてる時間はもったいないわ」

  彼女がそう囁けば、リアムは応えの代わりに額を重ね、そのままふたりの唇をふわりと触れ合わせた。キスは激しさこそ和らいだが、そこに込められる求め合う気持ちは先ほどと変わらない。もっと性に浸ろう、その合図だった。

  ベッドに尻を起き、足をひろげたエイプリル。

  汗の膜が張りつくようになった自分の毛並みを意識しながら、リアムの逞しい胸に手を当てた。触れるだけで鼓動が伝わり、まるで太鼓の響きのように彼女の手のひらにズシンと伝わってくる。視界には、首筋に浮き出た血管や、少し火照って赤くなった耳が映り、耳元にかかる息が熱をともなって毛から肌に触れる。その息を感じるたび、彼女の体内にも緊張が戻ってきた。

  「あなたの音、身体の中まで聞こえてきそう」

  彼女はくすっと笑い、わざと指先を強めに滑らせてみる。

  するとリアムの腹筋が緊張し、彼の吐息が一秒、止まる気配がした。

  筋肉の起伏を感じ取るたびに、彼女はその存在を視覚だけでなく触覚と聴覚でも味わっていた。

  骨格や筋肉の締まり具合、虎縞のきめ細かさまでも。

  自分の五感で記憶に刻み込むように確かめていく。

  「おまえこそ……まだ余裕があるみたいだな」

  リアムは苦笑交じりに目を細め、エイプリルの脚を軽く持ち上げる。いや、広げた。

  彼女はバランスを保つために肩へしがみつき、再び身体を密着させると、そのまま腰を浅く動かしはじめた。下腹同士が触れ合うとき、肌と肌とのあいだで少し湿り気を帯びた感覚が交わる。お互いに汗と体温を混ぜ合わせながら、呼吸を合わせるようにゆったりとしたリズムを刻む。

  「ううううんん!」

  にっちゅりと挿入され、先程の精液で亀頭をつつみあげる。

  

  「さっきはあんなに激しくしたのに、不思議とまだ平気みたいだわぁ」

  彼女は明るく、興奮の色を隠しもしなかった。

  枕に後頭部を少しずらせば、彼の首筋が目の前にあり、ほんのり石鹸の残り香を嗅ぎつけた。だが、それも塗りつぶされようとしている。

  リアムは少し体を離し、あえてエイプリルを半歩ほど押し込むようにしてみる。

  彼女は素直に従うどころか、自ら腰を下げるよに距離を縮め、肩越しに視線を送った。

  「じゃあ、もう少し動いてみるか」

  先ほどのような激しさは影をひそめ、今はあえてゆっくりと、けれど確実に体をぶつけあった。回数でなく質に力強さを意識したやり方だった。

  汗が伝って腕から肘へと滴り落ちるのが分かるほど、肌は潤んだままだ。

  上下する彼女の呼吸音が耳元をかすめ、その少し震える吐息がリアムの肩に触れる。

  ふたりはもう息をするだけで体温や湿度を交換しているようで、その密度の高さに酔いしれながら、自然と呼吸が合っていく。

  「あんたの鼓動が、マンコから、すごいはっきり聞こえる」

  エイプリルがそう言葉にすると、リアムはニッと笑みを浮かべ、彼女の頭をそっと引き寄せて囁く。

  「そっちだって、ドキドキしてるくせに、チンポからハッキリ聞こえてくる」

  額を合わせたふたりは、互いのまつ毛が触れ合いそうな至近距離で目を閉じる。

  そこにはもう派手な動作や声は必要なく、粘膜がまとわりつくその瞬間に身を委ねる静かな陶酔があった。二人の鼻先がわずかにすれ違い、唇と唇が軽く触れ合う。ほんの少し開いた口から薄く甘い呼吸が漏れると、唾液が混ざり合った舌の感触が重なる。

  エイプリルはベッドに身を乗り出すように腕をまわす。

  そこには、筋肉質な体躯を誇示するかのように構えたリアム。すぐさま背に両手を当てて腰をぐっと引き寄せる。

  「そんな体勢じゃ、動きづらくない?」

  「大丈夫よ。思い切りやってみせて」

  わざと足を少し開いて、尻を高く突き上げるようにして腰を振る。

  その姿は誘うようでありながら、あえて自分からリードする気満々の仕草でもあった。 リアムは喉の奥で低い息を吐き出し、触れた箇所をなぞった。汗の膜が張りつき始めた毛先は、まだまだ熱を閉じ込めているのだ。もう片方の手で彼女の腰をぐっと押さえつけ、突き刺すように体重をかけていく。

  「うっ! やばぁ!」

  抜けかかったものを勢いよく入り込む。同時にエイプリルから小さな音が漏れる。

  肉体同士が密着したところから粘り気のある湿った音が立ち、彼女は両肘を少し折って上半身を浮かせるようにしながら、後方から伝わる衝撃を受け止めた。後頭部は枕からあげようがない。

  リアムはそのまま腰を前後に振り、膨張した自身を彼女の奥へとさらに埋め込む。背後で揺れる睾丸が、エイプリルの太腿のあたりにぶつかってたまに叩かれるみたいな感触が生まれ、空気を切るように荒々しい呼吸が混ざり合う。

  「やば! い! こんなに! 強く! くるなんてねっ! んぁうああ!!」

  「簡単に音を上げるなよ。まだまだいけるはずだ、ヤリマンだもんなっ」

  リアムの野性的かつ熱っぽい吠えた。

  全身の筋肉がうなるように動いているのが目に見える。

  エイプリルはベッドた自分の手のひらを置き、ぎゅっと握り込み、あえて深く腰を落とすようにして動きに合わせる。腰が打ちつけられるたびにベッドがギシギシと軋み、ふたりの全身が触れ、部屋の空気に摩擦音が混ざっていった。

  「なに、抜いちゃうの!」

  不満の声をあげ、愛液と精液の橋を伝わせる肉棒を睨む。

  リアムは構わずに彼女を抱え、腹と胴の位置を反転させる。

  彼はすぐさま挿入させる。にっちゅり、と最奥に届くまで。

  「あんっ! バックしたいなら、言ってよぉ!」

  

  リアムは間髪入れずペースをさらに上げる。

  にっちゅり、にっちゅりにちゅにちゅ、と絶え間なく粘膜が喘ぐ。

  後背位のまま全身を前へ押し込み、エイプリルの背筋に沿って上体を伏せるようにして虎縞同士をこすりつける。その角度からだと、彼女の尻から太腿までを抱え込むように支えられ、膝を軽く曲げて力強く突く動作を繰り返しやすい。汗が滴り落ち、背中と胸の間に薄い粘着感が生まれると同時に、粘膜が肉棒によって押しあげられるのが、はっきり聞こえるようになった。

  「キャアアッ! んあああっ! 感じ、すぎるぅ! また、苦情きちゃうぅ! イクゥゥ!!」

  「気にするな。もっと聞かせてくれ」

  リアムは腕を伸ばして彼女の肩を押さえこみ、逃がさないように固定する。

  腰を前後へ叩きつけるリズムにいよいよ容赦がなくなってくる。エイプリルは快感と同時に、背中へ響く筋肉の圧力に甘んじて、声を上げながらかすかに震える。

  「なああぁぁぁ!! ンなあああああっっ!!」

  刺激に耐えかねた猫さながらの絶叫。快感による遠吠えであった。

  足元ではシーツが乱れ、二人の動きに合わせてわずかに捲れ上がっていく。

  さらに奥をえぐるかのような衝動に、エイプリルの声が甲高く跳ね上がった。

  「ナァァッ! やばい! 来そう! イクイク! ンンァアアアア!!」

  「踏ん張ってろよ!」

  彼女は四つんばいの姿勢を保ちながらも脚が震えて折れそうになる。だが、それを狙うようにリアムの手が腰をがっちり捉え、もう深いところまで押し込んでは引きずりあげてしまう。

  「ンァァアアッッ!!」

  

  肉襞が屈強なる亀頭。その仮首や裏筋にゴリゴリと摩擦されるのだった。

  襞についた粘液を無理矢理にそぐみたいに、ぐちゅり、と空気と掻き出す。

  汗ばむ尻の動きに合わせ、ふたりを繋ぐ部分から水気のこだまする。

  エイプリルはこらえきれず鼻にかかった喘ぎ声を漏らす。

  「ナッ! ンゥゥウゥウ! イ、ゥウゥウ!! あぁぁっん」

  びくんっ、と透明なものを尿道から飛ばす。ほんの少しの量だが、紛れもなく潮。

  彼女が勢いづけるように腰を後ろへ突き出すと、リアムはさらに強く突きこみ、ベッドの支柱をギシリと鳴らせながら彼女の首に口を触れさせる。それはスイートキスというよりは貪り。唾液が僅かに筋を描きつつ、熱い呼吸がうなじに湿っていった。エイプリルの指先はシーツを握るどころか爪を立てて、それでいて滑りそうになり、頭を少し垂れ下げながら快感の波をしのぐかのように歯を食いしばる。牙の隙間から唾や息が出た。

  リアムは腰をぐっと引き、睾丸がはずむように揺れるのを感じた。

  一気に深く突きこんだ。衝撃の大きさにエイプリルの肘が折れ曲がった。上半身がシーツに沈み込む。

  彼女は声にならない短い息を繰り返しながらも、その奥深い刺激に身体を委ねようと背を反らす。さらに高速で打ち込まれる後背位の動作は、骨盤にずしりと重い感覚を何度ももたらし、ふたりの呼吸はもはや乱れっぱなしだった。

  フウーー! フウウウウウ!!

  

  互いに息が荒く、どこか遠くへ突き抜ける手前で踏みとどまるよう。

  最後にリアムが背筋をさらに強く張り、エイプリルの尻を両手でつかんで後方にぐいと引き寄せる。そのタイミングでエイプリルはベッドに押しつけられる格好になりながら、自分からも腰を強く押し返す。押し合いへし合いが限界に近づいた瞬間、彼女は小さく悲鳴と似た空気をぶちまけ、ぴたりと動きを止めた。リアムも低いうなり声を漏らし、ベッドに片手をついて静止する。

  びゅううう!! びゅっ! ぶうううううう!!!

  

  白濁が腟内に流動していった。淫肉が受け取りながら、奥に奥にすすった。

  リアムがエイプリルの腰を支えながら一旦動きを止めると、二人の間には荒い呼吸と熱のこもった空気だけが残った。先ほどまで後背位で激しく打ち合った熱が、まだ毛皮のあいだで名残を色濃く残している。エイプリルの胸は垂れて上下に大きく揺れ、湿った視線が彼を見やりながら次の波を待っていた。

  「少し休むか?」

  「休むわけないでしょ!」

  彼女がそう言いながら虎耳をかき上げると、汗で乱れたその様子にリアムの血が熱くなる。手のひらを彼女の肩甲骨に添え、ぐいっと体勢を変えるように合図を送る。エイプリルはそれに気づき、自ら膝を寄せて四つんばいを取り直す。獲物を狙う女虎を思わせる立ち振舞いだが、実際は下の口によってだ。

  既に何度も味わってきた後背位の姿勢だが。

  今度はリアムがさらに腰を深く落とし、限界すれすれの角度で臨もうとしているのが伝わってきた。

  「じゃあ、遠慮いらないだろっ」

  リアムが言うのとほぼ同時に、太腿が彼女の尻へ密着した。

  肉棒が先ほどよりも深い角度を探るように、熱を孕んだ粘膜を貫いていく。

  ずぶうううう!!

  

  濡れた内壁が歓迎するように彼を引き込んでおり、精液がブチュっと出た。

  エイプリルは声を堪え切れず、「あっ!」と半ば苦しげな吐息をもらす。

  だが、リアムには遠慮はなかった。そのまま腰を振り始める。さっきまでの激しさとは比べ物にならないほど荒々しい動きだ。二の腕や肩に浮かんだ血管が、筋肉の動きに合わせて脈打っているのが見え、太腿にも似たような血管がいくつもあって背筋を弓なりにしならせるほど体重を結合部へと集中させる。

  「そう! そうよおおお!!!」

  

  エイプリルは両手でシーツを握りしめ、声をかき消すように首を振る。

  けれども甘く上ずった声はおさえきれず、ベッド上に何度も跳ね返る。

  「ンアアアッ! ンァァァァアァンッッ!!」

  「おまえが! 欲しがるから! 遠慮できないよ!」

  リアムの腰が前後に振り下ろされるたび、尻と下腹部がぶつかった。

  振動が骨を通じてエイプリルの全身に伝わり、背骨に快楽を染みつかせた。尾が立つ。

  彼女は脚を引きずられるように無意識に広げてしまう。するとそこを狙ったかのように、彼の睾丸がさらに勢いよくぶつかり、重たく太腿に激突すれば、膣内や子宮に、確かなる甘さが加わるのであった。

  「ナァァンッ! ンンァアアアアアッッ!! アアアァウウォウオウ!!」

  またエイプリルの上半身がベッドに沈む。その角度になると腰はさらに持ち上がった形になり、奥へ届きやすくなる。リアムはここぞとばかりに彼女の尻を両手で開き気味に支え、下から上へ突き上げるようなリズムに変えた。何度も奥をえぐるように擦られ、エイプリルは耳と首を振り乱しながら息を漏らす。

  「鳴かせてやるよ、もっとな!」

  肩をがっちりつかんで体を固定し、さらに強く押し込むように腰を動かした。

  さすがにエイプリルも声を上げるだけでは足りず、シーツを噛む。ベッドの軋み、二人が生み出す湿った衝撃音が、さらに際立って部屋に響いた。

  リアムは自分も息を切らせてはいるが、まだ衰えを見せない。

  腰を引くたび、膨張した肉棒が冷えた空気に触れたかと思うと、すぐにまた温かな粘膜に包み込まれる。エイプリルの内部は刺激に応じて締まり方が変わり、特に頂点が近づくときほど、じわりと吸いつくような収縮を感じさせる。彼の下腹部も汗と体液で湿っており、こすれあうたびに鋭い悦楽が突き上げてやまなかった。

  「鳴け!」

  リアムは体をのけ反らせて足をしっかり踏ん張り、エイプリルを突き上げる動作を加速させた。さながら猛獣がとどめを刺すような勢いだ。彼女は背を丸めて衝撃を受け止めようとするが、むしろ奥に突き込まれる度に腰が反射的に浮かびあがった。

  エイプリルの爪先がふとベッドから浮き、尻叩きを受けるように揺さぶられた。

  それでも彼女は根負けするどころか、背後から与えられる振動を全身で受けとめ、腰をあげるようにして奥まで刺激を求めている。視界が白くなりそうなほど電流は強く、唇からは甘くかすれた喘ぎがもれるばかり。

  「ンァァ……!」

  リアムは肩甲骨にあてた手をさらに強く握りしめた。

  最後の一撃と言わんばかりに体重をかけた。衝撃に耐えかねて、エイプリルの腕と脚から思わず力が抜け、肉棒が体中を突き抜けるような感覚が起きてしまう。

  びゅっ! ぶううううう! ぶびゅううぅぅぅうう!!!

  びゅるううううう! びゅっ! びゅる…………!

  睾丸の奥底から噴き出す子作りの種汁が、ただ欲求不満の解消のためぶちまけられた。

  部屋には激しい動きの余韻だけが残り、二人は数秒ほどそのまま動きを止めて荒い呼吸を整える。エイプリルはなんとか顔を上げて耳をかき分けながら、背後のリアムをチラリと振り返った。その瞳には満足感と、まだ次を求めるかもしれない欲が宿っている。

  「まだ足りない?」

  語り終えずにリアムは苦笑を浮かべ、ゆっくりと彼女の腰から手を離す。

  エイプリルはベッドに倒れ込むようにして、一度大きく息を吐く。脈打つ心臓の音が耳に在って、嫌な時間をすっかりと忘れてしまっていた。

  「んー、今日は勘弁してあげましょうか」

  「抜かしてくれる」

  

  汗にまみれた背中と尻が冷めていく感覚がかすかに心地いい。

  「俺が勘弁してやろうか?」

  「どうなるかしら、休憩が終わったら、楽しみね」

  次におっぱじめるのか、そうでないのかは決めかねている。

  荒い呼吸が落ち着くまではわからない。ベッドの上で視線を交わし合うふたりは、次なる行為を、さらに踏み込んだ出来事を、暗黙の了解で期待しているかのようだった。

  「俺のチンポは好き?」

  「ええ。私のマンコは気に入ってる?」

  「こんなに出て、やべぇくらい。うげ、出しすぎたかな」

  漏れ出す結合部に肉棒を押し留めたまま、リアムは言って苦い顔。それでも、彼女の存在を抱きしめていた。