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くぐもった声。粘液が擦れる音。熱い吐息。
部屋に充満する、強い雄の臭い。汗の臭い。…なのに、どこか遠くに甘いような香りが混ざる。
「はぶっ、んぶっ、ん…ちゅっ…」
狭苦しい部屋の中で。二匹の雄が盛る。片方は初老より若干若い、猛々しいヒト種の雄。
白髪交じりに整われていない髪。うっすらと生えた無精ひげも整えていないのだろう。身なりをそこまで気にするタイプでもないのか。
身に着けているのは汗に濡れたシャツ。粘液を纏い動くたびに擦れ淫靡な音が響く。
鍛えられているであろう全身には膨らんだ筋肉。そして数多ついた古傷。
…その精悍さとは裏腹の、浅ましく蕩けたような表情で。立っているもう片方の雄の股間の前に跪き。
欲望の塊にむしゃぶりつき、愛おしそうに口づけを何度も落とす。
「そんなにがっつくなって。たっぷり注いでやっから。」
そんな雄の頭を撫でながら笑顔を浮かべるのは龍。大きな翼は飛ぶことこそ出来ないが肉体を守る事は出来るだろう。
膨らみ切った胸。丸太のように太い腕。子供の胴体以上の太さであろう太腿。全てが力に満ち溢れ、雌だけでなく、雄ですら彼に羨望やそれ以上の感情を抱かせる。
特筆すべきはその股間。スリットから出ている逸物。
これを受け入れ切れる雌など、この世にいるのだろうか。巨木を思わせる太さ。鉄をも貫かんばかりを誇る硬さ。胸にまで届きそうにもなる長さ。
…そんな凶悪な逸物が、二本。上下に連なり、欲望に跳ねる。
先走りを大量にこぼし、ヒト種の雄に降りかかれば、雄は声にならない声を上げ、ぶるぶると震えると粘液をすすった。
かえしのようについた棘を一つ一つ、指で撫で。根元に鎮座している瘤に唇を落とす。
「あぁ、早く注いでくれ…疼いて疼いて仕方がない…」
甘く誘うような、懇願するような声に、龍は笑みを少し邪なものに変えた。欲望を示すように逸物がびくっ、びくっ、と数度震えあがり、雄の肉体を叩いた。
胸板にぶつかり、肉同士が弾ける音が鳴ると雄は身震いをしながら唾液を滴らせる。
「じゃあもうちっと勃たせてくれよ。…どうせならチンポはガッチガチの方がいいだろ?バルト。」
龍の声に雄―バルトはこくりと頷くと龍の逸物の下側を膨れ上がった胸で挟みこむ。
自然、上側に当たる逸物がバルトの頬を叩いて。棘が傷をつける。その痛みすら快楽と変わって。
「グラフ…の…チンポ…ガッチガチ…にぃっ…♥」
熱に浮かされたように。バルトは両手で胸を掴むと挟んだ逸物へ奉仕を始めた。
がっぷりと咥え込んだ胸板は逸物を少々強くきつく扱き上げる。弾力のある胸は、下手な雌よりも雄を理解しているかのように心地よく龍のーグラフの逸物を刺激して。先走りと垂れた唾液が混ざり、潤滑を良くしていく。
上側の逸物を暴れまわらないよう、口で咥え込み、舌を這わせる。じゅるりじゅるりとわざと大きな音を立てながら扱き上げるとグラフはおぉ、と心地よさそうに声を上げ腰を震わせると尻尾で床を叩いた。
両方の逸物を刺激しながら、扱きながら、奉仕しながら。バルトは頬を吊り上げ、呼気を荒くする。
「いいねぇ、そそるねぇ、雌の顔だ。可愛い、可愛い、俺の雌だ。」
「はぶっ、じゅぶっ…んぶっ…はぶっ…♥」
時折口や胸をわざと離すと、粘液に塗れてらてらと妖しくぬめり光る逸物が暴れまわる。バルトの肉体を叩けば、バルトは上ずった小さな声を上げた。
褌はすっかり濡れ、既に下着としての用途を果たしていないようにも見える。
二人の息と、鼓動が部屋を支配し始める頃。グラフはバルトの頭をぽんぽん、と叩いた。それは合図。
もう十分。ここからが本番だという、二人の間でいつの間にか決まっていた、合図。
「ぶはぁっ…んちゅっ…♥」
バルトは口と胸から逸物を離すと最後に、と優しく口づけを落とした。
グラフの二本の逸物はバルトが奉仕し始めた時よりもなお一層膨らみ、硬さを増し…今にも爆発しそうな勢いで跳ねまわり、先走りを散らしている。
がくがくと膝を笑わせながらバルトが何とか立ち上がると、その全身を素早く抱きかかえ。
「よっと。」
「んっ…悪い…」
「気にすんな。ほれ、お姫様抱っこ。」
悪戯っぽく笑うグラフにバルトは苦笑し、頬を赤らめ。しかし欲望に瞳を燃やす。
互いに無言で見つめあい。そのままベッドへ向かう。
大き目のベッド。成人男性二人は余裕で寝ることが出来るはずの大きさなのだが、バルトとグラフには少々小さい。
とはいえ。
「んぁっ…」
ぼふんっ、と少々硬めのベッドがバルトの全身を受け止める。横たえた全身。それを見下ろし、ごくりと唾を飲み込み。
覆いかぶさるのはグラフ。片手でバルトの胸を揉みしだき、もう片方の手をゆっくりと褌の方へ。股間の方へ伸ばしていく。
無骨な指が、繊細にバルトの乳首や胸をなぞると。
「ぁ”っ、はぁ”っ、ぁ”んっ…♥」
全てに快楽を見出し、バルトは艶っぽく喘ぎ声を上げた。とても精悍な見た目からは想像のつかない、可愛らしい声にグラフは思わず頬を緩ませた。
「胸、気持ちいいか?」
「んっ、ぁ”っ、ぁ”っ…はぁ”っ…んっ…ぁ”っ…♥」
「そかそか。…もう褌ぐっちゃぐちゃ。そんなに挿入れてほしかったか?」
「んっ、ん”っ、ぁ”っ…ぁ”ぁ”んっ…♥」
膨らんだ股間の頂点をなぞるとバルトはびくびくと全身を跳ねさせ。褌の膨らみから液体を滴らせる。
「いい子だ。気持ちいいな。…じゃあ褌外すぞ。」
「ぁ”っ、ぁ”っ…♥んっ…♥」
ゆっくりと。グラフの手がバルトの褌の横廻しに手をかけ。そのままずらして。脱がせていく。
濡れ切った陰毛が姿を現し。そのままずらせば膨らみがぼろんっ、と溢れ出す。
グラフと比べてしまえば小ぶりといえる逸物が姿を見せた。とはいえ平均よりも大きく、使い込まれているのだろうか亀頭が露出しきり、黒ずんだ亀頭。竿部分には大量の血管が浮かび上がり少々グロテスクであり、蠱惑的でもある。
そのままずらして。大ぶりの睾丸が露出し。さらにずらすと…
「んぁ”っ…ぁ”っ、ぁ”っ、ぁ”っ…♥」
明らかに声の質が変わる。生娘の様であり、熟練の娼婦のようであり。期待と恐怖に震える声。
雄を昂らせる声。
太腿の半分ほどにまで横廻しがずれると…ぐちゅり、とより一層淫猥な音が響いた。
睾丸と雄穴の間。丁度蟻の門渡りに当たる部分。…そこから聞こえてきた音。聞こえてくるはずのない音。
グラフはそこで手を止めまじまじとバルトの股間を見つめる。
「ぁ”っ…そんっ…みっ…ぁ”んっ…♥」
恥ずかしそうに顔を背け、制止するバルトだがグラフは聞こえていないかのようにただただ見つめる。
そしてごくり、と唾を飲み込む。
美しいと思ってしまう。
逸物と両立するはずのない。女性器がそこにある事。既に熟しきった果実のように粘液を滴らせる陰唇。
甘い香り。雄を誘う香り。嗜虐心を煽る声に顔。
…初めてこの体を見た時は衝撃的、としか表現がしようがなかった。
何故、自分の連れ添いが、この体になってしまっていたのだろう。
犯したい。犯して犯して孕ませたい。
何故そこまでの衝動が脳を支配したのか。
全身に稲妻が駆け抜けたようだった。身じろぎ一つ出来なかった。ただ逸物は素直に反応し、スリットから零れ落ちたのを、覚えている。
「グラ…フッ…♥」
バルトの甘え、懇願するような声にグラフははっとする。しまった、また意識を持っていかれそうになった。
ぶんぶんと首を振り、グラフはにっ、と笑う。
「やっぱエロいな、お前の体は。他の奴にはぜってぇ見せねぇ。俺だけのもんだ。」
「あぅっ…はぁっ…♥」
のしかかる。心地よい肉の圧迫感にバルトの声は更に上ずり、昂り、荒ぶるばかり。
期待からだろう、バルトの逸物が、びくんっ、とグラフの腹を叩いて。そしてベッドを白い粘液の混ざった液体で汚す。
グラフの逞しい背中に腕を回し、耳元で荒く息を吐く。
切羽詰まった表情が、愛おしくて。理性がチリチリと焦げていく。
「わりい。多分我慢出来ねぇ。思いっきりイく。いいか?」
「あ”っ、はぁ”っ…ん”っ…あぁ”っ…いいっ…はやっ…くっ…♥」
二本の逸物。その上側を陰唇に宛がい。下側を雄穴へ宛がう。
ぶしゅうっ、と勢いよく溢れ出す透明な液体がグラフの逸物を濡らした。
もう待ちきれない、と言わんばかりにバルトの雄穴と陰唇が激しく蠢き、亀頭の先端を撫で上げる。その感触はくすぐったく、それだけで幸福と恍惚が背中を駆け抜ける。
フゥゥッ、と深く息を吐くと…そのまま体を押し付け。押さえつけ。
ずぶっ…ずぶぶぅっ…
「…ぉ”ッ…ぁ”ぁ”っ…はぁ”っ…♥」
陰唇を通り抜け、そのまま膣へと入り込んでいく逸物。
雄穴を割り拡げ、そのまま腸壁へと入り込んでいく逸物。ほぼ同時に与えられる、異なった種類の快楽に、バルトは一瞬目を見開き…しかしすぐに目を蕩けさせた。
もはや声をまともに出すことも出来ず、ただただ身悶えし、呻き、グラフの背中に回した両腕に力を込め。足を浮かせる。
グラフはそれに応えるように。唸りながら逸物の挿入を続けていく。
快楽を感じているのは当然バルトだけではない。グラフの逸物もまた快楽に包まれている。
雄穴と腸壁全体で締め付け扱かれる心地よさ。膣壁が吸い上げ、襞の一本一本が竿部分を撫で上げる快楽。
触れあった肉体が熱い。鼓動が混ざり合い、感情が昂っていく。
奥の奥まで挿入されるのに、そう時間はかからない。快楽と幸福に誘われるまま。グラフの逸物が二本。
沈んで、埋もれて。穿っていく。抉っていく。
「ぁ”っ、ぁ”ぁ”はぁっ…♥はいっ…たぁ…♥」
ぼごっ、と下腹部が逸物の形そのものを浮かび上がらせると、バルトは腹を撫で、蕩けたような声を上げた。
快楽に酔いしれ、幸福の波に溺れる雌のような表情。
「そんな顔…されたっ…らっ…!!…グゥッ…!グルルルゥッ…!」
グラフの声が、獣のような恐ろしいものへと変貌していく。目を血走らせ、唾液を垂らし。理性を無くしたかのように。
その様子を見つめていたバルトは少し妖しく微笑むと、グラフの腰に絡めた両脚へ力を込めた。
どんな雄も、自分の前には発情するほかない。そのように仕込まれ、そして自分自身、それに対し嫌悪感も何も抱かないようになってしまった。
むしろ誇らしさすら感じてしまうのは、自分が壊れてしまったからだろうか。
…あぁ、この際、なんでもいいか。
「いいっ…ぞっ…犯して…孕ませてくれぇっ♥ぁ”ぁ”んっ♥」
ずぼっ、ずごぉっ!
グルルルゥゥッ!!!
唸り声と嬌声と共に、肉のぶつかり合う音とベッドが軋む音が部屋に鳴り響き始める。
「ひん”っ、ぁ”っ、はひぃっ♥」
ベッドの軋む音を上回る嬌声を上げるのはバルト。蕩けた声。淫靡な声。心地よく耳を通り抜け、理性を蕩かし、本能を揺さぶる。
グラフはその声に身を委ね、腰を思い切り、力の限り振る。
膣壁は痙攣を繰り返し、グラフの肉棒を逃すまいと強く吸い上げ咥え込む。引き締まった膣は抜き出す際に適度な抵抗感でもって竿を扱き上げ、腰の奥から背筋へ一気に寒気にも似た快楽をもたらした。
腸壁もまた同様にぐるぐると竿に絡みつき扱き上げる。膣壁に比べ少々緩いようにも思えるが、代わりに雄穴入り口が時折きゅっ、きゅっ、と強く締まり、不規則に強い快感をもたらす。
二本の肉棒を同時に締め付け、扱き上げられる。その快楽にグラフは目を更に血走らせると口を開いた。
だらだらと唾液が滴り落ち、バルトを濡らす。かぷ、かぷ、と甘く肩に噛みつき、幾度も牙の痕を刻み込んでいくと。
「ぁ”んっ、はぁ”ぁ”っ♥♥いっ…いっ…ぎもぢっ、いっ…♥ぁ”ぁ”っ♥♥もっ、もっろぉっ…♥」
血がにじむほどの強さで噛みつかれていても。バルトは呂律の回らない口調で甘えるような声を出した。
どこまでも快楽の波に溺れ、身を委ねる。淫らな雌犬。雄の衝動を掻き立てる。腰に両脚を絡め、両腕で肩を抱き寄せ。
だがグラフはそこで、牙を離し、目を血走らせたまま。にぃ、と意地悪に―優しく―笑った。そして同時に腰の動きを緩める。
「だぁめ。もっと気持ちよくさせてから種注いでやる。」
「なん”っ…♥ちゅぶっ…♥」
異論の声を上げようとするバルトの唇を自らの唇で塞ぐ。舌を絡ませ、口腔内の粘膜を削ぐ。
肉棒から、膣から、腸壁から。それらから得られる快楽には程遠いもどかしい快楽。
だがその分、幸福感は圧倒的に上だ。繋がりを強く感じる。相手が自分で。自分が相手で。倒錯し、頭がぼんやりとする。
呼吸を交わし、酸素が薄くなる。それでも口づけを交わし続ける。互いの胸に手を沿わせ、谷間に指を這わせる。
バルトはグラフの腹筋へ指を落として。グラフはバルトの肉棒を軽く緩く扱く。
既に精液を迸らせ、雄の臭いを漂わせる肉棒は軽く扱くだけで。
「ん”っ、ん”っ…ぁ”んっ…♥ふぶぅっ…♥」
バルトはびくびくっ、と全身を震わせ目尻にうっすらと涙を浮かべる。目を閉じ、全身を支配する快楽に素直に体を反応させる。
淫らな雌犬が見せる、生娘のようなリアクション。それがどこか間抜けで、でも、愛らしくて。
くつくつの喉の奥を鳴らし。グラフはバルトの肉棒を扱きながら肉棒の抽送を緩く、再開した。
「ぁ”っ、はぁ”っ♥♥あん”っ、ぁ”ぁ”っ、んぅぅっ♥♥」
じゅぶじゅぶと。粘液が擦れる音が水っぽさを増し、甘い香りを二人に漂わせる。
衝動が再びグラフの脳へ襲い掛かるが、あえてゆっくりと。しかし着実に快楽は昇り詰める。
「そろそろっ…射精そうっ…だッ…!」
バルトの中に挿入したグラフの肉棒が更に膨らみ、大量の先走りを溢れさせる。絶頂が近いのだろう、脈動は強まり、バルトの膣壁や腸壁をごつごつと突き上げ…中で擦れる。
「はぁ”っ、はぁぁっ♥♥はやっ、くぅっ…そそいっ、でっ、くれぇっ…♥」
「分かったッ…イくぞっ…!」
緩やかだった腰の動きを一度止め。ふぅっ、と大きく息を吐くと。
「ヌゥゥッ!!!」
グラフは腰を一気に動かし始めた。腹が膨れ上がり、はたから見ていても肉棒の形が分かるほどに、激しく。
「ぁ”ぁ”っ♥♥ぁ”んっ、ぁ”ぁ”っ♥♥はぁ”ぁ”ぁ”っ♥♥あ”っ、ぁ”っ♥♥イグッ、いぐっ、ぐるっ、メスイキッ…♥♥ぐっ、ぐりゅぅぅっ♥♥」
グラフの肉体に押しつぶされながら、しかしバルトは絶頂に達した。
それを示すように。
びゅううっ♥ぼびゅうっ、びゅぐぅっ♥びゅるるぅっ♥
バルトの肉棒から、今まで射精していた精液よりもずっと濃く、量も多い精液が迸った。
ベッドに滴り落ちるほどに濃く、二人の肉体を白く卑猥に彩り。絶頂に達した肉体は更に絶頂を欲しているのか。
「ぁ”っ、ぁ”っ、ぁ”ぁ”んっ♥♥ぁ”っ♥ん”っ♥んんぅぅっ♥♥」
「グルルゥゥゥッ!!!ゥゥゥッ!!」
雄穴は激しく締め付け。膣壁は活発に蠢き、吸い上げ。二本の肉棒に快楽が与えられれば。
唸り声を上げ、グラフは肉棒を震わせ、そして。奥まで。最も深いところにまで肉棒を挿入すると。
「ガァァァァァッ!!!!」
果てた。
…びゅっ…ぼどびゅぅっ♥びゅぐぅぅぅぅっ♥♥びゅるっ、ぼびゅっ、ぼびゅびゅぅっ♥
「ぁ”ぉ”っ…♥ぉ”っ…♥」
注ぎ込まれる熱。カスタードクリームを思わせるほど濃密な精液が腹を、膣を、子宮を。満たしていく。
注ぎ込む快楽。確実にメスを孕ませることの出来る感覚。支配欲。満たし、満たされていく。
当然、快楽を感じているのはグラフだけではない。
バルトもまた、腹や子宮を満たしていく精液の感触に。孕むという事実に。幸福を覚え、満たされていく。
舌をはみ出させ、全身の力が抜けていく。びくっ、びくっ、と痙攣し。
二人は繋がったまま、意識をゆるゆると、心地よい闇へ落としていく。
[newpage]
「いや、ほんとに孕んだな…ってか育ったな…」
しみじみと呟きながらバルトはぼってりと膨らんだ腹を撫でまわす。
時折腹が動くのを確認するとふふ、とどこか嬉しそうに微笑む。そしてその目の前に居るのは、どこか硬い表情を浮かべるグラフ。
「…その…なんだ…すまん…」
「気にすんな。ってかむしろ、その…お前の仔孕めて嬉しい…っていうか…ほかの奴に孕まされなくてよかったっていうか…うん、俺はいいから。」
遅かれ早かれ。バルトの肉体は雄を誘惑し、発情させるフェロモンを放つようになっていたのだ、確かに誰かに孕まされただろう。
そういう肉体にされた、されてしまった、と説明はされているが…やはり罪悪感というものはある。
戦場のパートナーを犯し、孕ませた。その事実は変わらない。
「あー、そうだな。じゃあ、責任取れ。」
「責任?」
重い空気を変えるべく。バルトは手をポン、と叩き、グラフの頬に口づけを落とす。
「そ。…俺と、この仔。ちゃぁんと守ってくれ。一生な。」
「…分かった。」
微笑みあって。
抱きしめあい。啄むような口づけを交わして。
変わってしまっても変わらないことがあると。
確信して。未来の幸福を、願った。
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