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ヒューガルデンは無事だろうか。タイガーは救出できるのだろうか。
そして今、自分は何が出来るのだろうか。
出来る事など、何も無いと結論付ける。それをもう何度繰り返しただろう。
暗闇の中では自分の姿を視認する事も難しい。もう既に自分は暗闇に溶けているのではないだろうか。
そんな思考がよぎり始めたのは、もう何時間前だろう。何分前?何日前?
淀んだ空気。変わらない暗闇。タイガーのあられもない姿。ヒューガルデンの驚愕と絶望の表情。
少しずつリングネスの意識は蝕まれ始めていた。
恐らく彼らの―リングネスたちを捉えた輩の拠点の中。その一部屋。
タイガーの淫らに堕ちた姿を見せられた後、光も差さないそこに連れ込まれ、閉じ込められ…それ以降、何もされていない。
何も、何もされていない。始めは脱出を試みようと唯一ある扉を蹴り飛ばしてみたり、なんとかして開けられないかと試みたが…まるで歯が立たない。
餓死させるつもりは無いのだろう、時折食事を扉の小さな小窓から差し入れられる。出来るだけ口にしたくない。だが。
「スポロン…マミー…」
弟の。一番幼い弟の名前を呟く。ヒューガルデン。タイガー。そして兄弟たち。彼らの為にも死ぬわけにはいかなかった。
…もし守るものが無ければ、すでにリングネスの意識は闇に蝕まれ、発狂するか、もしくは混濁し、自我が壊れていただろう。
そうならなかったのは、幸いだと。リングネスは自分に言い聞かせる。
それだけだった。今のリングネスに出来るのは、自我を保つことだけだった。脱出の糸口が無い以上、それしかないのだ。
小窓から差し込む光をただ見つめ続けて。
ぱかり、と小窓が開いた。恐らく食事が差し入れられるのだろう。
そうぼんやりと考えていたリングネスだったが…違った。開いた通気口。そこから入り込んできたのは。
「触手…?」
別段触手が蠢いている事に驚きはない。仲間にスライムやそれに準ずる生き物もいる。触手だっていても不思議ではない。
ただ何故、小窓から触手が入ってきたのか、理解できない。そして触手が何をしようとしているのか、分からない。
霧散した思考では、ただそれが「触手である」と認識するのが精いっぱいだった。
ずるり、ずるり、と粘液質な音を立てながら触手は小窓からリングネスの居る部屋に入り込む。
リングネスの鼻を突いたのは、鮮やかな花を思わせる爽やかな香りだ。
触手がリングネスの方へ近付く度、その香りは強さを増す。そうか、この触手がこの香りを放っているのか。
全身から力がすぅ、と抜けていく。この香りを嗅いでいると座り込んでいる事すら億劫に感じるのだ。
思考が更に霧散していく。リングネスはそのままずるずると床に寝転がった。
「はぁっ…ぁぁっ…」
思考の何処かで、危険だと叫ぶ声が聞こえた。もしこの身が、心が、一切蝕まれていなければリングネスは恐らくその触手を切り裂いていた事だろう。
だが今のリングネスにその力も、精神も残ってはいない。
仰向けに寝転がったリングネスの体に触手が触れた。触手は想像よりも暖かい。粘液が触れる不快感よりも久しぶりの触感に安堵を覚える。
リングネスの脇腹から、ゆっくりと、ゆっくりと触手がリングネスの体に上っていく。
暖かな布団に包まれているかのような錯覚。このまま眠ってしまおうか。
うとうとと瞼が重たく感じ始めると…触手はリングネスの四肢にまでその触手を伸ばす。
全身に絡みつき、粘液が全身を濡らした。毛並みを押し倒し、皮膚に触れると…じんわりと熱を持った。
かと思えば…
「んぁっ…?」
熱が甘い痺れに変わっていく。花のような香りが全身を包み込み、全身の筋肉が弛緩するのが分かった。
口を閉ざしている事が困難になり、口を開くと…
「んぶぐぅっ…」
リングネスの口に触手が殺到する。甘い。甘い蜜の様だ。口いっぱいに甘い蜜が広がると、やはり蜜が、粘液が触れた部分が痺れ、弛緩していく。
だというのにリングネスはくぐもった声を上げ、全身をビクビクと軽く痙攣させる程度であり、そこには欠片たりとも苦痛や屈辱の感情が見えない。
目が濁り、上を向く。
触手はリングネスが―獲物が全く暴れる様子を見せない事を確認すると…まずは喉の奥に触手を捻じ込んだ。
「んぐっ、んごっ、んぼぉっ…」
喉が膨れ上がるほど激しく触手の抽送が繰り返される。鼻から何とか呼吸をしながらリングネスはびくっ、びくっ、と断続的に震えた。
厚い胸板をまさぐられ、腹をなぞられる。全身を粘液が覆っていく。獲物を痺れさせ、感度を上げる。抗う気力を削ぎ、過度な発情を促す。
甘い花のような香りが、理性を奪い去っていく。
「ふごっ、ふごぉっ…ぉ”っ…」
もっと、もっととねだるようにリングネスが触手に舌を這わせると、触手はリングネスの要求に応える。
触手の中心から、リングネスの喉に突き刺さる触手が膨らみ始め、やがて。
どぶ、どぶ、どぶ、どぶ、ごぶ。
「んごっ、ごぉっ…んぐっ…んぐぅっ…」
喉の奥に粘液が注ぎ込まれるのを感じながら、リングネスは悶えた。今まで食したことの無い甘さ。
全身を、脳を恍惚に満たす甘さ。理性を奪い去り、絶望を消し去る甘さ。
ちっぽけな自我を、消し去り、奪い去り、閉じ込める甘さ。
リングネスが触手を吸い上げ、粘液の残滓まで飲み込むのを確認すると触手はリングネスの口から触手を抜き取った。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ…」
体が熱い。腰の奥深くが疼く。痒みに似た疼きだ。
それを鎮めるように…触手はいつの間にか屹立していたリングネスの逸物に触手を這わせる。
「んはっ、はっ、ぁぁっ…んっ…」
与えられる直接的な快楽にリングネスは甘く声を漏らした。まるで雌のような声だ。
イガーの淫らな姿が浮かんだ。あれ。あれは、ダレだ。
ヒューガ デ は、無事だろうか。あれ。アレはだれだ?
スポロン、マミー。すまない。兄ちゃんはもう…
ぽろぽろと記憶と涙が零れ落ちる。
「んぐひぃっ…!!?ぎぃぃっ…!」
触手はそんなリングネスなど構いもしない。触手で逸物の竿部分を扱き上げ始めたかと思えば、別の触手―まるで巾着袋の様に、穴をあけた触手をリングネスの逸物の先端に宛がう。ぐぱ、と開くとそれはリングネスの逸物を一気に咥え込んだ。
自慰をする時とは比べ物にならないほど直接的で、暴力に似た快楽。竿全体を包み込み、睾丸をくすぐられる。
えらの張った雁首や亀頭全体に繊毛が触れるのが分かった。細かく、不定期に動き回ったかと思えばリングネスの逸物を吸い上げるような動き。
性経験が無い訳ではない。しかし未だかつてここまでの快楽を味わった事など無い。
遠征の間、処理できなかった性。命の危機に反していた性。
ずちゅずちゅぐちゅぐちゅと容赦なく、逸物を扱き上げられ、吸い上げられる。腰に稲妻が走るような感覚。
「ぐっ、がっ、あぁ”っ、んぐぁ”っ、ぁ”っ、んあ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”っ!!!!」
ごびゅううっ!びゅーっ、びゅるぅっ、びゅっ、びゅっ、ぼびゅぅっ!!ぼびゅぼびゅっ、びゅぶぶぶびゅるっ!
リングネスは絶叫と共に、果てた。
頭が吹き飛んでしまうのでは無いかと思うほどの快楽。恍惚。頬が緩み、目じりが下がる。
びぐんびぐんと何度も腰を痙攣させながら、リングネスは欲望を吐き出し続ける。
開かれた口に触手が捻じ込まれ、蜜を注ぎ込まれる。甘い。甘い。甘い。あぁ、心地良い。気持ちいい。
射精が終わるまで。終わってもなお、触手はリングネスの逸物に刺激を与え続けながら旨そうに精液を飲み干していく。
少なくともリングネスにはそう見えた。
濃く、熱い精液を飲み干すと触手はリングネスの逸物を一度離した。
しかしなおリングネスの逸物は膨らみ、ぶるんっ、と脈動する。
触手はリングネスの体をまさぐり、逸物を扱きながら…尻の谷間に数本、別の触手を向わせる。
数本は他の触手と変わらない。肉色の、甘い香りのする触手。
尻を拡げ、開脚させられる。硬く引き締まった雄穴に触手が宛がわれる。
「ぁ”っ、ぁ”っ、んぁ”っ…♥ぁ”っ、そこっ…駄目ッ…やめっ…」
誰かの気持ちよさそうな顔が浮かんだ。誰だっけ。誰でもいい。ただ、気持ち良さそうだった。
リングネスは野太く、しかし艶っぽい声を上げながら雄穴を弄り回される感覚に身を震わせ、目を閉じた。
びくっ、びくっ、と震えると共に雄穴がじんわりと痺れていく。ぐちゅぐちゅと軽く入り口周辺を撫でられ。
少しだけ挿入されたと思えば、直ぐに抜き出される。陰湿に、蟻の門渡りをぐちぐちと突かれる。
全てが快楽足りえ、リングネスは喘ぎ声を漏らし続けた。
やがてぽっかりと拡がり…赤黒い腸壁を晒しだし、腸液をごぼりと滴らせるほどまでに弄り回されると。
触手が雄穴から離れていく。それが名残惜しく。
「…あっ…んぁっ…」
目を開いたリングネスは壊れたように引き攣った笑い声をあげる。
雄穴に近付いてきた新たな触手。それが、雄の男根に、逸物に、とてもよく似ていたからだ。
いや、もう逸物そのもの、と言って差し支えないだろう。
大きさも、硬さも、太さも。リングネスのものと比べ物にならないほど大きい。
既に準備は整っているのだろう。準備?
「たね…つけっ…やめっ…ろっ…ひひっ…♥」
絶望が弾け飛び、それは快楽と恍惚と悦楽と幸福に変わっていく。
リングネスの目じりからぽろぽろと涙がこぼれ、だがリングネスは頬を吊り上げ、目を上に向かせた。
ぐりぐりと男根の先を押し当てられるとリングネスの雄穴は激しく収縮を繰り返す。
ずぶ、と先端が埋もれて。そこからは息を吐く間すら無かった。
ずぶっすぼぉっ!!
「ぎっ…っがぁ”ぁ”ぁ”っ♥」
目の前が明滅を繰り返すほど激しい快楽がリングネスの背中を駆け抜けていく。
久方ぶりに与えられる刺激。肉の感触は今のリングネスにとって、途方もない御馳走に似ている。
僅かに残っていた記憶や理性が風の中の灰のように散っていく。あぁ、いやだ。嫌なのに。恐ろしいのに。
「ぎもぢっ…おごぉっ…♥♥」
この褒美の前に、恐怖も、嫌悪も。全てがちっぽけな事に思える。
スポロン。マミー。タイガー。ヒューガルデン。
…あぁ、なんだっけ。
ずぢゅずぢゅと触手が男根の抽送を始める。種を植える前に、畑を耕すように。
「ぁ”っ♥ぁ”っ、はぁ”ぁ”っ♥」
ぼごぼごと腹が歪に凹凸を繰り返すたび、リングネスは上ずった声を上げながら逸物を跳ねさせる。
吸い付いたままの触手がリングネスの吐き出す液体を一滴たりとも逃すまいと吸い上げ、快楽が跳ね上がる。
情けなく開いた口に触手を捻じ込まれ、舌を這わせる。がむしゃらで滅茶苦茶な口の動き。しかし触手はリングネスに蜜を与える。
奉仕すれば、甘い蜜がもらえる。ぞくぞくと背筋が震え、幸福と恍惚で頭が一杯になる。
零れ落ちた記憶のありかが、分からなくなった。
「ぁ”っ、ぁ”っ、んぁ”ぁ”っ♥♥」
体全体に這いずり回る触手の熱が、リングネスの脳をどこまでも蕩かし、思考を奪っていく。
気持ちいい。甘い。幸せ。
ずちゅずちゅぐちゅぐちゅと触手が雄穴を陵辱する感触も、快楽へと変わっていく。
ごつごつと前立腺を突きあげ、腸壁を拡げ、更に奥深くまで侵入する。
充分に拡がり、種を植える準備が出来たのだろうか。触手はある程度の所まで触手を突き進めるとそこで動きを止める。
一本挿入されていた触手が、二本、三本、と入っていく。
「ぁ”っ、ぁ”っ、ぁ”っ、ぁ”っ…♥♥」
雄穴が拡がる度に、触手は褒美を与える。リングネスの顔に、びちゃびちゃと蜜を振りまく。
胸を、腹を、濡らし、逸物を吸い上げる。行き過ぎた快楽。分泌される脳内麻薬に、リングネスは絶頂の先へ昇りつめてしまった。
「ぁ”っ、ぁ”っ、ぁ”ぁ”-っ…ぁ”-…♥♥」
パンクした脳は、快楽を、恍惚を貪るだけのものと代わる。
びくんっ、びくんっ、と触手の鼓動に合わせ、リングネスの体が痙攣した。
…どぶっ、どぶっ、どぶっ、どぶっ…
「ぅ”ぁ”…ぁ”-…♥」
触手の中を通り抜け、リングネスの体内に濃密な種が注ぎ込まれる。いや、これは卵か。
なんだっていい。もう、この気持ち良さを。快楽を、甘さを。
ぼごっ、ぼごっ、ぼごっ、と。リングネスの腹がどんどんと膨らんでいく。
逃げ道を塞ぐよう卵を産みつける触手以外の触手が、粘液をリングネスの中に注ぎ込む。
それは空気に触れるとすぐさま固まり…幾重にも蓋をしていく。
「ぁ”っ、ぁ”ぁ”っ…ぁ”っ…ぁ”ぅ”-…♥」
仔を数匹孕んだ雌のように。腹がぼこぼこと膨らむのを視認しながら…
リングネスは停滞していく思考の中で、ただ、嗤った。
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