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狼おにーさんがAVに出演するお話

  「おにーちゃん、行ってらっしゃい!」

  少々大きなランドセルを背負い狼の少年はにっこりと笑い手を振る。

  「カイトも。気を付けるんだぞ。」

  そんな少年に狼の青年―ヒビキは微笑み返し手を振った。

  背を向けて、それぞれの方に歩き出す。

  しばらく歩くと…ヒビキははぁ、とため息をついた。

  両親を早くに亡くし、年の離れた弟を一人で育てている彼。

  今月の給料まで、後何日だったか。

  彼一人の稼ぎではかなりギリギリの生活で。

  先を考えると頭痛がしてくる。

  いかんいかん、朝からこんなのでは。

  自分で決めたのだから。弟は自分が守る、と。

  首を振り悩み事を無理矢理吹き飛ばす。

  

  仕事が終わった。まだ若い、ということもあり残業は許されず定時上がり。

  いわゆるホワイト企業なのだろうが…

  残業代が出ない、というのは少々辛い。

  とぼとぼ道を歩いていると。

  「あの、少しいいですか?」

  丁寧な口調で話しかけてくるのはサングラスをかけた獅子。

  ガタイはかなり良いらしく、着ているスーツがピチピチだ。

  正直めちゃくちゃ怖い。

  ヒビキは後ずさりながらひきつった笑顔を浮かべた。

  「す、すいません、ちょっと用事があって…」

  「そんなにお時間は頂きませんから。私、こういうものです。」

  と半ば無理矢理名刺を渡す獅子。

  そこに書かれているのは会社名と彼の名前。役職はプロデューサーらしい。

  「以前から貴方のお姿を拝見していまして。貴方に是非当社の映像作品に出ていただきたいと思いまして。」

  そして同時に渡されるのは多数の資料。

  モノクロ印刷だがそこに写っているのは、まぁ。

  「…こ、これっ…!」

  裸の雄だったり。それが盛っているシーンだったり。

  ヒビキは全身の毛を逆立て顔を真っ赤にした。

  ろくにこういったシーンを見たことの無い彼には些か刺激が強すぎたようだ。

  獅子はそのリアクションにうんうんと満足そうに頷く。

  「そのウブな所もいいですね。…今すぐの返答は無理でしょうから、今日はお話だけ。契約内容もそちらに書いてありますので。では、いいお返事を期待しています。」

  即座に断ろうとするヒビキだったが…獅子は言うだけ言うと頭を下げ、そのまま立ち去ってしまった。

  一人残されたヒビキは、とりあえず渡された資料を鞄の中に詰め込み家に向かうことにした。

  

  「おにーちゃん、どうしたの?」

  じっと何かを考え込んでいるヒビキにカイトは不思議そうに声をかけた。

  ハッ、とした表情を浮かべ、ヒビキはすぐに微笑みを浮かべる。

  「なんでもないよ。ほら、もう寝る時間。歯磨いて、お休み?」

  「…はぁい。」

  カイトは少しムッとし、しかしすぐに手をあげて洗面所に向かった。

  その背中を見送りヒビキは鞄に目をやる。

  中には獅子に渡された資料が入れっぱなしである。

  カイトが眠ったら確認をしようとしていたのだ。

  まさか自分がアダルトなビデオへの出演依頼を受けるとは、思ってもみなかった。

  まぁ、どんな内容にせよ、多分断るが。

  「おにーちゃん、お休みなさい!」

  元気なカイトの声。ヒビキはにっ、と笑う。

  「あぁ、お休み。」

  とてとてと廊下を走る音。

  耳を澄ませて…扉が締まる音も聞こえてから、ヒビキは立ち上がった。

  鞄から資料を引っ張り出す。

  どうやら結構売れている会社のようだ。

  代表作の名前が、中学の時に聞いたことがあるぐらいのものだし。

  えっちい資料に目を通して…次は契約書と給与について。

  「…!?」

  そこに書かれていた金額にヒビキは目を疑い、ごしごしと擦る。

  一本出て…彼の一月の給与、半分ぐらいだ。

  契約書を細かくチェック。特に怪しい点もない。

  一本限りの契約。これも非常に都合が良い。

  あまりにも上手い話すぎて、怪しすぎるのだが…その給与は余りにも魅力的。

  そうそう無い話だ。それにこれから先、カイトに普通の生活をさせるなら、今の給与では恐らくかなり苦しいものとなるだろう。

  両腕を組み、ヒビキは考え込んだ。

  

  [newpage]

  

  日曜日。

  「あれ、おにーちゃんお出掛けするの?」

  「あ、あぁ、うん。人と会ってくるから。夜ご飯までには帰ってくると思うけど…遅くなったらごめんな。」

  着替えながらヒビキは少し早口に説明し、カイトの頭を軽く撫でる。

  くすぐったさにか、カイトは目を細め尻尾をゆらゆらと揺らした。

  「お留守番ならまかせて!僕、もう二年生だよ!」

  「じゃあ、よろしく、お兄ちゃん。」

  「うん!いってらっしゃい!」

  元気満タンな言葉。

  ヒビキは笑顔を返し鞄を手に持つと家を出た。

  しっかり鍵を閉めて、ケータイを取り出す。

  メールを確認。

  場所は、最寄り駅近くにある、ビジネスホテル。

  ごく、と喉を鳴らすとヒビキは一歩を踏み出した。

  歩き慣れているはずだ。いつも見ている景色のはずだ。

  なのに、こんなに怖いのは何故だろう。

  足が震えるのは何故だろう。

  頭が真っ白になる。

  自分で決めたのだから、後悔はないはず。

  だけど。

  歩みを止めそうになる。

  無理矢理、動かす。

  繰り返して。

  いつもより時間をかけてしまったが、着いた。

  ビジネスホテル。

  自動ドアを潜り抜けると、そこには初めて会ったときよりもラフな格好―露出度の高い―をした獅子が待っていた。

  ヒビキの姿を確認するとにっこりと笑う。

  「お待ちしてましたよ。いや、ありがとうございます。それじゃあ、《お仕事》の話をしましょうか。」

  「…はい。」

  「大丈夫ですよ、そんなに固くならないでも。」

  固く頷くヒビキに、獅子は優しく囁いた。

  全然安心なんて出来ないのだが。

  ヒビキは獅子に誘われるままホテルの中へと入っていく。

  

  ホテルの部屋は思ったより狭い。

  ベッドとちょっとした机と、椅子と。

  そこに並べられているのは撮影器具。

  「荷物はそちらに。置いたらベッドに座ってもらって。あ、後契約書もいいですか?」

  手早く撮影器具の準備をする獅子。もう、帰ることは出来ないのだ。

  鞄を置き、中から契約書を取り出す。

  獅子に手渡すとヒビキはちょこん、とベッドに座った。

  準備を終わらせた獅子はふぅ、とため息を吐き契約書に目を通した。

  「…はい、確かに。契約、ありがとうございます。それでは始めましょうか。質問とかいくつかしていくので、答えてくださいね。」

  ぱち、と照明をつけると獅子はカメラを回し始めた。

  ちかちかと録画していることを知らせるランプが煌めいて。

  「自己紹介、お願いします。」

  「た、谷岡…ヒビキ…17です…」

  声は自分でも驚くほど震えていた。

  獅子はそれに苦笑する。

  「大分緊張してるね?まぁ、初めてだから仕方ないね。」

  カメラの位置を調整しながら獅子はおもむろにシャツを脱ぎ始めた。

  シャツの下に隠れていたのは―隠しきれていたかは別として―立派に膨れた筋肉。

  胸なんかは間に物が挟めるぐらい豊満だし、腹筋なんかはばっちり八つに割れ、見ただけで硬さが伝わってくる。

  二の腕なんかはヒビキの太ももぐらいの太さだ。

  ヒビキはその肉体にごく、と喉を鳴らしつつも畏怖を覚えているのか尻尾を縮こまらせた。

  そして獅子はパンツ一丁になる。…そのパンツもまぁ、面積が小さくてほぼ股間のモノを隠しきれていないのだが。

  パッと見える感じだと相当な大きさだろう。ヒビキの両手では収まりきらないぐらいか。

  「じゃあヒビキ君、ちょっと服、脱いでみて。」

  「は、はい…」

  にっこりと微笑む獅子に、ヒビキは頷く事しか出来ない。ゆっくりと服を脱ぎ、獅子と同じようにパンツ一丁になる。

  その体は細く、頼りないものだ。腕も腹もほっそりとしていて。すぐにでも折れてしまいそうな儚さ。

  「いいですねぇ。とっても綺麗だ。」

  獅子はぺろり、と舌なめずりをし、ヒビキに近づいた。

  そしてヒビキの横に座る。体の大きさからベッドがきしんで、ヒビキはぐらり、と揺れた。

  獅子はん、と咳払いをするとヒビキの体を持ち上げると自身の膝の上に乗せた。

  互いの息がかかる距離。獅子の体臭がヒビキの鼻につく。

  それはとてもいい臭いといえるものではないのだが…どこか懐かしく感じるのは何故だろう。

  「じゃあ、始めましょうか。」

  獅子は呟きヒビキのパンツに手をかけた。そのままするすると脱がしていく。

  なすがままされるヒビキ。ひぅ、と声を上げると同時にヒビキのまだ萎えている肉棒が顔を出した。

  獅子は机の上に置いてあるバッグからローションのたっぷり入ったボトルを取り出し、自らの肉球にこれでもかと塗りたくる。

  そして、ヒビキの萎えている肉棒に手を伸ばした。

  「あぅっ…!」

  自慰をするのとは比べ物にならない程の快感にヒビキは背筋を震わせ声を漏らした。

  にちゃにちゃとローションが擦れ、肉棒が熱を持ったように感じる。それに伴いヒビキの肉棒に血液が集まり始めた。

  「いいねぇ、素直で。いいリアクションだ。」

  片手でヒビキの肉棒を扱き、ぴちゃぴちゃとヒビキの耳の中に舌を突き入れ音を立てる。

  もう片方の手で自分のパンツを脱いだ。もわ、と更に濃い雄の臭いが立ち上り、ヒビキの、そして獅子の脳内を揺さぶる。

  完全に勃起しきったヒビキの肉棒はそれなりのサイズである。だが、獅子の肉棒は予想通り、それよりも二回りは巨大なものだ。

  ビクビクと脈動しヒビキの細い太ももをべちべちと叩く。ぐるぐると血管の絡みつく肉棒はグロテスクでそして、淫靡だ。

  「はぁっ…!」

  肉棒を扱かれる直接的な快感と敏感な鼻を突かれることへの刺激にヒビキは先程まで感じていた恐怖を忘れ喘ぐような声をあげた。

  それに獅子は微笑を浮かべ更に肉棒を扱く速度を上げていく。

  にちゃにちゃとした音が感覚を狭め、更にとぷとぷと肉棒から先走りが溢れ出す。

  「あっ…んっ!んぁっ!!」

  性経験のほとんど―というか全く無いヒビキにそれを耐えるというのは無理というものだ。

  目をぎゅっと瞑り腰をびくつかせると…びゅるびゅると濃厚な精液を解き放った。

  長い間自慰をしていなかったのだろう、半分ほど固体のそれは勢いこそ最初は弱かったが…

  少しずつ勢いを増していく。びゅるびゅるっ、どぶぶびゅるるるる!と少し遅れて。

  射精する勢いが強まれば快楽も強まり、ヒビキは表情を蕩けさせ舌をはみ出させた。

  その間もにちゃにちゃと肉棒を扱く獅子。

  「あっ!んぁっ!んんんっ!」

  行き過ぎた快感にヒビキはただただうわずった声を上げる。そのうち獅子の手が精液で真っ白に染まって。

  精液は獅子の腹を、太ももを、そして獅子の肉棒を。べったりとコーティングしていく。

  「気持ちよかった?」

  囁くような甘い声。ヒビキははぁはぁと荒く息をつき顔を赤らめながらこくりと頷いた。

  「ひゃい…」

  「じゃあ…つぎはこっちかな。」

  [newpage]

  

  精液に塗れた手にまたローションをまぶして、獅子はヒビキの尻を撫で回し、そして固く閉じられている菊門に人差し指を突き入れた。

  「あぐっ!」

  急激にねじ込まれた異物にヒビキは目を見開き歯を食い縛った。少し太い獅子の指が、少しずつヒビキの菊門を拡げていく。

  それはとても快感とは言えない。むしろ痛みなのだが…もう片方の手で一度絶頂に達し敏感になった肉棒を扱く。

  「あんっ!んんんっ!?やっ!?変っ!なんかっ、変っ!やっ…!らめぇっ…!」

  痛みと快感の入り混じる感覚にヒビキは悲鳴のような嬌声をあげる。それは見るものの嗜虐心を煽るものだ。

  苦痛と快楽に歪む顔。少しずつ拡がっていく菊門。にゅぽん、と指を抜き取ると…じんじんと腸内が熱くなる。

  「はぁっ…はぁっ…!」

  「はい、ヒビキ君の処女、頂いちゃいます。」

  尻を持ち上げられ、撮影を続けているカメラに向けてぐぱぁ、と谷間を見せ付ける獅子。

  びくびくっ、と震えるヒビキの様子を。そしてくぱくぱとひくつく菊門を。雄を受け入れたことの無い場所を映されて。

  それはとても屈辱的で、恥ずべきはずなのに。

  何も考えられない。ヒビキはただ嬌声を上げる事しか出来ない。

  たっぷりと撮影され。獅子はローションを自らの肉棒に垂らす。

  「このローションね、媚薬効果と強壮効果があるんだ。一本使えば一日以上ヤれるっていう代物。…まぁ、もう今沢山塗ったからわかるよね?」

  「んぁっ…お尻…熱い…!お腹も…ジンジンするぅ…!」

  体内を焦がすような熱さがちりちりとヒビキの脳内を焦がしていく。

  舌をはみ出させ耳を畳み、尻尾をゆらゆらと振る。頭が働かない。ただこの熱さを何とかして欲しい。

  そして、それが出来るのは。

  獅子が亀頭をぴと、とヒビキの性器になりかけている菊門へと押し当てた。

  「もうこんなになってる。凄いいやらしいよ。」

  優しく囁く獅子。菊門はぴったりとくっついている肉棒を飲み込もうと自身の意志と関係なく蠢いている。

  しかし今のヒビキにそれを止める事も、そしてこの行為を拒む事もできない。

  脳が灼ける。

  「入れて…それ…!」

  「何入れて欲しいのかな?ちゃんと言って?」

  「ち…ちん…こ…っ!俺…おかしく…なっちゃう…!」

  潤んだ瞳で獅子に懇願する。唾液が垂れてきて。涙を瞳一杯に溜めて。

  獅子はにんまりと微笑みつぷっ、と先端を突き入れた。

  それだけ。たったそれだけなのに。

  「んぁぁぁぁっ!!」

  ヒビキは唾液を零しながら眉をしかめ全身を激しくびくつかせた。

  先程まで感じていたはずの痛みが快楽へと変わる。先程まで感じていた快楽が更に極上のものへと変わる。

  ずぶずぶと大きくグロテスクな肉棒をずぶずぶと飲み込んでいく、ヒビキの雄を知らなかった菊門。

  もはやそれは性器と何も変わらない。

  「処女卒業おめでとう。どう?気持ちいい?」

  「あぐぁっ…んぁぁっ!んんんぅぅぅ!!」

  ぎちぎちと肉棒を締め付けられる感触に獅子はにぃ、と笑いながら尋ねるが、ヒビキに応えるだけの理性が残っていない。

  気絶してしまいそうなほどの快楽に脳は脳としての機能を果たしていなかった。

  「じゃあ動くからね。」

  ヒビキの耳を甘く噛み、獅子は腰をズンズンと動かし始めた。

  一度動くだけでヒビキは喘ぎ声を上げ勃起した肉棒から先走りと精液を撒き散らす。

  きゅうきゅうと腸が、菊門が獅子の肉棒を締め付けて。体内を掻き回される。

  初めての行為は想像していたよりも…

  「んぁっ!んいぃぃっ!ひもぢっ!いぃっぃ!」

  尻尾を振りたくり獅子にぎゅうとしがみつきながらヒビキはだらしない表情を浮かべた。

  視線の先にはそれを撮影するカメラと、鏡。

  屈強な背中に立派な鬣の獅子。そして犯されだらしなく唾液を垂れ流し舌をはみ出させる狼。

  ぶっ飛んだ脳ではそれが自分であるということすら認識出来ず。

  ずちゅずちゅと腸から液体が分泌され卑猥な臭いを立てる。

  その度にさらに鏡に写る狼が表情を更にだらしなくさせて行く。なんていやらしく、気持ち良さそうなんだろう。

  「んふぃっ♪あひぃっ♪」

  自ら腰を振り始めるヒビキ。その姿は先程までまったく雄を知らない動きとは思えないものだ。

  獅子は嬉しそうに更に腰の動きを早めた。

  「いやらしいねっ!ほんとにッ!はじめて!?」

  「ひゃじめれぇっ!あひっ!こんなのぉ!らめぇっ!」

  腰を動かすたびに快楽が増していく。それを知り、ヒビキはより腰を激しく動かし始めた。

  時折腰を捻り、中に納まっている肉棒を締め付けるように。

  「うっ!…ほんとにっ!薬のせいかもしれないけどっ!気持ちいいよっ!」

  「んひぃっ!あひぃっぃん!」

  ぎりっ、と牙を食い縛りながら獅子は額の汗をたらしながら更にヒビキの奥深くを責め立てていく。

  鏡に写る狼は、尊厳を失っている。ケモノ以下の存在だ。

  「そろそろ…出すよ…っ!」

  「らひれぇっ!じぇんぶぅ…!」

  ビクビクと震える肉棒に更なる快楽を期待し、ヒビキは声を上げる。

  きゅう、と菊門を締め付けて。腸内はぎゅるぎゅると勝手に動き獅子の肉棒を包み込み吸い上げる。

  「ぐぁっ!ァァァァッ!」

  ヒビキの全身を押さえつけ、獅子は遠吠えを上げると腰をびくつかせた。

  間をおいて…びゅるびゅるびゅると大量の精を吐き出す。

  「んぁっ…!?あひぃ!!んぎぃぃっ!らめぇっ!なんかっ!ぎぢゃうぅぅんんんっ!」

  体の中を駆け抜けていく熱の奔流。それに抗う事もできず…いや、することもせずにヒビキは雌の快楽に全身を激しく痙攣させた。

  びゅくっ、びゅくびゅくびゅくと続く射精にヒビキは半分ほど意識を飛ばしながら一度射精した肉棒からまた射精をする。

  薄く、量も1回目ほどではないが…快楽は今までに感じたことのないものだった。

  獅子の射精が終わりを迎える。未だ萎えていないが獅子はにゅぽん、と肉棒を抜いた。

  そしてヒビキに何か耳打ちをする。

  もう言われるまま、成すがままのヒビキはカメラに向けて尊厳を失った表情のまま両手でピースをしながらぐにゅぐにゅと蠢く菊門から精液を垂れ流す。

  「しょじょそつぎょうしれぇ…めしゅいぎしぢゃっだぁ…♪ぼくはぁ…いやらしいこれすぅ…♪いっぱぁい…せーえき…くらさいぃ…♪」

  ぶぴっ、と精液が溢れ出る。獅子はにんまりと微笑みもう一度ヒビキの菊門に肉棒をずぶっ、と勢い良く挿入した。

  「ぎらぁっ♪ちんぽっ♪」

  ずぱんずぱんと響く肉の音が。

  

  朝から始まった撮影は夕方までに及んだ。

  いや、気がつけば夕方になっていた、と言った方が正しいか。

  何回中出しをされたのかもうヒビキには分からない。3回目までは数えられていたが…

  それ以降はもうめちゃくちゃだった。ひたすらに犯され、中に精液を出され淫語を発し。

  記憶がなくなるほどの快楽だった事だけは覚えている。

  そして手にあるのは。提示されていた金額を遥かに上回る報酬。

  別れ際、獅子が満足そうに頷いていた。

  「思ったよりエッチなのが撮れたよ。だから、報酬は倍で。ビデオ出来たら送るし、売り上げ次第では追加で報酬送るから。」

  そうか、自分の行為がこの世の中に回るのか。

  あの、鏡に写った、いやらしい姿の狼が。帰り道で冷静さを取り戻すと、とても恐ろしい事をしたのではないかという罪悪感。

  しかし。自分の表情を思い出すと、股間が膨らんだ。

  「また何かあったら連絡するから。」

  撮影。また、依頼が来るのだろうか。その時、自分はどうするのだろう。

  分からない。分からないが。

  「…カイトは、僕が…」

  そう呟く瞳の奥には、確かな決意と、そして。

  

  後から来た話だ。ヒビキの出たビデオは相当な話題になったそうだ。

  ウワサがウワサを呼び、人から人へ知れ渡り。

  後ほど送られた追加の報酬は目を疑うような金額だった。

  二回ほど通帳を見返したほどである。

  「おにーちゃん、嬉しそうだけど、いい事あったの?」

  その声にはっ、とした表情を浮かべるヒビキ。買い物帰りの二人は手を繋いで歩いていたのだ。

  ヒビキは誤魔化すように笑う。

  「ん、少しね。」

  「良かった。もっと続くと良いね!」

  無邪気な笑顔を浮かべるカイト。その笑顔が眩しすぎて。

  薄汚れてしまった自分。それを知らずに、このまま。

  守り続ける。たとえ、どれだけ汚れても。

  ぷるるる、とケータイが鳴った。その画面に出てくる連絡先は。

  「カイト、ちょっと先行ってて?にいちゃん、仕事の話するから。」

  「うん!わかった!」

  とてとてと駆け出していくカイトを見送って、ヒビキはケータイを耳に当てた。

  「はい、もしもし。…えぇ。はい。確認しました。…次ですか…えぇと…あぁ、はい。是非。」

  知らず知らずのうちに、ヒビキの頬が釣り上がっていく。

  ヒビキの≪お仕事≫は始まったばかりで。

  これからどこまで汚れていくのだろうか。

  ヒビキは、考える事を、止めた。

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