廃墟の黒猫 パート1

  僕の趣味は、マイナーな廃墟を探索することが好きだ。

  もちちん、有名な廃墟もいいけど、どっちかっていうとまだあまり知られていないところの方がいいかなって勝手に決めつけている。

  ある日の夜、いつも閲覧している廃墟ブログの記事が新しく更新されているのを見つけた。

  そのタイトルがとても気になった。

  「黒猫獣人がいる!!!」とのタイトルだ。

  この摩訶不思議なタイトルに僕は興味を持ってしまった。

  小さい頃、ファンタジー系のモンスターや妖怪など調べるのが特に好きだった。ゲームで使うキャラ選択肢の時、どっちかというとケモノの方を選んでしまうほどだ。

  クラスメイトは、いかに強くするかに熱中するのだがそういう扱いなんだと考えてた。チーム編成の時に選ばれるだけにすぎないなら、それ関係なくただ集めてみたいとその気持ちのほうが倍強かった。

  話を戻すとこんなことが書き込まれていた。

  懐中電灯一つで単独潜入成功!

  かなり道外れにあったのを偶然発見!!

  玄関の扉開けっぱなしだったし、入ってみたけどまだ壁に落書きもされてないから、まだに秘境の廃墟!

  時間は真夜中だから怖いな笑

  あ、そうそう。どういう廃墟かっていうと3階建ての洋風な家って感じ。

  1、2階は家具とかがまだ残ってたままで、しかもまだ新しい..

  夜逃げか?と思いながら3階へ行ったんだけどさ...

  「ギシッ」

  て音なったんだよね。

  俺がちょうど、3階に階段でたどり着いた時。

  その音がした方向に懐中電灯を向けると

  でっかい真っ黒いやつがいたから、最初熊でもいるのか?てびっくりしたさ

  けどその時の俺、何故か冷静だったんだよね

  普通驚いて逃げるのにさ。

  何故かというとよくみたら、顔が猫、黒猫なんだよ

  毛並みが綺麗に整えられててさ、体型人間..てか獣人?スーツ着てたんだよ。思わず見惚れられたんだわ

  ありえないけどさ

  んで気づいたら自分の車に戻ってたんだよね

  その時の記憶がどうしても思い出せないいんだよなあ

  あ、コメントとかに嘘やんとか書くなよ。

  俺はあくまでも事実を言ったんだからな

  んじゃ、またの投稿までバイバーイ

  20××年7月6日(土)21:54

  とまあこんな記事だ。

  僕は読み終えて最初に思ったことは

  こんなことあるんだ..

  信じられない事だ

  そんな出会いがあるのだろうか?

  非現実的なことが。

  確かに、廃墟というのは、非現実でミステリアスな場所だ。

  実際に行ってみないとわからない。

  このブログを書いた本人しかわからない事だ。

  僕は勇気を持ってコメントした。

  「その話、詳しく聞かせてください。」と。そして5分後、

  「お、よくブクマしてくれる人じゃん。

  いいよ、教えてあげる笑」

  「まじで黒猫獣人としか言えないんだよね。

  あの時間帯にコスプレとかしてるやつなんていないからさ、

  毛並みも暗かったけどリアルだったし。ありえないし、でもあの一瞬だとしても間違いないよ。

  とにかくそれで頭いっぱいだからさ

  にしてもカッコよかったなーて。イケメンだったぞ。

  黒猫獣人。

  俺は、何をしにきたんだって笑

  話しかける勇気もなかったし、いつの間にか自分の車にいたから、体が勝手に逃げんたんたとしか言いようがないよ。」

  「教えていただきありがとうございます。

  恐れ入りますが、場所の方とか教えていただけないでしょうか?私自身も廃墟探索を趣味としている者として非常に気になりますので、初コメントながら失礼しますがよろしくお願いします」

  「いいけど、そっちも信じちゃう同士?

  なら気が合いそうだから、教えちゃうよ。

  場所は...」

  僕はこうして、その廃墟の情報を入手した。

  内心ドキドキしている。

  2次元の世界でしか見れない獣人。

  しかも、黒猫!

  どうやらイケメン!!!

  一度でもいいから会ってみたいなと何度も夢に見たことか。

  もしかしたら、と。

  僕は興味をより一層増した。

  僕は早速、計画した。

  日時のことも考えるとこうだ。

  時間帯は真夜中の週末。

  そして、覚悟。

  廃墟を探索する上で、何を失ってもいいと覚悟を決めること。

  何が起きるかわからない。

  もしかしたら、死ぬかもしれない。

  取り返しのつかない犯罪に巻き込まれるのかもしれない。

  その気持ちを持って、挑むこと。

  そして、

  黒猫獣人に会ったら、果たしてどうなるのか?

  言葉は通じるのか

  今までどうやって生活してきたのか。

  とにかくいろいろ聞きたい。

  そんな気持ちで、準備を進めるのであった。

  Part2へ続く