ストリップバーであれこれする話

  傘を差すほどでもない小雨が降る夜のことだった。スーツ姿で仕事終わりの帰り道を歩いていた、その道は結構夜でも人通りが多く、様々な店のネオンランプが光って道行く人々の視線を集めようとする。

  「今ならセクシーな子がフリーだよお、ほらほらお客さん」

  「若い子揃ってるよーどぉかなどぉかな」

  あちこちでキャッチが色んな人に声をかけている、それを鬱陶しそうに払いのけるのをぼぉっと見ていた。ふと頭の中でそれらの店のことを考える、入ったらこの疲れた体や心が癒されるのだろうか?いやでも正直人と話すのそんな得意じゃないし、それにきっと沢山気を遣わせちゃうだろうしつまらない客だって思われそうだし。

  まず入ることのない店でそんなバカげた妄想をしていた。何故だか分からない、きっとキャッチの人も金がない貧乏な奴だと思っているのだろう俺には声を掛けてこなかった。そういう雰囲気が出てしまっているのか。まぁ正直てんぱっちゃうだろうからありがたいけど。

  

  いつもなら素通りしていた、正直まともに見てなかったからここにこんな店があるなんて知らなかったかもしれない。

  「……ストリップバー?」

  たまたま目に入ったんだ。ここはいわゆるあれだろう、服を脱いできわどい姿になってそれを見ながら酒を飲んだりして楽しむ場所……俺には縁のない――

  「ん?興味あるか?」

  「え!?えっと……」

  扉の前で白いシャツに黒のベストを着た牛獣人と目が合った、多分スタッフの人なんだろう。話しかけられて慌ててしまいしどろもどろになっていると近づいて俺を見下ろしてくる。やたら背がでかくて妙にガタイがいいな……警備員かな。

  「まぁまぁそう慌てずにな。今は丁度盛り上がってる時間だ、どうだ、楽しんでいかないか?」

  親指を立てて後ろにくいくいと店を差す。汗を流しながらえっととかそのとか、明らかに挙動不審なのだがそれでも馬鹿にしたり引いた目で見てはこなかった。

  「お、俺今まで入ったことないんですけどっ」

  「おぉそうか、もし入るなら俺が中の奴に言って説明させるけど。どうする?」

  ちらちらと店と牛を交互に見る。こんな機会でもないと入らないだろうし、正直興味がないと言えば噓になる。一度深呼吸すると牛を見てこくんと頷いた。

  「ちょ、挑戦してみます」

  「がはは!好奇心旺盛なことはいいことだ、よし!じゃぁ楽しんでいってくれよな」

  そうして俺は牛の人に連れられてストリップバーの中へと入っていったんだ。

  

  *

  

  ギィ

  

  中に入るとまず廊下があった、その奥にまた扉があって、どうやらそこがフロアのようだ。横を見ると受付だろう横長の穴から豚獣人がこっちを見つけた。

  「お、お客さんだな。一人かい?」

  「あぁそうだ」

  「見ない顔だな」

  「初めてだそうだ」

  牛と豚が話をしている、俺は緊張して何も言えず立っているしかできなかった。話が終わると俺の背を押して窓口へ歩かされる。

  「ここはあんまり大きくなくてなぁスケベな常連が入り浸ってるんだ。新規のお客さんはちょい久しぶりかな」

  へへへと笑いながら豚はチケットを一枚取り出す。

  「一枚5千円だがぁ、初めてだろ?半額にしておいてやるよ」

  「え!?で、でも!」

  「いいのいいの、また来てもらうつもりだから」

  牛はため息をついて顔を横に振っていた、止める気はないようだ。へらへらしている豚に財布を取り出すとじゃぁと俺はお金を取り出す。

  「確かに受け取った。ようこそ夢の中へ。あぁこのチケット無くさないようにな?入る時と出る時に確認する為の物だからよ。無くしたら怖い目にあうぞぉ?」

  冗談だよと一人で勝手に笑っている。俺もそれに合わせて笑うと一枚受け取り、楽しんできなよという声を後ろに牛と一緒に歩き出した。

  扉が近づくにつれて音が大きくなり、光が漏れている。薄暗い廊下を歩き目の前まで近づくと牛が取っ手を掴んで開いたんだ。

  その瞬間、俺は言葉を無くした。

  

  「ひゅー!エロいぞーもっと脱げー!」

  「くそ、たまらねぇ今すぐシコりてぇ」

  大きく軽快な音楽、緑やピンクのレーザーのような光、中央で艶めかしく踊る男達、その周りに群がりながら欲望を飛ばす男。後ろで椅子に座り酒を飲みながら楽しそうに会話をする人達がいた。

  なんだここは。俺は別の世界に迷い込んだんじゃないのか?いや自分から来たんだけど。何もかもが新鮮で目新しくて、体に脳に直接響いてくるんだ。

  「初めてなんだな?説明させてもらうぞ」

  話しかけられてびくりと飛び上がる、いつの間にか横にいた牛が虎へと変わっていた。後ろの扉が開いて牛が俺を見て片手を上げてウインクし、そのまま歩いて行った。チケットを見せるとよしと頷く。

  「ようこそ夢の中へ。驚いたか?っへへ、それはそのまま興奮へと変えてもらうぜ」

  楽しそうに笑う虎は腰に手を当てて真っすぐ目の前を指差す。

  

  「見りゃ分かると思うがあそこがメインステージ、ストリップダンサーが踊る場所だ。周りに椅子があるから近くで見たかったら座って見てくれよ?チップを弾むと目の前で踊ってくれるかもな?」

  結構な人が座っているがまだ席は空いているようだ。続いて横を指差し、それを目で追う。そこにはいくつかのテーブルと椅子があり、さらにそこの奥にはバーカウンターがあった。

  「あそこで酒や食い物が買えるぜ、腹減ったり飲みたかったらあそこへ行きな。折角来たんだから酔っていけよ、その方が楽しめるぜ」

  続いて逆の方に腕を動かし指差す。

  「あそこは菓子とか飲み物を買える店がある。量は少ないが軽く食べたい時や帰る時にどうぞってな」

  そうそう、とメインステージの少し横を指差す。

  「暗くて分かりづらいかもしれないがあそこにトイレがあるから、催した時には行ってこいよ。漏らすなよ?掃除が大変だからな」

  がははと笑うとそ・れ・か・らっとにやりと笑う虎。顔を近づけてきてちょっと怖い。

  「ここではどんなに興奮しても脱いでシコるのは禁止だ。羽目を外しすぎな中年が脱いで小さいもん晒したりするが、拳が飛んでくるからな?痛い思いしたくなけりゃぁせいぜいズボンの上から軽く揉むくらいにしとけ」

  赤くなって分かりましたと頷くと途端に虎はきょとんとした。俺変なこと言っただろうか?

  「おいおい真面目な顔しちゃってよ、あんたみたいな奴は珍しいぜ。へへ、可愛いなお前、食っちまおうかな」

  そうか俺食われ……え?え!?

  「がっはっは!冗談だ冗談真に受けるなよ!それとも本気で俺に食われたいか?」

  にやにや笑う虎に真っ赤になって顔を横に振る、これがこの場所のノリなのだろうか?凄いなんか、もうついていけそうにない。

  「……折角来たんだ、そのクソ真面目な性格なんか捨て置いて、ここで存分楽しんでいってくれよ。日ごろ鬱憤が溜まって居場所がない奴がストレス発散する場所だ。一歩入ったらもう俺達は同士だ、さ!スケベ心丸出しでダンサーでも見てこい!困ったことがあったらここにいるから呼びな」

  ぽんと背中を押されて一歩前に出る、振り返ると虎がウインクして追い払うように手でしっしっと奥へ振っていた。

  

  何か色々一気に説明されてよく分かってないけど、あの虎の言う通りだ。折角来たんだから楽しもう。お金だって払ってるんだし。

  俺はまず言われた通りメインである中央のステージに近づいていく。そこでは三人のダンサーが躍っていた。目の前には獅子獣人、右には鰐獣人、左には犀獣人だ。獅子と鰐はかなりの筋肉質で、犀は腹が出ていた。それぞれの場所で何人かが椅子に座り好みのダンサーに熱視線を送っている。

  「うーんと」

  【あのイケメンな獅子格好良いなぁ】→2

  【横の鰐の体何あれ…凄いマッチョ】→3

  【あっちの犀の方は盛り上がってる】→4

  [newpage]

  その時獅子のダンサーと目が合った。俺を見つけるとパチンとウインクする、その瞬間俺は体の温度が急上昇するのが分かった。何故か分からないけど心臓がドキドキする。

  あんな仕草他の人にだってしてるのに、それだけで俺は獅子の人に魅了してしまったようだった。近づいて空いている椅子に座る。手を握り締めて膝の上に置いてひたすらその獅子を見る。

  「はぁはぁ!ほ、ほらチップ!チップやるからこっち来てくれ!」

  「ははは、ありがとう色っぽいお兄さん」

  数枚のお札を持って掲げる髭ずらの猪に近づくと、獅子は見えてしまいそうなきわどすぎるパンツの紐を掴んで横に伸ばす。舌を出してはあはあしながらその中にお札を入れて挟みこむ。そのまま猪は両手で獅子の逞しい太腿を撫でていた。

  「あぁ硬くて湿っててエロすぎる、ちんぽ触らせてくえぇ」

  「残念、近くで我慢してほしいな」

  そっと手を掴むと股間ぎりぎりの内またを撫でさせる、猪はぶふーと鼻から息を出すと食いつくように目を見開いた。

  これがこの場所でのやり取りなんだ……正直見ているだけで滅茶苦茶興奮する。こういうのはエロビデオとかでありそうだけど、俺は肉眼で目撃しているんだ。音も匂いも空気も振動も、全部この体に直接伝わ手ってくる。エロくてエロくて、勃起している事さえ忘れてしまいそうだった。

  

  最後に猪の頬を撫でると獅子は後退って踊り続ける。鬣を優雅に揺らし、周りに汗を飛ばしながら軽快にステップを踏み、艶めかしく自分の体を触ってアピールする。

  凄い、凄いや……本当に夢の中にいるようだ。普通に生活していたら絶対味わえない感動がここにある。

  

  はぁはぁと呼吸を乱しながら前のめりになってひたすらそのダンスを見続ける。少しして獅子は他のお客同様に俺の近くにも寄ってきた。すぐ目の前で優雅に、淫靡に体を揺らす。

  「お兄さん、ガチガチだね。もっとリラックスしていいんだよ」

  「は、はい!こういう場所初めてなもので!」

  すると獅子は少し驚き、笑顔になる。

  「そうかい、それなら初めての思い出をより良い物にしなくちゃね」

  言いながら地面に膝立ちになると足を広げ体を反らす、片手で自分の乳首や股間を触り、揉んで見せつけてくる。

  手を伸ばせば届く距離、なんならその獅子の呼吸さえ聞こえてきそうな距離で、こんなにも逞しく魅力的な人が裸に近い状態で踊っている。俺の頭は興奮でパニックを起こしていた。どうすればいいか分からず、手を持ち上げると前に伸ばしてしまう。

  「そう、欲望を抑えようとしないで。我慢しなくていいんだ。ここは我慢しちゃいけない場所だ」

  優しく手を取られるとそのまま胸に置かれる、手の甲から合わせてきて獅子の体を撫でさせられる。熱くて、汗でしっとりと湿っていて。その手が乳首に触れると小さく呻く。

  「んっはぁ……初々しいお兄さん、ここでは珍しいね。こういうのも楽しいな」

  「あっあぁ、俺……」

  ゆっくりと手が下って行って臍へ、その下へ行くと股間ぎりぎりまで運ばれる。陰毛に触れ、円を描くように鼠径部へ、そして内ももを撫でる。

  「おーい俺にも触らせろよーずるいぞー!」

  「ははは、お呼びがかかっちゃった。チップをくれたらもう少し続きをしてあげるからね」

  立ち上がると獅子は他のお客の所へ歩いていったようだ。

  「……な、なにこれ」

  正直放心していた。自分の片手を見て固まってしまっている。俺あの獅子の人に触れちゃったんだ……この手が筋肉の硬さ柔らかさ、体毛を、陰毛のふさふさした感触を覚えている。すっと鼻に近づけると匂いを嗅いでしまう。少し汗臭いような、それでいて体臭のような……正直これだけで射精しそうだった。

  「あ、頭おかしくなりそうだ」

  立ち上がると俺は落ち着くために酒を売ってるバーの所へと足を運んだ。バーカウンターに座るとキリンのマスターが水を出してくれる。頭を下げるとすぐさまそれを飲み込んだ。

  「んぐっぷは!はぁはぁ……げほっ!」

  「お客様、そんなに慌てずにゆっくりと」

  キリンの人は冷静で静かに言ってくる。すみませんと頭を掻くとキリンは一瞬目を広げ、ふふっと笑った。

  「謝る必要はございません。急ぐ必要もございません。御用があればなんなりと」

  反対の中央では絶えず熱狂的な雰囲気だがここは少し落ち着いた場所のようだ。近くで飲んでいる人も楽しそうに会話をしたり離れたダンサーを見ながら静かに酒をんでいる。

  「え、えっと……ビールください」

  「かしこまりました」

  綺麗なジョッキを手に持つとすぐさま用意してくれる、さすがにプロ?ジョッキから溢れないぎりぎりまで泡を作って入れてくれてとても美味しそうだ。カウンターに置かれると礼を言ってそれを飲む。

  「んぐっんぐっっぷはぁ!あっ」

  慌てて口を覆う、まるで家にいる時のように盛大に声を出してしまった。幸い俺のことなど誰も気にしていないようでほっと安堵する。だがマスターは違った。

  「良い飲みっぷりですよ。声も我慢する必要ありません。むしろ他のお客様からも好印象に思われるでしょう」

  「そ、そんなものでしょうか?」

  「えぇ、ここはそういう場所です。まぁげっぷする時は少々口を押えた方が理想的でしょうけども」

  冗談交じりで笑うマスターに自然と笑いがこぼれる。何だか話しやすい人だ、あのダンサーたちも魅力的だが、このキリンの人も魅力的だなぁ。

  

  ジョッキを片手にダンサー達を見る、あんな素敵な人と良い仲になれたらなぁ。一回でいいからエッチしてみたいな、なんて。そんな風に思ったっていい場所だろ?

  全て飲み切ると二杯目を頼み、それもごくごくと飲み干す。立ち上がるとお金を払って少しふらついた足で再び先ほどいた中央の席へと戻った。

  「格好良いな獅子さん」

  「……楽しんでるか?」

  「ひゃっ!」

  急に声を掛けられ飛び上がってしまう、横にいたのはスタッフの虎だ。慌ててそりゃもうと頷いた。

  「そいつぁ良かったぜ。お気に入りは見つけたか?後少しでダンサーの入れ替わりがあるからよ。よぉく見てってくれよ」

  「入れ替わり?」

  「おぉよ、この三人だけじゃないぜ。ずうっと踊ってたら疲れて倒れちまうだろ?だから時間で交代するんだよ。代わる代わる休んで踊ってを繰り返すんだ」

  なるほど、そういうシステムなのか。顔を前に戻すと獅子を見る。後少しであの獅子の人が引っ込んでしまう。他の人も魅力的なんだけど俺はあの獅子が一番のお気に入りだった。正直一目惚れに近いと思う。

  「あっ!ったく!あのじじいまた!」

  横にいた虎が声を上げると走り出した、見ていると少し離れた場所で蜥蜴の中年らしき人が立ち上がってズボンを下ろしている。今まさにパンツを下げようとしたところで虎に捕まっていた。周りはそれを見て笑っているようだ。どうやらこんなことは日常茶飯事らしい。

  「また来てくれたんだね」

  「え!?あ、はい!」

  気づいたら獅子が目の前にいた、相変わらずイケメンだ……そ、そうだ!チップ!

  財布を取り出すとその中からお札を数枚取り出す、それを持って手を伸ばすと獅子は嬉しそうに笑った。

  「気持ちは嬉しいけど、無理はしないでな」

  「ま、まだ余裕ありますから!」

  「そういうことならありがたく頂戴しようかな」

  パンツの紐を引っ張るとその中に挟み込むように入れる。そのまま俺の手を掴むと太ももを撫でさせてくれた。あぁやっぱり良い感触だ……。

  「他のお客さんには秘密にしてね」

  「え?」

  少し体をずらし、他の席に座っている人達に背中を向けると俺の手を持って股間へ当ててきたんだ。一瞬何が起きてるのか分からなかったけど手の感触と目の前の光景を認識して頭が爆発したんだ。

  「さ、さわ……」

  「ほら、揉んでみて」

  他の客は蜥蜴のいざこざに目を向けている。その隙に俺は獅子の股間をパンツ越しに揉む。大きくて柔らかくて温かくて……うわぁ他の人のってこんな感じなんだ、獅子の人の股間はこんなにも……。

  「初々しいなぁ、もっとサービスさせたくなってくるよ」

  「あっあぁぁ!」

  「しー」

  片手で手首を持つとパンツの中へと手を入れられる、俺はあのお気に入りの獅子の股間を、生で……生で触っているんだ!

  「ぁ……ぁぁ」

  「気持ちいいよ」

  大きくて逞しい竿、ふっくらとした重たい玉。目で見えてなくても感触で分かるそれは俺の脳にしっかりと鮮明なイメージを作り出す。

  もはや無我夢中だった、今この瞬間を無駄にしたくなくて、両手で獅子の竿や玉を揉んでいた。必死に扱いて、手のひらに包んで持ち上げるように揉んで。なんて気持ち良いんだろう。

  「ははは、熱心なことだ。真面目に見えて結構むっつりかな?このままだと勃起しちゃうからね。チップありがとう」

  ゆっくりと手を引かされると獅子はウインクをして立ち上がった。そのまま後ずさると音楽が変わる。ダンサーたちは手を振りながらステージの奥の方へと引っ込んでいった。入れ替わるようにして服を着たガタイの良い獣人が三人出てくる。だが俺の意識は先ほどの獅子との出来事でいっぱいだった。

  「おぉ俺、触っちゃった……獅子さんのちんこと玉」

  もう一生手洗わないぞ!いやさすがに洗うけども。まさかまさかこんなことが起きるなんて。凄く柔らかくて大きかった、俺よりずっと立派だった。

  呼吸が一段と荒くなり、このまま自慰をしたくなる衝動に駆られる。あの蜥蜴の二の舞にはなりたくないからしないけど。こんなの忘れられそうにない……。

  勃起をした竿の位置を修正し立ち上がる、何か飲んで落ち着いた方がいいかも。

  その時あの虎が近くに来た。

  「お!がはは、興奮してるな」

  「わ、分かります?」

  「バレバレだぞ、隠すな隠すな。周りの連中をよく見てみろよ、みぃんな勃起してるし平気でそのまま歩いてるからよ。それが許される場所なんだから気にするなって」

  そうは言われても初めてなもので、やっぱり恥ずかしくなっちゃう。かあっと顔を赤くすると少しふらついてしまい、虎が両肩を掴んで押さえてくれる。

  「大丈夫か?休憩が必要なら個室に行って休んでくれよ。あまり長く占領しないでくれよ?」

  「こ、個室?」

  「あれ、説明しなかったっけか?」

  虎は慌ててすまんすまんと謝る、どうやら仮眠室みたいな場所があるようだ。そこではベッドとテーブルがあるらしく、調子が悪くなったり眠くなったりした人が少し休憩するための場所らしい。少し!と強調されて説明された。

  「空いてる個室があったらそこで休めばいい。言っておくが、中でシコるなよ?ちゃぁんと入った奴は覚えてるからな?」

  「もしかして過去に?」

  「大当たりだ、酷くべとべとにされちまってな……大変だったんだぜ。こう見えて俺は結構物覚え良くてなぁ個室を使う奴はしっかり覚えてるんだ」

  「さっき説明忘れてましたけど」

  「あ、ありゃたまたまだ!」

  恥じらって慌てる虎がなんか可愛い。ならと俺はその場所を案内してもらったんだ。扉が横に何個か並んでいて、空きとか使用中とか書かれている。

  「ゆっくりしていきな。長いと俺が鍵開けて追い出しちまうからな?」

  「ははは、もしぐっすり寝ちゃってたら叩き起こしてください」

  「そうならないように注意してくれよなぁ。ま、その時は担がせてもらうぞ」

  冗談交じりで言う虎にありがとうと礼を言うと空いてる個室の一つに入ったんだ。

  

  *

  

  中は暗かったが横にスイッチがあった、ぱちんとつけると電気が点く。暗がりから明るさを感じて目を顰めるがすぐに慣れていく。そんなに広くなく、ベッドが壁際に一つ、その横にテーブルとイスという簡易なものだった。今の自分には丁度いい、すぐに靴を脱いでベッドに上がり横になる。思ったより良いベッドだなこれ……ふかふかだ。

  「はぁ、なにこれ……」

  まるで耳鳴りがしているような、まだ頭で音楽が鳴っている。それに目を瞑ればすぐにでもあの獅子が鮮明に瞼の裏に映る。感触だって覚えている、こんな場所、こんな世界。体はまだ落ち着かない。

  「こんなの、毎週来ちゃいそうだよ」

  

  コンコン

  

  不意にノックの音がして驚き飛び起きる。はーいと返事をすると少しだけ扉が開き、その隙間から声がした。

  「はいってもいいかな?」

  「どうぞ」

  あの虎さんかな?もう出た方が良かっただろうか。なんか獅子の声っぽく聞こえたが、外で鳴っている音楽でよく分からなかった。

  だがその声の主はすぐにでも分かった、そしてその人を見た瞬間吃驚して体が熱くなっていく。

  「さっきぶりだね」

  「え、えっと……はい!」

  入ってきたの獅子の人だった。

  

  近づいて隣失礼するねとベッドに座る。少し見上げるようにして獅子さんと目が合う。今はピンク色のワイシャツを来ていて、胸がはだけている。ちゃんと来ている獅子さんもイケメンだなぁ。

  「今は休憩中なんだ」

  「い、いいんですか?ダンサーがこうやって外を歩いていて」

  「あぁそこは大丈夫、出番じゃないダンサーは待機しながら時間が来るまでは自由にしていていい。まぁ一種の交流みたいなものかな、バーで飲んでいてもいいし、お客さんとお喋りに興じてもいい」

  それから……と、少し寄ってきて笑いかける、片手で顎を持って持ち上げる。

  「気になっている人へアプローチしてもね、なんて」

  「し、獅子さん」

  手はすぐに離れて距離も少しだけ空いた、爆発するんじゃないかと思うくらい心臓が高鳴り、上手く獅子さんを見ることができない。呼吸が速くなって、苦しくなりそうだった。

  「随分興奮してるね、俺のこと気に入ってくれたかな?」

  「は、はい!格好良くて素敵で魅力的です!」

  「ははは、嬉しいけどそこまで初々しい視線は少し恥ずかしいなぁ」

  他のお客さんのスケベな目には慣れてるんだけどね。頬を染めながら鬣をかく獅子はどこか可愛らしく見えた。

  

  「初めてって言ったよね、どう?この場所は気に入った?」

  「は、はい。正直まだ困惑もありますけど、何というか……こんな世界があるんだなって。外で牛の人にどうかって聞かれましたけど、それがなかったら一生味わえなかったかもしれないです」

  獅子さんとの会話は楽しい、かなりどもってしまって何度も噛んで言いなおしたりするのだが、それでも急がせずゆっくり待ってくれる。喋り終わるのを確認してから獅子さんは発言して、こういうことに慣れてる印象だった。こっちとしてはとてもありがたいことだった。

  「君は真面目そうだね、普段は一人で家で自慰をしてるのかな?」

  「えっ!?えっとまぁ、その……はい」

  「ははは、本当に君は可愛いなぁ。この場所も初めてみたいだし、色々良い体験をさせてあげたくなっちゃうよ。色々と、覚えさせてあげたく……ね」

  そっとにじり寄る獅子さん、顔が近くなり、また俺の血が騒ぎだす。

  「もっと俺にお触りしたいかい?」

  「え!?」

  片手を掴んでくるとそっと鬣に触れさせてくる。手の平から伝わる感触は思った以上に柔らかく、繊細でまるでシルクのようだった。きめ細かくて滑らかで少し湿っていて。ちゃんと手入れをしているのがすぐにでも分かった。

  「特別だよ?鬣にはほとんど触れさせないから」

  「いいんですか?」

  「言っただろう、特別な体験をさせてあげたいって。もしかしたら俺も、君のことお気に入りになっちゃったのかな」

  冗談っぽく言ってくるその言葉だがそれだけで俺はまるで甘やかされている動物のように尻尾を振って喜んでしまうんだ。嬉しくて、どんどんこの獅子さんに魅了されていく。

  衝動が止まらずゆっくり鬣を撫でていると、手首を掴んだ獅子さんはその手を胸へと流していく。いつの間にかボタンが外れていて筋肉質な体が見えていた。マッチョ過ぎないほどの良い筋肉がエッチだ。

  「あぁ……」

  「参ったなぁ、俺もどんどん変に興奮してきちゃったよ。ここに来るお客は中年の人が多くてね、皆、そう……欲望丸出しで豪快で、言っちゃえば下品な人が多いんだ。勿論それがここの場所のノリであり、当然として許される。だからかな、君みたいに控えめでひたすら目で追うだけってのがね、新鮮に思えたんだよ」

  そのまま獅子さんは覆いかぶさって布団に押し倒される、何も言えず近づく顔、獅子さんの少し速くなったと息が鼻に当たる。

  「君をもっとからかいたくなる、君が俺に魅了されたなら、俺も君に魅了されたんだ。これは俺の君へのチップだと思って受け取ってくれ」

  

  徐々に隙間が無くなっていきやがて口先がくっつく、気が動転して対応できない俺にリードするように、舌を出して中をこじ開けさせ侵入してくる。いきなりの深いキスは未だに現実味を感じずなすがままだ。それをいいことに獅子さんは少し獰猛になり好き放題してくる。口の中で唾液を絡めながら口内を舐め、舌を見つけると擦り合わせてくる。

  「んぶっんっふぅ……」

  互いに鼻息を荒くしながらむしゃぶりつき口を食われる。唾液をやや一方的に交換し、飲み込み合うとそっと舌同士が離れていった。つつっと唾液の糸が繋がり、やがてぷつんと垂れていく。

  「はぁはぁ、し、獅子さん、こんなことバレたら……」

  「怒られちゃうね、だから声は静かめにね?」

  スーツを脱がしてきてワイシャツのボタンを手際よく外していく、俺の裸を見ると獅子さんの目が欲望でギラついたように見えた。一度体を起こした獅子さんはシャツを脱ぎ捨て、次いでズボンも脱いでいく。緩やかに落ちていくズボンそしてパンツは俺専用のストリップとなっていた。徐々に見えてくる太腿、そして獅子さんの股間。妄想していた部分が明らかになると俺は鼻血さえ出そうになる。

  「楽しもうじゃないか」

  立ち上がって座る俺の目の前に来ると眼前に獅子さんの股間、萎えていても大きいちんこにふっくらとしたキンタマ。口が渇きはぁはぁと絶えず呼吸を繰り返す。だが俺は待っている、獅子さんの次の言葉を聞くまでは利口にしていた。

  「待てが出来てて偉いよ。ご褒美だ、さぁ……好きなようにしてくれよ」

  ようやく餌を食べるのが許されるようにゆっくりと片手を持ち上げてちんこを触る、少し前も触ったが今の方がずっと興奮していた。なんせ目の前で、目で見ながら扱いているんだ。それもこんな狭い個室の中で二人だけで。やばい、射精しそうだ……。

  我慢できず口を開けるとちんこを上に持ち上げ扱きながらキンタマの一つに舌を伸ばす、上に乗せ、掬い上げながら口の中へと放り込む。

  「おっと、そうきたか。いいよ、自由にしてくれ。そっちをしゃぶられるのはほとんど経験がないからね、あぁ……なかなか良い感じだ」

  口の中でキンタマに舌を巻き付け、擦りながら中身を転がす。口を窄めて陰嚢に吸い付き、吸ったり吐いたりして飴のように味わう。少ししょっぱく、知らない雄の味だったがこの状況においてはとても美味しいと感じていた。柔らかいそれは口に入れていて楽しくも気持ち良くもある。ずっとしゃぶっていたくなるような奇妙な触感はすでに病みつきになっていたかもしれない。

  

  チュプッチャプッ

  

  「あぁぁ凄い、玉でこんなに感じるなんて初めてかもしれないよ。君は上手だ、はぁはぁ……もっと俺に教えてくれ」

  完全に勃起した大きなちんこを手で擦りながら両方のキンタマを交互に口で愛撫する、唾液に塗れてもまるで気にしていないようで、喘ぎながら悦んでいた。それが嬉しくて我も忘れて相手への奉仕に専念する。いや、求められてというよりは自分がしたくて抑えられないのだろう、今後一生この味を忘れることは出来なそうだ。

  「はぁ、凄い気持ちいいけど次はこっちをしゃぶってもらおうかな。このままだとずっとしゃぶらせたくて時間がきちゃうからね」

  苦笑しながら片手で竿を下げてくる、一度ごくりとつばを飲み込んでから口を大きく開くと一気に根元までしゃぶりこんだ。一度キンタマをしゃぶってからというもの、躊躇がなくなった。

  「おぉぉっ、いいよ、そう、その調子。凄く気持ちいいっ、はぁ、ぁぁぁ」

  前のめりになった獅子さんは壁に両手をついて快楽を享受する。獅子さんのちんこは根元までしゃぶると喉の奥まで到達し、息がしづらくなるほどだ。少しむせたりもするが決して離さず、舌の上に乗せると頬が凹むほどに吸い付く、そのまま唾液塗れのキンタマを揉みながら激しく頭を前後した。

  

  ジュボッジュボッ

  

  「ぉぉっぉ!あぁぁ、はぁ……っ!凄い、君はとても優秀だ。気持ちいいっぃぃ……あぁぁ!」

  片手で頭を掴まれると腰を激しく振りだす。突っ込まれる度に陰毛が鼻を埋め、濃い雄の体臭が鼻腔を喜ばす。メロメロになった俺は嬉々としてその激しさを受け入れ、獅子さんの股間を味わい尽くす。

  「まずいな、久しぶりだからすぐにでも、くぅぅ!はぁはぁ、出していいかい?俺の精液飲みたいかな?」

  しゃべることができない為、返事とばかりに強く吸い付く、舌を巻き付けると獅子さんは大きめに呻いた。

  「あぁぁぁ!それ以上はもうっイクっ!イクぞっ!うぉお!おおおぉっっっ!!」

  

  ドプッドプッドプ

  

  荒々しく喘ぐと両手で頭を股間に押し付けてくる、半目になりながら口内に溜まっていく精液を喉を鳴らして飲み込んでいった。量も多く粘度も高い……気がする。それは飲むのは一苦労だが、何があろうと吸い付いて離すつもりはなかった。

  射精中も舌を少し動かして刺激を与え続ける、獅子さんは歯を食いしばりながら最後の一滴まで出し切り、落ち着いてくると最後に頭を撫でて両手を離した。

  「はぁはぁ、もしかして何度もやってるのかい?妙に上手じゃないか」

  「げほげほ……そんな、お、俺獅子さんが初めてです」

  そうだ、今の一度だって誰かと性的な経験はない。動画やビデオはそれなりに持ってるがとても誰かとするなんて考えたこともなかった。だから今こうしているのは俺にとって一生のうちのあるかないかの一回なんだ。

  「ふぅ、君は男を喜ばせる方法を良く知ってるのかな、それとも体が自然とそうしちゃうのか。とても気持ち良かったよ」

  褒められて思わず口角が上がる、エッチなこともそうだが純粋に褒められるとやっぱり嬉しくなる。獅子さんはさて、と言うと俺の両肩を押して仰向けに倒してきた。

  「お返しがしたいな、君の要望を聞こうじゃないか」

  「え?で、でも――」

  「早く言わないと。時間は有限だよ?それともここで止めたいかな、無理強いはしないけど」

  赤い顔でにやにやする獅子さん、まるで遊ばれてるようだ。俺へのチップと言うなら少しのからかいもありだろう?

  「し、獅子さんはどうしたいですか?俺がどうすると喜んでくれます?」

  意表を突かれたように驚くと苦笑し鬣をかく。

  「まさか聞き返されるなんてな、結構イジワルかな。いいよ、じゃぁ教えてあげる」

  両太ももを持つとグイッと持ち上げられる、尻が上に持ち上がり肛門が獅子さんの目に映る。

  「あぁ!」

  「これが俺の答えだ、もう行くところまで行きたいと思ってるよ。君は受け入れてくれるかい?君と、セックスがしたい」

  「――っ」

  直接的な単語、そして隠しもしない欲求を当てられて俺は言葉を失う。汗をかいた顔で頷くと獅子さんは嬉しそうに笑って一言、ありがとうと言った。

  

  両手で尻を横に広げると穴の表面を舐め唾液をだらだらと流していく、液体が入ってくる感覚は少し妙だ。恥じらいと刺激感覚で喘ぎ呻きシーツを掴んで我慢しようとする。

  「ここには二人しかいないし、この場所は……まぁ本来セックスする所じゃないが、ほらもっとリラックスして」

  言いながら人差し指を当てて中へと挿入してくる。そんなことを言われてもすぐには出来ない、体が震えて未だにコツは掴めず顔が歪む。獅子さんはそんな俺に苦笑し丁寧に解していった。

  

  「さて、俺を受け入れる準備はできたかい?」

  体中汗塗れで何とか頷く、ここまで来て疲れたから止めますなんてことは考えていなかった。こんなに頑張ったんだ、褒美がほしい。そんな俺を見透かすようにべろりと口周りを舐めた獅子さんはちんこを穴に当てるとぐっと腰を押し込んでくる。

  

  ズブブッ

  

  「おぉぉっ!ぁぁ、凄い締まりだっぐぅ!気持ちいい!」

  言いながらすぐにでも腰を振り出した、どうやら獅子さんの方が我慢できないらしい。ベッドに両手を付いて何度も激しくピストンを繰り返す。上から汗がぼたぼた垂れて俺の体を濡らしていった。

  初めてのセックスは想像を絶する快楽だった。尻を掘られる刺激や感覚、こんな格好良い獅子獣人に抱かれ高鳴る感情、どれもこれもが初めてでその最初は俺に至福の時間を提供してくれる。

  

  パンパンパン

  

  「はぁはぁっん?どうした?」

  そっと鬣に手を伸ばす、動きを少し落とすとこっちを見ながら汗だくの顔で笑った。ふさりと揺れる鬣が妙に色っぽく映ったんだ。この鬣はあまり人に触れさせないらしい、だから今だけはと。それを言うと獅子さんはふふと笑う。

  「案外こういう時だと君は正直なんだね、欲望をぶちまける君はとても魅力的だ、いいよ……ならこんなのはどうかな」

  体を下ろして覆いかぶさってくると顔が鬣に埋もれた、その瞬間熱と獅子さんの体臭が頭を包む。柔らかい鬣は触れていると安心感を覚え、匂いから興奮もさせてくる。抱き合う逞しい体は汗で滑り湿っていく。あぁまるで全身を包まれているようだ。何て夢心地なのだろう。

  「嬉しそうだね、時間もあるし俺もそろそろ近づいてきてる、本気で行くよ」

  両手を背中に回すとしっかりと抱きしめ腰を速く動かしだす。あの筋肉から繰り出される力強い突き、打ち込む度に尻が痛くなりそうなほどだった。ぱんぱんと破裂するような音は部屋に響き、会話する余裕さえない声や吐息は充満し木霊する。雄が雌を孕ませ子孫を残す為の交尾そのものだ、もう体も心も完全に俺はこの人に依存してしまった。孕まされてもいいとさえ思えるほどに。

  

  ジュブッジュブッジュブッ

  

  「はぁっはぁっイクッイクっ出るぞっ!我慢できない!ぐぅぅイクイクッイクッがぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

  

  ゴプッゴプッゴプッ

  

  百獣の王ともいえる咆哮を上げながら背を逸らし体内へと射精をする、白濁液はごぽごぽと泡立ち沸騰しながら腸を逆流していくようだった。下半身が妙に熱く感じたんだ、体を伝ってそれが分かる。獅子さんに抱かれセックスをし種付けまでされた、その現実が俺の心体を喜ばせ触れもせずに自分の体を汚していく。

  「はぁ……はぁ……」

  全て吐き出すと喋る余裕さえなく互いに余韻に浸っていた。少しして顔を下ろすと目が合う、未だに少し余裕がないような顔だったが無理矢理笑って見せてくれた。

  「ぜぇ、凄いな……凄い気持ち良いセックスだった。忘れられなくなりそうだよ」

  「お、俺もです、最初がこれってちょっとまずいかも……この先セックスしても満足できなくなっちゃいそうです」

  冗談めかして言ってのけると獅子さんは驚いてはっはっはと笑ってくれた。片手を頬に当てて撫でながらそれは悪いことをしたなって。

  「だとしたら責任を取らなくちゃな、君の性生活をより良い物にするためにも定期的にやる必要がありそうだね」

  「し、獅子さん……!?」

  「冗談かどうかは君次第だ、また遊びに来てくれると嬉しいな」

  頬を染めてにかっと笑うと徐々に視界が暗くなりやがてふさりとした鬣に隠れると真っ暗になった。そこで口に湿った何かが当たった。

  

  あの後抜かずに担がれトイレで中の物を出して後処理をした。流石に扉は閉めてもらった。もうセックスしたんだし見てたいんだけどなぁと言われたがいやいや、恥ずかしすぎる。

  扉から出ると獅子さんは肩をぽんと叩いてウインクをする。

  「それじゃぁ俺は行くよ、もう少し時間はあるけど休憩しなくちゃ踊れなくなっちゃう。次会える時を楽しみにしてるよ」

  バイバイ、手を振りながらステージの方へ帰っていく。しばらくぼぉっとそれを見ていて我に返ると店内にある時計に目をやった。もう日を跨いでいる……このバーは何時までやってるんだろう?

  疲れも感じてるし汗だくだしそろそろ帰ろう、そう思って俺は虎の人を探した。

  *

  [newpage]

  右の踊っている鰐を見る、なんだあの筋肉、あれは本当に獣人か?鰐の体はそう思わせるくらい凄い筋肉をしていた。気になり目を引いてとりあえず少し近づいてしまう。

  「おーおー鰐ちゃん今日も凄い筋肉だなー!」

  「いやぁここまでに筋肉は中々見れないですよ、逞しい……エロすぎます」

  中年のおじさん達が鰐を目の前にうっとりしている、それを見て鰐は頬を赤く染めながら艶めかしい動きでゆっくりと体を触る。少しだけ離れて席に座ると横からそれを眺めていた。

  「よーしよしいい子だ!チップをやるぞ鰐ちゃん!」

  「有難う!それじゃぁここに挟んでほしいな」

  札束を持ち上げるいやらしい目つきのハイエナ獣人に近づくと膝を着いてほぼ紐みたいなパンツを引っ張り隙間を作る、そこにお札を入れて挟むとハイエナの手は太腿を触り、股間ぎりぎりを撫でまわす。

  「あぁたまらない、お腹側はつるつるぷにぷにで最高の感触だ」

  「喜んでくれて嬉しいよ」

  うーん見た目はかなりごっついしやってることはストリップダンス、エロい格好でエロい事させてるのにその顔はなんだか無邪気で子供を感じさせる。周りにいる隠そうともしない欲望丸出しの人達と比べると純粋さあるように思えた。まさか本当に子供ではないよな?この見た目で流石にそれはないか。

  「あぁ、そ、そっちはダメだよ……」

  「チップやったんだからいいだろ少しくらい」

  そろそろと指を走らせ股をパンツの上から擦る、膨らみ具合から見ておそらくはスリットなのだろう。焦り汗を掻きながら鰐はそれを止めようとはしなかった。今回だけだよと言って。まるで言い慣れているように。

  「そんじゃぁそろそろ――」

  

  「おぉっとそこまでだ!やりすぎると追い出すぞ?」

  「ぬお!」

  いつの間にか後ろに立ってた虎が腕をぴしっと叩く、鰐は慌てて立ち上がると苦笑しながらごめんねと言って踊り始めた。怒られたハイエナはぶーぶー文句言うが虎が睨むと竦みあがって隠そうとしながら目の前の鰐を褒めていた。

  気持ちは分かる、あんな巨体の鰐がほぼ全裸みたいな恰好で汗で体を光らせながら誘うようにアピールしているんだ、そりゃスケベな気持ちも持っちゃうし触りたくもなるだろう。現に俺だってボディビルダーみたいな鰐を見て鼻息を荒くしてしまっている。顔は鰐という種族からか少々強面な気がするのだが動作や口調はまるで逆の子供っぽさがありそれがギャップを感じまた興奮させるポイントとなっていた。

  

  「ふぅ、こんばんは」

  「あっこ、こんばんは!」

  「えへへ、楽しんでいってほしいな」

  目の前にやってきた鰐はにこにこしながら話しかけてくる、背筋を伸ばすと慌てて応えるが緊張してどもってしまう。すると鰐は膝を着いて見せつけてくる。

  「お客さんは見ない顔だね、それになんだか緊張してそう」

  「え、えと、こういう場所は初めてなので」

  「え?そうなの?そっかぁ、じゃぁ初めてが楽しい物になるようにサービスしちゃおうかな」

  驚いたことに鰐はステージぎりぎりまで迫ってくると体を反らして片手で腹を撫でる、そのまま下に行くと股間を触り横へ流れて内腿を撫でる。見せそうで見えないスリットが妄想を掻き立て俺を興奮の海へと落とさせる。

  エロい、エロ過ぎるぞこの鰐。こんな近くでこんな甘ったるいダンス、荒く呼吸する鰐の声は思ったよりもずっと低くて渋い。鱗が光を反射しテカらせ淫靡な空間をそこに作り出す。そ、そうだチップ!

  「チップ出します!」

  「いいの?わぁ有難う、それじゃぁここに」

  あの時のハイエナ同様パンツの紐を引っ張ると挟ませる、その手を掴むと腹を触らせてくれる。

  「うわぁや、柔らかくて温かい」

  「感触を楽しんでね」

  まるで触られ待ちのようにその場で体を動かさず両手だけは自身の体を撫でていた。もう我慢が出来なくて両手を伸ばして腹や鼠径部を撫でる。興味から緑色の鱗も撫でてみるがこっちはやっぱり少し硬かった。汗でヌメる体を何度も何度も擦っていると鰐は徐々に上気し喘ぎだす。

  「あぅ、気持ち良い……もっと……」

  「え?」

  片手を掴まれると体に押し付けられる、その手はゆっくりと股間へと持っていかれた。パンツの上からスリットを撫でるとより刺激的な声を出す。耳から入る音楽と喘ぎ声に頭が沸騰し上下に擦るのが止まらない。

  「あっあぁっやばい勃起しちゃう」

  「いいぞーやれやれー!」

  「夜のおかずにするからもっと擦れー!」

  俺の行動を見て他の客が声を飛ばす、エロビデオを見ている感覚なのだろうか。なんだかちょっと得意げになった俺は両手を使って股間を重点的に攻める。中に入らないぎりぎりを撫で、擦り、スリットの下側から尻尾の付け根へと指で伝うように走らせる。なんだかパンツの湿り気が多くなった気がする……漏れてる?

  「ぁぁぁ!凄い、テクニシャンだ、僕の体おかしくなりそう」

  上を向きながら半目になって酔いしれる鰐は体を震わせると尻尾で軽くステージを叩く。両指を使ってスリットを開くと桃色の肉が目の前に映りあまりの卑猥さにこのまま射精しそうだった。それくらい凄い見た目だったんだ。

  

  「おぉっと、初めてにしちゃぁやりすぎか?」

  「あっす、すみません!」

  「お前も少しは我慢しろって」

  いつからか横にいた虎にはっとすると慌てて手を引く、謝るとがははと笑って加減は大事だぜと。他のお客はもっと見せろと文句を言うが虎が追い出すぞと一言言うと頬を膨らませて黙った。

  あぶないあぶない、完全に理性を失っていた。目の前の鰐がエロ過ぎて受け入れモードだったから止められなくなっていた。怒られた鰐は苦笑すると体を戻し立ち上がる。

  「だって気持ち良くて」

  「今はダンスの時間だろ、そういうのはプライべートでやれっての。仕事仕事」

  「はーい気を付けます」

  立ち上がるとまた後でねと笑って踊りながら歩いて行った。

  

  自分の手を見て少し放心、汗やスリットの汁で濡れた手は湿っていてねっとりしている。握ったり開いたりすると泡が立ち糸を引いた。俺あんな大きな鰐の体触っちゃったんだ、凄かった。柔らかくて硬くて温かくて濡れていて。この店に来なければ味わえない経験だった。はぁはぁと呼吸が荒くなり喉が渇く、なんだか倒れてしまいそうだ。

  そういえばここでは何か飲めるんだったな。立ち上がると少し離れた所にあるバーに行き座るとキリンのマスターが水を出す。

  「ありがとうございます、あ……何か拭く物とかあります?」

  「こちらにおしぼりがありますよ」

  すっと出してくれた冷たい湿ったタオルを出してくれた、それで手を拭くとひんやりしていてちょっと気持ちが落ち着く。ある程度綺麗になった所でグラスを掴んで水を飲んだ。ふぅ、ようやく少し冷静になってきた。

  「楽しんでおられますか?」

  「えぇそりゃぁもう。こういう所初めて来たんですけど、いやぁ何というか言葉にならない迫力がありますね」

  「ふふ、そうでしょう。初めは皆そのように言います」

  物腰柔らかなキリンは静かに笑う。後ろを見ればまた鰐がお客相手に体を触らせていた、触られるのが好きなのだろうか?

  「あの鰐のダンサーが気になりますか?」

  「あ、はい体は大きいのになんだか子供っぽい仕草でなんだか可愛らしくて」

  コップを拭きながらキリンは苦笑する。

  「それが彼の人気の元みたいです。お客様はあの言動でまるで自分の子供のように思う人が多いみたいですよ、当然実の子にそれはできないのでここでそういうプレイを望むと。パパと呼ばせるお人もいるそうです」

  「なるほど」

  随分と大きい息子になってくれるようだ、だけど流石に俺はまだ子を持つには若いかな?苦笑すると水を飲む。

  「すみませんビール一つください」

  「かしこまりました」

  マスターはすぐにでも用意してくれた、それを飲み切ると立ち上がりお金を払う。少しくらいアルコールを入れないとな。元居た席に戻ると座って再び鰐を見る。

  「はぁはぁ、もっと見てほしいな」

  「エロいぞ鰐ちゃん!もっと体反らして触ってくれ!」

  「こうかな?」

  「おぉヤバイ、射精しそうだ!」

  興奮しまくっている豚が立ち上がって拳を握る、凄い鼻息だ……目がもうなんか血走りそうなくらい開いて凝視していた。股間の山もシミが出来ている。まぁ気持ちは分かるが流石にあそこまで堂々と欲望を曝け出せない、恥ずかしいし。だが鰐はそれが嬉しいのだろうむしろ見せつけるように片手で体を撫でる。

  「も、もう我慢できねえ!」

  「うわっ!」

  両手で腰に抱き着いた豚は顔を股間に押し付けようとする、しかしまるで分っていたかのように虎が来て後ろから首根っこを掴んで引っ張る。

  「ぐえ!」

  「はいはい、いい大人なんだからルールくらい守れよ。しばらくこっちで落ち着け。次抱き着いたら追い出し」

  「ひえー鰐ちゃん鰐ちゃーん!」

  ずるずる引っ張られる豚は両手を伸ばして泣きながら求めるが鰐は苦笑してまたねとだけ言った。そうしている内に店内の光や音楽が変わる。ダンサー達は手を振るとそれぞれ奥へと引っ込んでいった。もう終わるのか?

  「ここは時間でダンサーが変わるんだよ、ずっとなんて流石に踊れないからな」

  「あ、そうなんですか」

  後ろに立っていた虎が説明してくれた。この後は違うダンサーがやってきて踊り、時間が経つとまた変わる。あの鰐はしばらく出てこないようだ。

  ちょっと残念に思うと立ち上がって一旦バーへ、キリンは再び水を出してくれた。

  

  他の人も魅力的だけどやっぱり気になるのはあの鰐だ、今まで生きてきたけどあんな凄い筋肉は、しかも生で見たのは初めてだった。衝撃的だったな……しかもその体で上から下まで素肌を見放題、滅茶苦茶エロかった。それに俺はその体を触ってしまい、あまつさえ股間まで弄ってしまった。今でも鮮明に思い出せるしあの感覚は手に残っている。また触りたいな……。

  

  *

  

  「あ、いたいた。どうもー」

  「え?あ!わ、鰐さん!」

  「えへへ、鰐ちゃんて呼んでほしいな」

  隣に来たのは青いワイシャツを着たあの鰐ちゃんだった、驚いて周りを見るが普通に皆挨拶したりするし後ろでは違うダンサーにお客はくぎ付けだった。えっと、こ、これは?

  「あれ?知らなかった?ダンサーは次の自分の時間が来るまでは自由にしていていいんだ。こういう所でお酒飲んだりしていいし、お客さんとコミュニケーションを取ってもいいんだよ。仕事さえちゃんとすればダンサーにも自由が約束されている、それがここなんだ」

  なるほど、つまりは今の鰐ちゃんは自由時間というわけか。え、その時間を使ってわざわざ俺の所まで?そう思って見ていると鰐ちゃんは横でマスターにビールを頼んでいた。

  「どうかな、楽しい?」

  「えぇとても。まさに夢の中ですね、本当に色んな意味で感動してます」

  「それは良かった。後嫌じゃなければ、敬語は使わないでほしいなぁ、僕はそっちの方がやりやすくて」

  えへへと頭を掻く鰐ちゃんはとても愛らしい、少し考えたが鰐ちゃんがそう言うのだからうんと頷いた。

  「お気に入りダンサーは見つかった?」

  「はい……あ、うん見つけた。俺にとっては鰐ちゃんがとても素敵で魅力的だ。他の人よりも目が行っちゃうよ」

  「え?本当?嬉しいなぁ」

  ありがとうといると手を握られる、ドキッとしてそのまま固まっていると片手で手の甲をすりすりと撫でられた。これはどういう感情の現れなんだ?

  「僕もね、君が気になっちゃったんだよ。初めて見たっていうのもあるけど、なんだか反応が初々しくて。ここには皆慣れたスケベ丸出しなお客ばかりだったからね。それに……」

  目を細めて撫でている手を見つめている、時々手の平を指で押してくる。

  「君の手、凄く気持ち良かった」

  「そ、そう?」

  「うん!僕は触られるのが好きなんだけど、他の人は結構強く押し付けるように触ってきてね。嫌いじゃないんだけど力が凄くて。でも君はまるで壊れ物を扱うかのように優しいタッチだった。ここであんな風に繊細に触られるなんて思わなかったよ」

  どうやら俺の手の感触が気に入ったらしい、鰐ちゃんは何度も手を触り、握ったり指を組んだりしてくる。好き勝手弄られて嬉しいんだが恥ずかしいんだか分からなくなる。しばらく遊んでいると手を離し太腿を撫でてくる。びっくりして目を見ると細めた目は俺の顔を見ていた。

  「……もっと触れてほしいし触れたいな」

  「えっと――」

  「あそこ、二人だけで喋らない?」

  振り返って指を差す、そこには扉がいくつかあった。どうやらこの店には休憩所として狭い個室が用意されているらしい。そこで仮眠と取ったりもできるようだ。なるほどと思っていると突然の刺激に体がびくっとする。俺は今鰐ちゃんに股間を触られていた、勃起した山をズボンの上から撫でられている。

  「君ともっと親密になりたい、えへへ、僕も気になっちゃって抑えられなくなってきたみたい」

  それってつまり……言葉に詰まるとさぁと手を引っ張れ、立ち上がると二人で個室へと入ったんだ。

  

  *

  

  パタン

  

  電気をつけると中はベッドとテーブルに椅子が一つずつ、本当に軽く休憩できるだけのスペースだった。鰐ちゃんは後ろから背を押して奥まで行き、振り返ると見ててと言われる。

  「あ、ベッドに座ってていいよ」

  ゆっくりゆっくりボタンを一つずつ脱ぐ、すべて外れると片腕ずつ脱いでいき、次にベルトを外してズボンを脱いでいく。なぜかパンツは穿いていなかった。

  「あ……と」

  「えへへ」

  全裸になると歩いて迫ってくる。眼前には隠されていたスリットが丸見えだった。少しピンク色に染まったスリットはすでに濡れていてそれを見るだけで頭がかっかと熱くなる。

  「触ってほしいな」

  「い、いいのか?」

  「二人だけの秘密だよ、こういうのって興奮するね」

  ほらほらと急かすように腰を振る鰐ちゃん、あまりにも蠱惑的なそれに辛抱が出来なくなり両手を持ち上げるとすぐにでも体を触りだす。その瞬間鰐ちゃんは甘美な声を上げ上半身を倒し壁に両手を付いた。

  「はぁはぁ、もっと……もっと触って」

  「あ、あぁ」

  下腹部や鼠径部、内腿、そしてスリット。両手で優しくマッサージするように撫でるとその度に鰐ちゃんはびくんびくんと震えせわしなく尻尾を動かす。相当興奮しているのだろう上から熱い息や荒い声が俺の頭に振ってくる。俺までどんどん感化されて理性は鰐ちゃんの体で溶かされていく。

  

  チュプリ

  

  「ああぁぁぁっっ」

  指をスリットに入れるとひときわ大きな声で喘いだ、相当気持ち良いらしい、少し腰が動いている。そんな風に求められたら止められなくなっちゃうじゃないか。本数を増やしてそれぞれバラバラに動かし、スリット内部を撫で回す。

  「凄い、凄いやっぱりテクニシャン……っ!あぁぁ!気持ち良い!」

  欲望を隠そうともしない鰐ちゃんは涎をだらだら垂らしながら快感に酔いしれている。あぁなんだか俺ももうダメになりそうだ、残っていた自制心が崩れ去ると指でスリットを広げて顔を押し付け中を舐め始める。

  「ひあっあぁ!舐められてる、僕のスリットがぁ!あぁ吸われ……んはあぁ!」

  体液を舌で絡め吸い取りながら舐めまわしていく。味は形容しがたいが言うなら少しだけ酸っぱいような?未知の味は思ったより不味くなく自然と次を欲してしまう。ちゅぽんと舌を引き抜く頃には鰐ちゃんの股はヌルヌルになっていた。

  「はぁはぁ、も、もう我慢できないよ、僕抱かれたい、君に抱かれたい」

  「え?」

  「脱いで、全裸になって!ほら、時間は決まってるから」

  体を起こすと鰐ちゃんは俺の服を脱がしてくる、丁寧に一枚ずつ脱がされて全裸になると鰐ちゃんはベッドで横になった。

  「ここ、君のちんちん入れてほしい……君のその熱くて硬い物でここをかき混ぜてほしい」

  「ぅ……」

  片手でスリットを広げる鰐ちゃん、色々な液体に濡れた赤いそこは充血し光でテカっていた。激しく求められ、甘えてくる鰐ちゃんを見て鼻息を荒くすると足の間に入り覆いかぶさる。位置を調整するとちんこをスリット中へとゆっくり挿入していった。

  

  ズブブ

  

  「んあぁぁぁぁ!入ってくる!ひあぁぁ!」

  「す、すご……あぁ!」

  中は極上の名器だった。柔らかい襞付きの肉が先から根元まで全てを埋め尽くしてくるんだ。体に力が入らなくなり倒れると両手で体を抱きしめられる、あの筋肉でしっかり包まれると鰐ちゃんは激しく腰を動かしだす。

  

  ジュボッジュボッジュボッ

  

  「あっちょ!ま、待って鰐ちゃん!こんなの気持ち良すぎて!あぁぁ!」

  「はぁっんああ!凄いよ君のちんちん!奥まで届いてる!僕も気持ち良い所全部擦れてるっあぁ!僕のちんちんと当たってるぅぅ!」

  まるでトランポリンのように弾み、持ち上がればずるりと抜けて落ちる時にはまた体が打ち付けられる。激しく擦れすでにちんこはヌルヌルで摩擦なくスムーズに出し入れされる。奥では少し硬くなった鰐ちゃんのちんこと擦れ、それがまた気持ち良かった。

  力が入らなくなった俺は脱力するともはや鰐ちゃんのなすがままになっていた、まるでセックスドールだ。人形みたいにただただ性のはけ口として俺のちんこを使われる、それがまた俺を興奮させた。

  「やばっも……わ、鰐ちゃんイッちゃうって!」

  「出して!君の精子だして!僕のちんちん精液でいっぱいにして!ほらっほらぁっ!」

  「あっああぁ!待っもっイッ……!」

  動きはさらに激しくなり片手は離れないように俺の尻を掴み押し付けてくる。最上級の快感を前に我慢なんて言葉すらなくなり俺はあっけなく射精させられてしまう。

  「イクッイクっ!あぁぁぁぁぁぁ!!!」

  「僕もっ!僕もイッちゃうぅぅ!!」

  

  ドプッドプッドプッ

  

  互いに叫ぶと背をのけ反り中で吐き出す、二人分の精液はすぐにでもスリットの中を満杯にしていった。最後の一滴まで搾り取られるとぜぇぜぇと呼吸しながら体を持ち上げた。萎えたちんこを取り出すと鰐ちゃんは片手でスリットを開く。うわぁ本当に精液が溜まってる……。

  「はぁ……はぁ、凄い、凄すぎる……んん」

  驚いたことに鰐ちゃんは指をスリットに入れて精液で濡らすとそれを舐め取っていた。呆然としていたが自分と鰐ちゃんの混ざった精液を舐める姿は妙に興奮をそそられるものだった。今しがた吐き出したのにもう性欲が戻ってきた気がする。

  「君の精液……美味しいよ……」

  「わ、鰐ちゃん」

  「もう少し待ってね」

  ある程度舐めると中身が減っていく、残った精液は指で絡め取り足を持ち上げると肛門へと持って行った。鰐ちゃんは自分の穴に指を入れると喘ぎながら出し入れを始める。

  「はぁはぁ、もう少しで準備できるから」

  「こ、これってつまり……そういうことか?」

  「う、うんそう、僕君とセックスしたい……準備できるまで尻尾撫でてくれる?」

  言われてそれを見ながら太い尻尾を撫でる、それだけでも感じているのか声がより艶が入り身もだえしだす。太い尻尾の感触もなんだか新鮮で楽しい。指はだんだんと増えていって三本を咥えるまで広がった。ちゅぽりと引き抜くと真っ赤な腸内が少し見えてしまう。ここに今からちんこを突っ込むのか……こんな逞しくて可愛らしい鰐ちゃんの中に。ごくりと唾を飲み込んだ。

  「いいよ、来て、君のちんちん入れてほしいよ。早く繋がりたい、早くぅ……」

  蕩け切った顔は淫乱そのものだ、快感に酔いたくてうずうずした鰐ちゃんは両手で尻を掴み横に広げる。もうだめだ、こんなのを見てじっとなんてしていられるわけがない、そんなものは拷問だ。幸いここではそれを受けずに済む。

  尻尾の上に跨ると片手で持って穴に当てる、一度視線が絡むとうんと頷くのを見て中へと入れていった。

  

  ズブブ

  

  「あぁぁぁぁ!熱いっ太いよぉぉぉ!」

  びくびくと体を震わせると舌を出して喜んでいる、相当な感じ方だ。思っていたが見た目よりもずっと好色らしい。そんな鰐ちゃんの腸内はスリットに負けないくらいの名器だった。スリットと比べると締め付けが強く肉が硬め、しかし硬すぎるということはなくちんこ全てを埋め尽くし動いてもないのに中で脈動して搾り取ろうと動く、あまりにも気持ち良すぎて腰が砕けそうだった。

  「う、動いて……僕を蕩けさせてよぉ」

  「はぁはぁ、い、いくよ鰐ちゃん!」

  「うんお願い、激しくして、激しく――んあぁぁ!」

  

  パンパンパン

  

  お望み通り丸太のような太腿を持つと素早く腰を動かす、纏わりついてくる肉を無理矢理はがして突き入れる感覚はここでしか味わえないだろう、すぐにでも病みつきになった俺は無我夢中で鰐ちゃんを貪った。気持ち良すぎて腰が止まらない、もうまともな精神じゃいられないんだ。

  「はぁはぁ、凄い!君のちんちん凄すぎる!あぁぁたまらないよぉぉ病みつきになっちゃうよぉぉ!」

  涙目で喘ぎ散らす鰐ちゃん、気づけばスリットから赤黒いちんこが飛び出していた、なんて大きさ……俺のよりも一回り二回り大きくて長い。目の前にこんなご馳走があるのに手を出さないのは無礼というものだ。腰を振りつつすぐにでも両手を伸ばしてちんこを弄る。

  

  グチュッグチュッグチュッ

  

  「んあああああぁぁぁぁぁぁ!だ、ダメぇぇ僕壊れちゃう!ひあぁぁ壊れちゃうううう!!!」

  目が上へ行き舌は横からだらりと垂れて唾液を垂れ流していた。大丈夫だろうか?ちょっと尋常じゃない感じ方だ。しかしそれを見ると自分の中の欲求が燃え上がるのも事実だった、片手でちんこをひたすら擦りながら逆の手ではスリットの中へと指を入れ奥の方を指で挟むようにして擦る。前と後ろの二重攻めは相当刺激が強いらしくさっきから体は震えっぱなし尻尾は暴れっぱなしだ。

  

  パンパンパン

  

  「ひぁっあぁぁ!漏れる!漏れるぅぅ!ヒグッイッちゃうよぉぉおおお!!」

  そう叫ぶ鰐ちゃん、限界が近いことを悟るとスリットを弄っていた手を抜いて亀頭を包み込み回すように激しく撫でた。その瞬間ビクンと体が跳ねる。

  「ひあぁぁぁぁダメぇぇあああああああ!!!!」

  

  ドプッドプッドプッ

  

  手の平に温かい感触がしたと思った次の瞬間、周りへ飛び散りながら勢いよく精液が放出された。肛門がきゅっと閉まると強い刺激に俺もたまらず腸内へと射精してしまう。二人で喘ぎ震えながらどぷどぷと吐き出し続け、最後の一滴まで搾り取られると手を離して鰐ちゃんの体に両手を付く。鰐ちゃんのちんこはまだ軽くどぷりと出ていて体を汚していた。

  「ぜぇ……ぜぇ……凄い、僕頭おかしくなっちゃった……」

  「はぁ、わ、鰐ちゃん」

  「こんなセックス初めて、ありがとう凄く気持ち良かった」

  蕩けた顔でこっちを見ると恥ずかしそうに笑っていた、俺もだよと笑みを返すと頭を撫でてあげた。

  

  *

  

  部屋に置いてあったティッシュやタオルを使って後処理をする、一応拭き取れる物は綺麗にしたけどベッドはめちゃくちゃだ。これ……俺出禁にならないかな。急に心配になってきた。

  「よいしょっと。大丈夫だよ、僕がちゃんと言うから。うーん、今度から僕個室掃除も任されちゃうかなぁ」

  着替え終わって苦笑する鰐ちゃんに慌てて謝る、だが鰐ちゃんはううんと笑顔で顔を横に振った。

  「だって僕が掃除するなら汚してもいいってことでしょ?あのさ、また来てくれる?そしてこの部屋でまた……一緒に触り合おうよ」

  顔を下げると長い口先でキスをされた、すぐ離れると恥じらいながらえへへと頭を掻いていたんだ。

  

  外に出ると虎を見つけ鰐ちゃんがかいつまんで説明する。怒られる覚悟だったが虎は呆れたように笑いながら肩を上げた。

  「お前もこいつの餌食になったな。これが初めてじゃないんだ、気にするな……が!今度やったら本当にしばらくそうじさせるって言ったよな!?他の客も使うんだぞ!」

  「ご、ごめんなさいー!どうしても我慢できなくて!あ、あそこはちゃんと僕が掃除するから!」

  「まったく、今日はあそこは使えないから鍵を閉めとくが、少しは我慢しろよ。いいか?使ったらちゃんと、お前が!掃除するんだからな」

  怒った言い方だがその顔は笑っていた、肩をぽんと叩かれるとそのまま歩いて行ってしまった。

  「叱られちゃった。でも虎さんは優しいから見逃してくれた。僕が掃除するならまた使っていいって」

  鰐ちゃんは俺の方を向くと両手でハグをしてくる。大きい体を小さくさせて頬ずりをされる。

  「また来てほしい、君に夢中になっちゃった。他の人ともエッチなことしたりするんだけど、ここまで夢中になれたのは初めて。だから絶対にまた来て、そしてまた一緒にしようね。もし君がいいならそれ以外にデートとか……」

  「え?」

  「な、なんでもない!次来た時に話すよ!僕の時間迫ってるからもう行くね!じゃぁねー!」

  駆け足になると手を振りながらメインステージへの入口へと去っていった。擦られた頬をに手を当てながらしばらく鰐ちゃんのことを見続けていた。随分気に入られたものだ。俺もすっかり虜になってしまったが今日の所は帰ることにしよう、もう体がくたくただ。

  

  *

  [newpage]

  なんだか左から熱気を感じるような……?気になって見るとそこでの盛り上がりが凄かった。太った犀はステージの端で腹を揺らしながら踊り、その前に座るお客は笑いながらも興奮していた。

  「いいぞーもっと揺らせー!」

  「その腹叩かせろよーついでにちんこも触らせろ!」

  なんだか面白そうな雰囲気だ、興味が沸いて自然と足をそっちへ運ぶ。少し離れて座ると横からその盛り上がりを眺めていた。踊る犀は顎に髭を生やし耳の下まで伸びている、胸も腹も毛深くもさっと生えていて体中を汗塗れにしながら豪快に踊っていたんだ。獅子や鰐は艶めかしくゆっくりとだがこの犀はとにかく激しくエネルギッシュだ。

  「ほれほれわしのちんこ触りたいなら金が必要だぞ!」

  「相変わらず貪欲だなぁ、ほれ金だ金」

  「まいどありー!」

  チップを取り出した馬から金を取ると自身のパンツに挟み込み、手を取るとあろうことかそのままパンツの中へと入れてしまった。馬の鼻息が荒くなり嘶くように喘ぎ手を動かしている。

  「うぉー温けぇ、やっぱでかいなぁめっちゃ気持ち良い、あぁすげぇ」

  「へへへ、自慢のちんこときんたまだぜ。おらしっかり揉みやがれ」

  片手を股間に押し付けると腰を振る。馬はうへへと涎を垂らしながら必死になって揉んでいるようだ。周りのお客もそれを見て自分の股間を揉んでいる。

  なんてエロい場面、必死に我慢しているが正直俺も今すぐ自分のを揉みたいし犀のも揉みたい。できれば全身揉んでみたい。股間のボリュームも凄かったが犀の体はあちこちむっちりしていた。筋肉質な他二人とは真逆の脂肪たっぷりな体つきはさぞ触り心地が良いだろう、あぁ羨ましい。

  「っと、時間たっぷりおしまいだ。満足しただろうほれいつまで揉んでんだ」

  「あぁもう少しだけいいだろう」

  「追加の金があればな」

  渋々馬は手を戻す、今金がピンチなんだよなぁ……って、そんな状態でチップ渡したのか。恐るべき犀の魅力。

  

  横にゆっくり歩きながら腕を上げたり腹を揺らしたり股間を見せつけたり、様々なポーズでアピールしてくる。そしてやがて俺の前にもやってきた。

  「ん?なんだ新顔か?っへへ、夢の中へようこそスケベ野郎」

  「どど、どうも!」

  「あん?」

  うわぁ変な感じに挨拶してしまった。汗を流し緊張しながら出た言葉は思ってるよりもどもっていた。それを見た犀は不思議そうに俺を見た後にがははと笑った。

  「なんだなんだ、がっちがちじゃねえか。ここでそんな姿は似合わねえよ。緊張してんのか?」

  「えっと、は、初めて来たものでして」

  「おぉそうかよ、だがぁそんなんじゃ楽しめるもんも楽しめねえぞ。ほれ手ぇ出せ」

  「え、あの、はい――うわ!」

  言われるがままに差し出すといきなり掴まれ股間に押し付けられた。びっくりしていると犀は顎をくいっと動かし示す。ドキドキしながら恐る恐る揉んでみると犀は小さく呻く。うわっ大きい……柔らかい!

  「いいぜぇ気持ち良い、随分大人しいな、もっとがっつり揉めよ」

  次第に動作が大きく激しくなってくる。指を限界まで広げるとがしりと掴み何度も揉み込むように握ると犀はこれだこれだと呆ける。

  「あぁいいぜぇ、お前生ちんこ揉みたくないか?」

  「あ……と、揉みたいです」

  「チップくれりゃぁサービスするぜ?」

  にやにやと笑うと俺は手を戻し財布からいくらかの札を取り出した、それを差し出すとパンツの紐を引っ張って挟ませてくる。

  「まいどありってな!ほぅれ」

  「うわっあっ!」

  先ほどの馬と同じように俺の手はパンツの中へ。そこで得られる感触は素晴らしいものだった。柔らかくて温かくて湿っていて……最高だ。この感動はパンツの上からでは絶対に分からないだろう。

  「でかいだろう?へへへ、触った奴皆そう言うんだぜ。初めてらしいから兄ちゃんには特別サービスだ」

  「え?」

  手を引き戻されると犀はステージ端に立つ、ちょいちょいと指で手招きするから立ち上がると地面に膝を着かせられた。そして頭を掴まれるとぐっと引き寄せられる。

  「ぬおっ!」

  「へへへ、よぉく堪能しろよ?」

  なんと顔を股間に押し付けられたんだ、パンツ越しに伝わる熱と感触、匂い……理解するまで数秒かかったが我に返ると俺は興奮し自ら顔を押し付けてしまう。こんなことって……こんなことが現実に起きるなんて。

  「いいぜぇもっと求めろよ、ほれほれ」

  「んっんぐ」

  両手で頭を股間に押し付けたままずりずりと擦られる。少し痛いが柔らかな中が動いて気持ち良くちょっと楽しかった。

  「うおーエロい!いいなぁ羨ましいぞー!」

  「いっそしゃぶっちまえよ!少しくらいいいだろ!」

  「何言ってんだ!それはルール違反だ」

  野次馬のように叫んでくるお客に対応する犀、俺はその下でひたすら欲望と戦っていた。本当は舌だして舐めたいしちんこだってしゃぶりたい、でも追い出されたくはないからさ。

  「ん?っとやべぇやべぇ」

  「え、おわっ」

  急に引き離されたかと思うと悪いな、また後でなと言って横に歩いて行った。咳払いが聞こえたから横を見ると虎が立っていた。も、もしかしてやりすぎました?

  「いや、許容範囲だしお前は悪くないさ。楽しかったか?だがぁ目を光らせておかないとあの犀はよ、暴走しがちなんだ」

  椅子に座ると虎は腕を組みながら頭を横に振った。怒られなくてよかった……それに楽しかったのも事実だ。ちょっと臭かったけど柔らかかったし興奮したし。現実では得られないような出来事が体験できたのは運が良かったかもしれない。

  「行き過ぎた要望はちゃんと拒否するんだぞ?そうしないと……あいつみたいになるぞ」

  「あいつ?」

  言いながら歩いていく虎を見る、そこではカバの中年が大きな口を開けて犀の股に食らいつくように咥えていた。なんか見た目が凄い。

  「はぐっんん」

  「へへへ、美味いか?おいおい舌止めろって、パンツの中は禁止だ――」

  「おいこら!限度ってもんがあるだろ!今すぐ口閉じろ、だーそのまま閉じるんじゃない!」

  必死になって虎がカバを犀から引き剥がす、ようやく離れるとカバは頭に拳を一発貰っていた。痛そうだ……。

  「うげー虎に殴られたー!」

  「当たり前だばか!明らかにやりすぎだろ!お前もなに受け入れてんだよ、ダンサーならダンサーらしくしろ!」

  「へーい、気持ち良いんだしちょっとくらいよぉ」

  「ダンサー下ろして警備員でもいいぞ」

  「!?そ、それは嫌だ!こっちの方が楽しいし気持ち良い!」

  慌てて謝る犀にやれやれと溜息をつくと離れていった。叩かれたカバは涙目になりながら頭を押さえ、他のお客はそれを見て爆笑していた。

  

  「なんか……本当に凄い。まるで漫画やアニメの世界みたいだ」

  くすりと笑うと一旦俺は体の熱を冷ます為にバーに行くことにした、座るとキリンのマスターがよく冷えた水を出してくれたからそれを飲む。

  「はぁ美味しい」

  「満足してますでしょうか。笑わせてもらいましたよ」

  「え?あっ!は、恥ずかしい所見せました……」

  「いえいえ、あれが許される所なのです。まぁあまり過度にやるとあのカバのように叱られますが」

  はははと笑うキリンの視線を辿る、その先はあの犀だった。カバは懲りずに舌を出しながら口を開けそうになっている、その後ろで虎が拳を握って待機していた。なんだか漫才みたいで確かに面白い。

  「他ではこんなことできない、秘められた欲望を発散する場所が必要なのです。貴方も我慢せず心の底から楽しんでください」

  「ありがとうございます。マスターはここで働いて満足してるんですか?」

  「えぇ勿論、私もやはり雄ですし、まぁ……こういう所は好きですので。前は普通のバーで働いていましたが、ここで欲望を曝け出すお客を見ながらとでは断然違う、ここは私にとって天職のようなものなのです」

  なるほど……ってことはこのキリンも結構スケベなのだろうか?こういう場所が好きだというならやっぱりしたいされたいという欲望が?

  「え?えぇっとまぁ、完全にないとは言えないですかな。ダンサーになって見られたりは恥ずかしくてできませんが、お客様と猥談や時にスキンシップしたいとは思ったりします」

  「へへ、渋くてダンディーな人だと思ってたんですけど結構むっつりなんですね?」

  「……か、勘弁してください」

  照れ隠しに必死でコップを磨くキリンはどこか可愛く見えた。俺がビールを頼むとキリンはにこやかにジョッキを出してくれる、受け取る際に手が軽く触れると驚き赤くなった。

  「ここは欲望を我慢しなくていい場所なら、マスターも我慢しなくていいと思いますよ」

  「し、しかし……その、考えておきます。やれやれ、私としたことが」

  苦笑するマスターを見ながらビールを飲み干す、立ち上がって支払いを済ますと俺はほろ酔いで先ほどの席へと戻った。カバがいなくなってて周りを見渡したら壁際で説教させられていた。

  「お、戻ってきたなスケベ兄ちゃんよ、どうだ?また触りたいか?」

  にやにやする犀に頷きたかったがこれ以上のチップは少し厳しいかもしれない、ごめんなさいそろそろ余裕ないかもと伝えると残念そうな顔をするが、すぐににやりと笑う。

  「じゃぁツケといてやるよ、ほうれこっち来い」

  「わっあぁ!」

  驚いたことにステージから降りてしまい、腕を引っ張られると立ち上げさせられ抱きしめられてしまった。力強いハグのまま犀は体を上下に擦り腰を揺らす。俺の勃起した山が犀の柔らかい股間と擦れ喘いでしまう。

  「うぉぉエロ、たまらねぇ」

  「いいなぁ俺もあれされたいなぁ」

  ずりずり、ずりずり、片手を頭に添えると頬ずりまでされる、髭がちくちくしてこそばゆくされたい放題の俺の能は軽くパニックになっていた。どうすることもできずだけど体はこれを受け入れていてこの瞬間を楽しんでいる。ようやく体を離されると犀と視線が絡み、顔を近づけてくる……え?いや待ってこれってキス――

  「こらー!」

  「うおっやべ!っとと、さっきのは奢りだ!次は金用意してくれよ!」

  遠くから虎の怒号が聞こえると犀は苦笑しながら戻っていった。へなへなと力が抜けた俺は椅子に座り脱力する。もしあそこで虎が気づかなかったら本当にキスされてた?あのでかい分厚い口で……あの太った魅力的な犀と……?考えれば考えるほど興奮して股間に小さなシミを作ってしまう。先走りも沢山出ているのだろう……さっきから勃起が収まらないや。

  

  *

  

  ぼぉっと眺めているとやがて音楽が変化したのに気づく、光の雰囲気も変わるとダンサー達は手を振ってステージ奥のカーテン後ろへと消えていった。なんだろう?何かイベントでもあるのかな?

  「さぁて次のダンサーがくるぞ、楽しみだ」

  いつの間にか横の椅子に座っていた狐の中年が頬を染めながらにやにやしている、勇気を出して話しかけると狐は優しく教えてくれた。

  「知らないのかい?ここでは時間でダンサーが代わる代わる踊るんだよ。まぁそりゃぁ何時間もずっと踊ってたら疲れるだろうから複数用意してあるんだろうなぁ。俺はもっぱらダンサーの踊り目的だが、踊っていたダンサーはこの後自由にこの店を歩けるらしい。ほら見てみろよ」

  指を差す方を見ると獅子や鰐が他のお客と話をしていた、服もちゃんと着ているし、この自由な時間でコミュニケーションを取っているようだ。そういうシステムなのか。

  「お!きたきた!ひゅーエロいぞー!」

  狐はすっかり次のダンサーに夢中だ、俺は先ほどあった犀のことが忘れられず、休憩しているなら今のうちにと立ち上がってトイレに行くことにしたんだ。

  

  パタン

  

  「はぁ……疲れたけど凄かった、こんな店があるなんて。今まで見向きもせず通り過ぎてたなんてもったいなさすぎたな」

  ようやく落ち着いてきて勃起も収まってきた。小便をしていると扉が開き誰か入ってきたようだ。

  「お?さっきの兄ちゃんか」

  「え、あ!さ、犀さん!」

  「へへへ、よぉ」

  どうやら犀も同じように用を足しにきたみたいだ、今は普通に黒いワイシャツを着ていた。隣に並ぶとズボンを下ろしてずるんとでかいものを取り出し小便を始める。

  「どうだ?初めてにしちゃぁちょいと刺激的すぎたか?」

  「そ、そりゃもうそうです。この店もそうだし、犀さんとのやり取りも、あんなの初めてすぎてちょっと……まだ心臓ドキドキしてます」

  「がはは!初々しいなぁ、お前みたいな奴はここじゃ相当珍しいぞ。まぁそのうち他の連中みたくなるかもしれないがな」

  踊っていない犀さんは少し雰囲気が違って見えた、相変わらず豪快なのだが無理矢理感はなくどこか話しやすい。これが素の表情なのかもしれない。と思っていた矢先にやりと笑って片手を肩に回してくる。

  「可愛いなぁお前、他のどスケベ中年と違ってよぉまるで誘ってるみたいじゃねえか」

  「い、いや俺はそんなつもりは――」

  「がっはっは!馬鹿正直に受け取っちまいやがって。なぁ……わしが誘ったらお前は乗ってくれるか?」

  「え!?」

  それってどういうことだ?意図が分からずにいるとなんだい説明受けたろ?って。話を聞くとどうやらこの店には個室の休憩場所があるようだ、気分が悪くなった、ちょっと休みたい、仮眠を取りたいなどなど、何かしらあった時に使える場所があるそうな。

  「なんだあの虎も抜けてんなぁ。まぁつまりそういうこった、どうだ?わしとよぉ……気持ち良いことしたくなったんじゃねえか?んん?」

  「あぅっあ、さ、犀さんっ」

  片手を下げた犀は俺のちんこを掴むと雑に扱いてくる、刺激に喘ぐが俺は拒否も抵抗もしなかった。そのうち優しくねっとりとした手つきになり、下から覗き込むようにして俺を見上げてくる。

  「なぁ?へへ、いいちんこ持ってるじゃねえか。こいつで楽しませてくれよ。勿論わしのちんこも触らせてやる。どうだ?おっさんの誘惑に乗っちまうか?」

  顔が近づき何度も俺を誘ってくる、はぁはぁと呼吸が乱れ顔が熱くなっていく。完全に勃起したちんこを扱かれる度に少しずつ俺の思考は溶けていき、ついには頭を縦に振ってしまった。

  「よぉしいい子だ、そうこなくちゃな。そんじゃぁ個室へ行こうぜ?精一杯楽しもうじゃねえか」

  連れ去られるように移動すると二人でトイレから出たんだ。

  

  *

  

  パタン

  

  個室に入ると中を見る、狭い部屋にベッドとテーブル椅子が一つずつあった。後ろから両肩を掴まれ一緒に奥まで行くと振り返らせてくる。

  「ようこそ夢の中へ、そしてわしの夢へ。へへへ、そんじゃぁよ……やることやろうじゃねえか?」

  両手を掴まれると引き寄せられシャツのボタンを触らせられる、顔を見るとにやにやして何も言ってこない。俺はドキドキしたままボタンを一つ一つ外していく、やがて露になると腕をこっちへ向けてきた。どうやら俺に全てを任せたいらしい。シャツを掴んで腕を通し脱がすと今度はベルトを掴んで引き抜きズボンを脱がしていく。

  「いい子だぞ、利口じゃねえかよく分かってやがる。よぅしよぅし」

  頭を撫でられるとちょっと嬉しい……ぱさりとズボンが落ちると足を上げて横に退け、今度はパンツも掴んで脱がしていく。思ったより地味な普通のトランクスだった。

  

  パサッ

  

  「ふぅ、やっぱ裸の方が開放感あるな。どうだ?兄ちゃんが求めてたもんだぞ?」

  露になった股間を見て俺は度肝を抜かした。手や顔で感触が分かっていたのだけど実物を生で見るのではまったく違ってくる。萎えていても太く大きいちんこ、それに根元から皴を伸ばしてぶら下がる重そうなキンタマ。そのどっちもが真っ黒に近いほど黒くて亀頭は沢山使ったのだろう濃い赤をしていた。根元は陰毛がびっしり生えていて男の俺ですら一瞬で魅了されるくらい立派で男らしい股間だった。

  「いい顔になったな、ほらほら気持ち良くしてくれよ」

  耳を掴まれると頭を押され股間に顔を押し付けられる、遮るものがなくなった生の股間は想像以上の興奮と快楽を俺に与えた。凄く柔らかい……匂いも強い……うっとりとした顔で口を開くとキンタマの一つを舌の上に乗せて吸い込んでいく。

  「うぉっと!へへへ……お前はそういう趣味か?いいぜぇわしもそっちはお気に入りだ」

  分厚い皮に包まれた玉、口の中に入れるとちょびちょび生えた毛が少しこそばゆい。下から持ち上げるようにちんこの根元に口先をくっつけると唾液塗れの口の中で舌を動かしキンタマを味わっていく。しょっぱさすっぱさ、キンタマの味、匂い……濃くてどこかおじさん臭くて最高だ。求めていた物はここにあったんだ。

  

  チュプッチャプッ

  

  「はぁぁぁたまんねぇ、きんたまそんなに好きか?へへへ……いいぜぇわし並みの貪欲さ、ほれほれ好物なんだろ?」

  「んぁっんん!」

  ちゅぽんと引き抜かれると間髪入れず顔を押し付けられる、キンタマの間に鼻先を押し付けられると鼻腔の中に陰嚢が入ってくる、直接中で嗅がされる匂いはとても濃厚だ、呼吸が苦しくなって口を開けると舌を出して玉裏や会陰まで舐めていく、蒸れていてじっとり濡れたそこが味わい深いと思うほどに俺は狂ってしまったかもしれない。自分でも気づかなかった、本当の俺はこういう性格なのだろうか。

  「よしよしちゃんとできたな、ほら褒美だ」

  片手でちんこを掴むと俺の口に入れてくる、根元までしゃぶり込んだのを確認するとすぐにでも腰を振ってきたんだ。今度は布越しで擦るだけじゃない、ちゃんと生ちんこをしゃぶれた状態で腰を振られている。口の中で激しく皮が擦れ、差し込まれれば陰毛が鼻をくすぐり雄の匂いが入ってくる。脳が痺れるほどの光景、味、匂い、音……俺の五感全てを通して快楽が能を取り込もうとしてくる。

  

  グチュッグチュッグチュッ

  

  「おぉぉやべぇ!真面目そうな顔してエロいこと大好きなど淫乱ってか?くそっ気持ち良すぎて長くは持たねぇ!」

  中腰になるとより激しく強くなる振り、顎にキンタマがぶつかって痛みを感じるほどだ。俺はもう目を半開きにして流れに身を任せていた。激しく口を使われることを喜々として受け入れていたんだ。あぁこんな人生があったなんて……もっと早く知りたかった。

  「イクッ!イクぞっ!わしの精液漏らすなよ!うおおおおおお!!!!」

  

  ドプッドプッドプッ

  

  「んぐっんぐっ!」

  ずしんと突き入れると口内で大射精をしてくる、まるで小便のように吐き出すそれを俺は必死こいて飲み込んでいた。どんどん出てくる精液だが意外とスムーズに飲み込めている自分に驚きだった。犀の精液は少し苦くちょっとくるしいがそれでもこの人から作られたこの人だけの物と考えると嬉しさの方が上だった。

  「はぁはぁ、本当に一滴も零さず飲むとは、想像以上だなお前」

  「っぷは!はぁはぁ、さ、犀さん……」

  「エロい顔になりやがって。へへへ、まだ足りねぇって面だな?おら立てよ」

  その場で立たされると今度は犀が俺の服を脱がしてくる、互いに全裸になると迫ってきて顔を近づけてきた。

  「あの時ぁ途中で止められちまったからな、さぁてようやくだぜ」

  「んんんっ!」

  何を言う間も与えられずキスをされる。舌が伸びてきて口内に入ってくるとすぐさまこっちの舌と絡めてごしごしと擦られる。唾液を拭われ、唾液を送られ、二人の唾液を交わらせ互いに吸いあう。何とも豪快で荒々しい横暴なキス……何とも男らしいキス。まるで支配されているかのようだった。犀は上、俺は下。主従関係を意識させられこの人の為なら何でもしたいしされたいと思わせられてしまう。

  「っぷは!楽しいだろ?」

  「げほげほ、は、はい楽しいです」

  「よしよし、こういうのはどうだ?」

  胸にもさりと生えた毛の中に突っ込まれる、雄の体臭が鼻を口を覆っては俺の中を充満していく。食道さえ漂ってそうだ。舌を出して毛繕いをするようにぺろぺろ舐めると犀は満足そうに軽く呻く。

  「あぁいぃ……わしの気分も最高潮だ。ようし頑張ったお前に特別な褒美だ、嬉しく思えよ。そらっ!」

  「わっ!」

  

  ボフッ

  

  ベッドに押し倒されるとすぐさまごろんと転がされうつぶせにされる。両手で尻を広げると何の躊躇もなく舌で穴をこじ開け中を舐められた。ただでさえ初めてなのに手荒くされて熱や刺激で身もだえてしまう、だが犀はそんな俺に情けを掛けない。自分のやりたいことをやるとでも言うように俺を待つことをしなかった。

  「っはぁ、よし慣らしていくぞ、初めてか?」

  「はぁはぁ、そ、そうです」

  「ようし、泣き叫ばれちゃ困るからな、ちったぁ手加減してやるか」

  そうは言うが指を当てるといきなり奥まで突っ込んできた、痛みや違和感に震えるとその後は動きがゆっくりになった。最初こそ辛かったが時間が経つにつれて痛みや違和感は緩和されていく。俺の反応を見てながら犀は指を二本三本と増やしていったんだ。

  

  「ようしこんなもんでいいだろうよく頑張ったな。ほれ褒美だ、がっつりセックスしてやるから覚悟しろよ」

  「はぁはぁ、犀さんっんんぁぁぁ!!」

  

  ズブッ

  

  心の準備なんて与えてはもらえない、次の瞬間にはもう奥までちんこを突っ込まれていたんだ。痛みはあまりなく多大な快感が俺を襲う。ぽっかり空いた穴に適切な物をはめ込まれる充足感。熱くて太くて腸を通じて震えているのが分かった。

  「ぉぉおすげぇぞ、良い締まりだっ気持ち良い!こうされたかったんだろ!ほれほれ!」

  「あっあぁっんっぁ!」

  腰を掴むと激しく打ち付けてくる、ぱんぱんと甲高い音がしそれはやがてぐちょぐちょとした粘着質な音に変わる。あのデカいのが先から根元まで出入りを繰り返し、俺の感じる部分を余すことなく刺激してくる。突っ込まれた瞬間からもう思考は放棄しただただ快楽を求めてしまう。

  

  パンパンパン

  

  「はぁっはぁっ!ほら起きろよ、もっと良くしてやるから。夢のもっと深い所へ連れてってやる」

  肩を掴んで起こしてくるとベッドの上で膝立ちをする、後ろから延びた手は俺の硬いちんこを掴み激しく扱いてくる、同時にもう片方の手では乳首を指で挟んでつねるように弄る。

  「あぁぁっあぁ!だ、ダメです!犀さんそんないっぺんに!あぁぁぁ!」

  「へへへ、その声が聞きたかったぜぇ、あぁ締まりが良くなった、おぉぉ気持ち良い!気持ち良いっ!はぁはぁ!」

  言いながら俺の耳にマズルを当てると舌を出して舐めてくる、上も下も真ん中も……もうめちゃくちゃだ。こんなに沢山の刺激と快感……処理しきれない。気が、気が狂っちまう!

  

  グチュッグチュッグチュッ

  

  「あっあぁぁ!漏れる!イッちゃう!イクイクイクゥゥウウウッッッ!!」

  

  ドプッドプッドプッ

  

  耐えられなくなった俺はベッドに向かって盛大に射精をする、出ている最中でも犀の腰や手は止まらず俺を窮地に立たせる。

  「ぐおおお絞られる!わしもイクぞ!はぁはぁ!がああああああ!!!」

  

  ゴプッゴプッゴプッ

  

  両手を離しぐっと抱きしめられると肩に頭を乗せてきてそのまま中で射精をされる、ごぷごぷと音さえ聞こえてきそうなほどの射精……特濃の精液は腸を一瞬にして膨らませていった。熱い……もう体中が熱い。

  「はぁ……はぁ……」

  すべて出し切った犀は荒く呼吸をするとそのまま一緒にベッドに倒れる。重くて一瞬潰れるかと思ったがこの重さがどこか心地良い。

  「あ~最高過ぎた、兄ちゃんの口も尻穴もわし好みの一級品だ。どハマリしちまった」

  「はぁはぁ、お、俺も犀さんと出来てとても嬉しかったです……病みつきになっちゃいました。後退いてくれないと俺死んじゃう……」

  「おっと悪い悪い」

  割と本気で呼吸が苦しかった。よっこらせと退くと犀は壁に背を預けて片膝を立てる。俺も起き上がると同じようにして凭れた。

  「どうだ、この店は好きになったか?」

  「はい、勿論もう毎日来たいくらいです。その、主に犀さん目的で」

  「がはは!お得意様が一人追加ってか。わしもお前が気に入ったよ、その口ぶりからするとまた来るんだろ?……なぁ、来てくれるよな?」

  先ほどの勢いから一変して少し寂しそうだ、そんな犀にこっちから顔を近づけキスをした。

  「ぬおっん!」

  「えぇ必ず。その時はまた目の前で踊ってくださいね」

  「……がはは、がっはっは!おぉよ!兄ちゃんの前でずっと踊ってやる!サービスするから金も用意しとけよ?」

  もー本当に貪欲なんだからぁ。苦笑すると犀はとても嬉しそうに大笑いしていた。

  

  *

  

  体を拭いて綺麗にすると個室から外に出る、たまたま近くにいた虎は俺達を見ると半目になってゆっくりと近づいてきた。なんかちょっと……やばそう。

  「お前達、何をしてた。なぁにぃをぉしぃてぇたぁ?」

  「えっとその――」

  「そりゃぁあれよ、セックスをだなぁ」

  途端に虎の顔が歪むと犀は拳を一発貰った、俺にも来たからすぐに目を瞑るとぱっと手が開きぽんと頭を叩かれる。

  「さすがに初めて来た客を殴れねえよ、こいつにかどわかされたんだろ?」

  「痛ってぇ、人聞きの悪いこというなっての、合意の上だ」

  このままだと一方的に悪者にされちゃうのではいと頷いた、はぁとため息をつくと虎はじゃぁお前にもだとおでこにデコピンをされてしまった。結構しっかり痛かった。

  「この後の掃除考えろよ、苦労すんの俺なんだぞ……お前給料減らすよう頼んどくからな」

  「なっそ、それは勘弁してくれ!な!?後で奢ってやるから!」

  「そう言われて俺は何度も見逃してきたんだぞ、仕事増やしやがって。もう知らねえからな。あんたも真面目そうだから断り切れなかったんだろうけどよ、気を付けてくれよ?大変なだからよ」

  これにはもう平謝りするしかなかった。俺の謝罪を聞くと虎は一瞬驚いて苦笑する。

  「ほうら真面目だがはは、でも気持ち良かったんだろ?」

  「え?」

  「当たり前だ、わしとセックスしたんだからよ」

  「まぁ満足したなら良かった。今度使う時は汚さないように注意しろよな」

  ぽんぽんと肩を叩くとひらひら手を振って歩いて行ってしまった。今度使う時は?つまり汚さないようにすれば……いやいや流石にそんなわけないか。

  「後であいつに色々奢ってやらないとな。それはそうとだ、これからわしは戻って休憩する。また会える日を楽しみにしておくからな兄ちゃん」

  「はい俺も!また来ます!」

  そっと近寄る犀は頬赤くするとぼそっと呟く。

  「今度よ……一緒に飲みにいかねえか?色々話したくてよ」

  「え!?お、俺でいいなら!」

  「ほっ、良かった良かった。断られるんじゃないかと思ったぜ、そんじゃぁそれも込みで楽しみにしておくな」

  また会おうぜ!言いながらドスドスと歩いて行ってしまった。それを目で追いながら先ほどの約束のことを考える。酒を飲みながら豪快に笑って騒ぐ犀のダンサー……うん良い。これは早めに実行せねば。

  っと、今日の所は帰ろう。色々搾り取られたりもう疲れ果ててしまった。体中が色んな汁に塗れて臭い。家でゆっくり休もう。

  

  *

  [newpage]

  「ん?俺に用か?」

  そろそろ帰ろうと話すと虎はそうかと頷いた、チケットを見せるとよしと言って横の扉を見る。

  「そのチケットは店が終わると使えなくなってまた買う必要がある、それまでは何度でも出入りできるんだ。まぁもう少しで今日の祭りは終わるけどな。楽しかったか?」

  「凄かったです。なんか……最初は場違いかなって思ったんですけど、とても楽しめました。また来ようと思います」

  「そいつぁ良かった、帰り際まで律義に……本当にお前は真面目だな。また来いよ!待ってるぜ」

  そうそうチケットはここで廃棄もできるし持って帰ることもできるがどうする?聞かれた為思い出として持って帰ることにした。中には家で見つかると不味いからって処分を頼む人もいるらしい。俺は多分何回も来ることになると思うから回数を知っておくためにもね。

  扉を開けるとと失礼しますと。苦笑した虎はまたなと言って手を上げてくれた。

  

  廊下を歩き豚に帰ることを伝えると笑顔でありがとな~と言われ会釈をする、外に出ると牛もいたから同じように伝えた。

  「その、きっかけをくれて有難うございました。とてもすっきりしました」

  「気分転換になったなら良かった、ここはいつだって誰だって受け入れる夢の中だ、また遊びに来てくれよ」

  「はい!そうします、なんなら牛さんとも遊びたいなぁなんて」

  ふわふわした気分で冗談を言うと驚き頬を赤くしてそっぽ向いた、尻尾が揺れている……。

  「草食動物だからってがっついてくるなって。俺はただの警備員、そういうのは中でダンサーとしてくれ。まぁ……少しくらいは喋ってもいいけどよ」

  ちらりとこっちを見てすぐ視線を外すと鼻先を搔いていた、はははと笑うと楽しみにしてますねと。頭を下げると手を振った、それを見て牛も笑顔で手を振ってくれた。

  

  *

  

  凄かった、本当に凄かった。未だに俺はこれは夢だったのではと思ってしまうくらい、まるで現実味がなかった。だが記憶も体の感触も全てが本物で覚えている。疲れたが色んな意味で発散できた。

  「また来よう、絶対に来よう」

  すっかりお気に入りの場所となった俺は欠伸をしながら家へと向かったんだ……。

  

  

  完