雄獅子獣人が報復を受け、雌獅子として性欲に溺れるまでのお話。
――自分で言うのもなんだが、俺はかなり恵まれていると思う。[[rb:獅子獣人 > にくしょくどうぶつ]]として産まれ、筋力も体力も同族より遥かに高く、自慢のたてがみは雄々しさと気高さを更に引き立ててくれている。そして、恵まれた部分があれば生活に更なる恵みがもたらされるのは当然の事。友人は沢山いるし、異性との交遊――肉体関係含めて――は既に数十回は経験している。強いて恵まれていない点を挙げるとするなら、本当は性格が悪いのに表に出ないよう必死に隠して過ごすのが疲れるってところか。
「あの……リオンさん」
高校からの帰り道、俺は見知らぬ雌に声を掛けられた。毛はボサボサ、古臭い眼鏡を掛けて顔もパッとしない雌の牛獣人だ。ただ、胸だけはとても大きい。服の上からでも分かるほどにゆさゆさと無秩序に揺れている。正直言って、顔さえ良ければすぐにでもナンパして連れ込みコースって感じの肉付き具合だ。
「何か用? 今日は用事があってすぐ行かなきゃいけないんだよ」
だが、今日はそういう気分じゃない。大方俺に告白でもしに来たんだろうが、今日だけでも数回はされてて流石に飽き飽きだ。顔さえ良ければ受けたんだがなあ。まあいい、適当にあしらってとっとと諦めてもらおう。
「やっぱり、覚えてるわけ無いですよね。それでこそ復讐しがいがあるというものです」
「はあ?」
初めて会ったばかりだっていうのに復讐? こいつ頭がおかしいんじゃねえのか。それとも誰かと勘違いしてるとか?
「大丈夫ですよ。嫌でも思い出すことになりますから」
何だ、急にコイツの目が光りだして――う、頭が、目が、回る?
「ふふ、じっくり時間を掛けて変えてあげますからね」
ふざけるな、ねむ、い、こんなことが許されると思っ、て――。
◇
眠い。暗い。寒い。俺は一体何処に連れてこられたのだろうか。麻酔か睡眠薬かは分からないが、俺は眠らされて、それで――監禁されているらしい。服は剥ぎ取られ全身の体毛が丸見え。手足は壁から伸びている鉄の鎖で繋がれ数メートル程度の自由しかなく、その上ご丁寧に鉄格子で外へと出られないようにまでしてある。窓は無く、灯りは机や壁に設置してある蝋燭の火だけ。まるで中世の独房か何かだ。
「あら、目覚めたのね」
あの忌まわしい雌の声が聞こえる。声のした方向を見ると、暗がりから一糸纏わぬ姿の雌牛が胸を大きく弾ませながらこちらに擦り寄って来ているのが見えた。
「こんな所に監禁するなんて犯罪だろうが! 解放されたらお前覚えてろよ!」
俺が鎖をジャラジャラと鳴らしながら脅かしても雌牛は涼しい顔のままだ。それどころか、俺のことを見る雌共と同じ瞳をしている。監禁して、復讐だなんだと言いながら俺へ愛情を向けているんだ。どう考えてもまともなヤツじゃない。
「これからリオンさんには今までしてきた悪行を償って貰います。ただ、私が何者か分からないままだとかわいそうですし――」
雌牛は鉄格子の内側に入ってくると俺に対してその豊満な肉体を押し付けてきた。噛みついて抵抗してやろうかと思ったが、何故か抵抗する意欲が湧かない。そうしているうちに俺の顔は規格外の乳房の間に挟み込まれ、俺の腹に雌牛の柔らかい脂肪の乗った腹が押し付けられる。柔らかさと温もりで何とも心地良い。
「思い出してもらうにはこれが一番だと思うんです」
ぴちゃぴちゃと水音が独房内に響く。この音は聞き覚えがある。こいつ、密着してきた上で自分のマンコを指でぐちゃぐちゃにしていやがるんだ。クソ、イカレた変態め。俺に一体何しようってんだ。
「ヤリ捨てた相手のことは忘れても、肉体は覚えているモノですからね……うふふ。ココで思い出させてあげます」
雌牛はそう言いながら、不本意にもガチガチに勃ってしまったチンポを不器用に愛撫してきた。ヤリ捨てた――ダメだ、相手した雌のことなんざ覚えちゃいない。
「こうして、んっ、密着させながらだと触るのが難しいですね、ああっ♡」
雌牛は片手で自慰をしながらもう一方の手で俺のチンポを激しく扱いてくる。牛獣人特有の硬質な蹄を持った指が痛気持ち良い。こんな状況なのに、俺のチンポは射精したくてたまらないといった具合に震えて先走りを垂れ流してしまっているのが悔しい。
「お互いに、んあっ、準備が出来たところで――いっぱいナカに出してくださいねっ♡」
チンポを扱く手が止まったかと思えば、そのまま俺のチンポは雌牛の手に導かれ穴に――マンコの中に挿入させられた。うねる内壁が俺のチンポから搾り取ろうと激しく収縮を繰り返し、それを更に促すように雌牛も前後に腰を振って刺激を加えてくる。
そうだ、確かにこんな雌が居た。俺が唯一主導権を握れなかったセックスの上手い雌。同い年だというのに異常なほどに性的魅力を持っていたから、声を掛けて――されるがままに搾り取られて終わった苦い記憶。どうして忘れていたんだろうか。いや、忘れたかったのか。俺が、俺のプライドが許せなかったんだ。それで逃げるように関係を切って。でも、こんな性格だっただろうか。根暗でやりこめやすい至って普通の[[rb:牛獣人> そうしょくどうぶつ]]だったはずだが。
「その顔、思い出してっ、くれ、あぁあん♡ 思い出してくれたのね、これで復讐される理由は、うぅん、分かったかし、いぃっ♡」
ヤリ捨てただけ、しかも子供がデキたとかそういうわけでもなさそうなのに復讐されるのは納得いかない。俺が誰と行為してどんな結果になろうがいいだろうが。俺とセックスして気持ち良くなれてるんだからな。それに、だ。
「これのどこが復讐なんだ? ただ監禁してセックスしてるだけじゃないか」
雌牛は嬌声を上げて気持ち良さそうにしているだけだ。とてもじゃないが復讐なんて言ってるやつがする行動じゃない。それとも復讐に繋がる何かがあるのか。
「ん、あー……これは別に思い出してもらうきっかけになればいいかなっていうのと、最後くらい気持ち良く射精させてあげたいからやってるだけ。このまま最後を迎えるのは可哀そうだもの」
「最後くらい……?」
最後、ってなんだ? 終わったら俺を殺すつもりなのか。う、ダメだ。締め付けが気持ち良すぎて、考えてられない。
「苦しそうな顔。いいのよ、びゅーって出して。私もお手伝いしてあげるか、らっ♡」
「ぐ、ううっ、更にはげし、激しすぎるっ――ああっ」
――出してしまった。また主導権を握れないまま情けなく搾り取られて。雄としてのプライドが傷つけられて仕方が無い。
「相変わらずすっごい量……私を孕ませようといーっぱい出してくれたのね。これだけ出せればもう満足でしょう――ん、あっ♡」
雌牛は俺のチンポを引き抜くと一歩後退り、俺の身体を解放した。といってもまだ鎖に繋がれているから自由に動けないのは変わらない。拘束を解く気配も無いし、まだ何かされそうだ。俺は射精で消耗した心と身体を奮い立たせ、次なる責め苦に身構えた。
「さて、雄としての快楽を満喫出来たところで――ここからがお楽しみの時間よ。リオンさんを私好みに書き変えてあげるの。まずはどこにしようかしら」
案の定、雌牛は俺に何かをするつもりらしい。何をするつもりかは知らないが、何をされようとも絶対に耐えて逆に復讐し返してやる。そう身構えたのはいいが、雌牛が取ったのは予想外の行動だった。俺のまだ吐精したばかりの敏感なチンポを再び手で握り込んできたのだ。
「まだまだ元気なんて流石リオンさんね。あーあ、こんなに立派なモノを持ってるのに犯した責任を取らないダメ男なんて残念だったわ。そうじゃなければ毎日毎日セックス三昧の良い夫婦になれたのに」
狂った理想を呟きながら雌牛は俺のチンポを愛おしそうに、花を触っているかのように優しく扱う。
「リオンさんにとっても、私にとっても――見納めね」
「は――ああっ!?」
突然雌牛がチンポを強く握り込み、もう片方の手で上から圧迫し始めた。異常な快楽と共に俺のチンポが、俺のチンポが小さく圧縮されていくのが見える。一体、何がどうなってるんだ!?
「リオンさんは子供の頃からおちんちんが大きかったのかしら。それとも普通くらいだったのかしら。今がちょうど普通くらいのサイズだけれども」
雌牛の手から大きく溢れてた俺の自慢のチンポが、今じゃ手の内に収まるほどに小さくなっている。そうなってもまだ異変は続いていて、手の内でグッと力を込められればどんどんと小さくなっていくのが触感で理解できてしまう。
「ここまでくると赤ちゃんくらいかしら。亀頭が露出してるからギリギリ大人っぽいわね、くすくす」
雌牛の言う通り、俺のチンポは小指の半分程度の大きさにまで縮小し、タマもそれに合わせて小さくこじんまりとしたものに変わってしまった。これじゃあ挿入なんて出来たもんじゃないし、もしかしたら射精すらもう出来ないかもしれない。
「こんな、こんな子供チンポじゃ恥ずかしくて人前に出れねえよ」
俺の密かな自慢だった巨根が使い物にならなくされ、惨めな姿にされ、俺は思わず涙ぐんでしまう。思考まで子供に戻ってしまったのか――そう震える俺を見てなのか、雌牛は高らかに笑い始めた。
「何が可笑しいんだ!」
精一杯の抵抗で大声を出すも、雌牛は笑いを止めない。それどころか、人差し指を一本だけピンと立ててチンポの成れの果てに優しく乗せてきた。
「だって――まだ終わってないのに終わったかのように言うんですもの」
そう言い放った瞬間、雌牛は指に力を込めてチンポを押し込み――めり込んだ。そう、俺のチンポとタマが、股間にめり込んで、見えなくなっていく。痛みも無く、衝撃も無く――ただ快楽だけを伴って、俺の雄たる象徴は姿を消した。
「は、え、はぁ!?」
思考が追い付かない。これまで十数年付き添ってきた相棒がただ圧迫されただけで跡形もなく消えてしまうなんてことが有り得るのか。いや、有り得るからこうして、チンポが、消えて――あっ!?
「いぃっ!? し、しびれ、なにこれっ♡」
雌牛の指がどんどん身体の中へとめり込んでいくのが気持ち良くて、おかしなことが起きてるのに声が止まらない。指が沈んで穴を掘り進めていくような感覚が頭を突き抜ける度に射精ほどで無いにしろ、じんわりとした快楽が俺の身体と声を震えさせてくる。チンポが小さくなって、股間に穴が開くような感覚――もしかして、俺は、俺は。
「うふふ、そろそろかしら――ねっ!」
「いぎぃぃいいいいいい!?」
身体が槍で貫かれたかのような衝撃。呼吸が苦しく、目の前がパチパチが光って思うように動けない。何とか呼吸を整えて股間の方へ視線を向けると、太ももを伝わって滴り落ちる体液の存在とその体液を浴びたであろう雌牛の腕が辛うじて見えた。そして――。
「ふふ、あははっ! 可愛らしいおまんこが出来たじゃない。クリトリスが大きいのは雄としての最後の抵抗かしら」
俺の股間にはマンコが付いていた。チンポの名残を感じる大きさの――といってもチンポに比べたら極々小さな――クリトリスと、ぷっくりと膨らんだ脂肪の内側にはびらびらとしたグロテスクなモノが微かに見える。そして、そこからは溢れ出る愛液であろう液体が股間とその近辺に垂れ流されていた。俺はもう、精液を出すことは未来永劫出来ず、チンポを受け入れるための準備しか出来ない性別に、雌になってしまったんだ。持って生まれた物を失ってしまった俺は、声も出ずただ悲しむことしか出来なかった。
「びっくりして声も出ないって感じね。さて、お次はここね」
まだ俺に何かするのか、そう言い放つ前に雌牛は俺の乳首を摘まみ上げてぐりぐりと弄り始めた。最初はこそばゆい感じはするものの、先ほど感じた快楽と比べれば大した感覚ではなかったものが、弄り続けるにつれて徐々にマンコへと切ない疼きを与えるように鋭さを増していく。
「ああ、硬い胸板。身体を安心して預けられる頼りがいのある身体。これが別の形で頼られるような身体になるだなんて勿体ないわね」
雌牛はそう言いながら俺の乳首をギュッとつねりながら強く引っ張った。
「んああぁっ♡」
ただ強く引っ張られただけなのに快楽で再度絶頂を迎えてしまった。でも、絶頂を迎えたばかりで身体が敏感になってるからといってこんなに気持ち良くなるものなのか――そんな疑問は、俺の胸元で揺れる柔らかな球状のモノが答えを示してくれた。おっぱいだ。俺の呼吸に合わせるように揺れる脂肪の塊。その弾むように揺れる塊は柔らかさの象徴であり、鍛え上げた俺の硬い筋肉はどこにも見当たらない。そして、その先端には当然乳首が鎮座しているのだが、その色はピンクに染まり、引き伸ばされた影響かぷっくりと膨らんで摘まみやすそうな形へと変貌してしまっていた。
「やめ、乳首びりびりしてっ、おっぱいも揉むなぁっ♡」
「うーん。もっと狼狽するところを見たかったんだけど……気持ち良さの方が上回っちゃってそういう反応が見られないわね。まあいいか、どうせこれから大変なんだし今くらい悦びに浸ってもらおうかな」
雌牛の喋る言葉が頭の中に入ってこない。乳首を弄られて、粘土みたいにおっぱいをこねくり回されて、そのせいでおっぱいが更に重く大きくなっていってるのに、気持ち良すぎて止めることすら出来ない。肩に蓄積されていく疲れはおっぱいの重さの表れ。弄ばれる度に激しく揺れるようになっていくのはおっぱいの大きさの表れ。感覚だけでもその巨大さが伝わるくらいの巨乳――いや爆乳は足元を見下ろすことを許さず、峡谷と見紛うような深い谷間だけが映し出されている。
「私は牛獣人の中でも一二を争うくらいの巨乳であると自負してたけど、リオンさんには負けちゃいますね」
雌牛が手を離すころには、俺のおっぱいは顔よりも大きくなっていた。あれほど大きいと思っていた雌牛のおっぱいが小さく思える――というか実際に一回り大きいのだが。
「大きくしすぎて全体のバランスが悪くなっちゃったかな。よし、それじゃあ微調整ついでにこの不思議な力についてお話してあげましょうか」
雌牛は俺の全身を撫でるように触れていく。
「この力はね、悪魔って分かるかしら。山羊獣人の子孫だって信じられてる伝説上の生き物。ソレが本当にいて、私の一部を差し出す代わりに貰った物なの」
腹を撫ぜられれば腹筋は硬さを失い、柔らかな脂肪を感じさせる触感が返ってくる。
「差し出した物は思い出せなくなっちゃうって契約だったから何を差し出したかは分からないけど、きっと大したものじゃなかったのね。だって今、こんなにも楽しいんだもの」
顔を撫ぜられ、頭を撫ぜられる。自分からは見えないが、触られる感覚で小顔になって丸みを帯びた輪郭に変わってしまったことが辛うじて分かった。
「とにかく、私は力を貰ったの。復讐する相手にだけ作用する改変の力。魂を弄って自由自在に[[rb:獣人 > ヒト]]をカスタマイズ出来る力。私は、責任も取らずにセックスするだけして逃げたあなたを許せなかった。だから、これ以上被害を生まないためにも、雌にして弱い立場に堕としてやろうと思ったの」
尻から太ももに渡って指がスッとなぞられていくだけで脂肪が付いてむちむちとした質感になっていく。最早男物のズボンやパンツは入らないんじゃないかと思うくらいだ。ちょっとの振動でぷるぷると揺れて、気になって仕方が無い。
「ふう、これでいいかしら。全身がむちむちとした柔らかい脂肪に包まれて良い感じね」
身体が重い。筋肉がほとんど脂肪に置き換えられたのもそうだし、馬鹿みたいにデカいおっぱいと尻があるせいだ。それに加えて未だに冷めない快楽の熱が体力を奪っているのもあるかもしれない。
満足いく身体になったのか、雌牛はうんうんと頷きながら俺の身体をいやらしい目で眺めている。芸術品を眺める客みたいな、そういう目。[[rb:獣人 > ヒト]]として見られていないような気がして、俺は思わず声を荒げた。
「やめろ! そんな目で見るんじゃね、え――?」
何だ、この声は。こんな甘ったるくて媚びたような甲高い声が俺の喉から出てるのか!? どれだけ低音を出そうとしても、どれだけ凄みを出そうとしても、全てが無駄だと感じるほどのソプラノボイス。こんな声では雄らしい喋り方をしたら笑いものにされるだろう。だが、雌牛は笑うどころか複雑そうな表情を浮かべている。
「なんかイメージと違うね。それに、これだけじゃまた[[rb:獣人 > ヒト]]を食い物にしちゃいそうだし――そうだ」
何か余計なことを閃いたらしい。これ以上俺をどうする気だ――。
「わぷっ!?」
「お互い胸が大きすぎてハグ出来ないから、顔だけハグしてあげるわね」
俺の顔がまた雌牛のおっぱいに挟まれ、その上で頭全体をがっしりと腕で拘束されてしまった。暑いし息苦しい。それだけじゃなくて、何だか酷く疲れる。抱きしめられてるだけなのに、まるでサウナにずっと居座った時みたいな体力の失われ方だ。これは雌になったからだとか、快楽によってだとかそういうものじゃない。もしかしなくても、俺は雌牛に体力を吸い取られてるんじゃないか。このままだとまずい。何とかして抜け出さないと。
「ぐ、むぅ~~~!!!」
「おっぱいの中で暴れられたら――あんっ、くすぐったいじゃない」
クソ、なんて非力な身体なんだ。駄目だ、こうしているうちにも体力が、なくなって、いく――。
「あ、やりすぎちゃったかしら」
――最後に聞こえたのは、そんな言葉だった。
[newpage]
再度目が覚めた時、俺は見慣れた天井が目の前にあることに気が付いた。何年も寝食を共にしてきた俺の寝室のものだ。
さっきまでのことは全部夢だったのだろうか。夢にしてはあまりにも奇妙で、現実的で、何より性的すぎた。欲求不満気味なのだろうか、などと思いながら立ち上がろうとした、が――。
「……嘘だろ?」
夢なんかじゃなかった。俺の胸元では馬鹿でかいおっぱいが当たり前のように揺れていて、俺のTシャツは無惨にも大きく引き伸ばされている。俺は慌てて起き上がりおっぱいを手で持ち上げる。重い。触られる感覚がある。ジョークグッズの類ではないのは明らかだ。あの痴態は現実の事で、俺は本当に雌に変えられてしまったんだ。
「それじゃあ、ここも……ん?」
恐る恐る股間に手を伸ばそうとした時、部屋の中に見知らぬ物が置いてあることに気が付いた。黒い布をかけられた長方形の何かが部屋の隅にポツンと置かれている。俺は何とか重たい身体でバランスを崩しながらも黒い布を持ち、剥ぎ取った。
「姿見、か?」
布の中から現れたのは大型獣人向けの姿見と、それに映し出された俺の姿。その鏡は真実の姿を映す――なんてことは無く、俺の変わり果てた姿を正確に映し出していた。
「待て、何かがおかしい。そういえば、声もまるで酒に焼けたみたいな――」
落ち着こう。落ち着いて、まずは身体がどうなってしまったのかを確認しよう。
顔は元から大きく変わったわけでは無さそうだ。ただ、まつ毛が長くて目がパッチリとした印象を受けるし、顔が少し小さくなって丸みを帯びている。後は目元がちょっと垂れ気味で威圧感が薄れている、だろうか。そういえば、雌の獅子獣人にはたてがみが無いはずだがそっくりそのまま残っている。ちょっとボサボサで毛質が悪くなっているような気もするが。
胴体は最早原型が無い。おっぱいのせいでTシャツが押し上げられてロゴマークが滅茶苦茶に引き伸ばされてしまっているし、Tシャツが押し上げられたせいで見えている腹はだらしのない脂肪がはみ出している。ああ、胸が締め付けられて苦しい。脱ぎ捨ててしまえ。
ふう――改めて見てみると、おっぱいはこんなにも馬鹿デカかったんだな。見下ろしてみるのとではサイズ感が違って見える。でも、変えられたばかりの時こんな大きさだったか? おっぱいの大きさじゃなくて、その、乳首と乳輪が有り得ないくらいにデカい。乳首と乳輪を合わせたら拳くらいはあるんじゃないか。しかも色が綺麗なピンクに染まっていたのが茶色にくすんでる。正直言って醜い色合いだ。
腹もおかしい。筋肉が奪われて脂肪に変えられただけだと思っていたのに、まるで中年みたいにぽっこりと突き出ている。三段腹になるほど太っているわけでは無いが、世間一般から見て太っていると見られるような状態であることは確かだ。
後は、下半身か。まずはズボンを下ろさないと――ん、あれっ、尻がつっかえて下ろせないぞ。クソ、どんだけ無駄に大きくなりやがったんだ――あっ……破れちまった。パンツ共々、真っ二つだ。なんてデカい尻なんだ。これ一つで二人分の席が取れるんじゃないのか。脂肪まみれでちょっと動けばおっぱいと同じく弾むような揺れ方をしやがるし。
で、股間か。何だかやけに毛だらけで汚らしいな。これまで抱いてきた雌はみんな綺麗な生え方をしてたもんだが。普通はこういうものなのか、それとも俺が毛深いのか。それで、チンポがあったはずの場所には――マジでマンコが出来てやがる。竿も玉も無いなだらかな丘に肉の筋が出来ていて、手で押し開けば小さな穴と大きな穴が姿を現す。これが尿道と膣口だろう。そして筋の頂点にはクリトリスが付いていて、摘んでみると性的な刺激が返ってくる。
やはり、何かがおかしい。俺が今まで相手してきた雌は――同年代の奴らだ――こんな汚らしいマンコの奴はそういなかった。俺のマンコは所々黒ずんでいたり、大きく開かれたままになっていたり、クリトリスは肥大化して小指の関節ほどはあってはみ出ている。
「これじゃあまるで――」
まるで、じゃない。間違いなく俺は中年の雌になっている。最後に雌牛に抱きしめられた時の体力が吸い取られていくような感覚、あれは若さを吸い取られていたのだろう。だから声もガサガサとして通りが悪いし、身体は衰えてきているし、乳首やマンコが沈殿した色合いをしているんだ。クソったれが、どうしてここまでみっともない身体にされなきゃいけないんだ。あの雌牛、次に見かけたらただじゃおかねえぞ。
「にしても……この身体……」
エロすぎる。俺はババアなんぞにゃ興味が無かったんだが、ここまで雌らしさが強調されてちゃそういう感想を抱かざるを得ない。身体は雌になってしまったが思考は雄のまま、だからそういう感想を抱くのはおかしくないわけで。
「んんっ……ここがまた、疼いて」
そう、おかしくないんだ。エロい身体に反応して、股間が、マンコが疼いてしまうのは。しかし、チンポが勃つ感覚が無くてマンコとその奥にキュンと切ないような感覚が来るっていうのはどうも慣れない。と、とりあえずこうも発情してちゃ何をしてても集中が続かないだろう。どこを触れば解消できるんだ――とりあえずクリトリスを擦ってみるか。
「んあっ♡」
くりくりと摘んで擦ってるだけでも痺れるような快感が身体を突き抜けていく。剥き出しの亀頭を責められ続けてるような感じではあるが、快楽の度合いは比べ物にならないほど高い。
「んぅ、あぁあっ♡ 声、止まらなっ、いっ」
愛液がとめどなく溢れてくる。駄目だ、我慢できない。欲しい。切ない。埋めて欲しい。ぐちゃぐちゃに掻き回してイキたい。指を、濡れそぼった膣口の中に――入れる。
「~~~~~ッ!?」
指が根元まで咥え込まれ、膣内で動かす度に経験したことの無い快楽が俺を襲う。入れる側は何度も経験してきた。だが、これほどまでに気持ち良かっただろうか。今となっては比べようが無いが、間違いなく雌の快楽の方が気持ち良い時間が長くて溺れたくなるような、そんな依存性を感じる。だって。
「ゆび、ゆびとまらなっ、いっ、だめぇっ」
これ以上は駄目だと頭の中では冷静に考えられているはずなのに。指は勝手に動いて膣内をぐちゃぐちゃにかき混ぜ続けているんだ。口から出てくる艶のあるおばさんの喘ぎ声も、言葉も、そう発しようとして出たものじゃない。自分の意思に反して、雄を興奮させようとして勝手に出てしまっている。
「ほしいっ、ほしいよぉっ」
――駄目だ、その先を言っちゃあ。戻れなくなる。ソレが欲しいなんて言ったら今までの自分が全部消えてしまう。俺は犯す側なんだ。まだまだ全然犯し足りない。雌をヒイヒイ言わせたい。文句を並べず従順な雌を侍らせて、自分だけのハーレムをとっかえひっかえするのが俺の夢だろ。
「おちんぽが、おちんぽが欲し、ぃっ、んあっ、はぁ、んっ、くうっ」
イってしまった。身体が、心が、お前は雌なのだと訴えかけてくる。じんわりと後を引く快楽、マンコから臭う蒸れた毛と加齢臭の入り混じったもの、呼吸をする度に揺れる乳肉――全てが、雄としての生き方など出来るわけが無いことを知らしめている。
「ふふ、うふふ、あはははは――」
そうか。もう雄には戻れないのか。いや、戻りたいとも思わないかもしれない。だって、こんな感じやすくて長く快楽が続く身体を知ってしまったのだから。
改めて鏡を見る。鏡に映るのは恍惚とした表情を浮かべ、だらしなく豊満で魅力的な大人の身体を持った雌獅子。こうしている間にも指先の動きは止まらず、イったばかりで感度の高いマンコと拳大の乳首を両手で弄り回している。そんな性に溺れたおばさんが自分の新たな姿だということを――アタシは歓喜の心で受け入れた。
[newpage]
《とある雌たちの末路》
「――聞いたか? 裏通りの熟雌専門店に新しく入った嬢の話」
「聞いた聞いた。ムチムチでクソほどだらしねえ豊満な身体の癖してどこか雄々しさがあるっつう雌獅子のことだろ?」
「そうそうそれそれ。何でも、半グレ界隈じゃ有名だったリオンって雄獅子が太鼓判を押すほどの名器だって話だ」
薄暗く人通りの無い道をヤクザ者たちが世間話を交わしながら歩いていく。内容は最近どんな雌を抱いただの、雌の悲鳴を聞きながらヤるのが一番だのと低俗なものであった。
「でよ、あんときの雌と言ったらよ――うん?」
世間話に花を咲かせるヤクザ者たちは前方を塞ぐように立ちはだかる巨体の存在に気が付いた。暗がりで姿がよく見えず、目を凝らしながらその正体を探る。そして、その正体に迫りそうになった瞬間。
「が、はぁっ――!?」
ヤクザ者の片割れは勢いよく押し倒され、下半身に抜け出せなくなるほどの体重がかけられてしまった。のしかかってきているものを力づくでどかそうと殴るも、柔らかな脂肪で阻まれているのか効き目が薄いようだった。
「痛いじゃなぁい。アタシの営業活動を素直に受け入れなさいよぉ」
おっとりとした雌の声がヤクザ者の前方から響く。そこでようやく、彼らは襲い掛かってきた存在が異常なほどの恵体を持った雌であることに気が付いた。
「ヤクザもんにこんなことしてタダで済むと――むぐうっ!?」
「うるさい子はこれでも吸って大人しくしなさぁい」
ヤクザ者の口に捻じ込まれたのは雌の乳首であった。大きく咥え甲斐のあるその乳首が口に含まれた瞬間、口内に溢れ出す少量の液体。ソレが喉に流し込まれる度、彼は恥ずかしさと懐かしさで思考がかき乱されていく。
「あらぁん、これでおっ勃てちゃうなんてバブちゃんなのかしらぁ? それじゃあおしっこぴゅっぴゅさせてあげようねぇ」
どこからそんな力が出ているのか、雌はヤクザ者の股間を覆う邪魔な布切れを勢いよく千切り捨てると露わになった男性器を前戯も無しに勢いのまま挿入させた。雌が脂肪をぶるぶると揺らしながら上下に動く度に、締りの悪い膣内でありながら絡み合うひだと雄を知り尽くした動きによって無理やり射精へと導かれていく。
「う、ぐぅ」
「はぁ? 早過ぎよアンタ。しょうがないわねぇ……そこのアンタ! アンタももちろんアタシの虜になりたいでしょぉ?」
すぐに射精へと至った雄に興味を無くしたのか、すぐ後ろで腰を抜かしていたもう一人の雄へと雌は狙いを定める。近づく巨体、股から流れ落ちる精液と愛液。むせ返るほどの獣臭と加齢臭。
「アタシとのセックスが気に入ったら、リオって名前で指名してねぇん♡」
誰も通らない路地で、一人の雌が雄の精液を空になるまで搾り取る事案が何度も発生していた。だが、被害者はその事実を誰にも話すことなく共通してとある店に赴く。その店に在籍する『リオ』というNo.1嬢に会うために。
『リオ』はリオンの現在の姿だった。辛うじてロックを解除出来たスマホを利用して自身を評判のいい風俗店へと売り込み、日中は営業活動という名の路上レイプ。夜は風俗嬢のNo.1として性行為尽くしの日々を送っていた。話し方も立ち振る舞いも最早雌、それも熟年のソレであり、元雄であると疑う者は一人としていないだろう。何故なら――。
「あぁん♡ アタシ、雌でよかったわぁ♡」
――雌としての生き方にどこまでも真っすぐなのだから。
◇
「ふふ、ああいう爛れた雌から回収出来るエネルギーは非常に美味しいね」
レイプ中のリオの頭上、廃ビルの屋上に一人の雌が下卑た笑みを浮かべていた。これまた豊満な身体を持った雌の牛獣人だが、その立ち振る舞いはどこか雄のようであった。
「自分で絞り取るのも飽き飽きしてたところだったからねえ。都合の良いところに爛れた身体と心を持つ者がいてくれてよかった。雌の身体になっちゃったのが不満なところだけど」
――その雌牛獣人はリオンをリオへと変えた張本人であった。だが、彼を作り変えた時とは性格も表情も立ち振る舞いも何もかもが違う。それは、実際に『中身』が違うからに他ならない。そう、雌牛獣人が悪魔と契約した際に失った物、それは身体の所有権だったのだ。雌牛獣人は復讐を果たした瞬間、契約に則って悪魔に立場を乗っ取られてしまった。『淫魔』と呼ばれる性の権化へと。
「しばらくはリオちゃんに任せるかあ。それじゃあ、折角だしこの身体を堪能してあげようっと。えーっと――なんて名前だったっけこの身体?」
くつくつと笑いながら『淫魔』は現世から姿を消した。彼は気まぐれに人生を破壊し、淫らな存在へと堕とす。その行動に深い理由など無い。彼にとってこれは食事なのだから。
悪魔は、堕落した存在を逃さない。