#2~谷峨での出合・2人の運用~

  [b:Episode A & X Section谷峨]

  丹那トンネルが完成し、東海道本線が御殿場経由から熱海経由になり、幹線から地方交通線になった御殿場線。鉄道唱歌の第1集13番の「いでてはくぐるトンネルの 前後は山北・小山駅 今も忘れぬ鉄橋の」という歌詞が歌われ駅の風景が見えてくるだろう。ここは神奈川県最西端に位置する鉄道駅、「谷峨」だ。ここの駅は、乗降ホームが国府津方面と御殿場方面でホームが分かれており、駅の構造としては2面2線。列車同士のすれ違いが可能な駅である。

  あさぎ「あなたは・・・」

  ゼオン「君は・・・」

  あさぎ「僕は芙蓉 浅葱。小田急線の特急電車で御殿場線への直通列車に入る予定なんだ。」

  ゼオン「私は銀嶺 瀬音。JR東海の特急電車です。君が小田急さんからの乗り入れをする方なのですね。」

  あさぎ「ゼオンさんはどちらから来られたのですか?」とあさぎが質問をする。

  ゼオン「私は静岡地区の拠点である静岡運転所から来ました。あさぎさんはどちらから?」ゼオンが答え、続けて質問をする。

  あさぎ「僕は東京都の世田谷にある経堂検車区から来たんだ。静岡運転所・・・御殿場線よりも先からの来たのですね。」

  ゼオン「そうだね。沼津よりもだいぶ先からだね。この先の小田急線のどんな感じの路線ですか?」

  あさぎ「松田の近くは川沿いを走りながら盆地に入って行くんだ。その後田畑が広がる平野を走っていく感じかな。曲線区間もありつつ直接的な感じだよ。」

  ゼオン「なるほど。だから速度が出しやすいのか。御殿場から先は一気に山を下って行くんだ。」

  あさぎ「あと少しで頂上なんだね。抑速の使い方勉強しないと・・・。」

  ゼオン「抑速は下半身にかかる力を上手くコントロールすればできるさ。高速運転はどのくらいの速度だい?」

  あさぎ「アドレスありがとう。高速運転なんだけど・・・前と詰まりがちであまり気持ち良く走れないんだ。」

  ゼオン「もしかして思っている以上に運転密度高い??」

  あさぎ「察して・・・」

  ゼオン「なるほど(笑)」

  お互いが走って来た道のりやそれぞれ共有して、これからのお互いの活躍を祈って走り出す。

  [b:Episode A & X Section新宿&沼津]

  2人の足慣らしが大詰めを迎え、いよいよ営業運転に入る時が来た。あさぎとゼオンはそれぞれ運用が決まっている。それぞれ新宿と沼津を2往復する運用だ。

  あさぎは経堂検車区から出区して新宿から運用に入る。

  1M(新宿 7:20→沼津 9:19)

  4M(沼津10:27→新宿12:33)

  5M(新宿13:40→沼津15:48)

  8M(沼津17:31→沼津19:37)

  上記の御殿場線直通特急以外にも箱根湯本方面の特急にも充当される。

  ゼオンは静岡運転所から出区して沼津から運用に入る。

  2M(沼津 8:00→新宿 9:59)

  3M(新宿10:15→沼津12:16)

  6M(沼津15:28→新宿17:26)

  7M(新宿17:40→沼津19:39)

  実はゼオン、上記以外にも確実に座れる列車として運用している。いわゆるホームライナーである。

  2M列車の前に静岡から沼津までの間と7M列車後に三島から静岡または浜松までであり、以外と多忙である。

  御殿場線との相互直通運転が始まる日、新宿駅及び沼津駅には沢山の関係者とギャラリーで賑わっていた。

  1M列車に充当するためにあさぎが新宿駅にやってきた。新宿駅の1,2番ホームには赤い絨毯が引かれ、

  出発式が執り行われた。

  「凄い沢山のお客さんだ・・・。」

  あさぎは想像以上の旅客や大きなお友達の数に戸惑いながらもその時を待つ。

  転てつ器が動き、出発信号機が進行現示を示す。

  『2番ホームから特急ロマンスカー、あさぎり1号 沼津行きが発車致します。』

  出発反応灯が灯り、駅の放送と発車ベルが流れ、2枚折り戸の扉を閉める。

  「戸閉点灯、出発進行!新宿定発!」

  一方、2M列車に充当するためゼオン沼津駅にやって来て3番線にて同じように出発式が執り行われた。

  「思った以上にホームが・・・。」

  ゼオンも想像以上の旅客や大きなお友達の数に戸惑いながらもその時を待つ。

  転てつ器が動き、出発信号機が進行現示を示す。

  『3番線から特急あさぎり2号 新宿行きが発車致します。』

  出発反応灯が灯り、駅の放送と発車ベルが流れ、プラグドアを閉める。

  「戸閉点灯。出発進行、沼津定発。」

  それぞれ、新宿と沼津から走り始めた。

  あさぎは朝ラッシュの小田急線を下って行く。上り方面のホームを見ると沢山の通勤通学客が電車を待っている。

  小田急顔をしたお馴染みの2600形や5000形、ガイコツ電車と言われている9000形。そして小田急の量産通勤車両として始めてVVVFインバータを用いた1000形や同じ時期にデビューしたドア幅が2.0mもある1500形など多くの車両が通勤通学客を捌いていた。

  ゼオンは単線の御殿場線を上って行く。単線であるが裾野や岩波は沼津や三島のベットタウンであるため通勤通学客が駅で列車を待っている。交換設備が整った駅では湘南色の115系、最新鋭の211系、213系電車とすれ違い、沼津方面への乗客を捌いている。

  1M列車のあさぎと2M列車のゼオンがすれ違う場所は神奈川県の谷峨駅である。