Echoes of the Heart

  キャスト:チャニ × あなた

  設定:深夜のスタジオ

  深夜二時を回った事務所。廊下の明かりは落とされ、ただ一つ、彼のスタジオのドアの隙間から、青白い光が漏れている。

  私は手にした温かいマグカップを握り直し、重い防音ドアを静かに押し開けた。

  「チャナ、まだやってるの?」

  モニターに向かっていた広い背中が、私の声に微かに揺れた。彼はヘッドホンを首にかけ、ゆっくりと椅子を回転させる。そこにあったのは、ファンが見れば心配するほどに疲れ果て、けれど私だけに見せる、無防備で甘い微笑みだった。

  「Oh, hey...(あぁ、おかえり……)待ってたよ。Come here, babe(こっちにおいで)」

  彼は吸い寄せられるように近づいた私の手首を掴み、そのまま自分の膝の上へと引き寄せた。驚いてカップを落としそうになる私を、彼は大きな手でがっしりと支える。

  「あ、危ないってば……」

  「I've got you(大丈夫、掴まえてるよ). それより……寂しかった。一時間も戻ってこないんだもん」

  彼は私の腰に両腕を回し、子供のように私の腹部に顔を埋めた。服越しに伝わる彼の額の熱と、深い吐息。普段、大勢のメンバーを導き、世界中の期待を背負っているリーダーが、私の前でだけ、その重荷を下ろして一人の男に戻る。

  彼の指先が、私のシャツの裾からするりと忍び込んだ。冷房で冷えた肌に、彼の掌の熱が驚くほど鮮烈に突き刺さる。

  「Wait...チャナ、ここスタジオだよ?」

  「I know. でも、もう限界なんだ。I need to feel you...」

  彼は顔を上げると、私の唇を塞いだ。コーヒーの香りが混ざり合う、深く、貪るようなキス。彼の舌が私の口内を丁寧に、けれど強引に蹂躙していく。鼻腔をくすぐる彼の香水の香りと、汗の匂いが混じり合い、私の理性をじわじわと溶かしていった。

  彼の指が、背骨を一つずつなぞるように上がってくる。その動きはひどくゆっくりとしていて、私の反応を楽しんでいるかのようだった。

  「Look at me. You’re so beautiful tonight」

  囁かれる英語の響きが、甘い毒のように全身に回る。彼は私のシャツのボタンを一つずつ、焦らすように外していった。露わになった鎖骨に、彼は深いキスマークを刻みつける。

  「あっ...ん」

  「You're mine.. 誰にも見せない、僕だけの……だよね?」

  彼の愛撫は、次第に熱を帯びていく。

  胸元を弄る彼の指先は、まるで繊細な旋律を奏でるピアニストのように、私の敏感な場所を的確に捉えた。熱い掌で包み込まれ、親指で頂点を弾かれるたび、私は彼の広い肩に爪を立てて耐えるしかなかった。

  「Does it feel good?」

  「……っ、チャナ、いじわる……」

  「I'm not teasing(いじめてないよ). 最高の気分にしてあげたいだけだって。Good girl」

  言葉の節々に彼特有の包容力が宿っている。けれど、その後に続く、私の下着に手をかける動きには、一切の容赦がなかった。

  彼は私をデスクの上に座らせると、私の脚を割り、その間に自分の体を割り込ませた。

  剥き出しの肌が、冷たいデスクの表面と、彼の熱い胸板に挟まれる。その極端な温度差が、かえって官能を研ぎ澄ませた。

  彼は私の太腿の内側、最も柔らかい場所を優しく、けれど執拗に口づける。

  焦らされ、高まっていく期待感に私の呼吸は乱れ、視界が熱で潤んでいく。

  「Please...、チャナ……早く……」

  「Tell me what you want(何をしてほしいのか、ちゃんと言って)」

  彼は意地悪く、私の秘部に触れるか触れないかの距離で指を止め、私の瞳をじっと見つめた。その瞳は、獲物を追い詰めた狼のように、静かな光を湛えている。

  「……中、入れて……ほしい……」

  「...With pleasure(喜んで)」

  彼がゆっくりと自分を沈めると、内側を強引に押し広げていく感覚に、私は声を失った。

  彼が普段仕事をするデスクに背徳感を感じ下腹部に力が入る。彼に抱きすくめられ繋がっている部分がもっとも深く、そして彼の鼓動が直接胸に響いてくる。

  「Everything fits so perfectly(すべてが完璧にぴったりだ). ...Are you okay?」

  「あ……っ、すごい……、チャナ、の、鼓動……」

  「It’s because of you ...みて、僕の心臓、こんなに速い……Feel it..!」

  彼は私の手を自分の胸に当てさせた。ドクドクと力強く打つ鼓動。世界を魅了する音楽を作るこの男が、今、私一人のためだけに、こんなに乱れている。

  彼は私の腰を掴み、ゆっくりと、けれど深く突き上げ始めた。

  一突きの重みが、脳の芯まで響く。彼は私の喘ぎ声を聞き漏らすまいと、私の耳元に唇を寄せ、熱い息を吹きかけながら激しく腰を動かす。

  「You feel so amazing......Don't close your eyes(目をつぶらないで). I want to see you break(君が壊れるところを、ちゃんと見ていたいんだ)」

  剥き出しの独占欲。

  普段の彼からは想像もつかないような、支配的な言葉。

  けれど、その合間に見せる、愛おしそうに私の頬を撫でる指の優しさが、私をさらに深い迷宮へと誘い込む。

  「I love you, I love you so much...」

  絶頂が近づくにつれ、彼の言葉は日本語を忘れ、母国語である英語の断片へと変わっていった。

  それは彼が理性のコントロールを完全に失い、ただの「クリス」として私を求めている証拠だった。

  火花が散るような快感の渦の中で、私たちは互いの名前を呼び合い、深夜のスタジオという密室で、一つに溶け合っていった。

  果てた後の静寂の中で、彼は私の体に上着をかけ、そのまま強く抱きしめて離そうとしなかった。

  「Stay right here. I’m never letting you go(ここにいて…絶対に離さないから)」

  少しだけ鼻にかかった、甘く掠れた声。

  彼は私の髪を何度も撫でながら、満足そうに、けれど少しだけ寂しそうに微笑んだ。その表情は、世界中の誰にも見せることのない、私だけの宝物だった。