初めはおだやか村での出会いだった。
旅の途中で盗賊に襲われた私は親を殺されて、そのまま人身売買業者に売られそうになった。そこをアバゴーラの老人に助けられ、老人の住むおだやか村で保護してもらえた。
アバゴーラはピカチュウの男の子と一緒に住んでいた。アバゴーラとピカチュウはゼクロム教徒であったが、私はレシラム教徒であった。しかしアバゴーラとピカチュウはそれを意に介さずに、暖かく私を迎い入れてくれた。
私はアバゴーラの家でお世話になり、ピカチュウの男の子と共に学校に通い、調査団に入団し、団長の下で修行した。時には泣き、時には笑い、私とピカチュウ(この頃には団長からライラという名前を与えられていた)と共に、様々な世界を冒険した。
団長からリラという名前を貰うと、私は団長や調査団の皆の役に立とうと懸命に働いた。
その後の調査の過程で私とライラはこの星に隕石が迫っており、風の大陸に落下する可能性があると調査団のジラーチから聞いた。天体観測が趣味のジラーチの情報を元に、私とライラはレックウザの力を借りて隕石を破壊しようとした。
隕石が落ちる前に、私とライラはレックウザの下まで辿り着いた。だが、私とライラはそこで揉めてしまい、到着が少し遅れた。
争った理由など忘れてしまった。レシラム教とゼクロム教の違いが原因だったと思う。
争いはすぐに解決したが、その間に隕石は空中で爆発し、レックウザの力では破壊しきれないほどの数に分裂し、風の大陸の各地に落下した。大きな破片はレックウザが破壊できたが、他の小さな破片は街や村を襲い、風の大陸は大災害に飲み込まれた。家や建物は破壊され、農地も壊された。飲み水と食べ物が無くなり、疫病が広がり、家族や友人を失い、住民達は絶望に見舞われた。
そんな中、私とライラの到着が遅れた事が原因だという噂がどこからか漏れ出した。
それを聞いた住民達は怒り狂い、私とライラに襲いかかった。幸いにも私はレシラム教徒、しかも華族であり、近くに居合わせたオズボーン教皇が私を馬車の中へと保護してくれた。
だが、ゼクロム教徒のライラを保護してくれる者はいなかった。
怒り狂った民衆はライラを袋叩きにして、足の腱と両眼を潰した。
暴動が始まった少し後に駆け付けた団長達が民衆を追い払い、ライラを保護してくれたが、もはや手遅れであった。
私は、その光景をオズボーン教皇の乗る馬車の窓から見る事しかできなかった。
怒り狂う住民の目と、ゴミのように嬲られるライラと、無力に震える私。
全てが憎かった。
怒り狂う民衆やライラを助けられなかった私、レシラム教とゼクロム教の対立、オズボーンに守られながら何もできない私、私、私、私、私、わたし、わたし、わたし。
全てが憎い。
事が終わった後、私はオズボーン教皇の推薦、いや妾になり、レシラム教の幹部となった。そして六芒星の刻まれた白衣を身に纏い、ライラを襲った住民を炙り出すべく、魔女狩りや異教徒狩りに精を出した。
レシラム教で名を広めれば、私を襲う民衆もいなくなり、私の身の安全も確保できる。
保身と復讐の悪鬼に私は堕ちた。
牝のバシャーモ、異端審問官のリラが誕生した。
そして、目が覚めた。
リラは天蓋のある寝台に横たわっており、傍にはオズボーンの姿があった。
ここはワイワイタウンにあるレシラム教の教会、その中にあるオズボーンの私室だ。オズボーンの妾として円卓に加えられたリラは、今日もオズボーンの要請に従い彼と床を共にした。リラはゆっくりと身体を起こすと、オズボーンとその隣で泣きながら寝ているゼラオラの巫女を見た。
今夜はオズボーンの命により、リラと巫女は牝同士で交わった。舌と指を使い、互いの性器を舐め、互いの乳房と性器を擦り合わせた。
それでも満足しないオズボーンは「肛門を舐めろ」と更に命じた。
巫女はその命令に泣き出したが、リラは無表情のまま巫女を押し倒し、彼女の尻を広げると、姿を見せた肛門を舐めた。嫌がる巫女の肛門を舐め続け、やがてリラは巫女の眼前に尻を持ってくると、自身の肛門を押し付けた。巫女は泣きながらリラの肛門を舐め、オズボーンに従った。
その光景を見たオズボーンは2人の間に割り込み、リラと巫女を抱いた。
何回も交わり、ようやくオズボーンが眠りについた事で、リラは一時の自由を得た。
リラの視線が己の股間に向けられた。リラと巫女の性器からはオズボーンの性液が垂れており、彼女らを抱きながらオズボーンが放った言葉を思い出した。
『リラと巫女…どちらが先に孕むかな?』
身の毛のよだつ言葉であるが、リラも巫女も黙ってオズボーンを受け入れた。リラは教皇オズボーンの子を孕み、自身にレシラム教内での価値を持たせるために。財力や権力がなく、価値のないリラなど、魔女狩りや異端審問により家族や友人を奪われ、怒り狂った民衆の餌食となる。
巫女はゼクロム教とレシラム教の橋渡しになるために、教皇オズボーンの子を孕む必要がある。キザキの森の暴動や各地の衝突に対する対価として、巫女はオズボーンに差し出された。
巫女がレシラム教に差し出されてから二ヶ月ほどが経過していた。彼女が来る前からオズボーンに抱かれていたリラは同じ境遇に堕ちた巫女を哀れに思ったが、彼女の持つ役割を考えると何もできずにいた。
「難儀なものね」
リラはそう呟くと、泣いている巫女の頬を指先で撫でた。そのまま寝台から起き上がり、窓の側に歩み寄った。窓からワイワイタウンを見下ろすと、リラはタバコの火を点けた。
室内に煙の筋が漂った。
リラの目にワイワイタウンの一角、調査団の拠点が映り込んだ。夜目に弱いリラであったが、それでも松明の光で照らされた調査団の拠点を見過ごす事はなく、彼女は黙ってそこを眺めていた。
レシラム教の教会から目と鼻の先にある調査団の拠点、だがリラにとっては非常に遠く、まるで異国の地のように感じられた。
以前は調査団員として拠点にも出入りしていたが、今では異端審問や魔女狩りに精を出す様になっている。
リラは自身の現状を自嘲すると、タバコを灰皿に置いた。直後、目を覚ましたオズボーンが寝台から降りてきて、リラを後方から抱き締めた。
「おはよう」
オズボーンの声と自身の尻に当たる硬いモノを感じ、リラは溜息混じりに「おはようございます」と返した。オズボーンはそのままリラの肩を掴むと窓枠に押し倒して、自身に向かって臀部を突き出す様な姿勢を取らせた。
「目が覚めたから、少し運動しようか」
オズボーンはニヤニヤと笑いながら言うと、自身をリラの膣内へと強引に押し込んだ。痛みと屈辱がリラの中に広がる。
(あぁ…ちくしょう…)
後方からリズミカルに臀部を揺らされるリラは、彼女の背中を舐めてくるオズボーンの舌の感覚に激しい嫌悪感を抱く。
それらの感覚にリラは怒りの衝動を抱いたが、それを我慢して窓から眼下の街を見た。
調査団の拠点の入り口、そこには松明の明かりを避ける様に人影が動いていた。
*
ワイワイタウンにある調査団の拠点の入り口にて、オズワルドとニコル、ヘレンは荷物を抱えていた。彼らの眼前には団長とウルスラの姿があり、オズワルド達に手を振っていた。
「この時間帯ならレシラム教徒の動きも少ないでしょう…ヘンデル氏にもよろしく伝えてください」
団長の言葉にニコルは頷くと、彼から受け取った報酬を袋に入れた。風の大陸でカルマンからペスト治療法を学んだニコルはガブリアスのゼーンに変幻し、調査団拠点にて手技の伝達をしていた。薬剤師であるヘレンも同席していたため、ペニシリンの効率的な大量生産も叶った。調査団拠点にはレシラム教から華族であるエリースとルールも参加し、レシラム教の財力とマンパワーを使い、ペスト治療法を広めていった。
オズワルド達が風の大陸から戻り、二ヶ月ほどが経過した。
ワイワイタウンにはペストだけでなく、多くの感染症に対応できる診療所が開かれ、エリースとルールが管理することになった。この状況に団長も満足し、オズワルド達は一仕事を終えて草の大陸に戻ることになった。
ニコルは団長と握手すると、笑顔を向けた。
「ヘンデル氏のギルドでもペスト治療拠点を確保できました…今後も医療的な協力が必要になりますが、よろしくお願いします」
ニコルの返事に団長は満面の笑みを向けると、彼の横に立つウルスラが口を開いた。
「そろそろレシラム教の警備隊が見回りを始める時間だ。裏道は警備隊が動き回るから、港まで大通りを抜けると良いよ」
ウルスラのアドバイスにオズワルド達は頷くと、団長とウルスラに抱擁した。
「お世話になりました」
オズワルドの言葉を聞いた団長はにこりと笑うと、「また遊びに来てください」と返した。オズワルド達はそのまま港に向かって歩き出し、その姿を団長とウルスラは見送った。
一行の姿が見えなくなった頃、団長はポツリと呟いた。
「リラも、遊びに来てくれませんかね」
元上司、そして友人としてレシラム教異端審問官となったリラの身を案じる言葉を、団長は放った。彼の呟きにウルスラも閉口したまま頷くと、レシラム教の教会を見上げた。教会にあるオズボーンの私室ではリラと彼が交わっていたが、それを知らない団長とウルスラは心配そうな目で教会の建物を見上げていた。
その頃、調査団拠点を後にしたオズワルド達はレシラム教の警備隊と出会さぬように大通りを抜けて、港に辿り着いた。港にはまもなく出航予定の帆船が停っており、船内の客室に入ったオズワルド達は荷物を置き、一息ついた。
時刻は夜中を過ぎており、オズワルドは眠たそうに目を擦っていた。ニコルとヘレンもまた欠伸をすると、全員の荷物を空いた寝台に置き、残りの3つの寝台にそれぞれ横になった。
やがて帆船はワイワイタウンから出航し、草の大陸に向かって航海を始めた。寝台に横たわったオズワルドは、三ヶ月ぶりに戻るトレジャータウンや洋館の事を思い出し、微睡みながらも笑みをこぼした。
ふと、オズワルドの記憶の宮殿は行きの船で見かけたゼラオラの娘を思い出した。
初めて見る種族のため、オズワルドの記憶の底に深く根付いていた。彼女がどこに行ったのか、知る由もないオズワルドはゼラオラの娘が首から下げていたゼクロム教の装飾品を思い出しながら、眠りについた。
*
トレジャータウンにテントを使った簡易な店を開いてから三ヶ月ほどが経過し、カフカの布地屋は住民や旅人から好評を得ていた。細かなデザインだけでなく、耐久性の高さや汚れに強い事もあり、日常で使う寝具やカーテン、テーブルクロスの他に、探検隊や調査隊、救助隊などのポケモンがダンジョンで使う防護服なども作る様になっていた。その延長線上での依頼で、カフカは布地を使い、耐久性の高い包帯や伸縮性に優れた包帯も扱うようになった。
「それじゃあ…依頼されていた包帯とガーゼがこちらです。アルコールで殺菌消毒して密封しているので、ダンジョンにも持ち運びできますよ」
カフカはトレジャータウンの名士であるプクリンのヘンデルの依頼で大量の包帯とガーゼを受注したカフカは、満面の笑みで荷物を受け取るヘンデルから代金を受け取った。
「ありがとう‼︎いつも頼りにしている薬剤師と医師が居るんだけど、今は水の大陸に出張に行っていて助かったよ‼︎」
「薬などは俺も扱えませんが…ガーゼや包帯くらいは用意できるので、いつでも御用命ください」
丁寧な接客と質の良い商品にヘンデルはまん丸とした目で笑うと、「ありがとう‼︎トモダチ‼︎」と明るい声で応えた。そして商品の入った箱をギルドの弟子達と共に抱えると、ギルドのある高台の方へと歩いて行った。
まん丸とした後ろ姿を見送ったカフカは、午前中の大きな商談を終えた事もあり、休憩を取ることにした。彼は荷物を纏めると大通りに面した食堂に入り、満席に近い店内を移動した。いくつかの席が空いているが、すぐに別のポケモンに取られたこともあり、カフカは困り顔で店内を歩いていた。
カフカの肩が叩かれた。
「よぉ」
カフカが振り返ると、そこには人懐っこい笑みの牡のザングース、コールマンが立っており、近くのテーブルには料理が置いてある。コールマンは親指でテーブルを指し示すと、「座るか?」と暗に尋ねた。その意図を即座に読み取ったカフカは苦笑いを浮かべ、コールマンの向かいに腰掛けた。
「ありがとう…席が無くて困っていたところだよ」
カフカの礼の言葉にコールマンは人懐っこい笑みのまま「気にすんな」と返した。
「ザムザは何にする?俺のおすすめはナポリタンだが…ミートボールの付け合わせが最高だぞ」
「じゃあ、それにするよ」
カフカは近くを歩いていた店員に声をかけると、ナポリタンを注文した。その間にコールマンは既に食べていたピザを頬張っており、とろけたチーズの描く線をカフカは見ていた。
カフカはお冷を飲むと、店内を見渡した。
カウンターの向こうにあるキッチンにはハピナスの姿があり、忙しそうに料理を作っている。完成した料理はコジョンドやマスカーニャが運んでおり、店内のあちこちから美味しそうな匂いが漂っている。
「ここの料理はトレジャータウンでも一二を争うレベルの味だよ」
店内を見回すカフカに対してコールマンが説明した。彼の言葉を聞いたカフカは「なるほど」と呟くと料理を食べる客の顔を見た。
誰もが美味しそうな表情で、満足げな笑みを浮かべている。
未来の世界では見られなかった光景にカフカは口角を緩め、嬉しそうな笑みのまま、料理を待った。やがて、マスカーニャがナポリタンの盛られた皿を運んできて、カフカの前に置いた。
「チーズや味付けを変えたいなら、カウンターにありますので、ご自由にどうぞ」
牝のマスカーニャの説明にカフカは頷くと、出来立てのナポリタンを口に運んだ。採れたてのトマトと玉ねぎ、ピーマンを使ったナポリタンは味わい深く、カフカの舌の上で広がっていく。その味にカフカは顔を綻ばせると、眼前に座るコールマンのにやけ顔に気がついた。
「な?美味いだろ?」
彼の問いにカフカは「あぁ」と応えると、恥ずかしそうにナポリタンを食べ続けた。コールマンもピザに手をつけると、料理の味を堪能していった。
コジョンドの店員が歩み寄ってきたのは、コールマンが食べ終わった頃であった。牡のコジョンドの店員はコールマンとカフカに向かってお辞儀をすると、丁寧な口調で話しかけた。
「大変申し訳ございません…実は満席のため、他のお客様と相席をお願いしたいのですが、よろしいでしょうか?」
コジョンドの質問にカフカは首肯し、コールマンは「問題ないよ」と笑みと共に返した。彼らの返事を聞いたコジョンドは安心した様に口角を緩めると、新たな客を呼びに行った。
少しして、コジョンドに連れられてきた客、ヨノワールのフランツがカフカとコールマンの座る席へと来た。コールマンは和かな笑顔で席を勧めるが、カフカとフランツの表情はどちらも凍り付いており、一瞬の間、気まずい空気が広がった。
「…ザムザと知り合いか?」
その空気を察したコールマンの問いにカフカは返事に困ったが、フランツが「…そうだ」と返した事で凍りついた空気が溶けた。コールマンは納得した様に小さな声を漏らすと、ピザと一緒に頼んでいた酸味のあるジュースを飲んだ。
「…ザムザとは古い知り合いだ」
コールマンがカフカの事をザムザと言ったが、空気の読めるフランツはカフカの身の上と事情を考慮し、敢えてそれには触れずに話を進めた。
「フランツとは、俺がキモリの頃に出会ったんだよ」
空気の読めるフランツに感謝しつつ、カフカはコールマンに説明した。彼らの雰囲気から察したコールマンは「ふぅん」と小さな声を漏らした。
「それじゃあ、フランツは何を頼む?」
カフカとフランツの関係には触れず、コールマンはいつも通りの口調で尋ねた。唐突な質問にフランツは目を丸くさせたが、すぐに平常心を取り戻すとメニューに目を通した。
「…サンドイッチとサラダにするか」
「ドリンクは?」
コールマンの質問にフランツは考え込むと、「りんごのジュースにする」と返した。それを聞いたコールマンは店員のマスカーニャに向かって手を挙げて、注文を通した。
コールマンはカフカとフランツの両方を見ると、いつもと変わらぬ口調で話した。
「まぁ、とりあえず腹を満たしてから話そうや」
普段はチームを纏めるリーダーなだけあり、コールマンはいつもペースを崩さずに話した。彼の神経の太さにカフカは小さな声で笑うと、硬い表情をしているフランツを見た。
「フランツも肩の力を抜けよ、ここの飯はコールマンおすすめの味だぞ」
フランツはカフカの言葉に小さく頷くと、マスカーニャが持ってきたサンドイッチとサラダに手をつけた。サンドイッチの具材である、新鮮な野菜のシャキシャキとした食感と味に、フランツは自然と目尻を緩めた。そのままサラダとジュースに手を伸ばすと、瞬く間に食べ尽くし、カフカとコールマンは驚きの表情を向けた。
「そんなに腹が減っていたんだな」
コールマンはカラカラと通りの良い声で笑うと、酸味のあるジュースを飲み、フランツの顔を見た。コールマンに指摘されたフランツは恥ずかしそうに目を伏せると、隣に座るカフカを見た。
今のフランツからは敵意も殺意も感じられない。
彼もまた、滅び行く未来の世界から過去に渡り、自然や文化、料理などを楽しんでいた。既知の仲であるカフカはそれを見抜いており、また彼が生きる意味を見失い、将校の言葉に依存していた事も知っていた。
カフカにとって、時の守護者であるフランツは敵である。しかし眼前のフランツは時の守護者などではなく、過去の世界を楽しみながら生きているフランツであった。
かつて、グレーゴルはカフカに言った。
フランツが敵か否か、カフカが決めると良いと。
(今が、決める時だ…)
その言葉を思い出したカフカは小さく息を呑むと、フランツの顔を見て口を開いた。
「…もし良かったら、布地屋をしているが、フランツも手伝ってくれないか?仕事の合間にトレジャータウンの美味しい料理も食べられるぞ」
カフカの提案を聞き、フランツは目を大きく見開いた。星の調査団と時の守護者、対立する者同士でありながら、カフカの提案にフランツは驚きを隠せずにいた。
だが、フランツの背中を押したのはコールマンであった。
「ちょうど良いじゃないか、2人は知り合いなんだろう?カフカの店も忙しいし、人手も必要になる筈だ。なにより…カフカの店ならここの料理を食べに来れるぞ」
コールマンの言葉を聞き、フランツはカフカの顔とテーブルの上の料理を見比べた。やがて、意を決したように目を瞑ると、すぐに目を開いてカフカを見た。
「よろしく頼む」
星の調査団と時の守護者が手を組んだ歴史的な瞬間であった。
握手を交わすカフカとフランツを見たコールマンは、にこにこと笑顔を見せながらジュースを飲み干した。