漏れの冬休み 辰樹ver

  12月23日

  漏れは、あの夏と同じように。水郷村へと帰ってきた。

  あのときと違うのは、季節が寒い冬であること。そして、漏れと辰兄が恋人になったということだ。

  日にバスが3つしか来ないバス停から降りる漏れ。その時、近くの草むらが動いた。

  「グァオオオオオオオ!!!!」

  男が吼える。緑色だった。吼えた存在が黄色なら漏れも、驚かずに受け止められただろう。だが、大きな緑色の男に吼えられるのは初めてだった。

  「うひゃああああ!!!」

  溜まらず尻もちをつく漏れ。

  「ぷっ!あはは!!虎彦から聞いた通りだぜ!」

  そう声を上げる緑の竜人。その声にたまらず。

  「辰兄!!」

  そう言って漏れは辰兄を抱きしめた。二人、再会を喜び合った瞬間だった。

  前と同じように祖父と祖母の家に泊る漏れ。

  そんな漏れに対し、

  「よく来たな、博行。」

  「こんなに早く会えてうれしいわぁ。」

  2人は歓迎の声を上げてくれた。

  「今日は雷門に行くのか?」

  「ううん今日は家でご飯を食べるつもり。」

  今回、確かに歓迎会の話はあった。しかし、今回は断った。さすがに、帰ってくるたびしてくれるのは、みんなへの負担が多いと思ったから。代わりに、今回は、クリスマスにみんなで集まってパーティをする予定だ。クリスマス。辰兄と2人だけで過ごしたいという思いはあった。でもそれ以上に、またみんな。漏れのために集まってくれる。嬉しい気持ちのほうが上だった。

  次いで漏れは、祖父と祖母に声をかける。

  「この冬、漏れは翠屋組で仕事の手伝いをするんだ。泊りになる可能性もある。その時は事前に連絡をするのでよろしくね。」

  祖父は、

  「いい社会勉強になるだろう。頑張るんだぞ。博行。」

  そう言って漏れを後押ししてくれた。

  夜、祖母の作ったご飯を食べ、寝支度をしようとすると、電話が鳴った。

  「もしもし?」

  「オッス!博行か?」

  電話の相手は辰兄からだった。

  「辰兄?どうしたのこんな夜に。」

  「恋人である博行の声が聞きたかったからな!」

  「えっ?」

  「昼会っただけでは物足りねぇぜ!もっと博行の声を聞きたい。そう思うのは当然だろ!」

  「嬉しい!」

  たまらず声が出た。

  数十分。漏れと辰兄は電話で話し合った。

  お互いの近況。辰兄が翠屋組で働いても給料がちっとも上がらねぇと愚痴をこぼしていたこと。話す話題は尽きなかった。電話が切れる前。

  「明日、パーティの前に博行を迎えに行く。待っていろよな!博行!」

  それだけ辰兄が言って電話が切れた。

  電話が終わって眠りにつく時。

  辰兄の声を聞けた。明日もまた会える。

  幸せな気持ちのまま、眠りに落ちることができた。

  12月24日

  深君の家でのクリスマスパーティ。

  前日に準備を行うと深君から告げられていた。

  「漏れも準備に行った方がいいよね?」

  その言葉に、深君は、

  「準備といっても大したことはないよ。博行は帰ってきたばっかで疲れているだろうし。それに、久しぶりに帰ってきたんだ。博行の祖父と祖母に話をしてやりなよ。」

  そう気遣ってくれた。

  そして、家のチャイムが鳴る。

  「オッス!博行!」

  辰兄の声だった。昨日電話で話した通り、迎えに来てくれたのだろう。

  「辰に…」

  言おうとして、言葉に詰まった。なんと、辰兄はいつもの作業着でなく、タキシードを着ていたからだ!

  「あれ?ドレスコードのパーティだっけ?」

  「ちげぇよ!これはだな…博行をかっこよくエスコートしたいがための姿だ!」

  「えええええっ!?辰兄がエスコート!?」

  「わりぃか?恋人にかっこいい姿を見せたいと思うのは当然だろ?」

  「辰兄…」

  「今日の俺は紳士だ!かっこよく博行をエスコートしてやるぜ!」

  そう言って、辰兄は、騎士がお姫様にするがごとく漏れに手を差し出してきた。

  漏れは、それに応えるべく手を差し出した。

  そしたらなんと辰兄はその漏れの手に向かって、キスをしたのだ!

  深君の家にたどり着くまで、漏れは恥ずかしさで沸騰しそうだった。

  そうして、深君の家にたどり着くとすでに先客がいた。

  「博行、久しぶりだな。」

  「博行さん!ひさしぶりですぅ!」

  洸哉と峻君が玄関から現れた。

  「久しぶり、2人とも、元気だった?」

  「まあ、俺はぼちぼちかな。」

  「元気ですよ。博行さん!」

  そう答えてくれた。

  続いて現れたのは三日月先輩と京慈先輩と宗太郎君だった。

  「遅くなったか?」

  三日月先輩は聞いたが、そんなことはないよ。と返事をした。

  「博行、久しぶりだな。」

  「博行先輩久しぶりっす。」

  京慈と宗太郎君が続けて言う。この2人は、相変わらず、仲が良いようだった。

  「相変わらず、夫婦みたいでラブラブだね!」

  茶化すように、そういうと。

  「おいおい、博行…」

  「夫婦っすか!?」

  夏の時の同じような返事をした。

  30分後、虎彦と孝之助が時間ギリギリにやってきた。

  「遅かったね2人とも?何かあった?」

  「聞いてくれよ。孝之助ったらこんな時にまで俺が迎えに来るまでテレビを見ていたんだぜ!」

  「いいじゃないか。時間には間に合ったんだし。」

  マイペースらしい孝之助の返事だった。

  席に座ろうとする漏れ。それに対し、辰兄はなんと漏れの椅子を引いて座らせてくれた。

  「おいおい。辰兄らしくねぇぜ。その姿。」

  「うるせぇ!今日の俺は紳士を貫くって決めているんだよ!」

  言葉遣いだけは、いつもの辰兄に戻っていた。

  「それじゃ、全員揃ったな。それじゃ、再会を祝して乾杯!」

  「乾杯!!!」

  声がそろった。

  都会での生活はどうか。今度俺のバンドを東京でやるんだぜ。たくさんの質問をされ、現在の近況を応えあった。辰兄はやはりビールかな?それともシャンパン?そう思っていた漏れだが、予想に反し、ジュースを飲んでいた。

  「辰兄が酒を飲まねぇなんて…」

  「言っただろ!今日の俺は紳士だと!酔いつぶれた姿なんてさらしたくねぇんだよ!」

  三日月先輩がなんとから揚げにレモンではなく、マイ蜂蜜をかけようとしていたり、

  10個あるたこ焼きのうち激辛たこ焼きを選んだ孝之助がブッフォ!と叫び、その様子をざまぁねえな!遅れそうになった罰だ!と虎彦がはやし立てていたり。

  京慈先輩の口をつけたグラスを間違えて、深君が口をつけてしまった時、洸哉が間接キスしてるじゃねぇか。なぁ。と言って峻君に向かって言ったり。ごめんと深君が小さく謝り。はわわと峻君が慌てていたり、その様子を実はうらやましそうに宗太郎君が見ていたりとにぎやかだった。

  そして、ケーキを食べるとき、深君が切り分け。虎彦がケーキを持ってきた。

  綺麗に10等分されたケーキ。おいしそうだった。

  ケーキを食べ。虎彦が、

  「どうだ!?」と質問してきたので、

  とてもおいしいよ。そう答えた。

  「うまいぜこりゃ。くぅう…!こんな時に焼酎がないのが残念だぜ!」

  辰兄が言った。

  「ケーキに焼酎は合わねぇんじゃねぇか?」

  そう虎彦がつぶやいた。

  楽しい時間も終わりを告げる。辰兄と2人帰る漏れ。

  「今日の俺は紳士的だっただろ?」

  「かっこよかったよ。辰兄!でも漏れはいつもの辰兄の姿の方が好きだな!頼れる雄!って感じだし!それに、その方が漏れも自然体になれるから。」

  「そうか…失敗したな…」

  少し残念そうにする辰兄。

  「でも、嬉しかった。漏れのことを考えてくれるその気持ちが!だから、失敗なんかじゃないよ!」

  「そうか!」

  笑顔になる辰兄。漏れの家の前につく2人。

  「今日はエスコートありがとう!漏れだけの紳士さん!」

  そう言って、辰兄にキスした後、漏れは家の中に入った。

  12月25日

  今日は翠屋組で仕事をする日。泊まり込みで働く予定だ。

  翠屋組の玄関の前につくと、

  「待ってたぜ!博行!」

  そう言って出迎えてくれた辰兄。他のみんなも玄関前に現れてくれた。

  辰兄の父親の辰平さん。馬獣人の二階堂さん。ネズミ獣人の忠吉君。狐獣人の哲也さん。犬獣人の…えっ!?犬獣人?初めて見る顔に漏れが戸惑っていると。

  「博行とは初めてだったな。こいつはこの秋に入ってきた新人の犬太だ!ちょうど博行と同じ年齢だな!」

  「博行さんですね。辰樹先輩から話は聞いています。しばらく仕事の手伝いに来ると。これからよろしくお願いします。」丁寧な口調で言った。

  犬太君は、礼儀正しく。職場のみんなからも好かれているようだった。

  辰兄は進んで仕事をこなすまじめな奴だぜ。と評価し。辰平さんは俺のしごきにもくじけずついてくる。見どころあるぜ、ありゃ。と評価し。哲也さんは礼儀正しく、気配りのできる子だと評価し。二階堂さんもあの子なら大丈夫じゃないかなと珍しく高く評価し。忠吉君も教えがいがあるっす!と評価した。余談だが、

  「これからは兄貴としてもっと教えないといけないっすね!」

  と先輩風をふかしていた忠吉君に向かって。

  「馬鹿野郎。まだお前がきちんとなっていないじゃねぇか!」

  辰平さんが忠吉君を殴り。

  「チュウ…」

  という声を上げていた。

  午前、午後と仕事をし、休憩時、漏れは犬太君に声をかけた。

  「犬太君はどうして翠屋組に入ろうと思ったの?」

  犬太君は、気配りができて礼儀正しく。落ち付いたところもある。喫茶店とかの方が似合っていそうな気がした。

  「初めはモノ作りに興味はなかったです。でも、ある一つの木彫りの作品を見た時。誰が作ったんだろうと気になったんです。調べて翠屋組で作られているものだとわかりました。そして、その時、辰樹先輩の姿が見えました。後姿がかっこよくて、一つの作品に向かう真剣なまなざしに惹かれました。辰樹先輩みたいな人になりたいと思って。翠屋組に入ることを決めました。」

  犬太くんの瞳はまっすぐだった。そして、気持ちにも偽りなどないようだった。漏れの恋人の辰兄がこんなにも慕われているなんてと漏れのことのように誇らしげな気持ちになった。

  今日の仕事が終わりというとき。哲也さんと犬太君が帰り支度をしていた。

  「あれ?犬太君は、住み込みじゃないの?」

  「犬太君は私と同じで自分の家から通っているんですよ。」

  哲也さんが答えた。そうなんだ。と漏れはつぶやいた。

  ゆきのさんが作ってくれた夕ご飯を食べる漏れたち。

  そして食べた後。

  「漏れの部屋は…」

  そう尋ねると

  「博行は俺と同じ相部屋だ!誰にも文句は言わせねぇぜ!」

  辰兄が周りに向かって強く宣言した。強制的に漏れは辰兄と相部屋になった。

  「辰兄…恥ずかしいよ。」

  「何言ってんだよ博行。俺たちは恋人だぜ。恋人が同じ屋根の下にいるなら、一緒の部屋になるのは当然じゃねぇか!」

  そう言って、漏れにキスをする辰兄。

  「んっ…」

  漏れから声が出る。これから行為が始まるのだろうか?

  そう思っていたが、あっさりと辰兄は漏れを解放した。

  「辰兄?」

  「今日は、仕事始めの日だ。博行も疲れてるんだ。明日も早いしよ!それに…」

  「それに?」

  「それに俺と博行はまだ一緒にいられる!機会はまだある!その時は寝かせねぇぜ…!」

  「辰兄…」

  そう呟くと、漏れは辰兄の腕の中で眠った。

  12月26日

  朝早いといった辰兄の言葉通り、翠屋組の朝は早かった。冬だから、なおさら暗く感じ、寒さがより一層増していた。朝は、仕事の道具の手入れ。自分の分身にも近しい存在だからか。手入れに余念はなかった。午前中。モノを道具が足りないことに気づいた辰平さん。辰平さんは、辰兄へ買いに行くよう命じた。なんで俺が…とつぶやいたが、仕事に必要なものだとわかっているのだろう。断りはしなかった。代わりに。

  「買い物には行ってやるよ。その代わり博行も連れて行くからな!」

  「ええっ!?」

  そう言って、トラックへと手を連れ込み乗り込む辰兄と漏れ。

  「辰兄!?いいの?」

  「別にいいさ。これくらいなら、親父も許してくれる。それに…」

  「それに、博行と別れたくなかったしな。買い物がてらデートへとしゃれこもうじゃねぇか!」

  「辰兄…!」

  嬉しさからか、甘い声が出てしまった。

  だが、漏れは忘れていた。辰兄の運転が荒っぽいことを。

  運転中レーサーの方が向いているんじゃねぇか?との虎彦の言葉を思い出した。

  甘いムードは。ドライブによって粉々に砕かれていた。

  ふらふらになりながら出る漏れと元気な辰兄。

  「楽しかったな!」

  「そうですね…」

  元気なく答えた。

  必要なものを買った後、ついでにと。漏れと辰兄はそろって昼食をとった。

  場所は。おしゃれな喫茶店。作業服に喫茶店は似合っていなかったが、

  「デートらしくていいじゃねぇか。」

  辰兄は気にしていないようだった。

  メニューはオムライスとナポリタン。

  辰兄に向かって

  「このオムライスおいしいよ。」

  そう言って、ケチャップライスののったスプーンを辰兄へと向ける漏れ。

  豪快にそのスプーンを口に運んだ辰兄。

  「そうだな。おいしいぜ!博行からのあーん。だからさらにおいしく感じるぜ!」

  漏れは照れてしまった。そして、その気恥ずかしさのまま、完食し、店を出る漏れと辰兄。だが、その想いも、帰りのトラックの運転で再び粉々に壊されてしまった。

  再びふらふらになった漏れが辰兄と翠屋組に帰ると哲也さんと犬太君がいた。午後からの出勤のようだ。仕事の休憩時間になり、犬太君が漏れに質問してきた。

  「そういえば、博行さんは住み込みだと聞きました。どの部屋に泊っているんですか?」

  「漏れ?漏れは辰兄と同じ相部屋だよ。」

  「そうですか。わかりました。ありがとうございます。」

  礼儀正しく。漏れに告げ、再び作業をする犬太君。

  漏れも犬太君の元を離れ、別の場所へと向かった。

  「うらやましい…」

  犬太君がそう呟いていたにも気づかず。

  今夜も辰兄の部屋に向かう漏れ。

  昨日と同じようにふたたびキスをされる。今夜こそ!?

  そう思っていたが、昨日と同じように、すぐに離れた。

  「なんか博行今日ずっとフラフラじゃねぇか。さすがに見てられなくてよ!」

  「あはは…」

  苦笑いすることしかできなかった漏れ。辰兄のせいだとは言えなかった。

  そして、今夜も同じように漏れは辰兄の腕の中で眠った。

  12月27日

  「今日は博行にプレゼントがある!」

  朝みんなが集まった後、漏れに向けて告げる辰平さん。大きな袋を差し出される漏れ。

  何が入っているんだろうと期待する漏れ。袋を開けるとその中には作業着が入っていた。

  「辰平さん…これ…!」

  「博行も正式に翠屋組の一員になった。その証拠だ!」

  嬉しくなり、その作業着を着る漏れ。

  「似合ってるぜ!博行!」

  一番に辰兄から声がかかった。

  周りからも似合っている。まぁ、いいんじゃないかな。との声が上がる。

  犬太君も似合っています。博行さん。と答えた。いつもと変わらない。丁寧な声色だった。…丁寧すぎるほど。

  仕事は相変わらず大変だった。でも、漏れのことを正式に認めてくれた嬉しさからか。やる気はいつも以上になっていた。そして、普段着に着替えなおした夜。

  「博行の就任祝いだ!」

  そう言って、酒を飲む辰平さんと辰兄。すっかり出来上がっていた。

  「なぁ。博行。今晩は俺の部屋に来ないか。じっくりとかわいがってやるぜぇ…お前のことずっとかわいいと思っていたしな。」

  「ええっ…酔いすぎですよ。辰平さん。」

  「いやいや。小さいままだと思っていたんだが、ずいぶんと成長したな。今年の夏と比べても。ここもな…」

  そういって、下腹部へと手を伸ばそうとする辰平さん。それを見た辰兄が

  「てめぇ。親父酔いすぎなんだよ!そんなけだものの巣に入れるわけねぇだろうがよ!博行!行こうぜ!」

  そう言って、無理やり漏れの手を引く辰兄。漏れと辰兄は気づいていなかった。辰平さんがにやりと笑ったことを。

  「ったく親父め!油断も隙もあったもんじゃねぇな!俺の博行が穢れるぜ!」

  「あはは…」

  笑うことしかできなかった漏れ。

  不意に無言になる漏れと辰兄。

  「博行。もう一度あの作業着を着てくれねぇか?」

  少し真顔になる辰兄。

  「うんいいよ。」

  断る理由のなかった漏れは了承した。

  そして、作業着の服装になった漏れと辰兄。

  「こうしてみると。俺が師匠。博行が弟子になったみたいだな。」

  「弟子…」

  「案外間違いでもねぇかもな!博行も翠屋組の一員なんだからよ!」

  「そうですね!師匠!」

  ふざけたように漏れは答えた。

  師匠と呼ばれた辰兄は急にあくどい顔になって漏れに告げた。

  「知っているか?翠屋組には裏の掟があることを。」

  辰兄さんが耳元でささやいた。

  「裏の掟…ですか?」

  「そうだ。師匠と認めた弟子は師匠に絶対服従の裏の掟を」

  「えっ!?」

  「そして先ほど、博行は俺のことを師匠だと言い、認めた。撤回させるつもりはねぇぜ!」

  「…」

  「今から俺がする行為!告げる内容には絶対服従!分かったか!」

  そう言って、一人の雄の竜人は漏れに唇を無理やり重ねた。

  R-18

  無理やり弟子に対し唇を重ねた俺。

  「辰兄…」

  つぶやく弟子。それに対し、

  「師匠だろ!」

  そう強く言うと、師匠…と弟子がつぶやいた。

  「弟子なのに、師匠に対し、敬意が足りないぞ!自分からキスをすることもできないのか!」

  強く叱りつけると弟子は慌てたように唇を重ねた。

  弟子からキスをされたことに悦ぶ俺。…だが足りない!

  「まだまだひよっこだな!いいか、キスというのはこうするんだ!覚えておけ!」

  そういって、弟子の口に舌を入れた。周りからはケダモノが人間を捕食しているように見えるだろう。…間違いではないが。

  俺が満足するまでキスをして。唇を離した後。弟子がへたりこんだ。腰が砕けたようだ。だが、キスだけで満足させるつもりはない。…俺自身が満足していない!

  「今から師匠の俺が作品を作る!そのための材料が必要だ!いやらしく服を脱げ!」

  その言葉に、弟子は、俺に見せつけるようにいやらしくくねりながら。生まれたままの姿になった。その姿に興奮が増す俺。

  「今から俺だけのための作品を制作する!絶対に逃げるな!」

  そう言って、弟子の首筋に牙を立てた。弟子の首筋に赤い痕が付く。

  次に俺は弟子の肩、腋、腹へと噛み痕をつけていった。俺のものだという証を刻み込み、俺だけの作品が出来上がっていく高揚感!…たまらない!

  「我ながら綺麗にできたな!手伝ってくれたお礼だ!気持ちよくしてやる!」

  そうして、俺は弟子の乳首をいじる。初めから大胆に!乳首で感じているのだろう。

  んっ…とかあっ…とかいう声が漏れていた。少しずつ絶頂へ近づいているようだった。

  弟子のペニスが大きくなっていき、汁が垂れていた。だが、乳首だけでイクのは恥ずかしいのだろう。

  「やめてください師匠…」

  声が漏れた。

  「やめてくださいだと!?師匠のすることに逆らった罰だ!乳首だけでイケ!」

  俺は、弟子の2つの乳首を強くつねり、舐め、噛み、つまんだ。

  こり!こり!ガブッ!きゅっ!

  「ああああああっ!!!!!!師匠!!イクぅぅぅぅぅうう!!!!」

  そう言って、弟子は乳首だけで達した。無様だ。たまらない。…やはり俺の雌だ。

  「はぁはぁはぁはぁ…」

  肩で息をしている弟子。それに対し、俺は。

  「一人だけ気持ちよくなって終わりだと思っていないだろうな?次は師匠の俺を気持ちよくさせてもらおうじゃないか。」

  そう言って、俺は自分のスリットを指で開いて弟子に見せつけた。

  弟子にとっても扇情的な光景だったのだろう。スリットに向かって指を入れようとした。

  「誰が手を使っていいといった!口だけを使え!!」

  そう命令すると。弟子は、俺のスリットに顔を近づけ、舐めまわした。

  そして、舐めている弟子の舌が、俺のスリットの中のペニスに触れ、肉壁と同時に舐めるようになった。ペニスだけでなく。同時に肉壁でも快感を得られる。スリットを持つ竜人の特権だった。快感に打ち震え、ペニスがスリットから出る俺。再びペニスに触れようとする弟子の手。

  「二度同じことを言わせるな!口だけを使えと言ったんだ!!」

  そう言って、弟子に口を開けさせる俺。その口めがけて、俺は最大限勃起したペニスをぶち込んだ。おごっ!おごっ!おごっ!

  やはり俺のペニスは長く、太く、大きいのだろう。苦しそうにする弟子。

  だが、その様子にもかかわらず、大きく腰を振った。イマラチオだ!

  ずちゅずちゅずちゅずちゅ!!!!

  「悦べ!弟子!今師匠からのご褒美をくれてやる!いくぞぉおおお!!うぉぉぉぉおおおお!!!」

  そう言って、弟子の口の中へとザーメンを吐き出す俺。だが、すべて口の中に入れるつもりはなかった。あえて、出ている最中で口から引っこ抜き、顔に向けて射精を続けた。…顔射だ!白い肌が更なる白で穢されていく。…卑猥で扇情的な光景だった。

  顔にかかったザーメンをぬぐおうとする弟子。せっかく俺が作った綺麗な作品を台無しにされる…弟子でも許せなかった!

  「誰がぬぐっていいといった!罰だ!いやらしく腰を振りながらケツ孔を見せろ!!」

  そういうと、弟子は、ケツ孔を振りながら俺に向けた。たまらねぇ!

  「いい動きだ!師匠のおれからご褒美をくれてやる!」

  そう言って、俺は自分の舌を弟子のケツ孔へと近づけ、舐めまわした。気持ちいいだけでなく、少しくすぐったいのだろう。少しだけ、弟子が余裕を見せた。弟子のくせに師匠に向かって余裕の表情を見せるとは…気に入らない!

  そう思い、俺は、指をいきなり2本一気に突っ込んだ。

  「ああっ!!!!」

  甲高い声が上がる。俺の指は常人より太い。それが、いきなり2本も入れば苦しいだろう。だが、俺は攻めの手を緩める気はない。激しく指を上下させる。

  ああっ!!ああっ!!

  次第に、喘ぎ声へと変わる。その声を聞き、指を3本に増やした。そして、十分ほぐれたことを感じると。

  「今ご褒美をくれてやる!いくぞ!!!!俺だけの弟子!!!」

  「来て!!!師匠!!!」

  そう言って、弟子を貫いた。

  「ああっ!!!!」

  甲高い声が弟子から上がる。自分も快楽から持っていかれそうだった。

  だが、自分は雄!目の前の雌に情けない姿を見せることはできない!絶対に気持ちよくして見せる!!あえて、腰の動きをはじめから初めから速く、大きくした。

  ずちゅずちゅずちゅずちゅ!!!!!

  「いいぞ、もっとケツ孔を締めろ!!!」

  そういうと、締まりが強くなった。同時に俺の快楽も強くなった。

  ぱんぱんぱんぱん!!!!突いていく!絶頂が近いのだろう。俺は弟子に向けて最後の命令をした。

  「師匠の目を見て!!!イク時はきちんと言え!!!!」

  そう命令すると。

  「ああっ!!師匠もうだめ!!!!いくぅうううう!!!!」

  そう言って、触れていないペニスからザーメンを吐き出す弟子。

  うねる肉壁。その感触に、俺は我慢することをやめた!!

  「師匠として誇らしいぞ!!!!俺もイク!!絶対に、俺の弟子を逃がさねぇ!!その証として、師匠の俺が!弟子に中出しをしてやる!!!うぉぉおおおおおお!!!」

  そう言って、俺は、弟子の中にザーメンを注ぎ込んだ。びゅるびゅるびゅるびゅる!!!!!すべて吐き出した後。俺はペニスを引き抜いた。ザーメンが漏れだす。白濁があふれる光景は俺が今までどんな描いた絵よりも穢れていて、綺麗で。誰にも見せたくない光景だった。大きすぎる快楽と俺から逃がさないとの言葉が出た嬉しさからか。

  「師匠とずっと一緒だぁ…」

  そう呟いて。弟子は意識を手放した。だがこんなもので足りるものか!

  「弟子は師匠から卒業するのが基本だそうだ…だが俺は、お前を卒業させるつもりはない。そう、永遠にな!!」

  そう言って首筋を噛んで更に一つ俺の痕を刻み込んだ後。俺の果てしない欲望は再び意識のない弟子の体へと向かっていった。

  12月28日

  漏れは、辰兄の部屋で、目が覚めた。起き上がろうとすると。

  「あっ!?」

  昨日の行為は漏れの予想よりも激しかったのだろう。うまく立てなかった。

  その様子を見た辰兄は申し訳なさそうに朝食を漏れの前へと持ってきてくれた。

  さすがに何事かと思ったのか。忠吉君が

  「大丈夫ですか?兄貴?…もしかして夜の…ブベラッ!」

  そう言葉を続けようとして、忠吉君は辰兄から殴られた。…正解なんだけどね…

  だが、漏れは翠屋組の一員。仕事ができないなんて情けない姿を見せるわけにはいかない!

  そう思いながらも自分を奮い立たせて仕事を行った。だが、腰がガクガクだったが。辰平さんは、何か察しているのだろう。

  「いい尻だな!」

  そう言って、漏れの尻をなで、セクハラをした。

  「ああんっ!!」

  つい高い声を上げる漏れ。

  「なっ…親父!博行にセクハラをするんじゃねぇよ!今日は親父から離れて仕事をしろ!」

  そう言って、座ってできる材料の会計の計算を一日中することになった。

  まさか…漏れに座り仕事をさせる口実を作った!?さっきのセクハラも計算ずくなのでは!?辰平さんの行動に感動にも似た何かを覚えた。

  途中、犬太君が漏れの様子を見に来てくれた。

  「大丈夫ですか?博行さん。」

  「犬太君。ありがとう。ちょっと腰をね…」

  「腰…ですか。…腰は歩く時にも重要な器官です。昨日重たいものを持っていたからかもしれませんね。無理だけはしないでくださいね。」

  「ありがとう。犬太君。気を付けるよ。」

  漏れがお礼を言った後、立ち去る犬太君。

  「腰…まさか…そんなはずはないです…」

  そう呟いて。

  仕事が終わり、ようやくまともに歩けるようになった漏れ。

  夜を食べ、辰兄の部屋に戻ると、辰兄から虎彦から電話があったと聞かされた。

  「明日、虎彦から、料理を食べに来ないかとの連絡があった。博行も一緒でいいかと伝えるとぜひ一緒に来てくれとのことだった。明日は休みだし、一緒に行こうぜぇ。」

  そう辰兄から言われる漏れ。虎彦の作る料理はおいしい。断る理由のなかった漏れは。

  「いいよ。辰兄。一緒に行こう。何を作ってくれるんだろう。楽しみだな!」

  「俺もだぜ。」

  そう言って、いつもと同じように、2人同じ部屋で眠りについた。

  12月29日

  漏れと辰兄は虎彦の誘いを受け、旅館おおしまへと足を運んでいた。玄関につくと、

  「待っていたぜ。2人とも!わりぃが出来上がりにまでもう少し時間がかかる。それまで俺の部屋でくつろいでいてくれ。」

  そう言い、漏れと辰兄は2人虎彦の部屋に足を運ぶ。虎彦の部屋に入ったのは、小学生の別れの時以来だった。虎彦の部屋を見回すと、あたり一面。漫画だったり、脱ぎっぱなしの服だったりと散らかっていた。でも、或る一角だけは毎日掃除しているのか綺麗だった。それは写真立て。漏れたち10人がそろった時に取った写真が入っていた。時間つぶしのために、辰兄と2人勝手に漫画を読んでいると。

  「勝手に人の漫画に手を出してやがる。しょうがねぇやつらだな。」

  そう言いながら、虎彦が料理を持ってきた。

  内容は、炊き込みご飯。いい匂いのする味噌汁。きんぴらごぼう。そして、メインとも言える肉じゃが。どれもおいしそうだった。

  「おいしそう!」

  そう漏れが言うと。

  「じゃあ、遠慮なく食べてくれよな!」

  虎彦が元気よく答えてくれた。

  虎彦が作ってくれた料理はどれもおいしかった。その中でも。

  「この肉じゃが、味が染みていておいしい!」

  料理の感想をいうと。

  「褒めてくれてうれしいぜ!肉じゃがは俺の得意料理だからな!」

  照れながら言う虎彦。

  「そうだな。この肉じゃがうめぇな!くぅっ…日本酒が欲しくなるぜ!持ってくるんだった!」

  「わりぃな。酒は今切らしているんだ。今日はシラフな状態で頼むぜ!…それに聞きたいこともあるしな…」

  最後のつぶやきだけは。誰にも聞こえなかった。

  「小一時間ほど席を外す。わりぃが2人で今しばらくつろいでいてくれ。」

  虎彦から告げられ、再び漫画の続きに手を出す漏れと辰兄。ここが、辰兄の部屋ならキスの一つでもしていたのだろう。だが、ここは、虎彦の部屋。エッチなことはしなかった。

  そして、ケーキを持って現れた虎彦。…クリスマスは終わったし、何かのお祝いだろうか?

  「ねぇ虎彦。ケーキだなんて珍しいね。何かいいことでもあった?」

  「これか?これはだな…博行と辰兄の恋人記念のケーキだぜ!」

  一瞬の沈黙。そして、

  「えええええええええええええええ!?虎彦…な!なんで知って!?」

  漏れだけでなく、辰兄からも驚きの声が上がる。

  「分かるにきまってるだろうがよ!親友のことだからな!隠し事はナシだぜ!」

  そう言われる漏れ。親友。そう言ってくれる虎彦の気持ちが嬉しかった。…虎彦には正面から伝えたい。

  「うん。そうだよ虎彦。漏れと辰兄は付き合ってます!」

  「虎彦。隠していてすまねぇな。」

  「気にしてねぇぜ!それよりもケーキを食べてくれよ!どうだ?味は?」

  「おいしいよ!虎彦!やっぱり虎彦には料理の才能があるね!」

  「サンキュ…」

  そう虎彦がつぶやいた。漏れは気づけなかった。少し、声色が寂しそうになっていたのを。

  漏れと辰兄が料理をごちそうになり、翠屋組の家へと2人帰ろうとすると。

  「そういえば、辰兄に言い忘れたことがあったんだった。辰兄。少しだけ時間をくれねぇか?」

  そう虎彦が言い、了承し、旅館の中へと戻る辰兄。5分後、辰兄は出てきた。

  「遅くなってすまねぇ。博行。帰るぞ。」

  「うん。」

  2人。並んで帰る。意外なことに辰兄は何も話さなかった。

  夜。辰兄の部屋で、いつものように眠ろうとする漏れと辰兄。

  ふいに辰兄が漏れの方へ真剣なまなざしを向けて。

  「博行のことはぜってぇ俺が幸せにしてやるからな。」

  真剣な声で漏れに向かって言った。

  「ありがとう。漏れは、十分辰兄から幸せにしてもらっているよ。」

  「そうか。よかった…」

  そう呟いて漏れと辰兄は今度こそ眠りについた。

  …辰樹サイド…

  「なんでぇ虎彦。俺に伝え忘れていたことって。」

  そう虎彦に向けて言うと、虎彦は真剣な顔をしながら俺に向かって言った。

  「俺は、博行のことが好きだった…いや、今でも好きだ。この気持ちをあきらめきれてねぇ。」

  「なっ!?と、虎彦!?」

  「だが、博行の相手が辰兄だったから。辰兄だったからこそ。俺は想いを伝えることなく。博行を譲った。」

  「虎彦…」

  「言っておく。もし今後、博行を悲しませるような真似をしたら!相手が辰兄でも関係ない。正面から奪って俺が博行を幸せにする!」

  「虎彦…!宣言する。俺は絶対に博行を悲しませない!俺のすべてをかけて博行を幸せにしてみせる!約束だ!」

  「おう!男と男の約束だ!」

  そう俺は虎彦に告げ、博行の元へと戻った。

  12月30日

  今日は翠屋組で仕事をする最後の日。…本来なら。

  今日、辰兄は机の修理をしていた。ひたむきに作業する辰兄の後ろ姿はかっこよかった。

  つい、見惚れて手が止まってしまっていると。

  「きみは、見ていることしかできないのかな?」

  そう二階堂さんから言われ、あわてて作業をする漏れ。…だが、辰兄の後ろ姿に見惚れていたのは漏れだけではなかった。漏れは、道具の手入れをしようと道具箱に手を伸ばす。

  その時、辰平さんが、漏れに話があると言って、漏れを呼んだ。

  「博行、今まで仕事ご苦労だったな。」

  「辰平さん。いえいえ、漏れは大したことしてないですよ。」

  「そんなことねぇ。…博行に聞くが、1月2日は空いているか?」

  「漏れですか?特に予定はないですけど…」

  辰平さんからの個人的なお誘い。まさか…禁断のデート!?

  「実はだな。1月2日に神社で仕事があるんだが。手伝ってもらえねぇかと思ってな。」

  「手伝い…ですか?」

  「他の奴らは実家に帰省するとかで来られねぇんだ。残っているのは俺と辰樹しかいねぇ。人手が足りねぇんだ。ぜひ戦力になってほしい!」

  「辰平さん…!漏れでよかったら、力になります!」

  「ありがとな。博行!仕事自体は午前中には終わる。当日はよろしく頼むぜぇ!」

  そう言って、去っていく辰平さん。漏れも、道具箱の手入れを始めた。

  ゆきのさんが作ってくれた料理を食べ、午後、犬太君が漏れに話しかけてきた。

  「博行さん。今日まで仕事お疲れさまでした。大変だったでしょう?」

  「犬太君。気遣ってくれてありがとう。でも、最後まで、頑張らなくっちゃ!」

  「…最後。そうですよね!博行さん。頑張りましょうね。」

  そう言って。犬太君は漏れに向かって笑顔を見せてくれた。飛び切りの笑顔だった。

  掃除が終わり、仕事が終わって、解散するみんな。今日はやはり辰平さんの言ったとおり、みんな実家に帰るようだった。博行さん。ありがとう。みんなが漏れに向かって感謝の言葉を言ってくれた。犬太君が、辰兄に向かって言った。

  「辰樹先輩!よいお年でした。また来年も。」

  「おぅ犬太!来年もよろしくな!」

  そう返した。犬太君は帰っていった。後ろ姿を見るとしっぽが揺れていた。

  「辰兄…名残惜しいけどまた来年にね!」

  「博行…おぅ!また来年!会おうぜぇ!」

  そう言って、漏れの祖父と祖母のいる家へと帰る漏れ。久しぶりに、祖父と祖母の手料理を食べた。数日ぶりだというのになぜか懐かしいと感じた。

  夜。漏れは、一人部屋で眠る。この冬は辰兄が一緒に寝てくれた。だが、今日は一人だ。

  辰兄のぬくもりを感じることができない漏れは、少し寒いなと感じながら眠りについた。

  12月31日

  誰とも会う予定のない漏れ。暇な大晦日だ…いや、全然暇じゃない。やることがあるじゃないか!そう言って、漏れが手に取ったのは、冬休みの宿題だった!翠屋組で仕事している時。一度も勉強に手を付けていない。宿題をしないまま冬休みを終えたら…春休み返上で勉強の可能性が…!春休みも水郷村に帰ってきたいのに…帰れなくなっちゃう!そう思いながら、教科書に向かった。だが、翠屋組で過ごしていくうち、漏れは脳筋になっていたのだろう。あぁ…うう…これはどうだっけ?その言葉が漏れの口から漏れた。昼を過ぎ、少しだけ休憩しようと。漏れは、本を読んだ。タイトルは「飛行機の仕組み」だ。あの夏、空を飛ぶ楽しさを覚えてから、飛行機や機械について興味を持った。建築とは関係ない分野。だが、辰兄も自分のやっている仕事の内容とは違うのに一生懸命あの飛行機を修理していた。そのひたむきさ。漏れも見習いたい。読んでいると、漏れの中に、やる気が芽生えた。その想いから、夏から比較的成績がまともになった物理の課題に取り組んだ。

  夜。祖父と祖母とともに紅白を見ていた。

  最近のはやりの歌から、懐かしい歌。歌というものは不思議なもので、聞いていくうちに、時間がたっていくのを感じた。

  紅白を見ていると電話が鳴った。誰だろうか?

  「もしもし?」

  「おぅ!博行か?俺だ!」

  「辰兄!」

  電話の相手は辰兄だった。

  「辰兄?どうしたの?」

  「いやな?博行がいなくてさみしくてよぉ。どう過ごしているか聞きたかったんだ。」

  「漏れ?漏れは今日一日勉強漬けさ…」

  「なんでぇ。珍しいな。勉強なんて。」

  「だって、勉強しないと補習で春休み返上とか留年になったら…考えるだけで恐ろしいよ。」

  「んなもん心配しなくても大丈夫だって博行。もし高校中退なんて事態になったら翠屋組に就職すればいいじゃねぇか!」

  「辰兄。ありがとう。でも、漏れは大学に行こうと思ってるんだ。少しでも知識をつけて辰兄の力になりたいから…!」

  「博行…」

  甘い時間が流れる。

  「名残惜しいが、またな。酔っぱらった親父がうるさくてしかたがねぇ!」

  「あはは。またね。辰兄。」

  そう言って、漏れは電話を切って部屋で一人年明けを迎えた。

  1月1日

  漏れは一人、初詣へと出かけた。

  普段であれば、ほとんど人がいないであろう神社。しかし、今日に限ってはこんなにも人がいたのかと思うほど参拝客であふれかえっていた。

  漏れは、一人、お賽銭をすべく列に並んだ。ようやく、賽銭箱の前に並ぶと、一礼し、手を合わせた。参拝も済ませて帰ろうとすると、辰兄と辰平さんが、やぐらを組み立てているのが見えた。

  「辰兄。辰平さん。あけましておめでとうございます!」

  「オッス!博行!あけましておめでとうだぜ!」

  「博行じゃねぇか。あけましておめでとうだな。」

  「2人とも、今仕事中?漏れも手伝おうか?」

  「今日はいいぜ。博行。重量作業が中心だからな。さすがに博行にはまだ無理だな。」

  仕事に対しては、辰平さんの方が正しい判断をするのだろう。辰兄も、手伝ってくれとは言わなかった。代わりに辰兄が漏れに尋ねる。

  「博行は何を願ったんだ?」

  「漏れ、漏れは健康に過ごせますようにかな。」

  「なんでぇ。普通じゃねえか。」

  「何事も普通が一番だよ。辰兄。」

  「いいことを言うじゃねぇか。博行。辰樹も見習えよ。」

  そういって、別の場所に移動する辰平さん。

  そのすきを見計らって。

  「本当は漏れと辰兄が2人幸せに過ごせますように。だよ!」

  「な!?」

  「じゃあね。辰兄!仕事頑張ってね!」

  そう言って、漏れは家へと帰った。

  家に着くと、祖父と祖母から、伝言があった。

  「申し訳ないけど、親戚の集まりに明日出かけないといけないの。だから、家にはいないの。明後日には帰ってくるから。」

  申し訳なさそうに言われる。

  「気にしないで。実は漏れも明日、翠屋組での仕事の手伝いがあるんだ。だから明日は一日中外に出るつもりだったし。」

  そう言って、2人を安心させた後。漏れは、明日の仕事のために眠りについた。

  1月2日

  今日は辰平さんの依頼で、仕事を手伝う日だ。天気は快晴。久しぶりの暖冬ということで暖かかった。

  現場の神社へと向かう漏れ。

  「オッス!博行!2日続けて参拝だなんて珍しいな。」

  「辰兄。おはよう。今日は辰平さんに頼まれて仕事に来たんだ。」

  「親父そんなこと言ってたのか?確かに今日は軽作業が多いが…」

  「うん。だから漏れも手伝わせて。一緒に頑張ろう。辰兄!」

  「博行…そうだな!2人合わせれば百人力だ!」

  「百人力というには、辰樹はまだまだ実力不足だがな!」

  「なっ!?親父!?」

  「さぁ今から仕事だ!張り切ってするぞ!」

  そう辰平さんが言い、三人仕事に向かった。

  仕事は大変だった。でも、何とかやり切った。

  「博行。ありがとな!午後からは好きに過ごしていいぜ。辰樹も今日はもう上がっていいぞ。」

  「分かったぜ。親父。博行。せっかくだから、屋台を見て回らねぇか?」

  そう言って、屋台を回る漏れと辰兄。綿菓子。唐揚げ屋。射的。

  「デートみたいだね辰兄!」

  「デート…そうだな!デートだな博行。よし!いいとこ見せてやるぜ!」

  そう言って輪投げに挑戦する辰兄。だが、頑張りもむなしく、景品は取れなかった。夕方。

  「すまねぇな。博行。景品とってやれなくて。かっこわりぃよな…」

  「そんなことないよ辰兄。」

  辰兄を励ましながら歩いていると一人の大人が漏れたちの方に向かって歩いてきた。

  「辰樹さん。今大丈夫ですか?」

  「どうした?そんなに慌てて?」

  「実はですね…辰平さんが酔っぱらってしまって。本来太鼓をたたく人があれだと…」

  「親父め。周りに迷惑かけやがって…!」

  立ち尽くす漏れたち。その時、漏れの頭の中に一つのアイディアがひらめいた。

  「だったら辰兄が太鼓を叩けばいいんだよ!」

  「博行!?」

  「いいじゃない。辰兄。夏の時も叩いていたんだし。それに、辰兄の太鼓を叩くかっこいい姿。見たいな!」

  「博行。そこまで言われちゃ男の名が廃るぜ!いっちょ見てくれよな!」

  そういって、太鼓を叩くことを決めた辰兄。太鼓を叩いている辰兄は、とてもかっこよく。女の子たちも数人辰兄に見惚れていた。

  「かっこよかったよ!辰兄!」

  「おう!かっこいい姿!見せられてよかったぜ!」

  その後、祝いだと言って、周りから酒を勧められ。飲み、酔っぱらった辰兄。さっきとは違って、けらけら笑っていて、少しだけだらしなかった。でも、辰兄らしいや。漏れはそう思った。周りの空気に当てられて。漏れも酒を飲んでしまっていた。…本当はいけないことだが。

  「おう辰樹。いっちょ前にやるじゃねぇか。」

  「なっ!?親父!周りに迷惑をかけるんじゃねぇよ!」

  酔いつぶれて寝ていた状態から若干復帰した辰平さん。辰兄の声に目もくれず、辰平さんは漏れの前に向かってこう言った。

  「相変わらずいい尻してるじゃねぇか。博行!」

  そう言って、漏れの尻を触る辰平さん。

  「なっ!?親父こんな時までセクハラしてんじゃねぇよ!博行、あっち行こうぜ!」

  そう言って、漏れの手を引き、無理やり人気のないところへと連れていく辰兄。だが、気付かなかった。辰平さんが邪悪な笑みをしていることに。

  「親父の奴。こんな時でも博行にセクハラしやがって。」

  「辰兄ったら…」

  「でもま。親父の気持ちもわかるがよ!こんなにいい尻してるんだからな!」

  そう言って、いやらしく漏れの尻を撫でまわす辰兄。そして、その手が止まり、不意に無言になる辰兄。そして、唇を奪われる。

  「んっ…」

  「なぁ博行!今からしようぜぇ…!」

  何のことかはわかっていた。

  「辰兄…でも…ここ、外!」

  「いいじゃねぇか博行。こんなところ誰も来ねぇよ。それに今すぐ博行を味わいてぇんだ!」

  「辰兄…分かった…いいよ!」

  そう言って、再び漏れと辰兄がキスをしようとした時、不意に近くの茂みが動いた。あわてて離れる漏れと辰兄。

  「ほう。今からお楽しみってわけか?辰樹?」

  「なっ!?親父、こんなところで何してるんだよ!?」

  「何って、気になったから後をつけていたんだ。そしたら、2人キスなんかしていいムードだったからな!ちょっと見てやろうと思ったんだよ!」

  「見られてたのか…そうだ。親父、今から博行といいことするんだ!親父は引っ込んでろ!」

  「ほう…いっちょ前に言うじゃねぇか。」

  そう言って、一枚の上着を脱ぐ辰平さん。

  「なっ!?何のつもりだ親父!?」

  「博行。年上ってのもいいもんだぜ。今から酸いも甘いも知り尽くした大人の魅力ってやつを教えてやるよ!」

  辰兄の言葉を無視し、漏れに告げる辰平さん。

  「親父!博行には俺が!」

  「なぁ…博行…俺とするのはだめか?」

  真剣な目をして漏れに告げる辰平さん。

  「えっ!?」

  漏れは、その真剣な目に不覚にもときめいてしまった。

  「親父!いい加減にしろよ!」

  「うるせぇな!…だったら、こうしようじゃねぇか。俺と辰樹と博行。3人で楽しもうじゃねぇか…!」

  「なっ!?」

  「3人で!?」

  「そうだ。博行!これから博行に雄の竜人2人からの極楽を味合わせてやるぜぇ…!」

  その言葉を聞き、漏れは口を開いた。

  →ごめんなさい!漏れの恋人は辰兄だけだから…!

  →親子丼…ごくり…

  1月2日 Aルート

  R-18

  「ごめんなさい!漏れの恋人は辰兄だけだから…!」

  冷静になった頭でそう答えた。そうだ。漏れの恋人は辰兄だけだ。だからほかの人となんかしてはいけないんだ!

  「そうだぜ親父!博行の恋人は俺だけだ!これだけは親父でも譲れねぇ!」

  「いっちょ前に言うようになったな!…いいぜ、今日は退散してやる。隙を見せるんじゃねぇぜ!博行。」

  そう言って、漏れの尻を撫でで退散する辰平さん。

  「親父…また…!!!」

  「辰兄。今だけは。セクハラされたことなんか忘れて漏れだけを見てほしいな。」

  「博行。そうだな!2人きりで楽しもうぜ!」

  そう言って、ふたたびキスをする漏れと辰兄。

  触れるだけだったものが次第に濃厚なものへと変わっていく。

  「ん…じゅる」

  「ん…は、は」

  漏れの唾液を余すことなく啜られた。そして、俺の味を覚えろとでもいうように隅々まで舌を差しいれてきた。漏れは俺のものだと教え込むように。辰兄の口からは酒の味がした。

  そうして、2人一つになる感覚に漏れは酔いしれた。

  「脱がしてやるぜ…!」「脱いで…辰兄。」

  そう同時に言って、2人生まれたままの姿になった。

  生まれたままの辰兄は。漏れの雄だと見せつけるような体つきをしていた。太い腕と足。丸く出たおなかも貫禄があり、余すところなく雄だった。そして、ペニス。…だが、今はスリットの中に収納しているのか見えなかった。

  「まずは前菜を味合わせてもらうぜぇ!」

  辰兄の口は漏れの乳首へと向いた。片方の乳首を舐めながら、もう片方の乳首は手でいじり、こねる。

  「ああああっ!!!」

  快感から声が出た。そして、漏れのペニスが大きくなった。

  「いい反応だぜぇ博行!じゃあ、メインを味合わせてもらうとするか!」

  ひとしきり漏れの乳首をいじった後、辰兄の顔は漏れのペニスへ向いた。あえてなのだろう。漏れのペニスを手では触らず。口だけで愛撫した。じゅぽっ!じゅぽっ!辰兄の口から卑猥な音が漏れる。前のエッチでは舐められることのなかった漏れのペニス。久しぶりに辰兄に舐められている!その行為に、すぐに絶頂が近づくのを感じた。

  「離して!辰兄!もう出ちゃう!」

  しかし、その漏れの言葉を無視して、辰兄は口で愛撫を続けた。

  それどころか口の動きを早くした。じゅぽ!じゅぽ!じゅぽ!じゅぽ!そして、ついに

  「あああああっ!!辰兄!いくぅうううう!!!」

  そう言って、辰兄の口にザーメンを放った。

  快感に震える漏れ。

  「うまかったぜぇ博行!だがもっと違うものも出せるだろ?」

  そう言って辰兄はさらなる追撃をしてきた。

  漏れのペニスをしつこく舐め続けていた。じゅぽ!じゅぽ!じゅぽ!じゅぽ!口を上下させ、カリ首をぐるりと回し、尿道を舌で突っつく。その動きに、

  「あああああああああっ!!!!」

  漏れは、ペニスから潮を噴出した。はぁはぁと肩で息をする漏れ。興奮してくれたのだろう。辰兄のスリットからはペニスが露出して、天を向いていた。次のステップへと進もうとしたのだろう。漏れの尻孔へと顔を近づける辰兄。その様子にたまらず、

  「待って、辰兄!漏れは辰兄の恋人なんだよ!漏れだって辰兄を気持ちよくしてあげたい!」

  そういって、顔の動きをやめさせた。

  そうして、辰兄へと向き直る漏れ。そして漏れは、顔を乳首へと向け、舐めた。

  「くっ…!いいぜぇ…!」

  辰兄から低い声が漏れる。

  もう一つの乳首を指で触る。

  「くうっ!やるじゃねぇか!」

  再びうなり声が上がる。気持ちいいんだ。辰兄のペニスがさらに大きくなっていった。

  乳首から顔を離し、ペニスをまじまじと見る。やはり竜人の例にもれず、大きく、太かった。

  そのペニスに向かって、漏れは舌を這わせた。

  「ぐっ!!」

  舌を這わせていると、元から大きかったものがさらに大きくなり、汁があふれていくのを感じた。気持ちよくさせられているんだ。そう思うと、今度は口に含んだ。じゅるじゅるじゅる!先走りが多くなる。漏れからの奉仕に射精欲を感じたのだろう。漏れに対し、

  「博行、口の動きを速めてくれるか…もう出る!俺のザーメンを飲んでくれ!」

  辰兄は言った。その声に従い、舐める速度を早くする。

  じゅぽ!じゅぽ!じゅぽ!じゅぽ!そして、ついに

  「くっ!!!博行!いくぞぉぉぉぉぉおおお!!!」

  そう言って、漏れの口にザーメンを放った。

  快感に震える辰兄。だが、一回出しただけでは満足できていないのだろう。ペニスは勃起したままだった。漏れは口の中に出されたザーメンを指に取り、漏れの尻穴に絡めながら言った。

  「辰兄。入れて!そして、漏れの尻孔で快感を感じてください!」

  言葉を聞き、顔を近づけ、漏れの尻穴へ舌を入れ、舐めまわす辰兄。気持ちいいようなくすぐったいような快感を漏れは感じた。

  その感覚を数分味わった後、辰兄の指が漏れの尻穴に突き入れられる。やはり、辰兄の指は太く、異物感があったが、上下させられているうち、確かな快感を得た。

  「あっ!あっ!あっ!あっ!」

  だんだんと喘ぎ声が上がる漏れ。

  「気持ちいいか!博行!もっと感じさせてやるぜぇ…!」

  そう言って辰兄は指を2本、3本と増やしていった。尻穴に指を入れられて数分。そして、

  「入れるぞ!!博行!」

  そう言って辰兄のペニスが漏れの中へと入れられた。

  漏れをいたわるようゆっくりと入れられる辰兄のペニス。そして、

  「全部入ったぞ!相変わらず博行の中は気持ちいいぜ!」

  そう言って、腰を上下させる辰兄。だが、その動きは、漏れをいたわるような動きで、優しかった。優しい腰の動きが数分続いた。気持ちいい。漏れはそのままでもイケるだろう。だが、辰兄はどうか?もっと辰兄には気持ちよくなってほしい。その想いから、辰兄を上目遣いに見て、

  「じらさないで…辰兄!もっと激しくして!」

  漏れからの懇願を受け入れたのだろう。腰の動きが激しくなった。ずちゅずちゅずちゅ!荒々しい動き。その動きに漏れは強い快感を感じてしまった。そして、その動きに漏れは、

  「あああああっ!!!!いくぅぅぅぅううう!!!」

  あっけなく達した。だが、辰兄はまだイッてない。尻孔を締めると。

  「くっ!!!!締まる!!!!イクぞ!博行!いくぞぉぉぉおおお!!!うぉおおおおお!!!」

  そう言って辰兄は漏れの中にザーメンを吐き出した。

  快楽から気を失っていく瞬間。

  「愛してる。漏れだけの辰兄…漏れだけの恋人…」

  漏れはそう呟いた。

  「当り前だ。愛している。…俺の恋人は博行だけだ!そして博行の恋人も俺だけだ!!!」

  辰兄から漏れへの愛の言葉が聞こえた。

  1月2日 Bルート

  R-18

  「親子丼…ごくり…」

  漏れも酔っていたのだろう。魅力的な辰兄と辰平さんの体を同時に味わえる。その興奮からそう呟いてしまった。

  「なっ…博行!!」

  「おお!ずいぶんと前向きな答えだ。嬉しいぞ博行!」

  「それに比べて今更見苦しいぞ辰樹!雄ならどんな状況でも相手を気持ちよくさせるのが務めじゃないのか?」

  「…分かった。そこまで言われちゃ竜人の雄が廃るぜ!博行!今から極上の快楽を味合わせてやるぜ!」

  そう言って、漏れの方へと向く辰兄と辰平さん。これからする行為に漏れはドキドキした。

  「先に行動していいぞ辰樹。」

  そう言って、漏れから離れた辰平さん。そして、再びキスをする漏れと辰兄。唇が離れる。

  「なんだ。その程度かよ。雄として情けねぇな。」

  そう言って、今度は辰平さんが漏れにいきなりキスをしてきた。初めから舌を入れる激しいキス。やはり熟練者だ。漏れは快感を感じていた。キスを終え、唇を離した時。

  「竜人の雄ならこれくらいはしてやらねぇとな!」

  この言葉と行動に嫉妬をしたのだろう。辰兄は

  「俺でもそれくらいできる!なめるな!!」

  漏れに激しいキスをお見舞いしてきた。お互いの舌を絡め、舐めまわす。辰平さんの味を上書きするように。

  「これからは3人で楽しもうぜぇ!」

  辰平さんは3人での行為の始まりを告げた。

  3人でのキス。3人舌を絡め。酒臭い息が絡まり、つながる。血のつながった親子相手に同時にキスをしている。本来ないであろう光景…近親相姦…様々な考えが浮かんでは消えていく。そして、つうっ…と3つの口から銀糸が垂れる。その後、

  「脱がすぜ…」

  2人の声が重なり漏れの衣服を脱がしていった。やはり親子。なんだかんだ口げんかしても仲がいいのだろう。辰兄は上、辰平さんは下と脱がされ、生まれたままの姿にされた。そして、2人の雄の竜人は服を脱いだ。若々しい顔立ち。年を取った色気のある顔立ち。その2つの顔が漏れの首筋へと向かう。首筋を両方。同時に噛まれ、キスマークが2つ付いた。

  そして、2つの口は漏れの体へと痕をつけていく。

  腋、鎖骨。腹。次にその2つの顔が漏れの乳首へと向かった。

  「ああっ!!!」

  思わず甲高い声が上がる。漏れ自身自分で乳首をいじったことがある。舐められたこともある。だが、同時に2つの乳首を舐められる経験はなかった。舐め、噛まれる。口だけの動き。本来なら決してされないであろう2つの動き。2つの口は違う反応をさせながら動いていた。辰兄は勢いのある舐め方。辰平さんは漏れを感じさせようと的確にいい部分をついてくる熟練屋の舐め方。くちゅんベロン!!ペロッカプッ!!!気持ちよかった。

  「イキそう…思わずつぶやいた。」だが、2人の竜は示し合わせたかのように口を離さず、漏れの乳首を攻め続けた。そして、

  「ああっ!!!いくぅぅううう!!!」

  触られていないにもかかわらず、漏れのペニスからザーメンを噴出した。

  2つの口が乳首から離れる。そして、示し合わせたかのごとく。2つのその口は漏れのペニスへと向けられた。

  「ああああっ!!!!!ああっ!!!!!」

  強すぎる快楽だった。親子二枚の舌が漏れのペニスを舐める。ペニスの先端全体が包まれる。漏れのペニス越しで親子がキスをしている…!その後、口は上下へと別れた。辰兄は玉を舐めまわすように。辰平さんはカリ首と先端を咥え、裏筋を舐めるように。漏れをイカせようとする親子の口の動きが激しくなる。たまらない。イキそうになる。

  「イキそう…」

  そう呟くと、今度はあっさりと2つの口が離れた。戸惑う漏れ。それに対し、

  「俺たちのペニスも気持ちよくしてもらわないと不公平だろうが!」

  そう2つの声が重なり、2人漏れの前に立ち上がった。

  エッチの中で、他人の2つのペニスを見る機会などなかった漏れ。

  漏れは、まず、今まで味わったことのない辰平さんのペニスに口をつけ、舐めまわした。辰兄のペニスは手でしごいた。

  しばらくペニスを舐めまわしていると。

  「俺の方も頼むぜぇ…!」

  手でしごいていた辰兄のペニスの方に漏れの顔を向けさせられた。漏れは、咥えるペニスと、しごくペニスを反対にした。そうして交互にペニスを舐め比べる。2つのペニスを同時に味わう経験。普通はないだろう。だが、この状況が、漏れの興奮を高めていた。それは、2人も同じだった。興奮しているのか。汁の中に白いものが垂れてきた。

  イキそうなのだろう。漏れはそのことを感じると、2つの腰を引き寄せ、2つのペニスを同時に舐めまわした。

  「くっ!!!」

  低いうなり声が、2つの口から漏れる。そして、

  「イクぞぉおおおお!!!!!うぉぉぉぉ!!!!!」

  そう言って漏れの口めがけて、2つのペニスが、同時にザーメンを噴出した。

  青臭いザーメンの味とほろ苦いようなザーメンの味。2種類のザーメン。だが、いつもと違い、出てくるザーメンの量が2倍。飲み切れない。2つのペニスから噴出したザーメンは、漏れの顔を白く卑猥にコーティングした。そして。3人同時にキスをした。ザーメンキスだ。

  3人で数分口での交わりを楽しんだ後。口を離した。銀糸だけでなく、その中に白いものが混じり、切れた。そのあと辰平さんが、スリットを漏れに見せつけるように自分の指でくぱぁと開いた。扇情的な光景に思わず漏れの足が進む。だが、辰兄は進もうとする漏れの肩を手で止め、それ以上進まないようにした。

  「親父、俺たちは竜人の雄…だよな?」

  「何当たり前のこと言ってんだ?辰樹。」

  「博行、お前は?」

  「漏れは…男…」

  「違うだろ、お前は雌!だろ!?」

  「雌…漏れは…雌。」

  「そうだ!雌は雄に対し、ペニスを入れることなんかあっちゃならねぇんだ!」

  「そうだったな!辰樹!博行に雄の竜人だということを見せつけてやろうじゃねぇか!」

  そう言って、立ち上がった辰平さん。辰平さんは漏れの尻孔をしつこく舐め、指を入れて感じるポイントを重点的に上下させる。辰兄は、主に漏れの乳首などの上半身を舐め、快感を与える。ペニスに触れないのは、漏れを雌として扱っている証だった。数分その行為が行われ、そして、

  「入れるぞ!!!!」

  辰平さんのペニスが漏れのケツ孔へと入れられた。今まで辰兄専用だった孔は、辰平さんの味を知った。辰平さんの腰の動きは、熟練者のごとく、漏れのいいポイントを的確についてきた。そして、辰兄のペニスは漏れの顔へと向けられた。漏れはそのペニスを咥えた。

  腰が上下され、顔を固定され、腰が振られる。コンビネーションもよく、オナホのように扱われる漏れの体。2つの腰の動きが激しくなる。そして、

  「いくぞぉおおおおお!!うぉおおおお!!!!」

  辰兄の青臭いザーメンが漏れの口へと放たれる。そして、辰平さんのザーメンが漏れの尻孔へと入れられた。…辰兄しか知らなかった尻孔が辰平さんで穢された瞬間だった。

  そして、口と尻穴からペニスが抜かれる。どちらの孔からもザーメンが漏れる。

  役割交代なのだろうか。尻穴に入っていたペニスは口に、口に入っていたペニスは尻孔へと入れられた。再びオナホのように扱われる漏れ。

  「親父のくせぇザーメンなんか全部かき出してやる!」

  そう言って、辰兄ははじめから腰の動きを早くした。

  快感を与えられ、与える。その快感に、漏れは絶頂へと導かれた。

  「んんんんんっ!!!!!!」

  声を上げることも許されず、漏れはペニスからザーメンを噴出した。

  射精したことで漏れの口と尻穴が締まり、うねる。その刺激から。

  「いくぞぉおおおおお!!うぉおおおお!!!!」

  口と尻穴。再び漏れの2つの孔の中に2人のザーメンが放出される。

  大きすぎる快楽の中。

  「親子丼…ごちそうさまでした…」

  漏れは、意識を失う寸前。つぶやいた。

  「博行、これで終わりだと思ってねぇだろうな!雄の竜人の性欲を甘く見るなよ…!」

  そう言って、2人の雄は再び漏れの体に快楽を与えた。

  1月3日

  漏れが目覚めると、そこは辰兄の部屋だった。

  昨日も激しかったのだろう。うまく立てなかった。

  「大丈夫か?博行?」

  「辰兄…うん大丈夫…と言いたいけれど、少し腰が痛いかな?」

  「俺は謝らねぇぜ!博行を気持ちよくできた証だからな!」

  「辰兄…!」

  「おっと、親父から伝言だ。竜人の雄の凄さ、骨身にしみただろう!だそうだ…ったく!」

  「あはは…」

  「それと俺に対しても、博行を絶対に幸せにするんだぞ!だそうだ。んなもん言われなくっても分かってるの!」

  「辰兄…。辰平さんは漏れと辰兄の関係を認めてくれたのかな?」

  「あたりめぇじゃねぇか!それに、仮に親父が認めなくてもぜってぇ博行を離せねぇと決めたからな!」

  「辰兄…ありがとう。それに、認めてくれる人がいるって、嬉しいものだね!」

  朝ごはんは、辰兄が作ってくれたものを食べた。味はなかなかだった。いつもご飯を作ってくれるゆきのさんと辰平さんは今日1日出掛けていていないそうだ。漏れと辰兄の2人きり。午前中は、辰兄と2人絵を描いていた。漏れ自身はあまり絵はうまくないが、辰兄が教えてくれたおかげで、我ながらうまく描けたと思った。

  昼食は、漏れが作った。虎彦ほどうまくはできなかったが、辰兄は

  「おいしいぞ…博行!まるで新婚みたいだな!」

  と褒めてくれた。嬉しさのあまり、

  「ありがとう辰兄。今度は裸エプロンで作ってあげようか?」

  などと冗談を言う漏れ。

  「裸エプロン…ゴクリ…たぎるぜぇ!」

  辰兄は本気に受け取ってしまった。

  午後、2人居間で話していると、不意にチャイムが鳴った。

  「俺が出てくるぜぇ。」

  そう言って、玄関へと向かう辰兄。

  「辰樹先輩!あけましておめでとうございます!」

  犬太君の声が聞こえた。せっかくだ。漏れも挨拶していこうと玄関に向かった。

  「おう犬太!あけましておめでとう!」

  嬉しそうな顔をしている犬太君。

  「犬太君。あけましておめでとう。」

  「え…博行さん?どうしてここに…?」

  犬太君から返ってきたのはあいさつではなく、困惑の言葉だった。

  「おう犬太!すまねぇが親父とおふくろは出掛けているんだ。何か用があったのか?」

  「出掛けている…辰樹先輩は博行さんと2人きりなんですか?」

  「?そうだが、どうした、犬太?用事があったんじゃねぇのか?」

  「…い…いえ!あいさつをしに来ただけです。それでは辰樹先輩。また。」

  そう言って、立ち去っていった犬太君。

  「こんな日にも二人きり…いやだ…これ以上は…!」

  そのつぶやきはだれにも聞こえなかった。

  夕方になり、家へと帰ろうとする漏れ。

  別れ際に辰兄は。

  「明日。デートをしようぜぇ!楽しみにしてくれよな!」

  辰兄とデート。嬉しい。

  「うん!楽しみにしてる。」

  そう漏れは告げ、辰兄の家を後にした。

  1月4日

  今日、デートしてくれとの辰兄の願いに応え、漏れと辰兄は風鳴町へと足を運んだ。

  漏れを迎えに来た時、辰兄はいつもの作業着姿だった。

  「あれ?デートなのに今日はタキシードじゃないのかな?」

  冗談交じりに言う漏れ。

  「何言ってんだ。博行は自然体な俺が好きだと言ってくれたんだ。だから、今日はいつもの格好でデートするんだ!」

  漏れが言った言葉を覚えててくれて嬉しかった。明日は、漏れが帰る日。辰兄と別れてしまう日。寂しかった。でも、今日1日を素晴らしいものにしたい。辰兄にも楽しんでもらいたい。その想いから寂しい気持ちを隠し、笑顔で接した。

  午前中はいろいろ見て回った。美術館。服屋。アクセサリー屋。

  美術館に足を運んだのは意外だった。もっと、にぎやかな場所を予想していたから。

  「絵を描くのも好きだが、見るのも好きなんだ。博行にも、絵の良さを知ってもらおうと思ってな。」

  美術館なんて、子供のころ足を運んだきりだった。風景画、人物画、様々な綺麗なものを見て、感動を覚えた。

  服屋では、辰兄の服を見繕ってあげた。夏のころよりも若干サイズアップしているようで、XXLでは、少し小さいようだ。

  「このコート。辰兄に似合うんじゃないかな?仕事中でも着て問題ないだろうし。」

  「そうか?じゃあ試着してくるぜ!」

  そう言って、試着室へと入った辰兄。

  「どうだ?博行、似合ってるか?」

  「うん。似合っているよ辰兄!今よりもかっこいい大人の男の雰囲気が出てるよ!」

  「そうか。博行!…よし決めた。せっかく博行が選んでくれたんだ!この服買うぜぇ!」

  そう言って、レジへと向かった辰兄。服屋で買ったのはこの一着だけだった。

  アクセサリー屋。辰兄と少しだけ別れてアクセサリーを見る漏れ。その中に一つの腕輪を見つけた。少しごついが、辰兄に似合ってそうだった。それに、値段に関しても、夏に翠屋組で働いて得た金が残っており、買える値段だ!そう思って、腕輪を購入した。2人、アクセサリー屋を出る。

  「博行、袋を持っているみたいだが、なに買ったんだ?」

  「これ?これは辰兄へのプレゼント!」

  そう言って、辰兄へと袋を差し出す漏れ。

  「博行…これは、腕輪じゃねぇか!」

  「辰兄につけてほしいと思って買ったんだ。着けてくれる?辰兄。」

  「もちろんだぜぇ!…どうだ?似合うか?博行。」

  「もちろん!力強い男って感じがするよ辰兄!」

  「そうか!ならせっかくだ。このまま着けさせてもらうぜぇ!」

  昼食は、和食だった。おすすめの場所がある。そう辰兄に言われ、入ったのは、古風な定食屋だった。辰兄らしい。そう思った。メニューを見ていると日本酒も取り扱っていることを知った。

  「辰兄。この店日本酒も出せるみたいだよ。飲む?辰兄。」

  「いや、今日はシラフで付き合うと決めた。酔いつぶれた恥ずかしい姿は今日は見せたくねぇからな!」

  そう言って、酒なしで定食を楽しむ漏れと辰兄。味は、辰兄がおすすめするだけあって。おいしかった。午後は、カラオケ。2人きりで歌った。

  辰兄はノリノリの激しい、ロックを歌った。漏れはアニソンが中心だった。

  だが、最後の曲は、みんな知っているであろう歌で、辰兄ももちろん知っていた。

  その歌を漏れと辰兄は2人で歌った。若干、2人の間で音程がずれたが、些細なことだった。カラオケ店から出て、町の通りを歩いていると、漏れは急にトイレに行きたくなった。近くにコンビニがあったので、トイレに向かった。トイレから出て辰兄の元に戻る途中。聞いたことのある声が聞こえた。犬太君の声だった。

  「辰樹先輩!こんなところで会えるなんて偶然ですね!今一人ですか?よかったら僕と一緒に買い物しませんか?」

  「犬太。すまねぇな。実は一人ではなくてな…」

  「あれ、犬太君?こんなところで会うなんて珍しいね…」

  辰兄の隣に漏れは立った。

  「博行さん!?どうしてこんなところに?辰樹先輩と今まで一緒にいたんですか?」

  困惑しながら、言う犬太君。そして、その目が辰兄につけられる腕輪を見た。

  「辰樹先輩…その腕輪は…?」

  「これか?これは博行が買ってくれた腕輪だ。どうだ。似合ってるか?」

  だが、犬太君は腕輪の感想に触れなかった。

  「…こんな時でも二人きり…辰樹先輩がとられてしまう…嫌だ!」

  犬太君のつぶやきが漏れの耳にはっきりと聞こえた。

  「辰樹先輩!話があります!」

  「すまねぇな。今日は博行がいるんだ。わりぃがまた今度でいいか?」

  「嫌だ!聞いてくれるまで帰りません!」

  今まで聞いたことのない、余裕のない犬太君の声だった。何かを悟ったのだろう。

  「分かった。聞いてやる。話してみろ。犬太。」

  「辰樹先輩!僕はかっこいい辰樹先輩のことが好きです!僕と付き合ってください!」

  「犬太。こんな時にそんな冗談は…」

  「冗談なんかじゃありません!ずっと辰樹先輩のことが好きなんです!」

  本気の告白。犬太君の言葉に漏れは、何も言えなかった。

  「…犬太。すまねぇ。犬太の気持ちは受け入れられねぇ。」

  「どうしてですか!?どうして僕では駄目なんですか!」

  「…なぁ犬太。犬太の目に俺はどう映っている?」

  「どうって…いつもかっこいい先輩…」

  「そうか。だが犬太。俺はかっこいいだけの存在ではないんだ。失敗もするし、情けねぇ姿をさらしたこともある。…もうだめだとあきらめかけたこともある…」

  「…」

  「だが、そんな俺を博行は叱ってくれた。そして、支えてくれた。」

  そう言って、漏れを抱き寄せる辰兄。

  「そんな博行だからこそ。俺は恋人にすると決めた!ともに支えあって、博行を幸せにすると決めた!」

  そう言って、辰兄は漏れにキスをした。

  「これが俺の答えだ!だからお前の気持ちには答えてやれねぇ。犬太…」

  辰兄の力強い宣言から漏れと辰兄が恋人であることを理解したのだろう。

  「ありがとうございます。辰樹先輩。僕の気持ちに正直に答えてくれて。おかげで吹っ切れました。」

  「犬太…」

  「…辰樹先輩。一つだけお願いを聞いてくれませんか?」

  「…何だ?」

  「これからもいい先輩と後輩の関係でいてくれますか?」

  「犬太。もちろんだ!犬太は俺の自慢の後輩だぜ!」

  そう言われ、振り返り、立ち去っていく犬太君。顔は見えなかったが、しっぽは垂れ下がっていた。

  漏れの家へと帰る途中。辰兄は言った。

  「博行。優しい博行のことだから犬太のことを気にしてるんだろ?」

  「辰兄…まったく気にしていないといえば嘘になるけど…」

  「だが、博行。犬太の前で言ったことは本当だ。あの言葉に嘘偽りはない!」

  「辰兄。信じるよ。辰兄は漏れの恋人だしね!」

  漏れの家の前へと着く漏れと辰兄。

  「なぁ博行。これを受け取ってくれねぇか?」

  そういって、差し出したのは、指輪だった。

  「婚約指輪なんてたいそうなもんじゃねぇが、博行につけてほしいんだ。」

  真剣なまなざしで言う辰兄。すごく嬉しかった。

  「辰兄…もちろんだよ!はめてくれるかな?」

  そう言って、薬指を差し出す漏れ。辰兄は、その指に指輪をはめた。

  「これで、漏れは辰兄のものだね!ありがとう。幸せだよ辰兄!」

  「博行…俺も幸せだぜぇ…!」

  そう言って、2人誓いのキスをして、別れた。

  1月5日

  今日は漏れが、都会へと帰る日。でも、思っていたほど寂しくはなかった。

  また辰兄に会いに来るから。

  「じいちゃん、ばあちゃん。またね。」

  「またな。博行。」

  そう言って、玄関を出ると辰兄と辰平さんが目の前に立っていた。

  「博行。お前に渡すものがあったのを忘れてたぜぇ!」

  そう言って、一枚の封筒を漏れに渡す辰平さん。中を見ると、お金が入っていた。しかも予想よりも多い。

  「博行には春も来てもらわねぇといけないからな。今回も交通費を入れておいたぜ!ガハハ!じゃあな。博行!」

  そう言って、去っていく辰平さん。

  漏れと辰兄の2人きりになった。

  バス停までの時間。2人で話していると時間はあっという間にたってしまった。

  バスが来るまでバス停で話ながら待つ漏れと辰兄。ほかの幼馴染も見送りにやってきた。

  バスがやってくるのを見た。

  もう辰兄と別れなければならない。でも、あの夏と違い、漏れと辰兄の中を認める人が増えた。そして、漏れの大切な幼馴染達には真摯に向き合いたい。そう思った。

  バスが、バス停にやってくる瞬間。漏れは指輪がはめられてある手を上げ、幼馴染達に向かってこう告げた。

  「漏れと辰兄は付き合っています!漏れたちは恋人です!だから、とても幸せです!」

  そう言って辰兄に、短いキスをした。

  辰兄も他の幼馴染達も、ポカンとしてしまった。

  虎彦が、

  「幸せそうでよかったぜ…博行…」

  とつぶやいた。

  バスへと駆け込む。

  「またね。皆!」

  それに気づいた辰兄が。

  「また来いよ。博行!愛してるぜ!」

  そう告げた。そして、バスは水郷村から走り出した。