4話 

  ☆☆☆

  朝目が覚めると、じぶんよりずっと大きな体温に包まれていた。

  俺はボーッとする頭で昨夜の事を思い出すと、ハッとしたように覚醒した。

  慌てて起き上がろうとするが、竹中の腕に阻まれて動けない。

  「んんぅ……」

  俺はなんとか抜け出そうともがくけど、こいつの太い腕はがっちりと俺の身体をホールドしたままで、全く動かない。

  「お~い……起きろ」

  俺が大きな声を出しても、竹中はすやすやと寝息を立てている。

  本当に珍しい。昨日は飲ませ過ぎてしまったのだろう、きっと。

  罪悪感と申し訳ない気持ちが胸いっぱいに広がり、俺はしょんぼりとする。

  ああ、でもいけない。明らかに腹から降りてくる逆らい難い便意に俺はもぞもぞと身悶える。

  「ん……さき……」

  俺が苦しんでいるのも知らず、竹中は呑気に俺の新しい方の名前なんて呼んでいる。

  (くそっ)

  このままでは大変な事になってしまう。そう思いつつも俺は動かない身体に歯噛みすることしかできなかった。

  なんとか身体を下へ下へとずらしていき、竹中の腕が緩くなったところで俺は脱出に成功。

  そうして目の前にでんと映るのは、未だに眠りこける竹中の下腹部で、もう少しで俺の唇が触れてしまいそうな距離だった。

  昨日はお互いあれから風呂に入れなかった上に、酒のせいで汗まで掻いている。

  布団の中で蒸されたオスの臭いがダイレクトに鼻腔をくすぐってきて、俺は思わず生唾を飲み込んだ。

  「はっ……」

  (何を考えているんだ)

  俺は慌てて頭を振って煩悩を振り払った。

  しかし一度意識してしまったものはそう簡単には消えてくれないようで、むしろそれは段々と大きくなっていくばかりだった。

  ごくり……と、無意識のうちに喉が鳴る。

  (少し……だけなら……)

  俺の脳内では悪魔のような考えが渦巻いていた。

  心臓の鼓動が早くなって、息が荒くなる。

  ベルトをカチャカチャと外す音が、部屋中に響き渡っているような気がした。

  その音で竹中が目覚めてしまわないかドキドキしながらも、俺は何とかベルトを外すことに成功していた。

  ズボンのファスナーを下げていくと、灰色のボクサーパンツが姿を表す。

  その中心部分は内側から大きくテントを張っていて、少し湿っていた。

  (ん……すごい臭い)

  近づけば近づくほど強くなる汗と小便の臭いに、頭がくらくらとした。

  勃ちあがっていないというのに、まるで太い蛇の胴体のようにパンツの中にどっしりと横たわっている。

  俺は恐る恐る下着の上から竹中のモノに触れると、その瞬間にびくんとそれが脈打った。

  「あっ……」

  (大きい……)

  あまりの大きさに、ごくりと喉が鳴る。

  その大きさを確かめるように、俺は下着越しにそこをさすった。

  するとみるみるうちにその体積を増していき、中で硬くなっているのがよくわかるようになっていく。

  (気持ちいいのかな……?)

  俺がそんなことを考えていると、我を忘れていたのを思い出させるかのように猛烈な便意が急激に下って来て、俺はハッと我に返った。

  「ゔっ……やばいもれるぅ」

  (そうだったあ……トイレ行かないと)

  雄臭い布団から這い出ると、急いで窮屈なデニムを脱ぎ捨てて、それから便座に座る。

  危なかったあ……。

  危うく人としての尊厳を失うところだった……。

  俺は安堵すると、限界だった肛門括約筋を緩めて、腹の中に溜め込んでいたものを一気に吐き出す。

  ぶぼっ!ブリュリュリュ! 勢いよく叩きつけられる爆音と下品な排泄音が響き渡る中、俺は必死に嬌声を洩らさないよう指を噛んでいた。

  「んふっ……くふぅ……」

  (声が洩れちゃう……)

  どれだけ必死に声を押し殺そうとしても、唇に犬歯が食い込んで血が出そうになっても、お尻が震えるほどのきもちいいが我慢できない。

  しっぽがピンとなって、ぶんぶんと上下に揺れている。

  「んん……ふ……」

  (まだ出る……)

  ブバッ!ブリリリッ!!ブリュリュッ!!

  止めどなく溢れてくる茶色い快楽に、俺は恐怖を覚えた。

  こんな、糞をひり出すだけで快楽で身を悶えさせる自分自身に……。

  「あふっ……♡」

  (きもちいい……)

  俺は涎を口の端から垂らしながら、お腹の奥まで埋まっていたモノを全て排出し終えたことに安堵のため息を吐くと、いつものようにウォシュレットのボタンを押した。

  すると程なくして暖かいお湯が出てきて、俺の下半身を包み込んでくれる。

  (きもちいい……♡)

  温かな感触に身を委ねながら俺は思った。

  ああ……もうダメかもしれない、と……。

  もう俺は戻れないところまで来てしまった。

  オスとしての尊厳は失ったに等しく、肛門で快楽を貪り、ペニスからは我慢汁と小水を垂らして喘ぐだけの、惨めなオス。

  こんな状態ではもう、以前の生活には戻れないだろう。

  (俺……もうメスなのかな……)

  そんな風に思いながらも、俺はその考えを振り払うかのように頭を横に振った。

  いや、そんなことはないはずだ。まだ人間としての心が残ってるんだから……。

  そんなことを考えているうちにウォシュレットのお湯が肛門を伝って流れ落ちていくのがわかると、俺はもう一度ボタンを押して水流を止めた。

  (うんちの音、竹中に聞かれてないよね……?)

  俺はなんだか不安になってきて、こっそりとトイレットペーパーを巻き取りながら扉を開けて外を覗いてみる。

  よかった、起きてないみたいだ。

  俺は安心しきって、そのまま振り返って立ち小便をしようとする。

  昨日は酒をこれでもかと飲んだせいか膀胱はもうパンパンで、少しでも気を緩めたらすぐにでも放水を開始する準備が出来ていた。

  「にしてもきょうもすっごいデカいのが出たなぁ……」

  俺はそう呟いて、便器の中のものを覗き見た。

  そこには、両の手のひらでも収まらないほどの太さを持つ茶色の大蛇が横たわっていた。

  自分の細い手首よりも太い一本の茶色の縄状の物体に、俺は軽い恐怖を覚える。

  しかしそれと同時にその圧倒的な存在感とそれをひり出したのが自分だと言う事実に陶酔してしまっていて、興奮は止まらなかった。

  「んっ……んんっ」

  ちょろろろっ……。俺はつい無意識のうちに放尿を始めていた。

  じょぼじょぼと勢いよく流れていく黄金水が尿道を抜けていくだけで、身が震えるほどの快楽に襲われる。

  「あぁああぁ~……♡」

  恍惚とした表情を浮かべて、俺はだらしなく声を漏らした。

  とめどなく流れ出るおしっこが、産み落とした黄金に叩きつけられる音が耳に響く。

  それに連動するかのようにビクビクと脈打つペニスが我慢汁を滴らせながら、限界を訴えて大きく震えていた。

  (ヤバい……ちょっとイキそう)

  その時だった、廊下の軋む音と、大きな気配に気付いて我に帰ると、開きっぱなしのドアの先に目を向けた。

  そこには、無表情で俺のことを見つめる竹中の姿があった。

  「あ……えと……」

  俺は何も言い返せずに、ただ顔を真っ赤に染めて俯くことしか出来なかった。

  (見られた……見られたぁ……!!)

  そんなことを考えている間にも、彼の視線は俺の股間に注がれているのを感じて更に頬が熱くなる。

  俺は恥ずかしくてどうにかなりそうだった。

  どうにかなりそうだと言うのに、膀胱から流れ出る熱い迸りが、俺のペニスを震えさせた。

  「やっ……見ないで……あっ……ああぁっ♡」

  俺は消え入りそうな声でそう懇願した。

  ぷるぷると揺れるペニスの先端からは、尿だかカウパーだか見分けのつかない汁がとめどなく溢れてくる。

  竹中は微動だにしないし、こっちは止めたくても止められないし、きもちいいの拍車はかかるばかりだ。

  俺はそれでも最後の理性を振り絞って必死に尿道に力を込めて耐えようとしたが、俺の努力も虚しく、唐突に訪れたその瞬間はあまりにも突然で、そして一瞬の出来事だった。

  「やっ……あっ……」

  (とまらないっ♡)

  「ひっ……くっ……ふわぁああっ♡♡♡」

  ずっと我慢していたせいかいつもより長く続く快楽の波に、俺は声を抑えることも忘れて喘ぎまくった。

  俺は情けない声を出しながら腰を突き出し、喉を晒して体を反らせる事しか出来ない。

  ボーイソプラノの嬌声を響かせながら、俺はとうとう絶頂を迎えてしまった。

  「はぁ……はぁ……」

  (やっと……おわった……)

  俺は荒い呼吸を繰り返しながらも何とか冷静さを取り戻し、慌ててトイレットペーパーで前を隠しながら言い訳をしようとしたが、上手く言葉が出てこなかった。

  (バレた……絶対バレた……おしっこ出してイッてるところ……)

  そう考えるだけで俺の胸はドクンドクンと脈打って、大きく跳ね上がる。

  そんな俺を見て、奴はただ一言こう言った。

  「もういいか?」

  その言葉を聞いた瞬間、俺は何も言い返せなくなった。

  ただ顔を真っ赤に染めて俯くことしか出来なかった。

  「うっ……うぅ……」

  悔しさからか恥ずかしさからかわからないが、涙が次々と溢れて来た。

  なんでお前が泣くんだよって自分に問い掛けるけど、答えはない。

  俺はその場にへたり込むと、声を上げて泣き出した。

  「あぁぁぁぁ……」

  情けない、みっともない。

  そう思いながらも涙は止まらなかった。

  「ううっ……ぐすっ」

  俺の声だけが響くトイレに、俺はしばらくのあいだ座り込んで泣いていた。

  (嫌われたかな……?こんなヘンタイ)

  そんな不安が頭の中を埋め尽くしていく。

  (もう一緒にいられないのかな?)

  最悪の想像ばかりが思い浮かんで、それが怖くて仕方なかった。

  ようやく嗚咽が落ち着いてきた頃を見計らってか、背後から竹中の声が聞こえてきた。

  「おい……」

  竹中はタオルを俺に向かって放り投げると言った。

  「なんで泣いてるか知らんが早く出ろ。俺が漏れそうだ」

  「えっ……?」

  俺は驚いて目を見開く。

  そこには、いつもの仏頂面の竹中がいた。俺がポカンとしていると、竹中はスタスタと入ってくるなり俺をひょいと持ち上げると、入れ替わるようにトイレの扉の前に立たされた。

  そして便器の中を見ると深くため息をついて振り返ると一言。

  「うんこがでかすぎる」

  呆れ顔で言う竹中に俺は言い返すことも出来ずに俯くだけだった。

  閉じた扉の向こうで水が流れる音がして、再び大きなため息が聞こえたあとカチャカチャとベルトを緩める音が聞こえてきた。

  (なんなんだいったい……)

  まじまじと排尿している様を見られて、しかも俺はそんな当たり前の行為をするだけで絶頂してしまうような変態で。

  俺のことを軽蔑して二度と顔を見たくないと思ってもおかしくないのに……。

  (コイツがわかんないよ……)

  そんなことを考えながら項垂れていると、扉が開いた。

  そこには既にいつもの表情に戻った竹中の姿があって、俺は慌てて目をそらした。

  (なにやってんだ俺……)

  そう思って心の中で少し自嘲気味に笑ったときだった。

  「悪かったな」

  その一言に驚いて顔を上げると、気まずそうに顔を背けている竹中と目が合った。

  「え……いや……その……」

  俺はどう答えればいいかわからなくて、ただただ口ごもることしか出来ない。

  そんな俺を一瞥すると、竹中は少しだけ眉間に皺を寄せて言った。

  「見てしまった。悪かった」

  その言葉に、俺は何も言えなかった。

  謝らなきゃいけないのはこっちの方なのに……。いや謝るってのもおかしいけど……。

  「扉開けっ放しだった俺が悪いしさ……変なもん見せてごめんな?」

  俺は申し訳なくてそう答えた。

  竹中は気に食わなかったのか、また眉間に皺を寄せて言った。

  「別にお前が謝る必要はない。それよりその……」

  そこまで言うと、奴は言葉を詰まらせる。

  そして少し間を空けた後でようやく口を開いた。

  「お前がその体で難儀してるのは昨日でもよく分かっていたつもりだった。」

  「俺は自分のことばかりでお前の体調にまで気を回してやれなかった。本当にすまない」

  竹中はそう言って深々と頭を下げた。

  俺はどうしていいかわからなくなって、慌てて手で制止した。

  「ちょっと待てって!顔上げろよ!」

  俺がそう言うと、ゆっくりと顔を上げた竹中がばつの悪そうな表情で言った。

  「だが……」

  それでもなお言い淀む竹中に、俺は笑って答えた。

  「もういいよ!俺だって昨日お前のいう事聞かずに飲み過ぎて指にケガさせちゃったし。おあいこ、な?」

  俺がそう言うと、竹中はようやく納得したようで静かに頷いた。

  まあ実際は俺の方が圧倒的に悪い気が……いや、考えるのはやめておこう。

  「分かった。お前がいいなら、いい」

  竹中はそう言うとふらふらしながら、覚束ない足取りでベッドまで戻るとそのまま倒れるように横になった。

  「ちょっと大丈夫かよ!?」

  竹中のそんな姿にびっくりして俺が駆け寄ると、竹中は汗をかきながら掠れた声で答えた。

  「大丈夫……ではないが大丈夫だ……飲み過ぎたのは反省している……」

  俺はそう答えると、ベッドの端に座った。

  竹中はそんな俺の姿を見ると、ぼんやりとした様子で聞いてきた。

  「今日は街に一緒に探しに行けそうにない……本当にすまない」

  竹中の言葉に、俺はつい小さく笑ってしまった。

  「いいよ。気にすんな」

  そう言って笑うと、竹中も少しだけ微笑んだように見えた。

  (やっと笑ってくれたな……)

  そう思って安堵すると同時に俺の中である感情が芽生え始めていた。

  どうして竹中はこんなにまで優しくしてくれるのだろうか。

  どうしてこんなに親身になってくれるのだろか……。

  服をくれたところまでは分からないでもないが、魔女を一緒に探すなんてことする義理なんてコイツにはないのに……。

  そもそもなんで俺のためにここまでしてくれるんだろう?

  (なにかお礼とかしたほうがいいのかな……?)

  俺が考えていると、竹中は肩で息をしながら苦しそうに眼を閉じている。

  シャツもズボンまで汗まみれでとにかく寝苦しそうだ。

  「とりあえず服脱がせた方がいいよな……」

  俺はそう言って立ち上がると、竹中の着ているシャツに手を伸ばした。

  なんとかぐいぐいと脱がせていくと、竹中の上半身が露わになった。

  「おお……」

  その肉体美に思わず感嘆の声が漏れる。

  さすがはスポーツマンと言ったところだろうか。綺麗に割れた腹筋もさることながら、贅肉のない均整の取れた身体は男から見ても惚れ惚れしてしまうほどである。

  (首の太さも尋常じゃないし……腕なんて俺の太ももくらいありそうじゃないか……?)

  俺は改めて自分の貧相な体を省みて少しだけ落ち込んだ。

  勝っているのはこの無用の長物と化した男性器のサイズくらいだろう。

  (うう……泣きそう……)

  ベルトも先ほどの要領で外してズボンをずりずり下ろしていくと、しばらくぶりのパンツとご対面。

  考えても見れば、こいつだって俺の身体を拭いてご丁寧にパジャマまで着せてくれてくれたはずなのに……どうして気づかなかったんだろう。

  (ってことはこいつ前に俺の裸もちんぽも見てるんだよな……)

  ……なんだか急に恥ずかしくなってきた。

  (でもまあ、こいつが俺のことどう思ってるかなんてわかんないし)

  竹中は額に汗を滲ませながら、息苦しそうに呼吸を繰り返している。

  そんな姿を見ているだけで何だか心配になり、俺は居ても立ってもいられなくなって濡れタオルだけでも持ってこようと台所に向かった。

  氷も冷凍庫から取り出して氷嚢の中へ入れていく。

  とにかく汗を拭いて、水分を取らせないとまずいだろう。

  俺はそう思い、竹中の元へと戻った。

  「竹中……大丈夫か?」

  俺が声をかけると、竹中は薄目を開けてこちらを一瞥すると再び瞳を閉じた。

  その顔がなんだか色っぽくてドキッとしたが、俺は首を横に振って邪念を振り払い、氷嚢を奴の額に乗せた後話しかけた。

  「ごめんな。俺のせいでこんな辛い思いさせてさ……」

  申し訳なさに押し潰されそうになりながらも謝罪の言葉を口から溢すも、竹中は苦しげな表情で軽く呻くだけで返事は無かった。

  「今日は俺が看病するよ、竹中の」

  俺はそう宣言すると、改めてこいつの身体を拭くことにした。

  (まずは首から)

  俺は濡れタオルを手に取って奴の顔を優しく擦った。

  (それにしてもほんと男らしい身体してるよな……)

  首回りから鎖骨にかけてを拭きながら俺は思う。

  顔からは想像も出来ないほどに厚く逞しい胸板や太い腕に、腹筋は臍まできれいに割れていて逞しさを感じるほどだ。

  腕を拭いている途中、指に巻かれた絆創膏の存在に気付く。

  昨日俺の角で切った箇所だ、交換した方が良さそうだ。

  俺はそう思って竹中の左手を持ち上げ、慎重に絆創膏を剥がすと、俺は驚いた。

  深く切れ、全治に1週間はかかりそうな切り傷だった筈の傷が、ほんの数時間で塞がっていたのだ。

  (え……こいつの回復力どうなってんの?)

  俺は竹中の顔と手を交互に見やった後、額に当てている氷嚢をそっと取ってみた。

  (嘘だろ……?)

  傷は綺麗さっぱり無くなっており、熱に浮かされながらも呼吸は幾分落ち着いていた。

  俺はその信じがたい事実に驚きを隠せなかった。

  夢だったわけがない。事実、俺の角は指で触って分かるくらいの大きさに伸びていて今にも突き刺さりそうな位尖っている。

  竹中がいくら屈強な男だとしても、この回復力はおかしい。

  そうともなると考えられるのは、まさか。

  (俺の唾液 ……?)

  この奇妙な身体は唾液にまで怪我を治すような効果があるのか?

  そんな馬鹿なとは思うが、それ以外考えられなかった。

  (本当に何なんだよこれ……)

  その時だった。突然竹中が口を開いたかと思うととんでもないことを口にしたのだ。

  「身体が熱い……」

  竹中はそういうと、苦しげに息をついた。

  その顔は赤く上気しており、拭いたはずの額や首元には再び玉の汗が浮かんでいる。

  もしかして熱が出たのかと思い体温計で測ろうとしたが見当たらない。

  (どこにしまったんだっけ?というか持ってたか俺?)

  俺が考え込んでいる間も竹中の荒い息遣いだけが聞こえてくる。

  (何だか顔も赤くなってるし心配だな……)

  二日酔い、というよりはこれはまるで自慰行為をして気絶した時の俺のそれにそっくりだ。

  (俺の唾液、というか身体に入った惚れ薬のせいなのか……?)

  俺は半信半疑でそんなことを考えつつも、濡れタオルで身体を拭くことにした。

  首筋から胸元まで綺麗に拭いた後は腕に移り、血管が浮き出るほどのたくましい筋肉のラインに沿ってゆっくり拭いていく。

  そこで俺は先ほどとはまるで違う異変に気付く。

  竹中のパンツの真ん中が、既にテントのように持ち上がっていたのだ。

  「嘘だろ……?」

  (いやいやあり得ないって!!)

  俺は頭の中で必死に否定するも、目の前の巨大な膨らみに目が釘付けになってしまう。

  竹中は勃起しているのだ。間違いない。

  (なに勃起してんだよ!?)

  心の中でそう叫ぶが、竹中は何の反応も示さない。それどころか寝苦しそうな息遣いで、時折呻き声を発しているだけだ。

  そんな姿を見ていると何だかかわいそうに思えてきてしまう自分がいて困惑した。

  「明らかにこれ……俺のせいだよな」

  俺はそう呟くと、竹中のパンツを脱がせていくことにした。

  (大丈夫だよな?寝てるっぽいし)

  頭の中で言い訳をしながらパンツを引きずり下ろすと、ブルンッと音が聞こえてきそうなほど勢い良く反り返った男性器が姿を現した。

  (うわっ……でかっ……!?)

  カリ高の完全に剥き出しの亀頭は風船のように膨れ上がり、竿には血管が浮き出て猛々しく天を向いている。

  根本から垂れ下がっている金玉袋もパンパンに張り詰めていて、いかにそれが大きなものであるかは想像に難くない。

  先ほどまでの甘い勃起とはまるで違う、痛々しいまでにそそり勃っている。

  (これは絶対辛いだろ……)

  最近の俺は自分の勃起に関して痛い目に遭いまくっていたせいで、他人のちんこにまで同情してしまう癖がついてしまったみたいだ。

  ここまでくれば間違いないだろう。

  竹中は二日酔いではなく、俺の唾液の作用でこうなってしまっているのだ。

  それに何より、俺は先ほどから奇妙な感覚に襲われている。

  何だか身体も熱っぽいし、頭がボーッとしてきて思考回路が上手く働かない。

  (なんでだよ……?俺何もしてないのに……)

  俺は自分で自分に問いかけるも、やはり答えなど出てこない。

  ただ、わかっていることはただ一つだけだった。

  (こいつのこれ……どうにかしないとやばいよな……)

  もう頭の中はエロいことでいっぱいだ。

  理性など働くはずもなかった。

  竹中のそれは太い血管が何本も浮き出ていてグロテスクな色をしている。亀頭の先からは透明な液体が流れ出し、今か今かと何かを待ちわびているように見える。

  俺が見ている前で、それは更に大きさを増していくように反り返っていく。

  (やばい……やばい……っ!)

  頭の中では警報が鳴り響いているのに、身体は正直だった。

  気が付けば俺の顔は、まるで欲しい玩具を見つけた子供のように、淫靡な笑みに染まっていた。

  目と鼻のすぐ傍までやってきていた雄々しい陰茎から漂う、むわりとした熱気。

  頭がクラクラして目の前が霞むような感覚に襲われる。

  それでもなお、俺はそこから目が離せなかった。

  (これが欲しい……)

  思考回路にモヤがかかったように頭がぼうっとしてくる中、俺の頭を支配していたのはそれだけだ。

  もう何も考えられない。ただただこいつが欲しい。

  そんな思いが頭の中を駆け巡るばかりだった。

  「竹中……」

  俺はうわ言のように呟くと、ゆっくりとそれに触れる。

  その瞬間、ビクンッと竹中の身体が大きく跳ねた。

  しかしそんなことなどお構いなしに、俺は奴のそれを優しく握り締める。

  (熱い……)

  握っただけでも伝わってくる熱量に圧倒されながらも、俺はぎこちない手つきでそのまま上下にゆっくりと手を動かしていく。

  するとそれはさらに大きさを増していき、同時に先端から溢れたカウパー腺液が俺の手を濡らしていく。

  ぐちゅりという卑猥な音が耳に入り込んでくる度に興奮し、俺の息はどんどん荒くなっていく。

  「はぁ……はぁっ」

  竹中の吐息に混ざる甘い声。それが妙に心地よくて、俺は夢中で手を動かし続けた。

  先走り液のおかげで滑りが良くなり、次第に動きが激しくなっていく。

  (すっげぇ硬い……)

  血管が浮き出てドクンドクンと脈打っているのが分かるほどに膨張したそれは、俺の掌には収まりきらず根本まで握りこむことができない程に大きく反り返っていた。

  手だけではとてもこの硬さを扱くことはできない。

  (口の中にもほしい……)

  そう考えた俺は、右手でそれを支えながら先端に鼻を近づけた。

  脳が焦げてしまいそうな程の濃厚な雄の匂いに、思わず頭がくらくらしてしまう。

  「ん……くせぇ……♡」

  鼻の奥に絡みつくような強烈な匂いだが、それさえも今の俺にとっては媚薬のように感じられた。

  (これが俺の中に入るのか……?)

  想像しただけで下腹部がきゅんと疼く。口の中からは唾液が溢れてきて、気付けば俺はそれを口に含んでいた。

  熱く滾った剛直を口内に含み、舌先で優しく触れると苦みと塩気のある粘液が口の中に広がっていく。

  小さな口内には半分ほどしか入りきらないので、残りの部分は両手で握るとゆっくりと上下運動を始めた。

  「んっ……ふっ……」

  (やべぇ……気持ちいいかも……)

  喉の奥に当たるたびに嗚咽が込み上げてくるが、それすらも快感へと変わっていく。

  次第に口内だけでは物足りなくなり、俺は根元近くまで一気に咥え込んだ。

  口から喉までが全て竹中で埋め尽くされるような、そんな感覚に頭がくらくらしてくる。

  口を窄めてじゅぽじゅぽと下品な音を立てながら吸い付くように頭を動かすと喉の奥まで貫かれて思わずえづいてしまう。

  それでも俺は必死になって顔を動かし続けた。

  苦しくなって咽喉が異物を吐き出そうと反射する度にきゅっとのどが絞まってそれが気持ちイイ。

  「んっ……んぅ……♡」

  「ううっ……ん……ッ」

  時折漏れ聞こえる竹中の声や息遣いが妙に艶めかしくて、俺の興奮はさらに高められていく。

  細い指で竹中の睾丸を玩ぶように刺激すると、それに反応するようにビクビクと痙攣する様子が堪らなく愛おしい。

  「ぷはぁっ♡……はあ……んっ♡」

  口から陰茎を引き抜くと、銀色の糸が伸びていやらしく光る。

  自分の唾液にまみれたそれを、俺は愛おしそうに眺めた後再び口に含んだ。

  (竹中の味……おいしい)

  俺は夢中でしゃぶりつくように舐め回すと、まるで蛇のように長い舌を器用に動かして裏筋を刺激したり亀頭全体を包み込むようにして愛撫を加える。

  同時に左手で睾丸を優しく揉みしだくように刺激を与えれば、竹中の息遣いが一層荒くなったのが分かった。

  (こいつ、感じてくれてるのかな……?)

  やがて口の中の亀頭が膨らみ始め、限界が近いことを悟る。

  ぴくぴくと痙攣し始めたかと思うと、それは突然爆発したかのように大量の精液を俺の喉奥に叩きつける。

  「んっ……ぐぷっ……」

  あまりの量の多さに息ができなくなり苦しくなるが、それでもなお俺は口を離そうとはしなかった。

  (すげぇ濃い……)

  火傷してしまいそうなほどの熱さと強烈な苦みにえずきながらも、ごくごくと喉を鳴らして流し込んでいく。

  (もっと欲しい……)

  俺は一滴たりとも零さないようにと必死で飲み込んだ。

  こくりこくりとようやく全てを飲み込んだ頃、俺の顔はすっかり蕩けきっていた。

  こんなに美味しいものがこの世に存在したなんて、知りもしなかった。

  竹中はと言うと、あんなに苦しそうだったのに今はもう寝息を立てて気持ちよさそうに眠っている。

  「出すもんだしたからスッキリしたのか……?」

  俺はそう問いかけるも返事はない。

  汗も引いた様子で、苦しそうな表情もどこか和らいで見えた。

  俺は心の中で安堵しつつ、しかし物足りなさを感じていた。

  幸い俺のモノは行為の途中に勃起はしなかったようで、甘い勃起のままだらだらと先走りを垂れ流すだけ。

  完全になっていなくとも竹中の剛直よりも遥かに大きな自分のソレを、俺は完全に持て余していた。

  扱いて血液を集めれば最後、絞まった包皮にカリ首を絞めつけられ痛みにのたうち回ること2回。

  流石に3度目はないだろうと思いつつ包皮を剥いてみようとするも、もう快楽より痛みが勝り直ぐに手を離してしまう。

  だと言うのに、鈴口はぱくぱくと物欲しげに開き、腰は切なげに震えてしまう。

  「もうっ……わけわかんねぇよ……!」

  俺は無意識のうちに己の男性器に手を伸ばしていた。

  忌々しい先端を指で圧し潰すように責め立てる。

  「あぁっ!あがぁっ!!」

  下腹部に広がる痛みと快感が同時に押し寄せてくる感覚。今まで味わったことのないその刺激に、思わず悲鳴を上げてしまう。

  「はあっ……はぁっ……」

  全身が痙攣して力が入らない。。

  割れ目からとめどなく溢れるカウパーに、その快感の凄まじさが感じ取れる。

  「やば……止まらねぇ……」

  それでも指の動きは止まらず、寧ろ激しさを増していくばかり。

  陰嚢が縮こまり始め、尿道が熱くなってくるのが分かる。

  ひくつく鈴口は指先に吸い付くようで、まるで何かをねだるように開閉している。

  「いや……そんな……無理だって……」

  この様を見て真っ先に脳裏に浮かぶは、女性器。

  俺の細い指が挿入可能であろう穴がぽっかりと口を開けている。

  俺の前と後ろの割れ目からはカウパーと腸液でどろどろに濡れそぼって、どっちもぱくぱくと物欲しそうに蠢いているのが分かるのだ。

  そんなところにこんなものを突き入れたらどうなってしまうのか。想像するだけで背筋が凍り付いてしまう程だった。

  「あぁ……あっ……」

  人差し指をそこに突き立てて、入り口付近を搔きまわすように出し入れを繰り返す。

  最初は痛いだけだったが、次第に痺れるような甘い感覚に変わってくるのが分かった。

  「んっ……ふぁっ……」

  (声抑えなきゃ……竹中が起きちまう)

  頭ではそう思うものの、どうしても身体は言うことを聞いてくれない。

  むしろどんどん激しくなっていくばかりだ。

  (駄目だこれ……気持ち良すぎて頭がおかしくなる……)

  小水を流すだけで頭が真っ白になるような敏感な粘膜に、細い白い指が擦れるたびに電流が走るような刺激に襲われる。

  腰が抜けそうになるのを必死で堪えながらも、指の動きは激しさを増すばかりだ。

  俺はバカだった。

  これは『挿入するため』の器官ではなく、『挿入されるため』の性器だったのだ。

  人差し指を嬉しそうに呑み込んでいく肉穴を見て、俺はようやくそれを理解した。

  「んっ……くぅぅっ……」

  人差し指が第二関節辺りまで入ったところで、思わず声が出てしまう。

  ペニスの裏側にあるコリコリとした部分を刺激されて、目の前が真っ白になる程の快感に襲われる。

  (くそっ……何でこんな気持ちいいんだよ……!)

  「あっ……はっ……」

  (もっと奥までっ……奥まで欲しい……!!)

  俺の指は自然と呑み込まれて行って、根本までずっぽりと入ってしまった。

  細い指一本だけなのに、全身が震える程の圧迫感だ。

  だがそれでもまだ足りないのか、俺の腰は自然と前後に揺れ始めてしまう。

  (何だこれっ……気持ち良すぎて馬鹿になっちまう……!)

  俺は夢中になって乳首も摘んだ。

  その瞬間、頭の中で何かが弾けたような感覚に襲われて意識を失いそうになるが何とか堪える。

  しかし下腹部を襲う甘い感覚は止まることはなく、寧ろどんどん強くなっていくばかりだった。

  「んあぁっ……やめろっ……!あぁああぁ!!♡♡」

  隣で寝息を立てる竹中のことなどすっかり忘れ、俺は一心不乱に腰を動かし続ける。

  俺のペニスはまるで別の生き物のように蠕動を繰り返して絡みつき、愛液を吹き出しながら指を求めていた。

  (やばいってこれっ……!イク……イッちまう……!!)

  全身が痙攣し始め、身体が仰け反っていく。

  「やばいっ……でるぅ……っ!」

  俺は咄嗟に指を止めようとするも、やはり間に合わない。

  その瞬間、激しい電流が全身を貫いたかのような衝撃に襲われて俺は絶頂を迎えた。

  しかし飛び出したのは精液ではなく透明な液体だった。

  今まで経験したことのない感覚だ。

  カウパー腺液とは違うさらさらとした液体が俺の亀頭から噴出され、まるで鯨の潮吹きのように勢いよく布団を濡らしていく。

  それは勢いあまって竹中の顔にまでかかってしまう。

  その股間の快楽に引き攣られるかのように、乳首を搾乳するかのように強く握ってしまう。

  「んぉお゛っ……!?♡」

  頭が真っ白になる程の激しい刺激に、俺は獣のような声を上げて全身をがくがくと震わせた。

  指で潰された乳首からは白いどろどろした液体がびゅーびゅーっと吹き出す。

  乳首からの噴乳と尿道からの潮吹きに、脳髄にまで響くような強烈な快感に襲われ、脳天から角にまで快楽の衝撃波が通り抜けていった。

  「あぁあ……はぁ……はあっ……はー♡」

  全身から力が抜け、竹中にしなだれかかる。

  (何だよこれ……こんなの知らねぇよ……!)

  今までの人生で体験したことのない強烈な快感に俺は戦慄していた。

  いや、違う。ここ毎日更新し続けるエクスタシーの大波に俺は打ちのめされ続け、もう何もわからなくなっていた。

  ただわかるのは、この快楽に脳が壊されそうなことだけ。

  狂ってしまいそうだった。

  竹中の逞しい胸板に顔を埋め、必死に快楽を堪える。

  乳首から溢れ出すミルクは留まることを知らず、白いシーツに母乳溜まりを作り出していた。

  「んひっ……くふぅうっ……♡」

  思わず吐息が漏れる。

  与える乳飲み子もいないというのにこの薄い胸は、快楽に打ち震えて張り詰めていた。

  痛みと共に胸全体に広がる甘い痺れ。それがたまらない。

  そしてそれだけでは飽き足らず、陰嚢と肛門をビクビクさせて直接的な刺激を求めてくるのだ。

  (駄目だ……乳首も尻もめちゃくちゃ気持ちいいっ……!!)

  「んんっ……ふぐぅううぅぅ♡」

  歯を食いしばって堪えようとするものの、あまりの快楽に次第に力が抜けてしまう。

  その時だった。

  不意に俺のアナルの括約筋が緩み、入り口から腸液が流れ落ちてヒクつく後孔を撫であげる。

  その刺激だけでしっぽが立ち上がり、ぴゅるっと腸液を吹き上げた。

  「ひうっ!?」

  背筋に電流が流れ、アナルがきゅっと締まってしまう。

  しかしその後すぐに綻んだ括約筋は閉じることなくヒクヒクと痙攣を繰り返しながら腸液を垂れ流した。

  (なんだよこれ……ケツが疼いて仕方ない……!)

  俺は腰をくねらせて必死に、狂いそうになりながら必死になって堪えようとする。

  竹中を起こしてこのまま犯したいという欲望を抑えつけ、俺はただひたすらに己と戦っていた。

  後ろに指を挿入して自慰してしまえば最後、甘い嬌声を上げて絶頂を迎えてしまうのは目に見えている。

  だがこのままでいるのも辛い。

  俺の脳は限界ギリギリまで快楽を蓄積され、発狂寸前であった。

  (誰か助けて……!)

  俺はそう願いながら、それでも必死に己を抑えつけていた。

  竹中の身体に腕を回して抱き着き、身体を丸めて必死に快楽を逃がそうとする。

  だがそんな努力も虚しく、アナルから腸液が溢れ出す度に俺の腰はがくがくと震えてしまうのだ。

  もう我慢できないと言わんばかりにヒクつくアナルの縁からは、粘っこい腸液がボタボタとこぼれ落ちていた。

  (もう嫌だ……俺どうなっちまうんだよ!)

  俺は歯を食いしばって耐え続けるも、身体は既に限界を迎えているようだ。

  もう幾度となく小さな絶頂を迎えているが、どうにも意識が飛んでくれない。

  それどころかどんどん敏感になっていくようで、気が狂いそうな程の快楽が何度も何度も押し寄せてくるのだ。

  もう俺は決壊寸前だった。

  竹中の身体にしがみついて必死に堪えるものの、いつまでたってもアナルから腸液が溢れ出す感覚は止まらないし、胸からはぴゅるぴゅると乳を吐き出し続けているしで本当にどうにかなってしまいそうだった。

  (もう無理……こんなの耐えらんねぇよ……!)

  俺の中で何かが積み木のように音を立てて崩れ落ちそうになっているのを理性がなんとか支えている状態だ。

  快楽の限界はとうの昔に過ぎていた。

  (もう無理……俺、壊れる……!)

  気付けば俺は、顔を上げて竹中の顔を両手で挟んでいた。

  そしてそのまま顔を近づけて、自分の噴き出した潮で汚れた顔を下で舐めとるように舌で舐め回し始めた。

  「んちゅっ……んんっ」

  唇には出来なかった。唇が触れたら、もう歯止めがきかなくなってしまうと思ったからだ。

  それでも竹中の顔を舐めているだけで十分過ぎるくらい気持ちよくて、俺は自然と腰を揺すっていた。

  「あっ……んんっ……♡♡」

  自分の体液で汚れてしまった顔を舐めているという背徳的な行為に興奮を覚えつつも、理性は未だに仕事を全うしていたようだ。

  竹中の肉棒を尻穴で咥えたいという欲望を抑えつけて必死に舐め続ける。

  もう狂うか、竹中を犯すかの瀬戸際だった。

  「たけなか……たけなかぁ……!」

  俺は思わず涙ぐみながらそう呟く。

  アナルの疼きに耐え切れず、涙ながらに懇願するように何度も名前を呼んでしまう。

  「たけなか……たけなかぁ……!!」

  その時だった。

  「さき……?」

  竹中が口を開いた。

  (ヤバい……起きた!?)

  俺は一瞬で我に帰るも、それが寝言であることに気付く。

  「竹中……?」

  返事はない。どうやら寝言だったようだ。

  (良かった……)

  俺は安堵して胸を撫で下ろした、その瞬間だった。

  「しんぱいするな……おれが、おにいちゃんが守ってやる……」

  竹中はそう呟くと俺の身体を優しく抱き寄せた。

  そしてそのまま自分の胸に俺の顔を押し付けると、背中をポンポンと叩いてあやし始めたのだ。

  (うぁっ……なにいこれ……!)

  その瞬間だった。

  全身が粟立ち、身体の奥がキュンキュンと疼くような感覚に襲われて思わず身悶える。

  それは竹中の無意識下の抱擁だったが、今の俺にとってそれはどんな麻薬よりも強烈なものだった。

  「たけなかぁ……♡」

  俺は竹中にしがみつき、嗚咽混じりの声でそう呟いていた。

  (ヤバい……俺めちゃくちゃ嬉しい……!)

  顔がみるみる赤くなっていくのがわかる。心臓がばくんばくんと破裂しそうな程激しく高鳴る。

  こんな感情は初めてだった。

  俺は意を決して、このどうしようもない本能に片を付けるべく、自分のしっぽがどの程度思い通りに動くか試験をしてみることにした。

  上に下に、よし。腕や指のように神経自在に動かすにはまだ難しいが、それでもある程度思い通りに動かせるようだ。

  俺は意を決し、しっぽの先端で自分のアナルに触れるとぐりぐりと押し付け始めた。

  (大丈夫……入る……)

  先端が入りかけたところで力を入れると、ぐぽんと音を立てて一気に根元まで入り込んだ。

  (んお゛ぉおおっ♡♡♡)

  視界がスパークするかのような衝撃に思わず仰け反り大声を上げてしまう。

  両手で塞いだ口から絶叫が漏れないよう、必死に歯を食いしばって耐え忍ぶ。

  その快感たるや凄まじく、一瞬にして意識が吹き飛んでしまいそうになった程だ。

  (なんだこれ……やばいっ♡)

  腸壁を擦る感覚に全身を震わせて悶えるも、ここで終わりではない。

  前立腺を徹底的に突いて、この暴走した快楽を終わらせなければならないのだ。

  俺は深呼吸をして自分を落ち着かせると、ゆっくりとピストン運動を開始した。

  「ふっ……んんっ……」

  あまりの快感に身体が跳ねてしまいそうになるも、竹中の優しい腕の締めつけが俺を支えてくれている。

  俺は必死になってその安心感に縋り、己の快楽との戦いに身を投じた。

  (すげぇ……俺のケツ、滅茶苦茶気持ちいいっ!!)

  アナルの蠕動に合わせてしっぽを上下に抜き差しする度に頭が真っ白になるような快楽が走る。

  無意識のうちに腰の動きが早まってしまうが、それでもなんとか竹中を起こさないようにと慎重に動いていた。

  だが前立腺を攻め上げる度に腸壁が激しく痙攣し始め、いつの間にか抽送のスピードはどんどん早くなる。

  そしてとうとう俺は、自分の尻尾で肛門を犯されているという背徳感と罪悪感にも勝る圧倒的な快楽の前に屈してしまったのだ。

  (たけなっ……もっもう駄目ぇっ!!んおっぉおおぉっ♡♡♡)

  (やばいやばいやばいっ!イクッ!ケツだけでイッちゃう……!)

  だが俺の身体は止まらなかった。

  それどころか更に激しさを増すばかりで、もう自分が何をしているのかすらわからなくなっていた。

  それでもなお止まらない俺のしっぽは腸液でどろどろになっていたが、その滑りを借りてぐちょぐちょと腸内を搔き回し続ける。

  「たけなかっ……たけなあっ……!」

  もう限界だった。絶頂感が込み上げてくるのが分かる。

  「すっ好~~~~~~~ッ!!!♡♡……ぁっ!ああっ♡♡♡」

  一際大きな波が押し寄せた瞬間、俺の身体がビクビクと痙攣を始めた。

  (ヤバいっ……イクッ!!イ゛グゥウウッ!!)

  俺は身体を弓なりに反らせて絶頂を迎えた。

  しかし未だに止まらないピストンのせいで何度も何度もドライオーガズムを迎えてしまう。

  (熱いのが止まらなっ……!!)

  しっぽが勢いよく抜けるとアナルから腸液が放物線状に噴出して竹中の身体を濡らしていく。

  「んああっ!……あっはへええぇ♡♡♡」

  そのあまりの快感の強さに俺は舌を突き出し、白目を剝きながら悶絶する他なかった。

  それでもなお俺のアナルはぐぱぐぱと開閉を繰り返しながら腸液を垂れ流すのだ。

  このまま意識を飛ばしてしまおうかとも思ったが、それすら許されない程の強烈な絶頂感が押し寄せてくるのをひしひしと感じた。

  俺の体液で濡れたシーツはもはや大洪水という程濡れに濡れており、竹中の全身に飛び散った大量の腸液と母乳も乾くことなくその身体に纏わりついていた。

  俺はぺちゃぺちゃと汚れた竹中の身体を掃除するように舐め続ける。

  甘い母乳と痺れるような腸液の味が、俺の頭を支配していた。

  「んんっ……ふはぁ……」

  腸液塗れの萎んだ竹中の肉棒にむしゃぶりつきながら、俺は甘い声を漏らす。

  この痛いほどの胸の苦しみが、俺の頭をおかしくしていた。

  この切なさをどうにかして癒したい。

  だから、どうかおにいちゃん。

  起きたらいつものように深くため息をついて、でも優しく微笑みながら私の頭を撫でて欲しい。

  俺の望みはただそれだけだった。

  その一心で、舌を這わせ続けた。