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虎と熊と私 〜新しい入居者編〜

  季節は春。三年生だった虎谷先輩と熊谷先輩は卒業して…就活に励んでいた。虎谷先輩は野球部のコーチになった…というのも野球部顧問の先生が懇願したそうだ。彼はまた野球ができるのが嬉しいようで快く引き受けた。熊谷先輩はというとパティシエになっていた。甘いものが好きな彼だからこそ選んだ職場なのだから口を出すことはしないでおこう。私は二年生になり虎谷先輩と野球部のサポートに入っている。これも先輩と先生に頼まれたことだけど…虎谷先輩がいるならと承諾した。それから…今でもシェアハウスで暮らしているのだがそこに3人の獣人がやってきた。

  「お前ら!!元気にしてるか!!」

  「お前らだけ如月を取り合うなよ。俺だって狙ってたんだからな。」

  「如月〜。俺の胸に飛び込んでこい〜。」

  「いきなり来て何言ってるんだ!蓮は俺と熊谷の婚約者だぞ!横取りは許さない!!」

  「蓮君、僕の後ろに居てね〜。」

  なんかものすごく賑やかである。シェアハウスに入って来たのは獅子、狼、犬で…しかもこの3人は私達と同じ野球部員である。まずは獅子獣人の獅子谷剛先輩。ポジションはファースト。瞬発力が良くて跳躍も凄い。今居るメンバーの中で高身長である。次に狼獣人の大神亮先輩。ポジションはセカンド。彼もまた瞬発力が良くて特に獅子谷先輩と相性がいい。最後に犬獣人の柴谷豪先輩。ポジションはキャッチャー。今居る4人よりもガタイが良くて友達思い。彼は柔道部にいたのだが大神先輩と獅子谷先輩に無理矢理引っ張られてきた。そんな3人がここに棲むとなると食費が凄そうだ。

  「お前らの部屋はないぞ。どうするつもりだ。」

  「もちろん如月の部屋に…「それは僕も許さないよ〜。違う所さがしてよ〜。」」

  「それなら隣にもう1つシェアハウスがあるからそっちにいくよ。食事だけはここでするつもりだ。」

  「俺は如月から離れたくないな〜。俺にくれよ〜。」

  話が進まない。所々で火花が散っているようだし…私がなんとかしないと!!とー

  「獅子谷、大神、柴谷、ここにいたのか?」

  そこに来たのは野球部顧問の先生だ。因みに先生は全員龍人である。

  「虎谷、熊谷、如月、聞いてくれ。この3人をこれからここに住まわせてくれないか?」

  「なぜですか?俺達だけで十分です。」

  「そう言うな。どこのシェアハウスに行っても満室なんだ。こいつら学校の寮は嫌だと言うし…私からも頼む。こいつらの食費とかはなんとかするから。」

  2人とも黙ってしまった。私も素直に承諾はできない。

  「それなら私がこのシェアハウスを大きくしてやるよ。1人1つずつ設備を完備して…今は就活中だから自分で全部やる。これでどうだ?」

  シェアハウスを大きくするって…と先生はハウスの下に何か書き出した。これって…魔法陣?

  『我の願い聞き届けたまえ…。』

  先生の呼びかけに応えるように地響きが起こる。シェアハウスは大きくなった…というよりドッキングした感じだ。よく見ると隣にあったシェアハウスがなくなっている。もしかして…今繋がっている建物がこれ!?

  「これでどうだ?部屋は1つずつだしキッチンは2つになった。二組で分担できるだろ?」

  「そういう問題ではないですが…仕方ありません。さっきも言ったように食費とかはなんとかして下さい。」

  「交渉成立だな。では頼んだぞ。」

  こうして3人が加わり新たな暮らしが始まった。獅子谷先輩、大神先輩、柴谷先輩が来た翌日…シェアハウスでの役割分担をすることになった。今日は土曜日なので2人とも仕事が休みということで一緒である。

  「虎谷と熊谷は就活中だったな?休みはいつなんだ?」

  「先輩達もそうでしょう…ほとんど蓮がやる羽目になると思いますけど。俺も熊谷も休みは土日ですし…。」

  「俺と大神はそうだが柴谷は就職先を探しているそうだ。どういう仕事なのかは教えてくれないけどな…。」

  「俺はシェアハウスに近い所を探してるんだ〜。それか就活せずに如月君のお手伝いしようかな〜。」

  今の言葉に全員鋭い目つきになった。それなのに柴谷先輩はのほほんとしていた。野球部の中で一番天然だったのだから睨まれてもびくともしない。とりあえず土日の分担は決まったけど平日は私がやらないといけない。

  「婚活か育休なら一緒に居られるのにね…蓮君、平日は頼んだよ?」

  「あ…はい。ところで今日は何をしますか?」

  「如月〜俺をモフモフしてくれ〜。」

  「駄目〜!!蓮君は僕のだよ!!」

  柴谷先輩は相変わらず変わっていない。熊谷先輩といい勝負である。こののほほんコンビには虎谷先輩達もお手上げなようで…とても敵わない。

  「今お昼近いですけど外食しますか?」

  「俺は外食よりも蓮の手料理が食べたい。もちろん肉料理だ。」

  「それいいな!俺も賛成だ!!」

  獅子谷先輩は虎谷先輩と性格がほぼそっくりである。虎谷先輩は肉しか食べないので野菜や魚も薦めたのだが全く譲ることがない。ここに獅子谷先輩も加わると頑固コンビができて尚更押し負けそうだ…。

  「如月、俺が手伝ってやる。」

  大神先輩は以外である。実は料理人を目指しているとか。まあ噂だけどね。[newpage]

  早速昼食を作るとしよう。柴谷先輩と熊谷先輩は相変わらずスイーツしか食べないしそれ以外は肉ばかり要求してくるし…誰でもいいからなんとかしてほしい。こんなこと思っていても誰も助けてくれないので仕方ない。野球部員ですらそうだったのだから…でも大神先輩だけは違った。入った当初から私をサポートしてくれていたのだから。今度何かお礼をしたい。とー

  「如月、少し痛めつけてやろうぜ。お前も鬱憤をはらしたいだろ?」

  大神先輩は私の思っていることをわかっているようだ。でもそれで彼らを傷ものにしたくはない。せっかく仲良くなったのに引き裂く訳にはいかない。私はその提案を無視し黙々と作り続けた。隣にいる大神先輩は実行しているようだ。それで何もなければいいけど…。

  「如月が料理しているところは初めてみるな。本当に手際がいい。虎谷と熊谷が好きになるわけだ。俺も狙ってたが遅かった。あいつらに愛想が尽きたら俺のところに来てくれよ。」

  作りながら大神先輩は私に告白した。狼獣人は群れで行動するらしいけど彼はそうではないようだ。彼も最初は野球部ではなく陸上部だった。そこでいくつもの賞をもらっているらしい。それを虎谷先輩が目をつけていたようで無理矢理連れてきた。野球部員は虎や獅子が多く…他の獣人を受け付けなかった。でも熊谷先輩だけは先生に抗議してたからそれで他の獣人も入れるようにはなったのだ。因みに私は虎獣人が好きだからと理由で特別に入れてもらえたのである。そこで虎谷先輩に出会い…恋に芽生えたわけだ。

  「如月、手が止まってるぞ?」

  「すみません…少し考えごとをしてました。それにしても大神先輩達がここに来たら賑やかになりましたね…。私には刺激が強すぎます。」

  「そうだよな。ところで誰が好きなんだ?」

  「いきなりなんですか?獣人は1人の人族に対して何人も好きになるんですよ?みなさんを嫌いになるわけないじゃないですか…。」

  そういった瞬間大神先輩が抱きついてきた。目には涙が溜まっていて…彼の仕草はあまり見たことがないのでとても貴重である。それをみんな見ているので大神先輩は後で酷い目に遭うのだった…。

  「できましたよ。召し上がって下さい。」

  作ったのはハンバーグ、スパゲッティ、卵サラダ、そして苺のショートケーキだ。ハンバーグとスパゲッティのソースは大神先輩のオリジナルで…流石料理人を目指しているだけあるなと関心した。サラダとショートケーキは私が作ったけど…。

  「今日も豪華だな。バイキングのよりも美味そうだぞ。早速食べるとしよう。」

  6人で昼食をとる。ここには肉食系が3人とスイーツ系が2人。食べるものはしっかり分かれていて…獣人にも好みがあるんだと私はそう思っていた。結局卵サラダしか食べれなかったけどみんな喜んでいるようだったので良しとしよう。

  「このハンバーグ、なんか辛くないか?」

  「そういえば…如月、何入れたんだ?」

  虎谷先輩と獅子谷先輩が気づいた。私が見たのはカレールーだった気がするが…買ってあるものは確か大辛だった筈。私が作ったものではないけど2人は私を見ている。大神先輩は本当に悪戯したんだ…全て私のせいだと思われてしまった。熊谷先輩と柴谷先輩はショートケーキに夢中で話に入ってこない。私が作ったものだとわかっているようでこちらをみてウインクしていた。美味しく食べてくれるのはいいけど食が偏りすぎである。

  「…ハンバーグは私が作ったものではありません。大神先輩が作りました。」

  「お前…俺が辛いのが嫌なのわかってやっただろ…。」

  「鬱憤をはらしたかっただけだ。」

  「3分間待ってやるから作り直せ。またやったらお仕置きするからな。」

  3人が喧嘩を始めてしまった。私は巻き込まれないように熊谷先輩達とスイーツを食べてすごした。[newpage]

  昼食を済ませ私は買い物に行くことにした。1人で行かすわけにはいかないと虎谷先輩と熊谷先輩がついてきた。外に一歩出ると獣人がわんさかいるのだから恋人を取られたくないと思うだろう。

  「夕食は何にしますか?」

  「そうだな…蓮が作るものはどれもうまいからな。なんでもいいぞ。ただし肉料理な。」

  「僕も同じだよ。スイーツならなんでもいいよ〜。」

  なんでもいいよとは言っても好みが違うし…本当にバランスよく摂取してほしい。私はそのために野菜などを細かく刻んで入れているのだ。2人はほとんど気づくことはないのでそれで済ましていた。話しているうちに目的地であるスーパーに到着した。

  「では2人が食べたいものを持って来て下さい。ただしその店で買えるものでお願いします。他の店にあるものなら自分で買ってきて下さいね。早速入りましょう。」

  2人とも今ので身体がビクッと跳ねていた。どうやら自分がほしいものは他の店にあるようだ…しかし私から離れることはなく結局は一緒についてくるのだ。私と付き合ってから1人で買い物をすることがないし私だけだとついてくるし…。何かできることをしてほしい。と―

  「お!如月達も来たのか!」

  声をかけてきたのは柴谷先輩だった。ここはみんな通るから来ないわけないよね…。

  「俺は自費で買い物するから3人で行ってくれ。それより…モ「蓮!ここじゃなくて他の店に行こう!!」」

  2人は慌てて私を店の入口まで運んだ。取られたくないのはわかるけど今は一緒に暮らしているのだからいても良かったんだけどね。[newpage]

  獅子谷先輩達とすごす最初の夜。今は夕食の時間なのだが相変わらず食べたいもので口論が始まっていた。大神先輩だけは文句を言うことはないけど他のみんなが反論するものだから作るのに時間がかかるのだ。私も我慢の限界で口が勝手に開いていた。

  「…いい加減にして下さい!そんなに言うなら自分で作ってください!!」

  私は滅多なことでは怒らないのだが喧嘩するぐらいなら自分でやってほしいと思っていた。虎谷先輩も熊谷先輩も自分ではやらないので怒るのも当然だ。しかし…。

  「蓮、冗談だろ?俺達は分担して…「ないですよね?全部私にやらせて…少しは自分でしたらどうですか?何もしないなら私はもう何もしません。」」

  と言いながら私は料理するのをやめて自分の部屋に入った。と同時に涙が溢れてきた…やはり私には荷が重すぎたのだ。2人から離れたいという気持ちが強くなり1人で暮らしたい…そんなことを思っていた。と―

  「蓮…少し話をしないか?」

  声の主は虎谷先輩である。今は1人にしてほしいのだが仕方なくドアを開ける。虎谷先輩を見ると全裸で待ち構えていたのである!どうやらムラムラしているようで股間のものは既に勃ってしまっていた。

  「蓮…俺は離れたくない。思う存分やってくれ。」

  私は気分が乗らないので部屋に戻ろうとしたが彼は私の手をとり自分の股間に導きそのまま扱き始めた。先走りのせいで少し濡れていてヌルヌルだった。虎谷先輩の顔を見ると気持ち良さそうに顔が綻んでいる。その後ろで熊谷先輩達が恨めしそうにしていたのが気になったけど私はもう彼らの顔は見たくないのだ。

  「これで機嫌を直してくれ。不器用でごめんな…これからは蓮に家事を押し付けずちゃんとやるからな。遅いと思うが…許してくれ。」

  私も仕方ないと思い溜息をついていた。その瞬間虎谷先輩は私に抱きついてきた。彼も気が緩んでいたせいか股間のものから精液が溢れていた…。

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