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上司の中年妻子持ち牛獣人と性処理する新人柴犬獣人の話
くぁ、とマズルを開けて柴犬獣人は、口元を覆った手の中であくびをした。
「でけえ欠伸だな、柴田」
と、隣の席の虎獣人の同僚にからかわれ、柴田 響生は照れ隠しに同僚を軽く睨みつけた。むと眉を寄せて威嚇したというのに、虎獣人はまるで効かないとばかりにカラカラと笑って、自分の作業に戻っていく。
「おお、怖い怖い」
「あー、もう、うっせ……ていうか、外回り行かなくて良いのかよ」
忖度が透けて見える言葉に言い捨てる。
それもそうだろう。元ラグビー部だという同僚に比べて、柴田は体が小さい。いや……隣の同僚と比べなくても自分が小柄な事は自覚していた。
スーツを来ていても、まるで高校生の制服みたいだと言われる始末なのだ。それに加えて柴田自身は気付いていないが、それを気にする仕草やどこか垢抜けない性格が更にその印象を強めている。
「資料まとめてからじゃねえと、残業になっちまう。今日は早く帰りてえの」
「ふうん、彼女か」
「おうよ」
「へえ」
ふふんと勝ち誇った顔をする同僚に舌打ちを返した。そんな柴田と同僚の後ろから二人以外の声。丁度通りがかった上司の牛獣人が、書類束を薬指に指輪を嵌めた片手に持って、朗らかな笑みを浮かべていた。
黒い毛並みに、立派な角。それは正しく男らしさの象徴だ。
「虎峯くん、今日デートなんだ。頑張ってね」
「ういす、課長。あ、それ今度の社内企画資料っすか?」
「そ、目を通しておくよう言われてねえ。俺は残業決定だよ」
うひゃあ、大変っすね。と声を上げる虎峯に困った笑みを浮かべる課長――牛島 武人は柴田と虎峯の視線に肩を竦めてかた自席に戻っていった。
「課長も娘さん中学生だろ、色々工面も必要だろうし、大変だよなぁ……巻き込まれない内に出るか」
と堂々と上司を見捨てる判断をした虎峯は手元の作業を片付けにかかったらしい。それを見ながら、自分の仕事を片付けようとした柴田のスーツの内ポケット。そこに入れていたスマホが軽快なリズムで震える。
「……でも、僕も残業かな」
「欠伸してるトコ見られたら残業怒られるぜー?」
「はいはい」
軽口をあしらいながら、柴田はスマホのキーボードを操作する。メッセージの受信画面には『今夜どうだ?』という逢瀬の誘い。
飲み会や合コンの誘いなどではない。
共に送られてきた画像は、トイレの個室に座った艶めく黒毛の股座。今にも獣欲を溢れさせんばかりに屹立した剛直の画像が添付されているその誘いは、明確に淫猥な目的を持ったものだった。
そんな誘いに柴田は慣れた様子で返信を書きながら、フロアに漂う雄の香りに鼻を鳴らす。胸の奥を燻らせるような香りに今しがた席に座った課長がちらりと視線を向けてきた気がする。
仕事に無関係そうな連絡を取っている事を咎められている、と、普通ならそう思うだろう。だが、そうではない。
『牛島課長』
メッセージの送信者にはその名前が踊っていた。
◇◇◇
「お疲れ様です、課長」
「ああ。柴田君もお疲れ。丁度終わった所か?」
「はい」
オフィスを出て、ビルのエレベーターホール。その自動販売機コーナーでジュースを飲んでいると、牛島課長が声を掛けてきた。
少し冷えてきたからか、スーツの上に薄いコートを羽織った牛島は「丁度良かった」と薄く笑う。丁度も何も待ち合わせしていたのに。そんな擽ったさが透けて見える笑みに、思わず苦笑しながら返す。
仕事の話をしながらビルを出て、帰路を進んで数分で駅に着く。それぞれの家に帰るのなら、柴田は線路を越えるために駅構内を素通り、牛島は電車に乗って二駅を移動する、はずなのだが。
しかし、牛島は改札に向かおうともせず、柴田もそれを不思議には思わなかった。人の往来の中で、柴田は牛島を見上げる。
「それで、……このまま僕の家、来ますか?」
「ああ、すまない。今日も頼むな」
小柄な柴田にとって、固太りの牛島に視線を合わせようとするとどうしても上目遣いになってしまう。このまま帰ってしまったらどうしよう、という心配を浮かべる柴田は、牛島の返事に照れるように、はにかんだのだった。
そしてアパートの一室。
オフィスから10分程度の柴田の自宅に上がり込んだ牛島は。
「なんだ、もう勃ってるのか?」
「ん……ぅ……」
「……メッセージを送った時から、何度も勃ってただろ」
「すみません、ば、バレて……っぁ」
リビングで棒立ちになる柴田の前に跪いていた。そして、その鼻を股座に埋めながら、そのスラックスの中に漲った硬い感触にもごもごと口を動かした。
スラックスの中で窮屈に膨らんだ欲望が草を喰むように刺激される、そんな臨んでいた程強くはないもどかしい刺激と共に、隠せていると思っていた事実を言葉で苛まれて、一気に体が熱くなる。
「何謝ってるんだ、いつも言ってるだろ。そういう所が素直で良いんだって」
「ん、はぅ……っ」
スラックスの上から甘噛みされながら、ベルトが牛島の大きな手で外されていく。膝まで下ろされたスラックスの中から柴田の溜まった性欲に漲った膨らみが下着を突き上げ始めている。立っている柴田の鼻にすら己の雄の香りが上ってくる。見事なテントに文字通り目と鼻の先の距離に近づいている牛島には、普通の男であれば顔を背けるような、まったりとした刺激臭が感じられているだろう。
だが、牛島はその香りに顔を背けるばかりか、柔らかな素材のボクサーブリーフの膨らみに自ら鼻を埋めては、その臭いを堪能するように息を吸い込んでいた。
「あ、……牛島さん、……っ」
「響生」
もどかしさに彼の名字を呼べば、それを諫めるように柴田の名前を呼ばれる。頬で布の上から擦られて焦らされる。それがそういった意図か。日頃、的確な指示を出している牛島にしては珍しい『察せ』という言葉だったが、柴田にははっきりと汲み取ることが出来た。
「……た……武人、さん……、んぁ、あ……」
上司を名前で呼ぶ。
こんな事をしておきながら今更かとも思うが、柴田は名前で呼び合うことで、ただの上司と部下という安定した繋がりを破りさって、ただの雄同士になるような気がした。
興奮する。それと同時に不安が胸に寄せる。
同じ職場の上司である牛島とこんな関係になったのは数ヶ月前の事だ。
「じゃあ、溜まってんじゃないっすか~?」
飲み会の席。体育会系が意外と多い柴田の部署では、酒が回ると自然と下のネタで湧くタイミングがある。そんな時、既婚者の牛島に未婚者達の注目が行き、夫婦生活についての質問が上がっていた。
それにご無沙汰だ、と答えた牛島にからかいの言葉が飛ぶ。
「はは。なんだ、お前ら、抜いてくれるってことか?」
だが、牛島もそれにやり込められる程、耐性がないわけではなかったらしい。そう言い返せば「勘弁っすよー」とからかいの波が引いていく。
「ん、どうした、そんなに熱い視線向けてきて」
自分なら、なかなか上手く切り替えせない。柴田は、ゲイだ。そんな質問を投げられれば、それを見抜かれているのか、隠さなければいけないと焦ってむしろ変な誤魔化し方をして、勘ぐられてしまうような気がしていた。
反面、牛島の巧いあしらい方に関心しながら隣に座っていた彼を眺めていると、不意に牛島と目が合った。
心臓が跳ね上がるかと思った。
だが、既に場の話題は別の興味へと移りつつあったためか、酒が入っていただけか。柴田は冷静に、からかうようにニヘラと笑ってみせた。
「もう課長、酔い過ぎですよ。まあ、雄でもいいなら、僕が抜きましょうか?」
「なんだ、柴田。俺程度の点数稼いだって、……コーヒーくらいしか奢れないぞ?」
牛島がそうからかうと周りの社員は、酒の酔いもあってかコロコロと笑う。虎峯なんて「良いじゃないっすかー」と囃し立てて来る中。柴田は、一人凍りついたような笑いを浮かべていた。
男が好きな自分が揶揄されたように感じた。などという訳ではない。いや、むしろ、胸は高く鳴り響いていた。冷めるのではなく熱くなる方へ。
他の社員と同じように笑っている牛島は、座席の下で柴田の手の甲に、手を重ねていたのだ。
「……っ」
笑う牛島と目が合う。
その目は一つも笑っておらず、草食動物に似た姿とは思えない程、真剣な雄の眼差しを柴田に向けていた。そして、柴田はそのまま二次会には参加せず、柴田の部屋で牛島の剛直から溢れ出る白濁に喉を潤した。
それから、二人の密会は定期的に行われている。
「ん、は……もうヌルヌルじゃないか、響生」
ボクサーブリーフを下ろされ、バネじかけの様に下着の中から飛び出した柴田の屹立。その先端から飛び出した先走りの糸がマズルに飛び散ったその滴りを、牛島の広い舌が舐め取っていく。
40も半ばの年上の雄。ともすれば親子程に年が離れた既婚者の牛島が、自らの性器にその厚い舌を絡めていく。そんな状況だけで柴田は達してしまいそうになる。後で牛島からバイだと言われたが、それでも奥さんと娘がいるれっきとした父としての側面も持つ雄が、他の雄チンポに吸い付いていく様は酷く倒錯的で、柴田の胸中の欲望を激しく打ち叩いていくのだ。
「腰を引くんじゃない」
「ぁ、だって、……武人さんの、舌……熱くて、ぁあ……ッ」
半勃ちの柴田のペニスは、欲汁を零しながらも、まだ使い込まれていない色の先端は半ば程皮に包まれたままだ。そんな彼の控えめな獣欲を暴くように、牛島の舌が亀頭と包皮の間に滑り込んで、雁首のくびれへと押しやっていく。
その快感に腰を引けば、それを咎められて腰を摑まれて、逃亡を阻止されていた。そのままビクンビクンと脈打つ屹立が舌に包まれ、マズルの中に飲み込まれていく。その度に柴田は、熱い息を吐き、体をゾクゾクと震わせていた。
「んふ……んぅ……ぁあ……ッ、たけ、と……さん、んッ」
鼻に抜ける吐息を溢す柴田を上目遣いで見上げながら、牛島はざらつく舌の表面で先端を舐め回す。その口端が上がっている。牛島は、柴田が感じている顔を見たがるのだ。もっと声を聞かせろとばかりに、ジュボ、ジュボと態とらしく音を立てながら柴田の肉棒を、窄めた口で吸い上げる。
横から咥えるように根本から先端までを口で扱いたかと思えば、今度は牛島の唾液で濡れそぼる裏筋を舌が舐め上げる。
「ふ、ん……ッ、んん、っ……気持ち、いい……っ」
牛島の口の中で完全に勃起しきった獣欲を煽り立てられ、柴田は今にも射精に至ってしまいそうな快感に全身を震わせる。まるで腰が抜けてしまいそうになりながら、柴田は牛島の立派な角を握ってどうにか体を支えていた。
ぐぽ、ぐぽと柴田の腰から電撃が暴れる度に、厭らしい水音が頭蓋を揺らしていく。
「ぁ……武人さん、僕……っ、ぁ……、んぅ……っ、あ……っ、あ、ッ……!」
「まだ、イクんじゃないぞ」
「ッ……は、……ッふ、ぐ……ぅう……ッ!」
そして、柴田の腰が我慢の限界を迎えんと痙攣し始めた、その瞬間。牛島は、それを見抜いたかのようにパッとその口を離していた。
息を荒げながら、そのまま溢れ出してしまいそうな欲望を抑えきる柴田。前屈みになりながら、自分で触ってしまえば我慢も出来なくなってしまうだろう淫欲を見つめながら、柴田は立ち上がる牛島に目をやった。
「響生、来なさい」
カチャンと金属音を鳴らしてスラックスを床に落とした牛島は、靴下と下着姿で太い下半身を晒したまま柴田のベッドに腰掛ける。
そして、彼は妻との営みがなかなか出来ないで溜まった性欲に膨らんだ剛直を見せつけるように、足を広げて柴田を手招きする。
艶めいた黒い毛並みに黒いブリーフ。その布を押し上げる剛直は確かに完全に勃起している。そんな彼の元に、ズボンと下着を脱ぎ捨てた柴田は誘われるまま跪く。
「昼間結構歩いたからな、結構臭うだろうが……響生はこれが好きなんだろう?」
牛島は、娘なんかは玄関で履き替えてから入ってきて欲しい、なんて嫌がるんだがな。と肩をすくめる。
嫌だなんて、とんでもない。
自分はむしろコレが大好きなのだと、言葉ではなく行動で柴田はその想いを、牛島に示す。まるで土下座するように、その靴下に鼻を埋めたのだ。
途端、溢れ出す濃厚な臭気。
脳をビリビリと震わせて、その臭い以外何も感じられなくなりそうな幸福感が体を包んでいく。
「そんなに悦んでくれると、嬉しいなあ」
「ん、ッ……はあ……っ、は、……ぁあ……」
靴下の臭いを堪能した柴田は、その臭いに脳を支配されたまま牛島の勃起ペニスを包んでいる布を、ぐいと押し退けた。
むわ、とまるで爆発するように溢れ出す、中年雄獣人の濃厚すぎる雄。それは、靴下の比ではない。香水にアンモニアが含まれるように、かすかに香る尿の残り香がフェロモンを感じさせやすくしているようだ。
それだけで雄種を吐き出してしまいそうな興奮に肺がミシミシと軋み上がる錯覚を覚えながら、その臭いの元となっている牛島のペニスを見上げた。
柴田のそれと比べて、さほどサイズに違いはない。
だが、牛島のそれは、たしかに妻を孕ませたのだという雄としての本懐を遂げた自信に満ちあふれているかのようだった。恥じらう事もなく、皮を張り詰めさせるペニス。
使い込んだ色がそうさせるのか。柴田は、憧れにも似た感傷を覚えながら、まるで餌にがっつく犬のようにそのペニスに喰らいつく。
ぐちゅ、ぬちゅッ、と激しく音を立てながら、根本まで喰らいついた次の瞬間には、先端に吸い付くように引き抜いて、抽挿を繰り返していく。
奉仕をしながら、柴田は興奮しきりの己の欲望を慰めようと、自分の股に手を伸ばした時。
「お……?」
「……ッ!?」
耳馴染みのある電子音のメロディが室内に響き、おもわず柴田は手を止める。スマホの通話アプリの着信音だ。それが牛島の内ポケットから響いている事に気付いた牛島は、取り出したスマホの画面を見て微妙な笑みを浮かべる。
連絡は嬉しいが、今のタイミングか。と言わんばかりの表情に家族の誰かからだろうと予想を付けた。
「娘だ……すまんな、少し話す」
「あ、うん……」
予想が当たっていたと、柴田が頷き彼の股座から離れようとした、その時。
それを引き止めるように柴田の後頭部に手の平が当てられて、引き寄せられる。開いた鈴口から先走りが溢れている。
それを凝視する柴田に、牛島は驚くような事をいうのだ。
「構わない。そのまま続けてくれ」
「……え」
それがどういう意味か、問い返すよりも早く牛島はスマホの通話ボタンをタップしてしまった。
「由実か、どうした?」
『あ、ごめんお父さん、残業中だよね?』
「ああ、大丈夫だ。丁度手が空いた所でな。どうかしたか?」
漏れ聞こえる少女の声、それに返す牛島の声色は、会社で聞く彼とも、部屋で雄欲を満たす彼とも、まるで違う声だった。きっとそれが父親の声なのだろう。
知らない牛島の顔。
柴田はその声色の違いに少し胸が痛くなるのを誤魔化すようにして、物欲しげに脈を打つ牛島の剛直を咥え込んだ。
「ん、っ……ぅ」
『お父さん、どうしたの?』
先程より少し勢いを殺して、じっくりと口腔で厚い欲熱を奉仕する。そうすれば、父の声に混ざって、良く柴田の知っている雄の声が牛島の喉を震わせた。
「ああ、いや。仕事が溜まっててな、体が凝ってるんだ」
『体伸ばしてたんだ。お父さん前腰やっちゃったでしょ、気をつけてよ?』
「なんだ心配してくれるのか、嬉しいなあ」
『ううん。お父さんそういう時でも無理して仕事行くから、帰ってくると汗臭いの。ホントやめてよね』
牛島は片耳にスマホを当てながら、ガチガチに熱り立った剛直の根本を嗅ぎながら舌を這わせる柴田の頭を撫でる。
家庭では、慕われながらも少し邪険にされる良い父親なのだろう。そんな立派な夫として、父として生きている雄のペニスに娘の見えない所でしゃぶりついている。完全に剥け上がり、奥さんの膣の中で淫水焼けした浅黒い成熟したペニス。その太い幹に滴る先走りを掬い上げて先端に吸い付けば、牛島の腰がビクビクと跳ねたのが分かる。
雁首のくびれから頂点までを閉じた唇で小刻みに動かせば、ただでさえ肉厚な剛直が更に膨れ上がっていく。
『あ、そうだ。元々の用事忘れてた』
「……ぉ、ッ」
『遅くなるって聞いたけど、何時くらいになるのか、ってお母さんが』
「ぁ、ああ……、すぐ終わらせるのはできそうだけどな、もう少しやっておきたい」
ちゅう、と鈴口から溢れてくる生温かい粘液を亀頭縁に絡ませていると、ぽんぽんと軽く叱るように柴田の頭が叩かれた。
その言葉は、電話口の娘に放たれているようでいながら、柴田に向けられているようにも思える。まるで、絶頂を急かすなと言われているようだった。
『分かった、伝えとく。それじゃ』
「ああ、お前もちゃんと寝るんだぞ」
と娘さんの声が途切れて、通話が切断する音がかすかに柴田の耳を揺らす。
そして、ぐいと柴田の額を押して、ぬるぬると唾液で無数の糸を引く柴田の口の中から、ビクビクと震える剛直を引きずり出していった。
「このイタズラっ子め」
「ごめんなさい、つい……」
「全く……俺の悦い所が知り尽くされてるな」
牛島は口を離した柴田の目の前で、唾液にテラテラと濡れて淫猥に輝く剛直を扱いてみせる。柴田の鼻先でぐちゅぐちゅと粘った水音が鳴り響いて、先走りと牛島の陰部の雄臭さが混じり合って柴田の鼻腔を埋め尽くしていく。
濃厚な雄臭。それを嗅ぎながら柴田は無意識に激しく、自分の屹立を擦り上げていた。
既婚中年牛獣人の汗と皮脂の臭いが混ざった淫液のアロマ。そんなものを鼻先に突き付けられれば、柴田に我慢など出来ようはずもない。
「だけど、俺だって響生の好みを分かっているんだからな、――好きモノめ」
「……ぁ、お……、……ッ」
牛島は、もう盛りも過ぎただろうにまだまだ現役だと言わんばかりに子種に膨らませている睾丸の下に指を突っ込むと、その汗が溜まりやすい会陰部をなぞった指を柴田の鼻に押し付けた。
瞬間、塗り替えられる嗅覚。
まったりとしていて、なおかつ粘膜を刺し貫くように刺激的な中年獣人の臭気が、柴田の思考をフリーズさせる。鼻から溢れる快感に思わずペニスを握る手すら止めて放心してしまった。
「ほら、俺の上に跨がれ。響生のも、しゃぶらせてくれ」
「ぁ……、は、い……」
仰向けに寝転んだ牛島の屈強な体。柴田は、彼の顔に己の屹立が対面するように上下逆さになって、四足で跨った。
「……っ、ぁあ……ッ」
先に牛島が柴田の肉茎に喰らいついた。逃さないように腰に腕を回されたまま、柴田は弾丸に打たれたような快感に体を仰け反らせる。だが、負けていられないと、柴田も牛島の黒い漲りを頬張った。
腰を振られて口の中を犯される。
時折揺らすように浮く尻に、喉奥を突かれて嗚咽を漏らしながらも、しかし、柴田は口と鼻に充満していく雄の臭いと味に、ただただ悦楽を覚えていた。
「フ、ッ……ンンォお゛……っ!」
「……ゥ、ぁッ」
部屋中に淫猥な音が鳴り響いていく。ジュブ、ぐちゅ、ヌプ、クチュリ。牛島は柴田を咥え込んだまま、その太い喉から溢れる嬌声を隠しもしなかった。男らしい喘ぎ声をむしろ柴田に聞かせるように声を上げる彼に、柴田も興奮が最高潮へと上り詰めていく。
お互いのくぐもった声と、はしたない唾液の音。それらに煽られるように二人は夢中になってお互いを貪り合い、体を貪る。
そんな中で、先に絶頂を迎えたのは、牛島だった。
「んぐ、ッ……ぁ、あっ……あ、ッ!! 響生ッ、出すぞ……ッ、イク、……ぅぐ、ぅおオォオ、ッ……ン、ぶぅ、……あぁあオ、ッァア……ッおォッ!!」
「……ッ!!」
まるで鉄砲水のように柴田の口へと溢れ出した白濁流。一気に、種の臭いですべての感覚を押し流すような盛大な射精が、柴田の口を孕ませようと溢れる。
柴田は毎回この瞬間に、奥さんが中々セックスをさせてくれない理由を思い知らされてしまう。これが妻の膣で弾けたのなら確実に孕んでしまうだろう。
男の、それも口にならそんな心配はいらない。どろりと溶けた鉄ナのではないかという程濃密な迸りを喉の奥へと押し込んでいく。
「……ッ、ぁ……はあ……ぅあぁッ……たけ、とさ……ッ!?」
そして、それが一段落した。と息を吐いたその瞬間。
牛島の本気の口淫が、柴田の休息を吹き飛ばしていた。
まるでチンポをストローにして、体の中身を吸い出されていくような強力なバキューム。狭まったマズルの中で頬肉がキツく柴田の雄茎を締め上げる。
「ダメ……ッ、ぁ、僕、も……そんなに、されちゃ……ぁああ、ッ、あッぅう゛ぅう!!」
そんな激しいフェラに、既に寸止めされていた柴田が耐えられるはずもない。数秒もしないうちに、柴田は牛島の口の中で大量の白濁液を吐き出していた。
ぞくりとしたものが背筋を駆け抜けていって、柴田は今まで散々耐えてきたものから解き放たれていく感覚に酔いしれる。
腰をとんとんと叩かれ、最後の一滴まで絞られた柴田は、牛島の逞しい腕に抱かれてベッドに横たわらされる。
「……ふ、今日もよく出たな」
「は、はい……」
活力を使い果たした。と言わんばかりに大の字に寝転がった柴田の頬を撫で、額同士を重ねた牛島。彼は萎えた肉茎の先から、つう、と滴る残り汁を拭うことも無く、下着の中に押し込んでいく。
布を湿らせる白濁も気にせず、柴田が余韻に浸る間にズボンを履き、ジャケットを羽織り、身支度を済ませていく。
「……武人さん、シャワーいらないですか?」
「ああ、帰ってから入るよ」
そう言って、牛島はもう一度柴田の頭を撫でてから、カバンを手に取った。そしてそのまま玄関へと向かうと扉を開けてから、最後に一度だけ振り返って。
「それじゃあ、柴田君。また明日な」
とそれだけ言い残し、牛島は柴田を残して帰っていった。
そこにはなんの未練もなく、完全に割り切った関係の清々しい別れだ。
一日働いた牛島の体が寝そべっていたシーツ。そこに染みた汗の香りを鼻いっぱいに吸い込みながら、柴田は再び熱り立つ若い茎を擦り上げる。
「……っ、イク、イ……く……ッ!」
そして、そのまま白いシーツの上に、白濁をぶち撒けたのだった。
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