【CoCシナリオ】お狐様は祝言を欲す【配布】

  [chapter:1:はじめに]

  このシナリオは日本を舞台にした

  第六版向けクローズドシナリオである。

  「マレウス・モンストロルム」掲載の神話生物、

  およびそれを元にしたクリーチャーが

  登場するが、オリジナル要素が強いものとなっている。

  探索者は4人を想定しており、全員友人同士であること。

  今作は探索者の1人にPC1としてHO指定があり、

  なおかつ探索者全員に進行性のバッドステータスが発生する。

  特にPC1に関しては制約が大きいので、

  そこは事前通達が必要かもしれない。

  ※はKP情報

  [chapter:2:HO内容とNPC紹介]

  ■PC1のHO内容

  10代後半~20代前半あたりの、出来れば未婚女性であること。

  母方の家が宇賀郡にあり、そちらの苗字は「狐坂(こさか)」。

  ただし、宇賀郡には去年1度帰省したことがあるのみで、交流は無い。

  母方の祖母とも会ったことは無い。

  人手が足りず困っている、という狐坂家にいる叔父の要請により、

  宇賀郡兎平集落にある、真方神社の祭りの手伝いをすることになる。

  ■NPC紹介

  ○白蔵主(はくぞうす) 女・55~64歳

  [uploadedimage:17464304]

  (年齢はPC1の設定によるので幅を持たせている)

  兎平集落で遭遇する狐の怪人。

  人ならざる姿でありながら、探索者達を手助けする。

  本名は「狐坂 菜恵(こさか なえ)」で、PC1の祖母に当たる。

  自身の娘(PC1の母)が「嫁入り」させられることを拒み、

  真方達に捕らえられキツネ人間へと変えられる。

  しかし、クナドの一部をわずかだが吐き出したため、

  完全に眷属化が進んではいない。

  本来の菜恵の性格は快活で男勝り、真っ向から意見を言う人物。

  探索者に素性を知られたくないために、

  キツネやPC1の叔父の幼少期の姿を取る。

  STR:17 CON:20 SIZ:12 INT:15 アイデア:75

  APP:該当せず(本来の数値は16) POW:13 EDU:16 DEX:19

  幸運:65 SAN:30 HP:16 MP:13 ダメージボーナス:+1D4

  呪文:変化

  芸術(料理):55% 聞き耳:90% 経理:50%

  忍び歩き:75% 説得:55% 目星:90%

  心理学:65%

  跳躍:75% 投擲:75% スリ:51%

  技能:クナドの神使としての初期値は以下である

  隠れる 25%、聞き耳 50%、忍び歩き 25%、目星 50%

  ○真方 彌次郎(まがた やじろう)男・?歳

  [uploadedimage:17464454]

  クナド信仰を創めた男にして、真方神社の裏の顔。

  尋常ならざる神の加護と家の存続に固執しており、

  それが同時にクナドへの堕落した信仰へ結びついている。

  長きにわたり繁栄していた真方家の衰退と神の危機を嘆き、

  PC1の帰省でその存在を知り、今回の事件を巻き起こす。

  他の神使同様変化はできるのだが、

  自身が最も神に近い神使という自負があるからか、

  ほとんど人間の姿を取らない。

  STR:15 CON:20 SIZ:18 INT:18 アイデア:90

  APP:該当せず(本来の数値は9) POW:17 EDU:9 DEX:12

  幸運:85 HP:19 MP:17 ダメージボーナス:+1D6

  呪文:変化、狐雅楽、支配、農作物を枯らす/農作物に祝福を与える、

  さまよう魂、スケアクロウの創造/従属、緑の神との接触

  製作(農耕):70% 追跡:75% 博物学:75%

  オカルト:60% 値切り:50% 杖:50%

  斧:40% 聞き耳:70%

  技能:クナドの神使としての初期値は以下である

  隠れる 25%、聞き耳 50%、忍び歩き 25%、目星 50%

  ○真方 穂積(まがた ほづみ)男・30歳

  真方神社の現宮司。

  真方神社には外部に訝しがられないよう、

  子供ができるまでは人間のままで生活するしきたりがあり、

  彼だけはまだ人間のままである。

  (婚約者がいるが、彼女は奈良市の女性なので事情は知らない)

  狐坂家に働きかけるなど、現代社会での手回しをする役目もあるが、

  シナリオ上での役割は薄い為、名前などはPLに聞かれたら

  教える程度で良いと思われる。

  STR:9 CON:16 SIZ:14 INT:10 アイデア:50

  POW:16 APP:13 DEX:13 EDU:15

  幸運:80 SAN:0 HP:15 MP:16 ダメージボーナス:0

  ※オリジナル呪文

  変化:

  全てのクナドの神使が使用できる。1MPをコストに術者は姿を変えられる。

  実体は肉体のままであるが、石や木などに見える姿にも変化でき、

  移動の仕方はその変化した姿に倣う。術者が知っているもののみに変化できる。

  本来のSIZと変化するSIZの差1ポイントごとに追加のMPを支払う。

  術は術者の意識が無くなると破れる。

  狐雅楽:

  セイレーンの歌声に近い効果を与える呪文。

  成功すれば、対象は奏者を傷つけたり、邪魔をする行動が取れなくなる。

  奏者は笙・篠笛・小鼓の最低3人。

  1MPと5正気度ポイントのコストがかかるが、

  奏者が揃っていれば効果は即時あらわれる。効果は曲が奏でられている間である。

  対象は代表奏者のPOWと自身のPOWとで抵抗ロールを試みることができる。

  ただし、クナドの一部を取り込んでいる者は自動失敗となる。

  《狐雅楽》は何人でも聞いた者すべてに影響を与える。

  [newpage]

  [chapter:3:クナドと真方神社の歴史]

  ■クナドの性質

  クナドはイングランドのセヴァン渓谷にいるとされる

  “緑の神”の子株にあたる。

  イングランドと気候の違う日本にやってきたことの影響か、

  その性質は本来の“緑の神”とは若干の違いがある。

  最も顕著なのは、その体を維持するために10年から20年程度の周期で

  生贄が必要であることだ。そのくらいの周期でクナドは特殊な実を実らせる。

  その実をクナドの神使が収穫し、“嫁入り”させるために選んだ女に

  摂取させる。選ばれるのはクナドの神使と血縁関係にある家の娘だ。

  (現時点では真方家と婚姻したことのある氏子の家系が対象)

  取り込まれた実は女の体内から影響を及ぼし、

  肉体がキツネ人間へと変異していくのだが、それだけではない。

  実自体がクナドと同等の蔓を垂らし、成長。

  最終的には女の体を食い破り、蔓が本体のクナドと結合し、

  生贄から栄養を吸収するのだ。

  恐ろしい性質ではあるが、逆を言えば、

  生贄を怠ればいつかは枯れてしまうということでもある。

  クナドが消滅してしまえば、クナドの力で不老を維持している

  クナドの神使達もその命が尽きる。

  その他の能力などについてはマレモンの“緑の神”、

  “緑の神の子(ウサギ人間)”も参照のこと。

  ■歴史

  今から遠い昔のこと、セヴァン渓谷から地上へと出て行った

  ウサギ人間がいた。その経緯や理由は不明だが、

  ウサギ人間ははるか遠い日本までやってきて、

  自身の神の苗を兎平の地下洞窟に植えた。

  定着するよう、自身の肉体を苗床として。

  それより少し後、兎平を含む宇賀郡を飢饉が襲う。

  当時から農村であった宇賀郡の人々の多くが苦しみ、

  真方 彌次郎とその娘ツネ、息子も例外ではなかった。

  食べられるものは全て消費し、飢え死にを待つばかりの時、

  真方親子は地下へ下りクナドと遭遇した。

  生き長らえたい真方はまさに神頼みとしてクナドと契約を交わす。

  自身が眷属のクナドの神使となり、クナドへ奉仕すること、

  息子は血縁を増やした後、彌次郎と同じく眷属となること、

  ツネを“嫁入り”させ、クナドへ捧げること。

  それらを対価に彌次郎は長きにわたる寿命、

  富や名声に繋がる「農作物を枯らす/農作物に祝福を与える」

  を含む呪文を会得した。

  宇賀郡の飢饉を救った彌次郎は人々の崇敬を集め、

  やがて真方神社が建立された。

  「クナドの性質」の通り、“嫁入り”は定期的に行われていくが、

  山中にある宇賀郡は外部との接触が少なかったこと、

  神使達の呪文により成長した米はクナドの影響下にあり、

  田植飯(神饌)を摂取する氏子は、無意識に真方神社に従うように

  されていることなどがあり、異を唱える者はいなかった。

  クナドへの“嫁入り”は時代を経て、神使である“狐の祝言”と

  名を変え、毎年行う御田植祭の行事の一環として継続されていた。

  (実際に生贄を捧げる年以外はただの祭事であり、

  いわば外の目に対するカムフラージュである)

  しかし、PC1が生まれる前、事件が起こる。PC1の母が妙齢となった頃、

  真の“嫁入り”が必要な年となった。

  狐坂家に嫁入りした立場の菜恵は、田植飯を摂取する機会も少なく、

  真方神社の普段と違う様子に違和感を覚える。

  そして、その年の“狐の祝言”の異常さを知られた菜恵に娘の帰郷を阻止され、

  クナドの実が入った食事を処分される事態となる。

  (PC1の母は当時宇賀郡におらず、事の顛末を知らない)

  生贄を捧げる機会を逸したことにより、クナドの弱体化が始まってしまう。

  とはいえ、特殊な実が出来る周期は変えられず、

  兎平も現代の田舎の過疎化の例にもれず若い娘がいなくなっている。

  今年、そして以降の“嫁入り”を

  失敗させるわけにいかない真方神社が取った手段、

  それが遠くに住む狐坂家の娘(PC1)を呼び寄せることと、

  真方家以外の人間(他の探索者達)も眷属とし生贄の対象を広げることだった。

  [newpage]

  [chapter:4:導入]

  PC1は5月のある日、HO内容にある通り、

  祭りの手伝いを頼まれ、受けることになる。

  行先は奈良県の宇賀郡、兎平集落。

  どうやらその時期、集落にある神社「真方神社」で御田植祭があるらしく、

  狐坂家の叔父からは「一緒に友達も連れてきて良い」と言われるので、

  他の探索者も同行することとなる。

  事前に探索者が知っている情報は以下である。

  ・PC1のHO内容

  ・頼まれたのは「神社で行っている御田植祭の神事のひとつである、

  “狐の祝言”に嫁役として出てほしい」というもの。

  ・宇賀郡は奈良県の山中にある郡で、林業や農業が主産業。

  交通は車かバス。

  ・狐坂家は真方神社の氏子であり遠縁である。

  ・真方神社は土地の神である「クナド」様と、稲荷神を祀っている神社。

  どちらも五穀豊穣の神であり、毎年田植が始まる5月頃に御田植祭を開いている。

  ・昔は秘祭だったらしいのだが、戦後あたりからは一般客も見学出来るようになり、

  出店なども出ている。(PC1は新年の帰省をしたきりなので、

  5月の御田植祭に参加したことは無い)

  ・“狐の祝言”は、神使である狐役の男と嫁役の女が神前式をなぞる神事。

  基本的に嫁役は集落の若い未婚女性が担っていたのだが、

  今年は人手不足でやって欲しいとのこと。

  ・移動と当日、帰りで2泊3日の予定。

  無理を言う代わりに旅費と宿は面倒を見てくれるようだ。

  宿泊場所は真方神社の用水路に面している旅館。

  宇賀郡は奈良県にある架空の地名。山間にあり、冷涼多雨地帯なので

  林業と、農業が盛んで、特に宇賀郡は綺麗な川に恵まれ稲作が主産業である。

  その中で兎平集落は真方神社と神社周辺のいち地域を指す地名で、

  神社の敷地は河川と台地に挟まれた、河岸段丘と呼ばれる地形になっている。

  頂上から斜面にかけて森、段丘面に畑、川沿いの平地には田が広がり、

  その田の中には、氏子に寄付された御田もある。

  御田に実った米は神事の際に奉納されたりする他、

  お祭りの時には神饌や甘酒として、氏子や参拝客に振舞われることもあるようだ。

  河岸段丘であるため、神社の土地を囲うように大きな用水路が横たわり、

  用水路には転落防止のフェンスが張り巡らされていて、

  参拝するには用水路に掛かった橋を渡って向かう。

  初日は旅館への移動と渡した情報の説明で費やされ、

  祭りは翌日からとなる。

  (※非日常の状況に置かれるようになるのは旅行予定の最終日からになる。

  クローズドで何も無い平和な時間は短い方が良いので、

  初日は導入部分と明言して早々に終わらせてほしい)

  [chapter:5:野ギツネと兎平]

  例年の御田植祭は、朝早くに

  田植歌を演奏しながら行われる大田植の神事、

  昼過ぎに“狐の祝言”を行う、と説明を受ける。準備や着付けがあるので、

  昼食の後に社務所に来て欲しいと頼まれる。

  初めて真方神社へ入った際は以下のイベントを挟むこと。

  +野ギツネとの遭遇+

  用水路の橋を渡り、神社の敷地内に入ると、祭りの当日だけあって

  神社の神主や、作務衣姿で神主達を手伝う氏子の姿を見かける。

  と、森から1匹のキツネが飛び出してくる。

  <生物学>:大きさ、足首の部分が黒くないことから、アカギツネの亜種、

  ホンドギツネだと分かる。ただ、キツネといえば

  赤みがかった黄色い体毛をしているものだが、

  この個体は色素が薄く、どちらかというと枯草色である。

  (色は技能失敗でも分かる)

  <聞き耳>:キツネから雨上がりの草地のような匂いがする。

  キツネは探索者達の方を見やり、一瞬の間を置いてPC1の服を噛み、

  どこかへ連れて行こうとする。探索者達が取る行動に関わりなく、

  近くにいた神社の神主がキツネに対して声を上げ、

  PC1から引きはがし捕まえようとする。

  キツネはそのまま逃げて行ってしまうだろう。

  話を聞くと、今のキツネはこの辺りの森に移り住んでいる野ギツネで、

  時々人家に現れて食べ物を盗んでいくのだという。

  氏子の方は「困ってはいるが、おキツネさまだからねえ。

  人が襲われたことも無いし」と付け加える。

  もし、探索者が神主に「神使であるキツネに対する扱い」や

  「野生動物を警察に連絡しないで捕まえようとした」ことを

  質問するようであれば、神主は、探索者の身の安全などを理由に話を濁す。

  (※この野ギツネは白蔵主が変化したもの。

  一行を見て自身の血縁がいることを察し、

  早く出ていくよう引っ張ったが、氏子の言う通り人に危害を加えたことは無い。

  しかし、神社の神使達は裏切り者ともいえる白蔵主を今まで探していたため、

  捕まえようとした。氏子側と神社側とで野ギツネに対する温度差があるわけだが、

  心理学などでその温度差を感じ取ることができてもいい)

  ■真方神社

  橋を渡れば三叉路があり、中央の道を行けば正面に大鳥居と狐像、

  神社の側面から背面、そのまま段丘の頂上に向かって鎮守の森が広がっている。

  駐車場は用水路の橋を渡る手前(フェンスの外)にある。

  石段を上っていけば、玉砂利の敷き詰められた参道、手水舎、

  神輿などが保管されている宝物庫、防火用の消火栓、

  祭りの際に使用される神楽殿、授与所、社務所、稲荷神の摂社、

  拝殿と幣殿があるが、幣殿は塀に囲まれ直接は見えない。

  また、案内図を見る限り本殿は無いようだ。

  拝殿の前には舞台が出来上がっており、そこで“狐の祝言”が

  執り行われるらしい。(立ち入り禁止)

  看板に書かれている説明書きでは、

  クナド様という神様と稲荷神を祀っているとある。

  ・出店で遊んだり、買い食いしたりも可能である。

  授与所は巫女の1人が対応しており、

  よその寺社仏閣でも見かけるようなお守りやおみくじが、

  申し訳程度に置かれている。祭りは大盛況という程ではないが、

  見物客でそれなりに賑わっている。

  ・境内にはもちろん神職が働いており、わずかだが巫女もいる。

  巫女は緋袴ではなく紺色の袴を穿いている。

  <オカルト>:アルバイトなどではない本職巫女は高等学校卒業後から勤務し、

  20代後半で定年を迎える例が多い。定年後でも勤務する場合は緋色でなく、

  神社指定の別色(松葉色・紺色など)の制服となるものなので、

  やはり若い女性は神社にいないようである。

  ・消火栓に<目星>と<知識>の組み合わせ:消火栓は2人で操作するタイプ。

  老朽化が進んでいる。また、

  消火栓以外の消火設備は設置されていないように見える。

  ・稲荷神に<オカルト>:稲荷神(いなりのかみ、いなりしん)は稲を象徴する

  穀霊神・農耕神。神道系の稲荷神社では朱い鳥居と、

  神使の白い狐がシンボルとして広く知られる。

  日本全国に存在する三万社以上の稲荷社が狐像を備えており、

  「狐」自体を「稲荷神」として信仰する場所も少なくない。

  ・クナド様に<オカルト>:岐の神のことだと思われる。民間信仰において

  古より牛馬守護の神、豊穣の神としてはもとより、禊、魔除け、厄除け、

  道中安全の神として信仰されている。また、久那土はくなぐ、

  即ち交合・婚姻を意味するものという説もある。道祖神の原型の1つともされる。

  恐らくだが、土地の神だというクナドの神が先に信仰されていて、

  同じく豊穣の神として稲荷神も勧請するようになったのかもしれない。

  また、古くからの神を祀るような神社は、鎮守の森や自然物などが

  神の宿る場所として、本殿が無い神社もある。

  ・摂社:稲荷神が祀られている摂社。小さな朱塗りの鳥居、

  対になった狛狐像がある。

  狐像の脇には看板が立っており、“狐の祝言”の由来である昔話が書いてある。

  「昔々、真方氏の長者の若い娘が、罠にかかっていた狐をかわいそうに思い、

  助けてあげました。狐はお礼を言うかのように娘を振り返り、

  山に帰っていきました。そんなことがあったしばらく後、

  兎平集落を飢饉が襲います。

  皆じわじわと飢えに苦しめられて、長者はどうにかしなくてはと悩みました。

  そこに山伏さまが下りてこられて、長者へ“この状況は何と痛ましいのだろう。

  私がクナドさまにご祈祷致してみよう“と枯れた田んぼの前に立たれました。

  山伏さまがご祈祷を始めると、みるみるうちに稲が元気になっていきます。

  実った米を収穫し、長者が集落の者と山伏さま、皆で食べようと言いましたが、

  山伏さまは断ります。長者が不思議がる中、

  山伏さまはその場にいた犬に吠えられ、

  なんと狐に姿を変えてしまいました。狐は、自分はクナドさまの使いだと言い、

  娘に助けてもらった恩を返したいと、山伏さまに変化して山から下りてきたのです。

  正体を知られた狐はクナドさまの元へ帰ってしまいましたが、

  狐の恩返しに長者と娘はいたく感動し、娘は狐に嫁ぐこととなりました。

  そして長者はクナドさまを祀る神社を建て、

  娘と狐は共に神社を見守るようになりました。」

  (※午前限定)

  ・朝早く(6時~7時頃)から行けばちょうど大田植の神事を

  執り行っているところに立ち会える。御田にて美しく着飾った牛、

  笙・篠笛・小鼓・平太鼓・鉦などの楽器や奏者、

  赤の襷に白い手ぬぐいと菅笠をつけた女性、神職の者と氏子が集まっている。

  牛による代かきをし、囃に合わせて田植歌をうたいながら、女性が田植を行う。

  最後に宮司が祝詞を奏上し今年の豊穣を祈った後、神社の本殿へ移動。

  宮司が供え物を奉納して終了する。朝早くの澄んだ空気も相まって、

  終始厳かな雰囲気に包まれているだろう。

  大田植が終了すれば、徐々に出店も開きだし、賑やかになってくる。

  ■人などからの情報

  ・例年の御田植祭は、朝に田植歌を演奏しながら行われる大田植の神事、

  昼過ぎに“狐の祝言”を行う。夜には神人共食である田植飯を食すのだが、

  これは神社の神職と祭りの準備に参加した氏子のみで行っている。

  ・「真方神社」の項でも書いた“狐の祝言”の昔話は

  人から聞くこともできる。昔話は真方家の先祖というのは

  看板でも分かるが、どうやら長者の名前は彌次郎、娘の名はツネというらしい。

  ・PC1の祖母のことを尋ねると、(PC1の年齢+2)年前から行方不明なのだという。

  御田植祭の準備をしていた頃のこと、

  神社の方から準備を手伝っていた祖母がいなくなったと報せを受け、

  警察を呼んで氏子総出で探したのだが、用水路のフェンスが

  一部壊れていた以外は何も発見できなかった。

  (※フェンスは彌次郎が偽装のために破壊した)

  用水路に落ちてしまったか、鎮守の森に入って

  迷ってしまったのかもしれない。

  ・鎮守の森はかなり鬱蒼としていて、

  何の生き物がいるかの調査もしていないため、神社から地元住民へ

  立ち入らないようにと注意喚起をされている。

  肝試しだか賽銭泥棒だかが入って行方不明になったという噂もある。

  ・滅多に無いという話だが、神社で青白い狐火を見たことがある

  という話も聞ける。昔、ネット上でそんな話題を取り上げているページが

  あって、一部界隈で論争が起きたとかなんとか。

  [chapter:6:御田植祭]

  午前8時~昼頃、真方神社へ向かうと、のぼりや出店の食べ物の香り、

  お囃子の音が聞こえてきて、祭りの真っ最中だ。

  昼過ぎには、“狐の祝言”のため

  宮司が社務所の近くで探索者達を待っているので、

  そこに行くか、神主や氏子に場所を聞いてみるなら彼と対面する。

  探索者一行は宮司に社務所の中へと案内され、

  “狐の祝言”の準備と説明を受ける。

  嫁役のやることは実際の神前式と近いらしく、

  白無垢の衣装、日本髪のカツラの上に角隠しをつけ、

  狐面と黒五つ紋付羽織袴を着た狐役と共に花嫁行列で境内を歩き、

  祝詞奏上をし、三々九度を行い、神楽奉納をした後退場するという流れだ。

  実際の神前式と一番違うのは、見せるための神事であるため

  本殿の中ではなく外に設けた舞台で行う、

  誓詞奏上(誓いの言葉)が不要な所。狐役は若い神主が担っている。

  衣装の着付けは衝立で部屋を分け、

  嫁役は宮司の婚約者や氏子の中年女性が手伝ってくれる。

  その間、宮司と会話することも可能である。

  以下の情報が得られる。

  ・<オカルト>で得られる稲荷神や岐の神の情報や、

  “狐の祝言”に関する昔話など、表向きの神社に関する情報。

  ・野ギツネ(※白蔵主)に関しては他の神主と同じく、

  本心では疎ましく思っているが、それを表情には出さない。

  神使さまといえ、皆を困らせている存在だと思っている、と答える。

  ・着付けを手伝っているのは自分の婚約者だという情報。

  婚約者は氏子の女性達に比べれば若いのだが、

  嫁役は10代後半~20代前半の女性が担うという決まりがあるため、

  頼むことが出来なかったと話す。

  ・菜恵の行方不明に関しても、同じ情報だが聞くことが可能。

  当時、宮司はまだ子供で大人から聞いてそれを知った。

  その時は事がよく分からず、ただその年の“狐の祝言”と

  出店が中止になってしまったのが寂しかった。

  宮司となった今は、昔から続けていた伝統的な神事が

  一度中止となってしまったこと、

  そして今も、継続の危機に立っている状況は先祖に申し訳ない。

  だからこそ、今年の御田植祭はしっかりと成功させ、

  若い人がもっと兎平集落に来てくれることを期待していると話す。

  ・祭りが終わった後、神職と氏子で田植飯を食すのだが、

  今回は特別に探索者達も招待したい。旅館にも話は通してあるので、

  夕食代わりにでも寄って欲しい、とのこと。

  ある程度の会話をすると入場のために移動を始めるため、

  一時的にPC1と他の探索者とで別行動となる。

  (といってもイベント中なので何か探索が出来るわけではない)

  ■狐の祝言

  探索者は舞台の周辺で見物、PC1は大鳥居の前まで移動する。

  神事の開始の声がかけられ、大鳥居から神主と太鼓の奏者達に先導され、

  狐役と嫁役がゆっくりと舞台に向かって歩いていく。

  舞台にたどり着く頃には、不思議と天気雨がぽつぽつと降っていた。

  舞台に着席した後、狐役とPC1は清めの御祓いを受け、

  宮司による祝詞奏上、三々九度と、粛々と行われていく。

  祝言の間、拝殿と幣殿の扉は全て開かれていて、舞台に上がっていて

  視線が高いPC1は、そのわずかな隙間から幣殿の奥に広がる

  鬱蒼とした鎮守の森と、細くのびる道が見える。

  ・PC1のみ<POW×5>:誰かに見られているように感じる。

  視線は鎮守の森の方から来ているように思い、そちらを見る。

  すると、日暮れ前でも暗い森の中、薄ぼんやりと光る亡霊のような

  何かが一瞬見えた。その何かは、

  遠目で見えにくいが狐の頭があるように見えた。

  奇妙な何かの目撃に0/1D2のSANチェック。

  (※「さまよう魂」で様子を見に来た彌次郎の姿)

  奇妙な何かを見ても見なくても祝言は進行していく。

  宮司が玉串を奉納した後は、神楽奉納が行われる。

  待機していた奏者が棒ざさら・鍬金(農耕用の鍬先の鉄部分をはずし、

  紐を付けてぶら下げ打ち鳴らす)・笙・篠笛・小鼓による演奏を始め、

  氏子の家の子であろう少女達がびんざさらを両手に持ち、

  唄をうたいながら舞を舞っている。

  <オカルト>や伝統芸能系の芸術技能:使用する楽器や、唄の調子などが

  神楽というより田楽に近いように思う。

  神楽奉納が終了すれば一同が拝礼し、祝言が完了する。

  舞台上にいた一同は社務所へ退場していくので、見物していた探索者達も

  そちらへ合流することとなるだろう。

  PC1が元の服装に着替え終えた頃には天気雨もやみ、祭りの撤収が始まる。

  夕食の時間になれば田植飯の相伴に預かる。

  ■田植飯

  拝殿前にテーブルやパイプ椅子が多く置かれ、

  人々が夕食を楽しんでいる。

  探索者達が席につけば、野菜や魚を使った和食、

  山菜のおひたしや味噌炒め、

  探索者が望むのであれば日本酒なども出してもらえる。

  米どころだけあって、ご飯も白米だけでも食べられる

  甘味があり、一粒一粒がしっかりと炊き上がっている。

  また、PC1には手伝ってくれた礼、として

  他の人とは別のデザートを提供される。白い果肉の果物で、

  食べてみれば果物が苦手な者でも食べられる不思議なうま味と

  爽やかな甘さが口内に広がる。PC1はSANが1回復。

  ・<生物学>:山菜や果肉などでアケビに似た植物が

  使われているのに気づく。

  ところが、田植飯を食べている内、探索者達は眠気に襲われ、

  そのまま眠ってしまう。

  ・<聞き耳>:意識を失う直前、氏子と宮司の会話が聞こえる。

  眠ってしまった探索者達は旅館ではなく

  社務所に泊めるという話をしている。

  急な話だというのに氏子は誰も反対していないようだ。

  [newpage]

  [chapter:7:浸食と兎平探索]

  探索者達は腹部の鈍い痛みで目を覚ます。周囲を見渡すと、

  土の地面に木製の建材で建てられている小さな部屋、

  目の前には木の格子。座敷牢のような場所にいた。

  所持品はポケットに入る程度の物しか残っておらず、

  その大きさの物でも外部と連絡できる機器や、

  火器類は取り上げられている。

  格子から見える外は曇っていて、昼間であるにもかかわらず薄暗い。

  ■探索者達の体の異常

  腹部を触ってみると妙に堅い。

  もし服を捲って直に様子を観察するならば、

  堅い手触りの部分は緑がかった色をしており、筋が放射状に広がっている。

  (ただ、PC1の筋の色は一部赤みがかっている)

  それはさながら皮膚の下に植物の根が這っているかのようで不気味である。

  0/1D2のSANチェック。

  ・<アイデア>:昨日出された田植飯の山菜料理の中で、果物以外にも、

  探索者達にのみ提供されていた一品があったことを思い出す。

  これは田植飯の特殊な食品を摂ったことにより、

  探索者の体が浸食されている状態である。

  浸食は時間経過により徐々に進行していく。

  以下が浸食のルールである。

  ・浸食度は数字で示し、この時点では探索者達の浸食度は1である。

  ・数か所の移動や書物を読んだなどの時間を要する行動を取った際に、

  全員1D3を振ってもらう。数値は加算されていき、

  一定の値まで来ると浸食度が次の段階へと進行する。

  (※目安は、地下室の探索が終わる頃、PC1の浸食度が10前後)

  浸食度

  1(1~4):腹部が堅くなり違和感

  2(5~8):毛深く、爪が鋭くなり、一時的に手を使う技能に-10の補正。

  SANc 0/1D2

  3(9~12): 足が動物のように変形し、一時的にDEXが半減。

  また、キツネの耳のようなものが小さく生える。 SANc 1/1D3

  4(13~16):半身がキツネ人間化。各所の骨格が変形する痛みにHP-1

  SANc 1D3/1D3+1

  5(17~20):全身キツネ人間化。以下の技能値が変更・追加される。

  聞き耳 50%、目星 50%、かぎ爪 30%(ダメージ1D4+db)、

  噛みつき 30%(ダメージ 1D6)。 SANc 1D4/1D6+2

  6(21):SAN0となり、もう人間には戻れない。ロスト

  (※「一時的に」=段階が進めば慣れて解除されるペナルティ)

  ■脱出手段

  座敷牢には錠が掛けられているが、<目星>もしくは脱出手段を

  探そうとよく見てみれば、格子は古く一部が脆くなっているのに気づく。

  錠に対して<鍵開け>で開錠するか、格子の一部のSTR6に対して

  探索者のSTRで抵抗ロールを成功させれば出ることができる。

  座敷牢以外には施錠されていないので、小屋の戸を開けて外に出られる。

  ◎兎平集落◎

  ここからは集落内を探索していくこととなる。

  開始地点である座敷牢のあった小屋は、神社の敷地を囲う三叉路の左奥に

  位置しているようであり、周辺には何軒かの空き家と、

  段丘の森と合流している鎮守の森が広がっている。

  クナドの神使は全員で15体程度おり、その内4~6体が人に変化した状態で

  いくつかのチームに分かれて、集落の敷地内を監視してまわっている。

  もっとも、クナドの一部を取り込んだ探索者達が仲間になるのは

  時間の問題であるため、探索者達を見かけても強硬な態度には出ない。

  一度は座敷牢に放り込むという非合法まがいのことをしておきながら、

  「座敷牢で待っていて」だの「神社には入らないように」だの、

  口頭注意だけで済ませる彼らにはある種の不気味さを覚えるだろう。

  神使達の行動が変わるとすれば、探索者達に有利な情報がある神社を、

  探索者達だけで立ち入ろうとする時だ。

  [uploadedimage:17464472]

  ■用水路と橋

  用水路とフェンスは昨日見た様子と変わりない。

  橋は手前にカラーコーンとポールが設置され、敷地外に向けて

  立ち入り禁止の看板が立てられている。

  障害としては大したものではない(フェンスも登攀と跳躍があれば

  越えてしまうかもしれない)が、通り抜けようとすると

  急に腹部の痛みが強烈になり、その場にうずくまる程になってしまう。

  すぐ神社の敷地内に戻れば痛みは収まるが、もし強引に脱出しようとすれば

  1D2のダメージと10進度が増える。それでも集落から離脱するような探索者には、

  完全なクナドの神使化によるキャラロストが待っている。

  ■鎮守の森

  用水路のフェンスが張られていないため、突っ切ることさえできれば

  神社の敷地外へ出られるのかもしれないが、

  雑草が茂って昼間でも鬱蒼としており、とても視界が悪い。

  ・<目星>:暗い中、ぼんやりだが歩く人影のようなものが見える。

  人のように見えるのだが、動きはぎこちなく、飛び跳ねて移動しているようだ。

  ・<聞き耳>:ガサガサと森を一定の速度で移動していく音がする。

  …しかも、聞こえる感じとしては多数。

  どちらかの技能に成功したならば、不穏な雰囲気に0/1のSANチェック。

  それでも森を通り抜けようとすると、森に警護として放たれている

  スケアクロウ6体と遭遇する。

  『伸びた雑草をかき分け進むと、ふいに何かに進路を遮られる。

  それは、一瞬は人に見えた。蓑と笠が見えたからだ。

  蓑と白装束の下から覗く一本だけの木の足に案山子だと理解した。

  しかし、その案山子が普通のものでないことにも同時に気づく。

  頭部から肉の焦げた不快な臭いを発し、手には凶器を持ち、

  足はトントンと音を立てながらこちらに迫って来ていたからだ!』

  スケアクロウ(全て同じステータス)

  STR:14 CON:23 SIZ:12

  INT:13

  (※森で捕まえた人間の魂を使い作られているため、例外的にINTを持っている)

  POW:1 DEX:6

  移動 6 耐久力 18

  ダメージ・ボーナス:+1D4

  武器:絡みつき 25%、ダメージ “窒息”のルールにしたがう

  鎌 20%、ダメージ 1D6+1+db

  熊手 25%、ダメージ 1D8+1+db

  手斧 20%、ダメージ 1D6+1+db

  装甲:2ポイントのわらと木。スケアクロウは貫通する武器からの

  ダメージをまったく受けない。鈍器や切り刻むような攻撃は

  1/2のダメージを与える。火には特に弱く、1Rにつき1D6+2の

  ダメージを受ける。スケアクロウはSIZ×10分間で再生するか、

  自分を作り直すことができる。

  技能:命令に従う 100%

  正気度喪失:動くスケアクロウを見て失う正気度ポイントは

  0/1D4

  スケアクロウ達は森に入ってきた人間を通り抜けさせないように

  動く(または攻撃する)ので、無事に彼らから逃げおおせても、

  たどり着くのは元の場所である。

  ■空き家と御田

  ツタが這っている古い空き家が数軒と、そばに神社管理の御田がある。

  【御田】

  ・<歴史>もしくは知識-20:明治初頭の上知令で寺社の領地(寺社領)が

  廃止されたため、一時的に日本全国の寺社の御田が消滅したという。

  現在御田がある寺社は、周辺住民の寄贈などにより再興されたものになるので、

  空き家があるのはその名残かもしれない。

  ・大田植を見た探索者のみ、御田に<目星>:昨日大田植で植えたばかりの苗が、

  もう芽を出していることに気づく。

  【空き家】

  見た目での違いなどは無いため、入ってみた建物に情報があるとしていい。

  処分し忘れたのだろう大きな家具が残っているが、床もどこも土埃が積もっている。

  何軒かあるので、警らの目から逃れるのに丁度いい場所でもある。

  ・家具に<目星>:タンスの脇に油性ペンで書かれた

  乱れた文字があることに気づく。

  「〇〇(読めないが恐らく人名だろう)と肝試しに来ただけなのに

  かか しが襲ってき た 森に きつねが たスけてくれ」とある。

  文字の近くの床には黒いしみがわずかに残っている。

  ・床に<目星>か<追跡>:土埃にいくつか足跡がある。<追跡>ならば

  足跡が家の中に出入りし、壁際に座ったように見える跡もあることが分かる。

  さらに<生物学>:足跡はキツネのように思われるが、大きさが2種類あり、

  片方は人間の足ほどの幅がある。座った跡は人間のものに見えるが、

  人間の足跡は残っていない。探索者は軽い混乱を覚えるだろう。

  0/1のSANチェック。

  ・<聞き耳>:わずかに雨上がりの草地のような匂いがする。

  ■大鳥居と白蔵主

  神社の神主達が2~3人ほど木製の刺又を持って立ち、

  周囲の様子を監視しているようだ。彼らは集落の描写に記した通り、

  神社へ入ろうとしたり抵抗しなければ何もしてこない。

  質問をしようにも、「帰すことはできない」「明日には分かる」などの

  返答しか返ってこないだろう。

  探索者が神社に入ろうとすると、

  (神主達と接触する前なら)

  草むらから「無理に入らない方がいい、こっちおいで」という少年の声、

  (神主達との会話中にその流れになったなら)

  神主の死角になる草むらから無言で手招きする子供の手、

  で制止される。

  草むらに分け入ってみると、そこにいたのは

  中学生ほどの年齢に見える作務衣姿の短髪の少年だった。

  少年は探索者達に

  「まだこんな所にいるとは思わなかった」といいつつ、

  適当な空き家へと導きいれる。

  PC1のみ<アイデア>:写真で見たことがあるだけだが、

  少年の容姿が叔父の子供の頃に似ているように思う。

  他に人気の無い空き家に入ると、少年と会話することができる。

  少年は自身を「白蔵主」と名乗る。以下が白蔵主の話す内容である。

  ・ここは普通の人間のふりをしているが異常な連中のいる神社で、

  謎の神を神道の神と偽って崇めているらしい

  ・”狐の祝言”は何十年かに一度、その謎の神へ

  若い娘を生贄に捧げるための神事らしい

  ・神饌(田植飯)に何か細工をして摂取させることで、

  生贄にするための段階が進んでしまうらしい

  ・神饌とは違う物なのかもしれないが、やはり摂取させることで

  化け物に変身してしまう方法も連中は知っている。

  生贄も化け物化も、摂取させられて即なるものではないが、

  対策を見つけられなければ時間の問題だろう。

  ・祭りで遭遇した野ギツネについてはあまり言及しないが、

  ただ尋ねただけなら、あの野ギツネもこの神社の異常さを

  知っている、だから探索者達をここから

  連れ出そうとしたんだろうと話す。

  (※白蔵主は不審がられたくないという理由から、

  キツネ人間の存在を、そしてPC1に知られたくないという理由から、

  PC1の祖母・菜恵であることを隠そうとする。

  もし探索者がオカルトや冒涜的知識に理解のある者であれば、

  キツネ人間の存在や、自身がキツネ人間にされた元人間だとは話すが、

  この時点では絶対に菜恵であることは話さず認めない)

  ・PC1の叔父に似ていることを指摘されると、

  キツネ人間だと知られる前であれば

  「たまたまだろ」と誤魔化し、知られているならば

  「キツネ人間の姿では怖がられるだろうから、

  昔見かけた子供に変化している」

  と答える。

  ・探索者が神社に入り、自分たちの異常を治したいという

  意思表示をするならば、白蔵主は大鳥居の前にいる神主達を

  引き付けてやってもいいと話す。

  何故手助けしてくれるのか尋ねるなら、自分も神社の連中に

  恨みがあるからと答える。

  ・<心理学>:探索者達を助けたいという気持ちには嘘は無さそうだと思う。

  白蔵主と共に再度大鳥居の元へ向かうと、白蔵主は先陣をきって飛び出し、

  神主達に1個ずつ拾った石をぶつける。

  神主達は挑発に乗り、白蔵主を追いかけていく。

  [newpage]

  [chapter:8:真方神社の探索]

  ◎真方神社(再)◎

  境内に入ると、祭りが終了しているため、

  一見すれば人はいないように見える。基本的には手水舎の水音、

  木が風に揺れる程度の静寂が横たわっているのだが、

  時折複数人の衣擦れの音が行き来している。

  神社の境内であるので、鎮守の森以外にも樹木や草むらが多く、

  隠れてやり過ごすことも可能だろう。

  ■移動制約

  クナドの神使は15体程度の内3~4体が境内を警らしている。

  集落と違いキツネ人間の姿のままであるので、目撃した際は

  0/1D4のSANチェックが発生する。そんな彼らに見つからないよう

  境内を移動する必要があるので、以下にその概要を示す。

  ・探索したい場所へ移動する際、探索者達は全員<幸運>ロール。

  誰かが失敗した場合は通り道にクナドの神使1D4体が

  通りがかる。

  ・神使に遭遇した場合はやり過ごす必要が出てくる。

  <隠れる>ロールに誰かが成功すれば、同じ場所に他の探索者も

  隠れることができる。

  (戦闘力に自信があるなら神使を奇襲することも不可能ではない)

  ・<隠れる>に失敗したなら、神使達の<目星>か

  <聞き耳>(どちらも50%)ロールをし、それにも成功した際には発見される。

  ここまで入り込んできた探索者に対して、彼らは人間の姿で

  取り繕おうとはせず、多少強引な手段を取ってでも

  座敷牢へ連れ帰ろうとする。彼らの捕縛対象はPC1が優先される。

  『彼らは神社の神主達、のように見えた。実際そうなのだろう。

  白衣、浅黄色や紫色の袴の装束が見えても、そうと断言出来ないのは

  彼らがあまりにもあり得ない姿かたちをしていたからだ。

  全身には生成色の毛が生えている。5本の指の先には鋭いかぎ爪が

  のびていて、足は四足歩行の動物のそれに変形しており、

  足袋や下駄が履けないようだ。

  臀部から生える長く太さのある尻尾、三角形の耳、

  突出した鼻面と口の隙間から覗く獰猛な牙。

  全体的にキツネの特徴を持っていたが、獣臭さとは真反対の

  雨上がりの草地のような体臭、毛の隙間から覗く

  植物の茎のような肌、悪意を持った目はただの動物には無い

  奇形と邪悪を感じさせた。』

  クナドの神使、変異したキツネ種族

  (緑の神の子を改変)ステータスは共通

  STR:13 CON:19 SIZ:12 INT:14 POW:10

  DEX:15 移動 8 耐久力 16

  ダメージボーナス:+1D4

  武器:刺又 25%、ダメージ 1D6+dbまたは<組みつき>

  かぎ爪 30%、ダメージ 1D4+db

  噛みつき 30%、ダメージ 1D6

  狐火 30%、ダメージ 青く光る冷たい炎により1D2+1D2CON喪失

  装甲:なし

  呪文:変化

  技能:隠れる 25%、聞き耳 50%、忍び歩き 25%、目星 50%

  正気度喪失:クナドの神使を見て失う正気度ポイントは0/1D4

  ・神使からは逃げることも倒すことも可能だが、倒してしまうと

  事態を察した仲間が集落側から応援でやって来てしまい、

  見回りの数が1D4体から5体固定となる。

  ・捕まった場合は座敷牢に戻される。

  それだけなので、再び脱走し神社に戻ってくることは可能だが、

  時間をロスしたことになるので、浸食度ロールを振ること。

  [uploadedimage:17464481]

  前日と同じく、手水舎、宝物庫、防火用の消火栓、

  神楽殿、授与所、社務所、稲荷神の摂社、

  拝殿と幣殿がある。拝殿の前の舞台は、

  祭りの翌日だけあってまだ枠組みが残っている。

  ■宝物庫・神楽殿

  物が多くしまわれている屋内であるため、

  間近にいる状態であればやり過ごすために入ることができ、

  <隠れる>に+30の補正がつく。探索の情報は何も無い。

  ■摂社

  看板の昔話について<アイデア>:

  白蔵主が“狐の祝言”は人身御供だと

  話していた。それを隠すために差し障りない異類婚姻譚に

  書き換えたのではと思う。また、そこの部分以外は

  過去実際にあったことに近いのかもしれない。

  ■手水舎

  覗き込んでみると、なんと探索者達のスマホやらの

  連絡機器が沈んでいる。

  ご丁寧にSIMカードも折られて近くに落ちているため、

  防水機能の有無に関係なく外部への連絡は不可能である。

  ■消火栓

  祭りの日に技能ロールに失敗、もしくは振っていなかったのであれば

  ここで情報を改めて獲得することができる。

  ■授与所

  お守りや御朱印などの授与のための在庫や電話

  (※電話線は抜いてある)

  などがある事務スペースと、

  祈祷客のための待合所が設けられている場所。

  社務所に繋がる扉があるが施錠されている。

  <目星>:卓上の棚の中から鍵を見つける。プレートがついていて、

  それぞれ「社務所」、「倉庫」、「真方」とある。

  ■拝殿

  他の神社でもよくある賽銭箱、しめ縄、鈴などがある外観。

  正面からは入れない。社務所から渡り廊下で繋がっているようだ。

  ◎社務所◎

  祈祷客を拝殿へ通すための公的な部分と、

  真方家の居住スペースも兼ねている場所。

  [uploadedimage:17464484]

  ■休憩室

  勤務中の神主が休憩・食事・着替えを行うための部屋。

  小さな給湯スペースと冷蔵庫、

  畳の座敷があり、座敷の上にはちゃぶ台と、

  着替え中に使う衝立などがある。

  また、ここに旅館に置いたはずの探索者の鞄が

  まとめて置かれている。基本は無事だが、

  連絡機器は無い。

  【冷蔵庫】

  昨日の田植飯に使われたであろう食材の余りが冷蔵されている。

  しかし、脇を見ると見慣れない野菜が放置されている。

  自分達が食べたものにもこの野菜が入っていた気がする。

  <生物学>:形状などから蔓性落葉低木の一種、

  アケビの若芽に似ているように思う。

  しかし、アケビの若芽の採取時期はこの辺りでは3~4月であり、

  時期外れといえる。栽培している場所は宇賀郡に来てから

  見かけた覚えが無いし、自生していたものを採ったのであれば

  なおのこと珍しいといえる。

  ■渡り廊下

  拝殿へ繋がっている廊下。

  拝殿への扉は特殊な鍵でもかかっているのか開かない。

  <鍵開け>などでも開かない。

  ■居住スペース

  真方家の私的な住居となっている。施錠されているが、

  授与所で入手できる「真方」のプレートの鍵で開けられる。

  間取りは2LDKで、リビングは畳と押し入れがあり、

  寝室も兼ねているらしい。残りの部屋は書斎、倉庫がある。

  【倉庫】

  外からも出入りできる部屋で、施錠されているが、

  どちらの出入り口も授与所の「倉庫」の鍵で開く。

  外の扉の脇には箱が置かれていて、中には乾燥した何かの草が詰まっている。

  倉庫内は除湿剤とエアコンがついており、

  湿気に弱く宝物庫に置けない物などが置いてある。

  広さの割に空きがあるが、平積みされた木材、棚が置かれている。

  <目星>か<幸運>で連絡機器以外の入用な物品が見つかっても良い。

  (ライター、ハサミ、救急箱など)

  ・<アイデア>:空きがあるのは使用するために、

  どこかへ持ち出しているからではないかと思う。

  ・外の箱に<生物学>:入っているものは葦を乾燥させたものだと分かる。

  ・木材に<生物学>:置かれているのは松の芯の部分だと分かる。

  ・棚:無地の和紙が入っている段、一定の長さで切りそろえられた紐が

  入っている段がある。

  ・下記材料をすべて見た状態で<オカルト>か<知識>:

  ここにある葦、松の芯(ヒデ)、和紙と紐は神社の儀式などで使われる

  松明、もしくは脂燭の材料であることを知っている。

  よくある作り方としては、ヒデと葦を一緒に束ね、数か所を縛り、

  手元の部分に和紙を巻く。ヒデは特に脂分の多いところであるので、

  そのまま点火すれば松明として使用できる。

  【書斎】

  窓はカーテンが閉められている。

  板張りの床にカーペットが敷かれてあり、

  座卓に姿見、本棚、防虫剤の袋が置いてあり、

  奥の壁上部には神棚がある。

  ・姿見にこれといった情報は無い。

  古くて歴史がありそうな一品という程度だ。

  ・座卓:姿見同様古く使い込まれた雰囲気がある。

  卓上には筆記具や書類、

  宮司と婚約者の写った写真が嵌まった写真立てなどがあり、

  引き出しにも物が入っている。

  <目星>:引き出しの奥から日記帳が見つかる。

  宮司の幼い頃のもののようだ。1冊しかないので、

  処分し忘れたものなのかもしれない。

  「○月×日

  うちにはおきつね様がいっぱいいる。

  本で読んだたぬきときつねと同じで人に変身ができて、

  神社でお仕事してる。

  おきつね様のボスのヤジロー様は、

  ぼくにはやさしいけど変身してるの見たことないし、

  地下には入れてくれない。

  地下、おきつね様のしっぽいっぱいで気持ちよさそうなのにな。

  (端っこにクナドの神使の絵が描かれている)」

  「△月□日

  父さんからおきつね様のことは言っちゃいけないって怒られた。

  それと、父さんもそろそろおきつね様の仲間になるんだって。

  ぼくもおきつね様になるの?って聞いたら、

  ぜったいじゃないかもしれない、なるとしても、

  お前がりっぱな宮司になって、

  およめさんと元気な子供がもらえてからだって。

  およめさんって“きつねのしゅうげん”のおよめさんかな?

  およめさんといっしょに、ぼくがぶたいに立てたら楽しそう。」

  「○月△日

  父さんがおきつね様になって帰ってきた。

  父さんがいない間、母さんもぼくもさみしかった。

  でも、父さんは父さんに変身してていつもどおり、

  だいじょうぶ。

  夜ねる時は地下にいっちゃうけど、なんでって聞いたら、

  ねちゃうと変身がとけちゃうんだって。」

  ・本棚:仕事の予定表、國學院大学が出版元となっている本や古事記、

  日本書紀などの書物やファイルが収められている。

  中にはとても古そうなアルバムも混じっていて、

  それの近くには防虫剤が置かれている。

  ほとんどの人物が神職の装束を着て写っており、

  神社の関係者達の写真だと思われる。菜恵を含むPC1の家族も写っていて、

  母は大学生程度の頃までしかないが、叔父は幼少の頃も現在もある。

  <アイデア>:何人か、祭りの最中に見かけた人物がいることがわかるが、

  中には白黒写真の姿と変わりない見た目だった人物がいたことも思い出す。

  ・本棚に<図書館>:古そうな冊子を2冊見つける。

  開いてみると、どちらも漢字や記号などが書かれた、

  一見何か分からないものになっている。

  伝統芸能に関係する芸術技能に成功すれば、

  この2冊が雅楽の譜面であることが分かる。

  楽器の構成は片方が笙・篠笛・小鼓で、もう片方は

  笙・篠笛・小鼓・平太鼓・鉦となっている。

  (※狐雅楽と農作物を枯らす/農作物に祝福を与える の際に

  奏でる譜面。時間をかけて曲を覚えることも可能だが、

  狐雅楽はキツネ人間が奏でなければ魔術としての効果を発揮しない)

  ・神棚:気持ち低めの位置にある。あまり背の高い探索者だと

  目より低い位置になってしまうかもしれない。

  <アイデア>:観音開きの扉を開けてみると、神鏡の位置がずれている。

  ・<目星>(床を見る宣言でも):神棚のある個所の真下の床に、

  わずかに切れ込みが入っている。

  神棚の神鏡の位置を正位置にすると真下の床の仕掛けが動き、

  扉が僅かに床から浮く。そのまま扉を開けると地下への階段が姿を現す。

  [newpage]

  ◎地下室◎

  漆喰で塗り固められた壁と、土の床で、

  土倉のような地下室となっている。

  ただし、定期的な手入れが入っていないのか、手入れが素人によるものなのか、

  漆喰の壁は所々ヒビが入ってしまっている。部屋は割かし広い一部屋だが、

  奥に壁で区切られている区画がある。

  電化製品は何か所かにぶら下げられている

  古い電球のランプと、奥に設置された除湿器があるだけで、

  地下特有の湿気と暗さは取り除き切れていない。

  全体的に雨上がりの草地とカビが混ざったような臭いがする。

  ■広いスペース(※神使達の休眠所)

  地下室のだいたいの面積を占めているが、

  驚くほど何も置いていない。大人20人程度はくつろげる広さがある。

  至る所に生成色の毛が落ちている。

  ■区切られた部屋(※彌次郎の執務室)

  手前側に座卓と本棚、奥側に四隅に燭台が設置され

  四角い敷布の敷かれている場所がある。奥にはさらに廊下がのびている。

  こちら側に入ると部屋の臭いに、

  鉄さびと何かが焦げたような臭いも混ざり、不愉快さが増す。

  【敷布の周辺】

  燭台とは別の4か所に楔が打ち込まれており、

  楔には縄の繊維が残っている。

  近くには大量の縄、布、木材が置かれている一帯と、

  手斧や肉切り包丁、大きな金槌と千枚通しと猿轡、

  そして清掃道具の置かれた一帯がある。

  それらや敷布が異臭の元であり、手入れされていてもなお残る

  血の跡が、ここが恐ろしいことを行っている場所だと示している。

  1/1D3のSANチェック。

  ・スケアクロウを目撃していた場合のみ<アイデア>:

  木材の太さや長さが、スケアクロウに使われていた物と

  同じくらいではないかと思う。

  ・手斧などのある一帯に<目星>:棒状の物を挿して

  立てかけられるであろう木組みが設置されていて、

  現在そこは空である。(※刺又の収納場所)

  【座卓】

  漆塗りの座卓。周辺には筆や硯などの筆記具が置かれ、

  卓上には何冊かの冊子がある。冊子は手製のもののようで、

  表紙には年号のみが書かれている。冊子の中身を軽く読んでみると、

  彌次郎の手記のようで、祭りの日を含む

  変わったことがあった日の出来事が簡素に書かれているようだ。

  毎日つけられているものではないとはいえ、冊子の量は少なくなく、

  全てを読むには時間が足りないだろう。

  ・<アイデア>もしくは目安をつけて表紙の年号を探すのであれば、

  ピンポイントで菜恵が行方不明になった年と、

  去年から今年にかけての冊子を探し当てる。

  <母国語>成功で2時間、失敗で3時間かかる。

  (菜恵が行方不明になった年)

  「今年もクナド様の実が実った。

  今年の嫁は狐坂家の娘が適齢だ。兎平には不在であるので、

  狐坂家に連絡し戻ってくるよう仕向ける必要がある。」

  「御田植祭まで数日という所で、

  娘の母である菜恵が“祝言”と実の性質に勘づいた。

  奴は兎平の米を食べている期間が短く、

  クナド様のお力の影響が少ないことも災いしたようだ。」

  「菜恵の働きかけのせいで娘が帰省することが

  無くなった。裏切り者の菜恵を捕まえ

  クナド様の“芽”をねじ込んだが、

  最終的に取り込んだ量が少なかったらしく、

  逃げ出した奴が戻ってくることは無かった。

  しかし、もはや人間ではないあれが他の場所で

  生きていくことなど不可能だ。その内尻尾を出すだろう。

  用水路の網を破壊して、用水路に落ちたように

  警察に納得させることも出来たというし、奴のことは

  ひとまず置いておくこととする。」

  (去年~今年)

  「クナド様の御身が弱っている。

  やはりあの時の実が無駄になってしまったことが

  効いていると思われる。そろそろ実が実っても

  いい時期であるので、今度こそはしかと“祝言”を

  成功させなければ、クナド様、

  ひいては俺達の生命が脅かされる事態となるだろう。

  俺達の不老はクナド様の存在あってはじめて成り立っている。

  問題は、嫁に適した娘が集落にいないことだ。」

  「集落に見慣れない娘がいたと報告を受けた。

  どうやら奴の孫娘らしい。あの後に生まれたか。

  嫁は決まったと言えよう。

  今度こそは成功させなくてはならない。

  全ては真方家のためである。」

  「鎮守の森に侵入した若造をスケアクロウが発見した。

  昨今はネットとやらの普及で、兎平の人間のみに

  言い含めているだけでは面倒ごとが避けられず忌々しい。

  連中の事情など知ったことではないが、

  俺達とクナド様の存在を外部に漏らされては一大事。

  いつものように全員拘束し、頭をたたき割り、

  肋骨を砕いて心臓を取り出し焙る。

  スケアクロウを増やすことにだけは貢献してもらう。

  残った部分は鎮守の森に打ち捨てているが、

  いっそ外部への見せしめとして頭だけでも置いておけば

  良いのだろうかと思いもする。」

  「現宮司より進言を受けた。

  “真方に縁のある娘”が嫁の条件であるが、

  もはやそれに拘っている場合ではないのではないかと。

  神使となった者は真方に縁が出来たということには

  ならないのかと。なるほど、

  確かに今神使となっている仲間の子孫達が、

  氏子として嫁を出してきたのだから間違ってはいない。

  クナド様より許されるのであれば、宇賀郡、

  いや県外の人間でも何でも引き込んでしまえば、

  嫁の候補も一気に増えることだろう。

  手始めに、嫁が連れてくるであろう県外の人間にでも

  クナド様の“芽”を食させるとする。」

  恐ろしい風習・信仰、そして自分達のためであれば

  苛烈に、冷酷に振舞う彌次郎という人物を示したこの手記は、

  読んだ者に0/1D3のSANチェックが発生する。

  【本棚】

  他の部屋に置いてあったものよりも小さい。

  <図書館>で探すことにより、3冊の本が見つかる。

  内容は「」で囲ったものであるが、これらの本に

  題名があるわけではない。

  「クナドについての覚書」

  古い日本語の毛筆で記されているこの本の著者は、

  真方 彌次郎となっている。<母国語>ロールが必要で、

  成否に関わらず2時間かかる。

  大まかな内容は以下となる。

  「クナド様は遠い南蛮の国からやってきた植物の神である。

  南蛮から体の一部を神の神使であるウサギが持ち出し、この国にやってきた。

  強靭な再生力、植物に影響を与える妖術を始めとした

  神通力の知識を持っている。自身に傅く神使を創り出すことも可能で、

  それにはクナド様の体の一部である“芽”を人間に摂取させる必要がある。

  芽を摂取した人間は時間が経つ毎に変異が進み、

  最終的にはキツネ人間ともいえる姿となり、神への忠誠を誓う。

  再生力は強いが、南蛮と気候の違う兎平にやってきた弊害か、

  自身の体を維持するための苗床を定期的に必要とする。

  10年から20年に一度程度の間隔でアケビに似た果実を実らせるので、

  “狐の祝言”の嫁役に選ばれた娘に摂取させる。

  娘の肉体は途中までキツネ人間の変異と同じ経過を辿るが、

  最終的には体内の神の蔓が体を引き裂き死亡する。

  神の蔓は本体と結合し、娘の死骸はそのまま神の血肉として吸収される。

  キツネ人間への変異は完了すれば不可逆で、

  神の力により不老も同然の生命を得る。

  しかし以前、完了する前の仲間が不届き者の反撃で火を投げつけられ、

  焙られた芽が体外に出て燃え尽きてしまったことがある。

  祝言の実は神の分身ともいえる特殊なものなので、

  少なくともクナド様自身が健在である限り火への耐性はあるだろうが、

  どちらにしても、完了するまでは

  火の気の無い場所にいさせるのが安心だろう。」

  自分達に降りかかった災難の詳細が書かれているこの覚書は、

  内容を知った者に1/1D4(PC1は1D2/1D4+1)の

  SANチェックが発生する。また、クトゥルフ神話技能が+1される。

  「クナドの神使の妖術」

  古い日本語の毛筆で記されているこの本の著者は、

  真方 彌次郎となっている。<母国語>ロールが必要で、

  成否に関わらず1時間かかる。

  特に優れた神使にクナドが授ける魔術の知識の一部を

  大まかに記したもの。覚書程度の内容であり、

  呪文として習得できるような詳細さは無い。

  書かれているのは

  「狐雅楽」、「農作物を枯らす/農作物に祝福を与える」、

  「さまよう魂」、「スケアクロウの創造/従属」の4つである。

  それぞれの効果は、

  ・「狐雅楽」:笙・篠笛・小鼓の最低3人で演奏する楽曲。

  奏者が増える際は棒ざさら・鍬金が増える。

  成功すれば、曲を聞いた者は奏者を傷つけたり、

  邪魔をする行動が取れなくなる。

  “狐の祝言”の際に演奏する演目でもあるらしい。

  ・「農作物を枯らす/農作物に祝福を与える」:その名の通り、

  農作物や植物を術者の望むように成長させたり、枯らすことが出来る。

  クナドから教えられた方法は楽曲を奏でる方法のようで、

  植物であれば融通が利くようである。また、

  この魔術によって育った植物はクナドの力の影響を

  弱いながらも受けており、定期的に摂取している氏子達は

  よほど当人の倫理観や感情に反することでなければ、

  神使の意見に従うようになってしまうようだ。

  ・「さまよう魂」:使用している夜間、術者の肉体から魂が抜け出て

  周囲の様子を探ることが出来る。魂は純粋な精神エネルギーであるため、

  感性の鋭い人間が目撃することもあり、

  その際の姿は術者本人そのものである。

  ・「スケアクロウの創造/従属」:簡単な命令を聞き、

  無限に動く案山子を創り出す。

  動くスケアクロウを創り出すには1体につき1POWが必要だが、

  生きた人間の思念を取り込むことで術者のPOWを遣わず、

  量産を可能にしている。

  そのため、スケアクロウの頭部の布の中には捧げた人間から

  取り出した心臓が、焼けた状態で収められている。

  読んだ者は0/1のSANチェックとなる。

  「彌次郎の手記」

  古い日本語の毛筆で記されている。座卓にも置いてあるものの

  最古のものになるようだ。虫食いなどの劣化がひどく、

  <DEX>×6と<母国語>のロールが必要である。

  失敗しても読めないわけではないが、くっついてしまっている頁や

  虫食いの部分を予想できなかったとして、

  断片的な内容までしか理解できないだろう。

  「誰もかれもがばたばたと死んでいく。

  骨と皮ばかりになり、下腹を膨らませ、道端で。

  米はもう無い。実も野菜も味噌も無い。

  毒のあるものもすでに食べた。人だったものも食べた。

  本当はこの紙も食べてしまえば良いのかもしれない、

  こんなのんびりと筆をとっているのだからお笑い種だ。

  よくわからないが文字を書いていたい気分なのだ。

  家族ももう子供二人しかいない。こんな希望の無い状態だ、

  もう来世に期待するしかないだろう。

  死んだ体を食われずに済むかもしれないし、

  あそこの洞窟にでも行こう」

  「洞窟の中で喋る蔓と会った。喋ると言っていいのか

  分からないが、少なくとも根本にあった、

  蔓まみれのウサギのような死体の頭から声というか、

  そいつの伝えたいことが聞こえてきた気がする。

  ツネを差しだし、俺が僕になれば、

  豊穣と繁栄を約束する、と

  食えるなら何でもいい。了承したらそいつの体から

  アケビの若芽と実に似たものが生えてきた。

  ツネは甘いおいしいと実を食べた。

  久しぶりにまっとうな食い物を食べた。」

  「あの植物はとてつもない存在だった。

  俺の姿は大きく変わり、日の光を眩しく感じるようにはなったが、

  人間であった頃より活力を得た。息子にも豊かに実った米を

  たらふく食わせてやることができた。まさに救いの神だ。

  集落も飢えより救われた。ツネは犠牲となったが、

  尊い犠牲、神と一体となれたのだから本望だろう。

  真方家よ、クナドの神よ、永遠なれ!」

  【廊下】

  進んでいくと階段と跳ね上げ式の扉がある。

  (※幣殿に繋がっている。進むとイベントが発生するので、

  PL達に進んでいいか確認を取って下さい)

  ◎浸食の解除◎

  覚書を読めば、キツネ人間への変異を止めるのに

  火が有効なことは分かるだろう。

  浸食を解除するには、クナドの“芽”が最も表に出ている

  腹部を火で焙る必要がある。

  この火は継続的に燃やせるのであれば大きさは関係なく、

  探索者が所持しているのであれば100円ライターなどでも良いし、

  社務所の倉庫で手に入る松明の火でも良い。

  “芽”が体外に出ていくまで焙らなくてはならないので、

  実行された探索者は1D6の火傷ダメージを負う。

  (延焼しないよう気をつけていなければルルブにある

  炎上ダメージも追加されてしまうだろう)

  そこまで我慢して火を受け続けている内に、

  腹部から“芽”が体外に飛び出し、“芽”は悶えながら灰となっていく。

  ただし、この方法が通用するのはPC1以外の探索者だけであり、

  これまた覚書の記述の通り、PC1はどれだけ我慢をしても

  現時点では“芽”が燃え尽きることは無い。

  <アイデア>:クナドの加護とやらを絶ってからであれば、

  同じ方法で解除することが出来るのではないかと思う。

  [newpage]

  [chapter:9:彌次郎と花嫁行列]

  ・地下室での情報を獲得していること

  ・探索者が全員ひとつの場所に揃っている

  ・PC1以外の探索者の浸食が解除されている

  (※=探索者が火器を所持している)

  この3点が完了していればシナリオは次の段階へ進行する。

  (火器さえあれば浸食解除自体は未完でも構わない)

  条件が整っている時点で探索者がどこにいるかで、

  イベントへの誘導が微妙に異なる。

  ■探索者達が地下室にいる

  書斎に上がることのできる扉は、

  外部から重石でも乗せられてしまったのか持ち上がらない。

  結論から言えば、探索者達は地下室奥から幣殿へ向かうしかない。

  ■探索者達が地上(社務所や倉庫など)にいる

  現在地から最も近い場所の玄関口から神使達が4体、現れる。

  神使達はPC1の捕縛が目的であり、

  PC1を捕まえるとそのまま拝殿のある方向へと逃げていく。

  (※経路は地下の階段でも、社務所の渡り廊下でも、

  屋外の拝殿でもいい)

  神使達はそのまま走り抜けていくので、

  彼らの後を追っていけば鍵などは開いている。

  拝殿から幣殿へ向かう扉も開いている為、

  幣殿へ向かうこととなる。

  拝殿と幣殿は「石の間」で繋がれた権現造りで、

  石の間は建物より床が低く、石敷きになっている。

  どちらの建物も左右対称に偶数本の柱が配されており、

  床は畳、拝殿側には椅子が、幣殿側には帳台と

  神饌を奉げる案(木組みの台)が壁際に寄せて置かれていて、

  拝殿より幣殿が一回り小さい。

  通常権現造りでは石の間が幣殿であるのだが、

  奥の建物を幣殿としているというのは、

  本殿に当たるものが奥にあるということなのだろう。

  扉は観音開きとなって正面中央に設けられていて、

  同じく幣殿の正面奥にも扉が設けられている。

  また、幣殿には笙を乾燥させるためのもの

  (笙は構造上、冷えた状態で演奏すると呼気で

  結露が生じやすい)なのか、

  石油ストーブとガソリンタンクが置いてある。

  地下室の階段を上ってくると幣殿の隅に出る。

  また、幣殿の畳の上には女性のキツネ人間が、

  負傷した状態で倒れ込んでいる。

  女性のキツネ人間は弱々しくも起き上がる。

  彼女に問いかけるのであれば、

  自分が大鳥居の前で会った白蔵主であること、

  あのまま神使達に捕まりここに連れて来られたと話す。

  そして、

  探索者がやってきたのを見計らうようなタイミング、

  かつ探索者達の退路をふさぐ位置(※だいたいは

  石の間あたりになるだろう)に神使達が、

  幣殿奥の扉からは彌次郎が現れる。

  (PC1が連れ去られた導入であったなら、

  PC1も拘束された状態で座り込んでいる)

  ほかの神使よりもひと際大きな体躯の彌次郎は、

  邪魔をする人間に対する態度は一貫して冷徹であり、

  その態度は負傷したキツネ人間―菜恵に対しても

  同様である。

  彌次郎との対話をするのであれば、ここまで来た探索者に対して

  今更隠すつもりもなく、自分達の目的や正体、菜恵について答える。

  菜恵は知られたくなかった事実を言われたことに憤慨するだろう。

  彼らは変わらず“祝言”を完了させようとし、

  ほかの探索者達は捕縛し、“芽”が残っていればそのまま変異を待ち、

  残っていなければ始末しようとする。

  探索者達が行動を起こそうとするなら、

  幣殿の奥、鎮守の森から曲が聞こえてくる。

  <聞き耳>と<アイデア>の組み合わせ、

  もしくは伝統芸能系の芸術技能:

  “狐の祝言”の際に演奏されていたものと同じ楽曲

  (楽曲を習得していたならば狐雅楽の旋律)だと分かる。

  日が陰り始め、一層暗くなった森の細い道、雅楽の音色と共に、

  薄ぼんやりと青い光が見えてくる。

  揺らめくその光はいくつかの列をなしている。

  それらとの距離が縮まることにより、正体が判明する。

  それは狐火だった。5体のクナドの神使の内、

  2人担ぎの駕籠を持ち歩いてくる2体、

  笙・篠笛・小鼓を持ち演奏をしている直垂姿の3体、

  それぞれの神使のそばで狐火が揺らめき、

  花嫁を迎えに来ようとしている、「狐の嫁入り」の列だった。

  狐雅楽を耳にした探索者は、

  POW16と自身のPOWとの抵抗ロールを行う。

  失敗すればその探索者は神使達の行動を邪魔するような行動が

  起こせなくなる。“芽”が取り除けていない探索者およびPC1、

  そして菜恵は自動失敗となる。

  成功した探索者がいた場合、彌次郎が支配の呪文を使用してくるので、

  今度は彼のPOW17との抵抗ロールが発生する。

  狐雅楽、支配、そして前後にいる神使達の邪魔により、

  PC1は駕籠に乗せられ、鎮守の森へと連れて行かれることとなる。

  探索者と菜恵が動けるようになるのは、彌次郎と嫁入り行列が去り、

  狐雅楽が聞こえなくなってからである。

  その場には4体程度のクナドの神使が残っており、

  探索者を捕まえようとするが、彼らは石の間、

  もしくは拝殿側に固まり、挟み撃ちの状態ではなくなるので、

  探索者が行列を追って行こうと思えば可能である。

  これまでの探索で神使の苦手なもの(光を眩しがる)、

  神社の消火設備の脆弱さなどの情報は出ている。

  戦闘で倒すだけでなく、案や帳台、手荷物などでバリケードを作る、

  火器でガソリンに点火し小火を起こす、

  照明機器などの強い光で目晦ましするなど、

  方法はいくらかある。菜恵も出来うる限り協力し、

  探索者達を奥に行かせようとしてくれるだろう。

  [chapter:10:狐の祝言]

  幣殿の扉を開くと、PC1が祭りの際に見たものと同じ、

  鬱蒼とした鎮守の森と細い道が続いている。

  ガサリ、ガサリとスケアクロウの徘徊する音も聞こえてくる

  不穏な森ではあるが、道は1本のみであるので、

  藪に踏み出さない限りはスケアクロウも何もしてこない。

  緩い上り坂になっているその道の先には、

  木々の間に張られた注連縄と、岩肌にぽっかりと開いた暗闇、

  そしてそこから冷たく吹きつける陰鬱な風があった。

  今度は緩い下り坂になっている横穴を歩いていくと、

  徐々に外の光は吸収されていき、

  代わりに青い薄っすらとした灯りに置き換わっていく。

  PC1は駕籠に乗せられ、洞穴を進み、狐雅楽を耳にしている間、

  ぼんやりと半分靄がかかったような意識と、勝手に動く体によって

  抵抗することは出来ない。

  最奥に着くと、PC1は服を着替えるよう言われる。

  用意されていた服は真っ白い―しかし白無垢とは正反対の―死に装束。

  着替え、地面に寝かされたPC1の手足を、朧な意識ではよく分からない、

  縄のような何かが締め付ける。そして、

  彌次郎が低いかすれ声で祝詞と思われる奏上を始めた。

  「かけまくも かしこき

  くなどのおおがみの おおまえに

  かしこみ かしこみ ももうさく

  おおがみの あつき ひろき

  みたまのふゆに よりて

  いえかどを おこさしめたまい たちさかえしめたまい

  よの まもりひの まもりさきえ たまえと

  かしこみ かしこみももうす」

  奏上の間、一度やんでいた演奏だが、

  楽士が別の曲を奏で始める。

  笙・篠笛・小鼓・平太鼓・鉦で奏でられる曲が

  PC1の耳に届くと、意識がはっきりと冴える、

  内側から強烈に押し返されるような悪心と痛みが襲ってくる。

  ほかの探索者達はその状況に乗り込むこととなる。

  広い空間となっているそこは、いくつもの青い狐火で照らされている。

  奥の壁際に5体の神使達が、それぞれ別の楽器を持ち演奏をしている。

  彼ら全員同じ方向に体を向けて座っており、その視線の先には、

  探索者達を見据えた状態で蹲踞の姿勢を取る彌次郎と、

  岩の台座に寝かされ悶絶するPC1、

  そして彼女の手足を縛りあげる奇妙な存在がいた。

  薄暗い洞窟内ではその上部が暗闇にぼやけてしまうような樹高を持ち、

  天井からだらりと垂れ下がる蔓、咲いている花のような器官は

  蔓植物のアケビを想起させるが、同時に

  普通の蔓植物ではあり得ない性質をも持っている。

  蔓とは別の付属肢もかすかに光を放ち、

  虫の翅のような様相でゆったりと蠢いているが、

  それ以上にこの存在を異様たらしめ、それが何かを示すものがあった。

  蔓の隙間から覗いている白骨。大まかには人に近い姿をしながら、

  頭部が変形した、その薄気味悪い骨が、何体も何体も重なり合い、

  寄りかかって、あるいは締め上げられ、

  蔓と共に一塊の塔を作り上げている。

  それはさながら、カタコンベのように多くの死を象徴していた。

  そして、これこそが、神使達が崇めるクナドの姿だった。

  まるで幽世のような、幻想と狂気と死の空気を醸すクナドの姿に、

  探索者達全員1D4/1D10のSANチェックとなる。

  乗り込んできた探索者達に、演奏をしている神使が動こうとするも、

  彌次郎が否、と止める。彌次郎はそのまま仲間達に演奏を続け、

  “祝言”の完了を早めることを優先させ、

  自身は武器を取って探索者達の前に立ちふさがる。

  真方 彌次郎、クナドの神使の頭領

  STR:15 CON:20 SIZ:18 INT:18

  POW:17 EDU:9 DEX:12

  移動 8 耐久力 19 MP 17

  ダメージボーナス:+1D6

  武器:杖 50%、ダメージ 1D6+db

  かぎ爪 30%、ダメージ 1D4+db

  噛みつき 30%、ダメージ 1D6

  狐火 30%、ダメージ 青く光る冷たい炎により1D2+1D2CON喪失

  装甲:なし

  呪文:変化、狐雅楽、支配、農作物を枯らす/農作物に祝福を与える、

  さまよう魂、スケアクロウの創造/従属、緑の神との接触

  技能:隠れる 25%、聞き耳 70%、忍び歩き 25%、目星 50%

  正気度喪失:クナドの神使を見て失う正気度ポイントは0/1D4

  クナド、緑の神(左記の邪神の弱体化)

  STR:15 CON:65 SIZ:35 INT:28 POW:35

  DEX:1 移動 0 耐久力 50

  ダメージボーナス:+2D6

  武器:巻きひげ 80%、ダメージ 5D6または、1D4および〈組みつき〉

  装甲:なし。ただし通常の武器はクナドに危害を加えることはできない。

  魔力を付与された武器、呪文、炎、

  および化学物質はこのグレート・オールド・ワンを通常通り傷つける。

  また1ラウンドあたり4D6の再生。

  呪文:キーパーの望むものすべて

  正気度喪失:クナドを見て失う正気度ポイントは1D4/1D10

  この戦闘の概要を以下に示す。

  1:勝利条件はクナドの力の元を絶つことである

  2:PC1は拘束されていることと、神使達の演奏により

  体内の“芽”の成長促進の激痛がある為、運動系の技能は行えない。

  さらに、毎R浸食度ロールが発生し、加算されるポイントは

  1D3から1D4に増加する。21以上になればクナドの蔓に

  肉体を食い破られ死亡となる。

  3:探索者達の最も手前側にいるのが彌次郎であるため、

  奥に向かうには、向かいたい探索者が彌次郎との

  DEX対抗を成功させるか、<組みつき>などの

  攻撃技能で彌次郎を引き付ける必要がある。

  4:彌次郎以外の5体の神使達は“芽”を成長させる為、

  “農作物に祝福を与える”演奏を続けているが、

  演奏をやめさせられると彌次郎同様戦闘に参加してくる。

  クナドは自身の力の元を守ることを優先するが、

  探索者が狙ってこないのであれば攻撃に参加してくる。

  ■1について

  結論から言えばクナドの力の元とは、

  この地に定着させたウサギ人間の頭蓋骨である。

  ここに来るまででヒントといえるものは彌次郎の手記のみだったが、

  <生物学>に成功させれば、いくつもある骨の内、

  ひとつだけ側面や前歯にウサギの特徴のある頭蓋骨に気づけるし、

  PC1がPOW×5に成功させれば、ウサギの頭蓋骨のある辺りから、

  自分の体内に影響を及ぼしているものと同じ魔力を

  感覚で察知することも可能だ。

  ウサギ人間の頭蓋骨の耐久は4であるが、

  (※石や鈍器などの武器を使えば耐久関係なく一発で

  破壊できても良い。難易度調整としてKPに任意します)

  弱点を看破されたことを察知すると、クナドは自身の蔓で

  そこを守ろうとする。火器で怯ませることができれば、

  そのRは頭蓋骨への攻撃が可能になる。

  ■2について

  浸食度ロールについて、

  PC1以外にも解除出来ていない探索者がいれば、

  同じく毎R加算され1D4ずつ進んでいってしまう。

  PC1自身は拘束を解けないが、他の探索者が拘束を外そうとするならば、

  クナドのSTRは15なのでやれなくもないだろう。

  また、浸食の解除の項でのアイデアが失敗していたなら

  再挑戦しても構わない。

  PC1の解除の方法は、クナドの力の元を絶った「直後」に

  火で焙ることである。(※項目11のイベントに進行してしまうとアウト)

  ■4について

  神使達が戦闘参加してくると、

  探索者の圧倒的不利になってしまうので、

  できれば戦闘前に警告して欲しい。

  勝利条件を満たせば戦闘終了となる。

  探索者がPC1の浸食の解除を覚えているなら、

  残りの手番に関係なく解除が行える。

  [newpage]

  [chapter:11:結末]

  ウサギ人間の頭蓋骨が破壊されると、

  クナドに明らかな異変が起きる。

  塔を構成していた骨がボロボロと崩れていき、

  クナド自身も枯れていくかのように表面が変色していく。

  しかし、支えを失い地面に落ちてきた蔓は、

  ひび割れながらも急激に伸長し、手当たり次第に近くにあるものを

  捕まえ始める。

  恐慌を起こし逃げ出す神使達も、

  無言のままクナドを見上げ立ち尽くす彌次郎も、

  クナドの蔓に次第に捕まえられ、触れられた者から乾燥し、

  風化し崩れていく。

  神使達の恐ろしい死にざまと危険な状況に1/1D6のSANチェック。

  どうやらクナドは神使達を狙って蔓を伸ばしているようだが、

  時折岩壁にも当たり壁が崩れる、危険な状況となるため、

  探索者達は急いでここから脱出する必要があるだろう。

  神社まで戻って来ても、クナドは神使達を探す蔓を伸ばし続けている。

  敷地を出るまでは安心できない。

  幣殿にいた菜恵も対象になるので、放っておけば彼女も捕まる。

  (ちなみに、幣殿で小火を起こしていた場合、

  鎮火は完了していたようだが、唯一人間のままだった現宮司が

  一酸化炭素中毒により死亡している。起こしていなかった場合は、

  他の神使達同様蔓に捕まり、握りつぶされて死亡する。

  1/1D3のSANチェック。)

  石段を下り切れば、蔓が迫ってくる様子も無く、

  遠目に見える蔓も徐々に動きがぎこちなくなり、

  やがてぼろぼろと風化していくのが見えるだろう。

  菜恵を連れてきていた場合は、クナドが風化していくのと同時に

  彼女(と浸食の解除が出来ていなかった探索者)の体も崩れ始める。

  彌次郎の手記にあった、

  「神使の不老はクナドの存在あってはじめて成り立っている」

  という一文を思い出す。

  自身が死ぬことを察した菜恵は、探索者に別れを告げる。

  PC1が無事であれば、彼女に対してもこう言葉を残す。

  「孫の顔が拝めて、あたしは幸せ者だ。

  母さんと仲良くするんだよ!それから、友達も大切に!

  …あんたが幸せになれること…願ってるよ」

  朝日が集落を照らす。眩しい朝日と共に、

  ぽつりぽつりと天気雨が降る。

  雨粒が、探索者達の無事を祝うように優しく肩を濡らす。

  生還報酬

  シナリオクリア 1D10

  探索者の全員生還 1D8

  ウサギの頭蓋骨を破壊した探索者 1D2

  (PC1)菜恵としっかりお別れをした 1D6

  クトゥルフ神話 +1%

  [newpage]

  リクした身内がケモナーなので獣人が敵になりましたw

  浸食の際に描写が欲しい方(需要は置いておいて)のために

  以下はキツネ人間の身体的特徴であります。

  ・体毛は植物由来なので若干ゴワッてる

  ・足は狐同様かかとから先が延びる、肉球がある

  ・尻尾は尾てい骨に沿うように稲穂様の蔓が皮膚を突き破って

  出てくる

  ・雨上がりの草地の匂いは植物の体毛+汗からくるもの

  よかったら遊んで下さい。