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俺と『彼女』の夏祭りデートについて

  夏の日差しはカンカン照り、地面からの反射熱も相まってかグラウンドはさながら灼熱地獄もかくやの様相。そんな中で無数のガタイのいい男たちがひしめく戦場…それがラグビー部だ。とにかくむさい、汗臭い、暑苦しいだのなんだの酷い言われようだが、昨今のスポーツ事情の変化からかちょこちょこファンが増えている…とか。

  ま、そんな恩恵が俺らみたいな学生にはまだあるはずもなく、猛暑の中の男所帯は今まさにむさっ苦しさ全開の酷い有様だった。

  「ラスト一本行くぞォ!!」

  「「「おぉおおおぉぉ!!」」」

  キャプテンの吼える声に合わせてグラウンドに響く鬨の声。本日ラスト一本、気張ってこうぜっ!!

  「あぢぃーー!すげーあぢぃんだけどーー!!」

  「バタバタすんなアホ!うわ汗臭っ!」

  「お前…風呂は入っているのか?」

  「入ってますけどー!?」

  アホ猪がユニフォームの裾バタバタしやがるもんだからこっちにかなりアレな匂いが漂ってくる。キャプテンに風呂を疑われるのも無理はない。それにお前入るったって5分くらいで上がるだろ。

  現在時刻午後3時半。今日はいつもより早めに部活を切り上げ、この後のイベントに備えるのだ。

  そう、花火大会である。年に一度の夏のお祭り、この辺りに住む人たちにとっちゃ毎年恒例もなってるんじゃなかろうか。特に俺たちなんかは中学時代から友達とワイワイやったりして遊んだ思い出ばっかりだ。

  だけど今年の俺は違う。

  前回のプールでのデートの帰りの事を思い出す。思い出すだけで…あー、なんなのあの誘い文句は反則じゃないでしょうか!

  そんな俺の隠しきれないパッションを感じ取ったのかどうなのか、キャプテンが未だにバタバタしてる汗臭い猪に一つ忠告。

  「タケル、お前はハルトの邪魔はするなよ?絶対にするなよ?」

  「キャプテンそれダメなやつ。」

  「つまりしろってことだな?」

  「やったら友達の縁切るからな。」

  キャプテンの忠告に茶化した俺も俺だが、一応バカに釘はさしておく…ま、本気で邪魔するようなヤツじゃないのは分かってるけど。なんだかんだの腐れ縁、コイツもキャプテンも大事な友達なのは変わらないわけで。

  着替えが終われば撤収、荷物を持って部室を後にする。キャプテンは部室の鍵返しに行くんで今日はもうここから別行動。祭の時に会ったら声くらいかけとくかな。

  「…で、ハルト。」

  「なんだよ…」

  「お前ら実際どこまでいったの?」

  「ぼふぁっ!?」

  このアホはまたバカなこと言おうとしてんな…と思ったらこれだよ!ストッパーいなくなった瞬間、秒で流れるように猥談に持っていきやがった…しかも普通聞かねえだろそういうヤツ!デリカシーゼロか!そうか!モテないよなそりゃ!!この脳みそ下半身が!

  「なー教えろよ親友…どこまで親しくなったら行けるか知りてえんだよ…!」

  「まだ!何も!やってねえよ!!」

  黙れ豚!ナツキとはまだそういう話すらしてないし、そもそもそういう事が目的で付き合ってる訳じゃねえんだから!ブッ飛ばすぞこのやろう!

  そんな諸々のイライラを部分的に口に出してぶつけてやりつつ…そういえば、と思う。

  …そこんとこ、実際どーなんだ?

  男所帯のラグビー部、そういった関係の奴らもいるのは知ってるし広義には俺もそれに入るわけなんだが…ナツキと…

  けどお互い男な訳で、そうなると…いや、でも…

  ふと、彼女の顔を思い浮かべて…想像して……あ、ヤバい。普通にイケ…いやいやいやいや!!!

  「と、とにかくまだそういうのは早い!!

  「…ふーん。」

  自分から聞いといてその反応とかふざけてんのお前!?しかもなんでちょっと残念そうなんだよ…ヘタレか?ヘタレとでも言いたいのか?なんとでも言え!

  「ま、いい報告があったら教えてくれや!」

  「わかった。お前には絶対教えねーからな。」

  絶対にだ。

  ……………

  まだ日が沈まんうちに、ワシは指定されとる場所に資材を運び込んでいく。屋台のガワと幌は組み立て終わっとるんで、あとは中で使う火の物じゃな。ガスにコンロ、鉄板…と。

  「おぅタク坊!お前さん今日はこっちかい!」

  「元締めのオジイに頼まれたんでのぉ!プールは休みじゃあ!」

  「そーかぃ!気張ってやれよぉ!」

  知り合いのテキ屋のおっちゃんが声掛けてくれる。ここの人達は珍しくワシにも物怖じせんで接してくれとるんじゃが…一応最年少じゃし何かと気にかけてくれるんがちょっとこそばゆい。

  雇ってくれとるオジイにも恩返しせんといかんし…言う通り気張らんとな!

  …それに、こっちの方がワシの性に合っとるのかもしれん。同い年の輪っかになんぞ入らんでも…こうやって外側から見とるだけの方が、お互いにとって一番良いもんじゃなかろうか。などと。

  いかん、余計なこと考えとらんで支度せんと。運ばれてきたガス置いて、コンロに繋いで、と……

  既にカット済みの材料は後ろのスペース、麺は外袋だけとって小分けにしといて、と。

  鉄板を乗せてガスを回す。油を敷いて馴染ませて、と。プールと違って競合が多い分、作り置きはそんなにいらんな。回す回数も少なくて済むじゃろ。

  一息がてら傍に置いておいた茶で喉を潤す。

  染み渡る冷気と水分が、ワシの頭をゆっくり冷やしていった。

  …そういえば、あの子じゃ。

  プールで声掛けてくれた、熊獣人の女の子。ワシの焼いた焼きそば、食べてくれたんじゃろうか。美味いなんて言ってくれてたら嬉しいんじゃがな…

  また、来てくれんじゃろうか。

  ……………

  午後6時少し前。祭の会場になってる神社は多くの客で賑わっている。薄暗くなり始めた境内に並ぶ提灯灯りはムード満点、スピーカーから流れてくるお囃子の音なんかとまさに祭!って感じで……風情あるよなぁ。うん…うん。

  右隣には腕組みして時計を眺めるキャプテン。

  左隣には屋台フード抱えて貪るタケル。

  真ん中はスマホ弄ってる俺。

  …三人揃って浴衣姿なこと以外いつもと変わらないんだが?

  「………その、なんだ。」

  「………うん。」

  「すまん、待ち合わせ場所が被ったようだな。」

  「俺はお前ら見つけたから冷やかしに来た!」

  「わかったそれ食ったらもう帰れ。」

  「ヒデェ!?あと俺だって一応待ち合わせだし!」

  なんとまあ、特に相談したわけでもなくバッチリ鉢合わせたわけである。もはやなんらかの呪いすら感じるかもしれない。しかしイケメンなキャプテンはともかくとしてタケルまで待ち合わせか。ま、こいつ何故か友達多いしな。

  とはいえここでいつもの三人揃ったのも何かの縁。お互いの相手が来るまでいつものようになんでもない話に花が咲く。

  「あー、やっぱ浴衣でもイケメンはイケメンだよな…え、何?俺は乙女ゲーのご褒美スチールとか見せられてんの?」

  「そう見せているつもりは無いが?」

  「やだ…無自覚とか怖いわねぇハルさん…」

  「いやそれどころかお前はどう見てもどっかの部屋の力士なんだが。」

  「今度髷でも結うか?」

  「息を吐くかのような裏切りだなお前っ!

  フゴーッ!とか言いながら湯気吐いてる力士…否、タケルのやつだったが、その時スマホに通知が入ったようだった。ピタリと止まったかと思えば慌ててそれを確認してからあたりをキョロキョロ見回して……?

  いや何やってんのお前?

  「…ははは!悪ぃ、向こうから連絡きたから俺行くわ!」

  「ああ。それと西参道への近道はそっちだぞ。」

  「な、なんでわかんだよ!?」

  ああなるほど。場所間違えてたのかアイツ…確かによくやらかすけど。

  とはいえアイツも待たせるのは失礼だと思うくらいの常識はあるのか、慌てて正しい集合場所に向かっていったようだった。

  …今度部活の時にやらないよう注意だな。

  時間は6時5分前…と、鳥居の向こうから歩いてくる大きな姿が見えた。

  石畳の参道を歩きながら俺と目が合うと、可愛らしく微笑んで手を振ってくれた。

  ぽてぽて、と少し小走り気味に俺たちの前に来てくれる。

  「ハルトくん、もう着いてたんですね。せっかく驚かせてあげようと思ったのに…もう…」

  「そりゃあ、ナツキに早く会いたかったし…?」

  「ん……」

  目の前で顔を赤らめるナツキは、また今日も雰囲気がガラリと変わっていた。

  足元はサイズを合わせた低めの雪駄。

  紺地に咲き誇る桜花が散りばめられた浴衣は、彼女の身体にきちんと合わせて綺麗なシルエットを描いている。ウィッグはふんわりシニヨン、そこに涼しげな白い花とシャラシャラした髪飾り。

  普段あまり見ることがない首元から鎖骨あたりのライン、そこから覗く豊満なバストがまた凄く色っぽくて。

  可愛い、んだけど…むしろ…

  「綺麗、だな。今日のナツキ…」

  「!……えへへ…そうですか…?嬉しいな……」

  はにかみながら頰に手を当てて照れ笑いする彼女に釣られて、俺も真っ赤になった顔で視線が思わず右往左往。

  隣にいるキャプテンがなんかニヤニヤして親指立ててる。頑張れよとか言ってるし。まあ頑張るけど!!

  「それじゃ…行こうか?花火までちょっと時間あるし…」

  「あっ…は、はいっ!そうですね…!」

  もうごく自然に差し出せる手。それを彼女が取ってくれれば、今日の…今夜のデートが始まる。

  ぎゅっと握った手は大きいけれど柔らかくて、温かい。俺と彼女を繋ぐ温もりを感じながら、ゆっくりと提灯灯りに照らされた境内を進むのだった。

  ……………

  「ほれ、3人前お待ちじゃ。落とすなよ坊主ども。」

  「ありがとおっちゃん!」

  「ワシぁまだ17じゃい!!」

  ガオー、なんぞ言いながら脅かしてやれば、小坊どもはキャーキャー喚きながら笑って走っていきよる。そんな楽しいんかの…いやそれよりおっちゃんはちとヘコむ!こちとら花の17歳男子じゃい!

  そうは言いつつ、店はぼちぼち繁盛しとる。何やら面白がる小坊とガタイのいい男どもが多いが…なんじゃい。怪獣扱いかなんかか?まあええんじゃが。

  とっぷり日が暮れた境内はゆらゆら揺れる提灯の明かりでぼんやり照らされとって、これはこれで良い眺めじゃと思う。もうすぐ花火も始まるじゃろうし、客足もひと段落つきそうじゃな……

  立ち仕事から少しだけ休むよう、折り畳み椅子に腰を下ろす。ついでに晩飯じゃ。作った焼きそばを適当に盛り付けて腹を満たしていく。うむ、我ながら良い出来じゃな。さて、腹がくちくなってくればまた考える。

  ワシは「どうなりたい」のか。

  目標なんぞろくに持たずに、腕っ節だけ振りかざして生きてきた。強けりゃええ、力で勝ちゃええ。そうやってワシはこれまでを進んできた。舎弟だってたくさんおった。アイツが現れるまでは。

  ワシは完膚なきまでに負けた。挑んでは負けた。着いてきていた舎弟どもも、どんどん居なくなった。結局ワシは、一人きりじゃった。

  それを、ワシはアイツのせいにしとった。自分の弱さを認めたくなかった。意地があった。だからといって、ワシは何ができるわけでもない。頭の悪いワシにはまだわからんかった。

  そこに、あの子が現れた。

  笑いかけてくれた。覚えとってくれた。恐れんでくれた。ワシの悪い話も聞いておろうに、屈託のない笑顔をくれた。

  その笑顔に、恋をした。

  じゃから、ワシも、もうちと、頑張ってみようかと思うんじゃ…

  …さっき焼きそば買って行った小坊どもを思い出す。それ以外に、ここに来てくれたお客さんがた…きっと、ワシのことなんぞなんも知らんのじゃろうし、そのうち知ることもなくなるんじゃろうが。そう思えば、なんであんなに「番長」に固執しとったんじゃろうか。

  そう言えば『アイツ』はいっつも顰めっ面じゃった。

  楽しくもなさそうに、ただ淡々と…いや、実際楽しくなんかなかったんじゃ。ただ仮初の天辺にある虚しさ。その先にはきっと、何も無いんじゃ。それが、今はなんとなく分かる。

  「…………」

  なら、どうせなら。

  この恋が叶わなくてもいい。ただ、ワシはワシの道で、あの子に誇れるだけの男になる。

  見上げた夜空は、ちょうど花火が打ち上げられたところじゃった。

  ……………

  わたあめ、クレープ、かき氷…ヨーヨー掬いに射的…彼と一緒に縁日を回る。

  シロップで舌の色が変わっちゃうのを笑い合ったり、お互いのクレープ一口だけ交換したり…射的で落としたお菓子におまけもちょっと貰っちゃったりして。

  そうやって歩き回った僕らは境内の片隅、玉垣の端っこに座って休憩中。ラムネを飲んでるハルトくんの隣で、僕はたこ焼きをひと口。

  「縁日ご飯って…たまに食べたくなるよなぁ……」

  「分かります。あ、お姉ちゃんにもお土産買っていかなきゃ。」

  今日もお仕事で部屋に籠ってるお姉ちゃん。花火は部屋から見るって言ってたけど…せっかくだし、お祭りの雰囲気も持ち帰っておこう。

  …ふと、僕は手元にあるたこ焼きを見下ろす。まだ一つ残ってるし、程よく冷めて食べやすい。隣には彼がいて…

  えっと、おほん。その、僕たち恋人同士であって、そういう事するのは不自然なことじゃないよね?うん…だからその…これもごく自然なことでなんら問題はない…よね?

  「は、ハルトくん…その…あーん、してください」

  そおっと、楊枝に刺したたこ焼きをハルトくんに差し出してみた…ものの…

  ああもう改めてやってみるとすっごい恥ずかしいっ!!で、でも一度はやってみたいシチュエーションで、すっごいおあつらえ向きなとこだったから…我慢できなかったんです、はい…

  でも、真っ赤になってるだろう僕の顔を見た彼はちょっとびっくりして、それからすぐに口を開けて。

  「あー……むっ。へへへ、ごちそうさま、ナツキ。」

  楊枝の先のたこ焼きをひと口で食べて笑ってくれた。それだけで…僕の心はきゅんきゅんして止まれなくなりそうで…

  本当に、僕ったらハルトくんが大好きなんだなって…彼がいてくれて…良かったなぁ……

  『会場へおいでの皆様、まもなく花火の打ち上げが…』

  「あっ、そろそろか…よし。」

  花火のアナウンスを聞いて、彼が立ち上がる。その手は僕に向けて差し出されて。ハスキーの男らしい顔が、提灯灯りの中で太陽みたいな笑顔になって。

  「行こう!」

  「……はいっ!」

  僕は、迷わずその手を取る。

  ……………

  夜空に咲く大輪の花、とはよく言ったものだ。キラキラと降り注ぐ光の粒が、俺たちの姿を色とりどりに染めては消えてを繰り返す。

  「綺麗ですね……」

  そう言うナツキは、同じくらいキラキラした瞳に花火を映しながら夢中で夜空を見上げている。空を彩る炎の花だけじゃない。体に響く音、弾ける音、祭りの空気に仄かに混じる火薬の匂い…それまで含めて、花火の雰囲気を感じているのだろう。

  そんな俺はと言えば花火もそうなんだけど…やっぱりナツキのほうに目がいってしまう。いや正直に言う。花火を見ている彼女を見ているんだ。セットで。むしろ彼女メインで。

  浴衣姿で片手にわたあめ持って、視線が花火を追いかける度にシャラリと髪飾りが鳴る。音にびっくりして思わず目を瞑っちゃうのも、それでも俺と繋いだ手は離さないところも可愛らしくて。

  それが、彼女なんだ。そんな彼女だからこそ、俺は好きになった。いや、現在進行形で好きになり続けている。

  …この数ヶ月、ナツキと出会って付き合い始めて、色々な事を知った。『男』らしい番長であっても、それ以上に可愛い『女の子』として在る彼女。そんな彼女と、俺はこれからも一緒に歩み続けていきたい。

  だから、彼女にも俺を、俺という一人の男を見て欲しいのだ。

  「…ナツキ。」

  「ハルト…くん……?」

  意を決して、名前を呼ぶ。振り向いたナツキは、少しだけキョトンとして。

  ああ、きっと俺の顔は真っ赤になってる。正直めちゃくちゃ熱い。それでも彼女を見上げる視線は逸らさずに。

  彼女もおそらく察したのだろう。真っ赤になって…それでも、小さく頷いてくれて。そっと、身体をかがめてくれた。本来は逆なんだろうけど、そこは勘弁な。俺…彼女より小さいから。

  「改めて…俺、ナツキのことが好きだ。だから…これからも一緒にいて欲しい。」

  「……はい。喜んで…ありがとうございます、ハルトくん…」

  そう言えばあの時、まだお互いに名前すら知らなかったんだ。だからこれは、あの日のリベンジ。もう一度、名前を呼んでの告白。

  そうして、お互いの口が少しだけ触れ合った。

  俺と彼女のファーストキス。

  大輪の花火に彩られたそれは、わたあめの甘い味がした。

  つづく?

  おまけ

  「……何やってんの?」

  「あにっ…あにぎがっ…兄貴がぁぁ…!」

  「あー、お祭り?断られたんだね…」

  「お世話じだがっだぁぁあ!!」

  「ガチ泣きするほどなんだ…」

  「兄貴第一の舎弟としてそこまでの誉れはないんだぞ!それなのにそれなのにぃぃ!!」

  「(拗らせてるなぁ……)唐揚げ食べる?」

  「うん…」

  「……お?」

  「げっ…」

  「お?何?上村やんの?アタシとやんのか?お?」

  「…いや、今のお前とはやらんわ白坂…なんじゃいその格好は。」

  「可愛いでしょ?浴衣。」

  「………」

  「なんで考えこんだ。」

  「いや、女の子じゃったら案外アリかと思うて。」

  「…へー?」

  「なんじゃそん顔は。…一応ワシは『女』は殴らんぞ。」

  「うん知ってる。あ、焼きそば5つちょーだい?美味いんでしょアンタの。」

  「…待っとれ。すぐ焼くわ。」

  「奢り?」

  「バカ言え。オマケ程度じゃ。」

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