野望編 第四十九話 ダインゾッフォの秘密

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  人払いをした闘技場の最前列で観覧するティアスとプルルはダイン達の訓練の様子を見て驚きの声を上げていた。

  プルル 「まるでダイン様が二人いるみたいです、大槌がダイン様で刺突剣がラフェメさんですよね?」

  ティアス 「その筈です、ですがラフェメの手甲の使い方はまるでダイン様の様です、リレッタの長剣をあんなに上手く逸らすなんて、むしろ三機の中でリレッタが一番劣ってますね」

  互角の実力を持っているリレッタが軽々しく扱われている状況にティアスは焦りを感じていた、騎士としてのラフェメの実力が自分を上回る事は感じていたが、ここまでの差を感じたのは初めてだったからだ。

  プルル 「今のリレッタって、ティアスより強いんですよね、それを人間のラフェメが圧倒してるなんて・・・」

  ティアス 「それなんですよ、でもティアスにはその原因が何と無く解った様な気がします、ラフェメのマギガントからもダイン様の魔力が感じられるんですよ、そして魔動力も一種の魔法生物ですから、ダイン様は自分の一部をジノ・ゾッフォに組み込んだみたいなんですよ」

  プルル 「マギガントにですか、それって尻尾みたいに動くって事なんですかね」

  ティアス 「多分そういう事でしょう、確かにラフェメは優れた騎士ですけど、見ただけでダイン様の動きを再現出来るとは思えません、アレは多分ゾッフォ自体が動きを覚えているんですよ」

  プルル 「でも流石ダイン様ですよね、こんな短期間でそんな仕掛けを実践してしまうなんて」

  ティアス 「でもそのお陰でティアスは遊魔に成れたんですよ、ダイン様は思い付くと直ぐに実践してみますからね、別系統魔族のリレッタがいたお陰で対抗心に火が着いたんですよ」

  プルル 「遊魔の身体は弄れないからマギガントですか、確かにティアスは処女じゃ無いと都合悪いですよね天翔ける処女でまだ味方を増やさないと行けませんし」

  ティアス 「そうなんですよね、ティアス自ら赴く事で味方になってくれる貴族は多いんですよ、領民から手懐けてる領地もありますしね」

  プルル 「ティアスって腹黒いですよね、そういうの計算に入れて領民と触れ合ってます」

  ティアス 「効率を考えてるだけですよ、人で危険な作業でもポナリア使うと直ぐですからね」

  プルル 「ちゃんと民衆の事も考えているんですね、ただの人気取りだと思ってました」

  ティアス 「まさかプルルが解って無かったとは残念ですね」

  プルル 「遊魔に成る前はそれほど愚かだったんですよ、でも今は見えるモノが全く違ってます」

  ティアス 「確かにティアスでもそうですよ、正に遊魔の真理ですね」

  プルル 「はい、これが有る限り、遊魔はお互いを解り合えてますよね」

  ティアス 「解りますよ、プルルが早くダイン様に抱かれたい事も」

  プルル 「でもそれ遊魔なら当たり前じゃ無いですか、だから・・・」

  プルルは身体を一部遊魔化して生み出した尻尾を、隣に座るティアスのスカートの中に潜り込ませる、するとそれを予期していたティアスも尻尾を生やしていて、二本の尻尾は混じりあって文字通りの交尾を始める。

  ティアス 「ダイン様がいらっしゃるのに・・・」

  プルル 「その方が興奮しますよね、主に隠れてエッチするなんて」

  ティアス 「でも、ダイン様は多分気付いてますよ、ゾッフォの兜の中の目はティアス達を見てますから」

  プルル 「そういう物なんですか?」

  ティアス 「はい、ゾッフォの鎧は胴と頭が引っ付いてますけど中の首は回るんですよ、だからダイン様のゾッフォは真っ直ぐ前を向いている様でティアス達の恥ずかしい楽しみに気付いているんですよ」

  プルル 「なら、ダイン様に見せつけて今晩も王都に引き止めましょう」

  ティアス 「それも有りだとは思いますけど、ダイン様って絶対テガスで何か変な事してるんですよね、それを考えると早くテガスにお帰り願いたい気持ちなんです、ダイン様の幸福がティアスの幸福ですから、例えティアスがお側に控えて無くてもダイン様の幸福が一番です、ですからプルルはティアスの分までダイン様に使えて下さい」

  プルル 「プルル遊魔としてはお姉ちゃんになったと思ってましたけど、まだティアスには敵わないみたいです」

  ティアス 「いや、遊魔のティアスなら、テガスぐらいなら一晩で往復出来ますから」

  プルル 「でも、やっぱりティアスは凄いです、ダイン様にこの国の女王として認めて貰ってますから」

  ティアス 「まぁ、ティアス以上に相応しい人間などいませんし、ましてや今のティアスは人間など遥かに凌駕した遊魔ですからね」

  プルル 「もう、こんなにエッチなのに」

  プルルは尾チンポを勃起させてティアスの新しい牝穴に挿入する。

  ティアス 「はぁん、やりましたね、ならティアスも」

  言葉通りティアスのおっ勃てた尾チンポをプルルの尻尾の牝穴に挿入すると、お互いの尻尾は絡み合う蛇の様に動き出し、ダインの視線も忘れて楽しむのだった。

  ダイン 「全く、困った観覧者達ですね」

  リレッタ 「え、何か有りました、それよりもラフェメのゾッフォ、動きがゾッフォじゃ有りませんよ、リッタのゾッフォじゃ付いて行けません」

  ラフェメ 「そうなんですよ、ゾッフォってこんなに軽快に動ける機体では無かったと思うんですけど、滑る様に脚が動いてます」

  ダイン 「動きが最小限で効率がいいんですよ、振れ幅の大きいジーカとはだいぶ感覚が異なるでしょう?」

  ラフェメ 「はい、でもこの方が揺れが無くて落ち着きます、ジーカは常に揺れてますからね」

  ダイン 「私もあの感覚は苦手です、ここだけの話、ジーカに乗ると気持ち悪くなるんですよね」

  ラフェメ 「ジーカに乗る騎士は揺れに強いっていいますからね、常に踵が浮いてますから安定して無いんですよ、でもその分素早いんですが、ゾッフォでこの動きが出来るなら、ジーカの強みも減っちゃいますね」

  ダイン 「フェカトには悪いですが、自分の扱える物で強くなりたいですからね、まぁその分新しいジーカを考えていますが」

  ラフェメ 「ダインさんって、マギガントに乗って十日ぐらいなんですよね、なのにこんな風に慣らしてしまうなんて」

  ダイン 「自分に合わせた専用機は男の浪漫ですよ、ですから私のやった事の有効性を証明する為にも、今日の戦いは勝たないと行けません」

  ラフェメ 「はい、このゾッフォなら勝てると思います」

  ダイン 「なら、一戦目はラフェメにお願いしましょう」

  ラフェメ 「はい、今日はこんなにマギガントに乗ってるのに少しも疲れていません、それどころか力を試したくてウズウズしているんですよ」

  マギガントは魔力で動かす巨人である、そして魔力の源とは本人の意思に大きく影響され、やる気の漲っているラフェメはそれだけ魔力に衰えが無い。

  ダイン 「心強い言葉です、勝ってよりティアス様を王位へと押し上げて上げましょう」

  ラフェメ 「はい、推薦してくれたダインさんとティアス様の為にも負けられません」

  リレッタ 「そう願いたいですわ、どうやらリッタは余りお役に立てそうに有りませんから」

  ダイン 「そんな事は有りませんが、今回は私とラフェメに華を持たせて下さい、勝てばティアス派の励みになりますので」

  リレッタ 「昨日の一戦だけでも十分ですけどね、まして今回は勝利不可能とまで言われてますから」

  ラフェメ 「ですがジーカ乗りとして言わせて貰うならば、このジノ・ゾッフォに勝つのはウウル・ジーでも難しいと思います、滑る様に動いて安定してますから」

  ダイン 「ラフェメの言葉は心強いですよ、ではそろそろ訓練も終わりにしましょう、ティアス様とプルルが退屈している様なので、機体も一度整備して貰った方がいいでしょうし」

  リレッタ 「そうですわね、お茶会に致しましょう、今日はクガトから届いた果実を持参してきました、きっとダイン様のお口に合うと思います」

  ラフェメ 「リレッタさんもダインさんに興味がお有りなんですね?」

  リレッタ 「ワタクシ、伴侶の殿方は自分よりお強い殿方と決めておりますの、そしてダイン様は初めてワタクシに勝った殿方ですわ」

  ラフェメ 「そう言えば、ラフェメに勝った男性はダインさんが初めてですね」

  リレッタ 「ならラフェメさんもダイン様のお情けを頂けばいいと思いませんか、家名も安泰ですわ」

  ラフェメ 「ですがティアス様が懇意の方など、恐れ多いです」

  リレッタ 「プルルは平民なのにダイン様にご奉仕してますので問題有りませんわ」

  ダイン 「まぁ、それはラフェメ次第ですね、私も嫌がる女性は抱きたくは有りませんから」

  ラフェメ 「私次第ですか、でも直ぐに決めろという訳では有りませんよね、正直さっき迄はダインさんの事を疎ましく思ってましたから」

  ダイン 「正直なのは好感が持てますよ、私も実を言うとラフェメが怖かったですから、今は可愛く感じてますけど」

  ラフェメ 「私が可愛いですか、あまりそう言われた事は有りませんけど」

  ダイン 「ティアスの為にキツイ役をワザとやってるところがですかね、真剣に戦ってみると本当の相手が見えるモノなんですよ」

  ラフェメは少し顔を赤らめて顔を伏せてしまう、ダインの言葉はラフェメの真実をちゃんと捉えていた様だ。

  リレッタ 「ダイン様、そろそろ整備に入った方が良さそうですわ、工員達が不安そうに見上げていますわ」

  リレッタの言葉に頷いたダインは、ゾッフォを足場の方へ移動させる、残りの二人も同じく移動させて、戦い前の訓練はひとまず終了する事になった。

  足場からダインが降りたゾッフォを上級工員のツィーカが、まじまじと見つめてダインに声を掛けてくる。

  ツィーカ 「この子も今ダインさんが慣らしを行ったんですか、動作が普通のゾッフォよりも滑らかになってますよね」

  ダイン 「流石は上級工員のツィーカさんですね、もう秘密に気付きましたか」

  ツィーカ 「やっぱり短期間で慣らしを行っていたんですね、ですが実戦で慣らしを行うなんて話は非常識ですよ」

  ダイン 「それが出来る程私はゾッフォに慣れているんですよ、稼働は三十時間を越えてますから」

  ツィーカ 「三十時間はまだ初級訓練生と変わらないじゃ無いですか、ツィーカだって百時間は越えてますよ」

  ダイン 「乗れるならそれでいいじゃ無いですか」

  話し込むダインとツィーカの元に、リレッタとラフェメが到着して、会話の断片を捕らえて驚いている。

  リレッタ 「ダイン様が稼働三十時間って本当なんですか、毎日乗って三年でもあの領域迄は行けませんよ」

  ラフェメ 「はい、私は毎日乗って五年ぐらいの実績ですから」

  ダイン 「それは乗りこなそうとするからですよ、マギガントにもちゃんとした意識が有って動きたい動きを行うべきなんですよ」

  ツィーカ 「それで慣らしなんですね、ダインさん流の慣らしを行って、ゾッフォの好みとダインさんの好みを合わせている訳ですね」

  ダイン 「正解です、ゾッフォの特性は把握してますから」

  ラフェメ 「三十時間って、普通は動かすだけで必死な時なんですけどね」

  ダイン 「ですが、私が慣らしたゾッフォに乗ってみて偽りで無い事は理解してますよね」

  ラフェメ 「はい、普通のゾッフォよりも数段扱い易いと思いました、感覚はフーティアに近いですね」

  リレッタ 「軽くしたゾッフォがフーティアですから、そう感じるのかも知れませんわ」

  ツィーカ 「それは構造的な話で、機体特性は別物ですから、それにダインさんの動きは未だかつて無い感じですから」

  ラフェメ 「でも滑る様に動く感覚はフーティアの挙動に近いですよ」

  ツィーカ 「なら、試合が終わった後にダインさんが慣らしたゾッフォを確かめてみます、王宮騎士団も動けるゾッフォを戻せとは言わないでしょうから」

  ダイン 「まぁ使って無くなる事は有りませんので研究してみて下さい、上手く他に応用出来ればこの国全体の戦力アップになるでしょう」

  ツィーカ 「全部ダインさんに慣らしを行って貰った方が早そうですけど」

  ダイン 「私はこれでも色々多忙なんですよ、早くテガスに帰らないと行けませんし」

  リレッタ 「でも、御自分で帰れなくしてますわよね」

  ラフェメ 「そう思います、ティアス様が狙うのも仕方有りませんよ」

  ダイン 「私よりも、クガトのリエルの方が強いでしょう」

  ラフェメ 「そうかも知れませんが、凄いのはダインさんですよ」

  リレッタ 「いえ、リエルよりもダイン様です、何せ男ですから」

  ラフェメ 「確かにそれ言われると反論出来ません、プルルが変わっちゃうのも仕方無い事だったのかも」

  ダイン 「意外ですね、ラフェメがプルルを許すなんて、絶対に許さないと思いました」

  ラフェメ 「あれ見せられると変わりますよ」

  そう言ってラフェメが向けた視線の先には寄り添って戯れる、ティアスとプルルの姿が有った、そのまるで姉妹の様な距離の近さは、ティアスとプルルが主従という関係から解き放たれたお陰の様だ。

  ダイン 「ティアス様も心を許せる友人を求めていたのかも知れませんね、その意味ではプルルが地位を得たのは良かったのかも知れません」

  リレッタ 「ダイン様の妾の立場は王国女性貴族の憧れでしょうから」

  ダイン 「この国の女性の好みは未だによく解りませんね、私は美形でも有りませんよ」

  リレッタ 「それ程、魔力が重要なんですよ、そして魔力は親から子へと受け継がれますから」

  ダイン 「なるほど、正直、私は自分の世界ではモテた事が無かったので戸惑っているんですよ、そもそもこの世界の男性は地味ですよね、多分魔力という明確な評価基準のせいでしょうけど」

  リレッタ 「ダイン様は話すともっと魅力的ですわ、目新しい異世界の知識に斬新な発想、既に王都の工員達はダイン様に釘付けですわ」

  ツィーカ 「不可能と思われていた事をあっさりとやってのけましたからね、長年ゾッフォを扱って来た私にもあんな事は思い付きませんよ」

  ダイン 「それは私が到達した真理のお陰でしょうね、今回のゾッフォにしても私は自分のの真理を念頭に作業を行っただけですから、でも、この世界で私の真理は異端ですから、大ぴらに人には言いたく無いんですよ」

  当然、ラフェメとツィーカはその真理というモノ激しく興味を持ったが、敢えて深く尋ねる事は止めて置いた、自分達がまだ、そこまで踏み込める程ダインとのよしみを通じていない事は察していたし、ダインの口振りから怖気付いてもいたからだ。

  おまけ マギガントの操縦方法 マギガントには意識の有る脳は存在していないが、身体の動きをコントロールする神経の集合体の様な物が存在している。

  この部分は機体核と呼ばれており、操縦する騎士が魔力を通して動かした動きを記憶する事でより人に近い動きを容易に再現する事が可能になっている。

  新たに組み上げたマギガントに基本的な動作を記憶させる事を慣らしてと呼び、一般的に癖の無い動きを記憶させる事が普通である。

  だが、ダインが王都で使用したジノ・ゾッフォは機体核に堕液が注入され、よりダインのイメージ通りの動きが再現出来る様に改造されている。

  この改造はダイン以外の騎士が操縦しても有効で有り、ラフェメが使用してもダインの動きが再現出来る様になっている。

  そして極力無駄の少ないダイン流の動きは機体の隙を大きく減らす事となっており、速いが無駄な動きの多いジーカに対して有効に機能して勝利の要因ともなっている。