軍師堕つ ~爆乳女兵士の誘惑~

  初夏の早朝。

  周囲はまだ薄暗いが既に蒸し暑い。鎧兜で身を包み、重い槍を手にしていればなおのこと。

  「もう暑いな」

  鹿の兵士は隣にいる虎の兵士に声を掛けた。

  「ああ」

  虎はそう答え、はるか遠く、草原の向こうをじっと見据える。夜目が効くため薄暗くても良く見えた。

  虎の視線の先には、敵の野営地がある。数名の兵士が立っているが、こちらに攻撃を仕掛けてくる様子はない。

  「何か変わった様子は?」

  「向こうもこっちを見てやがる」

  虎が舌打ちした。敵の兵士もまた、こちらの軍勢の様子をじっと伺っている。

  虎と鹿の国は今、隣国と戦争の真っ最中だった。しばらくは様子見の小競り合いが続いていたが、数日前から大規模な軍事作戦が展開されており、激しいぶつかり合いが各地で起きていた。

  「向こうも作戦を練り直しているのかもな」

  「ああ」

  鹿は虎の凛々しい横顔を見た。そしてその視線を下に移動させていき、目当てのものを視界に納めた。

  鎧の胸部、そこは前方に膨らんでいる。大胸筋にしては大きすぎるそれは、女性の乳房を収納できるようにしたものだ。

  (いかんいかん、何を考えているんだ、俺は)

  不謹慎だと自分を叱り、鹿が視界を虎から放すと。

  「おい」

  後方から呼ばれた。振り返ると、兵士が二人やってくる。小柄な猫の男性兵士と、猫より背が高い犬の女性兵士だ。

  「交代だ」

  「ああ」

  「頼むぞ」

  犬と猫をすれ違ったその時。

  (うっ、こいつら)

  鹿はその匂いを感じ取った。

  濃い精の匂いだ。猫はぎこちない笑みを浮かべているが、犬は堂々としている。情交に及んでいたことを隠す気がないようだ。

  (こんな時に何をしているんだ。全く)

  鹿は前方を歩く虎を見た。虎はどんどん前に進んでいく。形の良い尻肉も、鎧のせいで見えない。

  (落ち着け。心の平静を保つ訓練もしてきただろ)

  鹿が心から欲望を取り払おうとしていると、不意に虎が鹿の手を取った。

  「ぅおっ!」

  虎はそのままテントから離れ、草原を囲む林に鹿を連れ込み、樹木に押し付け体を密着させる。

  「むぐっ!」

  混乱する鹿の唇に、虎は噛みつくような口づけをお見舞いした。半開きだった口に自身の舌を押し込むと、鹿の口内を嘗め回し唾液と吐息を送り込む。

  突然のことに驚きつつも、鹿は虎を引き離そうとする。だが腕力は虎の方が強く離れない。顔を左右に振れば一瞬口が解放されるが、すぐに虎の口が追いかけてきてキスが再開されてしまう。

  虎はキスを続けながら鹿の鎧の留め具を器用に外し、取り払っていく。密着したまま、鹿は下着のみの姿になった。

  「いい加減に、うっ!!」

  本気で抵抗しようとする鹿だが、虎に股間に握られ動きが止まった。

  鹿の肉棒は口づけで昂り硬化していた。中々大きく、下着にはくっきりと形が浮かび上がっている。

  「硬くしてるくせに、そんなこと言うなよ」

  凛とした表情から一転、淫らな微笑を浮かべる虎。虎に瞳を覗き込まれ、淫欲を見透かされた鹿は羞恥で頬を染め視線を反らした。

  「馬鹿な事を言ってないで・・・うおっ!」

  虎は鹿の足を払って倒し、自身の鎧も剝いでいく。男に負けないほど発達した筋肉を身に着けつつも、女性特有の丸みは失われていない、健全な肉体が露になる。

  そして虎は、胸当ての留め具も外した。途端に胸当ては前方に吹き飛ばされた。

  「ぅお・・・・・・」

  飛び出してきたのは、薄い下着に包まれた虎の乳房だ。男性の手に収まらないほど巨大でありながらも形は崩れず、しっかりとした弾力を備えている。胸当てに押し込められていた肉房は解放され元の形に戻り歓喜しているかのように揺れている。

  鹿がその爆乳に見惚れていると、虎は下着をめくった。双乳がバウンドしつつ姿を現し、鹿はごくりと唾を飲み込んだ。乳首は乳輪ごと体毛から顔を出しており、誘うように波打っている。

  鹿が見惚れている隙に虎は下半身も露出させ、鹿の下着も強引に引き抜いてしまう。互いが裸になった。どちらの下半身も、行為を求め既に濡れている。

  「抵抗しないのか?」

  虎はかがみ込み、鹿の肉棒を掴んで自身の膣に当てた。

  「お、お前には抵抗しても、負けるから・・・・・・」

  鹿の言い訳を聞いた虎は、鹿を小馬鹿にするように笑い、腰を落とした。

  「うっ!!」

  「んっ」

  虎の膣が、鹿の肉棒を飲み込んだ。筋肉質なだけあって虎の締め付けは強く、更に精液を搾り取ろうとするかのように脈動している。

  「んっ!!ぐっ!!」

  あまりの快楽に、鹿はすぐに絶頂を迎えそうになる。込み上がってくる射精欲をなんとか耐えようとしたが。

  「うっ!!??」

  虎は鹿の両手を掴み、自身の爆乳に当てた。

  素晴らしい触り心地だった。柔らかく、指がどこまでも沈み込んでいく。弾力もあり、指に吸い付き包み込んでくる。肉体だけでなく精神までも性的充実感に満たされれば、射精欲を抑えることなど出来なかった。

  「がっ!!」

  虎の膣内に、鹿は思い切り射精した。戦場に出ている間禁欲していたため精液は濃く多く、勢いも強い。虎が極上の肉体という条件も加わり、射精は長く続いた。

  鹿は歯を食いしばり、強すぎる快楽に耐えている。目はしっかりと開け虎の爆乳を凝視し、指を動かして揉んでいる。虎はそんな鹿を見下ろし、膣から子宮へと流れ込んでくる感覚に満足し、快楽を享受していた。

  「うっ・・・・・・はぁ・・・・・・」

  出しきった鹿は、脱力し深呼吸する。肉棒も少し萎え、満足げな表情だ。それでも指は虎の乳を揉み続けている。

  一方の虎は、快楽を享受しつつもまだまだ満足していない。

  「まだ終わらないよな」

  「え? ・・・うっ?」

  虎は鹿の肩を掴むと、無理やり上半身を起こして顔を自身の谷間に招き入れた。

  「んむぅ・・・・・・」

  鹿の顔を、魅惑の乳肉が包み込む。こよなく愛する爆乳を顔で味わい、鼻孔で虎のフェロモンを嗅ぎ取れば、勃起はすぐ回復した。

  膣内の肉塊が硬化したことを確認した虎は、腰を振り始めた。鹿を抱きしめ、両脚の筋肉を再稼働し、高速で何度も上下する。鹿の剛直を感じる箇所に当て、虎は存分に快楽を味わった。

  「んぐううううう!!!」

  挿入しただけで果てた鹿は、上下運動も加わったことで一気に絶頂まで駆け抜けた。虎を抱き返し、顔を左右に振って爆乳を堪能しつつ、再び虎の子宮に精を放つ。

  虎は腰を1秒たりとも止めなかった。鹿が射精している最中でも、射精が終わった後も、構わず快楽を求めて動き続ける。虎の体力と性への渇望は凄まじく、まだ満足には至らない。萎えることなど許さないと言わんばかりに腰を振り続け、鹿の精を搾り続けた。

  「んぐ・・・・・・く・・・・・・ぐう・・・・・・」

  鹿は虎から与えられる快楽により、何度も射精し続けた。射精が終わっても継続される刺激によって勃起は収まらず、数分も経たないうちに次の射精が始まる。

  強すぎる快楽は苦痛となるはずだが、鹿は幸福感を味わっていた。虎の逞しい肉体にしがみつき、乳に顔を埋め、名器である膣に精を搾り尽くされることが、ひたすらに幸せだった。

  鹿は何も知らなかった。

  自身の爆乳に向けられた鹿の視線に、虎がとっくに気付いていたことも。

  虎がかなりの面食いで、精悍な顔つきの鹿を食う機会を狙っていたことも。

  三十路を迎えた虎が、そろそろ男遊びも止めて結婚の相手を真剣に探していたことも。

  顔が良く巨根で家柄も良く、セックスの主導権を譲ってくれる雄を虎が探していたことも。

  そして、この戦争が終わった後、自分が虎と結婚することも。

  虎と鹿が熱く絡み合っている頃、本営の中心、総大将のテントの中では虎獣人の雄が机に鎮座していた。壮年ながら体躯は大きく鎧の様な筋肉を纏っており、数千の兵を率いる歴戦の強者のような風格を纏っている。

  だがこの虎が戦場で剣を振るうことはない。この国の王――――ガンだからだ。末弟であったため王の後継者になれなかった青年期、最前線で剣を振るい続けたためこのような肉体に育ったのだ。

  肉体のみならず性格も武将のそれであり、テントには豪華な調度品などはなく最低限の物資と武器防具しかない。

  虎の王は斥候がもたらした敵軍の情報や戦場の地図を睨み、今後の行軍について考えている。一流の武将であったため、ガンの策は軍師に引けを取らない。休まず働き続けてきた軍師は休ませながらも、自身は不眠で策を考え続けている。

  「ガン様」

  テントの入り口が開き、馬獣人の兵士が入ってきた。

  虎の王と同等の背丈を有し、鎧を身に着けていてもその歩みは軽やかだ。資料を睨むガンと同じく雄々しい表情で、勇将の空気を身にまとっている。

  しかし馬獣人は女性である。ガンの護衛と側近を兼務し、そしてガンの妻でもあるレミという女性だ。女であることを証明するかのように鎧の胸部は膨らんでいるが、背後から見れば男性と間違えてしまうだろう。

  「レミか」

  ガンはレミを見ても、表情は崩さなかった。

  「矢は届きました」

  「そうか」

  レミの報告を聞いたガンは、満足げに頷いた。

  「今のところは予定通りだな」

  「ええ。問題が起きなければ、三日後に報告が入ります」

  「分かった。それまでは昨日の軍議通りに兵を動かすぞ」

  「はい」

  「それまでは戻って休んでいろ」

  「ガン様もです。少しはお体を労わってください」

  「俺は平気だ」

  「そう言わず、少しくらいは睡眠を取ってください」

  「一度寝ると気が緩む」

  頑なに休息を取らないガン。レミはため息をついた。

  「仕方がありませんね」

  レミの表情が変わった。勇ましい戦士から、性に飢えた獣となる。

  その変化に気付いたガンの前で、レミは鎧を脱ぎ始めた。

  「バット様や大臣達から言われておりますので。無理矢理にでも休ませろ、と」

  下着姿になったレミの姿を見て、勇士たるガンも興奮を隠せなかった。

  発達した筋肉に包まれながらも、女性であるが故に薄い皮下脂肪に包まれ、女性特有の体つきは失われていない。ほどよく脂の乗った雌の体つきだ。

  加えて、雄々しさからは想像出来ないほど乳房が大きい。丸々と実った膨らみは下着をこれでもかと押し上げている。その膨らみを見れば、ガンの手や顔に乳肉の感触が蘇ってくる。柔らかく、そして押し返すような弾力を兼ね備えた感触を。

  「戦場だぞ、ここは」

  「それ故に、欲望は昂ります」

  「不謹慎な」

  「バット様も、今は部下たちと盛り合っていますよ」

  親友であり師でもある絶倫な男色家の獅子獣人が情交に及んでいる姿を想像し、ガンの興奮は増していく。

  「お前と寝たら、更に疲れがたまる」

  「だからこそ、です。搾り尽くしてやれば、嫌でもあいつは眠ることになる。バット様がそうおっしゃられました」

  レミはガンに近づいていく。ガンは動揺しつつも、レミの体から目を離せなかった。

  豪傑であり絶倫でもあるガンは、本来ならば女性に迫られたくらいで動揺することはない。だが、レミだけは別だった。

  若くして病で亡くなった妻を思い、ガンは再婚しなかった。王家の血が途絶えることを恐れた大臣たちは媚薬や美女を遣わすも、ガンは惑わされなかった。そこで大臣たちは最終手段として、レミにガンを強姦させた。

  ガンと並ぶほどの実力を持ち、ガン以上に絶倫で魅惑の肉体を持つレミは、見事任務を遂行した。ガンを格闘の末倒し、強姦したのだ。極上の名器で王の精を搾り取り、その快楽のあまりガンがレミを何度も求めるまでになるよう、徹底的に犯した。副作用の恐れがある媚薬を使うことなく、その肉体で篭絡した。

  結果、レミはガンの子を妊娠し、正室となった。レミは自身の部下である女性の兵士たちにもガンと関係を持たせ側室とし、子を作らせた。現在ガンの子は七人おり、信頼できる乳母に任せている。

  そのような経緯もあり、レミに誘惑されるとガンは動揺するようになってしまったのだ。

  「バットがどうであろうと、俺は、戦場でこのようなことはしない」

  ガンは立ち上がり、机を叩いて叫んだ。

  しかしレミは、ガンが既に自分を求めていることに気付いていた。その証拠に、ガンの股間は大きく膨らんでいる。

  「そうですか」

  レミは頷くと、下着を脱ぎ去った。

  「!」

  途端に、ガンがこよなく愛する爆乳がさらけ出される。巨大でありながら見事な砲弾状の形を維持し、垂れることなく前方に飛び出ている。健全で美しく、それでいて淫らな豊乳だ。出産を経験したことで初夜から一回り大きくなっており、量感はかなりものもだ。乳輪と乳首の主張も激しく、既に屹立しガンの方を向いている。

  ガンが乳に見惚れていると、レミは下半身の下着も脱ぎ全裸になった。特に娼婦の様な淫らな姿勢はとらず、堂々と直立しガンを見つめる。

  ガンの肉棒に血が流れ込み、一瞬で肥大化した。下着に収まらないほどほ巨根であるため、最大までは勃起できない。それでも非常に大きく、ズボンを突き破らんばかりに切っ先が天を突き、ガンは快楽が混じった痛みを感じ腰を引いた。

  「しかし、私は辛抱できそうにありません」

  レミは机を回り込んでガンの前に立ち。

  「ぐっ!」

  ガンの両手を取り、自身の爆乳に押し当てた。ガンを虜にした乳の感触は、やはり素晴らしかった。レミによって引き込まれ、ガンの太い指が乳肉の海に沈む。乳房は優しく指に吸い付き、包み込み、乳首が手のひらをくすぐる。

  「以前も申したでしょう。貴方が私の虜になったように、私も貴方の虜なのですよ」

  「ぐっ!」

  レミはガンの肉棒を掴んだ。レミの手に収まらないほど巨大な塔と化した肉塊は、ズボンの中でビクビクと震えた。

  「その巨大な剣を、私の鞘にお納めください」

  レミの吐息がガンの鼻先をくすぐる。

  ガンの理性は崩壊した。レミを押し倒そうと、両肩を掴むが。

  「うおっ!」

  レミの柔術により、ガンの体が宙を舞った。

  地面に背中から叩きつけられたガンに、レミが覆いかぶさり唇を奪う。

  舌と吐息を、性欲と愛情を込めた激しい口づけを交わしつつ、レミはガンの服を剥いでいく。

  下着を下ろせば、ガンの巨根が露になる。硬く大きく重く巨大化したそれは、凶悪といっても差支えないほどの一振りだ。並の女性なら怯むであろう肉刀だが、レミは迷わず切っ先を自身の膣口に当て、躊躇いなく腰を落とした。巨大な肉刀は、一瞬でレミの肉鞘に収まった。

  「んんんんんーーーーーー!!!!」

  ガンの絶叫は、レミの口に吸い込まれた。

  凶悪なまでの締め付けと脈動がガンのペニスを襲った。

  ガンがレミを欲する以上に、レミはガンを欲していたのだ。巨根で胎内を貫かれ、レミは歓喜で燃え上がり、更なる快楽と精液を求める。膣壁はそれに応じて、雄に快楽を与える最上級の名器となり脈動した。

  そんな名器で肉棒を扱かれたガンにも強大な快楽が襲い掛かる。それは脳を破壊するほどに強烈だ。耐えられるのは、ガンの精神力があってこそだ。しかしこれほどの快楽を与えられては、精神を保つことは出来ても、セックスのリードを取ることなど出来るはずもない。

  ガンはレミにしがみつき、腰を突き上げ射精した。子宮に叩きつけるように、ガンの精液が発射される。

  肉塊の痙攣と精の激流を胎内に受け、レミの肉体もまた更なる快楽で歓喜する。それでもレミの欲望は止まらず、残像が発生するほどの速度で腰を振り続けた。

  ガンの射精は止まらなかった。肉棒はレミの膣内で暴れ回り、鈴口を限界まで広げて精液を吐き出し続ける。太く白い本流は子宮を瞬く間に満たし、それでもなお放たれ続け膣から溢れていく。

  強い性欲同時のぶつかり合い。しかし欲望だけでなく、二人の間には確固たる愛情があった。自身の快楽のみならず、相手にも快楽を与えようと互いの肉体は最適化する。

  二人の情欲にまみれたセックスは、ガンの意識がなくなるまで続いた。それは気絶か、疲労のあまり眠りに落ちたのか、ガンにもレミにも分からなかった。

  ガンの国―――――ガギュウは山脈に囲まれている。山からの清流は季節を問わず水の恵みをもたらし、限られた平地での農業や畜産業が盛んである。

  そして今、その恵を狙い隣国であるムジカが進軍してきた。ガギュウの南西は山に囲まれておらず、そこからムジカは大群を送るも、ガギュウの総大将を任されたバットによって敗走を続けている。これを機に南の脅威であるムジカを落とすべきと判断したガギュウは進撃を開始した。既にガギュウはムジカの国境付近まで迫っている。

  ムジカの王は焦っていた。国土を増やそうと目論んでいたが、このままではこちらが滅ぼされる。事態を打破すべく軍議を重ねるも、文官も軍人も、国民すらも士気は低かった。

  ムジカ国の前王は善政によって国力を上げた明主であったが、現王は正反対の暗君であった。自身の息がかかった者のみで政治を行い、国民たちから高い税によって財産を奪い、それを私利私欲のために使っている。そのため、ガギュウに亡命する者も少なくなかった。

  ムジカの王は亡命者を極刑に処すことで国民の流出を止めようとするも、あまり効果はなかった。それどころか、位の高い政治家や軍人も亡命する始末だ。周辺の国々に援助を求めても、悪評が多いムジカを、強者ぞろいで知られるガギュウと戦ってまで助けようとする国はない。

  戦争の勝敗は、既に見えていた。しかし、ムジカではとある人物が、未だに勝利すべく知恵を絞り続けていた。

  ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

  ムジカ首都ミミカ。

  戦争により物資が不足し治安も悪化しており、人通りは少なく賑わいも聞こえない。時折怒号が響き、生気を失った人々が弱々しく歩く姿が見える。灰色の雲に覆われた空は、国民の心情を表しているかのようだ。

  王が住むキングキャッスルだけは、豪華な造りで目立っている。しかしそれも外装だけで、中にいる人々は不安に襲われている。国の立て直しなど考えず、自身の安全を確保するにはどうすべきかを考えたり、ただただ絶望し己が現状を嘆いたり、そんな者ばかりだった。

  国の勝利を常に考えている人物は二人いる。一人は王であり、勝利を願いつつも本人は何もせず毎日大臣や将軍たちを叱責するのみだ。

  もう一人は対照的に、自国の勝利のため戦い続けていた。

  ムジカ国キングキャッスルの東には、大きな塔が建てられている。その最上階には書斎があり、一人の白毛の山羊獣人が机にて思考を巡らせていた。

  中肉中背で、どこにでもいるような壮年男性だ。表情は疲労の色が濃くでており、それでも強い眼差しで机の上の地図を見下ろしている。机の左右には大量の書物が置かれており、山羊はそれらを時々読みつつ、地図に敵軍の動きを予想して描き込み、自軍の兵をどう動かずべきかを考えていた。

  「ふう・・・・・・」

  全てを書き終えた山羊はペンを置くと額の汗をぬぐい、地図を手に取り折りたたみ、唯一の出入り口に向かって歩き始めた。

  5メートル四方の立方体の部屋には、机と椅子、棚と書物、後はベッドしなかない。窓もなく、壁に取りつけられたランプを消せば暗闇となる。外の世界と通じているのは出入り口と、天井付近にある小さな通風孔だけだった。

  「完成しました」

  山羊は鉄製のドアを叩き、外にいる衛兵に声を掛けた。するとドアに設置された小窓が開き、衛兵の手が伸びてきた。山羊はどの手に地図を渡すと、すぐに手は引っ込んでしまった。

  「ご苦労様です、サワー殿」

  ドアの向こうから衛兵の声が聞こえ、小窓からパンと水が入ってきた。

  「どうも」

  サワーと呼ばれた山羊はそれを受け取った。

  (いつまでこんな生活が続くのだろうか)

  パンを食べつつ、サワーは天井を見上げた。

  サワーのこの国の文官である。知略に長け、内政や外交、軍事作戦等あらゆる局面で国を支えている。戦争中である現在は、その才能の全てを軍師としての活動に費やしており、ガギュウの軍勢に対し的確な作戦で対応していた。

  ムジカの政治家は王の悪政に加担する者が多く、能力も忠義も低い輩が多い。しかしサワーは数少ない人格者であり、知勇と良識を兼ね備えていた。高い忠誠心を持って王の政治に協力しつつも、時には自身の財を削ってまで国民の救済を図っている。それ故に、彼は王からも国民からも慕われていた。サワーを偽善者と罵る大臣もいたが、彼の能力は国にとって必要不可欠であるため誰も手を出せなかった。

  しかし彼は今、牢獄のような場所に押し込まれて毎日作戦を考えさせられている。その部屋からは一歩も外に出ることは許されず、作戦が書かれた書物や食事などは全てドアの小窓を通して受け渡しされている。優秀な軍師とは思えない待遇だった。

  これはムジカ王の命令だった。現在サワーのこの国において最も重要な存在であるため、ガギュウが彼の暗殺を図る可能性がある。それを防ぐため、サワーを牢獄に押し込めたというわけだ。

  だが、サワーは気付いている。それはムジカ王の本心でないということを。

  ムジカ王は、サワーがガギュウに寝返ることを恐れているのだ。サワーは忠臣であり裏切るつもりなど毛頭ないのだが、多くの大臣がガギュウに寝返っている今、王は味方を信用できなくなっていた。現に王は、サワーが書いた作戦を検閲し、ガギュウの有利に働くような作戦ではないか調べている。

  サワーを守り、自分の駒として使い続ける。それが王の狙いなのだ。

  (戦争が終わるまでの辛抱と言いたいが・・・・・・)

  このままではムジカは負ける。聡明なサワーは気付いていた。作戦を考え続けているが、敗北までの時間を伸ばしているにすぎない。

  (私がやっていることは、正しいのだろうか)

  王の悪政で国力も愛国心も低下した国に、未来などあるはずもない。ならばいっそ、滅びて再構築すべきではないか。死が確定した国を延命させることに意味はあるのか。

  (だが、やはり、できない・・・・・・)

  サワーは身分の低い平民の出身だ。しかしその才能を見いだされ出世していき、前王に重宝された。それ故に前王への忠義は誰よりも強く、ムジカを故意に滅亡させるようなことは出来なかった。

  (今の王は忠義を尽くすに値する人物ではない。それでも、お世話になった前王の子だ)

  サワーはムジカと共に滅びる覚悟を固めていた。

  「それでは、俺は今日までなので」

  数日後、いつも通り朝食を受け取ると、ドアの外の衛兵が言った。

  「ああ、そうですね。ご苦労様でした」

  食事を受け取ったサワーは、次の衛兵はどんな人物かと思案した。

  サワーの牢獄には常に衛兵が配備され、食事や書物をドア越しに与えている。この衛兵は、10日ごとに交代する決まりとなっていた。

  サワーと衛兵が協力し、脱走や密書の受け渡しなどを企てる可能性がある。それを避けるため、サワーが衛兵と親しくならないよう定期的に代えているのだ。

  「ああ、そう言えば、今度から衛兵はドアの前じゃなくて、この部屋の中にいることになったから」

  「え?中にですか?」

  「ああ、理由は聞いてないけど、まぁそういうことなので」

  衛兵はそう告げ、言ってしまった。

  (兵士が中に、か。私も兵士も信用できなくなったのかもしれないな)

  現在、戦局はムジカが圧倒的に不利な状況である。この状況を見た王は、サワーが密書を作りムジカ軍の情報を流しているかもしれないと判断したようだ。それ故に、一瞬たりともサワーから目を離したくないらしい。また、重圧に潰されたサワーが自決するのを防ぐという意味合いもあるのだろう。

  また、以前サワーが幽閉されている塔の兵士が脱走を図り処刑されたことがあった。その時は、脱走兵に密書を渡したのではないかと、サワーはあらぬ容疑をかけられた。サワーを監視する衛兵さえも、この部屋の中に拘束するのも目的なのだろう。

  (食事などは、王から離れない近衛兵数名が、直接持ってくるのだろう。ここまで信用されていないとは)

  王の思考を推理したサワーは苦笑し、机について再びペンを走らせ始めた。

  そして数分後、ドアの鍵が開く音がした。

  「失礼します」

  兵士が一人部屋に入り、同時にドアが重い音を立てて閉まり、鍵が掛けられた。

  牢獄に、久しぶりに自分以外の人間が入り、二人きりになる。

  ランプの光で兵士の姿を見たサワーは、目を見開いた。

  「初めまして。エルと申します」

  エルと名乗った兵士は、獅子獣人だった。戦場に出るわけではないので軽装であり、武器は腰の剣、防具は膝と肘の圧布のみだ。

  流石は兵士というべきか、背は高く、露出した腹筋は割れ、四肢は太い。しかしネコ科獣人であるため筋肉はしなやかで、曲刀のような美しさがある。

  目つきは鋭く、愛想笑いも浮かべず見定めるようにサワーを見つめている。

  (雄々しいとさえ言えるようだ。しかし・・・・・・)

  視線に恐怖を感じつつも、サワーは彼女から視線を外さなかった。

  獅子獣人は、女性だった。声は低いが紛れもなく女性のそれであり、鬣も生えていない。何より彼女を女性たらしめているのは、その胸だった。

  エルの乳房は巨大だった。丸々と大きく実っており、大人の手にも余るほど。垂れることなく丸みを保って膨れ上がっており、大振りのスイカが胸についているかのようだ。しかもエルは動きやすさを重視してか、スポブラとスパッツしか身に着けていない。薄い布に包まれた爆乳は、その形がしっかりと浮かび上がってしまっている。

  「ああ、よろしく」

  その爆乳に見惚れてしまったサワーは慌てて挨拶をした。

  「これより10日間、サワー殿をお守りします」

  「頼むよ」

  エルが頭を下げた。

  胸の乳肉が下を向き、深い谷間が見える。

  サワーの鼓動が速くなった。

  「ふぅ・・・・・・」

  朝食から2時間後。

  次の作戦を考えるサワーだったが、いつもより集中力は下がっていた。

  (いかん、集中しないと)

  原因は間違いなく、エルの存在だ。

  エルは入り口の脇に腰を下ろしており、目を閉じて瞑想している。ただその場にいるだけだが、サワーはそれが気になって仕方がなかった。

  この部屋に自分以外の存在がいるという状況が久しぶりだ。しかもサワーは女性だ。

  (禁欲が長かったからな・・・・・・)

  サワーは軍事作戦だけでなく、政治に関する業務も日々行っている。休む間もなく働いているため、性欲を発散させる機会も与えられない。そんな時に女性と二人きりになってしまえば、その存在が気になってしまう。

  また幸か不幸か、サワーは巨乳好きだった。多忙故に結婚はしておらず、風俗に通うこともないため女性経験は少ないが、体を重ねる際は必ず乳房が大きい女性を選んでいた。

  エルは過去に関係を持ったどの女性よりも乳が大きい。形状も整っている見事な乳房だ。体格や顔立ちは雄々しさがあり好みを選ぶかもしれないが、サワーにとっては巨乳ならば問題なかった。

  (可憐、と言っても差し支えないだろう)

  目を閉じたエルの横顔は、精悍であり美しい。体つきも、筋肉質だがネコ科特有のしなやかさが女性らしさを形成している。腰つきや太腿の逞しさも、サワーを興奮させる要因となっていた。

  「何か?」

  エルが目を開いた。

  「あ、いや、床に直接座らずベッドに座ればいいのではないかと思って」

  「結構です」

  エルは再び目を閉じた。

  (視線を感じたのか?感覚は鋭いな。流石、私の監視役に選ばれただけのことはあるな)

  エルの能力に感心しつつも、サワーは胸を高鳴らせていた。

  咎めるつもりはないだろうが、鋭い視線と口調で話しかけられた。恐ろしいと思いつつも他者とドアを隔てず対面したのは久しぶりであり、もっと会話したいという思いが芽生える。

  (しかし、何を話せばいいのか・・・・・・仕事以外で他者と話すことなど久しぶりだ。何を話せばいいのやら)

  困惑していると、再びエルが目を開いた。

  「作戦は完成したのですか?」

  「あ、ああ、もうすぐだよ」

  サワーは慌てて書類に視線を落とした。仕事をさぼって叱られたような気分になり、顔が赤く染まってしまう。

  集中しようとサワーがペンを手にしたその時。

  「急いでくださいね」

  エルが立ち上がり、こちらに歩いてきた。

  (うっ)

  エルが一歩踏み出すたびに、大きな乳が揺れる。大きすぎため、歩行程度の振動でも揺れ動いてしまうのだ。

  ぶるん、ぶるん、と上下に跳ねるその光景にサワーは視線は釘付けになる。

  (いかん)

  サワーは視線を下に向けた。すると視界に、スパッツのみに包まれたエルの股間が入る。肉付きのよい太腿はむき出しになっており、乳房ほどではないが興奮をかき立てる。

  「どれ」

  エルは両手を机の上に置き、書類を見下ろし内容を確認し始めた。下方を向き谷間が強調された双乳がサワーの前に見せつけられる。

  近くで見ると、その大きさに圧倒される。圧倒的な重量感を誇る肉塊の引力は凄まじく、触れたい衝動に駆られる。

  (こ、これは・・・・・・)

  長く発散されず溜め込まれていたサワーの性欲が、エルの肉体によって、巨大な肉房によって呼び覚まされた。股間の肉棒はいきりたちズボンを押し上げる。幸い机で隠れていたが、目の前に乳の絶景がある限り収まることはない。

  サワーはたまらず体を反転させ立ち上がり、背後の本棚に手を伸ばした。これ以上、エルを視界に入れるわけにはいかない。

  (早く、元の位置に戻ってくれ)

  そう祈るサワーだったが。

  「一番上ですか」

  「え?」

  背後で声がすると、後頭部に柔らかい肉塊がぶつかった。

  「うっ!」

  すぐにそれが、エルの乳房だと気付いた。

  更にエルは一歩前に踏み出し、サワーに密着した。

  「どれですか」

  エルは本棚の一番上の棚を見て聞いた。どうやら、サワーがそこから書物を取ろうとしていると勘違いしたらしい。

  「一番、右の」

  何とか答えたサワーだが、後頭部で味わう乳の感触で思考は定まっていない。

  柔らかいが、確かな弾力が頭を押してくる。非常に心地良い感触だった。

  「どうぞ」

  エルは本を取り、サワーから離れる。

  「どうも・・・・・・」

  サワーが振り返ると、眼前にエルの爆乳があった。もっとエルが離れていると思ったサワーにとって、不意打ちである。

  黄金色のスパッツを押し上げる巨大な肉塊は、どんと前に突き出てサワーの鼻先に迫る。生地は薄いらしく、それに巨乳をむりやり押し込めているため、乳輪と乳首の盛り上がりまで確認できた。

  「あ、ありがとう」

  エルの顔も見上げ、サワーは礼を言った。エルの表情は相変わらず真顔のままで、感情は読めなかった。乳を見つめられて怒っているわけではないようだが、友好的な感情も見えない。

  しかし、その凛々しい表情で見つめられると、心がときめいた。

  「いえ」

  エルは本をサワーに私、背を向け部屋の隅に戻っていった。

  スパッツにつつまれた尻がサワーの視界に入る。尻肉も乳に負けないほどたわわに実っており、女性らしさをサワーに見せつけた。

  (ようやく、戻ったか)

  エルは再び部屋の隅で瞑想を始めた。安堵しつつも、もっと近くでその肉体を見たかったという気持ちは消せなかった。

  (集中、しないと・・・・・・)

  エルが離れてようやく集中できるかと思ったが、迫る爆乳の光景は網膜に焼き付いて離れない。後頭部にも、あの乳肉の感触がまだ残っている。

  しかも周辺には、エルの残り香が漂っていた。雄々しい獣臭の中には、確かな雌の香りが混じっている。

  一度昂った情欲は、発散しなければ収まらない。だがエルがいるこの部屋でそんなことはできない。サワーは性欲と戦いながら作戦を考えるしかなかった。

  昼食後。

  サワーは敵が実行するであろう作戦を予想し、書類に書き続けていた。地形や敵の戦力を考慮すれば、ある程度は動きを読める。それに対応する策も書かなければならないため、休んでいる暇はない。

  (通常業務の書類も任されているからな。急いで終わらせないと)

  山積みの書類を見れば否応なしに責任感が蘇る。サワーは集中し仕事を続け、部屋にはペンが走る音だけが響いた。幸い、エルは瞑想したままだった。

  そして、2時間が経過したころ。

  「サワー殿」

  エルが名を呼んだ。

  「な、何かな?」

  返事をすると、エルは立ち上がる。

  「体を動かしても構いませんか?敵の襲来に備え、ある程度はほぐしておきたいので」

  「ああ、構わないよ」

  多少の物音程度では動じない自信がある。サワーは迷わず了承した。

  「ありがとうございます」

  エルは一礼すると、体操を始めた。すぐにサワーは後悔した。

  両腕を回せば、爆乳が揺れ動く。屈伸の際には、しゃがみこんだ時に乳肉が太腿で挟まれて楕円につぶれ、立ち上がったはずみにバウンドする。

  たわわに実った肉の果実は縦横無尽に動き、形を変えた。

  (い、いかん)

  「すまないが、後ろを向いてくれないか」

  「かしこまりました」

  エルはサワーに背を向けた。

  乳が大きすぎるため、横乳が背中越しでも僅かに見えてしまう。しかもエルが上半身を倒すと、巨尻がサワーに突き出される。

  (だめだ!見てはいけない!)

  サワーは書類に視線を向けた。しかし再燃した性欲は中々消えない。

  視界を上げると、躍動するエルの肉体が見えてしまう。揺れる乳を見ることが出来る。

  サワーは欲望を抑えられず、仕事の合間に何度もエルを見た。ストレッチや剣の素振りによって揺れる巨乳は、サワーの淫欲を楽しませる。一方で、高まる欲情を解放できないせいで不満も高まっていった。

  夕刻。

  「はぁ・・・・・・」

  溜まった書類を全て処理し、サワーは机に突っ伏した。エルの肉体によって集中力が削られ、いつもより時間がかかってしまった。

  (夕食後も少しやらないといけないな)

  まだ山積みになっている書類に目を向け、サワーは深いため息を吐いた。

  「サワー殿」

  顔を上げると、エルが机の上にトレイを置いた。パンとスープだけの質素な食事だ。

  「行水の準備も整っております」

  部屋の隅、排水用の小さな穴が床に開いてある場所を見てみると、水で満ちた瓶と布、着替えが置かれている。

  夕刻にはこうして、行水のための道具が運び込まれる。王からの数少ない気配りである。

  「ああ、ありがとう。先にやろうかな」

  風通しが悪いため牢獄の中は蒸し暑い。運動をしていなくても、サワーの体は汗で濡れていた。今日はエルの肉体に興奮したため、発汗量はいつもより多い。

  運動していたエルの体も汗まみれだ。スポブラは水を吸って肉体に張り付き乳首の盛り上がりが強調される。

  サワーはエルの肉体から視線を外し、前かがみになって勃起を悟られないよう瓶の方へ向かう。そして、布を手にして気付いた。

  (どこですれば・・・・・・)

  牢獄の中にはバスルームなどない。裸をエルに見られてしまう。

  (仕方ない、トイレの中でするか)

  トイレは仕切り版で囲まれている。窮屈だが、やむを得ない。

  「行水はそこでしてください」

  瓶を持ち上げようとすると、エルが止めた。

  「そこには排水溝もあります」

  「いや、でも」

  「極力サワー殿から目を離さないように、と命じられています」

  サワーの反論を予想したの様にエルは言う。声量は抑えられているが、反論は許さないと言わんばかりの口調だ。

  「分かった」

  サワーはやむを得ず、服を脱ぎ始めた。裸を見られるのは嫌だが、汗だくのままで仕事を続けたくはない。

  少年期は、自分が文官として出世できるか分からなかったため、武術の稽古にも励んでいた。現在は多忙故に運動量は減ってしまったが、肉体はそれなりに引き締まっており、筋肉も程よくついている。見られて恥ずかしい肉体ではない。一か所を除いては。

  (なんとしても、見られないようにしないと)

  サワーのペニスは、人並よりも一回り以上大きかった。中肉中背でありながら、その一点のみは巨漢の兵士に引けを取らない。しかも今は勃起しているため、臍に達するほどに伸び天を突いている。

  日々の業務で心身共に疲弊しているが、溜まった性欲により性器だけは健康的である。生命力に溢れた樹木のように立ち、その幹を露が垂れている。

  目立つ男性器を見られないよう、サワーはエルに背を向けて行水を始めた。冷水で濡れた布で体を拭けば、心地よい冷気が心身を癒してくれる。だが、羞恥心のせいで満足に味わえなかった。

  (しかし、常に監視とは。ここまで信用されていないとは)

  自分の行為は、本当にムジカのためなのだろうか。ムジカの未来と自身の行為の正当性を考えれば、自然と心は沈み勃起は収まってゆく。やがてだらりと垂れ下がるが、それでも十分大きかった。

  サワーは服を着ると、机に戻って食事を始めた。

  エルは瓶の方へ歩いていく。部屋の外に出すのだと思ったが、エルは瓶の脇でブーツを脱ぎ、肘と膝の布を外した。

  「え?」

  サワーがまさかと思った直後、エルは躊躇いなくスポブラを脱いだ。サワーに背を向けていたため乳は見えなかったが、裸の横乳がかすかに見える。

  「な、何を!?」

  男性が近くにいるにもかかわらず女性が服を脱ぐ。その異常事態に、サワーは動揺を隠せない。

  「何か?」

  しかしエルは冷静さを保ったまま、サワーに体を向けた。

  「!」

  布越しでない、裸の乳がサワーに向けられた。

  窮屈なスポブラから解放された乳肉は、本来の大きさを取り戻し前方に大きく飛び出ている。エルが振り返った拍子にぶるんと揺れて振動する様子からかなりの柔らかさを備えているようだ。しかしほとんど垂れず砲弾状の形を維持しているということは、ハリと弾力も備えているとみて間違いない。

  その立体的で巨大な乳房を、エルは堂々と晒している。乳肉も堂々と前に出ており、淫らさだけでなく感動さえ抱いてしまう。

  「私も汗をかきましたので、身体を清めさせていただくだけです」

  「あ、ああ、そうだね、すまない」

  爆乳に釘付けになっていたサワーは、エルの言葉で正気に戻った。

  (行水すること自体は構わないが、普通、女性が男性の前で裸にはならないだろう)

  そう言おうかと思った直後、エルはスパッツも脱いでしまった。産まれたままの姿になったエルは乳房はもちろん下半身も隠そうとしない。サワーの視線さえ気にしていないようだ。

  (兵士として、男に混じって育ってきたのかもしれない。だから、裸を見られることなど、気にしないということか・・・・・・)

  サワーはそう結論付け、エルから目を背けた。エルが気にしていなくとも、じろじろと肉体を見ることは無礼だ。エルが不快に感じるかもしれない。

  そう思って食事を再開するも、視線はエルの方を向いてしまう。

  エルは黙って体を濡れた布で拭いている。

  改めて見ると、美しい肉体だ。筋肉で膨らみつつも滑らかな曲線を描いた肉体は、ヘラクレスとヴィーナスをかけ合わせたかのようだ。

  だが、体が動くたびに揺れる爆乳がある限り、その体に淫欲を感じてしまう。

  エルが肩を擦ればそれだけのことで乳肉は波打ち、前かがみになると乳牛のように下方に垂れる。

  (い、いかん・・・・・・視線を外せない・・・・・・)

  やがてエルは乳を拭き始めた。爆乳はエルの手によってぐにゃぐにゃと変形しながら清められてゆく。爆乳故に生まれる深い谷間も拭き、乳を持ち上げて下乳と乳房の付け根もしっかりと拭いてゆく。乳を拭き終えて手を離せば、乳は本来の形に戻る。

  サワーは食事も忘れて、その様子を黙って見つめていた。

  夜。

  月光も届かない牢獄の中で、サワーはベッドの上で悶々としていた。

  (早く、寝なければ)

  今日はエルの肉体に集中力を削がれ、仕事がはかどらなかった。挽回するためいつもより遅くまで仕事を続けたが、遅れを全て取り返せたわけではない。このまま無理に作業を続けても効率が悪いと判断したサワーは、十分睡眠をとり、明日早く起きて再開することにした。

  しかし、目を閉じればエルの美しく逞しい裸体が、その胸部についたとてつもなく大きい肉房が浮かび上がり、興奮して眠れない。物自身を守るため、監視するために置かれた兵士に対し、性的欲求が高まっていく。

  サワーが目を開くと、入り口付近にエルがいた。その場に座り込んんで眠っている。

  彼女は自分の世話係のようなものだ。手を出してしまえばいい。彼女だって、夜の相手を勤めるくらい、覚悟しているはずだ。

  心の中で色欲の悪魔が囁く。

  サワーは善人であり、寝ているエルを襲うことはもちろん、会ったばかりの相手に軽々しく性行為を求めるような真似はしない。何より、国が危機的状況を迎えている今、そんなことをしていいはずがない。良心で悪魔をねじ伏せ、再び目を閉じた。だが妄想の中にエルが睡眠を妨害する。

  (自分で出すか?だが、匂いでバレないだろうか)

  何度も寝返りをうち、自慰行為をするか悩むサワー。すると。

  「寝付けないのですか?」

  闇の中からエルの声が届いた。夜目が利くので、悶えるサワーが見えていたのだ。

  「えっ!ああ、そうなんだ」

  ビクリを体を震わせ、サワーは返事をした。心の淫欲を見透かされたような気分になり、動揺してしまう。

  エルは入り口付近の壁に取りつけられた燭台の蝋燭に火を点けた。朧げな灯りが部屋を照らす。

  「もうすぐ寝付けると思うから、消してくれ」

  「しかし、先程からずっと眠れないようですが」

  エルがベッドに近づいてきた。

  「大丈夫だから。心配しないでくれ」

  サワーは背を向けたまま言う。

  「あなたの健康状態にも気を付けるよう命じられています」

  エルの手がサワーの肩を掴む。

  「うっ!」

  そのままエルはサワーの体を引き、仰向けにした。サワーは咄嗟に両手で股間を隠したが、エルはサワーの勃起を見逃さなかった。薄着であり、しかもサワーは巨根であったため、その膨らみは嫌でも目立つ。

  「原因はそれのようですね」

  エルの表情から、怒りや落胆といった感情は読み取れなかった。それでも勃起を見られたため、サワーは羞恥で真っ赤になる。

  何も言えずサワーが固まっていると、エルの左手が股間を覆うサワーの手を掴み、持ち上げた。

  「な、何を!?」

  サワーは抵抗するも、エルの力は強く敵わない。

  「はうっ!」

  エルの右手が、ズボン越しにペニスを掴んだ。その形状と大きさを確かめるように触り、やわやわと揉みしだく。久しぶりの他者からの刺激により、先端からは歓喜の露が漏れてズボンを濡らした。

  サワーの抵抗がなくなったことを確認し、エルはサワーのズボンを下着ごと剥ぎ取った。バチンと言うととともに、サワーの勃起が腹筋を叩く。体躯や顔つきからは想像できない、太く長い肉の棒。行為に期待して震えるそれに、エルは躊躇いなく咥えこんだ。

  「ぅああっ!!!」

  何の宣言もなくペニスを咥えられた。サワーにとっては不意打ちである。

  数か月ぶりの刺激を発情した状態で受けれてしまえば、1秒たりとも耐えられない。睾丸の中で熟成された精液が輸精管を駆け抜け。鈴口が開き肉の幹が震える。

  射精を促すように、エルはネコ科特有のざらついた舌でサワーの裏筋を舐め上げた。

  「ああっ!!」

  サワーは腰を突き上げ、思い切り射精した。久方ぶりということもあり、精液は濃厚で勢いも強い。半ば個体と化した白濁の塊が、容赦なくエルの喉にぶつかった。しかも溜め込まれていたため精液量は多い。射精は中々終わらず、肉棒からは湯水のごとく精液が溢れ出てきた。

  エルは表情を変えず溢れる精を口内で全て受けとめ、飲み込んでいく。粘度が高く量も多いが一滴も零さない。

  「あぁ・・・・・・はぁ・・・・・・」

  サワーは強い快楽に幸福を感じつつ、射精を続けた。1分以上たちようやく収まった時、強い快楽に脳と体が痺れてしまっていた。思考は定まらず荒い呼吸を繰り返す。その間、エルは口内に残った精液を全て飲み終えた。

  「す、すまない。耐えきれなくて」

  「謝罪は不要です。私が進んでしたことです」

  エルはまだ勃起を続けるサワーの肉棒を見下ろした。

  「まだ満足されていませんね」

  そう言い、エルは自身のスポブラを脱いだ。ぶるんとバウンドしつつ、爆乳が露になる。

  突然のことに混乱しつつも、サワーは巨大な乳肉に釘付けだ。近い距離で見ると、やはり迫力が違う。

  エルは乳を揺らしつつベッドに乗り、サワーの股間に覆いかぶさった。そしてサワーの勃起を掴み、自身の乳の谷に招き入れる。

  「あっ!!!」

  エルは自身の爆乳で、サワーの巨根を挟み込んだ。巨大な肉の樹木が、それ以上に大きく実った果実で包み込まれた。

  「あ・・・・・・あぅ・・・・・・」

  自分を虜にした巨大な肉の房が今、自分のペニスを挟み込んでいるのだ。その快楽は凄まじかった。ペニスで感じる乳はやはり柔らかく、大きい。自分の巨根は辛うじて先端が見えているものの、ほとんどが乳に覆いつくされている。弾力も凄まじく、乳圧がペニスを前後左右から押している。包まれているだけで射精しそうだ。

  既に肉の柱は、エルの唾液で濡れている。更に先走りが絶え間なく出続けており、潤滑油には十分だった。

  エルは自身の爆乳を両手でしっかりと支え、激しく上下に動かした。重量感溢れる肉の塊が、サワーの巨根を扱いた。

  「があっ!!!」

  サワーは歓喜の雄たけびを発し、先ほど同様すぐに射精した。最も興奮する部位である乳によって性器を擦られれば、肉体的にも精神的にも強大な快楽と幸福度を味わうことが出来る。

  射精中でも、サワーは乳をゆすり続けた。射精を長引かせるように、少しでも相手が快楽を味わえるように、熟練した娼婦のような動きで乳を動かし続ける。

  サワーのペニスは射精を続けた。今まで溜め込まれた鬱憤を晴らそうとするかのように、力強く脈動しながら快楽を享受し、絶頂に達し精液を放つ。肉棒は歓喜しつつ暴れ回るが、巨大な乳肉はそれを容易く包み込み快楽を与えた。

  しばらく続いた射精が、ようやく止まる。エルの顔と乳は大量の精液で汚れていた。サワーはそれに対し申し訳ないと思わず、その光景にただただいやらしさを感じていた。

  「うっ」

  サワーの肉棒は、エルの乳の中でまだ勃起を続けている。まだ満足していないと判断したエルは、僅かに乳から出ている亀頭に舌を這わせつつ、左右の乳を互い違いに上下に動かして刺激を与える。

  「うあっ!!」

  射精直後で敏感になった肉棒に、その刺激は強すぎた。苦痛を感じても不思議ではないが、エルの爆乳に心を奪われたエルは快感を味わい、再び射精した。サワーの淫欲とエルの乳技により、先程に負けないほどの勢いで精液が発射され、エルの顔を汚す。なおもエルは、搾り取るように乳で肉棒を扱き、亀頭を嘗め回した。

  大きく柔らかい乳肉と、唾液たっぷりの肉厚な舌の刺激により、サワーは何度も射精した。どこにこれほどの精液が詰まっていたのかと驚くほどに、何度も精を噴き上げる。

  そして、しばらくしてようやく射精が止まり、肉棒も萎え始めた。サワーは強い快感を味わい満足したが、大量射精によって疲労の色が濃い。もう終わりかと思った瞬間。

  「あううっ!」

  ペニスに、今までと違う快楽が伝わった。

  エルはサワーのペニスを谷間から解放し、乳頭に当てて押しつけたのだ。肉の樹木は肉の海に沈み込んでいく。硬くなった乳首が亀頭と擦れ合い、未体験の快感が走る。

  やがて、乳肉を押しのけるようにサワーのペニスは再び勃起した。大樹を復活させたエルは、自身の肉果実で再びそれを挟みこみ、勢いよく扱き始める。精液のおかげで、先程よりも動かしやすかった。

  「ま、待ってくれ・・・・・・もう・・・・・・ぐう!!」

  何度も射精した後だったが、サワーのペニスは再び射精を始めた。勢いは衰えているが、まだまだ精液は残っている。

  生命力に満ちたペニスとは対照的に、サワーは疲労で動けなかった。体力はどんどん削られていくが、肉棒は力強く震えて精を吐き出す。

  疲労による苦痛はあったが、それ以上の快楽をエルの乳によって味わい、サワーは幸福を感じつつ射精を続けた。夜が更けて、意識が消えるまで。

  エルが来て9日が経過した。

  サワーはいつも通り、その日も仕事に追われている。

  「はぁ・・・・・・ふぅ・・・・・・」

  普段のサワーは高い集中力を維持し、正確かつ迅速に無休で仕事を進める。だが今のサワーは、数日前までと様子が大きく異なっている。

  書類を走るペンはすぐに止まり、もぞもぞと体を震わせることが多い。書類は溜まる一方だ。

  「集中できませんか?」

  そんなサワーの脇に立ち、エルが声を掛けた。

  「いや、そんなことは・・・・・・うっ!」

  エルはサワーの椅子を引き、股間に手を伸ばした。既に肉棒は完全に勃起している。

  「解放せねばなりませんね」

  エルはサワーに密着し、耳元でそう告げた。腕には爆乳が押し付けられ、体臭と吐息が鼻孔を刺激する。

  サワーは耐えきれず、エルの肉体にしがみついて乳に顔を押し付けた。エルはサワーを軽々と抱えると、そのままベッドまで移動して押し倒す。スポブラを脱いで乳を露出させるとと、サワーの頭部を谷間に挟んだ。

  (むぉぉ・・・・・・た、たまらん・・・・・・)

  たわわに実った果実の感触を顔で感じ、至福を味わう。サワーは両手も乳に添えて自分の顔に肉塊をさらに押し付け、エルの香りを吸い込んだ。

  エルはサワーに乳を押し付け、逞しい太腿で勃起を擦った。

  「むぅ!」

  その動きは熟練のもので、口や手の刺激に劣らないほどの快感がもたらされる。すぐに射精欲が高まってくるが、このままではズボンを汚してしまう。

  「もうすぐ行水ですので、瓶とともに着替えがきます」

  エルにそう言われ、サワーは下半身の力を抜き腰を突き上げた。

  サワーはズボンの中に射精した。エルは太腿を小刻みに動かし続け、最後の一滴まで搾りだした。

  「ふぅ・・・・・・」

  満足するまで射精したサワーは仕事に戻るが、それでもペンは進まない。

  「まだ満足しませんか?」

  エルが再び体を寄せた。

  「いや、もう十分だよ・・・・・・ひぅっ!」

  エルは無遠慮にサワーの股間を握る。既に今日だけでも、10回以上は射精に導いているため、もう勃起はしていない。

  「射精欲求はないようですね。しかし、相変わらず私の方を見ているようですが」

  「そ、それは・・・・・・」

  満足するまで射精しても、エルの爆乳には視線が吸い寄せられてしまう。淫欲が消えてもなお、サワーを引き付ける魅力がその肉体にはあった。

  「存分に貪り尽くせば集中できるでしょう」

  エルは再び乳を露出させ、サワーの顔を乳に当てた。谷間でなく、肉房に正面からサワーの顔を押し当てる。乳が楕円に変形し、乳首がサワーの唇に触れた。

  サワーは迷いなく乳首を咥えた。唇が乳輪に、舌が乳首に触れる。空いた乳房には手を添え、揉みしだきながら乳首を摘まんだ。

  赤子のような甘えぶりだが、舌と指の動きは淫欲に支配された雄そのものだ。エルの表情にも母性は見えず、無表情でサワーに乳を提供している。

  やがて、サワーの股間がズボンを押し上げた。勃起が回復したのだ。それに気づいたエルは、手を股間に伸ばす。

  サワーが椅子から腰を浮かせるとズボンを下ろし、露出した肉棒を扱き始めた。

  「んんっ!」

  回復したばかりの陰茎から、白濁液が噴き上がる。勢いは衰えているが、勃起はまだ収まらない。

  エルは黙って肉棒を扱き続けた。サワーは身を震わせ、乳にしがみつき、睾丸が空になるまで射精し続けた。

  夜。

  サワーは溜まった書類の処理に追われていた。

  最近はいつもこうだった。夕食まで仕事がほとんどはかどらず、寝る前までに大量の書類を処理しなければならない。

  原因は分かっている。エルの肉体に気を取られ仕事に集中出来ないからだ。性欲を発散させれば集中出来るかと思いきや、何度射精してもエルの肉体を見ればすぐに淫欲が燃え上がってしまい、睾丸が空になっていてもエルの爆乳にむしゃぶりついてしまう。その為何度もエルに奉仕してもらうのだが、何度も射精するため疲労がたまってしまう。このような状態では思考がまとまるはずもなく、書類処理の速度と精度は大きく低下してしまった。時間はかかり、ミスも多い。

  原因が分かっているサワーは自分を責めた。内政も作戦立案も任される自分がこれではいかんと。エルに惑わされず集中しようと思うサワーだが、エルの前ではその決心も役に立たない。その爆乳を見れば、欲望が昂り抑えられなくなってしまう。自責の念に駆られつつも、サワーは毎日、何度もエルの乳にむしゃぶりつき射精した。

  幸い、ムジカの政治家はサワー以外無能である。仕事の速度の低下に気付く者はいても、精度の低下に気付く者はいなかった。サワーにとっては不十分な内容でも、彼らはサワーの書類を構わず受け取った。

  だが戦争の作戦立案については、そうはいかない。国の命運がかかっているのだから、最良の策を考えなければならない。しかし、ここ数日は思考低下と時間不足によって、最良とは言えない作戦を提出してしまった。

  (ただでさえ危機的状況だというのに、私は・・・・・・しかし、どうしてなんだ?)

  サワーの計算では、10日足らずでガギュウの軍勢がムジカの王都に攻め入ると思っていた。最良でない作戦を提出したため、もっと早く侵攻されるとさえ思っていた。だが、ガギュウの軍は決して深入りしてこない。それ故にこちらも大きな打撃を与えられないのだが、王都はまだ侵攻を受けずにいた。

  (どういうことなんだ?様子見にしては長すぎる。こっちの自滅を待っているのか?確かに、王の悪政で首都も治安が悪いが・・・・・・こちらの軍は数は少なく指揮も低い。私なら、下手に長引かせずに攻め入るが)

  サワーは疑問を感じながらも、作戦を考える書類に書き込んだ。いつの間にか机の前にいたエルがそれを取る。サワーの目は、しっかりと巨乳に向けられた。

  (落ち着け。まだやらなければならないことが)

  サワーは残った書類の山に手を伸ばす。淫欲が復活しない内に終わらせようとしたが。

  「サワー殿」

  エルがサワーの正面に立った。

  相変わらずの無表情で、サワーを見下ろしている。

  エルはサワーの性処理を行っているが二人の仲が親密になったとは言い難い。エルは無表情を崩さず、必要最低限のことしか言わない。サワーが話しかけても、素っ気ない返事をするだけで会話は続かなかった。情を持たず、性処理を業務の一つと考えているのだろうと、サワーは推理している。現に今も、鋭い視線を向けたままだ。

  「な、何かな?」

  たじろぐサワーに、エルの腕が伸びた。

  「えっ!?ちょっ!?」

  エルはサワーを抱えてベッドに向かい、寝かせて覆いかぶさった。鼻先が触れそうなほどの距離で見つめ合う。乳肉が胸にあたり、サワーの股間は即座に硬化した。

  「言わねばならぬことがあります」

  差すような視線で射抜かれ、サワーの緊張が高まる。性処理を行う前とは思えないが、乳の感触と女の香りを嗅げば、勃起は収まらない。

  「私はガギュウのスパイです」

  「え?」

  突如、自分は敵と宣告された。魅惑の女体に押し倒されていることもあり、思考は定まらず混乱する。

  「貴方の作戦を、ガギュウに伝えていました」

  「な、そんなこと、あるはずがない」

  サワーは何とか思考を働かせた。状況を整理すれば、エルがスパイである確率は低い。

  しかし、サワーの思考を先読みしたかのように、エルは口を開いた。

  「ムジカは王の悪政により、兵の士気は低く国境の警備は緩い。しかも深刻な物資不足でもあるため、輸入を規制することも出来ない。私を含め、多くのスパイが侵入しました」

  エルの吐息を浴びながら、サワーは説明に聞き入った。

  「時間を掛けて、私は貴方の付き人の役に就きました。それから、貴方の情報を外にいる仲間に伝えました」

  自分が作成した書類をエルが外の衛兵に渡す時だ。つまりは衛兵もスパイである。一人なら無理でも、協力者がいれば出来る。

  「しかし、それなら、ガギュウの軍勢は勝ち進むはずだ」

  「ガギュウ軍が連勝すれば、疑い深いムジカ王はスパイがいると判断するでしょう。それを避けるため、ガギュウは積極的な攻撃を行いません。しかし貴方の作戦を知っているので、被害を最小限に抑えつつ行軍できた」

  ガギュウ軍の不可解な行動の真意は分かった。だが疑問はまだある。

  「そんなことをして、ガギュウになんの得があるというんだ。無駄に戦いを長引かせているだけじゃないか」

  「ガギュウ軍はムジカに攻め入る必要はありません。王都を落とすのは、ムジカの民です」

  「何?」

  「ムジカの民たちは貴方が牢獄に入れられてすぐに、レジスタンスを結成していたのです。私たちは彼らと接触し、協力することとなりました。まともな武器はありませんが、数は多く士気も高い。彼らが一斉に蜂起すれば、城は落ちるでしょう」

  サワーの脳裏に、首都に住む人々の顔が浮かんだ。

  彼らは王の悪政に不満を抱いていた。武装蜂起をほのめかしたこともある。サワーは彼らを説得し、内乱が起きないよう尽力してきた。

  「貴方と話す機会が無くなったため、彼らは蜂起を決心したようです」

  「そう、か・・・・・・」

  自分の力が足りないために、民に武器を持たせてしまった。多くの国民の血が流れることになる。サワーは王や民を責めず、自身の力の無さを責めた。

  「それで、どうして君は、それを私に話したんだ?」

  「貴方から聞き出すためです」

  エルの鼻先が、サワーの鼻先に触れた。

  「ムジカ王は国民から採取した金品財宝を隠しているようですね。その在処を教えてください」

  「出来ない」

  サワーは迷わず答えた。

  このような状況に陥っても、サワーはムジカ王に反旗を翻すことは出来なかった。

  「主君が堕帝でありながら忠を尽くす。愚かですが見事です」

  エルは上半身を起こした。

  サワーは息を吸った。

  大声を出せば、外の衛兵に聞こえる。衛兵も定期的に後退しており、今日の当番はエルの協力者ではないかもしれない。

  この話を全て王に伝えれば、彼を国外へ逃がすことが出来る。

  サワーは叫ぼうとしたが。

  「んんっ!」

  口を塞がれた。エルの唇によって。

  口づけをしているとサワーが理解した時、興奮が再燃して勃起が復活する。

  エルは唇同士を密着させたまま、動きが全くない。鋭い目つきでこちらを見下ろしているだけだ。エルを引き離して叫ぶべきだが、サワーにはそれが出来なかった。エルとの口づけに幸福感を抱いていたからだ。

  エルはサワーの性処理を行ってくれたが、乳肉を自由にむしゃぶりつかせ、肉棒を刺激するだけだった。性器同士の結合はもちろん、口づけなどはしていない。口づけの欲求がサワーに生まれるも、恋人でも娼婦でもないエルに求めることは出来なかった。

  しかし今、エルの方からキスをしてくれた。理由はどうあれ、その事実が幸せだった。

  やがて、サワーの口内に滴が落ちた。エルの唾液だ。繋がった口から甘く暖かい液体が流れ込んでくる。それを飲み込んだ瞬間、サワーは欲望に則りエルの口内に舌を入れた。

  エルは拒まなかった。自身の舌をサワーの舌に絡みつかせる。互いの舌を舐め合うかのように。

  「んぐっ」

  お返しと言わんばかりに、エルの舌が吐息と唾液を纏ってサワーの口内に侵入してきた。エルの舌は縦横無尽に動き回り嘗め回す。サワーはエルの愛撫を受け入れ、口内を犯される感触に酔いしれた。

  粘着的な音を荒い呼吸音が響く熱い口づけ。それを続けながら、エルはサワーのシャツを掴み、爪で引き裂いた。ズボンも下着ごと脱がし、自身のスパッツも脱ぎ去る。

  長く続いたキスがようやく終わり、エルが上半身を起こした。名残惜しくサワーが見上げると、エルはスポブラを脱ぎ爆乳を露にし、体を倒して乳房でサワーの頭を挟んだ。そしてサワーの肉棒の切っ先を、自身の膣に当てた。

  亀頭が膣に舐められる。舌の感触とは違う。これだけで身震いするほどの快感が走った。

  夢にまで見たエルとのセックス。それが今、始まろうとしている。

  しかしエルはそこで動きを止めた。

  (肉体で、篭絡するつもりか)

  情報を吐けば体を重ねる。単純かつ効果的な方法だ。

  エルがそんな手段を取るとは思わなかった。整った顔立ちと爆乳を有するものの、その肉体は屈強で雄々しい。しかも常に無表情で、可憐な笑みや甘い言葉など使わない。

  娼婦ではない、兵士の誘惑。もっとも、自分はその兵士の肉体に興奮しているのだが。

  (負けるわけにはいかない)

  爆乳の柔らかさによって発生する欲望を、心身にしみ込んだ忠誠心で押し殺し口を紡ぐサワー。

  直後、想定外のことが起こった。

  エルは腰を落とした。サワーの巨根が、一瞬でエルの中に消えた。

  「ぐうぅっ!!??」

  次の瞬間、サワーの肉棒に衝撃が走った。

  凄まじいまでの快楽だ。エルの胎内は猛烈な力で締め付けつつも、膣壁は柔らかく暖かい。更には意志を持っているかのように蠢いており、肉棒を扱き揉み上げる。正に、セックスの為の器官だった。雄の精子を吸い出し受精するために特化している。それはつまり、雄に絶大な快楽を与えることを意味する。

  「あっ!!あっ!!あっ!!ああぁぁぁ!!!」

  挿入しただけで腰は振っていないが、射精に十分すぎる快楽だった。熱い本流が睾丸からこみ上がり、尿道を駆け抜けて大口を開けた鈴口がら噴き上がった。

  太い激流は量も勢いも凄まじく、エルの胎内を一瞬で満たす。それでは飽き足らぬと、膣は更に蠢いて射精を促した。

  サワーは腰を突き上げ射精を続けた。手や口、乳を使った性処理とは比較できないほどの快楽だった。肉棒には常に快感が走り、射精は終わらない。股間から発生した快楽は全身に広がり、心身が満たされていく。

  エルの肉体に惚れこみ彼女とのセックスを渇望していたサワーは、歓喜に震えた。眼前の爆乳に向かって喘ぎながら、精を吐き出し続けた。

  しかし、不意にエルが腰を上げ、サワーのペニスが膣から抜けた。解放された肉棒は白濁液をエルの尻に放つと、射精を終えてサワーの腹の上に倒れた。精液と膣液で濡れた肉樹は未だ勃起を維持しており、刺激を求めて震えている。既に根元まで精液がこみあげており、発射の準備は整っていた。

  「ムジカ王の財産の在処は?」

  言わねば続きはしない。

  そんな駆け引きの言葉はもう不要だった。

  「ばっ!場所は―――――」

  知らなければなら耐えられただろう。しかし、一度でもエルとのセックスの快楽を知ってしまったならば、耐えられるはずがない。

  エルとのセックスを堪えるなど、もはやサワーには不可能だった。

  サワーはムジカ王の財産の隠し場所を言い終えると、エルは再びサワーの肉棒を飲み込んだ。

  「ぅあっ!!」

  すぐに肉棒は射精を再開した。

  そしてエルは、腰を振り始めた。ゆっくりと、サワーのペニスの脈動に合わせて腰を上下させ、更に激しく精を搾ろうとする。

  「あああっ!!!はああああ!!!」

  射精の勢いが増して快楽が増大し、サワーは悶えながら叫ぶ。その声は全て、エルの乳肉の海に吸い込まれた。

  「大臣たちも財産を双頭溜め込んでいましたね」

  「いっ!!言う!!言うからぁ!!」

  言うからやめないでくれ。

  もっと続けてくれ。

  この快楽を私く与えてくれ。

  快感に支配されたサワーは、セックスの継続を求めてエルの質問に全て答えた。大臣たちが違法な手段で溜め込んだ金銀財宝の場所を全て話す。

  心身にしみついた忠誠心も、遺伝子に根付く本能には敵わなかった。

  半時ほどが経過した。

  サワーは精液とともにエルが欲した全ての情報を吐き出した。

  睾丸は空になり、もう射精は出来ない。エルも腰を止めた。

  「あぁ・・・・・はぁ・・・・・・」

  欲情の火は消え快楽が引いていく。しばし満足感と疲労感に身を委ねていたが、冷静さを取り戻したサワーは絶望感に駆られた。

  自分は欲望に負けた。忠義を捨て目先の快楽に走った。

  涙が溢れた。嘆く自分の姿も最早滑稽でしかない。

  そんな自分をエルは、真顔で見下ろしている。蔑みや哀れみ、優越感といった感情は読み取れない。ただただ黙ってこちらを見つめている。

  欲情を誘う爆乳を見上げても、今は全く興奮しなかった。

  「もう、用済みだろう。殺せばいい」

  生きる気力を失ったサワーはエルから顔を背け言った。

  ムジカにとっても、ガギュウにとっても、今の自分に価値はない。

  エルの手が顔を掴む。サワーに抵抗の意思はなかった。

  「むぐっ!」

  エルはサワーの顔を両手で挟み、再び唇を奪った。

  「ぐっ!」

  舌が再びサワーの口内に入る。小さな錠剤を舌先に乗せて。サワーはそれを飲み込んだ。

  「貴方の所存ですが、我が国でも意見が分かれています」

  キスを止めたエルは、唇が触れる距離で話し始めた。

  「我が国の王がこの国に攻め入らず墜とそうとしているのは、自軍の兵の消耗を抑えるためですが、それだけではありません。ムジカを南国との貿易の中継地点として活用するためです。ならばムジカを手に入れた暁には、発展させなければならない。そこで王は、貴方を利用したいと考えておられます」

  「私を?」

  「貴方はこの国に熟知しており、民からの信頼も厚く、文官としての能力も高い」

  「しかし、私は・・・・・・」

  「そう、貴方はムジカに忠を誓っている。故に説得は不可能であるため処刑するのが良いという意見もあります」

  エルは上体を起こした。

  「貴方の処遇を如何にするか。私はそれを一任されました」

  「なら、殺せばいい。私はムジカ以外の国に働くつもりはない」

  「そのつもりだったのですが、10日間貴方の仕事ぶりを見たところ、やはりガギュウに欲しい」

  不意に、サワーは下半身に熱を感じた。沸騰したような熱さを感じる。

  「ん!!」

  微かな痛みとともに、萎えていた肉棒が勃起した。いつもより、心なしか太く長く見える。さらには睾丸にも重みを感じる。精液の生産量が増えたため、そこも膨張したのだ。

  巨大な樹木と化したサワーの肉棒は、大きく実った睾丸と共に震え、蜜を垂らし刺激を求めている。

  「さっき飲ませたのは、媚薬か?」

  「副作用の危険性が高い媚薬は使いません。先程の薬は、性欲を滾らせることも、感度を上げることもありません。ただ性器を勃起させ、精液の生産量を増やすだけの薬です」

  エルはそう言ったが、サワーは性欲も昂るをの感じていた。萎えていた肉棒と欲望が復活し、行為を期待して肉棒の露に白濁が混ざる。

  それは薬の効果でなく、エルとセックス出来る状況になったことでサワーが昂っただけだった。

  「私はこれから貴方を殺しにかかります。貴方が死ねばそこまで。しかし生き延びれば、ガギュウに連れていきます」

  「私は、君に、敵わない、だろう」

  「確かに、武術ならば勝負になりません。しかし、この方法ならば貴方にも生き残るチャンスがあります。生き残ってみてください」

  エルは腰を浮かせ、鞘口で切っ先を捕らえる。

  そして先程と同じように、迷いなく腰を落とした。

  肉刀が肉鞘に収まった。

  「ぐあっ!!??」

  突如、サワーの肉体を未体験の感覚が襲った。

  それは紛れもなく快楽。だが規模がまるで違う。先程のセックスとは比較にならないほどの快楽だ。

  原因は膣にあった。膣壁の動きが活発化している。締め付ける力も扱く速度も上がっている。

  更にエルは腰を振り始めた。ペニスの脈動に合わせた動きではない。逞しい両脚の筋肉を最大限に活用し、高速で腰を上下させる。肉棒が抜けそうなほど上げたと思えば、次の瞬間には刀身の全てを飲み込んでいる。

  「はあぁぁぁぁ!!!」

  叫びより早く射精が始まった。膣内でビュクビュクと音を鳴らしながら、サワーの肉棒は精液を吐き出した。溢れんばかりの白濁液が噴火の様にエルの子宮に放たれ胎内を満たす。

  睾丸が空になるほどの量だが、薬の効果によりサワーの睾丸には新たな精液が補充される。よって絶え間なく白濁液が飛び出した。

  雄の精を貪る膣に高速でペニスを扱かれ、その刺激によって股間が爆発したかのような射精を行い、サワーが味わう快楽は計り知れない。そして、その快楽は終わることが無かった。どんなに射精をしても睾丸は精液を産み出し、肉棒は勃起を維持している。エルの体力も尽きることはなく、サワーの射精はいつまでも続く。

  「がっ・・・・・・あぅ・・・・・・かっ・・・・・・」

  余りの快楽に、サワーは声も上げられなかった。身を震わせながら、射精を続けることしかできない。本来ならば苦痛になるほどの快楽だが、サワーはひたすらに快感を味わっていた。

  (あぁ、もう、だめだ・・・・・・)

  悦楽を味わい幸福感に満たされる。同時に、サワーは自身の肉体から力が抜けていくのを感じていた。射精が続くことで、体力はどんどん失われていく。精液と共に生命力を吐き出しているかのようだ。

  腹上死。そんな言葉が脳裏に浮かんだ。エルはこのやり方で、自分を殺そうとしているのだとサワーは悟った。

  脳が片隅で警鐘を鳴らしている。だが抵抗しようにも、力が入らない。最も、この快楽を味わいたいという欲求が強すぎて、セックスを中断することなど出来ないのだが。

  エルはサワーの様子を見下ろしながら、腰を振り精液を、命の源を奪ってゆく。やはり無表情で、どんな感情を抱いているのかサワーには分からなかった。

  (あぁ、もう、死んでいい・・・・・・)

  生命の危機を感じたサワーだが、生きる理由が今の彼にはなかった。

  ムジカを裏切った自分が、ムジカを失った自分が、生きていいはずがない。

  だったら、思い切り気持いい思いをして死のう。

  サワーの視線の先には、エルの爆乳があった。激しい腰振りによって暴れ回り、汗を周囲に飛ばしている。

  必死に手を伸ばすが届かない。するとエルがサワーの手を掴み、自身の爆乳に導いた。

  エルの乳肉に手が埋まる。その柔らかさと弾力を楽しむと、射精の勢いが増した。

  サワーの手に自身の手を重ねて乳を揉ませ腰を振るエル。その口角は、僅かに上がっていた。それには気づかず、サワーはエルの乳に感動さえ覚えつつ射精を続けた。

  体の力は抜けていくが、ペニスは生命力に満ち溢れ、力強く勃起して休むことなく精液を放ち続けた。

  夜明けが近づいたころ。

  ベッドの上でサワーは指一本動かせず、手足を投げ出していた。大量の発汗と射精で脱水症状にあり、口内は渇き声も出せない。疲労で体が重く、寝返りを撃つことさえ出来ない。呼吸も弱く、何とか息をしている状態だ。

  しかしペニスは勃起したままだ。残った力の全てを股間に集中させているかのようだ。その肉棒は、未だにエルの胎内にあった。勃起したままだが射精は止まっている。時折、エルの胎内で空打ちをしてビクビクと激しく振動していた。

  (あぁ・・・・・・エル・・・・・・)

  サワーは、エルを見上げた。自分を罠にかけた女戦士に対し、サワーは憎しみや怒りは抱いていなかった。

  (もっと・・・・・・してくれ・・・・・・)

  今のサワーは、ただただエルとのセックスを求めていた。

  (まだ、死にたくない。もっと・・・・・・)

  自国を失うことに絶望し死を望みつつも、1秒でも長く生きてこの快楽を味わいたいと思うほどに。忠臣であるサワーだが、彼の中では最早ムジカよりもエルの存在の方が大きくなっていた。

  死んでもいい、でも死にたくない、もう少し。

  矛盾した思考で、サワーはエルを求めた。

  その心を察したかのように、エルは体を倒してサワーの顔を乳で挟んだ。

  大きく実った肉の果実の感触を顔で味わった瞬間、サワーの勃起から無色透明の液体が飛び出た。

  潮を噴いた肉棒は力を失い、エルの膣から抜け落ちた。

  乳肉の海に溺れながら、サワーの意識は闇に消えた。

  風がそよぐ小高い丘の上。

  大きな木の下で木漏れ日を浴びながら、サワーは本を読んでいた。

  続きが気になっていた推理小説だ。展開を予測しながらページをめくってゆく。

  午後は近くに住む子供たちの勉強を見ることにしている。夕方は友人とチェスをする約束だ。

  強い一陣の風が吹いた。紅茶の匂いが鼻をかすめる。

  風上を見ると小さな木の家があり、扉が開いた。

  中から出てきたのはエルだ。

  乳房は初めて会った時より、一回り以上大きくなっている。

  そして、お腹はそれ以上に大きく膨らんでいる。

  新たな生命を宿して・・・・・・。

  その日、ムジカの首都ミミカにて民の反乱が決行された。

  ムジカの軍勢がミミカに到着した時、既に城は墜ち、悪政を続けてきた大臣は討ち取られ、王は処刑されていた。

  同日、ムジカ軍は降伏し、ガギュウの軍がミミカに足を踏み入れた。

  こうして、ガギュウとムジカの戦争は終結した。

  ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

  一か月後、真夏の日差しが降り注ぐ中、かつてムジカの首都であった街は大きく変わっていた。

  人々は忙しく動き回り、活気に満ちている。道路を拡張して整備したり、新しい建物を建てたり、必要となる物資を運んだりと、大忙しだ。働いている人々の大半は元ムジカの国民だ。兵士も今は武器を取り上げられ建築作業を手伝っているが、不満を抱く者はいなかった。

  ガギュウの兵士たちは現場を監督しているが、中には労働に手を貸す者もいた。

  「ふう」

  ムジカの民に混じって木材を運ぶ若い黒毛の牛の兵士も、その一人だ。上半身は裸で、筋肉質の肉体を誇示するように働いている。

  「ちょっと、そろそろ水飲まないと倒れるよ」

  休みなく働く牛を心配し、同い年くらいの熊の女性が声を掛けた。牛に負けず大柄で、やや肥満体系だ。それ故に胸も大きく、シャツがはち切れそうになっている。

  「ああ、どうも」

  牛は日陰に入り、座り込んで水を飲んだ。

  「悪いね、いつも手伝ってもらっちゃって」

  「気にするな、これも仕事だし」

  「お礼あげたいけど、何もないからねぇ」

  「気にするなって」

  申し訳なさそうな熊に対し、牛は朗らかに笑った。

  すると。

  「こっちのお礼でよければ」

  熊は牛の手を取り、自身の乳房に当てた。

  「え、ちょ・・・・・・」

  「今日も待ってるから」

  「あ、ああ・・・・・・」

  頬を染めて誘う熊に、牛はたじろぎながらも嬉しそうに頷いた。

  「じゃあ、そろそろ再開しないと」

  「待った」

  「うおっ」

  牛が立ちあがると、熊はその股間を掴んで止めた。牛のズボンは大きく膨らんでおり、このまま作業に行けば間違いなく勃起していることが周囲にばれてしまうだろう。

  「すっきりさせないと」

  熊は牛の手を引き、路地裏に走っていく。牛は躊躇いつつも、熊に身を任せている。

  「まずくないか?」

  「平気。自由になって嬉しくてさ、結構みんな、盛りあってるよ。さっき向こうで、男前の鹿の兵士さんが、虎の女の人に押し倒されていたし。だから私らも、ヤろう」

  人目のつかないところまでくると、熊は手早く裸になった。豊満な熊の肉体を見ると、牛も辛抱できない。牛も服を脱ぐと、熊に抱きつけ口づけを交わし、巨乳を揉みつつ押し倒した。

  長く続いた悪政が終わり、国の再出発が始まる。人々は希望を胸に前に進み、そして愛を謳歌していた。

  同刻、ガギュウとムジカの国境付近にて。

  国道沿いに聳える山の中腹には、国境防衛のために築かれた山城がある。その城の中には、ガギュウの王ガンと護衛を勤めるレミの姿があった。の姿があった。ムジカの視察に向かうついでに、立ち寄ったのだ。

  「こちらです」

  「うむ」

  兵に案内され、ガンはレミと共に城の一室に案内された。兵を持ち場に戻し、ガンは扉を開けた。

  そこは5メートル四方程度の仕事部屋だ。部屋は狭いが机や椅子は豪華な造りで、壁には絵画が飾らており、窓からは陽光が差し込んでいる。殺風景な牢獄とは違い、快適な空間だ。

  部屋の隅には仮眠用のベッドがあり、そこには二人の男女が裸で絡み合っていた。壮年の山羊の男性が、仰向けの獅子の女性に覆いかぶさり肉棒を膣に挿入している。

  「ガン様!レミ様!」

  壮年の山羊、サワーが驚いて体を起こした。

  「も、申し訳ありません・・・・・・ぐっ!」

  サワーが獅子から離れようとすると、獅子の足が胴体に絡みついた。

  「うっ!!ああっ!!」

  サワーは身を震わせ、射精した。体の力が抜けたサワーは、獅子の体に倒れ込む。

  すると獅子はサワーを抱きしめ、体を起こした。

  「申し訳ありません。ガン様は昼過ぎに到着されると聞いておりましたので。

  獅子の女性、エルは悪びれる様子もなく言い、サワーをベッドの上に下ろし、全裸のままガンの前で跪いた。

  「仕事が早く終わってな。しかし、仕事の合間に情事に及ぶとは」

  「恐れながら、サワー殿は本日のノルマを完遂しております。先程の行為は、午後の業務の前の小休止と考えていただければ」

  「小休止で性行為か」

  「なるほど。良い休憩は良い仕事に繋がりますからね」

  呆れるガンに対し、レミは淫らな笑みを浮かべる。

  エルは無表情で、サワーは何とか立ち上がって服を着ていた。

  「それに、エルとの行為はサワー殿にとって最大の褒美。それをちらつかせれば、サワー殿は猛将の如き働きぶりを見せてくれるでしょう」

  「いや、そんな、私は・・・・・・」

  ようやく服を着たサワーを、からかうようにレミが笑う。

  「レミ、口を慎め」

  ガンがそれを制すると、レミの隣で跪こうとしたサワーを制した。

  「サワー、お前の活躍には助けられている。やはりお前を引き入れて正解だった」

  「もったいないお言葉です」

  ムジカの城が墜ちたあの日、エルから犯されたサワーは辛うじて一命を取り留めた。

  その後、サワーは処刑された王に代わりムジカの代表としてガギュウと交渉し、ムジカの民を導いている。さらには南国との貿易の中間都市としてムジカを発展させるべく、忙しい日を送っていた。建築の知識も豊富なサワーは都市の発展計画に携わり、毎日街づくりに関する妙案を考えている。

  サワーが民を率いて反乱を起こすと危惧する大臣もいるため、サワー自身はガギュウの領土から出ることは出来ない。しかし待遇は良く、不満なくサワーは働いていた。ムジカの民も、悪政から解放してくれたためにガギュウに対し負の感情を抱く者は少ない。兵士たちが略奪や強奪を行わなかったこともあり、ムジカの民は非常に友好的だった。

  「引き続き、期待している」

  「はい」

  ガンとレミが部屋から出た後、緊張が解けたサワーはベッドに座り込んだ。やはり、ガンの威圧感は凄まじい。ムジカの王とは対照的だ。あれが一国を背負う男のオーラなのだろう。

  「疲れているようですね」

  全裸のままのエルがサワーの隣に腰かけ、いたわるように頭を撫でた。

  エルはサワーが不穏な行動を取らないか、監視する役目を担っている。最も、サワーがガギュウに敵対する可能性は極めて低く、護衛や世話係と言った方が正しいかもしれない。

  「いや、大丈夫だよ」

  忠を誓った国は敗北し、王は死んだ。しかも、自分は色仕掛けに敗北した裏切者だ。そんな自分が生きていていいのかの自責の念に駆られることもある。

  だが、ムジカの領土と国民を残して死ぬわけにはいかなかった。今は彼らとともに、希望を抱き前に進まなければ。

  「では、続きを」

  エルがサワーを押し倒した。

  口づけを交わしつつ服を剥ぎ取り、サワーの手を自身の乳肉に導き、勃起した肉棒を膣に収める。

  「むっ・・・・・・ちょ、休憩を・・・・・・」

  「大丈夫とおっしゃったではありませんか。それに、私の乳房をずっと見つめていたくせに」

  エルに指摘され、サワーは口づけに応じた。

  サワーは自責の念に駆られ、自死の衝動に襲われる。ムジカの民は彼を現世に留める要因である。

  だが、彼に生きる気力を与える最大の要因は、エルである。彼女と交わりたいという欲望は、何よりも強い。それが、サワーに“生きたい”という強い思いを芽生えさせていた。

  エルは騎乗位でサワーを犯している。サワーはその快楽に身をゆだね、揺れる乳房を見上げていた。

  相変わらず、エルは無表情だ。彼女がどんな感情を抱いているのか、未だに分からない。

  ただ、疑問に思う。彼女が自分と交わっているのは何故なのだろうか。

  (私の性欲を解消させるためか、エル自身の性欲を解消させるためか。それとも・・・・・・)

  エルは自分をどう思っているのか。

  そもそも、自分はエルをどう思っているのか。

  ただただセックスの相手として見ているだけなのか。

  この歳で、恋心を抱いてしまったのか。

  仕事の合間に、そんなことを考えるようになった。

  (こんなことを考えるということは、私は生きたいんだろう)

  生きたいという感情を噛み締め、サワーは自身の欲望に従った。

  大きな双乳を掴み、腰を突き上げ射精する。

  エルの中に精液を放つたびに、サワーは生きたいという気持を高めるのだった。