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人に話すことではないが、私はあるゲームのタクトと言うキャラが大好きだ。
イケメンで優しくて、ちょっと影のあるキャラクターだ。
密かに夢小説を書いてしまう程度には大好きなのである。
尤も、そんな話が出来るのは腐れ縁のカレンだけだ。
私はオタクで彼氏がいなくて、彼女は少しはオタクだけど、高身長で胸がないと言う理由で彼氏がいない。
今日日は開き直っているのだけど、まぁその話はしにくい。
酔っ払ったときに「カレンが彼氏だったら~」なんて馬鹿な事を言ったら、真剣に「それはないわ」と怒られた。
彼女はああ見えても、着飾るのが好きな子なので、男装……それもタクトのコスプレなんてしてくれないだろうなぁ。
悶々としているところで、ふと着ぐるみの画像を見つけた。
それは女性向けの男性キャラで、恐らく中の人は女性であった。
「この手があったのか!」
と、勢いで、お面を発注し、衣装を発注し、また別の衣装も発注してしまった。
かといって、別にカレンに着せる算段がある訳ではなかった。
アキとは腐れ縁だが、その関係も悪いものとは思えなかった。
乳ばかりデカくて、ちょっと頭の残念な子な訳なのだけどいい奴だ。
そんなアキと部屋でくつろいでいる時に、「"ゲームで勝ったら言う事を聞く"ってやらない?」とアホな提案をしてきた。
自信はあるのでボッコボコにしてやったのだけど、泣きそうな顔をしてもう一戦、もう一戦と突っかかってくるのだ。
もういい加減飽きてきたので。「アキのさせたいことってナンなの?」と尋ねた。
「やってくれるの!?」
突然、顔が明るくなるのはちょっとずるい。
「そんなの聞いてからに決まってるでしょ!」
そう言うと、散々悩みつつ「嫌いにならない?」とか言い出すのだ。
「借金と男絡みはナシだぞ」
「ならよかった」
無茶苦茶笑顔なのが怖い。
そこで取りだしたのが、プラスチック製のお面だった。
それはアキがアホみたいに押してるゲームのキャラクターだった。
アニメ化したときも一緒に見せられたし、どんなキャラかは知っていた。
「これを私に着ろって?」
「カレンなら絶対に似合うから!」
肌色のタイツを握ってにじり寄ってくる。
「無理無理無理無理!」
「なんで?」
「恥ずかしいじゃん」
「恥ずかしくないよ。顔隠れるんだし」
「何より、アンタの前でやるのが嫌だ」
「私とカレンの仲じゃん!」
「だから嫌なんだよ!」
押し問答が続いたのだが、結局、ゲームに勝ったのは私なのだから無理だと言って終わった。
アキはいささかデリカシーのない女だからな。
そう自分に言い聞かせたが、アキの落ち込みようは酷かった。
「なんなの? そんなに好きなら自分で着たらいいじゃない」
「衣装、カレンのサイズだし……」
「自分のサイズで買えよ」
「だって、着たら自分じゃ見えないじゃん。抱きつけないじゃん」
「抱きつくつもりだったのかよ!」
「え、嫌?」
「嫌……じゃないけど、なんか怖い」
「怖いことないよ」
「アキの事だから何するか分かんないんだよ」
「じゃぁ、何もしないから! ハグだけだから!」
「なに、その先っちょだけだからみたいなの」
「私、ウソ吐かないから!」
「今まで散々吐いてきたじゃねぇか!」
押し問答は終わらない。
アキの落ち込んだ顔は見たくないし、このままで終わるのも何か後味が悪い。
「しょうがねぇな!」
「えー! やったー!」
「だけど、何もするなよ! ハグは五秒までだ!」
「わかった!」
やたらに元気のいい返事だ。
「じゃぁ、裸になって」
「え、Tシャツとかじゃダメなの?」
「だめー」
「恥ずかしいだろ」
「散々、一緒に風呂入ってきて今更ないでしょ」
そう言われると仕方ないが、しかし、今日は何か異常にぞわっとするものを感じる。
服を脱ぐところをじっと見ていられると嫌なのだ。
「じゃぁ、アキも脱げよ。それならあいこでしょ」
「何言ってるの? いいけど」
流石に拒否ると思ったけど、あっさりと了承されてしまった。これ、ひょっとしたら、着ぐるみ着ると言うだけでナンでもしてくれるのかも知れない。
「今晩メシ奢ってよ」
「それはだめー」
どういう基準なのかよく分からない。
下着姿になった所で、肌色のタイツに足を通す。
ぞわぞわっとした感覚が足先から背筋に走った。
これ、ひょっとして無茶苦茶肌触りがいいのか?
私が躊躇っていると、「どうしたの?」と尋ねられるので、「何でもない!」と一気に足を通した。
ヤバイ、なんかむっちゃ気持ちいい。
パンストを履くみたいに、広げて内側をワシワシやってみたのだけど、ちょっと癖になりそうだった。
感無量で、臑とか脹ら脛を触ってしまう。
「ひょっとして、好きになっちゃった?」
「それはない」
いや、それはあるのかも知れない。
アキに急かされるまま、タイツを着るのだけど、手先から足先までが気持ちいい。
タイツを伸ばすフリをして、身体の彼方此方を撫で回していた。
アキは私そっちのけで、衣装の着付けに取りかかった。
そんなに複雑な衣装ではなかった。でも、やっぱり男物と言うのに抵抗感がある。
あいや、別にユニセックスの服も着るのだけど、私はフェミニンな服が好きだった。
小さな頃から背の高い方だったので、可愛い衣装を着ると男子から笑われたものだ。そんな時、男子に言い返してくれたのがアキだった。
衣装を着替えて、お面を被る。
視界は思ったよりも悪い。目のスリットからちょこちょこっと覗くばかりだ。息もわりとしんどい方である。
アキは、感動の余り声を失っていた。
両手で口を塞ぎ、涙が溢れ出そうだった。
何もそんなに感動しなくても……とは言え、着ぐるみは喋らないものだと思ってるし、タクトの声の方が良かろう。私はだまってポーズを決めた。
泣きそうになりながらというか、泣きながら、「ハグしてください……」と言うのだから、ハグをした。
私から抱きしめてやると、アキはぎゅっと抱きしめ返してきた。
五秒と言ったが、こんな風ならまぁ二、三分は許してやろう。
少し身体を揺らしてそのままの姿勢でいた。
それからアキは自然に離れたので、「もういい?」と言うボディランゲージをした。
アキは感動のあまり、そのままうんうんとしている。
「はぁ疲れた!」
私がお面を脱ぐと、寂しそうな顔で指先を握りながら、「ありがとう……あの、あのね……また着てくれると嬉しいかなって……」
と、顔を赤らめている。下着姿でそれはなんかマズイ絵だ。
「えー」
と返事をしたのだけど、またこのタイツの触り心地を楽しめるなら、まぁ悪くないなと思った。
あの感動の日から二週間、部屋からそう遠くない公園でコスプレイベントが開かれた。
カレンもぶつくさ言いつつ参加を了承してくれた。
会場でタクトが出てくると、もう、感動せざるを得ない。
また感無量になってしまう。
ヤバイ、イベント会場だ。ハグをしたまま動かないとか、絶対にマズイ。
私は胸の高鳴りを押さえながら、手を繋いで公園を歩いた。
ツーショットの自撮りを何枚も撮る。全身を写したいので、少し離れて撮る。横顔、ローアングル、いろいろとスマホで撮影していく。
他にも着ぐるみの参加者はいたけど、私は別に興味がなかった。
私とタクトも、普通の男女カップルと思われたのか、相手から接触する事も無かった。
着ぐるみ自体に人気がないのか、男キャラのウケが悪いのか、それとも彼氏彼女の関係と思われたのか、数回撮影を頼まれたけど、それ以外は特に誰とも絡む事は無かった。
その時、「彼氏さんですか?」と尋ねられたので「そうですよ」と答えた。今思えばナンパのつもりだったのかも知れない。
帰りの時、「タイツは自分で洗うよ」とカレンに言われた。
「そんなの悪いよ」
「いや、なんか、むっちゃアキにハグされたし、匂われたら嫌だ」
「そんな変態なことしないよ!」
着ぐるみ一式は一緒にしておきたかったので、断ったのだけど、ふと思えば、この着ぐるみカレン専用だ。
カレンの家に置いておけばいいじゃないかと思いついた。
「あー、じゃぁ、一式置いておいてよ。クリーニング代は出すからさ」
そう言うと、カレンは少し悩んで「分かった」と答えた。
翌週、カレンの家に遊びに言っていいかと尋ねると、「どうせ、タクトに会いたいんだろう」と図星を言われる。
「まぁいいよ」
含みを持たせて了解される。
家に行くと、タイツがハンガーに掛かっていた。衣装はクリーニング屋から戻って綺麗にお面と一緒になっていたのに、片付けないんだと思った。
別に変でもないなと思って、着ぐるみを着てくれるのを待つ。
「現金な子だねぇ」
カレンが私に悪態を吐く。
「私はタクトに会えればいいんだよ」
「デリカシーがないねぇ」
着替えが終わってハグタイムである。
この前とその前では、感動のあまり気付かなかったけれど、このタイツ、地味に肌触りがいい。
頬を撫でて貰った時に、ぞわっときた。
私がベタベタと触っていると、タクトも抱きつきながら、背中を撫でてくれる。
あ、これ、やっぱり下着姿が正しい。
そう思って、そそくさと脱いでみた。
流石にカレンは何か言うかと思ったけど、黙って見ていた。
タクトの前で下着姿になるって、ひょっとして、えっちなのでは?
そんなことを考えつつ、抱きしめられ、タイツの感触を味わった。
もう、こうなってしまえば、タクトは私のものだ。
なんか、妙に興奮してしまい、「おっぱいさわってもいいんだよ?」と言ってしまった。
タクトは悩むような演技をして、でも大胆な性格なので、思い切って胸を触った。
私は頭がバグってしまって、ブラまで外した。
ああ、タクトに抱かれている!
そう思うと、もう、色々な事がどうでも良くなった。
私は週末、タクトとよろしくやってるんだぞと。
何か全能感に襲われた。
ショーツまで脱いでタクトと抱き合っている。
股間が熱くなるのを感じる。
イベントでは、アキがかなりテンションを上げていた。
しかし、「彼氏ですか?」に「彼氏です」と答えた胆力が凄い。
とは言え、丸一日恋人繋ぎをしていると、それはそれで悪くないのかも知れない。
男である演技を続けると、気持ちも男になるのかも知れない、アキがちょっと可愛く見えてきた。
それから、着ぐるみ一式を預かることになったのだけど、これは家でずっとタイツを味わえるのだなと、内心喜んだ。
タイツだけだとちょっとマヌケなので、結局、タクトを着て過ごす事になる。
男の格好をしているから、女の子座りは流石に出来ず、ポーズをそれなりに考えるようになる。
そう言えば、イベントでちゃんと男らしく出来たのだろうか? 急に恥ずかしくなる。
それから着るのはかなり真面目に着るようになった。
尤も、ひっそり着ているだなんてバレると、アキから何と言われるか分らない。
取り敢えず、週末に間に合うようにクリーニングに出し、自分用の衣装を発注してしまった。
タイツの肌触りには抗えず、結局何度かオナニーをしてしまった。
声を殺してのオナニーと言うのは、なかなか興奮するのだなと思った。
さて、そういう状態でアキがやってきた。
多少ベタベタされてもいいかと思ったのだ。
ハグを続け、手つきが嫌らしくなってくる。とは言え、自分も気持ちがいいので、それはそれとして受け入れる。
アキは途中から胸を揉んで欲しいと懇願し、自分がタクトなら迷わず揉むだろうなと言う判断から、それをこなした。
アキは増長し、最終的にすっぽんぽんになってしまった。
これは不味いなと思いつつ、自分の股間も熱くなっている。
怖くて、アキの股間辺りが見られない!
そうこうしているうちに、アキの手がタクトの股間に伸びる。
そこにちんちんはないぞと思いながら、しかし、あったらあったで興奮するなと思った。
服越しながら、アキの手つきがいやらしく、気持ちはどんどん高ぶってしまう。
私も衣装を脱ごうと思った。
そうしていると、アキも手伝ってくれる。
胸がはだけると、アキは私のない乳を揉んでくる。
ヤバイ、声が出そうだ。
私もアキの股間に手を伸ばす。
もう、ぐちゃぐちゃになっている。
アキが好きなのはあくまでもタクトだ。
そう思いながら、二人でベッドインした。
まぁ、それでもいいのかなと思った。別に、私はアキの身体を求めている訳じゃないんだし。
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