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僕は、オタクが集うタイプの飲み屋さんに通っていた。居心地がいいし、友達ともちょこちょこ出会うし、初見の人でもオタクっぽい会話をしたところで、気まずい雰囲気にはならない。
その日は、会社でちょっとミスをしでかして、自分に対して腹立たしさを抱いていた時だ。
今日は金曜日という事もあり、ちょっと深酒をしていた。
カンターの隣に座った男と、由なし事をだらだらと話していたのだけど、「いやぁ、正直、生まれ変わりたいですね。あの、転生アニメみたいに――折角なら可愛い女の子がいいなぁ」と口走っていた、前段として、初音ミクが好きだという話をしていたので、男は「じゃぁ、初音ミクになりたいとか思います?」と言うので、「僕、こんな顔だし、女装とかはナシですよ。あと、身長170ある初音ミクも嫌でしょ?」と、予防線を張ったつもりでいた。
男は、「身長差とか結構萌えるんですけどねぇ」と言いつつ、「いいもの送りましょう」と答えて、男は店を後にした。
それから、僕は眠りに落ちてしまい、お店には本当に申し訳ないけど、始発が始まるまで店でぐだぐだしていたのだ。
部屋に戻り、シャワーを浴びると、二日酔いで頭がふらふらしている。
言い様もない吐き気と頭痛に襲われたが、どうも、あの言葉が意識を手放さなかった。
散々吐いて、薬を飲んで、しつこく熱いシャワーを浴びると、夕方近くにはマシになってきていた。
そんな最中でも、「初音ミクになるのか……」と具体性のないが、しかし概念が心を鷲づかみにした何かがくすぶっている。
そんなときに、宅配便である。結構ずしりとした箱と、軽い小箱が届く。
「男に住所なんて教えていないのに……」
何の根拠もなしに、箱の中身を"いいもの"と思ってしまう辺りが、完全に毒されていたのだと思う。
ガムテープをひっぺ剥がし、重い箱を開けると、シリコン状の塊が入っている。軽い方は、初音ミクの衣装である。
とりあえず、例の塊を引っ張り出してみると、人の形をしているし、顔は初音ミク、そして、髪の毛は青緑色をしている。
いや、これは小さいんじゃないの? と言うのが第一印象だ。身長は160センチぐらいで、公式の158センチに近い。
背中を見てみると、何か、ローションのような物で満ちていて、中は職種のような物がうごめいている。
第一印象は「気持ち悪いな」であったが、しかし、どうしても、これを無視する気持ちも起こらなかった。
服を脱いで、全裸になって、足を突っ込んでいく。
もの凄くキツイ感じがするのだけど、しかし、粘液のお陰でするすると入っていく。そして、皮自体は信じられないぐらい伸びるので、多少無理な着方をしても問題ないようだ。
ぬちゃぬちゃとした感触が全身を纏わり付いてくるだが、存外気持ちいい。
両腕を通して、顔を被る。顔は、これ、本当に大丈夫なのか? と思える突起が、口の中に付いていて、どうも、これがチューブになっていて、それで息をするようだ。
まぁ、どーせ、自分が嫌になっていた頃だ。こんなのを着ている状態で死んだなら、それはそれでこの俺の半端な人生に、一時のお笑いを世間に振りまけたと言うだけじゃないか。
勢いを付けてチューブ――と言うか、肉的な管を口に咥え、そして後頭部を開き、頭をぐっと押さえる。
最後に、ファスナーを下げていくのだけど、「俺、こんなに身体柔らかかったっけ?」と思える程、スムーズにファスナーを下ろすことが出来た。
姿見に映すと、やはり、皮を着ただけのなんか中途半端な着ぐるみコスプレのようになっていた――のだが、突然、口に咥えた管が、ぐっと喉の奥の方へと侵入してきた。
喉がボコボコと脈打つのが分かる。
「ヤバイ!」とファスナーを探す。髪の毛に紛れて見つけられない。
頭をガサゴソやっていると、「見つけた!」と言う勢いで、一気に下ろすと、ファスナーの本体だけがベリベリと剥がれて掌に残った。
喉に侵入するチューブは、もう、身体の奥の方まで来ているようだった。
その後、全身を締め付ける痛みが走る。
骨がきしむような感覚が走る。
目を鏡に向けると、皮は張りを増し、身体の男らしい凹凸がなだらかになってきている。
そうすると、何か、胸からこみ上げてくるものを感じ、トイレは駆け込む。赤黒い液体である。
ゲーゲーと吐き出していると、その苦しむ声が、徐々に変化しているのが分かる。そして、同時に、身体の痛みが和らいでいくのを感じるのだ。
一通り吐き終わり、顔を洗う為に洗面台に向かうと、洗面台が高いのが分かる。なんだ、これは。
顔を拭くのはとりあえず、タオルで口周りを拭き、姿見の前に戻ると、なんと、ちんまりした大きさの初音ミクが立っている。
「え、ナニコレ凄い」
単純な感想だった。
全裸の初音ミクを堪能したが、しかし、これが自分の身体だとなると、こんな格好でいるのも不味いだろう。
と、いうことで、もう一つの箱の初音ミクの衣装に袖を通す。
まさに1/1のサイズで作られた衣装は、公式を丸写ししてあるようなクオリティであった。
軽く身振り手振りで踊ってみると、テキトーに動いたのに、それらしくなっているし、そして鼻歌ぐらいで歌った歌が、可愛い声に乗って聞こえているのだ。
もう、こんな姿を見ると、小躍りするしかない。
と、気を緩めた瞬間、今度は、股間に衝撃が走った。鈍痛が下からぐっとこみ上げて、腹の辺りに染み渡っていくような痛みである。これが、定期的にやってくる。
パンツを下ろし、スカートをまくし上げると、何か得体の知れない寄生虫がいるように、お腹の辺りが蠢いている。
「ひやぁ」
怯える声も可愛いが、そんなことよりも、自分の事だ。
何かがせり上がってくるのが分かる。
「何か来ちゃう!」考えていないのにもかかわらず、そんな可愛い言葉が口を突いて出てくる。
「んっ! 嫌! あぁぁ……」
身体が跳ねるように痙攣した。壁に倒れ込むと、下半身を丸出しにした初音ミクがビクビクしている。
ちょっとした快感だった。そして、何にもなかったと思われる股間に、パイパンのおまんこが現れているのが分かった。
これはもしかして……と思い、指を股間にやる。クリトリスに触れた瞬間、「キャッ!」と叫ぶミクちゃんがいる――自分だが。
触った瞬間の衝撃は、驚くべきものだが、余韻は気持ちよく、癖になる感覚だ。
丹念にこれをいじっていると、またこみ上げる快感が表れた。
「あんっ! また来ちゃう!」
嬌声を零しつつ、やってくるだろう快感の頂点に期待する。
「あっ! あっ! あっ! 来た!」
との瞬間、股間に「ズル!」っとした感覚と、快感の迸りを感じる。
「おちんちん生えちゃった!」
息が落ち着かない中、快感に身を震わせるが、しかし、おちんちんの存在は見逃せない。
小さな手で、この肉棒を振れる――鏡を見ると、小さなミクちゃんのおててが、自分の股間に生えたグロテスクな逸物に触れている。
もう、その絵面だけで、一つの波が押し寄せた。
「出ちゃう!」
何の予備動作もなしに、びゅるびゅると、そして人間離れした量の精液がまき散らされた。
「止まらない~!」
叫ぶ中、血圧が下がっていくのを感じる。ブラックアウトだ。
気がつくと、真っ暗闇の中にいる。
何か、狭い箱の中で寝かされているのは分かった。
両腕両足と首がスポンジの様な物で固定されている。また、全身にビニール袋が被されているようである。身体の周りには緩衝剤が入っていて、こんな状態で、よく窒息しないなと思った。
考えてみれば、窒息どころか蒸れも発生するだろうが、その手の不快感は一切なかった。
「よっこいしょ」とかいろいろな声が聞こえ、そして箱の隙間が明るくなったり、また暗くなったりする。
「ピンポーン」
誰かの家に運ばれているらしい。
女性の声が聞こえ、判子のやりとりが終わったらしく、そして、部屋の奥まで運び入れて貰った。
配達員の気配がなくなると、早速、この女性が開梱する。
箱を開け、緩衝剤を取り除き、手足の束縛を解いて、そして起き上がらせたところで、包みを剥いだ。
「わー、ミクちゃんだ~! 初めまして。私がオーナーのマチよ。これからよろしくね」
状況は一切つかめていないが、どうも"売られた"っぽい。まぁ、どのみち、この姿に満足しているし、元に戻れないならとあっさりと考えを転換し、「マスター。よろしくお願いします」と挨拶する。
マチは、「では早速」と私のスカートをまくし上げた。
「わぁー、ふたなりミクちゃんだ~」
自分で見るのも恥ずかしいが、だらりとしたおちんちんが、縞パンをもっこりさせ、そして、右足の付け根付近からひょっこりと亀頭が見えていた。
見られていると思うと、股間に熱が籠もる事が分かる。
「私に会えてそんなに嬉しかった?」
成長するおちんちんを見ながら、マチは笑った。そして、「じゃぁ、触ってみようかな」と言うので、パンツはずり下ろされ、すぐに手コキが始まった。
「マスター! あっ! 嫌!」
「えー、こんなにビクビクして~?」
初音ミクの声で嫌がっていると言うだけで、自分で自分を興奮させてしまう。
そうしていると、もう、意識が飛ばんとせんとする程、心拍数が上がっていく。そして、「出ちゃう!」と言った瞬間、精液の程走りを股間で感じつつ、身体は脱力していく。
「わ~、こんなにびゅるびゅる出して、ミクちゃんえっちだねぇ」
マチは上機嫌であった。
そのあと、接触のやたら多いまま、一緒にシャワーを浴びて、パジャマを着せられて、そして、ベッドに入る。
シングルベッドなので、狭いのだけど、ぎゅっと抱きしめてくれるから、身体の不安定さに心配する必要はなかった。
翌日、自分のおちんちんが朝立ちしているのに気付く。
縞パンの上からおちんちんが顔を出しているのだ。
「どうしよう」と言う顔をしていると、マチは満面の笑みでのぞき込んできて、「ミクちゃんの初めてを貰ってもいいかな?」と言い出した。
拒否することなど出来ないだろう。
正常位で中に入れて、「じゃぁ動くよ」と言われた時点で、もう漏れそうになっていた。気合いで我慢するけど、我慢する時の吐息や声が、どうも可愛くて、自分自身を盛り上げてしまう。
「マスター! でちゃう!」
と言うと、「え!? まってぇ」と色っぽい声で止められる。が、止まらない。
中に存分に出すと、マチは「わぁ。ミクちゃんのがいっぱい入ってくるよ」と無邪気に喜んでいた。
「次は満足させてよ?」と言われ、そして、お仕事に取りかかる。
彼女は、こう見えても作曲家で、それなりに知られた曲を初音ミクで出している。
「こうして、ナマで歌って貰えるとたすかるわ」と言うのだ。
小さな一人用の録音ブースに入る。
マスターがうなじをかき分けると、首裏に何かケーブルを挿した。
そして、パソコンに戻り、カチカチと操作すると、頭の中に楽曲が流れ込んでくるのが分かる。
素敵な曲だというのは、歌う前から分かっていた。
「マスター、こんなにいい歌、ありがとう!」
マチは照れたように笑うと、じゃぁ、始めるよとブースの扉を閉める。
それから、歌っては手直しし、そして歌うと言う事の繰り返しを続けた。
同じフレーズを何度も歌う事もあったが、飽きは来ない。
一日掛けて、曲も仕上がり、最終盤をアニメーション担当の人に送って、マチの仕事は終わった。
「お疲れ様! これから暫く楽になるから一緒に遊ぼうね?」
その晩は、マチの止めどのない性欲を、一身に受けることになったのだ。
そんな日が続けば、少しはセックスに慣れてくる。マチを満足させられる様な手応えも感じつつあった。
マチが喜ぶ顔が嬉しく思えて、もっと頑張りたくなるのだ。
そして、ある日、二つの段ボールが届いた――この大きさに既視感がある。
「やっと届いたんだー!」
マチが喜んでいるが、それは着ると不味い物なのではないか?
「マスター、大丈夫ですか!?」
ピンク色の髪の皮を引っ張り出すマチを必死で止めようとするが、「大丈夫だよ! 分かってるから!」と言われ、マチが皮を着るのを止められなかった。
マチが着替え終わると、皮が余ったり寄っていたりして、やや不気味な巡音ルカが現れた。その後、例の反応が起こり、身体をビクビクさせ、倒れ込む。
私は、ルカの手を握って心配する事しかできない。
そして、当然のごとく、激しい嘔吐を繰り返し、マチは不可逆的にルカとなったのだ。
「マスター」と言うと、「これからはルカって読んでね」と、まさに巡音ルカの声で答えられた。
そして、「じゃぁ、さっそくエッチしよ?」とルカに誘われると、それを断ることも出来ずに、ルカのおまんこをいじり、前戯を始める。
始めると、以前のマチでは信じられないぐらいに反応がいい。
と言うよりも、反応が良すぎるのだ。
「はぁん! 来ちゃう!」
ルカが叫び、そして、全身を痙攣させると、ルカにも立派なおちんちんが生えて来た。
ルカは言う。
「ふたなりだから、入れちゃってもいいよね?」
私はゴクリとつばを飲み、そしてOKした。
「ルカの声を聞くだけで、もう、ミクのおまんこはぐちょぐちょになっちゃてて」
と、申告すると「ミクちゃんも恥ずかしがらずに言えるようになったんだね」と褒められた。そして、頬を赤らめる私に、ルカはキスの嵐を見舞わせた。
「じゃぁ、いくよ」
二人とも初めてのことだから、何がどうなるか分かっていない。
ルカが仰向けになっているところに、私がまたがる。ルカちんちんを握って、自分のおまんこに押し当てる。
「キュッ!」としたものを感じる。
構わず、ゆっくり入れていくけれど、まだ半分も入っていないのに、息が上がってきているのを感じる。
「ルカちゃん、ちょっと待って」
と、制止したところで、ルカはビクンと腰を突き上げた。
「ミクちゃん!」
叫び声とともに、おちんちんがぐっとお腹の奥まで入ってきた。そして、腰が抜けて、そのままルカの方に倒れ込んでいく。
すると、本当の奥の奥まで、おちんちんが届き、一瞬意識が飛びそうになる。
ルカの身体をぎゅっと抱きしめて、そこから動けなくなる。
「ミク! 大丈夫!?」
と気遣ってくれるが、声が出ないでいる。
身体が震えているのが分かる。
「一旦抜く?」
ルカが言うと、私は首を必死で振る。このままの方がいいと思った。
息が整うまで、どれほど経っただろうか? ルカのおちんちんはまだ元気なまま、私を貫いていた。
「ルカちゃん、動くね?」
声を掛けると、ルカは優しく頭を撫でてくれた。
ゆっくり動かすと、お腹の中でルカが蠢いているが分かる。あぁ、ルカが中にいるんだなぁと思うと、もの凄く幸せな気分になるが、しかし、快感の波は次々に襲ってくるので、あまりスムーズにピストン出来なかった。
ビクビクとしている私を見て、ルカは「ミクは健気だね」と余裕を見せていた。
「ルカちゃんの方から動いて……」
この際、もう、ルカに任せた方がいいなと思い、そう答えると、ルカはちょっと戸惑ったけど「ミクがいいならそうするよ」と返事した。
それからは、体位を変えて、猛烈にピストンされた。
「おまんこ壊れちゃう!」
と吐くほどにキツく、激しくやられた。
そして、「ミク! 出すよ!」「出して!」と言うか言わないかで、中に熱い物がドクドクと注がれるのが分かる。
二人して、ぎゅっと抱きしめ合って、そして、一晩中そのままだった。
それほどに幸せを噛み締める事が出来たのだ。
ルカは曲を作り、そして私とルカで収録し、それを上手くやってくれる人の手に委ねる。
私たちは人間じゃなくなったけれど、誰も干渉する事なく、幸せに暮らしている。
永遠はここにあるのだ。
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