ユキヤ「ユタポン、エヴァに乗れ」 ユタポン「はい…」
ユタポンはユキヤの指示に從つてエヴァに乘(の)り込み、初めての戰闘に臨むことになつた。
戰ふ相手は、「使徒」と呼ばれる巨大な怪物だつた。
ユタポンは初戰から苦戰を強いられる。
使徒の攻撃は容赦なく、初號機に休み無く攻撃を加へる。
ユキヤは自信たつぷりに「ユタボンなら、餘裕で倒せる」と豪語してゐた。
然し實際は、ユタボンはエヴァンゲリオンに乘りたくなかつたので、ユタボンは敵の攻撃を見逃すことが多い。
初號機は何度か命取りになりかけるも、ついにユタポンは使徒を撃破することに成功した。
良かつたね。
戰闘が終はつた後、ユキヤは滿面の笑みを浮かべてゐた。
ユタポンも、一瞬達成感を味はつたが、彼の心は揺れ動いてゐた。
パパの言葉に從つて行動することが自分の喜びだと信じ込んでゐたユタポンは、自分自身が望むことなど決してできないのではないかと、心の奥深くで感じてゐた。
可哀想に……。
ユキヤは、次の戰闘の準備を整へながら、息子にかう言つた。
「よくやった。次もがんばるんだぞ。」
ユタポンは、ほんの少しだけ、戰ひたくないと思つたが、それを口にすることもできず、ただ「はい」と答へた。
翌日、ユタポンが初號機に乘り込むと、戰闘が始まつた。
今囘の敵は、二體だつた。(!!!!)
ユキヤはユタポンに指示を與へ、彼はエヴァを操りながら戰闘を續けた。
しかし、前日の戰闘で傷ついた初号機は、二體の使徒には對抗できなかつた。
ユタポンは、一時撤退を命じられ、エヴァを機械式修復装置に乘せて治療しなくてはならなくなつた。
ユタポンは、戰闘中の自分の無力さに苛立ちを感じながら、エヴァの修理作業を手傳つてゐた。
すると、エントリープラグから不意にタングステンカーバイドの破片が取り出された。
それは、エヴァが使徒と戰つた痕跡だとわかった。
ユタポンは、エヴァが自分以外の人間によつて操られていることに氣付き、衝撃を受けた。
何ういふ事?
その後、ユタポンは自分が父に操られてゐることを自覚し、ユキヤに立ち向かつていくことを決意した。
彼は、ユキヤの元を離れ、自分の意志でエヴァを操り、見事使徒を倒した。
ユキヤはなぜか激怒した。
恐らく、自分の思ひ通りに動かなかつたからだらう。
然し、ユタポンの心に芽生へた、「自立心」てふ名の小さな炎は、より強くメラメラと燃え上がつた。
「さうか」
彼は氣付いた。
「さうか僕は、父さんを超えたかつたのだ」
もう既に超えてると思ふけどな。
でも若し、今迄の活動が全て、父親の支配や指揮の下にあつたとしたら。
いや、止さう。
もしさうだつたら、ここまで成功してゐる筈がない。
しかし、ユタポンは父と袂をわかち、自分の道を歩み始めた。
彼は、「書け!小説塾」の門を叩いた。
ユタポンは、自分が父に操られていたことに氣づき、自由に生きることを決意した。
そして、彼はある日、小説を書き始めた。
初めは、ユキヤに操られてエヴァに乘り、戰ふことについて書いてゐた。
然し、次第に自分自身のストーリーを織り込んでいくやうになつていつた。
彼は、自分が小説を書くことで自分自身を表現できることに氣づき、小説家を目指すやうになつた。
日本一、いや、世界一の小説家に……。
彼の小説は、父から獨立し、自分自身の足で歩き始めた彼の物語であり、多くの人々から支持されるやうになつた。
そして、ユタポンは、小説を通して多くの人々に「自立心」をもたらすことになつたのである。
枝豆平八「ワシの出番は????」