自動思考

  洗濯機を囘して干して疊んで、それを仕舞ふ。

  

  遂にそれをやらなければならない年になつたかも知れない。

  いや、ね。

  手傳ひ程度なら6歳からでもやれば良いよ。

  自分の責任でそれをやるつてのは、12歳か15歳からとかだよ。

  私はそれから逃げてきた。

  服なんてずつと同じで良い。

  風呂だつてさうだ。

  入らなくたつて死なない。

  水が勿体無いじやないか。

  いはんや服をや、である。

  さうやつて生きてきたけど、もう逃げられないかも知れない。

  

  しんどい。

  自分で稼ぎやしない穀潰しで、今に至るまで生きてきたんだから。

  あーあ、やりたくない。

  でもこれが、生活知であり、正しく行為に基づいた知識であり、ひよつとしたら人文知と呼ばれるものかもしれない。

  知らないけどね。

  偖、釦をピッと押して、洗剤を入れる。

  終はつたら機械に呼びつけにされる。

  「干せよ、臭くなるぞ」と。

  うるせえよ。

  こちとら洗濯に何分かかるかも知らねえよ、と。

  さうして干すよ、と。

  皺にならうが、洗濯挟みのやつがどれだけ傾かうが、物と物が近すぎて乾かねえよ、生乾きだよ臭いよだらうが知つたこつちやねえよ、と。

  うるせえよ。

  うるうるせえよ。

  うるせえよ。

  ええ加減にせえよ。

  お前もう川に洗濯にいけよ。

  洗濯機の内容量は、満タンつて程は入つてゐなかつた。

  でも、洗ふべきものは山盛り一杯だつた。

  しんどい。

  全部腐つてゐる。

  

  それか黴びてゐる。

  

  嘘。知らんけど。