警視庁の最上階。
雲を突くようにそびえ立つそのビルの一室で、下界を見下ろしながらヤフヤは低く独りごちた。
「今日も盛大に潮を浴びてしまった…」
——クシュンッ
(風邪を引きそうだ)
孤高の馬はビースター専用のシャワールームへ入り、鼻をすすりながら蛇口を捻った。
サァァァ...
温水がヤフヤの身体を慈しむように包み込んでいく。
先刻の海洋会議でクジラが放った潮は、ヤフヤのスーツを無惨に浸透し、彼の雄々しい汗と混ざり合ってねっとりと身体にまとわりついていた。
「…んッ」
湯で流しても海水の粘り気は容易に落ちず、それはヤフヤの逞しく長い四肢の隅々まで絡みついている。会議の度、この作業には苦戦させられる。
「取れん。激励のつもりか、、何のプレイだよっ…たく」
豪快に鬣をかき上げると、ヤフヤはベルガモットが香る石けんをたっぷりと泡立てた。
クリームのようになめらかな泡が、ゆっくりと肌の上を滑り落ちていく。
鏡に映るその姿は、一分の隙もない戦士のような、まさに究極の造形美だ。——厚く盛り上がった大胸筋は、呼吸を繰り返すたびに弾力をもって波打ち、その下には強靭な腹筋が彫刻のように幾何学的なラインを刻んでいる。いっさいの無駄が削ぎ落とされた鋼のような四肢は、天を突くように長く、野生の荒々しさと貴族的な気品を同時に漂わせていた。
泡が海水の塩分と混ざり合い、ねっとりと白く濁る。
ヤフヤは指先で粘り気をこすり取るように、丹念に自らの肢体を辿っていく。
「んぁ…あぁ…ッ…」
普段の”絶対的王者”からは想像もつかない淫靡な吐息が、密室の湯気の中に溶けていった——。
「…ハァ」
ようやく身体のベタつきを洗い流したヤフヤは、冷蔵庫から水のペットボトルを取り出して一気に飲み干した。
ズキンッ
「痛ッ!」
不意に、左肩の鋭い痛みがヤフヤを襲う。
愛肉祭が終結し、致命傷を負ったメロンを救い出したあの夜。背負った”悪の申し子”に、一瞬の隙を突かれて噛みつかれた痕だ。
(なぜあの日、俺はあいつを背負った…。正義心か、それとも、子のない俺の脆弱な親心か…)
あるいは、あの狂気的なまでにお節介なコモドオオトカゲの毒に当てられたのかもしれない。
だが、ヤフヤの意志は揺るがない。
(曲がり者はこの世から排除する。容赦なく、鉄槌を下すまでだ)
ピピピ…
壁掛け時計からのアラーム音。定期巡回の合図だ。
警視庁管轄の最重要囚人だけは、最高位のビースターが自らその生存を確認する決まりとなっている。
「……」
ヤフヤは肩の傷を無造作に押さえながら、白のタンクトップとスラックスを身に纏い、覇者の足取りで部屋を出た。
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈⚖
監獄の深部。
メロンは、肉食獣たちから届いた大量のラブレターの山に埋もれ、上裸のまま退屈そうに寝転んでいた。
透き通るような白磁の肌に、侵食するように這いずる毒々しいヒョウの斑紋。
ヤフヤは鉄格子越しに、静かにメロンを凝視する。
肩の傷からじわりと血が漏れ、白いタンクトップに紅椿を散らしたような模様を描く。
「……よぉ、天下のビースター様。洒落たシャツだな」
メロンが横たわったまま、唇を吊り上げて嘲笑う。
ヤフヤは無言でカードキーをかざし、牢扉を開けた。
中へ入り、黒く揺れる鬣の間から鋭い眼光をメロンへと突き刺す。
独裁者の圧倒的な威圧感が、狭い牢内を息が詰まるようなプレッシャーで満たしていく。
「おしゃべりはそれまでだ」
ヤフヤは迷いなく歩を進め、横たわるメロンの腹を槍のような脚で容赦なく蹴り上げた。
「ガハッ!!」
衝撃でメロンの体は「く」の字に折れ曲がり、鼻から鮮血が飛び散る。
——愛肉祭でメロンは自身の体に二発の銃弾を撃ち込み、辛うじて一命を取り留めていた。昨日ようやく意識を回復させたばかりの身体にとって、その一撃は内臓を抉るような痛みとなってメロンを襲う。
「いってェ…それが病人にすることかよ、…ッ!」
メロンは牙を剥き、地鳴りのような唸り声を鳴らしながら、殺意を宿した目でヤフヤを睨みつけた。
「知らなかったか?社会の秩序は、ビースターである俺の意志だ。
…貴様も徹底的に『矯正』してやろう」
ヤフヤが長い脚をしならせ、一歩一歩ゆっくりとメロンへとにじり寄っていく。
「…死ねッ!!」
メロンが飢えた豹のごとき瞬発力で床から弾かれた。ヤフヤの胸ぐらに掴みかかり、鋭い爪を立てて振り上げる。 ヤフヤは微動だにせず、ひらりと身をかわす。爪は宙をかすめたが、激しい風圧とともにヤフヤの頬へ赤い一筋の線を刻む。
だが、王者の余裕は崩れない。
"ビースター"はメロンの手首を掴むと、骨が軋む音を立てて捻り上げ、そのまま床へと叩き落とした。
「う、グッ…!!」
床に伏し痛みに顔を歪めたメロンだったが、即座に下半身を鞭のように激しくしなり上げ、ヤフヤの顎を狙い蹴り上げる。
しかし傷の痛みで精細を欠いた捨て身の蹴りは、またもやかわされ、瞬時にその背後を取られてしまう。
ヤフヤはメロンの両腕を封じ、抵抗しようとするガゼルの角を力任せに握り押さえつけた。
「ガッ…!」
頭部を固定すると、斑紋の肩に、躊躇なくその巨大な歯を立てる。
「グアアアアアッッ!!!」
監獄に絶叫が響き渡る。
岩をも砕く馬の強靭な歯がメロンの肩肉を抉り、圧壊させる。そこから溢れ出した暗赤色の鮮血が、ヤフヤの口元を汚し、メロンの白い肌をじわりと染めていく。
ヤフヤはそのまま、玩具を放るようにメロンをベッドへ投げ倒した。
「ア”ァッ!!」
起き上がろうとするメロンの腹を、ヤフヤは革靴の裏で踏み抜き、押さえつける。
「!!ウ”ゥッ…この……クソ馬がァ!!」
メロンは枕元に転がっていたボールペンを手にし、ヤフヤの足首を刺そうと突き出すが、ヤフヤはその腕を蹴り飛ばし、間髪入れずにメロンの頬を拳で殴りつけた。
「ガァッッ!!」
脳を直接揺さぶる衝撃にメロンの意識は揺らぎ、暗転しかける。
「この俺を二度と怒らせるな」
ヤフヤは冷徹に言い放つと、メロンの肩の傷口に革靴の鋭利な先を押し当て、ゆっくりと体重をかけた。
メロンの肩が血を噴き出しながら、抗いようのない重圧によってベッドに沈み込んでいく。
「…ッ!……ぁ、……ぐ、ぁ…!」
苦痛に喘ぎ呻き声を漏らすメロン。ヤフヤはその様子を、底知れぬ覇気を秘めた黒曜石の瞳で見下ろしながら、鞭のようにしなやかな脚でなぞるように蹂躙していく。
蹂躙の先は、肩から胸へ——二つに並ぶ柔らかな突起を冷たい革の尖端で捉えた。
それらを執拗に転がし、グリグリと押し潰すように圧迫する。
「……っ、ぐっ、やめ、ろ……!!」
敏感な部位への痛みと恥辱に、メロンは身をよじって逃れようとする。
だがヤフヤの脚は、それを嘲笑うかのように圧力を強め、じわりじわりとさらに下へ——脇腹に滑り落ちた。
「ッ!!…そこはッ…やめッ!」
ヤフヤが、メロンの脇腹に刻まれた赤褐色の痣に触れた瞬間だった。
「...ンあッ♡!!」
突如、監獄に不釣り合いな甘い嬌声が響く。
「…?」
ヤフヤが動きを止めると、脂汗を流しながら、メロンは屈辱に濡れた瞳を大きく見開いていた。
「あ……」
メロンは顔を真っ赤に染め、ヤフヤをギッと睨み上げる。
「…っ、見んじゃねぇよ!!」
ヤフヤはニヤリと、嗜虐的な笑みを浮かべた。
「ほう…。ここが、貴様の感覚器か」
グリッと再びその痣を、革靴の硬い裏で抉るように踏みつける。
「ぃやぁッ!!ッあん!♡」
激痛が神経を焼き、一瞬で甘い熱狂へと反転してメロンの肢体を喘がせる。
「ッこの…悪趣味がッ…!」
「お前だけには言われたくないね」
ヤフヤは強者の威光を宿した目でメロンを悠然と見下ろす。その双眸には、逆らうことなど許さない、独裁者の絶対的な意思が宿っている。
「誰が上なのか…いい機会だ。思い知らせてやろう」
ヤフヤはメロンの斑模様の尻尾を掴むと、根元から無慈悲に引っ張り上げた。
「ッア”ァァ♡♡!!」
暴君はメロンをうつ伏せに組み伏せると、囚人服の上から無防備な尻を、その柔らかな感触を靴裏から愉しむかのように揉みしだく。
「ッア…ンァッ…!」
メロンの白くしなやかな身体は恐怖と期待にじっとりと湿り、耐え難い刺激に弓なりに反りながら、艶やかにその細い腰を揺らしている。
「なかなかいい眺めだな…」
ヤフヤは尻尾を捻り上げたまま、脚をメロンの股の間に滑り込ませた。
ビクン!とメロンの身体が跳ねる。
硬質な革の先端が、布越しにメロンの秘部を弄り回す。
「ハァッ…ッハァ……! あ、やだ…ァ…っ…♡」
「先ほどまでの威勢はどうした。お前はこの程度か?メロン」
メロンは抗おうと必死に腕で身を起こすが、ヤフヤは岩のように厚い胸板と王者の巨躯で背後から覆いかぶさり、その肢体を封じ込めた。
「ッフ…」
不敵な笑みを浮かべると、メロンのしっとりと湿ったうなじを、熱くザラついた長い舌でねっとりと、肉質を吟味するように舐め上げる。
「ンァッ!!♡ッハァン!♡」
「腰が踊ってるぞ」
ヤフヤは有無を言わさぬ腕力で、メロンのズボンを無造作に引き剥がす。
剥き出しにされたメロンの白い尻が監獄の冷たい空気に晒されて小さく震える。
「…っ!やめろっ…」
ヤフヤは長くしなやかな指を、その円を描く曲線にそっ...と這わせた。
質感を確かめるように指の腹を滑らせ、吸い付くような肌の弾力をねっとりとなぶる。その蛇が這い回るような焦らす愛撫に、メロンの身体にゾクゾクと甘い戦慄が走り、せり上がる快楽に感情が流されていく。
「…っ、ふっ♡、…ぁ、やめっ…♡!」
掠れた声で抵抗を試みるが、ヤフヤの巨大な掌はメロンの背中を完全に固定し、微動だにさせない。
ヤフヤはメロンの窄まりへ指を移すと、薄紅色の蕾の周囲を、わざとじっくりと、なぞり上げた。
「ひぁっ!!♡……やぁぁんッ♡♡」
禁断の門をヤフヤの指が一周するたびに、メロンの窄まりは羞恥と期待に耐えかね、ピクンピクンと淫らに波打つ。
「ひくついてるぞ」
ヤフヤが低く笑う。
涙に濡れた切れ長の瞳は、必死にヤフヤを睨みつけようとするが、せり上がる熱情にとろりと溶け、これ以上ないほど艶やかに潤っている。
「はぁっ...はぁっ♡....ンぁ....」
瞳の奥に宿るのは、見る者の魂を奪うが如き、甘い猛毒を孕んだ魔性の輝き。
剥き出しの色香に、ヤフヤの瞳にも抑えきれない欲求の炎が灯る。
(…チッ、悪魔め)
ヤフヤは長く太い指に自らの唾液を絡ませると、期待に痙攣を繰り返すその蕾へずるりと滑り込ませた。
「ああぁぁぁ♡!!ッんァ!♡♡」
窄まりは、まるでこの侵入を待ちわびていたかのように、ヤフヤの指をやすやすと呑み込んでいく。
ヌプヌプヌプッ!!
「んっ!...ッはぁ...ッ♡」
内壁は吸い付くような熱を持ち、指の関節一つ一つを力強く、かつ媚びるように絡めとる。それはまるで濃厚なディープキスの如く、ねっとりとヤフヤを誘惑し、捕食せんばかりにうごめいた。
ヌチュッ... グチュッ...
指に当たるあまりの悦い感触に、ヤフヤの中の征服欲がふつふつと沸き立っていく。
「野郎を抱く趣味はないが…潮のせいで、あいにく欲求不満でな。ちょうどいい」
ヤフヤはスラックスのベルトを外し、メロンの尻に剥き出しの熱をあてがった。
それはすでに勇ましく脈を打ち、馬という種族の誇りを象徴するような質量をもって、王者のようにそびえ立っている。
「…ッ!?」
あまりに規格外の剛直を下半身に感じ、メロンの喉が恐怖と昂揚でヒュッと鳴る。
「入れるぞ。壊れないよう、精々しがみついていることだ」
「ッやめ!!……」
次の瞬間、暴力的なまでに圧倒的な質量がメロンの秘部を容赦なく貫いた。
「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ッ♡♡!!!」
挿入されただけで、その太く猛々しい野獣から放たれる激烈な電撃が四肢を貫き、メロンは大きく反り返って痙攣した。
メロンの内壁は狂ったように脈打つ。
肉食獣の強靭な締まりと、草食獣のしなやかな柔軟性——ミックス特有の禁断の肉腔は、逃がすまいと全方位からヤフヤの剛直を力強く吸い上げる。
「あ”っ、はぁっ♡、、あ”あぁッ!!」
生きたまま魂を飲み干す魔物のように、熱く、きつく、粘りつくような肉への締め付け——メロンの貪欲な吸い付きに、ヤフヤは理性がクラクラと揺らぐのを感じた。
「グッ…名器だなッ…今まで何匹をこの穴で咥えてきた?」
「あ”あぁンッ!!♡♡♡」
メロンはもはや抵抗など忘れ、脳に直接叩き込まれる快楽に理性を手放し、自ら腰を淫らに揺らし始めている。
ヤフヤは両手でメロンの腰を掴むと、その濃密に絡みつく肉壁を強引にこすり上げながら、規則的な律動を開始した。
メロンの腰は悦びにガクガクと跳ね、我慢しきれない欲望の蜜が早くもシーツを汚していく。
「なんてケツだ...ッハァ...メロン...」
ヤフヤの肌から滴り落ちる汗は、熱気に当てられ、まるで濃厚な黒蜜のようにねっとりとメロンの肌を滑り、甘い果実のような肢体を艶やかにコーティングしていく。
「……ッ、ハ♡、ァ…ヤフヤァ…ッ、…ンッ♡♡」
もはや名前を呼ぶ声に毒気はなく、悦楽という名の下に屈したメロンの瞳は、絶対的王者への蕩けるような色情で濡れている。
「…アァッ!ハァッ…ハッ…!」
ヤフヤが喉の奥から唸り声を上げた。
一撃突くごとにメロンに強く吸い付かれ、脳を痺れさせるような、とろけるほどの快感が腰を貫く。
(コイツの中...やみつきになりそうだ…!)
「ン……ン”ン”ゥッ♡♡ ア”ア”ッ……!!」
「…ッ、総仕上げだ。貴様の価値を俺に証明してみせろ」
ピストンの速度が突如跳ね上がる。
「!!...、...ッ...!!」
メロンは猛々しいヤフヤの剛直に、声にならない悲鳴を上げて悶絶する。
バチュッ! バチュッ!
骨まで響くような凄絶な肉撃の音と共に、摩擦熱が沸点を超え、火花が散るような刺激が二人を包み込んだ。
あまりの太さに内側から破裂しそうな恐怖と、それを上回る圧倒的な快感。
「ッアン!♡...ッハァ♡...ッァアア!!」
メロンの指先は空を掴むように激しく痙攣し、先走りがあふれ出してもなお、腰の震えは止まらない。
「ッッアアアア!!!」
限界まで張り詰めた弦が弾けるように、ヤフヤは猛々しい咆哮と共に、メロンの最深部へ熱い本能を吐き出した。
「ア” ア” ア” ッッ......!!♡♡」
メロンも同時に脳髄を灼く極致へと叩き落とされ、全身を激しく波打たせながら絶頂を迎える。
壮絶な蹂躙から解放され、次第に意識が、快楽の淵へと沈んでいく。
「…ふ…ぁ、、…ヤフ、ヤ…」
ヤフヤは、重なり合ったままの身体から伝わるメロンの小刻みな震えを、勝利感と形容しがたい充足感の中で感じ取っていた。
ゆっくりと身を起こすと、意識を失いかけているメロンのうなじに刻んだ歯形を指の腹でなぞる。
「…とんだ悪魔を飼ってしまったな」
その指を背から尻にかけて這わせながら、メロンの肉腔が今なお未練がましく脈打つのを感じていた。
一度味わえば二度と忘れられぬ、あの異質で強欲な締め付け——。
その感触が、王者の脊髄に消えない熱を刻みつけている。
魔性の肢体も、名器と呼ぶに相応しい吸い付きも、自分一人が独占し、徹底的に暴き立ててやりたい。
独裁者としての欲求が、ヤフヤの理性をじりじりと焼き続けていた。
「矯正はまだ始まったばかりだ。覚悟しておけ、メロン」
メロンは焦点の合わない瞳を潤ませ、だらしなく舌を覗かせながら、自らを支配する王者の重みと体内に注がれた蜜にどっぷりと浸かっていった——。